JP2013182059A - トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体媒体、着色剤及び特定のアゾ化合物を含む着色剤混合液を、メディア分散機を用いて着色剤の分散処理を行い、着色剤分散液を得る着色剤分散工程を含む、水系媒体中でトナーを生成するトナーの製造方法であって、着色剤として特定の着色剤を含有し、着色剤分散液中の着色剤の濃度が、10質量%以上25質量%以下であり、着色剤分散工程において、個数平均粒径0.05mm以上0.8mm以下のメディア粒子を使用したメディア分散機を用いて着色剤を分散させることを特徴とするトナーの製造方法。
【選択図】図2
Description
この提案によれば、トナー載り量が低減された場合(低TMA)においても、十分な着色力を実現するためには、着色剤の含有量が8質量%以上であることが好ましいとの記載がある。
従来よりも少ないトナー載り量で画像形成するには、着色剤の含有量を多くすることが必須であることは、他の公知文献からも知られている(特許文献2)。
このような着色剤の量を増やしたトナーを従来の電子写真システムに使用すると、定着特性については一定の効果が期待できるが、画像の彩度低下や色域が狭くなることがある。この原因は、着色剤の量を増やした結果、着色剤を分散する工程において、処理液の着色剤濃度が高くなり増粘することで着色剤の分散性が低下するためだと推察される。また、着色剤を分散する工程で十分な分散が行えたとしても、トナーを生成する段階で着色剤が凝集する可能性もある。結果としてトナー中の着色剤の分散状態が不十分となり、色相が変化し、画像の彩度が低下し色域が狭くなる。
従って、従来よりも少ないトナー載り量で画像形成する為には、高濃度の着色剤分散液においても増粘を抑制しつつ、着色剤の分散性を高めることが必要である。また、トナーを生成する段階でも凝集することなく、最終的に着色剤の含有量が多い場合であってもトナー中の着色剤の分散性が高く、着色力の高いトナーを提供できる製造方法が待望されている。
着色剤の分散性を高める手段として、顔料分散剤を使用する方法が多数提案されている。一例として、結着樹脂と相溶性のある基本骨格と、少なくとも1つの芳香族骨格を有する顔料分散剤を使用するという提案が挙げられる(特許文献3)。しかしながら、この提案の実施例に記載されているような、重量平均分子量(Mw)が2500以下の低分子量顔料分散剤を用いた場合、顔料分散剤の分子鎖による顔料同士の凝集を阻害する力が弱くなることがある。その場合、凝集を抑制し、分散安定性を高めるために、着色剤に対して多量の顔料分散剤を使用する必要があり好ましくない。顔料分散剤の使用量が多いと、顔料分散剤がもつ極性により帯電性に悪影響を与えるだけでなく、特に低分子量の顔料分散剤を用いた場合は、顔料分散剤のトナー表面への染み出しにより、保存安定性の低下や部材汚染を引き起こすことがあった。
また、着色剤の分散性を高める手段として高分子顔料分散剤を使用する提案がある(特許文献4)。この提案の実施例に挙げられるような高分子分散剤を使用した場合、高分子鎖により顔料同士の凝集を阻害する力が十分に働かず、それを補うために多量の顔料分散剤を使用する必要がある。着色剤に対し高い吸着力を示す顔料分散剤を使用し、少量で着色剤の分散工程における粘度低下と分散性の向上を実現できる製造方法が待望されている。
マゼンタ着色剤として使用されるキナクリドン系着色剤、ナフトールアゾ系着色剤は、凝集力が強く、着色剤自体が硬い為、分散させて使用するのが困難であると同時に、非水溶媒、水系溶媒で分散させると増粘しやすいことが知られている(特許文献5)。
また、イエロー着色剤のPigmentYellow155に関しても、着色剤自体の凝集性が強く、液体媒体中で増粘しやすい着色剤である。
特に、これらの着色剤を使用し、着色剤の含有率が高いトナーを生成する場合、着色剤を分散させる工程において、より一層の粘度上昇、分散性の悪化という問題があった。
上記難分散性の着色剤を液体媒体中で分散させる方法として、メディア粒子を用いた分散機が一般的に使用される。しかしながら、着色剤の含有量の多いトナーを生成するために、着色剤を分散する工程において着色剤分散液が高濃度・高粘度となった場合、メディア粒子がパッキングを起こす可能性がある。パッキングが生じると分散効率を低下させるだけではなく、過度の昇温による品質弊害、過負荷による装置停止を引き起こしてしまう。メディア分散機において、小径のメディア粒子を使用するとメディア同士の衝突確率が高まり、分散効率は大幅に向上する。一方でメディア粒子の粒径が小さくなるに従い、高粘度の処理液による分散性低下などの悪影響が顕著に表れる。
また、着色剤を分散する工程において、着色剤を均一かつ微細に分散でき、大容量で処理できる分散機としてメディア分離機構を備えた分散機が提案されている(特許文献6)。
特に特許文献6の図1及び図2に示すような分散システム中の分散機は、メディア粒子の充填率も高く、着色剤を効率良く微細に分散できる装置である。しかしながら、着色剤の含有量の多いトナーを生成するために、着色剤を分散する工程において着色剤分散液が高濃度・高粘度となった場合、せっかく上記のような分散性の高い分散機を使用しても性能を活かすことができない。メディア粒子の動きが高粘度液により妨げられ衝突確率が減少したり、メディア粒子のパッキングが生じて、分散性能を低下させてしまうためである。
高濃度の着色剤分散液であっても、粘度上昇が抑制され、小径のメディア粒子を用いても、メディア粒子のパッキングがなく高い分散性を発揮する製造方法が必要とされている。また、分散性の高い分散機を用いても、メディア粒子のパッキングやメディア粒子の動きが阻害されることがなく高い分散性を発揮する製造方法が待望されている。
すなわち、本発明は、液体媒体、着色剤及び下記一般式(1)で表されるアゾ化合物を含む着色剤混合液を、メディア分散機を用いて該着色剤の分散処理を行い、着色剤分散液を得る着色剤分散工程を含む、水系媒体中でトナーを生成するトナーの製造方法であって、
R1は、アルキル基、フェニル基、OR4基又はNR5R6基を表し、R4乃至R6は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フェニル基又はアラルキル基を表す。R1がポリマー成分と結合する場合、単結合又は連結基を介して結合し、R1に結合する連結基は、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アルキレン基、フェニレン基、−O−、−NR3−及び−NHCH(CH2OH)−からなる群より選ばれる二価の連結基であり、R3は、水素原子、アルキル基、フェニル基又はアラルキル基を表す。
R2は、アルキル基、フェニル基、OR8基、又はNR9R10基を表し、R8乃至R10は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フェニル基又はアラルキル基を表す。R2がポリマー成分と結合する場合、単結合又は連結基を介して結合し、R2に結合する連結基は、アルキレン基、フェニレン基、−O−、−NR7−及び−NHCH(CH2OH)−からなる群より選ばれる二価の連結基であり、R7は、水素原子、アルキル基、フェニル基又はアラルキル基を表す。
Arは、アリール基を表し、Arがポリマー成分と結合する場合、単結合又は連結基を介して結合し、Arに結合する連結基は、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アルキレン基、フェニレン基、−O−、−NR3−及び−NHCH(CH2OH)−からなる群より選ばれる二価の連結基であり、R3は、水素原子、アルキル基、フェニル基又はアラルキル基を表す。
前記単結合又は連結基が、R1、R2、又はArに結合する場合は、R1、R2、又はArの水素原子と置換して結合する。]
該着色剤がC.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Violet 19、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red269、及びC.I.Pigment Yellow 155からなる群より選ばれる1種以上を含有し、
該着色剤分散液中の着色剤の濃度が、10質量%以上25質量%以下であり、
該着色剤分散工程において、個数平均粒径0.05mm以上0.8mm以下のメディア粒子を使用したメディア分散機を用いて着色剤を分散させることを特徴とするトナーの製造方法。に関する。
本発明の製造方法において、具体的には、下記(i)または(ii)の方法によってトナーを製造する。
(i)重合性単量体、着色剤及び上記一般式(1)で表されるアゾ化合物を含む着色剤混合液を、メディア分散機を用いて着色剤の分散処理を行い、着色剤を分散して着色剤分散液を作製する(上記着色剤分散工程)。得られた着色剤分散液に、必要に応じて重合性単量体、極性樹脂及び離型剤等を添加混合して重合性単量体組成物を調製する。得られた重合性単量体組成物を水系媒体中にて造粒し、造粒された粒子中に含有される重合性単量体を重合してトナー粒子を製造する(以下、懸濁重合法ともいう)。
(ii)有機溶媒、着色剤及び上記一般式(1)で表されるアゾ化合物を含む着色剤混合液を、メディア分散機を用いて着色剤の分散処理を行い、着色剤を分散して着色剤分散液を作製する(上記着色剤分散工程)。得られた着色剤分散液に結着樹脂、及び必要に応じて離型剤等を添加溶解してトナー組成物を調製する。得られたトナー組成物を水系媒体中にて造粒し、造粒された粒子中に含有される有機溶媒を除去してトナー粒子を製造する(以下、溶解懸濁法ともいう)。
従って、着色剤分散工程で使用する液体媒体は、懸濁重合法の場合は、後述するトナーの結着樹脂を構成するための重合性単量体であることが好ましく、溶解懸濁法の場合には、後述するトナーの結着樹脂を溶解することが可能な有機溶媒であることが好ましい。
上記キナクリドン系着色剤としては、下記一般式(30]で示される顔料組成物が挙げられ、これらを単独、もしくは併用して用いることができる。
Violet 19(それぞれカラーインデックス第4版記載の名称による)が、色相や耐光性といった物理的安定性の観点と上記アゾ化合物の吸着力が高いという観点から用いられる。
上述のように、本発明の製造方法において、着色剤は、C.I.Pigment Red 122(以下、PR122ともいう)、C.I.Pigment Violet 19(以下、PV19ともいう)、C.I.Pigment Red 31(以下、PR31ともいう)、C.I.Pigment Red 150(以下、PR150ともいう)、C.I.Pigment Red269(以下、PR269ともいう)、及びC.I.Pigment Yellow 155(以下、PY155ともいう)からなる群より選ばれる1種以上を含有してなる。
まず、上記一般式(1)で表わされる構造は、下記に示されるように、一般式(T1)及び(T2)で表わされる互変異性体が存在する。これらの互変異性体についても本発明の権利範囲内である。
上記一般式(1)中、R1、R2、及びArのいずれかは、単結合又は連結基を介してポリマー成分が結合する構造を有し、
R1は、アルキル基、フェニル基、OR4基又はNR5R6基を表し、R4乃至R6は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フェニル基又はアラルキル基を表す。R1がポリマー成分と結合する場合、単結合又は連結基を介して結合し、R1に結合する連結基は、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アルキレン基、フェニレン基、−O−、−NR3−及び−NHCH(CH2OH)−からなる群より選ばれる二価の連結基であり、R3は、水素原子、アルキル基、フェニル基又はアラルキル基を表す。
R2は、アルキル基、フェニル基、OR8基又はNR9R10基を表し、R8乃至R10は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フェニル基又はアラルキル基を表す。R2がポリマー成分と結合する場合、単結合又は連結基を介して結合し、R2に結合する連結基は、アルキレン基、フェニレン基、−O−、−NR7−及び−NHCH(CH2OH)−からなる群より選ばれる二価の連結基であり、R7は、水素原子、アルキル基、フェニル基又はアラルキル基を表す。
Arは、アリール基を表し、Arがポリマー成分と結合する場合、単結合又は連結基を介して結合し、Arに結合する連結基は、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アルキレン基、フェニレン基、−O−、−NR3−及び−NHCH(CH2OH)−からなる群より選ばれる二価の連結基であり、R3は、水素原子、アルキル基、フェニル基又はアラルキル基を表す。
前記単結合又は連結基が、R1、R2、又はArに結合する場合は、R1、R2、又はArの水素原子と置換して結合する。
本発明において、上記一般式(1)の中のR1及びR2におけるアルキル基としては、
例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が挙げられる。
本発明において、上記一般式(1)中のR1乃至R2におけるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
本発明において、上記着色剤への親和性の観点から、R1は、炭素原子数1乃至6のアルキル基、フェニル基、NH2基、OCH3基、又はOCH3C6H5基であることが好適に例示できる。また、R1がポリマー成分と結合する場合、単結合又は連結基を介して結合し、該連結基としては、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アルキレン基、フェニレン基、−O−、−NH−及び−NHCH(CH2OH)−からなる群より選ばれる二価の連結基であることが好適に例示できる。
なお、上記単結合又は連結基が、R1に結合する場合は、R1の水素原子と置換して結合する。
さらに、上記一般式(1)中のR1の置換基は、着色剤への親和性を著しく阻害しない限りは更に置換基により置換されていてもよい。この場合、置換してもよい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基等である。
特にナフトールアゾ系着色剤は、着色剤のアゾ結合を挟んで存在するナフチル基とフェニル基のそれぞれが形成するπ平面と、上記アゾ化合物のアゾ結合を挟んで存在する2つのπ平面とAr基由来のπ平面が非常に類似の位置関係を取るため、強いπ電子相互作用で吸着する。また、アセトアセトアニリド系着色剤に関しても、上記アゾ化合物におけるR2がNR9R10基であり、かつR9が水素原子、R10がフェニル基である場合、例えば、PY155の一部とアゾ化合物が類似の構造となるため、お互いのπ平面が強い相互作用で吸着する。さらに、キナクリドン系着色剤に関しても、上記アゾ化合物におけるR2がNR9R10基であり、かつR9が水素原子、R10がフェニル基である場合、アゾ化合物が広いπ平面を形成し、キナクリドン系着色剤のπ平面とπ電子相互作用で強く吸着する。
上述のとおり、上記アゾ化合物がナフトールアゾ系着色剤、キナクリドン系着色剤、又はアセトアセトアニリド系着色剤(特に、PY155)に強固に吸着することで着色剤分散工程における粘度低下と分散性の向上を実現できる。更にトナーの生成段階でも該着色剤が凝集することなく、トナー中における着色剤の分散がより微細・均質となる。その結果、画像濃度が高く、帯電性及び保存安定性に優れたトナーを製造することが可能となる。
また、R2がポリマー成分と結合する場合において、R2がNR9R10基であり、かつR9が水素原子、R10がフェニル基であって、該フェニル基が二価の連結基を介して、ポリマー成分に結合する態様が好適に例示できる。さらに当該連結基が−NH−、又は−O−である態様が好適に例示できる。
これは、特に上記一般式(1)中のArがポリマー成分と結合する場合と比較して、該
Arを含め、アゾ化合物のπ電子相互作用が強いためである。つまり、Arがポリマー成分と結合している場合は、ポリマー成分がArのπ電子の電子雲に干渉し、上記一般式(1)中のアゾ骨格部分構造のπ電子、極性および上述3つの共鳴構造による効果が最大にならないためである。それに対して、R2がNR9R10基であり、かつR9が水素原子、R10がフェニル基であって、該フェニル基が二価の連結基を介して、ポリマー成分に結合する場合、R10のフェニル基のπ電子によって、ポリマー成分の上記一般式(1)中のアゾ骨格部分の電子雲への影響を低減できる。つまり、上記一般式(1)中のアゾ骨格部分構造のπ電子、極性、並びに、一般式(1)、(T1)、及び(T2)の3つの共鳴構造による効果をほぼ低減せずに済む。このため本発明の効果が最大となる。
なお、上記連結基が、R2に結合する場合は、R2の水素原子と置換して結合する。
上記一般式(1)中のArは、上記共鳴構造を阻害せず、着色剤への親和性を著しく阻害しない限りは更に置換基により置換されていても良い。この場合、置換しても良い置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基等が挙げられる。
また、Arがポリマー成分と結合する場合、単結合又は連結基を介して結合し、Arに結合する連結基は、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アルキレン基、フェニレン基、−O−、−NH−及び−NHCH(CH2OH)−からなる群より選ばれる二価の連結基であることが好適に例示できる。
上述のように、単結合又は連結基が、R1、R2、又はArに結合する場合は、R1、R2、Arの水素原子、又はArの置換基の水素原子と置換して結合する。
また、R1及びR2、並びに、R1及びR2に結合する連結基は、上記一般式(1)で示されたものと同意義である。
R11乃至R15は、それぞれ独立して水素原子、COOR16基、CONR17R18基を表す。R16乃至R18はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、フェニル基、アラルキル基を表す。
上記R16乃至R18におけるアルキル基は、炭素原子数1乃至6のアルキル基であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が挙げられる。こ
れらの中で、メチル基、エチル基、n−プロピル基、及びイソプロピル基が、立体障害による着色剤との親和性低下を防止する観点から好ましい。
上記R16乃至R18におけるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
また、上記一般式(2)において、R1、R2、R11乃至R15のいずれか一つは、単結合又は連結基を介して上記ポリマー成分と結合する。該R11乃至R15がポリマー成分と結合する場合、単結合又は連結基を介して結合し、R11乃至R15に結合する連結基は、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アルキレン基、フェニレン基、−O−、−NH−及び−NHCH(CH2OH)−からなる群より選ばれる二価の連結基であることが好適に例示できる。
なお、該単結合又は連結基が、R1、R2、R11乃至R15に結合する場合は、R1、R2、R11乃至R15の水素原子と置換して結合する。
例えば、水素結合性の強い着色剤としても知られているキナクリドン系着色剤の場合、R11乃至R15のうち少なくとも1つがCOOR16基、又はCONR17R18基であることで、キナクリドン系着色剤のカルボニル基、又は2級アミンの水素原子へ、本発明のアゾ化合物が水素結合するため、一層強く吸着される。また、PY155の場合は、PY155と本発明のアゾ化合物のπ電子相互作用に加え、PY155の末端のフェニル基に置換された2つのエステル基とCOOR16基、CONR17R18基が相互作用を起こすため、吸着力はより一層高まる。
一方、アミド結合部位を有するナフトールアゾ系着色剤(PR31、PR150、PR269)の場合は、本発明のアゾ化合物のR11乃至R15のうち少なくとも1つがCONR17R18基である場合、着色剤のアミド結合部位が相互作用を起こし、一層吸着力が増すため好ましい。
該アミド基の位置がm−位にある場合、キナクリドン系着色剤のカルボニル基、2級アミンの水素原子へ水素結合を行ううえで最適な位置関係になるため、最も効果を発揮する。
また、上記一般式(4)において、連結基を介してポリマー成分と結合しないフェニル基に結合されるアゾ結合部位と二つのCOOCH3基の位置が、o−位、及び、m−位にあることにより最も効果を発揮するが、二つのCOOCH3基が任意の位置に存在する場合であっても構わない。
上記一般式(3)および(4)において、Lは、ポリマー成分と結合するための二価の連結基を表す。該連結基Lは、二価の連結基であれば特に限定されるものではないが、アルキレン基、フェニレン基、−O−、−NH−、及び−NHCH(CH2OH)−からなる群より選ばれる二価の連結基が好適に例示される。
上記一般式(3)および(4)におけるLの結合位置(フェニル基の水素原子との置換位置)は、アミド基に対して、o−位、m−位、又はp−位のいずれの位置でもよい。これらの置換位置の違いによる着色剤への親和性は同等である。
なる。
従って、例えば、上記結着樹脂が、ビニル樹脂である場合、アゾ化合物のポリマー成分は、ビニル樹脂を主成分とすることが好ましい。一方、上記結着樹脂がポリエステル樹脂の場合、アゾ化合物のポリマー成分は、ポリエステル樹脂を主成分とすることが好ましい。
また、溶解懸濁法によるトナーを製造する場合には、アゾ化合物のポリマー成分はトナー製造時に用いられる有機溶媒と親和性の有る構造のものを選択することが好ましい。
上記一般式(5)中のR20はカルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、フェニル基、又はカルボキシル基が好ましいが、トナーを構成する結着樹脂中における該アゾ化合物の分散性及び相溶性の観点からは、フェニル基、カルボン酸エステル基、又はカルボン酸アミド基である場合が好ましい。
上記カルボン酸エステル基又はカルボン酸アラルキルエステル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチルエステル基、エチルエステル基、n−プロピルエステル基、イソプロピルエステル基、n−ブチルエステル基、イソブチルエステル基、sec−ブチルエステル基、tert−ブチルエステル基、ドデシルエステル基、2−エチルヘキシルエステル基、ステアリルエステル基、フェニルエステル基、ベンジルエステル基、2−ヒドロキシエチルエステル基等のエステル基が挙げられる。
上記カルボン酸アミド基としては、N−メチルアミド基、N,N−ジメチルアミド基、N,N−ジエチルアミド基、N−イソプロピルアミド基、N−tert−ブチルアミド基、N−フェニルアミド基等のアミド基が挙げられる。
また、上記一般式(5)におけるR20の置換基は、更に置換されていてもよく、単量体単位の重合性を阻害したり、アゾ化合物の溶解性を著しく低下させたりするものでなければ特に制限されない。この場合、置換しても良い置換基としてはアルコキシ基、アミノ基、アシル基等が挙げられる。
本発明におけるポリマー成分は、下記一般式(6−1)、(6−2)、(6−3)及び(6−4)からなる群より選ばれる単量体単位を構成成分として含む共重合体が好適に挙
げられる。
上記一般式(6−1)中のR22におけるアルキル基は、トナーを構成する結着樹脂への分散性及び相溶性の観点から、炭素原子数が1乃至22のアルキル基、又は炭素原子数が7乃至8のアラルキル基であることが好ましく、より好ましくは、炭素原子数が1乃至8のアルキル基又は炭素原子数が7乃至8のアラルキル基である。なお、該アルキル基は、直鎖構造、分岐構造又は環状構造のいずれの構造をとってもよい。
一方、上記R22におけるアラルキル基としては、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基が挙げられる。
同様に、トナーを構成する結着樹脂がポリエステル樹脂の場合には、上記ポリマー成分は、ポリエステル樹脂を含むポリマーであると、結着樹脂とアゾ化合物の相溶性を向上させることが可能である。上述のように、上記ポリマー成分とトナーを構成する結着樹脂の相溶性が高い場合、アゾ化合物におけるポリマー成分由来の高分子鎖が十分に広がった状態を維持できるため、立体反発効果が大きく、着色剤の分散状態を良好な状態で維持できる。
該アゾ化合物におけるポリマー成分は、トナーを構成する結着樹脂への相溶性を著しく阻害しない限りは、ビニル重合系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、もしくはそれら複数を化学的に結合させたハイブリッド樹脂など、任意の高分子を用いることが可能である。
該アゾ化合物におけるポリマー成分の重合形態としては、ランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体、ブロック共重合体等が挙げられる。なお、該ポリマー成分は、直鎖状構造、分岐状構造、又は架橋構造を有する構造のいずれでもよい。
トナーを構成する結着樹脂がポリエステル樹脂の場合、結着樹脂への相溶性の観点から、上記ポリマー成分が、少なくとも下記一般式(7)及び下記一般式(8)で表される単量体単位を構成成分として含む縮重合ポリマーを含有することが好ましい。或いは、下記一般式(22)で表される単量体単位を構成成分として含む縮重合ポリマーを含有することが好ましい。
上記L2におけるアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、ネオペンチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、1,3−シクロペンチレン、1,3−シクロヘキシレン、又は1,4−シクロヘキシレン基等の直鎖、分岐又は環状のアルキレン基が挙げられる。
上記L2におけるアルケニレン基としては、ビニレン基、プロペニレン基、又は2−ブテニレン基が挙げられる。
上記L2におけるアリーレン基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、2,6−ナフチレン基、2,7−ナフチレン基、又は4,4’−ビフェニレン基が挙げられる。
上記L2の置換基は、分散媒体への親和性を著しく阻害しない限りは更に置換基により置換されていても良い。この場合、置換しても良い置換基としては、メチル基、ハロゲン原子、カルボキシル基、トリフルオロメチル基及びそれらの組み合わせが挙げられる。
上記L2は上記に列挙した置換基から任意に選択できるが、分散媒体、特に非極性溶剤への親和性の観点から、炭素原子数が6以上のアルキレン基、又はフェニレン基である場合が好ましく、それらの組み合わせであっても良い。
上記L3におけるフェニレン基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、又は1,2−フェニレン基が挙げられる。
上記L3の置換基は、分散媒体への親和性を著しく阻害しない限りは更に置換基により置換されていても良い。この場合、置換しても良い置換基としては、メチル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子及びそれらの組み合わせが挙げられる。
上記L3は上記に列挙した置換基から任意に選択できるが、分散媒体、特に非極性溶剤への親和性の観点から、炭素原子数が6以上のアルキレン基、フェニレン基、又は上記一般式(8)が上記一般式(23)のビスフェノールA誘導体である場合が好ましく、それらの組み合わせであっても良い。
上記L4におけるアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、ネオペンチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、又は1,4−シクロヘキシレン基等の直鎖、分岐、又は環状のアルキレン基が挙げられる。
上記L4におけるアルケニレン基としては、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ブタジエニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基、ヘキサジエニレン基、ヘプテニレン基、オクタニレン基、デセニレン基、オクタデセニレン基、エイコセニレン基、又はトリアコンテニレン基が挙げられる。これらアルケニレン基は直鎖状、分岐状、及び環状のいずれの構造であっても良い。また、二重結合の位置はいずれの箇所でも良く、少なくとも一つ以上の二重結合を有していれば良い。
上記L4の置換基は、分散媒体への親和性を著しく阻害しない限りは更に置換基により置換されていても良い。この場合、置換しても良い置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子及びそれらの組み合わせが挙げられる。
上記L4は上記に列挙した置換基から任意に選択できるが、分散媒体、特に非極性溶剤への親和性の観点から、炭素原子数6以上のアルキレン基、又はアルケニレン基である場合が好ましく、それらの組み合わせであっても良い。
ー成分を形成する単量体数100に対して、0.5乃至30の範囲内であることが好ましく、0.5乃至15の範囲内であることがより好ましい。
特に、水系媒体中でトナーを製造する場合、アゾ化合物の酸価は30mgKOH/g以下であるとトナーの表面に該アゾ化合物が存在する確率が低くなり易く、結果として着色剤もトナー表面近傍に存在する確率が低下する傾向にある。そのため、トナー表面における着色剤の露出が低減できる。つまり、トナー表面が均質になるため、通常のトナーにおいてトナー表面に付着させて用いられているシリカなどの無機微粉体の、トナーからの遊離を低減することができる。そのため、フィルミングなどの部材汚染を改善することが可能となる。
また、上記アゾ化合物の酸価は、該極性樹脂の酸価より小さいことが好ましい。これはアゾ化合物の酸価が、極性樹脂の酸価より小さいと、トナーの表面にアゾ化合物が存在し難くなり、結果として、トナー表面への着色剤の露出を低減することができるためである。
量(Mn)は、2000以上200000以下であることが好ましく、3500以上45000以下であることがより好ましく、5000以上30000以下であることがさらに好ましい。
アゾ化合物の数平均分子量(Mn)が、2000以上であると着色剤の分散性を向上させる効果が高く、保存安定性に優れる。一方、200000以下であるとトナーを構成する結着樹脂への親和性において問題が無く、且つ定着性を阻害しない。また、アゾ化合物の数平均分子量(Mn)が200000以下であると着色剤粒子同士を橋架けし、着色剤の凝集を防止する。更に、水系媒体中でトナーを製造する場合、トナー組成物もしくは重合性単量体組成物の粘度が高粘度にならず、シャープな粒度分布のトナーが得られる。
上記アゾ化合物を合成する方法としては、例えば、下記(i)乃至(iv)に示す方法などが挙げられる。
まず、方法(i)について、スキームの一例を以下に示し、詳細に説明する。
上記P1で表されるポリマー成分は、公知の方法を用いて、分子量分布や分子構造を制御することができる。例えば、付加開裂型の連鎖移動剤を用いる方法、NMP法、ATRP法、RAFT法、その他、MADIX法、DT法などを用いることで、分子量分布や分子構造を制御したポリマー成分を製造することができる。
次に、工程2について説明する。工程2では公知の方法を利用できる。具体的には、例えば、カルボキシル基を有するポリマー成分P1と、Q1がアミノ基を有する置換基であるアゾ骨格部分構造(11)を使用することで、P1と、Q1がカルボン酸アミド結合で結ばれた上記アゾ化合物を合成することができる。具体的には、脱水縮合剤、例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等を使用する方法、ショッテン−バウマン法等が挙げられる。
例えば、イソシアネート基を有するビニル基含有化合物(12)(例えば、2−イソシアナトエチルメタクリレート[昭和電工株式会社製、商品名:カレンズMOI])と、Q1がヒドロキシル基を有する置換基であるアゾ骨格部分構造(11)を使用することで、連結基がウレタン基である、上記重合性官能基を有するアゾ骨格部分構造(13)を合成することができる。
上記カルボキシル基を有するハロゲン原子含有化合物(14)としては、その酸ハロゲン化物、酸無水物も同様に本発明において使用することができる。
また、工程6では上記方法(i)中のATRP法を利用し、ハロゲン原子を有するアゾ骨格部分構造(15)を重合開始剤として、金属触媒、配位子の存在下、上記単量体単位と重合することで、上記アゾ骨格部分構造を有する化合物を合成することができる。
又、化合物(17)中のR1がメチル基の場合は、前記化合物(17)の替わりにジケテンを用いた方法によっても合成可能である。
工程10では、上記方法(i)中の工程2と同様の方法を利用して、式(21)で表されるアゾ骨格部分構造のアミノ基と、P1で表されるポリマー成分のカルボキシル基をアミド化するなどにより結合することにより、上記アゾ化合物を合成することができる。他にはP1で表されるポリマー成分がエポキシ基を有していても(例えば、2,3−エポキシプロピルメタクリレートの共重合体)、式(21)で表されるアゾ骨格部分構造中のアミノ基と反応させ、結合させることが可能である。
上記例示した合成方法の各工程で得られた化合物は、通常の有機化合物の単離、精製方法を用い精製することができる。単離、精製方法としては、例えば、有機溶剤を用いた再結晶法や再沈殿法、シリカゲル等を用いたカラムクロマトグラフィー等が挙げられる。これらの方法を単独、または2つ以上組み合わせて精製を行うことにより、高純度の化合物を得ることが可能である。
着色剤分散工程において、処理前、処理途中の液を着色剤混合液と表現し、処理後の液を着色剤分散液と表現する。
着色剤分散工程における着色剤混合液及び着色剤分散液中の着色剤の濃度は、10質量%以上25質量%以下である。着色剤の濃度が10質量%未満の場合、トナー中に内包できる着色剤量が減少し、十分な着色力を得られないことがあり、好ましくない。一方、着色剤の濃度が25質量%より高い場合、着色剤の分散性が低下するため好ましくない。また、メディア分散機の分散効率を落とさないように粘度低下させるためには、着色剤の添加量に合わせて、上記アゾ化合物の添加量を多くする必要がある。従来の分散剤に比べる
と着色剤に対する吸着力が高く、上記アゾ化合物の添加量を少なくすることができるため、トナーへの悪影響は少ない。しかしながら、上記アゾ化合物の添加量が多くなるに従い、帯電性への影響が少なからずでてくることがあり好ましくない。
上記着色剤混合液及び着色剤分散液中の着色剤の濃度は、12質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
尚、本発明において、メディア粒子の個数平均粒径は、メディア粒子100個をノギスで測定し、その平均値をメディア粒子の個数平均粒径とした。
また、着色剤含有量の多いトナーを製造するために、着色剤分散液が高濃度及び高粘度になった場合、メディア粒子の動きが高粘度液によって妨げられ分散効率は著しく低下する。特に、液粘度が6000mPa・sを超えると分散効率の低下は顕著である。本発明においては、上記アゾ化合物を含有させることにより、着色剤分散液の粘度を6000mPa・s以下に抑制することが好ましい。
また、本発明に用いるメディア分散機は、0.05mm以上0.80mm以下のメディア粒子を使用できる装置であることが好ましい。
図1は、メディア分散機(1)を組み込んだ分散システム1を示し、図2は、メディア分散機(1)のケーシング内の断面図を示す。図3は、分散機内部に位置するメディア粒子分離セパレータの拡大図である。
以下、分散機を組み込んだ分散システムについて説明する。
図1中、41の分散機は、円筒状のベッセルと、該ベッセル内にベッセルと同軸に配置された回転可能な円筒状ロータ69、ロータに囲まれるように、メディア粒子72と着色剤混合液を分離するためのメディア粒子分離セパレータ70(以下、遠心分離スクリーンともいう)が設けられている。粉砕室75に充填されたメディア粒子は、回転する円筒状
ロータ69外面に半径方向外方に突出するように植設されたロータピン73と、ベッセルの内面に半径方向内方に突出するように植設されたベッセルピン74の作用により激しく攪拌される。軸方向一端側に設けられた処理液導入口76より分散機本体に導入された着色剤混合液は、この粉砕室75を通過することで、更に微分散・粉砕が促進される。その後、粉砕室75を通過した着色剤混合液は、遠心分離スクリーン70を通過し、軸方向他端側にあり、メディア粒子排出口を具備するロータに囲まれるように回転軸に沿った位置に設けられたスクリーン形状の処理液排出口77より排出される。この際、着色剤混合液の流れと共に遠心分離スクリーン70付近に流動したメディア粒子72は、円筒状ロータ69の回転により生じる遠心力により、メディア粒子排出口を通過し、粉砕室75へと戻される。この遠心分離作用により、着色剤混合液の大流量循環が可能となり、着色剤の効率的な分散が達成される。処理液排出口より排出された着色剤混合液は、冷却手段51を経由してホールディングタンク61へ戻る。ホールディングタンク61内の着色剤混合液は、分散機とホールディングタンク61との間のサイクルの循環を繰り返しながら、均一かつ効率よく分散が行われる。尚、本発明においては、上記分散システムを用い、着色剤を180分程度以上分散し、着色剤分散液とすることが好ましい。
本発明における分散機の円筒状ロータの周速は、8乃至15m/sの範囲内であることが好ましい。上記範囲を逸脱した周速が8m/sより小さい場合、メディアと着色剤の衝突確率が低下する為、分散効率が低下する傾向にある。更に、スクリーン近傍のメディアの分離能力が低下し、メディアのパッキングが生じる可能性がある。その為、大流量循環ができず、分散効率が低下し易い。また、周速が15m/sを超える場合、メディア粒子同士の磨耗及びメディア粒子と装置の磨耗が激しくなる為、メディア粒子破片の混入による画像性能の低下を招きやすい。
本発明における分散機の背圧は、0.4MPa以下になることが好ましい。背圧が0.4MPaを超える場合、メディア粒子のパッキングが生じ易い。その結果、過度な磨耗によるメディア粒子破片の混入による画像性能の低下が起こる場合がある。また、着色剤混合液とメディア粒子の分離不良により粉砕室におけるメディア粒子の充填率の低下が生じ易くなり、着色剤の分散効率が低下する傾向にある。
本発明における分散機のメディア粒子の充填率は、60乃至90%の充填率であることが好ましい。尚、ここでいうメディア粒子の充填率とは、粉砕室の容積に対するメディア粒子の総容積の占める割合を示す。メディア粒子の総容積は、メディア粒子をメスシリンダーに投入することで正確に測定できる。
上記メディア粒子の充填率が60%より小さい場合、メディア粒子間の摩擦力低下により、分散効率が低下し易い。一方、充填率が90%を超える場合、メディア粒子のパッキングが生じ易くなる。
上記分散機における円筒状ロータ及びベッセルの材質は、強度的な面から、ステンレス鋼、超硬、炭素鋼、アルミナ、セラミック、又はジルコニアが好ましく用いられる。また、磨耗の観点からステンレス鋼、または、超硬を用いることが好ましい。また、分散の際に発生した熱は、着色剤混合液に悪影響を与えやすいので、循環システムのライン中に冷却手段として熱交換器を設置して熱交換を行いながら運転することが好ましい。分散機を通過した後の経路内に熱交換器を設置しても良い。
着色剤混合液の液温は、10乃至50℃に調整することが好ましい。液温が10℃未満の場合、着色剤混合液に結露による水分が混入する可能性があり、分散効率を低下させる可能性がある。一方、液温が50℃を超える場合、着色剤が変質を起こす場合があり、画像特性に影響を与える可能性がある。
本発明で好ましく用いられるメディア分散機は、分散機に示すように外部循環経路を有するメディア分散機であり、分散機内を着色剤混合液で満たしながら、メディア分散機に導入排出を繰り返し、循環させながら着色剤の分散を行う方式であることが好ましい。この分散方式であれば、分散機に限定されるものではない。
本発明に使用できる分散機は、ダイノーミル(シンマルエンタープライズ社製)、アペックスミル(コトブキ技研工業製)、SCミル(三井鉱山社製)、スターミルLMZ、ス
ターミルZRS(アシザワ・ファインテック社製)、ピコグレンミル、エコミル(浅田鉄工社製)が挙げられる。
アトライターに代表されるバッチ式の分散機は、個数平均粒径0.05mm以上0.80mm以下のメディア粒子を使用すると、粘度が上昇するとすぐにメディア粒子の共まわりが起こり、分散が進行しないため本発明には適していない。また、アトライターに外部循環経路を付設し、アトライター下部からメディア粒子と着色剤混合液を分離するスクリーンを通して着色剤混合液を排出し、循環ポンプを介してアトライター上部の空間に液を戻す分散装置もある。しかし、メディアが微小粒径になるに従いスクリーンの開口も小さくなりスクリーンから着色剤混合液が排出できず循環運転ができないため本発明には適していない。
従って、分散機で説明したように分散機内を着色剤混合液で満たしながら、循環ポンプで圧送し、開口の小さいメディア分離スクリーンから着色剤混合液を排出する方式であることが好ましい。
本発明において、得られたトナーの重量平均粒径(D4)は、4.0μm以上9.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは5.0μm以上7.5μm以下である。
トナーの重量平均粒径が4.0μm未満であると、チャージアップを引き起こし易くなり、それによるカブリや飛散、画像濃度薄等の弊害を引き起こし易くなる。また、長期画像出力において帯電付与部材を汚染し易くなり安定した高画質画像を供しにくくなる。さらには、感光体上に残る転写残トナーのクリーニングが困難となるばかりでなく、融着等も発生し易くなる。
逆に、トナーの重量平均粒径が9.0μmより大きいと、微小文字等の細線再現性の低下及び画像飛び散りの低下を引き起こし易くなる。
該懸濁重合法では、上記着色剤分散液に、必要に応じて、重合性単量体、極性樹脂、離型剤及び重合開始剤等を添加混合して重合性単量体組成物を調製する。次に、該重合性単量体組成物を水系媒体中に分散して重合性単量体組成物の粒子を造粒する。そして、水系媒体中にて重合性単量体組成物の粒子中の重合性単量体を重合させてトナー粒子を得る。
上記重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。ビニル系重合性単量体としては、一般的なトナー結着樹脂を構成するための単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することができる。単官能性重合性単量体は、単独で或いは2種以上組み合わせて、又は、多官能性重合性単量体と組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、公知の油溶性重合開始剤及び/又は水溶性重合開始剤が用いられる。また、重合性単量体の重合度を制御する為に、連鎖移動剤、及び重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
上記重合開始剤の添加量は、重合性単量体100質量部に対して0.1乃至20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1乃至10質量部である。上記重合性開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時間半減温度を参考に選定すればよい。またこれら重合性開始剤は、単独または混合して使用される。
更に、本発明においては、トナー粒子の耐ストレス性を高めると共に、結着樹脂の分子量を制御するために、結着樹脂の合成時に架橋剤を用いることもできる。架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。これらの架橋剤の添加量は、トナーの定着性、耐オフセット性の点で、上記重合性単量体100質量部に対して、好ましくは0.05乃至10質量部であり、より好ましくは0.1乃至5質量部である。
本発明においては、酸に対して可溶性のある難水溶性無機分散安定化剤を用いることが好ましい。また、本発明においては、難水溶性無機分散安定化剤を用い、水系媒体を調製する場合に、これらの分散安定化剤が重合性単量体100質量部に対して0.2乃至2.0質量部の範囲となるように使用することが該重合性単量体組成物の水系媒体中での液滴安定性の点で好ましい。また、本発明においては、重合性単量体組成物100質量部に対して300乃至3000質量部の範囲の水を用いて水系媒体を調製することが好ましい。本発明において、上記難水溶性無機分散安定化剤が分散された水系媒体を調製する場合には、市販の分散安定化剤をそのまま用いても良いが、細かく均一な粒度を有する分散安定化剤粒子を得るために、水中にて高速撹拌下に、上記難水溶性無機分散安定化剤を生成させて調製することが好ましい。例えば、リン酸カルシウムを分散安定化剤として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合してリン酸カルシウムの微粒子を形成することで、好ましい分散安定化剤を得ることができる。
溶解懸濁法では、着色剤分散液及び結着樹脂、並びに必要に応じて、離型剤等を、有機溶媒中で溶解混合してトナー組成物を調製する。次に、該トナー組成物を水系媒体中に分散してトナー組成物の粒子を造粒してトナー粒子懸濁液を得る。そして、得られた懸濁液を加熱、または減圧によって有機溶媒を除去することでトナー粒子を得る。
上記工程におけるトナー組成物は、着色剤を第1の有機溶媒中で分散させた着色剤分散液を、第2の有機溶媒と混合して調製されたものであることが好ましい。即ち、着色剤を第1の有機溶媒により十分に分散させた後で、他のトナー材料と共に第2の有機溶媒と混合することにより、着色剤がより良好な分散状態でトナー粒子中に存在できる。
上記溶解懸濁法に用いることができる有機溶媒としては、上記トナー粒子懸濁液中の有機溶媒を容易に除去するため、沸点が低く、且つ上記結着樹脂を十分に溶解でき、本発明のアゾ化合物との親和性の高い有機溶媒であれば特に制限はないが、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類が好ましく用いられる。
上記有機溶媒の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、50乃至5000質量部の範囲である場合が好ましく、120乃至1000質量部の範囲である場合がより好ましい。
上記溶解懸濁法で用いられる水系媒体は、分散安定化剤を含有させることが好ましい。該分散安定化剤としては、公知の無機系及び有機系の分散安定化剤を用いることができる。
上記分散剤の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、0.01乃至20質量部の範囲である場合が、該溶剤組成物の水系媒体中での液滴安定性の点で好ましい。
懸濁重合法においては、重合性単量体組成物に、溶解懸濁法においてはトナー組成物に極性樹脂を添加し、トナー粒子を製造することで、結着樹脂及び離型剤(コア部分)を、極性樹脂(シェル部分)で被覆したコアシェル構造を有するトナー粒子を得ることができる。
そのため、上記製造法を用いて得られるトナーは、例えば、離型剤をトナー内に良好に内包化することにより、比較的多量の離型剤を含有しても、トナー表面への露出は少なく、連続プリントにおけるトナー劣化を抑制することができる。
上記シェル部分を形成させる極性樹脂として、以下に一例を挙げるがこれら以外のもの
でも構わない。
上記極性樹脂として、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、又はセルロースなどが挙げられる。好ましくは材料の多様性からポリエステルである。極性樹脂の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、0.01乃至20.0質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5乃至10.0質量部である。
樹脂系帯電制御剤以外の荷電制御剤としては、含金属サリチル酸系化合物が好適に例示でき、特にその金属がアルミニウムもしくはジルコニウムのものが好ましい。特に好ましい制御剤は、サリチル酸アルミニウム化合物である。
樹脂系帯電制御剤としては、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体が挙げられる。
スルホン酸基を有する重合体としては、特にスルホン酸基含有アクリルアミド系モノマー或いはメタクリルアミド系モノマーを共重合比で2質量%以上、好ましくは5質量%以上含有し、且つガラス転移温度(Tg)が40乃至90℃、ピーク分子量が10,000乃至30,000、重量平均分子量が25,000乃至40,000であるスチレン及び/又はスチレンアクリル酸共重合体及び/又はスチレンメタクリル酸系共重合体からなる高分子型化合物が挙げられる。
スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体は、極性が大きく、水系媒体中でトナーを製造する場合、シェル部分に局在化させることができ、効率的に帯電特性をトナーに付与することができる。
これら荷電制御剤の好ましい配合量は、結着樹脂又は重合性単量体100.00質量部に対して0.01質量部乃至20.00質量部であることが好ましく、より好ましくは0.05質量部乃至10.00質量部である。
本発明における無機微粉体は、一次粒子の個数平均粒径(D1)が4nm以上500nm以下であることが好ましい。
本発明で用いられる無機微粉体としては、シリカ、アルミナ、及びチタニアから選ばれる無機微粉体またはその複合酸化物などが例示できる。複合酸化物としては、例えば、シリカアルミニウム微粉体やチタン酸ストロンチウム微粉体等が挙げられる。これら無機微粉体は、表面を疎水化処理して用いることが好ましい。
さらに、上記トナー粒子には、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン(登録商標)粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末、あるいは酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤、ケーキング防止剤、また、逆極性の有機および/または無機微粒子を現像性向上剤として少量用いる事もできる。これらの添加剤も表面を疎水化処理して用いることも可能である。
本発明のトナーは、高速システム用トナー、オイルレス定着用トナー、クリーナーレスシステム用トナー、長期使用によって劣化した現像器内のキャリアを順次回収し、フレッ
シュなキャリアを補給していく現像方式用トナーとして用いることができる。また、公知の一成分現像方式、ニ成分現像方式を用いた画像形成方法に適用可能である。
本発明のトナーを二成分現像剤として用いる場合には、フルカラー、モノクロ問わず用いることができる。オートリフレッシュ画像形成方法用二成分系現像剤、高速システム画像形成方法用二成分系現像剤、オイルレス定着画像形成方法用二成分系現像剤、クリーナーレス画像形成方法用二成分系現像剤、TACT画像形成方法用二成分系現像剤、補給用現像剤を、空気流を用いて現像装置に供給する画像形成方法用二成分系現像剤等、公知の現像方法に適用可能である。
<アゾ化合物の、着色剤への吸着率の測定方法>
アゾ化合物の着色剤への吸着率は、以下のように測定した。
[検量線の作成]
(A)実際に製造するトナーと同じ処方の重合性単量体又はトナー組成物における液体媒体とアゾ化合物の質量比率(但し、着色剤に対して、10質量%に相当するアゾ化合物を添加するものとする)で作製した「液体媒体及びアゾ化合物の溶液」を5ml作製する(溶液1)。さらに溶液1に液体媒体を添加し、アゾ化合物の含有比率を1/5、1/10に希釈した溶液を作製する(以下、それぞれを溶液2及び溶液3という)。
(B)25℃で24時間静置した溶液1、2、及び3を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブレンフィルターで濾過したものをサンプル溶液とし、以下の条件でGPCを用いてアゾ化合物を測定し、液体媒体中のアゾ化合物濃度(g/ml)の検量線を作成した。
・高速GPC装置:「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
・カラム :LF−804の2連
・溶離液 :THF
・流速 :1.0ml/min
・オーブン温度 :40℃
・試料注入量 :0.025ml
[吸着率の測定]
(A)実際に製造するトナーと同じ処方(但し、アゾ化合物は除く)の着色剤組成物、重合性単量体組成物又はトナー組成物に、着色剤に対して10.0質量%に相当するアゾ化合物を添加し、着色剤を分散した溶液を作製後、25℃で24時間静置し、以下の条件で遠心分離した。
・コクサン(株)社製:高速遠心機 H−9R
・遠沈チューブ :PPT−010
・サンプル :遠沈チューブの容積に対して、約8割に当たる組成物を投入
・遠心条件 :10000rpmで3分(25℃)
(B)遠心分離された組成物の上澄みを採取し、フィルター(日本ミリポア社製・マイレクスLH、孔径0.45μm、直径13mm)にてろ過し、検量線と同じ条件で上記GPCを用いて上澄み液中のアゾ化合物の濃度を測定した。
(C)上記測定結果から、以下の式により吸着率(%)を算出した。
吸着率(%)={溶液1におけるアゾ化合物濃度(g/ml)−組成物の上澄み液のアゾ化合物濃度(g/ml)}/{溶液1におけるアゾ化合物濃度(g/ml)}×100
アゾ化合物、および極性樹脂の酸価は以下のようにして測定できる。
試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を酸価という。
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明に使用されるアゾ化合物又は樹脂の酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作製されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
AV=[(B−A)×f×5.61]/S
ここで、AV:酸価(mgKOH/g)、A:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、B:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
アミン価は、試料1gに含まれる全アミンを中和するために必要な過塩素酸と、当量の水酸化カリウムのmg数である。
本発明において、アミン価の測定方法は、JIS K 7237−1995に準じる。具体的には、以下の通りである。
(1)試薬の準備
クリスタルバイオレット0.1gを酢酸100mlに溶解しクリスタルバイオレット溶液を得る。過塩素酸8.5mlを、あらかじめ酢酸500mlと無水酢酸200mlとを混合した溶液中にゆっくりと加えて、混合する。これに、酢酸を加え全量を1lとしたのち、3日間放置して過塩素酸酢酸溶液を得る。前記過塩素酸酢酸溶液のファクターは次の手順で求める。まず、フタル酸水素カリウム0.1gを1mgまで量りとり、酢酸20mlに溶解したのち、o−ニトロトルエン90mlを加え、前記クリスタルバイオレット溶液を数滴加える。これを、前記過塩素酸酢酸溶液を用いて滴定して求める。
(2)操作
(A)本試験
試料2.0gを200mlのビーカーに精秤し、o−ニトロトルエン/酢酸(9:2)の混合溶液を100ml加え、3時間かけて溶解する。次いで、前記クリスタルバイオレット溶液を数滴加え、前記過塩素酸酢酸溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の青が緑色に変色し緑色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちo−ニトロトルエン/酢酸(9:2)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の試験を行う。
(3)全アミン価の算出
得られた結果を下記式に代入して、アミン価AmVを算出する。
AmV=[(D−C)×f×5.61]/S
ここで、AmV:アミン価(mgKOH/g)、C:空試験の過塩素酸酢酸溶液の添加量(ml)、D:本試験の過塩素酸酢酸溶液の添加量(ml)、f:過塩素酸酢酸溶液のファクター、S:試料(g)である。
本発明において、ポリマー成分及びアゾ化合物の数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって、ポリスチレン換算で算出される。SECによる分子量の測定は以下に示すように行った。
サンプル濃度が1.0%になるようにサンプルをテトラヒドロフラン(THF)に加え、室温で24時間静置した溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブレンフィルターで濾過したものをサンプル溶液とし、以下の条件で測定した。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−804の2連
溶離液:THF
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量 :0.025ml
また、試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂[東ソー(株)製TSK スタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500]により作成した分子量校正曲線を使用した。
着色剤分散工程における着色剤分散液中の着色剤の分散状態については、着色剤分散液のグロス(光沢度)を測定することにより測定した。着色剤分散液のグロスは、スーパーアート紙[金藤180kg80×160(セイブンドー社製)]上部に直線上に塗布した後、ワイヤーバー(#10)を用いて均一にアート紙上に塗布する。十分に乾燥させた後、平滑なガラス板の上に塗布試料を置いて測定した。測定にあたっては、HORIBA社製のGLOSS CHECKER IG320を用いて3点測定し、その平均値を着色剤分散液のグロス(光沢度)とした。
液温が30±1℃に調整された着色剤分散液を、ビスコテ−ターVT550(HAAKE社製)を用いて下記の条件下で測定を行った。
センサー:MV−DIN
せん断速度:1.075(1/s)<1min>→1.29(1/s)<1min>→4.3(1/s)<1min>→12.9(1/s)<1min>→21.5(1/s)<1min>
尚、せん断速度:12.9(1/s)で1min経過した時点の測定値を、着色剤分散液の粘度とした。
トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)はコールターカウンターTA−III型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)等種々の方法で測定可能である。本発明においてはコールターカウンターTA−III型(コールター社製)を用い、個数分布及び重量分布を算出する。トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下の通り算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールターカウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Mul
tisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。また、トナー粒子の造粒性を確認する際には、懸濁重合法の場合は、重合反応終了後のトナー粒子懸濁液を、溶解懸濁法の場合には、造粒後のトナー懸濁液を少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/重量統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
造粒工程における造粒性については、コールターカウンターで測定されたD50重量%/D50個数%により調べた。D50重量%/D50個数%とは、(重量分布基準の50%粒径)/(個数分布基準の50%粒径)である。
<アゾ化合物のポリマー成分(A−1)の製造例>
プロピレングリコールモノメチルエーテル100部を窒素置換しながら加熱し液温120℃以上で還流させ、そこへ、スチレン159.0部、アクリル酸10部、アクリル酸n−ブチル35.6部(スチレン/アクリル酸/アクリル酸n−ブチル=11.00/1.00/2.00[mol比])、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート[有機過酸化物系重合開始剤、日油(株)製、商品名:パーブチルZ]1.25部を混合したものを3時間かけて滴下した。滴下終了後、溶液を3時間撹拌した後、液温170℃まで昇温しながら常圧蒸留し、液温170℃到達後は1hPaで減圧下1時間蒸留して脱溶剤し、樹脂固形物を得た。該固形物をテトラヒドロフランに溶解し、n−ヘキサンで再沈殿させて析出した固体を濾別することでポリマー成分(A−1)を得た。得られたポリマー成分(A−1)の物性は表1に示す。
ポリマー成分(A−2)乃至(A−7)および(A−9)は表1に示すように重合性単量体の種類と組成比を変えた以外はポリマー成分(A−1)と同様にして製造した。重合性単量体の合計質量はポリマー成分(A−1)と同じとした。
得られたポリマー成分(A−2)乃至(A−7)および(A−9)の物性は表1に示す。
プロピレングリコールモノメチルエーテル100部を窒素置換しながら加熱し液温120℃以上で還流させ、そこへ、スチレン216.8部、アクリル酸10部、アクリル酸n−ブチル10.7部(スチレン/アクリル酸/アクリル酸n−ブチル=15.00/1.00/0.60[mol比])、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)[堺化学社製](β−メルカプトプロピオン酸類)0.10部及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート[有機過酸化物系重合開始剤、日油(株)製、商品名:パーブチルZ]20部を混合したものを3時間かけて滴下した。滴下終了後、溶液を3時間撹拌した後、液温170℃まで昇温しながら常圧蒸留し、液温170℃到達後は1hPaで減圧下1時間蒸留して脱溶剤し、樹脂固形物を得た。該固形物をテトラヒドロフランに溶解し、n−ヘキサンで再沈殿させて析出した固体を濾別することでポリマー成分(A−8)を得た。得られたポリマー成分(A−8)の物性は表1に示す。
トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)[堺化学社製](β−メルカプトプロピオン酸類)を0.15部に変更した以外はアゾ化合物のポリマー成分(A−8)と同様にしてアゾ化合物のポリマー成分(A−10)を製造した。得られたポリマー成分(A−10)の物性は表1に示す。
モノマー比率をスチレン216.8部、アクリル酸10部、アクリル酸n−ブチル10.7部(スチレン/アクリル酸/アクリル酸n−ブチル=15.00/1.00/0.60[mol比])、パーブチルZを0.70質量部に変更した以外はポリマー成分(A−1)と同様にしてポリマー成分(A−11)を製造した。得られたポリマー成分(A−11)の物性は表1に示す。
上記一般式(7)におけるL2がp−フェニレン基で表される単量体単位と、一般式(23)で表される単量体単位(但し、R24がエチレン基、x、yはそれぞれ1である)をそれぞれ含む樹脂(A−12)を下記方法に従い製造した。
四口フラスコ中、31.6gのオキシエチレン化ビスフェノールA、テレフタル酸14.8g、架橋剤としてグリセリン5.5g、触媒として酸化ジ−n−ブチルスズ0.5mgを、不活性ガスとして窒素ガスを導入しながら200℃で加熱溶融し撹拌した。副生する水の流出が終了した後、約1時間かけて230℃まで昇温し、2時間加熱撹拌し、溶融状態で樹脂を取り出した。常温で冷却し、水洗する事によりポリマー成分(A−12)を得た。得られたポリマー成分(A−12)の物性は表1に示す。
次に、2−アミノテレフタル酸ジメチル(メルク株式会社製)4.25部に、メタノール40.0部、濃塩酸5.29部を加えて10℃以下に氷冷した。この溶液に、亜硝酸ナトリウム2.10部を水6.00部に溶解させたもの加えて同温度で1時間反応させた。
次いでスルファミン酸0.990部を加えて更に20分間撹拌した(ジアゾニウム塩溶液)。メタノール70.0部に、化合物(24)4.51部を加えて、10℃以下に氷冷し、前記ジアゾニウム塩溶液を加えた。その後、酢酸ナトリウム5.83部を水7.00部に溶解させたものを加えて、10℃以下で2時間反応させた。反応終了後、水300部を加えて30分間撹拌した後、固体を濾別し、N,N−ジメチルホルムアミドからの再結晶法により精製することで化合物(25)を得た。次に、N,N−ジメチルホルムアミド150部に化合物(25)8.58部及びパラジウム−活性炭素(パラジウム5%)0.4部を加えて、水素ガス雰囲気下(反応圧力0.1乃至0.4MPa)、40℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を濾別し、濃縮して化合物(26)を得た。
次に、アゾ骨格部分構造である化合物(26)のアミノ基をポリマー成分(A−1)のカルボキシル基をアミド化により結合してアゾ化合物(27)を下記スキームに従い、製造した。
表2に示すようにアゾ骨格部分構造及びポリマー成分を変更した以外はアゾ化合物1と同様にしてアゾ化合物2乃至5を得た。得られたアゾ化合物2乃至5の物性は表2に示す。
アゾ化合物1の製造において、化合物(26)を、下記化合物(28)に変更した以外はアゾ化合物1と同様に製造し、アゾ化合物6を得た。アゾ化合物6の物性値を表2に示す。
表2のようにアゾ骨格部分構造及びポリマー成分を変更した以外は、アゾ化合物6と同様にしてアゾ化合物7乃至18を得た。得られたアゾ化合物7乃至18の物性は、表2に示す。
下記構造で表されるアゾ骨格部分構造を有する化合物(29)を下記スキームに従い製造した。
1.98部の化合物(26)を、1.98部の4−フェニルアゾ−1−ナフチルアミン(東京化成工業株式会社製)に変えた以外はアゾ化合物1の後工程と同様にして、アゾ化合物19を得た。得られたアゾ化合物19の物性は表2に示す。
脱水テトラヒドロフラン200部に化合物(26)を1.27質量部加えて、80℃まで加熱し溶解した。溶解後50℃に温度を下げ、脱水テトラヒドロフラン30部に溶解したポリマー成分(A−12)18.8部を加え、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(EDC・HCl)3.0部を加えて50℃で5時間撹拌した。液温を徐々に常温に戻し、一晩撹拌する事により反応を完結させた。反応終了後、溶液を濃縮し、クロロホルムで抽出し有機相を水洗した後、溶液を濃縮し、メタノールでの再沈殿による精製で、アゾ化合物20を得た。アゾ化合物20の物性を表2に示す。
組み込まれ、ポリマーと結合していることを表す。また、R2−3の「*」は、ポリマー成分であるポリエステル由来のカルボキシル基の炭素原子との結合部位を表す。一方、上記「**」又は「***」は下記一般式の「**」又は「***」と結合していることを示す。]
<着色剤分散液1の製造例>
図1の分散システムを使用して、着色剤分散液を調製した。尚、図2は、メディア分散機のケーシング内の断面図を示す。図3は、メディア分散機内部に位置し、メディア粒子と着色剤混合液を分離するメディア粒子分離セパレータの拡大図である。
メディア分散機として、メディア分散方式を採用するスターミルLMZ2型(アシザワ・ファインテック社製)を用いた。
まず、ホールディングタンク61内に、
・スチレン単量体 365部
・PR122 80部
・荷電制御剤(ボントロンE88、オリエント化学社製) 2.5部
・アゾ化合物6 7.2部
の処方で、着色剤としてPR122を含有している着色剤混合物40kgを導入し、撹拌を行いながら、着色剤混合液を調製した。その際、ジャケットに冷却水を導入・排出することにより、着色剤混合液の液温を約13℃に調整した。調製された着色剤混合物を循環ポンプで送ることによりホールディングタンク、循環ポンプ、メディア分散機の循環を繰り返し、分散を行った。
図1の分散システムにおけるメディア分散機の装置構成・分散条件は、以下のとおりである。
・回転ロータ周速:15m/s
・メディア径(個数平均粒径):0.50mmのメディア粒子(材質:ジルコニア)
・メディア充填率:85%
・分散機背圧:0.1MPa
・循環流量:5L/min
・分散時間:180min
上記の条件で分散を行い、着色剤分散液1を作製した。得られた着色剤分散液中の着色剤濃度は、17.6質量%であり、着色剤100質量部に対するアゾ化合物の含有量は9質量部であった。その後、着色剤分散液1を次工程に送液した。着色剤分散液1の物性及び分散条件を表3に示す。
PR122を、PR122とPV19の混昌体(質量比でPR122:PV19=75:25)に変更したこと以外は、着色剤分散液1の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。着色剤分散液2の物性及び分散条件を表3に示す。
PR122を、それぞれPR31、PR150、又はPR269に変更したこと以外は、着色剤分散液1の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。着色剤分散液3乃至5の物性及び分散条件を表3に示す。
図1の分散システムを使用して、着色剤分散工程を調製した。メディア分散機として、メディア分散方式を採用するスターミルLMZ2型(アシザワ・ファインテック社製)を用いた。
まず、ホールディングタンク61内に、
・スチレン単量体 365部
・PY155 50部
・荷電制御剤(ボントロンE88、オリエント化学社製) 2.5部
・アゾ化合物6 5部
の処方で、着色剤としてPY155を含有している着色剤混合物40kgを導入し、撹拌を行いながら、着色剤混合液を調製した。その際、ジャケットに冷却水を導入・排出することにより、着色剤混合液の液温を約13℃に調整した。調製された着色剤混合物を循環ポンプで送ることによりホールディングタンク、循環ポンプ、メディア分散機の循環を繰り返し、分散を行った。
図1の分散システムにおけるメディア分散機の装置構成・分散条件は、以下のとおりである。
・回転ロータ周速:15m/s
・メディア径(個数平均粒径):0.50mmのメディア粒子(材質:ジルコニア)
・メディア充填率:85%
・分散機背圧:0.1MPa
・循環流量:5L/min
・分散時間:180minであった。
上記の条件で分散を行い、着色剤分散液6を作製した。得られた着色剤分散液中の着色剤濃度は、11.8質量%であり、着色剤100質量部に対するアゾ化合物の含有量は10質量部であった。その後、着色剤分散液6を次工程に送液した。着色剤分散液6の物性及び分散条件を表3に示す。
アゾ化合物6をそれぞれアゾ化合物1乃至5に変更したこと以外は、着色剤分散液6の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。着色剤分散液7乃至11の物性及び分散条件を表3に示す。
アゾ化合物6をアゾ化合物8に変更したこと以外は、着色剤分散液1の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。着色剤分散液12の物性及び分散条件を表3に示す。
PR122;80部をPR122;54部及びPR150;26部の2種の顔料併用系に変更すること以外は、着色剤分散液1の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。着色剤分散液13の物性及び分散条件を表3に示す。
アゾ化合物6をアゾ化合物7に変更したこと以外は、着色剤分散液13の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。着色剤分散液14の物性及び分散条件を表3に示す。
PR122;27.6部及びPR150;14部 アゾ化合物6;3.7部に変更すること以外は、着色剤分散液13の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。尚、得られた着色剤分散液中の着色剤濃度は、10.1%であり、着色剤100質量部に対するアゾ化合物の含有量は8.9質量部であった。着色剤分散液15の物性及び分散条件を
表3に示す。
PR122;83部及びPR150;42部 アゾ化合物6;11.3部に変更すること以外は、着色剤分散液13の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。尚、得られた着色剤分散液中の着色剤濃度は、24.8%であり、着色剤100質量部に対するアゾ化合物の含有量は9.0質量部であった。着色剤分散液16の物性及び分散条件を表3に示す。
メディア径(個数平均粒径):0.05mmのメディア粒子(材質:ジルコニア)に変更したこと以外は、着色剤分散液13の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。着色剤分散液17の物性及び分散条件を表3に示す。
メディア径(個数平均粒径):0.80mmのメディア粒子(材質:ジルコニア)に変更したこと以外は、着色剤分散液13の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。着色剤分散液18の物性及び分散条件を表3に示す。
図1の分散システムで使用するメディア分散機を湿式ビーズミル(SCミル100;日本コークス工業社製)に変更し、メディア充填率を85%に変更したこと以外は、着色剤分散液13の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。着色剤分散液19の物性及び分散条件を表3に示す。
アゾ化合物6を、それぞれアゾ化合物9、10、11、13乃至16に変更したこと以外は、着色剤分散液13の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。着色剤分散液9乃至16の物性及び分散条件を表3に示す。
アゾ化合物14;7.2部を、それぞれ3部、15部、20部に変更したこと以外は、着色剤分散液24の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。着色剤分散液27乃至29の物性及び分散条件を表3に示す。
図1の分散システムを使用せずに、ハンディミルHM−5(日本コークス工業社製)を使用し、メディア径(個数平均粒径)が0.80mmのメディア粒子(材質:ジルコニア)を用い、アジテーター回転数を800rpmの条件で分散を行ったこと、及び、メディア充填率を85%に変更したこと以外は、着色剤分散液13の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。着色剤分散液30の物性及び分散条件を表3に示す。
アゾ化合物6を、それぞれアゾ化合物12、17、及び18に変更したこと以外は、着色剤分散液13の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。着色剤分散液31乃至33の物性及び分散条件を表3に示す。
図1の分散システムを使用して、着色剤分散工程を調製した。メディア分散機として、メディア分散方式を採用するスターミルLMZ2型(アシザワ・ファインテック社製)を
用いた。
まず、ホールディングタンク61内に、
・酢酸エチル 180部
・PR122 26部
・PR150 13.2部
・アゾ化合物20 3.5部
の処方で着色剤としてPR122及びPR150を含有している着色剤混合物40kgを導入し、撹拌を行いながら、着色剤混合液を調製した。その際、ジャケットに冷却水を導入・排出することにより、着色剤混合液の液温を約13℃に調整した。調製された着色剤混合物を循環ポンプで送ることによりホールディングタンク、循環ポンプ、メディア分散機の循環を繰り返し、分散を行った。
図1の分散システムにおけるメディア分散機の装置構成・分散条件は、以下のとおりである。
・回転ロータ周速:15m/s
・メディア径(個数平均粒径):0.50mmのメディア粒子(材質:ジルコニア)
・メディア充填率:85%
・分散機背圧:0.1MPa
・循環流量:5L/min
・分散時間:180min
上記の条件で分散を行い、着色剤分散液34を作製した。得られた着色剤分散液中の着色剤濃度は、17.6質量%であり、着色剤100質量部に対するアゾ化合物の含有量は8.9質量部であった。その後、着色剤分散液34を次工程に送液した。着色剤分散液34の物性及び分散条件を表3に示す。
アゾ化合物を使用せず、スチレン単量体365部を370部に変更した以外は、着色剤分散液6の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。尚、60min経過時点で、メディア粒子が分散機内でパッキングを起こし回転ロータの過負荷で停止した。運転不可となった為、分散時間60minで運転を終了した。着色剤分散液35の物性及び分散条件を表3に示す。
アゾ化合物を使用せず、スチレン単量体365部を372.2部に変更した以外は、着色剤分散液13の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。尚、回転ロータのモーター電流値が着色剤分散液13を製造する時に比べ高めに推移していた。メディア粒子がパッキング気味であり、分散が十分に進んでいないと考えられる。着色剤分散液36の物性及び分散条件を表3に示す。
アゾ化合物6をアゾ化合物19に変更したこと以外は、着色剤分散液13の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。着色剤分散液37の物性及び分散条件を表3に示す。
メディア径(個数平均粒径):0.03mmのメディア粒子(材質:ジルコニア)に変更したこと以外は、着色剤分散液16の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。尚、120min経過時点で、メディア粒子が分散機内でパッキングを起こし回転ロータの過負荷で停止した。運転不可となった為、分散時間120minで運転を終了した。着色剤分散液38の物性及び分散条件を表3に示す。
メディア径(個数平均粒径):1.50mmのメディア粒子(材質:ジルコニア)に変更したこと以外は、着色剤分散液16の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。着色剤分散液39の物性及び分散条件を表3に示す。
PR122;107部及びPR150;53部、アゾ化合物6;14.4部に変更すること以外は、着色剤分散液13の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。尚、得られた着色剤分散液中の着色剤濃度は、29.5質量%であり、着色剤100質量部に対するアゾ化合物の含有量は9.0質量部であった。また、回転ロータのモーター電流値が着色剤分散液13を製造する時に比べ高めに推移していた。メディア粒子がパッキング気味であり、分散が十分に進んでいないと考えられる。着色剤分散液40の物性及び分散条件を表3に示す。
PR122;20部及びPR150;10部、アゾ化合物6;2.7部に変更すること以外は、着色剤分散液13の製造例と同様の装置構成・条件にて分散を行った。尚、得られた着色剤分散液中の着色剤濃度は、7.5質量%であり、着色剤100質量に対するアゾ化合物の含有量は9.0質量部であった。着色剤分散液41の物性及び分散条件を表3に示す。
イオン交換水500部に5部のNa3PO4・12H2Oを投入し60℃に加温した後、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて3,500回転/分にて撹拌した。これに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液27部を添加し、Ca3(PO4)2を含む水系媒体を得た。
その後、分散質系として、
・スチレン単量体 30部
・n−ブチルアクリレート 30部
・飽和ポリエステル樹脂 5部
[プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)とテレフタル酸との重縮合物(重合モル比が10:12)、Tg=68℃、Mw=10000、Mw/Mn=5.12]
・低分子量スチレン樹脂 10部
(Mw:3200、Mw/Mn:1.25、Tg:53℃)
・フィッシャートロプシュワックス 12部
[HNP−51(日本精鑞(株)製):最大吸熱ピーク=78.0℃]
・極性樹脂 0.5部
[2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を5%含有するスチレン−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体、Tg=81℃]
・着色剤分散液1 100部
上記処方を、60℃に加温し30分間溶解混合した。これに、重合開始剤である1、1、3、3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液13部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N2雰囲気下において、クレアミックスにて4500rpmで15分間撹拌し、重合性単量体混合物を造粒した。
その後、フルゾーン撹拌翼(神鋼パンテック社製)で撹拌しつつ、70℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、フルゾーン撹拌翼で撹拌を続けながら飽和水蒸気(ピュアスチーム/スチーム圧力205kPa/温度120℃)を導入した。飽和水蒸気の導入を開始から20分後、容器内の内容物の温度は100℃に達し、蒸留留分が出始めた。所定量の留分を得ることで残存モノマーを留去し、冷却してトナー粒子分散液を得た。
トナー粒子分散液に塩酸を加えてトナー粒子表面のリン酸カルシウム塩を溶解した後、濾過・水洗・解砕・乾燥を行ない、トナー粒子を得た。尚、トナー粒子中の着色剤の含有率は、8.9質量%である。この得られたトナー粒子100質量部に対し、1.5質量部のシリカ粒子(RY200:日本アエロジル社製)とジメチルシリコーンオイルで表面処理されたルチル型酸化チタン微粉体0.2質量部(平均一次粒径:30nm)をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で5分間乾式混合して、トナー1を得た。トナー1に対して
、下記の評価方法に従い評価を行った。評価結果を表4に示す。
着色剤分散液1をそれぞれ着色剤分散液2乃至33に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー2乃至33を得た。この得られたトナーを、下記の評価方法に従い評価を行った。評価結果を表4に示す。
トナー組成物の組成を下記に示す。
・着色剤分散液34 54.6部
・結着樹脂 85.0部
[飽和ポリエステル樹脂(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとフタル酸の重縮合物、Tg=75.9℃、Mw=11000、Mn=4200、酸価11mgKOH/g
)]
・フィッシャートロプシュワックス 9.0部
[HNP−51(日本精鑞(株)製):最大吸熱ピーク=78.0℃]
・荷電制御剤(ボントロンE88、オリエント化学社製) 2.0部
・極性樹脂 0.3部
[2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を5%含有するスチレン−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体、Tg=81℃]
・酢酸エチル(有機溶媒) 10.0部
一方、下記組成をスターミルLMZ2型で3時間分散する事により、カルボキシメチルセルロースを溶解し、水系媒体を得た。
・炭酸カルシウム(アクリル酸系共重合体で被覆) 20.0部
・カルボキシメチルセルロース 0.5部
[セロゲンBS−H、第一工業製薬(株)製]
・イオン交換水 99.5部
該水系媒体1200部を、高速撹拌装置T.K.ホモミキサー[プライミクス(株)製]に入れ、回転羽根を周速度20m/secで撹拌しながら、上記トナー組成物1000部を投入し、25℃一定に維持しながら1分間撹拌して懸濁液を得た。その際のトナー粒子の重量平均粒径は、5.8μm、D50重量%/D50個数%は、1.20であった。
上記懸濁液2200部をフルゾーン翼[(株)神鋼環境ソリューション製]により周速度45m/minで撹拌しながら、液温を40℃一定に保ち、ブロワーを用いて上記懸濁液面上の気相を強制吸気し、溶剤除去を開始した。その際、溶剤除去開始から15分後に、イオン性物質として1%に希釈したアンモニア水75質量部を添加し、続いて溶剤除去開始から1時間後に上記アンモニア水25質量部を添加し、続いて溶剤除去開始から2時間後に上記アンモニア水25質量部を添加し、最後に溶剤除去開始から3時間後に上記アンモニア水25質量部を添加し、総添加量を150質量部とした。更に液温を40℃に保ったまま、溶剤除去開始から17時間保持し、懸濁粒子から溶剤(酢酸エチル)を除去したトナー分散液を得た。
溶剤除去工程で得られたトナー分散液300部に、10mol/l塩酸80部を加え、更に0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液により中和処理後、濾過・水洗・解砕・乾燥を行い、重量平均粒径(D4)5.8μmのトナー粒子を得た。尚、トナー粒子中の着色剤の含有率は、9.0質量%である。この得られたトナー粒子100質量部に対し、1.5質量部のシリカ粒子(RY200:日本アエロジル社製)とジメチルシリコーンオイルで表面処理されたルチル型酸化チタン微粉体0.2質量部(平均一次粒径:30nm)をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で5分間乾式混合して、トナー34を得た。トナー34に対して、下記の評価方法に従い評価を行った。評価結果を表4に示す。
着色剤分散液1をそれぞれ着色剤分散液35乃至41に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてトナー35乃至41を得た。この得られたトナーを、下記の評価方法に従い評価を行った。評価結果を表4に示す。
<評価機>
画像形成装置としては市販のレーザプリンタであるLBP−5400(キヤノン製)の改造機を用い、以下特に断りの無い限り、温度23℃、相対湿度50%の環境下において、評価紙として坪量が75g/m2のbusiness4200(Xerox社製)を用いて行った。
尚、評価機の改造点は、評価機本体のギアおよびソフトウエアを変更することにより、プロセススピードが270mm/secとなるように改造した。
評価に用いるカートリッジは市販のイエロー或いはマゼンタカートリッジを用いた。す
なわち、市販のイエロー或いはマゼンタカートリッジから製品トナーを抜き取り、
エアーブローにて内部を清掃した後、本発明によるイエロー或いはマゼンタトナーを200g充填して評価を行った。
トナー粒子の造粒性は、懸濁重合法の場合は、重合反応終了後のトナー粒子懸濁液を、溶解懸濁法の場合には、懸濁粒子から溶剤を除去したトナー分散液を用いて、コールターカウンターで測定されたD50重量%/D50個数%により調べた。
造粒性判定基準(D50重量%/D50個数%)
A:1.25未満。非常に粒度分布がシャープであり好ましい。
B:1.25以上1.30未満。粒度分布は、若干ブロード気味であるが、製品としては問題ないレベル。
C:1.30以上。粒度分布は、ブロードであり、製品としては問題がある。
上記評価機を用い、0.1mg/cm2から1.0mg/cm2の範囲で転写紙上にトナー量の異なる数種類のベタ画像を作製し、それらの画像濃度を
「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて測定し、転写紙上のトナー量と画像濃度の関係を求めた後、
特に転写紙上のトナー量が0.5mg/cm2の場合に対応する画像濃度をもって相対的に着色力を評価した。
A:画像濃度が1.40以上
B:画像濃度が1.35以上1.40未満
C:画像濃度が1.20以上1.35未満
D:画像濃度が1.20未満
上記評価機を用い、耐久試験を行うことによりトナーの耐久性を評価した。
耐久試験の条件は、高温高湿環境(30℃、80%RH;H/H)の環境下において、印字比率が2%のオリジナル画像を1日に3000枚のプリントアウトを行い、4日間で合計12000枚の出力を行った。
なお、評価のタイミングは1000枚おきと、各評価日の最初の1枚目においてべた白画像を出力して、下記評価基準により行った。
「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)を用いて、標準紙とプリントアウト画像の白地部分の反射率を測定して、下記式によりカブリ(反射率;%)を算出した。フィルターは、ブルーフィルターを装着して測定した。
カブリ(反射率;%)=(標準紙の反射率;%)−(サンプルの反射率;%)
なお、評価基準は耐久を通しての最悪値を以下の基準により判断した。
A:非常に良好 1.0%未満
B:良好 1.0%以上乃至2.0%未満
C:実用上問題なし 2.0%以上乃至3.0%未満
D:劣る 3.0%以上
トナーの保存安定性評価は、10gのトナーを100mlのポリカップに量り取り50℃の恒温層の中へ3日間放置した後、200メッシュ(目開き)の篩性により評価した。
測定装置としては、デジタル振動計(DEGITAL VIBLATIONMETERMODEL 1332 SHOWA SOKKI CORPORATION製)を有するパウダーテスター(細川ミクロン社製)を用いた。
測定法としては、セットした200メッシュふるい(目開き75μm)上に評価用のト
ナーのせ、デジタル振動計の変位の値を0.50mm(peak−to−peak)になるように調整し、30秒間振動を加えた。その後、各ふるい上に残ったトナーの凝集塊の状態から保存安定性を評価した。
A;メッシュ上のトナー残量が1.0g未満であり、流動性に優れている。
B;メッシュ上のトナー残量が1.0g以上2.5g未満であり、凝集塊があっても容易にほぐれる。
C;メッシュ上のトナー残量が2.5g以上または、凝集塊があり容易にほぐすことが出来ない。
ピン、75:粉砕室、76:処理液導入口、77:処理液排出口、78:ウェッジワイヤー、79:冷却水入口 80:冷却水出口
Claims (11)
- 液体媒体、着色剤及び下記一般式(1)で表されるアゾ化合物を含む着色剤混合液を、メディア分散機を用いて該着色剤の分散処理を行い、着色剤分散液を得る着色剤分散工程を含む、水系媒体中でトナーを生成するトナーの製造方法であって、
R1は、アルキル基、フェニル基、OR4基又はNR5R6基を表し、R4乃至R6は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フェニル基又はアラルキル基を表す。R1がポリマー成分と結合する場合、単結合又は連結基を介して結合し、R1に結合する連結基は、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アルキレン基、フェニレン基、−O−、−NR3−及び−NHCH(CH2OH)−からなる群より選ばれる二価の連結基であり、R3は、水素原子、アルキル基、フェニル基又はアラルキル基を表す。
R2は、アルキル基、フェニル基、OR8基又はNR9R10基を表し、R8乃至R10は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フェニル基又はアラルキル基を表す。R2がポリマー成分と結合する場合、単結合又は連結基を介して結合し、R2に結合する連結基は、アルキレン基、フェニレン基、−O−、−NR7−及び−NHCH(CH2OH)−からなる群より選ばれる二価の連結基であり、R7は、水素原子、アルキル基、フェニル基又はアラルキル基を表す。
Arは、アリール基を表し、Arがポリマー成分と結合する場合、単結合又は連結基を介して結合し、Arに結合する連結基は、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アルキレン基、フェニレン基、−O−、−NR3−及び−NHCH(CH2OH)−からなる群より選ばれる二価の連結基であり、R3は、水素原子、アルキル基、フェニル基又はアラルキル基を表す。
前記単結合又は連結基が、R1、R2、又はArに結合する場合は、R1、R2、又はArの水素原子と置換して結合する。]
該着色剤がC.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Violet 19、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red269、及びC.I.Pigment Yellow 155からなる群より選ばれる1種以上を含有し、
該着色剤分散液中の着色剤の濃度が、10質量%以上25質量%以下であり、
該着色剤分散工程において、個数平均粒径0.05mm以上0.80mm以下のメディア粒子を使用したメディア分散機を用いて着色剤を分散させることを特徴とするトナーの製造方法。 - 前記メディア分散機が、外部循環経路を有するメディア分散機であり、分散機内を着色剤混合液で満たしながら、着色剤混合液をメディア分散機に導入排出を繰り返し、循環させながら着色剤の分散を行い、着色剤分散液を得ることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 前記メディア分散機が、円筒状のベッセルと、該ベッセル内にベッセルと同軸に配置され該ベッセルに対して回転可能なロータとを備え、該ベッセルの内面には半径方向内方に
突出するベッセルピンが植設され、該ロータの外面には半径方向外方に突出するロータピンが植設され、該ベッセルの内部には該メディア粒子が充填され、軸方向一端側には該着色剤混合液を該ベッセル内に導入する処理液導入口が、他端側には、スクリーン形状の処理液排出口がメディア粒子排出口を具備するロータに囲まれるように回転軸に沿った位置に設けられ、該処理液導入口から着色剤混合物を導入し、処理液排出口に向けて送りながら該ロータを該ベッセルに対して回転させることにより該ベッセル内のメディア粒子を攪拌し、該着色剤を微分散することを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。 - 前記着色剤分散液中の前記アゾ化合物の含有量は、前記着色剤の総量100質量部に対して、3質量部以上15質量部以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
- 前記液体媒体が重合性単量体であり、前記着色剤分散工程で得られた着色剤分散液を含む重合性単量体組成物を水系媒体中にて造粒し、造粒された粒子中に含有される重合性単量体を重合してトナー粒子を得ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
- 前記一般式(1)で表されるアゾ化合物が下記一般式(2)で表されるアゾ化合物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
- 前記一般式(1)中のR2がNR9R10基であり、かつR9が水素原子、R10がフェニル基であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
- 前記一般式(1)中のR2がNR9R10基であり、かつR9が水素原子、R10がフェニル基であり、前記フェニル基が二価の連結基を介して、前記ポリマー成分に結合していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
- 前記アゾ化合物の酸価が、30mgKOH/g以下であり、前記アゾ化合物のアミン価が、10mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
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