JP2015068088A - 水洗大便器 - Google Patents
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Abstract
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このような問題を解決するために、例えば、特許文献1に記載されているように、貯水タンク内の水位が洗浄開始前の初期水位から所定水位に低下するまでの水位低下時間を計測し、この計測した水位低下時間に基づいて、便器本体の吐水口からボウル部に吐水する洗浄水の吐水流量を調整する洗浄制御手段を備えているものも知られている。
このように構成された本発明においては、便器本体の圧力損失に応じた排水装置の駆動を調整するために、洗浄制御手段が、排水装置を止めた状態の貯水タンク内の水位から、所定水位に上昇するまでの水位上昇時間を計測しているため、従来技術の貯水タンク内の洗浄開始前の所定の初期水位から排水装置を止めた状態の水位に低下するまでの水位低下時間を計測する場合に比べて、計測する時間を長く確保することができ、水面が波立っていない安定した貯水タンク内の水位状態で計測することができる。したがって、適用する便器本体の圧力損失(例えば、導水路の圧力損失)を精度良く検出することができ、この便器本体毎の圧力損失に応じた排水装置の駆動を適切に調整することができる。また、適用する便器本体に製造誤差が生じていたとしても、便器本体毎の圧力損失に応じて、洗浄制御手段により排水装置の駆動を適切に調整することができるため、便器洗浄性能を損なうことなく、確実な便器洗浄を行うことができる。さらに、洗浄水の無駄水も少なくなり、節水化を図ることもできる。
このように構成された本発明においては、便器本体の圧力損失に応じた排水装置の駆動時間を調整するために、計時手段が、排水装置を止めた状態の貯水タンク内の水位から洗浄開始前の所定の初期水位に上昇するまでの第1の水位上昇時間を計測しているため、計時手段が、貯水タンク内の洗浄開始前の所定の初期水位から排水装置を止めた状態の水位に低下するまでの水位低下時間を計測する場合に比べて、簡易な構成で、計測する時間をより長く確保することができる。したがって、便器本体の圧力損失に応じた排水装置の駆動時間をより精度良く調整することができる。また、適用する便器本体に製造誤差が生じていたとしても、便器本体毎の圧力損失に応じて、洗浄制御手段により排水装置の駆動時間をより精度良く調整することができるため、便器洗浄性能を損なうことなく、より確実な便器洗浄を行うことができる。さらに、洗浄水の無駄水も少なくなり、節水化を図ることもできる。
このように構成された本発明においては、計時手段が計測した第1の水位上昇時間と標準便器における水位上昇時間とを比較することにより、適用する便器本体の圧力損失(例えば、導水路の圧力損失)をより精度良く検出することができ、この便器本体毎の圧力損失に応じた排水装置の駆動時間を適切に調整することができる。また、適用する便器本体に製造誤差が生じていたとしても、便器本体毎の圧力損失に応じて、洗浄制御手段により排水装置の駆動時間を適切に調整することができるため、便器洗浄性能を損なうことなく、より確実な便器洗浄を行うことができる。さらに、洗浄水の無駄水も少なくなり、節水化を図ることもできる。
このように構成された本発明においては、排水装置を所定時間駆動させて貯水タンク内を空の状態とし、その後排水装置を止めた状態から貯水タンク内の水位が所定の初期水位に上昇するまでの第2の水位上昇時間を計時手段が計測し、この第2の水位上昇時間と貯水タンクの容量とから算出した第1の給水流量から標準便器における水位上昇時間を定め、第1の水位上昇時間と標準便器における水位上昇時間とを比較することにより、便器本体の圧力損失に応じた排水装置の駆動時間をより精度良く調整することができる。また、適用する便器本体に製造誤差が生じていたとしても、便器本体毎の圧力損失に応じて、洗浄制御手段により排水装置の駆動時間をより精度良く調整することができるため、便器洗浄性能を損なうことなく、より確実な便器洗浄を行うことができる。さらに、洗浄水の無駄水も少なくなり、節水化を図ることもできる。
このように構成された本発明においては、計時手段による第2の水位上昇時間及び第1の水位上昇時間のそれぞれの計測の前に給水装置を止めた状態としてから作動させて貯水タンク内への洗浄水の給水を開始することにより、給水装置による貯水タンク内への第1の給水流量が変動する(継続的に給水することにより第1の給水流量が低下していく)ことを防ぎ、貯水タンク内の水位上昇を安定させることができる。したがって、第2の水位上昇時間及び第1の水位上昇時間のそれぞれを精度よく計測することができ、便器本体の圧力損失に応じた排水装置の駆動時間をより精度良く調整することができる。また、適用する便器本体に製造誤差が生じていたとしても、便器本体毎の圧力損失に応じて、洗浄制御手段により排水装置の駆動時間をより精度良く調整することができるため、便器洗浄性能を損なうことなく、より確実な便器洗浄を行うことができる。さらに、洗浄水の無駄水も少なくなり、節水化を図ることもできる。
このように構成された本発明においては、第1の給水流量を算出した後、第2の給水流量を算出するまでに給水流量の変動があり、第2の給水流量が第1の給水流量と大きく異なる場合であったとしても、便器本体の圧力損失を考慮した洗浄能力を確保することができる既定値の給水流量として設定することができるため、排水装置の駆動時間を決定することができる。したがって、便器本体の圧力損失に応じた排水装置の駆動時間を調整することができる。また、適用する便器本体に製造誤差が生じていたとしても、便器本体毎の圧力損失に応じて、洗浄制御手段により排水装置の駆動時間を調整することができるため、便器洗浄性能を損なうことなく、より確実な便器洗浄を行うことができる。さらに、洗浄水の無駄水も少なくなり、節水化を図ることもできる。
このように構成された本発明においては、適切な制御が行われていないことを報知手段により使用者に知らせることができると共に、便器本体の圧力損失を考慮した洗浄能力を確保することができる既定値の給水流量が設定された水洗大便器が動作し、確実な便器洗浄を行うことができる。
まず、図1は、本発明の一実施形態による水洗大便器の概略図である。
図1に示すように、符号1は、本発明の一実施形態による水洗大便器を示している。この水洗大便器1は、陶器製の便器本体2と、この便器本体2の後部に取り付けられ、便器洗浄に使用される洗浄水を貯水して便器本体2へ給水する貯水タンク4とを備えており、貯水タンク4から洗浄水が供給されて便器本体2のボウル部6内の水の落差による流水作用で汚物を押し流す、いわゆる、洗い落し式の水洗大便器である。
便器本体2の導水路8の上方に位置する貯水タンク4の底部には、水洗大便器1の導水路8と連通し且つ貯水タンク4内の洗浄水が排水される排水口18が形成されている。
給水管28の上流側には、定流量弁34が設けられ、この定流量弁34の上流側には、止水栓36が設けられて、この止水栓36の上流側は、外部の水道等の給水源(図示せず)に接続されている。
また、回転駆動装置42は、回転軸42aを駆動するためのモータ(図示せず)が内臓されており、このモータ(図示せず)の作動は、制御装置26によって制御されるようになっている。
一方、回転軸42aが所定方向と反対方向に回転すると、オーバーフロー管38及び弁部材40が貯水タンク4内の水位の下降と共に下降し、排水口18が弁部材40により閉止されるようになっている。
なお、本実施形態の水洗大便器1の排水装置22においては、回転駆動装置42の回転軸42aの駆動によりオーバーフロー管38及び弁部材40が上下動し、排水口18を開閉する、いわゆる、直動式の排水弁の形態について説明するが、フラッパ式の排水弁の形態を適用してもよいし、ポンプによって排水を行うような形態を適用してもよい。
なお、本実施形態では、貯水タンク4の排水口18から便器本体2の導水路8に排水される洗浄水量について、排水装置22の弁部材40を上昇させる位置を上、中、下の3段階の位置に設定することにより、大洗浄モード、小洗浄モード、及びエコ小洗浄モードによる3種類の便器洗浄が可能となっているが、洗浄モードの種類については、3種類に限定されず、大洗浄モードのみを行う便器であってもよいし、大洗浄モードと小洗浄モードの2種類を行う便器であってもよい。
さらに、制御装置26は、適切な便器圧力損失学習制御が行われていないことを使用者にLED表示器等を点滅させて異常を知らせる報知器50を備えている。
図2は、本発明の一実施形態による水洗大便器の制御装置による便器圧力損失学習制御の内容を示すフローチャートであり、図3は、本発明の一実施形態による水洗大便器の動作を示すタイムチャートである。
以後同様に、ステップS1,S2とステップS3との間(図3の時刻t6の直前の所定時間)、及び、ステップS3とステップS4との間(図3の時刻t10の直前の所定時間)においても、給水バルブ30が所定時間閉弁して、給水を停止する。
すなわち、ステップS1,S2、ステップS3、ステップS4のそれぞれが実行され、計時装置48による所定の計測が行われる前に、給水バルブ30を所定時間閉弁して給水装置20を止めた状態とし、その後に作動させ貯水タンク4内への洗浄水の給水を開始することにより、図3の時刻t13まで、給水装置20の上流側の定流量弁34の挙動を安定化させて流量のばらつきを抑制する。
そして、図2のステップS2において、給水装置20の給水口32から貯水タンク4に給水される第1の給水流量Q1を算出する。
図4は、本発明の一実施形態による水洗大便器を用いた制御装置による便器圧力損失学習制御において、貯水タンク4内の水位を空の状態とし、その後排水装置22が閉弁した状態から貯水タンク4内の水位が洗浄開始前の初期水位(止水水位WL)に上昇するまでの水位上昇時間T1(図1参照)から第1の給水流量Q1を算出するための特性図(貯水タンクの水位上昇時間T1と給水装置20の第1の給水流量Q1との関係図)である。
このとき、図3の時刻t4では、排水装置22が排水口18を閉止すると同時に、制御装置26の計時装置48が、貯水タンク4内の水位が時刻t4から洗浄開始前の初期水位(止水水位WL)まで上昇した時刻t5までの水位上昇時間T1(=t5−t4)の計測をする(図1及び図3のT1参照)。また、図3の時刻t5では、フロートスイッチ24はオフからオンとなる。
本実施形態では、貯水タンク4内の水位が時刻t4から洗浄開始前の初期水位(止水水位WL)まで上昇した時刻t5までの水位上昇時間T1(=t5−t4)の計測をしているが、初期水位ではなく、初期水位より低い所定水位や初期水位より高い所定水位まで上昇した時刻までの水位上昇時間を計測しても良い。
なお、この計時装置48が計測した水位上昇時間T1を図4に当てはめられて算出された第1の給水流量Q1は、計測した水位上昇時間T1と貯水タンク4の容量とからも算出することができる。
図5は、本発明の一実施形態による水洗大便器の貯水タンク、給水装置、及び排水装置を基準便器に適用した場合において、排水装置を所定時間駆動して洗浄水を排出した後、この排水装置が閉弁した状態の貯水タンク内の死水水位DWL1から洗浄開始前の初期水位(止水水位WL)に上昇するまでの水位上昇時間T2を図4で算出した第1の給水流量Q1から算出するための特性図(給水装置の第1の給水流量Q1と貯水タンクの水位上昇時間T2との関係図)である。
また、図6は、本発明の一実施形態による水洗大便器を用いた洗浄制御装置による便器圧力損失検知制御において、排水装置を所定時間駆動して洗浄水を排出した後、この排水装置が閉弁した状態の貯水タンク内の死水水位DWL1から洗浄開始前の初期水位(止水水位WL)に上昇するまでの水位上昇時間T3と図5で算出した水位上昇時間T2との比(T3/T2)から算出した便器圧力損失係数Kに基づいて、排水装置の開弁時間T4を算出するための特性図(便器圧力損失係数Kと排水装置の開弁時間T4との関係図)である。
本実施形態では、貯水タンク4内の水位が時刻t8から洗浄開始前の初期水位(止水水位WL)まで上昇した時刻t9までの水位上昇時間T3(=t9−t8)の計測をしているが、初期水位ではなく、初期水位より低い所定水位や初期水位より高い所定水位まで上昇した時刻までの水位上昇時間を計測しても良い。
ここで、水洗大便器1と基準便器のそれぞれの貯水タンク4の容量及び第1の給水流量Q1が、互いに共通していることを考慮すれば、便器圧力損失係数Kが1よりも大きい場合には、水洗大便器1の水位上昇時間T3が基準便器の水位上昇時間T2よりも大きいため、水洗大便器1の方が基準便器よりも死水水位DWL1が低く、貯水タンク4から便器本体2に排水された洗浄水量が多くなり、その分、水洗大便器1の圧力損失が基準便器の圧力損失よりも小さいことが確認できる。
一方、便器圧力損失係数Kが1となる場合には、水洗大便器1と基準便器の圧力損失が互いに等しいことが確認でき、便器圧力損失係数Kが1よりも小さい場合には、水洗大便器1の圧力損失が基準便器の圧力損失よりも大きいことが確認できる。
一方、図3のステップS4で算出された第2の給水流量Q2と図3のステップS2で算出されて記憶された第1の給水流量Q1との差が所定の範囲外である場合には、再び、図1のステップS1から再実行される。
一方、水位上昇時間T4が、最小水位上昇時間T4minと最大水位上昇時間T4maxとの間の範囲内にある場合には、正常値であると判定し、図3のステップS7に進み、設定完了となり、以後、本質的な便器洗浄動作が可能な状態となり、水洗大便器1が実質的に使用可能な状態となる。
2 便器本体
4 貯水タンク
6 ボウル部
8 導水路
10 吐水口
12 排水トラップ管路
14 リム
16 リム吐水口
18 排水口
20 給水装置
22 排水装置
24 フロートスイッチ
26 制御装置(洗浄制御手段、調整手段)
28 給水管
30 給水バルブ
32 給水口
34 定流量弁
36 止水栓
38 オーバーフロー管
40 弁部材
42 回転駆動装置
42a 回転軸
44 玉鎖
46 操作ボタン
48 計時装置(計時手段)
50 報知器
DWL1 死水水位
DWL2 空の水位
T1 貯水タンクの水位上昇時間(第2の水位上昇時間)
T2 貯水タンクの水位上昇時間(標準便器における水位上昇時間)
T3 貯水タンクの水位上昇時間(第1の水位上昇時間)
T4 排水装置の開弁時間
T5 貯水タンクの水位上昇時間
Q0 既定値の給水流量
Q1 第1の給水流量
Q2 第2の給水流量
WL 止水水位
Claims (7)
- 貯水した洗浄水により洗浄され、汚物を排出する水洗大便器であって、
洗浄水を貯水する貯水タンクと、
上記貯水タンクから供給された洗浄水を導く導水路と、この導水路に接続され且つ吐水口が形成されたボウル部と、排水トラップ管路と、を備えた便器本体と、
水源から上記貯水タンク内に洗浄水を供給する給水装置と、
上記便器本体の導水路に上記貯水タンク内に貯水された洗浄水を供給する排水装置と、 上記排水装置を駆動し、上記貯水タンク内に貯水された洗浄水を上記導水路を経て上記吐水口へ供給することにより、上記ボウル部の洗浄を制御する洗浄制御手段と、を有し、
上記洗浄制御手段は、上記排水装置を所定時間駆動して洗浄水を排出した後、この排水装置を止めた状態の上記貯水タンク内の水位から所定水位に上昇するまでの水位上昇時間を計測する計時手段と、この計時手段が計測した水位上昇時間により上記便器本体の圧力損失に応じた上記排水装置の駆動時間を調整する調整手段と、を備えていることを特徴とする水洗大便器。 - 上記計時手段は、上記排水装置を所定時間駆動して洗浄水を排出した後、この排水装置を止めた状態の上記貯水タンク内の水位から洗浄開始前の所定の初期水位に上昇するまでの第1の水位上昇時間を計測する請求項1記載の水洗大便器。
- 上記調整手段は、上記計時手段が計測した上記第1の水位上昇時間と標準便器における水位上昇時間とを比較することにより上記便器本体の圧力損失に応じた上記排水装置の駆動時間を調整する請求項2記載の水洗大便器。
- 上記洗浄制御手段は、更に、上記排水装置を所定時間駆動させて上記貯水タンク内を空の状態とし、その後上記排水装置を止めた状態から上記貯水タンク内の水位が上記所定の初期水位に上昇するまでの第2の水位上昇時間を上記計時手段により計測し、上記標準便器における水位上昇時間は、上記第2の水位上昇時間と上記貯水タンクの容量とから算出した第1の給水流量から定められる請求項3記載の水洗大便器。
- 上記洗浄制御手段は、上記計時手段による上記第2の水位上昇時間及び上記第1の水位上昇時間のそれぞれの計測を連続的に実行し、それぞれの計測前に、上記給水装置を止めた状態とし、その後に作動させ上記貯水タンク内への洗浄水の給水を開始する請求項4記載の水洗大便器。
- 上記洗浄制御手段は、上記第1の給水流量を算出した後、再度上記排水装置を所定時間駆動させて上記貯水タンク内を空の状態とし、その後上記排水装置を止めた状態から上記貯水タンク内の水位が上記所定の初期水位に上昇するまでの第3の水位上昇時間を上記計時手段により計測し、この計測した上記第3の水位上昇時間と上記貯水タンクの容量とから第2の給水流量を算出し、この第2の給水流量と上記第1の給水流量とを比較し、上記第2の給水流量が上記第1の給水流量と等しい又はほぼ等しい場合には、上記第2の給水流量を使用すべき給水流量として設定し、上記第2の給水流量が上記第1の給水流量と大きく異なる場合には、上記便器本体の圧力損失を考慮した洗浄能力を確保することができる既定値の給水流量を設定する請求項4又は5に記載の水洗大便器。
- 上記洗浄制御手段は、更に、上記既定値の給水流量を設定した場合に、適切な制御が行われていないことを使用者に知らせる報知手段を備えている請求項6記載の水洗大便器。
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