JP2015068088A - 水洗大便器 - Google Patents

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Abstract

【課題】便器本体の製造誤差に応じて、便器洗浄性能を損なうことなく、確実な便器洗浄を行うことができる水洗大便器を提供する。【解決手段】水洗大便器1は、貯水タンク4と、便器本体2と、給水装置20と、排水装置22と、排水装置22を駆動し、貯水タンク4内に貯水された洗浄水を便器本体2の導水路8を経て吐水口10,16へ供給することにより、便器本体2のボウル部6の洗浄を制御する制御装置26と、を有し、制御装置26は、排水装置22を所定時間駆動して洗浄水を排出した後、排水装置22を止めた状態の貯水タンク4内の死水水位DWL1から洗浄開始前の所定の止水水位WLに上昇するまでの水位上昇時間を計測する計時装置48を備え、計時装置48が計測した水位上昇時間と標準便器における水位上昇時間とを比較することにより便器本体2の圧力損失に応じた排水装置22の駆動時間を調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、水洗大便器に係わり、特に、貯水した洗浄水により洗浄され、汚物を排出する水洗大便器に関する。
従来から、貯水タンクに貯水した洗浄水により洗浄され、汚物を排出するタンク式の水洗大便器として、貯水タンクに貯水された洗浄水が便器本体の導水路を通過し、便器本体の吐水口からボウル部に供給されるようになっているものが知られている。このような水洗大便器においては、便器本体の導水路が陶器で形成されており、陶器製の導水路の製造誤差等によって導水路の圧力損失が変動するため、このような圧力損失により、貯水タンクの底面の排出口から排出される洗浄水の瞬間流量等についても影響を受けて変動することになる。特に、貯水タンク内の排出口を開閉する排水弁をタイマー制御により一定時間開弁するようになっているものは、導水路等の圧力損失が変動する影響を直接受けることになり、貯水タンクから便器本体に排出される洗浄水量もばらつくこととなる。
このような問題を解決するために、例えば、特許文献1に記載されているように、貯水タンク内の水位が洗浄開始前の初期水位から所定水位に低下するまでの水位低下時間を計測し、この計測した水位低下時間に基づいて、便器本体の吐水口からボウル部に吐水する洗浄水の吐水流量を調整する洗浄制御手段を備えているものも知られている。
特開2012−132167号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載されている従来の水洗大便器においては、貯水タンク内の水位が洗浄開始前の初期水位から所定水位に低下するまでの水位低下時間を計測するには、計測時間(水位低下時間)が非常に短く(例えば、0.1〜5秒)、便器本体の導水路の圧力損失を精度良く検出することが実質的には困難であるという問題がある。また、貯水タンク内の洗浄水を排出する際は洗浄水が勢い良く流れるため、貯水タンク内に貯められた洗浄水の水面が波立っており、便器本体の導水路の圧力損失を精度良く検出することが困難であるという問題もある。したがって、適用する便器本体(例えば、導水路)に製造誤差が生じている場合には、便器本体毎の圧力損失に応じて、洗浄制御手段により排水弁の開弁時間を適切に調整することも難しくなり、便器洗浄性能が損なわれ、確実な便器洗浄を行うことも難しいという問題がある。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、便器本体の製造誤差に応じて、便器洗浄性能を損なうことなく、確実な便器洗浄を行うことができる水洗大便器を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、貯水した洗浄水により洗浄され、汚物を排出する水洗大便器であって、洗浄水を貯水する貯水タンクと、上記貯水タンクから供給された洗浄水を導く導水路と、この導水路に接続され且つ吐水口が形成されたボウル部と、排水トラップ管路と、を備えた便器本体と、水源から上記貯水タンク内に洗浄水を供給する給水装置と、上記便器本体の導水路に上記貯水タンク内に貯水された洗浄水を供給する排水装置と、上記排水装置を駆動し、上記貯水タンク内に貯水された洗浄水を上記導水路を経て上記吐水口へ供給することにより、上記ボウル部の洗浄を制御する洗浄制御手段と、を有し、上記洗浄制御手段は、上記排水装置を所定時間駆動して洗浄水を排出した後、この排水装置を止めた状態の上記貯水タンク内の水位から所定水位に上昇するまでの水位上昇時間を計測する計時手段と、この計時手段が計測した水位上昇時間により上記便器本体の圧力損失に応じた上記排水装置の駆動時間を調整する調整手段と、を備えていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、便器本体の圧力損失に応じた排水装置の駆動を調整するために、洗浄制御手段が、排水装置を止めた状態の貯水タンク内の水位から、所定水位に上昇するまでの水位上昇時間を計測しているため、従来技術の貯水タンク内の洗浄開始前の所定の初期水位から排水装置を止めた状態の水位に低下するまでの水位低下時間を計測する場合に比べて、計測する時間を長く確保することができ、水面が波立っていない安定した貯水タンク内の水位状態で計測することができる。したがって、適用する便器本体の圧力損失(例えば、導水路の圧力損失)を精度良く検出することができ、この便器本体毎の圧力損失に応じた排水装置の駆動を適切に調整することができる。また、適用する便器本体に製造誤差が生じていたとしても、便器本体毎の圧力損失に応じて、洗浄制御手段により排水装置の駆動を適切に調整することができるため、便器洗浄性能を損なうことなく、確実な便器洗浄を行うことができる。さらに、洗浄水の無駄水も少なくなり、節水化を図ることもできる。
本発明において、好ましくは、上記計時手段は、上記排水装置を所定時間駆動して洗浄水を排出した後、この排水装置を止めた状態の上記貯水タンク内の水位から洗浄開始前の所定の初期水位に上昇するまでの第1の水位上昇時間を計測する。
このように構成された本発明においては、便器本体の圧力損失に応じた排水装置の駆動時間を調整するために、計時手段が、排水装置を止めた状態の貯水タンク内の水位から洗浄開始前の所定の初期水位に上昇するまでの第1の水位上昇時間を計測しているため、計時手段が、貯水タンク内の洗浄開始前の所定の初期水位から排水装置を止めた状態の水位に低下するまでの水位低下時間を計測する場合に比べて、簡易な構成で、計測する時間をより長く確保することができる。したがって、便器本体の圧力損失に応じた排水装置の駆動時間をより精度良く調整することができる。また、適用する便器本体に製造誤差が生じていたとしても、便器本体毎の圧力損失に応じて、洗浄制御手段により排水装置の駆動時間をより精度良く調整することができるため、便器洗浄性能を損なうことなく、より確実な便器洗浄を行うことができる。さらに、洗浄水の無駄水も少なくなり、節水化を図ることもできる。
本発明において、好ましくは、上記調整手段は、上記計時手段が計測した上記第1の水位上昇時間と標準便器における水位上昇時間とを比較することにより上記便器本体の圧力損失に応じた上記排水装置の駆動時間を調整する。
このように構成された本発明においては、計時手段が計測した第1の水位上昇時間と標準便器における水位上昇時間とを比較することにより、適用する便器本体の圧力損失(例えば、導水路の圧力損失)をより精度良く検出することができ、この便器本体毎の圧力損失に応じた排水装置の駆動時間を適切に調整することができる。また、適用する便器本体に製造誤差が生じていたとしても、便器本体毎の圧力損失に応じて、洗浄制御手段により排水装置の駆動時間を適切に調整することができるため、便器洗浄性能を損なうことなく、より確実な便器洗浄を行うことができる。さらに、洗浄水の無駄水も少なくなり、節水化を図ることもできる。
本発明において、好ましくは、上記洗浄制御手段は、更に、上記排水装置を所定時間駆動させて上記貯水タンク内を空の状態とし、その後上記排水装置を止めた状態から上記貯水タンク内の水位が上記所定の初期水位に上昇するまでの第2の水位上昇時間を上記計時手段により計測し、上記標準便器における水位上昇時間は、上記第2の水位上昇時間と上記貯水タンクの容量とから算出した第1の給水流量から定められる。
このように構成された本発明においては、排水装置を所定時間駆動させて貯水タンク内を空の状態とし、その後排水装置を止めた状態から貯水タンク内の水位が所定の初期水位に上昇するまでの第2の水位上昇時間を計時手段が計測し、この第2の水位上昇時間と貯水タンクの容量とから算出した第1の給水流量から標準便器における水位上昇時間を定め、第1の水位上昇時間と標準便器における水位上昇時間とを比較することにより、便器本体の圧力損失に応じた排水装置の駆動時間をより精度良く調整することができる。また、適用する便器本体に製造誤差が生じていたとしても、便器本体毎の圧力損失に応じて、洗浄制御手段により排水装置の駆動時間をより精度良く調整することができるため、便器洗浄性能を損なうことなく、より確実な便器洗浄を行うことができる。さらに、洗浄水の無駄水も少なくなり、節水化を図ることもできる。
本発明において、好ましくは、上記洗浄制御手段は、上記計時手段による上記第2の水位上昇時間及び上記第1の水位上昇時間のそれぞれの計測を連続的に実行し、それぞれの計測前に、上記給水装置を止めた状態とし、その後に作動させ上記貯水タンク内への洗浄水の給水を開始する。
このように構成された本発明においては、計時手段による第2の水位上昇時間及び第1の水位上昇時間のそれぞれの計測の前に給水装置を止めた状態としてから作動させて貯水タンク内への洗浄水の給水を開始することにより、給水装置による貯水タンク内への第1の給水流量が変動する(継続的に給水することにより第1の給水流量が低下していく)ことを防ぎ、貯水タンク内の水位上昇を安定させることができる。したがって、第2の水位上昇時間及び第1の水位上昇時間のそれぞれを精度よく計測することができ、便器本体の圧力損失に応じた排水装置の駆動時間をより精度良く調整することができる。また、適用する便器本体に製造誤差が生じていたとしても、便器本体毎の圧力損失に応じて、洗浄制御手段により排水装置の駆動時間をより精度良く調整することができるため、便器洗浄性能を損なうことなく、より確実な便器洗浄を行うことができる。さらに、洗浄水の無駄水も少なくなり、節水化を図ることもできる。
本発明において、好ましくは、上記洗浄制御手段は、上記第1の給水流量を算出した後、再度上記排水装置を所定時間駆動させて上記貯水タンク内を空の状態とし、その後上記排水装置を止めた状態から上記貯水タンク内の水位が上記所定の初期水位に上昇するまでの第3の水位上昇時間を上記計時手段により計測し、この計測した上記第3の水位上昇時間と上記貯水タンクの容量とから第2の給水流量を算出し、この第2の給水流量と上記第1の給水流量とを比較し、上記第2の給水流量が上記第1の給水流量と等しい又はほぼ等しい場合には、上記第2の給水流量を使用すべき給水流量として設定し、上記第2の給水流量が上記第1の給水流量と大きく異なる場合には、上記便器本体の圧力損失を考慮した洗浄能力を確保することができる既定値の給水流量を設定する。
このように構成された本発明においては、第1の給水流量を算出した後、第2の給水流量を算出するまでに給水流量の変動があり、第2の給水流量が第1の給水流量と大きく異なる場合であったとしても、便器本体の圧力損失を考慮した洗浄能力を確保することができる既定値の給水流量として設定することができるため、排水装置の駆動時間を決定することができる。したがって、便器本体の圧力損失に応じた排水装置の駆動時間を調整することができる。また、適用する便器本体に製造誤差が生じていたとしても、便器本体毎の圧力損失に応じて、洗浄制御手段により排水装置の駆動時間を調整することができるため、便器洗浄性能を損なうことなく、より確実な便器洗浄を行うことができる。さらに、洗浄水の無駄水も少なくなり、節水化を図ることもできる。
本発明において、好ましくは、上記洗浄制御手段は、更に、上記既定値の給水流量を設定した場合に、適切な制御が行われていないことを使用者に知らせる報知手段を備えている。
このように構成された本発明においては、適切な制御が行われていないことを報知手段により使用者に知らせることができると共に、便器本体の圧力損失を考慮した洗浄能力を確保することができる既定値の給水流量が設定された水洗大便器が動作し、確実な便器洗浄を行うことができる。
本発明の水洗大便器によれば、便器本体の製造誤差に応じて、便器洗浄性能を損なうことなく、確実な便器洗浄を行うことができる。
本発明の一実施形態による水洗大便器の概略図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器の制御装置による便器圧力損失学習制御の内容を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による水洗大便器の動作を示すタイムチャートである。 本発明の一実施形態による水洗大便器を用いた制御装置による便器圧力損失学習制御において、貯水タンク内の水位を空の状態とし、その後排水装置が閉弁した状態から貯水タンク内の水位が洗浄開始前の初期水位(止水水位WL)に上昇するまでの水位上昇時間T1から第1の給水流量Q1を算出するための特性図(貯水タンクの水位上昇時間T1と給水装置の第1の給水流量Q1との関係図)である。 本発明の一実施形態による水洗大便器の貯水タンク、給水装置、及び排水装置を基準便器に適用した場合において、排水装置を所定時間駆動して洗浄水を排出した後、この排水装置が閉弁した状態の貯水タンク内の死水水位DWL1から洗浄開始前の初期水位(止水水位WL)に上昇するまでの水位上昇時間T2を図4で算出した第1の給水流量Q1から算出するための特性図(給水装置の第1の給水流量Q1と貯水タンクの水位上昇時間T2との関係図)である。 本発明の一実施形態による水洗大便器を用いた洗浄制御装置による便器圧力損失検知制御において、排水装置を所定時間駆動して洗浄水を排出した後、この排水装置が閉弁した状態の貯水タンク内の死水水位DWL1から洗浄開始前の初期水位(止水水位WL)に上昇するまでの水位上昇時間T3と図5で算出した水位上昇時間T2との比(T3/T2)から算出した便器圧力損失係数Kに基づいて、排水装置の開弁時間T4を算出するための特性図(便器圧力損失係数Kと排水装置の開弁時間T4との関係図)である。
以下、添付図面により、本発明の一実施形態による水洗大便器について説明する。
まず、図1は、本発明の一実施形態による水洗大便器の概略図である。
図1に示すように、符号1は、本発明の一実施形態による水洗大便器を示している。この水洗大便器1は、陶器製の便器本体2と、この便器本体2の後部に取り付けられ、便器洗浄に使用される洗浄水を貯水して便器本体2へ給水する貯水タンク4とを備えており、貯水タンク4から洗浄水が供給されて便器本体2のボウル部6内の水の落差による流水作用で汚物を押し流す、いわゆる、洗い落し式の水洗大便器である。
図1に示すように、便器本体2の上部の前方側には、ボウル部6が形成され、このボウル部6の後方側の上部には導水路8が形成されている。また、ボウル部6の中心下部には、導水路8から洗浄水が供給される吐水口10が形成されており、貯水タンク4から導水路8内に供給された洗浄水は、ボウル部6の吐水口10に導かれるようになっている。また、導水路8の下方にはボウル部6と連通する排水トラップ管路12が形成され、吐水口10から洗浄水が排水トラップ管路12に向けて吐水されるようになっている。
図1に示すように、便器本体2のボウル部6の上縁部には、オーバーハング形状のリム14が形成され、このリム14に導水路8から洗浄水が供給されるリム吐水口16が形成され、洗浄水が旋回しながら下降してボウル部6を洗浄できるようになっている。
便器本体2の導水路8の上方に位置する貯水タンク4の底部には、水洗大便器1の導水路8と連通し且つ貯水タンク4内の洗浄水が排水される排水口18が形成されている。
また、図1に示すように、本実施形態の水洗大便器1は、水道等の水源から貯水タンク4内に洗浄水を供給する給水装置20と、便器本体2の導水路8に貯水タンク4内に貯水された洗浄水を排水口18から排水する排水装置22とを備えている。さらに、水洗大便器1は、貯水タンク4内の水位を検知する水位センサであるフロートスイッチ24と、このフロートスイッチ24が検知した水位情報に基づいて給水装置20や排水装置22の動作を制御する制御装置26とを備えている。
図1に示すように、給水装置20は、上流側から、給水管28、給水バルブ30、及び、給水口32を備えている。
給水管28の上流側には、定流量弁34が設けられ、この定流量弁34の上流側には、止水栓36が設けられて、この止水栓36の上流側は、外部の水道等の給水源(図示せず)に接続されている。
給水バルブ30は、電磁バルブからなり、貯水タンク4内の水位を検知するフロートスイッチ24の水位検知情報に基づいて制御装置26からの指令により給水バルブ30の開閉動作が制御され、給水装置20の給水口32から貯水タンク4内への洗浄水の給水又は止水が切り替えられるようになっている。
つぎに、図1に示すように、排水装置22は、筒状のオーバーフロー管38と、このオーバーフロー管38の下部に一体的に設けられた弁部材40と、回転駆動装置42とを備えており、オーバーフロー管38の上端部は、玉鎖44を介して回転駆動装置42の回転軸42aに接続されている。
また、回転駆動装置42は、回転軸42aを駆動するためのモータ(図示せず)が内臓されており、このモータ(図示せず)の作動は、制御装置26によって制御されるようになっている。
さらに、図1に示すように、制御装置26は、使用者が洗浄操作を指令する操作ボタン46と接続されている。使用者が操作ボタン46を操作した信号が制御装置26に送信されると、回転駆動装置42のモータ(図示せず)が作動し、回転軸42aが回転し、この回転軸42aの回転方向に応じて、オーバーフロー管38及び弁部材40が上下動するようになっている。より具体的に説明すると、回転軸42aが所定方向に回転すると、玉鎖44と共にオーバーフロー管38及び弁部材40が所定時間引き上げられ、排水口18が開放されるようになっている。また、オーバーフロー管38及び弁部材40が引き上げられる量が大きい程、排水装置22の開弁時間が長くなり、その分、貯水タンク4から便器本体2の導水路8に排水される洗浄水量が多くなるようになっている。
一方、回転軸42aが所定方向と反対方向に回転すると、オーバーフロー管38及び弁部材40が貯水タンク4内の水位の下降と共に下降し、排水口18が弁部材40により閉止されるようになっている。
なお、本実施形態の水洗大便器1の排水装置22においては、回転駆動装置42の回転軸42aの駆動によりオーバーフロー管38及び弁部材40が上下動し、排水口18を開閉する、いわゆる、直動式の排水弁の形態について説明するが、フラッパ式の排水弁の形態を適用してもよいし、ポンプによって排水を行うような形態を適用してもよい。
ここで、図1に示すように、排水口18が開放され、貯水タンク4内の水位が下降している状態から、弁部材40が排水口18を閉止した状態のときに、貯水タンク4内に残されている洗浄水の水位は死水水位DWL1となっている。また、水洗大便器1の通常の洗浄動作では、貯水タンク4内の水位が死水水位DWL1の状態から給水装置20の給水によって、貯水タンク4内の水位がフロートスイッチ24に接触する止水水位WLまで上昇すると、給水装置20による給水が停止するようになっている。ちなみに、図1の貯水タンク4内の水位DWL2は、貯水タンク4が空の状態の水位(DWL2=0)を示している。給水装置20による給水により、貯水タンク4内の死水水位DWL1から止水水位WLまで水位が上昇する時間は、約25〜75秒である。
また、制御装置26は、操作ボタン46からの洗浄モードの指令に応じて、回転駆動装置42の回転軸42aの駆動を制御し、弁部材40を上昇させて貯水タンク4の排水口18を開放している開弁時間を制御することにより、貯水タンク4の排水口18から便器本体2の導水路8に排水される洗浄水量を制御するようになっている。ちなみに、操作ボタン46は、最も多い洗浄水量で洗浄を行う「大洗浄モード」、大洗浄モードの洗浄水量よりも少ない洗浄水量で洗浄を行う「小洗浄モード」、及び小洗浄モードの洗浄水量よりも少ない洗浄水量で洗浄を行う「エコ小洗浄モード」の3種類の洗浄モードいずれかを選択して切り替える洗浄モード切替ボタン(図示せず)を備えている。
なお、本実施形態では、貯水タンク4の排水口18から便器本体2の導水路8に排水される洗浄水量について、排水装置22の弁部材40を上昇させる位置を上、中、下の3段階の位置に設定することにより、大洗浄モード、小洗浄モード、及びエコ小洗浄モードによる3種類の便器洗浄が可能となっているが、洗浄モードの種類については、3種類に限定されず、大洗浄モードのみを行う便器であってもよいし、大洗浄モードと小洗浄モードの2種類を行う便器であってもよい。
さらに、制御装置26は、貯水タンク4内の水位が上昇しているときの水位上昇時間を計測することができる計時装置48を備えており、この計時装置48が計測した水位上昇時間に基づいて、詳細は後述する、個々の施工場所に設置される便器本体2の圧力損失を検知する制御(以下「便器圧力損失学習制御」)を行うことができるようになっている。これにより、個々の施工場所に水洗大便器1が設置された後、便器の実質的な使用を開始する前に、水洗大便器1毎の、便器本体2の圧力損失(特に、導水路8等の圧力損失)に応じて、排水装置22の回転駆動装置42の駆動時間及び弁部材40の開弁時間を適宜調整する調整手段として機能することができるようにもなっている。
さらに、制御装置26は、適切な便器圧力損失学習制御が行われていないことを使用者にLED表示器等を点滅させて異常を知らせる報知器50を備えている。
つぎに、図2〜図6を参照して、本発明の一実施形態による水洗大便器の制御装置による便器圧力損失学習制御の内容について説明する。
図2は、本発明の一実施形態による水洗大便器の制御装置による便器圧力損失学習制御の内容を示すフローチャートであり、図3は、本発明の一実施形態による水洗大便器の動作を示すタイムチャートである。
図2及び図3に示すように、まず、図2のステップS0で、本実施形態の水洗大便器1が所定の設置場所に設置され、施工が完了すると、図2のステップS1において、洗浄テストが行われる。洗浄テストでは、図3の時刻t1で操作ボタン46の大洗浄モード、小洗浄モード、及びエコ小洗浄モードのいずれかの洗浄モード切替ボタン(図示せず)が押されても洗浄トリガがオンとなる。また、図3の時刻t1では、給水バルブ30が開弁し、貯水タンク4を満水状態とし、フロートスイッチ24がオンとなった後に所定時間給水バルブ30が閉弁して、給水を停止する。その後、図3の時刻t2で再度給水バルブ30が開弁する。
以後同様に、ステップS1,S2とステップS3との間(図3の時刻t6の直前の所定時間)、及び、ステップS3とステップS4との間(図3の時刻t10の直前の所定時間)においても、給水バルブ30が所定時間閉弁して、給水を停止する。
すなわち、ステップS1,S2、ステップS3、ステップS4のそれぞれが実行され、計時装置48による所定の計測が行われる前に、給水バルブ30を所定時間閉弁して給水装置20を止めた状態とし、その後に作動させ貯水タンク4内への洗浄水の給水を開始することにより、図3の時刻t13まで、給水装置20の上流側の定流量弁34の挙動を安定化させて流量のばらつきを抑制する。
そして、図2のステップS2において、給水装置20の給水口32から貯水タンク4に給水される第1の給水流量Q1を算出する。
つぎに、図1、図3及び図4を参照して、図2のステップS2における第1の給水流量Q1を算出する方法について説明する。
図4は、本発明の一実施形態による水洗大便器を用いた制御装置による便器圧力損失学習制御において、貯水タンク4内の水位を空の状態とし、その後排水装置22が閉弁した状態から貯水タンク4内の水位が洗浄開始前の初期水位(止水水位WL)に上昇するまでの水位上昇時間T1(図1参照)から第1の給水流量Q1を算出するための特性図(貯水タンクの水位上昇時間T1と給水装置20の第1の給水流量Q1との関係図)である。
ステップS2では、まず、図3の時刻t1で排水装置22が排水口18を閉止している状態で給水バルブ30が所定時間開弁し、給水口32から貯水タンク4内に所定時間給水が行われ、図3の時刻t2の前に貯水タンク4内の水位がフロートスイッチ24に接触する水位(止水水位WL)まで上昇する。そして、フロートスイッチ24がオンとなり、その後、給水バルブ30が所定時間閉弁すると、図3の時刻t2で排水装置22が駆動して排水口18を開放し、貯水タンク4内の水位が下降し、図3の時刻t3でフロートスイッチ24がオフとなる。
また、給水装置20による給水を継続させた状態であっても、貯水タンク4内の水位が下降する速度が、給水によって水位が上昇する速度を大きく上回るため、貯水タンク4内の水位が空(DWL2=0)の状態となる(図1のDWL2参照)。その後、図3の時刻t4で排水装置22が、貯水タンク4内の水位が空の状態(DWL2=0)で排水口18を再び閉止する。
このとき、図3の時刻t4では、排水装置22が排水口18を閉止すると同時に、制御装置26の計時装置48が、貯水タンク4内の水位が時刻t4から洗浄開始前の初期水位(止水水位WL)まで上昇した時刻t5までの水位上昇時間T1(=t5−t4)の計測をする(図1及び図3のT1参照)。また、図3の時刻t5では、フロートスイッチ24はオフからオンとなる。
本実施形態では、貯水タンク4内の水位が時刻t4から洗浄開始前の初期水位(止水水位WL)まで上昇した時刻t5までの水位上昇時間T1(=t5−t4)の計測をしているが、初期水位ではなく、初期水位より低い所定水位や初期水位より高い所定水位まで上昇した時刻までの水位上昇時間を計測しても良い。
ここで、図4に示すように、図3の時刻t4から時刻t5までに計時装置48が計測した水位上昇時間T1がa[s]であったとすると、この水位上昇時間T1(=a[s])が、図4に示す予め実験的に定められた貯水タンクの水位上昇時間T1と給水装置の第1の給水流量Q1との関係図に当てはめられることにより、第1の給水流量Q1(=b[L/min])が算出され、この算出されたデータを記憶し、図3のステップS2は終了する。
なお、この計時装置48が計測した水位上昇時間T1を図4に当てはめられて算出された第1の給水流量Q1は、計測した水位上昇時間T1と貯水タンク4の容量とからも算出することができる。
つぎに、図3のステップS2の後のステップS3において、水洗大便器1の圧力損失を確認する。以下に、図1、図3、図5及び図6を用いて、この水洗大便器1の圧力損失の確認方法について具体的に説明する。
図5は、本発明の一実施形態による水洗大便器の貯水タンク、給水装置、及び排水装置を基準便器に適用した場合において、排水装置を所定時間駆動して洗浄水を排出した後、この排水装置が閉弁した状態の貯水タンク内の死水水位DWL1から洗浄開始前の初期水位(止水水位WL)に上昇するまでの水位上昇時間T2を図4で算出した第1の給水流量Q1から算出するための特性図(給水装置の第1の給水流量Q1と貯水タンクの水位上昇時間T2との関係図)である。
また、図6は、本発明の一実施形態による水洗大便器を用いた洗浄制御装置による便器圧力損失検知制御において、排水装置を所定時間駆動して洗浄水を排出した後、この排水装置が閉弁した状態の貯水タンク内の死水水位DWL1から洗浄開始前の初期水位(止水水位WL)に上昇するまでの水位上昇時間T3と図5で算出した水位上昇時間T2との比(T3/T2)から算出した便器圧力損失係数Kに基づいて、排水装置の開弁時間T4を算出するための特性図(便器圧力損失係数Kと排水装置の開弁時間T4との関係図)である。
なお、事前準備として、本実施形態による水洗大便器1の貯水タンク4、給水装置20、及び排水装置22を基準便器に適用した場合において、図5に示す予め実験的に定められた給水装置20の第1の給水流量Q1と貯水タンク4の水位上昇時間T2との関係図に、図4で算出した水洗大便器1の第1の給水流量Q1(=b[L/min])を当てはめる。これにより、排水装置22を所定時間駆動して洗浄水を排出した後、この排水装置22が閉弁した状態の貯水タンク4内の死水水位DWL1から洗浄開始前の初期水位WLに上昇するまでの水位上昇時間T2(=c[s])を予め算出しておく。
図3の時刻t5の後のステップS3において、時刻t6の直前の所定時間給水バルブ30が閉弁し、時刻t6で再度給水バルブ30が開弁すると共に、排水装置22が再び駆動して排水口18を仮の開弁時間で開放する。そして、貯水タンク4内の水位が下降し、図3の時刻t7でフロートスイッチ24がオフとなる。そして、図3の時刻t8で排水装置22が排水口18を閉止すると、貯水タンク24内の死水水位DWL1が決定し、貯水タンク4の止水水位WLと死水水位DWL1との差分に相当する洗浄水量、すなわち、貯水タンク4から便器本体2の導水路8に排水された洗浄水量が算出される。同時に、制御装置26の計時装置48が、貯水タンク4内の水位が時刻t8の死水水位DWL1から洗浄開始前の初期水位(止水水位WL)まで上昇した時刻t9までの水位上昇時間T3(=t9−t8)の計測をする(図1のT3参照)。
本実施形態では、貯水タンク4内の水位が時刻t8から洗浄開始前の初期水位(止水水位WL)まで上昇した時刻t9までの水位上昇時間T3(=t9−t8)の計測をしているが、初期水位ではなく、初期水位より低い所定水位や初期水位より高い所定水位まで上昇した時刻までの水位上昇時間を計測しても良い。
つぎに、制御装置26は、計時装置48が計測した本実施形態の水洗大便器1の水位上昇時間T3と図5で算出した基準便器の水位上昇時間T2との比(T3/T2)を便器圧力損失係数Kとして算出し、図3のステップS3は終了する。
ここで、水洗大便器1と基準便器のそれぞれの貯水タンク4の容量及び第1の給水流量Q1が、互いに共通していることを考慮すれば、便器圧力損失係数Kが1よりも大きい場合には、水洗大便器1の水位上昇時間T3が基準便器の水位上昇時間T2よりも大きいため、水洗大便器1の方が基準便器よりも死水水位DWL1が低く、貯水タンク4から便器本体2に排水された洗浄水量が多くなり、その分、水洗大便器1の圧力損失が基準便器の圧力損失よりも小さいことが確認できる。
一方、便器圧力損失係数Kが1となる場合には、水洗大便器1と基準便器の圧力損失が互いに等しいことが確認でき、便器圧力損失係数Kが1よりも小さい場合には、水洗大便器1の圧力損失が基準便器の圧力損失よりも大きいことが確認できる。
つぎに、算出された便器圧力損失係数Kは、図6に示す予め実験的に定められた便器圧力損失係数Kと排水装置の開弁時間T4との関係図に当てはめられ、排水装置22の開弁時間T4が算出される。ちなみに、算出された便器圧力損失係数Kが定数dであったとすると、図6から排水装置22の開弁時間T4はe[s]と算出され、この算出されたデータを記憶し、図3のステップS3は終了する。
つぎに、図3のステップS3の後のステップS4において、時刻t10の直前の所定時間給水バルブ30が閉弁し、時刻t10で再度給水バルブ30が開弁する。そして、再び、上述したステップS2と同様な工程で、給水装置20の給水口32から貯水タンク4に給水される第2の給水流量Q2を算出する。具体的には、図3の時刻t10で排水装置22が駆動して排水口18を開放し、貯水タンク24内の水位が下降し、図3の時刻t11でフロートスイッチ24がオフとなる。
また、給水装置20による給水は継続した状態であるが、貯水タンク4内の水位が下降する速度が、給水によって水位が上昇する速度を大きく上回るため、貯水タンク4内の水位が空(DWL2=0)の状態となる(図1のDWL2参照)。その後、図3の時刻t12で排水装置22が、貯水タンク4内の水位が空の状態(DWL2=0)で排水口18を再び閉止すると同時に、制御装置26の計時装置48が、貯水タンク4内の水位が時刻t12から洗浄開始前の初期水位(止水水位WL)まで上昇した時刻t13までの水位上昇時間T5(=t13−t12)の計測をする(図1及び図3のT5参照)。また、図3の時刻t13では、フロートスイッチ24はオフからオンとなり、給水バルブ30が閉弁し、給水装置20による給水が停止される。
そして、図3の時刻t12から時刻t13までに計時装置48が計測した水位上昇時間T5が、図4に示す予め実験的に定められた貯水タンクの水位上昇時間T1と給水装置20の第1の給水流量Q1との関係図に当てはめられることにより、第2の給水流量Q2が算出される。そして、この第2の給水流量Q2が、図3のステップS2で算出されて記憶された第1の給水流量Q1と比較され、両者の差が所定の範囲内である場合には、図3のステップS5に進む。そして、図3のステップS5において、図3のステップS3で算出して記憶した排水装置22の開弁時間T4を確定し、ステップS5は終了する。
一方、図3のステップS4で算出された第2の給水流量Q2と図3のステップS2で算出されて記憶された第1の給水流量Q1との差が所定の範囲外である場合には、再び、図1のステップS1から再実行される。
つぎに、図3のステップS6において、その前のステップS5で算出した水位上昇時間T4が、図6に示すように、予め定められた最小水位上昇時間T4minを下回るか、又は予め定められた最大水位上昇時間T4maxを上回る場合には、水位上昇時間T4が異常値であると判定し、再測定を1回のみ行う。そして、再び異常値であると判定した場合には、報知器50が、適切な便器圧力損失学習制御が行われていないことを使用者に知らせる共に、便器本体2の圧力損失を考慮した洗浄能力を確保することができる既定値の給水流量Q0を設定する。そして、再び、図3のステップS2から再実行され、以後の再実行された図3のステップS5で排水装置22の開弁時間T4が決定される。
一方、水位上昇時間T4が、最小水位上昇時間T4minと最大水位上昇時間T4maxとの間の範囲内にある場合には、正常値であると判定し、図3のステップS7に進み、設定完了となり、以後、本質的な便器洗浄動作が可能な状態となり、水洗大便器1が実質的に使用可能な状態となる。
上述した本発明の一実施形態による水洗大便器1によれば、便器本体2の圧力損失に応じた排水装置22の駆動を調整するために、制御装置26が、排水装置22を止めた状態の貯水タンク内の水位から、所定水位に上昇するまでの水位上昇時間を計測しているため、従来技術の貯水タンク内の洗浄開始前の所定の初期水位から排水装置22を止めた状態の水位に低下するまでの水位低下時間を計測する場合に比べて、計測する時間を長く確保することができ、水面が波立っていない安定した貯水タンク内の水位状態で計測することができる。したがって、適用する便器本体2の圧力損失(例えば、導水路の圧力損失)を精度良く検出することができ、この便器本体2毎の圧力損失に応じた排水装置22の駆動を適切に調整することができる。また、適用する便器本体2に製造誤差が生じていたとしても、便器本体2毎の圧力損失に応じて、洗浄制御手段により排水装置22の駆動を適切に調整することができるため、便器洗浄性能を損なうことなく、確実な便器洗浄を行うことができる。さらに、洗浄水の無駄水も少なくなり、節水化を図ることもできる。
上述した本発明の一実施形態による水洗大便器1によれば、便器本体2の圧力損失に応じた排水装置22の駆動時間を調整するために、計時装置48が、排水装置22を止めた状態の貯水タンク内の水位から洗浄開始前の所定の初期水位に上昇するまでの第1の水位上昇時間を計測しているため、計時装置48が、貯水タンク内の洗浄開始前の所定の初期水位から排水装置22を止めた状態の水位に低下するまでの水位低下時間を計測する場合に比べて、簡易な構成で、計測する時間をより長く確保することができる。したがって、便器本体2の圧力損失に応じた排水装置22の駆動時間をより精度良く調整することができる。また、適用する便器本体2に製造誤差が生じていたとしても、便器本体2毎の圧力損失に応じて、洗浄制御手段により排水装置22の駆動時間をより精度良く調整することができるため、便器洗浄性能を損なうことなく、より確実な便器洗浄を行うことができる。さらに、洗浄水の無駄水も少なくなり、節水化を図ることもできる。
上述した本発明の一実施形態による水洗大便器1によれば、便器本体2の圧力損失に応じた排水装置22の開弁時間T4を調整するために、計時装置48が、排水装置22が排水口18を閉止した状態の貯水タンク4内の死水水位DWL1から洗浄開始前の所定の初期水位(止水水位WL)に上昇するまでの水位上昇時間T3を計測しているため、計時手装置48が、貯水タンク4内の洗浄開始前の所定の初期水位(止水水位WL)から死水水位DWL1に低下するまでの水位低下時間を計測する場合に比べて、計測する時間を長く確保することができる。したがって、計時装置48が計測した水位上昇時間T3と標準便器における水位上昇時間T2とを比較することにより、便器圧力損失係数Kを導き、適用する便器本体2の圧力損失(例えば、導水路8の圧力損失)を精度良く検出することができ、この便器本体2毎の圧力損失に応じた排水装置22の開弁時間T4を適切に調整することができる。また、適用する便器本体2に製造誤差が生じていたとしても、便器本体2毎の圧力損失に応じて、制御装置26により排水装置22の開弁時間T4を適切に調整することができるため、便器洗浄性能を損なうことなく、確実な便器洗浄を行うことができる。さらに、洗浄水の無駄水も少なくなり、節水化を図ることもできる。
また、本実施形態による水洗大便器1によれば、排水装置を所定時間駆動させて上記貯水タンク内を空の状態(DWL2=0)とし、その後排水装置22が排水口18を閉止した状態から貯水タンク4内の水位が所定の初期水位(止水水位WL)に上昇するまでの水位上昇時間T1を計時装置48が計測し、この水位上昇時間T1と貯水タンク4の容量とから算出した第1の給水流量Q1、又は、水位上昇時間T1と図4との関係から算出した第1の給水流量Q1から標準便器における水位上昇時間T2を定めることができる。これにより、水洗大便器1における水位上昇時間T3と標準便器における水位上昇時間T2とを比較し、水位上昇時間T3と水位上昇時間T2との比(T3/T2)から便器圧力損失係数Kを算出することができ、この便器圧力損失係数Kに基づいて図6から排水装置22の開弁時間T4を算出することができる。したがって、便器本体2の圧力損失に応じた排水装置22の開弁時間T4をより精度良く調整することができ、適用する便器本体2に製造誤差が生じていたとしても、便器本体2毎の圧力損失に応じて、制御装置26により排水装置22の開弁時間T4をより精度良く調整することができる。これらの結果、便器洗浄性能を損なうことなく、より確実な便器洗浄を行うことができ、洗浄水の無駄水も少なくなり、節水化を図ることもできる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、図2及び図3に示すステップS2からステップS3において、計時装置48による水位上昇時間T1及び水位上昇時間T2のそれぞれの計測を連続的に実行しているときに、それぞれの計測前に、給水装置20を止めた状態とし、その後に作動させ貯水タンク4内への洗浄水の給水を開始することにより、定流量弁34の挙動を安定化させて流量のばらつきを抑制することができるため、給水装置20による貯水タンク4内への第1の給水流量Q1が変動することを防ぎ、貯水タンク4内の水位上昇を安定させることができる。したがって、水位上昇時間T1,T3のそれぞれを精度よく計測することができ、便器本体2の圧力損失に応じた排水装置22の開弁時間T4をより精度良く調整することができる。また、適用する便器本体2に製造誤差が生じていたとしても、便器本体2毎の圧力損失に応じて、制御装置26により排水装置22の駆動時間T4をより精度良く調整することができるため、便器洗浄性能を損なうことなく、より確実な便器洗浄を行うことができる。さらに、洗浄水の無駄水も少なくなり、節水化を図ることもできる。
また、本実施形態による水洗大便器1によれば、図3のステップS2において第1の給水流量Q1を算出した後、図3のステップS4において第2の給水流量Q2を算出するまでに給水流量の変動があり、第2の給水流量Q2が第1の給水流量Q1と大きく異なる場合であったとしても、便器本体2の圧力損失を考慮した洗浄能力を確保することができる既定値の給水流量Q0として設定することができるため、排水装置22の開弁時間T4を決定することができる。したがって、便器本体2の圧力損失に応じた排水装置22の開弁時間T4を調整することができる。また、適用する便器本体2に製造誤差が生じていたとしても、便器本体2毎の圧力損失に応じて、制御装置26により排水装置22の開弁時間T4を調整することができるため、便器洗浄性能を損なうことなく、より確実な便器洗浄を行うことができる。さらに、洗浄水の無駄水も少なくなり、節水化を図ることもできる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、適切な便器圧力損失学習制御が行われていないことを報知器50により使用者に知らせることができると共に、便器本体2の圧力損失を考慮した洗浄能力を確保することができる既定値の給水流量Q0が設定された水洗大便器が動作し、確実な便器洗浄を行うことができる。
なお、上述した本発明の一実施形態による水洗大便器1においては、図3のステップS0〜S7までの一連の工程によって、便器圧力損失学習制御を行う例について説明したが、給水装置20によって貯水タンク4に給水される給水流量がばらつくことなく、常時安定した流量が保証されているような場合には、ステップS2の第1の給水流量Q1を確認する工程とステップS4の第2の給水流量Q2を確認する工程のそれぞれを省略してもよい。
1 水洗大便器
2 便器本体
4 貯水タンク
6 ボウル部
8 導水路
10 吐水口
12 排水トラップ管路
14 リム
16 リム吐水口
18 排水口
20 給水装置
22 排水装置
24 フロートスイッチ
26 制御装置(洗浄制御手段、調整手段)
28 給水管
30 給水バルブ
32 給水口
34 定流量弁
36 止水栓
38 オーバーフロー管
40 弁部材
42 回転駆動装置
42a 回転軸
44 玉鎖
46 操作ボタン
48 計時装置(計時手段)
50 報知器
DWL1 死水水位
DWL2 空の水位
T1 貯水タンクの水位上昇時間(第2の水位上昇時間)
T2 貯水タンクの水位上昇時間(標準便器における水位上昇時間)
T3 貯水タンクの水位上昇時間(第1の水位上昇時間)
T4 排水装置の開弁時間
T5 貯水タンクの水位上昇時間
Q0 既定値の給水流量
Q1 第1の給水流量
Q2 第2の給水流量
WL 止水水位

Claims (7)

  1. 貯水した洗浄水により洗浄され、汚物を排出する水洗大便器であって、
    洗浄水を貯水する貯水タンクと、
    上記貯水タンクから供給された洗浄水を導く導水路と、この導水路に接続され且つ吐水口が形成されたボウル部と、排水トラップ管路と、を備えた便器本体と、
    水源から上記貯水タンク内に洗浄水を供給する給水装置と、
    上記便器本体の導水路に上記貯水タンク内に貯水された洗浄水を供給する排水装置と、 上記排水装置を駆動し、上記貯水タンク内に貯水された洗浄水を上記導水路を経て上記吐水口へ供給することにより、上記ボウル部の洗浄を制御する洗浄制御手段と、を有し、
    上記洗浄制御手段は、上記排水装置を所定時間駆動して洗浄水を排出した後、この排水装置を止めた状態の上記貯水タンク内の水位から所定水位に上昇するまでの水位上昇時間を計測する計時手段と、この計時手段が計測した水位上昇時間により上記便器本体の圧力損失に応じた上記排水装置の駆動時間を調整する調整手段と、を備えていることを特徴とする水洗大便器。
  2. 上記計時手段は、上記排水装置を所定時間駆動して洗浄水を排出した後、この排水装置を止めた状態の上記貯水タンク内の水位から洗浄開始前の所定の初期水位に上昇するまでの第1の水位上昇時間を計測する請求項1記載の水洗大便器。
  3. 上記調整手段は、上記計時手段が計測した上記第1の水位上昇時間と標準便器における水位上昇時間とを比較することにより上記便器本体の圧力損失に応じた上記排水装置の駆動時間を調整する請求項2記載の水洗大便器。
  4. 上記洗浄制御手段は、更に、上記排水装置を所定時間駆動させて上記貯水タンク内を空の状態とし、その後上記排水装置を止めた状態から上記貯水タンク内の水位が上記所定の初期水位に上昇するまでの第2の水位上昇時間を上記計時手段により計測し、上記標準便器における水位上昇時間は、上記第2の水位上昇時間と上記貯水タンクの容量とから算出した第1の給水流量から定められる請求項3記載の水洗大便器。
  5. 上記洗浄制御手段は、上記計時手段による上記第2の水位上昇時間及び上記第1の水位上昇時間のそれぞれの計測を連続的に実行し、それぞれの計測前に、上記給水装置を止めた状態とし、その後に作動させ上記貯水タンク内への洗浄水の給水を開始する請求項4記載の水洗大便器。
  6. 上記洗浄制御手段は、上記第1の給水流量を算出した後、再度上記排水装置を所定時間駆動させて上記貯水タンク内を空の状態とし、その後上記排水装置を止めた状態から上記貯水タンク内の水位が上記所定の初期水位に上昇するまでの第3の水位上昇時間を上記計時手段により計測し、この計測した上記第3の水位上昇時間と上記貯水タンクの容量とから第2の給水流量を算出し、この第2の給水流量と上記第1の給水流量とを比較し、上記第2の給水流量が上記第1の給水流量と等しい又はほぼ等しい場合には、上記第2の給水流量を使用すべき給水流量として設定し、上記第2の給水流量が上記第1の給水流量と大きく異なる場合には、上記便器本体の圧力損失を考慮した洗浄能力を確保することができる既定値の給水流量を設定する請求項4又は5に記載の水洗大便器。
  7. 上記洗浄制御手段は、更に、上記既定値の給水流量を設定した場合に、適切な制御が行われていないことを使用者に知らせる報知手段を備えている請求項6記載の水洗大便器。
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