JP7293712B2 - 水洗大便器装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水洗大便器装置に係り、特に、洗浄水によって洗浄され汚物を排出する水洗大便器装置に関する。
従来、特許文献1に示すように、貯水タンクに貯水された洗浄水をジェット吐水口から吐水させるように加圧する加圧ポンプと、貯水タンク内の水位を検知するように貯水タンク内に設けられたフロートスイッチとを備えた水洗大便器装置が知られている。
この水洗大便器装置において、フロートスイッチは上方フロートスイッチと、下方フロートスイッチとの2つのフロートスイッチによって構成されている。加圧ポンプは、これらフロートスイッチの検知に基づいて制御されている。例えば、大洗浄の洗浄動作を行う場合は下方フロートスイッチによる水位の低下の検知まで加圧ポンプが駆動される。また、小洗浄の洗浄動作を行う場合は上方フロートスイッチの水位の低下の検知後に所定時間経過してから加圧ポンプの駆動が停止されるタイマー制御が行われている。このように従来の水洗大便器装置においては下方フロートスイッチによる水位の検知又はタイマー制御により貯水タンクの水位の下限となる死水水位を制御している。
特開2018-100574号公報
しかしながら、貯水タンクに貯水された洗浄水をジェット吐水口から吐水させるように加圧する加圧ポンプを備えた水洗大便器装置においては、加圧ポンプにより供給される洗浄水量が、個々の便器本体の貯水タンクからジェット吐水口までの通水路の圧力損失に応じて、ばらつきを生じるおそれがある。
図10に示すように、あるポンプ回転数において流量(L/min)と揚程(m)が所定の関係を示す加圧ポンプを使用するとき、便器本体の貯水タンクからジェット吐水口までの通水路の圧力損失が比較的大きいときは、流量が比較的小さい値q2となり、便器本体の貯水タンクからジェット吐水口までの通水路の圧力損失が比較的小さいときは、流量が比較的大きい値q1となる。このような便器本体の貯水タンクからジェット吐水口までの通水路の圧力損失は、個々の便器本体の製造誤差の影響を受けて変動する場合がある。よって、加圧ポンプから便器本体に供給される洗浄水の流量が、個々の水洗大便器装置においてばらつきを生じるという問題がある。よって、上述のようなタイマー制御を行う場合には、加圧ポンプから供給される洗浄水の流量が所定時間継続するため洗浄水量がばらつきを生じるおそれがある。
また、下方フロートスイッチを設けることにより、加圧ポンプから便器本体に供給される洗浄水の流量のばらつきを抑制しようとする場合には、下方フロートスイッチを設けた分、貯水タンクが大型化してしまうという問題がある。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点と課題を解決するためになされたものであり、ポンプ装置により洗浄水タンクから便器本体に供給される洗浄水量が個々の便器本体の通水路の圧力損失の違いによりばらつくことを抑制することができる水洗大便器装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、洗浄水によって洗浄され汚物を排出する水洗大便器装置であって、便器本体と、上記便器本体を洗浄する洗浄水を貯水する洗浄水タンクと、上記洗浄水タンク内の洗浄水を上記便器本体に供給するポンプ装置と、上記ポンプ装置の電流値を検出できると共に上記ポンプ装置を制御する制御装置とを備え、上記制御装置は、上記ポンプ装置の電流値に基づいて、上記ポンプ装置により上記便器本体に供給される洗浄水の流量を推定する流量推定モードと、上記流量推定モードにおいて推定された洗浄水の流量に基づいて、予定された洗浄水量を供給するように上記ポンプ装置の駆動時間を調整し、予定された洗浄水量を上記便器本体に供給する予定洗浄水量供給モードと、を備えることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、上記制御装置は、流量推定モードにより、上記ポンプ装置の電流値に基づいて、上記ポンプ装置により上記便器本体に供給される洗浄水の流量を推定することができる。また、上記制御装置は、予定洗浄水量供給モードにより、上記流量推定モードにおいて推定された洗浄水の流量に基づいて、予定された洗浄水量を供給するように上記ポンプ装置の駆動時間を調整し、予定された洗浄水量を上記便器本体に供給することができる。これにより、ポンプ装置により洗浄水タンクから便器本体に供給される洗浄水量が個々の便器本体への通水路の圧力損失の違いによりばらつくことを抑制することができる。また、洗浄水タンク内に追加の新たな部品を設けることなく、ポンプ装置により便器本体に供給される洗浄水量がばらつくことを抑制することができるため、洗浄水タンクを予定された洗浄水量よりも多くの洗浄水量を貯水できるように余裕を持たせて大きく形成することを抑制でき、洗浄水タンクの大型化を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、上記制御装置の上記流量推定モードは、上記ポンプ装置の電流値と洗浄水の流量との関係を示す特性に基づいて、上記ポンプ装置の電流値に対し、上記便器本体に供給される洗浄水の流量を推定する。
このように構成された本発明においては、流量推定モードは、ポンプ装置の電流値と洗浄水の流量との関係を示す特性に基づいて、ポンプ装置の電流値に対し、便器本体に供給される洗浄水の流量を推定することができる。これにより、ポンプ装置により洗浄水タンクから便器本体に供給される洗浄水量が便器本体側の通水路の製造誤差によりばらつくことを抑制することができる。また、仮に便器本体側の通水路に水あか又は尿石等が付着した場合にも、便器本体の洗浄時において、ポンプ装置により洗浄水タンクから便器本体に供給される洗浄水量が便器本体側の通水路の圧力損失の変化によりばらつくことを抑制することができる。
本発明において、好ましくは、上記制御装置の上記流量推定モードは、洗浄水が上記洗浄水タンク内の止水水位から死水水位まで下降するまで上記ポンプ装置を駆動させる第1便器洗浄モードとは別の第2便器洗浄モードにおいて、洗浄水が上記洗浄水タンク内の止水水位から上記ポンプ装置に空気が入る水位まで下降するまで上記ポンプ装置を駆動させ、上記ポンプ装置の電流値に基づいて、上記ポンプ装置の駆動開始から水位が上記ポンプ装置に空気が入る水位まで下降するまでの時間を取得し、この時間と想定される排出水量とに基づいて、上記便器本体に供給される洗浄水の流量を推定し、上記制御装置の上記予定洗浄水量供給モードは、上記流量推定モードにおいて推定された洗浄水の流量に基づいて、上記第2便器洗浄モードにおいて予定された洗浄水量を供給するように上記ポンプ装置の駆動時間を調整し、予定された洗浄水量を上記便器本体に供給する。
このように構成された本発明においては、流量推定モードは、例えば施工に伴う調整において、ポンプ装置の電流値に基づいて、上記ポンプ装置の駆動開始から上記ポンプ装置に空気が入るまでの時間を取得し、排出された洗浄水量とこの時間とに基づいて、上記便器本体に供給される洗浄水の流量を推定する。これにより、ポンプ装置により洗浄水タンクから便器本体に供給される洗浄水量が便器本体の通水路の製造誤差によりばらつくことを抑制することができる。また、流量推定モードは、便器本体の洗浄時に毎回実行しなくとも、例えば施工に伴う調整等において、比較的簡単に実行することができる。
よって、ポンプ装置により洗浄水タンクから便器本体に供給される洗浄水量が便器本体側の通水路の圧力損失の変化によりばらつくことを比較的簡単に抑制することができる。
本発明において、好ましくは、上記制御装置は、少なくとも上記流量推定モードを複数回実行する複数モードを備えている。
このように構成された本発明においては、制御装置は、複数モードにより流量推定モードを複数回実行し(流量推定モードと予定洗浄水量供給モードとの組を複数回にわたって実行してもよい)、得られた流量又はこの流量から得られる他のパラメータ等を平均して便器本体に供給される洗浄水の流量を推定する精度をより向上させることができる。
本発明において、好ましくは、上記制御装置は、上記流量推定モード及び上記予定洗浄水量供給モードの実行を報知装置により使用者に報知する。
このように構成された本発明においては、制御装置は、流量推定モード及び予定洗浄水量供給モードの実行を報知装置により報知することにより、流量推定モード及び予定洗浄水量供給モードを中断されにくくすることができ、これらのモードをより確実に実施することができる。
本発明の水洗大便器装置によれば、ポンプ装置により洗浄水タンクから便器本体に供給される洗浄水量が個々の便器本体の通水路の圧力損失の違いによりばらつくことを抑制することができる。
本発明の第1実施形態による水洗大便器装置を示す全体構成図である。 図1の洗浄水タンク装置の上面図である。 図2のIII-III線に沿って見た断面図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器装置においてポンプ装置の電流値とポンプ装置を介して便器本体に供給される洗浄水の流量との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器装置においてポンプ装置を介して便器本体に供給される洗浄水の流量とポンプ装置の駆動時間との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器装置の変形例において便器本体に供給される洗浄水の流量とポンプ装置の駆動時間と予定された洗浄水量との関係を示す図である。 本発明の第2実施形態による水洗大便器装置の制御装置の流量推定モードにおいて時間と電流値との関係を示す図である。 本発明の第2実施形態による水洗大便器装置の制御装置の流量推定モードにおいて空回り検知時間と便器本体に供給される洗浄水の流量との関係を示す図である。 本発明の第2実施形態による水洗大便器装置の制御装置の流量推定モードにおいて便器本体に供給される洗浄水の流量とポンプ装置の駆動時間との関係を示す図である。 従来の水洗大便器装置において、便器本体の貯水タンクからジェット吐水口までの流路の圧力損失のばらつきにより、加圧ポンプから便器本体に供給される洗浄水の流量のばらつきが生じる様子を説明する図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の第1実施形態による水洗大便器装置を説明する。
先ず、図1により、本発明の第1実施形態による水洗大便器装置の構造を説明する。ここで、図1は、本発明の第1実施形態による水洗大便器装置を示す全体構成図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器装置1は、洗浄水により洗浄され汚物を排出する。水洗大便器装置1は、便器本体2と、便器本体2の後方に配置された給水装置4と、便器本体2の後方に配置された洗浄水タンク装置6とを備えている。
便器本体2は陶器製である。便器本体2には、汚物を受けるボウル部12と、このボウル部12の底部から延びる排水トラップ管路14と、ジェット吐水を行うジェット吐水口16と、リム吐水を行うリム吐水口18とが形成されている。ジェット吐水口16は、ボウル部12の底部に形成されており、排水トラップ管路14の入口に指向してほぼ水平に配置され、洗浄水を排水トラップ管路14に向けて吐出するようになっている。ジェット吐水口16は、便器本体2のポンプ装置22からジェット吐水口16までの流路のうち最も小さい通水路径の部分を形成している。よって、ジェット吐水口16の大きさの変動(例えば製造誤差)がポンプ装置22からジェット吐水口16までの流路の圧力損失の変動を主に生じさせる。リム吐水口18は、ボウル部12の左側上部後方に形成されており、ボウル部12の上縁に沿って洗浄水を吐出するようになっている。
排水トラップ管路14は、入口部14aと、この入口部14aから上昇するトラップ上昇管14bと、このトラップ上昇管14bから下降するトラップ下降管14cとからなり、トラップ上昇管14bとトラップ下降管14cとの間が頂部14dとなっている。ここで、排水トラップ管路14のトラップ下降管14cの下端には、排水管8が接続されている。
本実施形態による水洗大便器装置1は、洗浄水を供給する水道に直結されており、水道の給水圧力によりリム吐水口18から洗浄水が吐出される。また、ジェット吐水に関しては、後述するように、洗浄水タンク装置6の洗浄水タンク20に貯水された洗浄水をポンプ装置22によって送出して、大流量でジェット吐水口16から吐出させるようになっている。
次に、本実施形態による水洗大便器装置1の給水装置4を説明する。
図1に示すように、給水装置4には、水道から洗浄水が供給される給水路24が設けられ、この給水路24には、上流側から、止水栓26、ストレーナ28、分岐金具30、定流量弁32、ダイヤフラム式の電磁開閉弁34、給水路切替弁36がそれぞれ設けられている。
給水路切替弁36の下流側には、リム吐水口18に洗浄水を供給するためのリム側給水路38、及び、洗浄水タンク20に洗浄水を供給するためのタンク側給水路40が接続されている。
電磁開閉弁34を通過した洗浄水は、給水路切替弁36により、リム側であるリム側給水路38からリム吐水口18へ、及び/又は、タンク側であるタンク側給水路40から洗浄水タンク20に供給される。このように、水洗大便器装置1は、リム吐水に関しては水道の水圧(直圧)を利用して給水して便器を洗浄し、さらに、ジェット吐水に関しては、洗浄水タンク20に貯水された洗浄水をポンプ装置22によって加圧してジェット吐水口16から吐出させるようになっているハイブリッド式(水道直圧式+タンク給水式)の給水装置を有するハイブリッド式水洗大便器である。また、リム側給水路38には、リム吐水用バキュームブレーカ48が設けられている。タンク側給水路40にも、逆止弁であるバキュームブレーカ42が設けられている。タンク側給水路40と洗浄水タンク20の接続部には、ボール式逆止弁43が設けられている。戻り管路50と洗浄水タンク20の接続部にも、ボール式逆止弁44が設けられている。
次に、図1乃至図3を参照して、洗浄水タンク装置6を詳細に説明する。
図2は、図1の洗浄水タンク装置の上面図であり、図3は、図2のIII-III線に沿って見た断面図である。
洗浄水タンク装置6は、便器本体2を洗浄する洗浄水を貯水する洗浄水タンク20と、洗浄水タンク20内に設けられた通水管45の取水口部45aから取り入れた洗浄水を便器本体2に送るポンプ装置22と、洗浄水タンク20内に設けられたフロートスイッチ52と、ポンプ装置22の電流値を検出できると共にポンプ装置22を制御する制御装置54と、流量推定モード及び予定洗浄水量供給モードの実行を使用者に報知する報知装置56を備えている。
洗浄水タンク20は、少なくともその下部が便器本体2の後方上部に取付けられている。洗浄水タンク20は、便器本体2に取付けられた状態で、自身の高さが比較的低く形成されているいわゆるローシルエットタンクである。洗浄水タンク20のタンク容量は、1.0L~6.0Lの範囲内に設定されている。
ポンプ装置22は、洗浄水タンク20内の洗浄水を便器本体2に供給するポンプである。ポンプ装置22は、洗浄水タンク20の側部から中に入り、その下部まで延びる通水管45と接続される。また、ポンプ装置22は、ジェット吐水口16まで延びるジェット側給水路46と接続される。ポンプ装置22が、洗浄水タンク20に貯水された洗浄水を吸引すると共に加圧してジェット吐水口16まで供給するようになっている。通水管45は、洗浄水タンク20内を通る場合のみならず、洗浄水タンク20の外部から洗浄水タンク20の下部に設けられる取水口部45aに接続されてもよい。
洗浄水タンク20とジェット側給水路46との間には、オーバーフロー流路70が設けられている。オーバーフロー流路70の上端70aは洗浄水タンク20内に開口し、その下端70bは、ジェット側給水路46に接続されている。このオーバーフロー流路70には逆止弁であるフラッパー弁72が取り付けられている。
フロートスイッチ52は、洗浄水タンク20内の水位が規定水位に到達したときに規定水位に到達したことを示す検知信号を発信する。ポンプ装置22による洗浄水タンクからの排出流量は流路開口の大きさ等のわずかな差によって変化しやすく洗浄水タンク20内の水位を正確に予測することが比較的難しいのに対し、フロートスイッチ52は、洗浄水タンク20内の水位を比較的簡単且つ正確に測定できる。フロートスイッチ52は、第1フロートスイッチ60、及び、第2フロートスイッチ62を備えている。
図3に示すように、第1フロートスイッチ60は、棒状の軸部を形成するステム(軸部)64と、洗浄水タンク20内の水位の変動に応じて、水位に応じた浮力を受けながらステム64に沿って上下動するフロート部60aと、を備えている。ステム64は、洗浄水タンク20の上部に取付けられた取付部から垂下するように鉛直方向下方に延びている。ステム64は、ステム64内部にリードスイッチ(図示せず)を備えている。第1フロートスイッチ60のリードスイッチは、制御装置54と電気的に接続されている。水位に応じてフロート部60aが上下し、第1フロートスイッチ60の位置に応じてリードスイッチすなわち第1フロートスイッチ60のON状態(オン状態)とOFF状態(オフ状態)とが変化する。第1フロートスイッチ60は、洗浄水タンク20内の水位が止水水位WL0(待機水位)であるときはON状態であり、水位が第1規定水位WL1に到達するとOFF状態となったことを検知する。よって、フロートスイッチ52の第1フロートスイッチ60は、洗浄水タンク20内の水位が第1規定水位WL1に到達したときに第1規定水位WL1に到達したことを示す検知信号を発信する。
第2フロートスイッチ62は、棒状の軸部を形成するステム(軸部)64と、洗浄水タンク20内の水位の変動に応じて、水位に応じた浮力を受けながらステム64に沿って上下動するフロート部62aと、を備えている。水位に応じてフロート部62aが上下し、フロート部62aの位置に応じて第2フロートスイッチ62のリードスイッチ(図示せず)すなわち第2フロートスイッチ62のON状態(オン状態)とOFF状態(オフ状態)とが変化する。第2フロートスイッチ62のリードスイッチも制御装置54と電気的に接続されている。第2フロートスイッチ62は、洗浄水タンク20内の水位が止水水位WL0(待機水位)であるときはOFF状態であり、水位が第1規定水位WL1に到達するとき依然としてOFF状態であり、水位が第2規定水位WL2に到達するときON状態となったことを検知する。フロートスイッチ52の第2フロートスイッチ62は、洗浄水タンク20内の水位が第2規定水位WL2に到達したときに第2規定水位WL2に到達したことを示す検知信号を発信する。本実施形態によれば、後述するように第2フロートスイッチ62を省略しても予定された洗浄水量Dを比較的高い精度で便器本体2に供給できる。本実施形態においては、給水等のために第1フロートスイッチ60及び第2フロートスイッチ62を設けている。
制御装置54は、電磁開閉弁34、給水路切替弁36、ポンプ装置22及びフロートスイッチ52等と電気的に接続され、電気信号を相互に送受信することができ、各機能部を電気的に操作できるようになっている。例えば、制御装置54は、電磁開閉弁34の開閉操作、給水路切替弁36の切替操作、及び、ポンプ装置22の回転数や作動時間等を制御する機能を有する。また、制御装置54は、ポンプ装置22の電流値(A)又は回転数(rpm)等の情報を取得する。制御装置54は、リモコンスイッチ等の操作部(図示せず)からの操作信号を受けて又は記憶されたプログラム等に従って各機器の制御を行う。制御装置54は、各機器を制御できるようなメモリ等の記憶装置(図示せず)及び演算装置(図示せず)を備えている。制御装置54は、各機器の制御により、第1便器洗浄モード(大洗浄モード、小洗浄モード等)において、流量推定モード及び予定洗浄水量供給モードを実行する機能を有する。
制御装置54は、ポンプ装置22の電流値に基づいて、ポンプ装置22により便器本体2に供給される洗浄水の流量を推定する流量推定モードと、流量推定モードにおいて推定された洗浄水の流量に基づいて、予定された洗浄水量を供給するようにポンプ装置22の駆動時間を調整し、予定された洗浄水量を便器本体2に供給する予定洗浄水量供給モードとを備える。
制御装置54の流量推定モードは、ポンプ装置22の電流値に対し便器本体2に供給される洗浄水の流量を推定する特性ラインL(関係指標)を参照することにより、ポンプ装置22の電流値に対し、便器本体2に供給される洗浄水の流量を推定する。
報知装置56は、制御装置54の指令を受けて、流量推定モード及び/又は予定洗浄水量供給モードの実行を使用者に報知する。報知装置56は、例えばLED等の発光装置、又は音を発する装置等である。制御装置54は、流量推定モード及び予定洗浄水量供給モードの実行を報知装置56により報知することにより、流量推定モード及び予定洗浄水量供給モードを中断されにくくすることができ、より確実に実施することができる。
次に、図1乃至図5により、本発明の第1実施形態による水洗大便器装置1において通常の洗浄動作(第1便器洗浄モード)を行うときのポンプ装置の駆動開始から駆動停止までの洗浄水タンク装置の制御動作(作用)について説明する。
図4は本発明の第1実施形態による水洗大便器装置においてポンプ装置の電流値とポンプ装置を介してポンプ装置の便器本体に供給される洗浄水の流量との関係を示す図であり、図5は本発明の第1実施形態による水洗大便器装置においてポンプ装置を介して便器本体に供給される洗浄水の流量とポンプ装置の駆動時間との関係を示す図である。
図3に示すように、待機状態においては、洗浄水タンク20内の水位は止水水位WL0(待機水位)となっている。
一連の通常の便器本体2の洗浄動作(いわゆる大洗浄動作のみならずいわゆる小洗浄動作も含む)において、制御装置54が操作部(図示せず)の操作指令を受けてポンプ装置22の駆動を開始させる。ポンプ装置22は所定の一定の回転数により回転される。ポンプ装置22が、図3において矢印F0に示すように、洗浄水タンク20に貯水された洗浄水を吸引し、洗浄水を便器本体2に供給する。洗浄水タンク20内の水位が止水水位WL0(待機水位)から下降を開始する。
図4に示すように、制御装置54は、ポンプ装置22の電流値I(A)に基づいて、ポンプ装置22により便器本体2に供給される洗浄水の流量Q(L/min)を推定する流量推定モードを実行する。流量Qは例えば瞬間流量である。本実施形態においては、制御装置54の流量推定モードは、通常の洗浄動作(いわゆる大洗浄動作のみならずいわゆる小洗浄動作も含む)中において実行される。また、本実施形態においては、制御装置54の流量推定モードは、ポンプ装置22の電流値Iに対し便器本体2に供給される洗浄水の流量Qを推定する推定マップの特性ラインLを参照することにより、ポンプ装置22の電流値Iに対し、便器本体2に供給される洗浄水の流量Qを推定(決定)する。制御装置54は、推定マップの特性ラインLを製造時において予め記憶する。特性ラインLは、ポンプ装置22の電流値Iに対し、便器本体2に供給される洗浄水の流量Qを推定(決定)するための対応関係を示す。特性ラインLは、個々の便器本体2のポンプ装置22からジェット吐水口16までの流路の圧力損失に応じたポンプ装置22の負荷を、電流値Iから読み取り、この電流値I(ポンプ装置22の負荷)に対応した便器本体2に供給される洗浄水の流量Qを推定できるラインである。
例えば、制御装置54は、ポンプ装置22の比較的大きな電流値I1を取得した場合、特性ラインLの電流値I1(A)に対応する流量Q1(L/min)を推定する。制御装置54がポンプ装置22の比較的大きな電流値I1を取得する場合、ポンプ装置22からジェット吐水口16までの流路の圧力損失C1が比較的小さくなっていると判断され、便器本体2に供給される洗浄水の流量Q1が比較的大きくなっていると推定される。また、制御装置54は、ポンプ装置22の比較的小さな電流値I2を取得した場合、特性ラインLの電流値I2(A)に対応する流量Q2(L/min)を推定する。制御装置54がポンプ装置22の比較的小さな電流値I2を取得する場合、ポンプ装置22からジェット吐水口16までの流路の圧力損失C2が比較的大きくなっていると判断され、便器本体2に供給される洗浄水の流量Q2が比較的小さくなっていると推定される。制御装置54が電流値I1よりも小さな電流値I2を取得する場合、圧力損失C2が圧力損失C1よりも大きくなっており、流量Q1よりも小さな流量Q2が便器本体2に供給される。このように、制御装置54は、特性ラインLを参照して、ポンプ装置22の負荷に対応した電流値Iに対し、便器本体2に供給される洗浄水の流量Qを推定することができる。
次に、図5に示すように、制御装置54は、流量推定モードにおいて推定された洗浄水の流量Q(L/min)に基づいて、予定された洗浄水量D(L)を供給するようにポンプ装置22の駆動時間T(S)を調整し、予定された洗浄水量Dを便器本体2に供給する予定洗浄水量供給モードを実行する。本実施形態においては、制御装置54の予定洗浄水量供給モードは、流量推定モードにおいて推定された洗浄水の流量Qに基づいて、予定された洗浄水量Dを供給するようにポンプ装置22の駆動時間Tを調整し、予定された洗浄水量Dを便器本体2に供給する。流量Qは、ポンプ装置22の駆動中の回転数が概ね一定とされているので、ポンプ装置22の駆動中において概ね一定とされる。予定された洗浄水量Dは、洗浄水タンク20から便器本体2に供給しようとする水量として予め決定されている。駆動時間Tは、ポンプ装置22の駆動開始から駆動停止までの時間である。
例えば、制御装置54は、予定洗浄水量供給モードにおいて、流量Q(L/min)に基づいて、予定された洗浄水量D(L)が吐水されるまでの駆動時間T(S)を算出する。例えばD/Q=Tの算式により算出される。制御装置54が比較的大きな流量Q1を取得する場合、予定された洗浄水量Dが吐水されるまでの駆動時間T1を比較的小さな値として算出する。制御装置54が比較的小さな流量Q2を取得する場合、予定された洗浄水量Dが吐水されるまでの駆動時間T2を比較的大きな値として算出する。制御装置54が流量Q1よりも小さな流量Q2を取得する場合、予定された洗浄水量Dが吐水されるまでの駆動時間T2は駆動時間T1よりも長くなる。制御装置54は、予定洗浄水量供給モードを実行することにより、個々の便器本体2のポンプ装置22からジェット吐水口16までの流路の圧力損失が異なる場合においても、予定された洗浄水量Dを便器本体2に供給する精度を向上させることができる。また、制御装置54は、予定された洗浄水量Dを便器本体2に供給することができるので、第2フロートスイッチ62を省略した構成とすることができる。第2フロートスイッチ62を省略した構成とすることにより、ローシルエットタンクにおいて第2フロートスイッチ62の容積分の洗浄水量を貯水することができ、ローシルエットタンクが大型化することを抑制することができる。
変形例として、図6に示すように、制御装置54は、予定洗浄水量供給モードにおいて、流量推定モードにおいて推定された洗浄水の流量Q(L/min)に基づいて、予定された洗浄水量D(L)を算出してもよい。このとき、制御装置54は、洗浄水の流量Q1(L/min)に基づいて、予定された洗浄水量D(L)を供給するように、単位時間当たりの洗浄水量を積算し、予定された洗浄水量Dに到達した場合に、予定された洗浄水量Dが吐水されるまでの駆動時間T1(S)が得られる。よって、制御装置54は、駆動時間T1を直接的に算出せず、予定された洗浄水量Dを算出して、予定された洗浄水量Dを供給するようにポンプ装置22の駆動時間を調整している。例えばD=Q×Tの算式により算出される。
制御装置54は、決定された駆動時間Tに到達すると、ポンプ装置22の駆動を停止させる。ポンプ装置22の駆動が停止すると、洗浄水タンク20から便器本体2のジェット吐水口16への洗浄水の供給が停止される。このとき洗浄水タンク20内の水位は死水水位WL3(いわゆる大洗浄モード時)となっている。予定された洗浄水量Dを排出できる精度が向上されているので、洗浄水タンク20内の水位が死水水位WL3で予定通り停止される。以後、制御装置54は、給水装置4により洗浄水タンク20に給水を行って洗浄水タンク20内の水位を上昇させる。洗浄水が洗浄水タンク20内の止水水位WL0(待機水位)まで到達すると、制御装置54は、給水装置4を停止させ、待機状態に戻る。制御装置54は、待機状態に戻ると一連の洗浄動作を終了する。なお、制御装置54は、同様の方法により、大洗浄動作時のみならず小洗浄動作時においても流量推定モード及び予定洗浄水量供給モードを実行し、小洗浄用の予定された洗浄水量を供給し、下降時の水位が予定された死水水位で停止される。小洗浄動作時における動作については大洗浄動作時における動作とほぼ同様であるので説明を省略する。
本実施形態において、制御装置54は、毎回の便器本体2の洗浄動作時において、流量推定モード、予定洗浄水量供給モードを実行する。変形例として、制御装置54は、施工に伴う初期調整等において、流量推定モード、予定洗浄水量供給モードを実行してもよい。すなわち、水洗大便器装置1の施工後の使用開始に伴う初期調整において、制御装置54が流量推定モード、予定洗浄水量供給モードを実行してもよい。例えば、制御装置54が、初期調整として、使用開始から1回目の洗浄動作時、又は使用開始から3回目等の複数回目の洗浄動作時まで、流量推定モード、予定洗浄水量供給モードを実行してもよい。
制御装置54は、流量推定モードを複数回連続で実行する複数モードを備えている。制御装置54は、流量推定モードと予定洗浄水量供給モードとを実行した後、再度、複数回にわたって流量推定モードと予定洗浄水量供給モードとを実行する。このように、制御装置54は、複数モードにおいて、流量推定モードと予定洗浄水量供給モードとの組を複数回にわたって実行する。なお、制御装置54は、複数モードにおいて、流量推定モードのみを複数回にわたって実行してもよい。制御装置54は、複数モードにより、複数回推定された洗浄水の流量Q(L/min)を平均し、流量Qの算出精度をより向上させることができる。
以上に説明した第1実施形態において、洗浄水がポンプ装置から便器本体に供給される流路の配置及び形態は変更可能である。また、上述の第1実施形態において、水洗大便器装置1は、ハイブリッド式(水道直圧式+タンク給水式)の給水装置を有する。例えば、水洗大便器装置1は、リム吐水及びジェット吐水の両方に関して、洗浄水タンクに貯水された洗浄水をポンプ装置によって加圧してリム吐水口18及びジェット吐水口16から吐出させるようになっているフルポンプ式(タンク給水式)の給水装置を有していてもよい。この場合、個々の便器本体2のポンプ装置22からジェット吐水口16及びリム吐水口18までの流路の圧力損失に応じたポンプ装置22の負荷が、電流値Iから読み取られる。また、例えば、水洗大便器装置1は、リム吐水口18のみを備え、リム吐水に関して、洗浄水タンクに貯水された洗浄水をポンプ装置によって加圧してリム吐水口18から吐出させるようになっているポンプ式(タンク給水式)の給水装置を有していてもよい。この場合、個々の便器本体2のポンプ装置22からリム吐水口18までの流路の圧力損失に応じたポンプ装置22の負荷が、電流値Iから読み取られる。
上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器装置1によれば、制御装置54は、流量推定モードにより、ポンプ装置22の電流値に基づいて、ポンプ装置22により便器本体2に供給される洗浄水の流量を推定することができる。また、制御装置54は、予定洗浄水量供給モードにより、流量推定モードにおいて推定された洗浄水の流量に基づいて、予定された洗浄水量を供給するようにポンプ装置22の駆動時間を調整し、予定された洗浄水量を便器本体2に供給することができる。これにより、ポンプ装置22により洗浄水タンクから便器本体2に供給される洗浄水量が個々の便器本体2への通水路の圧力損失の違いによりばらつくことを抑制することができる。また、洗浄水タンク20内に追加の新たな部品を設けることなく、ポンプ装置22により便器本体2に供給される洗浄水量がばらつくことを抑制することができるため、洗浄水タンク20を予定された洗浄水量よりも多くの洗浄水量を貯水できるように余裕を持たせて大きく形成することを抑制でき、洗浄水タンク20の大型化を抑制することができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器装置1によれば、流量推定モードは、ポンプ装置22の電流値に対し便器本体2に供給される洗浄水の流量を推定する特性に基づいて、ポンプ装置22の電流値に対し、便器本体2に供給される洗浄水の流量を推定することができる。これにより、ポンプ装置22により洗浄水タンク20から便器本体2に供給される洗浄水量が便器本体2側の通水路の製造誤差によりばらつくことを抑制することができる。また、仮に便器本体2側の通水路に水あか又は尿石等が付着した場合にも、便器本体2の洗浄時において、ポンプ装置22により洗浄水タンク20から便器本体2に供給される洗浄水量が便器本体2側の通水路の圧力損失の変化によりばらつくことを抑制することができる。
次に、図7乃至図9により、本発明の第2実施形態による水洗大便器装置を説明する。第2実施形態は、本発明による水洗大便器装置の制御装置の流量推定モードを異なる制御とした例である。図7は本発明の第2実施形態による水洗大便器装置の制御装置の流量推定モードにおいて時間と電流値との関係を示す図であり、図8は本発明の第2実施形態による水洗大便器装置の制御装置の流量推定モードにおいて空回り検知時間と便器本体に供給される洗浄水の流量との関係を示す図であり、図9は本発明の第2実施形態による水洗大便器装置の制御装置の流量推定モードにおいて便器本体に供給される洗浄水の流量とポンプ装置の駆動時間との関係を示す図である。
第2実施形態による水洗大便器装置101は、上述した第1実施形態による水洗大便器装置1と構造がほぼ同じであり、制御装置54の制御内容が異なるため、本発明の第2実施形態の第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様な部分については図面に同じ参照符号を付して説明を省略する。
制御装置54の流量推定モードは、洗浄水タンク20内の洗浄水が止水水位から死水水位まで下降するまでポンプ装置22を駆動させる第1便器洗浄モードとは別の第2便器洗浄モードにおいて実行される。流量推定モードは、洗浄水タンク20内の洗浄水が止水水位からポンプ装置22に空気が入る水位まで下降するまでポンプ装置22を駆動させ、ポンプ装置22の電流値Iに基づいて、ポンプ装置22の駆動開始からポンプ装置22に空気が入る水位までの時間を判断し、この時間と想定される排出水量とに基づいて、便器本体2に供給される洗浄水の流量を推定する。
本実施形態の制御装置54の流量推定モードは、洗浄水タンク20内の洗浄水が止水水位から死水水位まで下降するまでポンプ装置22を駆動させる第1便器洗浄モードとは別のタイミングで実行される。例えば、流量推定モードは、水洗大便器装置101の施工後の使用開始に伴う初期調整において実行される。
制御装置54は、流量推定モードにおいて、洗浄水タンク20内の洗浄水が止水水位からポンプ装置22に空気が入る水位(洗浄水タンク20内の取水口部45aの高さの水位WL4)まで下降するまでポンプ装置22を駆動させ、ポンプ装置22の電流値Iに基づいて、ポンプ装置22の駆動開始から水位がポンプ装置22に空気が入る水位に下降するまでの時間を判断している。
図7に示すように、時刻t0において、制御装置54が流量推定モードを開始させると、制御装置54がポンプ装置22の駆動を開始させる。ポンプ装置22は所定の一定の回転数により回転される。ポンプ装置22が、洗浄水タンク20に貯水された洗浄水を吸引し、洗浄水を便器本体2に供給する。洗浄水タンク20内の水位が止水水位WL0(待機水位)から下降を開始する。このとき、ポンプ装置22が所定の回転数で回転され、制御装置54は電流値I3を取得する。ポンプ装置22の電流値I3は、ポンプ装置22が所定の回転数で回転され、ポンプ装置22が空気を巻き込まずに、洗浄水を便器本体2に供給している状態においてほぼ一定に継続する。
次に、実線により示すように、流路の圧力損失が小さく、便器本体2に供給される洗浄水の流量Qが比較的大きくなり、洗浄水タンク20内の水位の下降が早くなる場合について説明する。
時刻t1において、洗浄水タンク20内の水位が、ポンプ装置22に空気が入る水位、具体的には取水口部45aの水位まで低下すると、ポンプ装置22に空気が入る。ポンプ装置22に空気が入ると、ポンプ装置22が空回りし、ポンプ装置22の負荷が低下し、ポンプ装置22の電流値I3が低下する。具体的には、ポンプ装置22の電流値が電流値I3から電流値I3’まで低下する。このように、ポンプ装置22に空気が入るタイミングにおいてポンプ装置22の電流値I3が空気混入状態の電流値I3’に変化する。制御装置54は、この時刻t0と時刻t1との間の時間を空回り検知時間F3として取得する。このようにポンプ装置22から便器本体2に供給される洗浄水の流量が比較的大きい場合には、空回り時間F3は、比較的短い値となる。
次に、点線により示すように、流路の圧力損失が比較的大きく、便器本体2に供給される洗浄水の流量Qが比較的小さくなり、洗浄水タンク20内の水位の下降が遅くなる場合について説明する。
時刻t2において、洗浄水タンク20内の水位が、ポンプ装置22に空気が入る水位、具体的には取水口部45aの水位まで低下すると、ポンプ装置22に空気が入る。ポンプ装置22に空気が入ると、ポンプ装置22が空回りし、ポンプ装置22の電流値I3が空気混入状態の電流値に変化する。制御装置54は、この時刻t0と時刻t2との間の時間を空回り検知時間F4として取得する。このようにポンプ装置22から便器本体2に供給される洗浄水の流量が比較的小さい場合には、空回り検知時間F4は、比較的長い値となる。空回り検知時間F4は、空回り検知時間F3よりも長くなっている。制御装置54は、ポンプ装置22は、時刻t3になるとポンプ装置22を停止させ、待機状態に戻る。
次に、図8に示すように、制御装置54は、空回り検知時間F(s)と想定される排出水量E(L)とに基づいて、便器本体2に供給される洗浄水の流量Q(L/min)を推定する。想定される排出水量E(L)は、ポンプ装置22の駆動開始の水位(止水水位)からポンプ装置22に空気が入る水位WL4(空気混入水位)までの下降中に想定される排出水量、すなわち、止水水位から空気混入水位までの洗浄水タンク20の容量である。
例えば、制御装置54は、比較的短い空回り検知時間F3と、想定される排出水量Eとに基づいて、便器本体2に供給される洗浄水の比較的大きい流量Q3を推定する。このとき制御装置54は、ポンプ装置22からジェット吐水口16までの流路の圧力損失C3が比較的小さくなっていると判断できる。
例えば、制御装置54は、比較的長い空回り検知時間F4と、想定される排出水量Eとに基づいて、便器本体2に供給される洗浄水の比較的小さい流量Q4を推定する。制御装置54は、ポンプ装置22からジェット吐水口16までの流路の圧力損失C4が比較的大きくなっていると判断できる。制御装置54が時間T3よりも長い空回り検知時間F4を取得する場合、圧力損失C4が圧力損失C3よりも大きくなっており、流量Q3よりも少ない流量Q4が便器本体2に供給されている。
次に、制御装置54は、流量推定モードにおいて推定された洗浄水の流量Q(L/min)に基づいて、第2便器洗浄モードにおいて予定された洗浄水量Dを供給するようにポンプ装置22の駆動時間T(S)を調整し、上記第2便器洗浄モードにおいて予定された洗浄水量Dを便器本体2に供給する予定洗浄水量供給モードを実行する。なお、ポンプ装置22の駆動中の回転数が概ね一定とされているので、流量Qはポンプ装置22の駆動中において概ね一定とされる。予定された洗浄水量Dは、第2便器洗浄モードにおいて洗浄水タンク20から便器本体2に供給しようとする水量として予め決定されている。駆動時間Tは、ポンプ装置22の駆動開始から駆動停止までの時間である。
例えば、制御装置54は、予定洗浄水量供給モードにおいて、流量Q(L/min)に基づいて、予定された洗浄水量Dが吐水されるまでの駆動時間T(S)を算出する。制御装置54が比較的大きな流量Q3を取得する場合、予定された洗浄水量Dが吐水されるまでの駆動時間T3を比較的小さな値として算出する。制御装置54が比較的小さな流量Q4を取得する場合、予定された洗浄水量Dが吐水されるまでの駆動時間T4を比較的大きな値として算出する。制御装置54が流量Q3よりも小さな流量Q4を取得する場合、予定された洗浄水量Dが吐水されるまでの駆動時間T4は駆動時間T3よりも長くなる。制御装置54は、予定洗浄水量供給モードを実行することにより、個々の便器本体2のポンプ装置22からジェット吐水口16までの流路の圧力損失が異なる場合においても、第2便器洗浄モードにおいて予定された洗浄水量Dを便器本体2に供給する精度を向上させることができる。また、制御装置54は、予定された洗浄水量Dを便器本体2に供給することができるので、第2フロートスイッチ62を省略した構成とすることができる。
上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器装置1によれば、制御装置54は、流量推定モードにより、ポンプ装置22の電流値に基づいて、ポンプ装置22により便器本体2に供給される洗浄水の流量を推定することができる。また、制御装置54は、予定洗浄水量供給モードにより、流量推定モードにおいて推定された洗浄水の流量に基づいて、予定された洗浄水量を供給するようにポンプ装置22の駆動時間を調整し、予定された洗浄水量を便器本体2に供給することができる。これにより、ポンプ装置22により洗浄水タンク20から便器本体2に供給される洗浄水量が個々の便器本体2への通水路の圧力損失の違いによりばらつくことを抑制することができる。また、洗浄水タンク20内に追加の新たな部品を設けることなく、ポンプ装置22により便器本体2に供給される洗浄水量がばらつくことを抑制することができるため、洗浄水タンク20を予定された洗浄水量よりも多くの洗浄水量を貯水できるように余裕を持たせて大きく形成することを抑制でき、洗浄水タンク20の大型化を抑制することができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器装置1によれば、流量推定モードは、例えば施工に伴う調整において、ポンプ装置22の電流値に基づいて、ポンプ装置22の駆動開始からポンプ装置22に空気が入るまでの時間を取得し、排出された洗浄水量とこの時間とに基づいて、上記便器本体2に供給される洗浄水の流量を推定する。これにより、ポンプ装置22により洗浄水タンク20から便器本体2に供給される洗浄水量が便器本体2の通水路の製造誤差によりばらつくことを抑制することができる。また、流量推定モードは、便器本体2の洗浄時に毎回実行しなくとも、例えば施工に伴う調整等において、比較的簡単に実行することができる。よって、ポンプ装置22により洗浄水タンク20から便器本体2に供給される洗浄水量が便器本体2側の通水路の圧力損失の変化によりばらつくことを比較的簡単に抑制することができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器装置1によれば、制御装置54は、複数モードにより流量推定モードを複数回実行し(流量推定モードと予定洗浄水量供給モードとの組を複数回にわたって実行してもよい)、得られた流量又はこの流量から得られる他のパラメータ等を平均して便器本体2に供給される洗浄水の流量を推定する精度をより向上させることができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器装置1によれば、制御装置54は、流量推定モード及び予定洗浄水量供給モードの実行を報知装置56により報知することにより、流量推定モード及び予定洗浄水量供給モードを中断されにくくすることができ、これらのモードをより確実に実施することができる。
1 水洗大便器装置
2 便器本体
6 洗浄水タンク装置
16 ジェット吐水口
18 リム吐水口
20 洗浄水タンク
22 ポンプ装置
54 制御装置
56 報知装置
101 水洗大便器装置

Claims (5)

  1. 洗浄水によって洗浄され汚物を排出する水洗大便器装置であって、
    便器本体と、
    上記便器本体を洗浄する洗浄水を貯水する洗浄水タンクと、
    上記洗浄水タンク内の洗浄水を上記便器本体に供給するポンプ装置と、
    上記ポンプ装置の電流値を検出できると共に上記ポンプ装置を制御する制御装置とを備え、
    上記制御装置は、上記ポンプ装置の電流値に基づいて、上記ポンプ装置により上記便器本体に供給される洗浄水の流量を推定する流量推定モードと、
    上記流量推定モードにおいて推定された洗浄水の流量に基づいて、予定された洗浄水量を供給するように上記ポンプ装置の駆動時間を調整し、予定された洗浄水量を上記便器本体に供給する予定洗浄水量供給モードとを備えることを特徴とする水洗大便器装置。
  2. 上記制御装置の上記流量推定モードは、上記ポンプ装置の電流値と洗浄水の流量との関係を示す特性に基づいて、上記ポンプ装置の電流値に対し、上記便器本体に供給される洗浄水の流量を推定する、請求項1に記載の水洗大便器装置。
  3. 上記制御装置の上記流量推定モードは、洗浄水が上記洗浄水タンク内の止水水位から死水水位まで下降するまで上記ポンプ装置を駆動させる第1便器洗浄モードとは別の第2便器洗浄モードにおいて、洗浄水が上記洗浄水タンク内の止水水位から上記ポンプ装置に空気が入る水位まで下降するまで上記ポンプ装置を駆動させ、上記ポンプ装置の電流値に基づいて、上記ポンプ装置の駆動開始から水位が上記ポンプ装置に空気が入る水位まで下降するまでの時間を取得し、この時間と想定される排出水量とに基づいて、上記便器本体に供給される洗浄水の流量を推定し、
    上記制御装置の上記予定洗浄水量供給モードは、上記流量推定モードにおいて推定された洗浄水の流量に基づいて、上記第2便器洗浄モードにおいて予定された洗浄水量を供給するように上記ポンプ装置の駆動時間を調整し、予定された洗浄水量を上記便器本体に供給する、請求項1に記載の水洗大便器装置。
  4. 上記制御装置は、少なくとも上記流量推定モードを複数回実行する複数モードを備えている、請求項3に記載の水洗大便器装置。
  5. 上記制御装置は、上記流量推定モード及び上記予定洗浄水量供給モードの実行を報知装置により使用者に報知する、請求項3又は4に記載の水洗大便器装置。
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