JP2015067958A - ワイヤ式ウィンドウレギュレータにおけるワイヤガイドブラケット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ワイヤガイドブラケット13を、ワイヤガイド取付部30,31を構成する第1面とドアパネルへの固定部36,36’を構成する第2面と溶接部を構成する第3面で構成するものとし、第1面と第2面の一側縁からこれらの面と交差する方向に屈曲して第3面を形成するとともに、溶接部は、同一面を維持して第1面側の第1溶接片と第2面側の第2溶接片に分離し、第1溶接片と第2溶接片に分散して前記レール部材との溶接用突起を形成する。
【選択図】図4
Description
ところで、レール部材の端部にワイヤガイドブラケットを取り付けるには、図7に示すように、ワイヤガイドブラケットBの側端を折り曲げて溶接片Mを形成し、この溶接片Mをレール部材Rの側面に重ねて複数個所でプロジェクション溶接することがある。
しかし、ワイヤガイドブラケットBには、ワイヤガイド取付部Kの面だけでなく、ドアパネル取付部Dの面もある上、これらの間に段差面Qがあり、また、レール部材側の溶接面は、レール部材がガラスガイドである場合には、その内側にガラスランを収容するので、端部において溶接面とできる場所が限定されている。その上、溶接片Mの面を補強するためにリブSを形成したりする。このため、ワイヤガイドブラケットBの溶接片Mを形成した角部Tの形状が袋形(面が三次元に組み合わさった構造)になって、プレス加工するとこの角部Tに皺ができたりして、溶接用突起Pの位置を正確に形成するのが難しい。
ワイヤガイド取付部はワイヤ径路を転向させるワイヤガイドを取り付ける部分であり、固定部は、このワイヤガイドブラケットをドアパネルに取り付けるための部分であり、溶接部は、前記レギュレータにおけるレール部材(ガラスガイドやガイドレール)の端部をプロジェクション溶接により固定するための部分とする。
ワイヤガイド取付部を構成する第1面とドアパネルへの固定部を構成する第2面間は段差面で連続される。
溶接部を構成する第3面は、第1面と第2面の一側縁(同じ側)からこれらの面と交差する方向に屈曲して形成する。そして、溶接部は、同一面を維持して第1面側の第1溶接片と第2面側の第2溶接片に分離され、さらに、前記レール部材との溶接用突起が、第1溶接片と第2溶接片に分散して形成される。
また、第1溶接片と第2溶接片は同一面に沿って配置され、これらに分散して配置されたプロジェクション突起によってそれぞれにレール部材へ溶接されるから、レール部材とワイヤガイドブラケットとが強固に結合される。
ワイヤガイドブラケットとレール部材との位置決めに半円形の溶接位置基準切欠を利用するので、位置合わせのために円形の孔を形成したものに比べて溶接用位置決め部分として確保すべきスペースが狭くて済む。
本発明に係る自動車用ドアは、図1に示すように、窓ガラス1とドアフレーム2とドアパネル3及びウィンドウレギュレータを備える。
ドアフレーム2は前フレーム4と後フレーム5及びこれらの上端部を連結した上フレーム6とからなる。
ドアパネル3は、パネル空間Sを形成する外パネル(図示せず)と内パネル7から成り、外パネルと内パネル7の間に前フレーム4と後フレーム5の下部が固定されている。また、パネル空間Sの上方において、前フレーム4と後フレーム5と上フレーム6で囲まれた部分が窓Wになっている。
窓ガラス1を昇降させるウィンドウレギュレータは、図2に示すように、ワイヤ8と、ドラム駆動装置9と、ワイヤ8を係合してその方向を転向させるワイヤガイドa〜eと、前フレーム4及びガイドレール10とで構成される。ワイヤガイドa,b,d,eはプーリーなどの回動可能なワイヤガイドであり、ワイヤガイドcはワイヤ8をガイドする湾曲面を持ち、固定的に取り付けられる部材である。前フレーム4及びガイドレール10は、端部にワイヤガイドブラケット(後述)が固定される案内部材なので、レール部材と総称できる。
ドラム駆動装置9は、ワイヤ8を巻回したドラム11とモータ12を有し、モータ12でドラム11を駆動することにより、ワイヤ8を一端側で巻き取るとともに他端側で巻き戻すものである。
前フレーム4は、後方が開口したコ字状の断面を有し、窓ガラス1の前縁が上下動可能に挿入される。
パネル空間Sの前上部に位置する前フレーム4の中間部にはワイヤガイドcが取り付けられる。ワイヤガイドcの上端面は緩やかに湾曲し、ワイヤ8を係合するガイド溝15が形成されている。
また、前フレーム4の前面の下端(図6)には半円形の溶接位置基準切欠27が形成され、溶接位置基準切欠27の上方においてワイヤガイドブラケット溶接位置の上部に円形の溶接位置基準孔28が形成されている。
なお、後部ワイヤガイド取付部31の後端部室外側に筒状のチューブ支持部材14が取り付けられる(別部材)(図5)。
前部ワイヤガイド取付部30の上端には前部取付片32が連設され、前部ワイヤガイド取付部30の前端には第1溶接片33が連設され、後部ワイヤガイド取付部31の上端には後部取付片34が連設されている。
第2溶接片37の先端部(室外側の端部)には、前面側が陥没し、後面側へ隆起した二つの溶接用突起40が内外方向に並べて形成され、第2溶接片37の上端縁には、前フレーム4の溶接位置基準孔28の下半部と一致させる半円形の位置決め切欠41が形成されている。
第1溶接片33の上部には、前面側が陥没し、後面側へ隆起した二つの溶接用突起40が内外方向に並べて形成され、溶接用突起40のやや下方には、上半部を前フレーム4の溶接位置基準切欠27と一致させる円形の位置決め孔42が形成されている。
後部ワイヤガイド取付部31は、上方室内側に延びる傾斜部35’と、傾斜部35’の上端に起立したドアパネル固定部36’を一体に形成して成る。
ドアパネル固定部36と36’の共通面を第2面とする。また、第1溶接片33と第2溶接片37の共通面を第3面とする。前記の第1面はワイヤガイドの取付面であり、第2面はドアパネルへワイヤガイドブラケットを取り付けるための固定面、第3面は溶接部である。溶接部は第1溶接片33と第2溶接片37に同一面を維持して分割され、複数のプロジェクション溶接用突起40は第1、第2の溶接片33,37に分散して配置されている。
ワイヤガイドブラケット13と前フレーム4を溶接するには、まず、ワイヤガイドブラケット13の第1溶接片33及び第2溶接片37を前フレーム4の前面に重ね、第1溶接片33の位置決め孔42の上半部を前フレーム4の溶接位置基準切欠27と一致させ、第2溶接片37の位置決め切欠41を前フレーム4の溶接位置基準孔28の下半部と一致させて、ワイヤガイドブラケット13と前フレーム4を位置決めする。
次いで、第1溶接片33及び第2溶接片37の前方から溶接用突起40の部分を前フレーム4に溶接する(プロジェクション溶接)。
さらに、図2において前フレーム4の下部に示すように、ワイヤガイドbがワイヤガイドブラケット13における前部ワイヤガイド取付部30の室外側の面に取り付けられ、ワイヤガイドaが後部ワイヤガイド取付部31の室外側の面に取り付けられる。
内パネル7とワイヤ8のワイヤ径路は内外方向にずれているので、ドアパネル固定部36及びドアパネル固定部36’と、前部ワイヤガイド取付部30及び後部ワイヤガイド取付部31とは同一面内に設置されていないが、前部ワイヤガイド取付部30の前端の第1溶接片33とドアパネル固定部36の前端の第2溶接片37は独立して形成されているので、ワイヤガイドブラケット13の前端の屈曲部分はシンプルな構造となり、溶接用突起40も簡単に、且つ正確に形成することができる。
図2に示すように、パネル空間Sの後上部に位置するガイドレール10の上端部にはワイヤガイドブラケット16が固定される。ワイヤガイドブラケット16の室外側の面にはこの実施例においてプーリーであるワイヤガイドdが取り付けられ、ワイヤガイドdの下方に筒状のチューブ支持部材17が設けられる。
パネル空間Sの後下部に位置するガイドレール10の下端部にはブラケット18が固定される。ブラケット18の室外側の面の後部にはプーリーであるワイヤガイドeが取り付けられ、ワイヤガイドeの前方に筒状のチューブ支持部材19が設けられる。また、ブラケット18にドラム11及びモータ12がドラム11を室外側の面としてブラケット18を挟むようにして取り付けられ、ドラム11の後方及び前方にそれぞれ筒状のチューブ支持部材20とチューブ支持部材21が設置されている。
そして、ワイヤガイドブラケット16と前記ブラケット18をドアパネル3の内パネル7に固定することにより、ガイドレール10がパネル空間S内に取り付けられる。
モータ12でドラム11を駆動するとワイヤ8は往復移動される。このとき、ワイヤガイドcとワイヤガイドa間のワイヤ8とワイヤガイドdとワイヤガイドe間のワイヤ8は同じ方向に移動するので、前キャリア25と後キャリア26は同時に昇降し、窓ガラス1が開閉する。
2 ドアフレーム
3 ドアパネル
4 前フレーム
5 後フレーム
6 上フレーム
7 内パネル
8 ワイヤ
9 ドラム駆動装置
10 ガイドレール
11 ドラム
12 モータ
13 ワイヤガイドブラケット
14 チューブ支持部材
15 ガイド溝
16 ワイヤガイドブラケット
17 チューブ支持部材
18 ブラケット
19 チューブ支持部材
20 チューブ支持部材
21 チューブ支持部材
22,23,24 ガイドチューブ
25 前キャリア
26 後キャリア
27 溶接位置基準切欠
28 溶接位置基準孔
30 前部ワイヤガイド取付部
31 後部ワイヤガイド取付部
32 前部取付片
33 第1溶接片
34 後部取付片
35,35’ 傾斜部
36,36’ ドアパネル固定部
37 第2溶接片
40 溶接用突起
41 位置決め切欠
42 位置決め孔
a〜e ワイヤガイド
S パネル空間
W 窓
Claims (2)
- ワイヤ式ウィンドウレギュレータにおけるワイヤガイドブラケットであって、鋼板のプレス成形によりワイヤガイド取付部と固定部および溶接部を有し、
ワイヤガイド取付部はワイヤ径路を転向させるワイヤガイドを取り付ける部分であり、固定部は、このワイヤガイドブラケットをドアパネルに取り付けるための部分であり、溶接部は、前記レギュレータにおけるレール部材の端部をプロジェクション溶接により固定するための部分であり、
ワイヤガイド取付部を構成する第1面とドアパネルへの固定部を構成する第2面間に段差があるとともに、溶接部を構成する第3面は第1面と第2面の一側縁からこれらの面と交差する方向に屈曲して形成されるとともに、
溶接部は、同一面を維持して第1面側の第1溶接片と第2面側の第2溶接片に分離されており、第1溶接片と第2溶接片に分散して前記レール部材との溶接用突起が形成されている、
ことを特徴としたワイヤガイドブラケット。 - ドアパネルの固定部とワイヤガイド取付部は上下に配置され、これに伴い前記の第2溶接片と第1溶接片は上下に位置し、第2溶接片に半月形の溶接位置基準切欠を設けると共に、第1溶接片に円形の溶接位置基準孔を設け、前記切欠は前記レール部材に設けた溶接位置基準孔の位置に合わせ、前記孔は、レール部材の端縁に設けた溶接基準位置切欠に合わせて形成してあることを特徴とした請求項1に記載のワイヤガイドブラケット。
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