JP6359818B2 - ワイヤ式ウィンドウレギュレータ - Google Patents
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Description
このウィンドウレギュレータは、ワイヤWが自動車用ドアのパネル空間に交差して張られているので、パネル空間の有効利用が難しい。
しかし、このウィンドウレギュレータは、後フレーム、上フレーム、及び前フレームの内側という狭い空間に、ほぼ全長に亘ってワイヤを通す必要があり、作業が非常に面倒である。
この問題を回避するために、ワイヤをパネル空間の前後端部及び下端部に沿って張ることが考えられる。ところが、このようにワイヤを張るには、パネル空間の下端に沿って延びたワイヤの前部と後部を、例えば前部を前方のガイドレールの下端部に設けたワイヤガイドで方向転換して上方に延ばし、その上端のワイヤガイドで折り返して下降させ、そのワイヤを前記下端部のワイヤガイドで前後方向へ転換させるので、前方のガイドレールの下部に設ける一つのワイヤガイドブラケットに2個のワイヤガイドを装着する必要が生じる。後部についても同様であるが、ワイヤガイドの一方はドラムになる。
そして、2個のワイヤガイドに係合したワイヤの軌道どうしが干渉しないようにするためには、ワイヤガイドブラケットの面内でワイヤガイドを離れた位置に装着しなければならない。すると、ワイヤガイドブラケットが大きくなって、パネル空間が狭まると共に、ウィンドウレギュレータの重量が増えてしまう。
ワイヤの方向を転換させるためのワイヤガイドがそれぞれ取り付けられる第1ワイヤガイド取付部と第2ワイヤガイド取付部を横並びで近接して備え、ワイヤ径路が外側のワイヤを上下方向から前後方向にガイドする第1ワイヤガイドが取り付けられる第1ワイヤガイド取付部を、ワイヤ径路が内側のワイヤを上下方向から前後方向にガイドする第2ワイヤガイドが取り付けられる第2ワイヤガイド取付部よりも室外側または室内側に設けてあるワイヤ式ウィンドウレギュレータ用ワイヤガイドブラケットを備えるワイヤ式ウィンドウレギュレータであって、
前記第1ワイヤガイドによってガイドされ前後方向に配置された前記外側のワイヤは、前記第2ワイヤガイドに接しておらず、車幅方向視において前記第2ワイヤガイドと重ねて配置されていることを特徴としたワイヤ式ウィンドウレギュレータである。
請求項2に係る発明は、
前記ワイヤ式ウィンドウレギュレータ用ワイヤガイドブラケットは、前記第1ワイヤガイド取付部と第2ワイヤガイド取付部が段部を介して連続して形成されていることを特徴とした請求項1に記載のワイヤ式ウィンドウレギュレータである。
請求項3に係る発明は、
前記ワイヤ式ウィンドウレギュレータ用ワイヤガイドブラケットは、前記第1ワイヤガイドによってガイドされ前後方向に配置された外側のワイヤと前記第2ワイヤガイドによってガイドされ前後方向に配置された内側のワイヤとが挿通されるチューブ支持部材を備えることを特徴とした、請求項1又は2に記載のワイヤ式ウィンドウレギュレータである。
また、別発明として、以下のようにしてもよい。
本発明のワイヤ式ウィンドウレギュレータ用ワイヤガイドブラケットは、第1ワイヤガイド取付部と第2ワイヤガイド取付部を備える。第1ワイヤガイド取付部には、ワイヤ径路が外側となるワイヤ(外回りのワイヤ)をガイドする第1のワイヤガイドが取り付けられ、第2ワイヤガイド取付部には、ワイヤ径路が内側となるワイヤ(内回りのワイヤ)をガイドする第2のワイヤガイドが取り付けられる。そして、第1ワイヤガイド取付部を第2ワイヤガイド取付部よりも室外側または室内側に設けて第1ワイヤガイドを経由するワイヤと第2ワイヤガイドを経由するワイヤとが相互に干渉しない配置とされている。
前記第1ワイヤガイド取付部と第2ワイヤガイド取付部は段部により連続させて形成し
てもよい。
本発明の自動車用ドアは、図1に示すように、窓ガラス1とドアフレーム2とドアパネル3及びウィンドウレギュレータ4を備える。
ドアフレーム2は前フレーム5と後フレーム6及びこれらの上端部を連結した上フレーム7とからなる。
ドアパネル3は、パネル空間Sを形成する外パネル8と内パネル9(鎖線で示している)から成り、外パネル8と内パネル9の間に前フレーム5と後フレーム6の下部が固定されている。また、パネル空間Sの上方において、前フレーム5と後フレーム6と上フレーム7で囲まれた部分が窓Wになっている。
窓ガラス1を昇降させるウィンドウレギュレータ4は、図2に示すように、ワイヤ10と、ドラム駆動装置11と、ワイヤ10を係合してその方向を転向させるワイヤガイドa〜eと、前フレーム5及びガイドレール12で構成される。ワイヤガイドa,b,d,eは回動可能なプーリーなどによるワイヤガイドであり、ワイヤガイドcはワイヤ10をガイドする湾曲面を持ち、固定的に取り付けられる部材である。
ドラム駆動装置11は、ワイヤ10を巻回したドラム13とモータ14を有し、モータ14でドラム13を回転駆動することにより、ワイヤ10を一端側で巻き取るとともに他端側で巻き戻すものである。
前フレーム5の中間部にはワイヤガイドcが取り付けられる。ワイヤガイドcの上端面は緩やかに湾曲し、ワイヤ10を係合するガイド溝17が形成されている。
前フレーム5の下端部にはワイヤガイドブラケット15が装着されている。
第1ワイヤガイド取付部30の上端には第1取付片32が連設され、第1ワイヤガイド取付部30の前端には溶接片33が連設され、第2ワイヤガイド取付部31の上端には第2取付片34が連設されている。
溶接片33は、第1ワイヤガイド取付部30の前端を室外側へ直角に屈曲して形成される。
第2取付片34は、上方室内側に延びる傾斜部35’と、傾斜部35’の上端に起立した固定部36’を一体に形成して成る。
そして、ワイヤガイドブラケット15は、第1取付片32の固定部36及び第2取付片34の固定部36’を貫通するネジにより内パネル9に固定され、また、図6に示すように、第1取付片32の溶接部37及び溶接片33を前フレーム5の前端面に溶接することにより前フレーム5の下端部に固定される。
そして、図3及び図4に示すように、第1ワイヤガイド取付部30の固定用孔40とワイヤガイドbの中心を貫通する固定具42によって、ワイヤガイドb(第1のワイヤガイド、第1実施例ではプーリーである)が第1ワイヤガイド取付部30の室外側の面に取り付けられて、ワイヤガイド受け座41で支持される。
また、第2ワイヤガイド取付部31の固定用孔40とワイヤガイドaの中心を貫通する固定具42によって、ワイヤガイドa(第2ワイヤガイド、前記同)が第2ワイヤガイド取付部31の室外側の面に取り付けられて、ワイヤガイド受け座41で支持される。
第1ワイヤガイド取付部30は第2ワイヤガイド取付部31より室外側に形成されているので、ワイヤガイドbもワイヤガイドaより室外側に設置される。
図2に示すように、ガイドレール12の上端部にはワイヤガイドブラケット18が固定される。ワイヤガイドブラケット18の室外側の面には第1実施例においてプーリーであるワイヤガイドdが取り付けられている。ワイヤガイドdの下方には筒状のチューブ支持部材19が設けられている。
ガイドレール12の下端部にはブラケット20が固定されている。ブラケット20の室外側の面の後部には第1実施例においてプーリーであるワイヤガイドeが取り付けられ、ワイヤガイドeの前方に筒状のチューブ支持部材21が取り付けられている。また、ブラケット20の室外側の面の前上部にドラム13が、同様に、ブラケット20の室内側の面の前上部にモータ14が、ドラム13とモータ14とでブラケット20を挟み付けるようにして取り付けられ、ドラム13の後方及び前方にそれぞれ筒状のチューブ支持部材22とチューブ支持部材23が取り付けられている(図2)。
そして、ガイドレール12上部のワイヤガイドブラケット18と同下部のブラケット20をドアパネル3の内パネル9に固定することにより、ガイドレール12がパネル空間S内に取り付けられる。
すなわち、実施例のワイヤ式ウィンドウレギュレータは、自動車ドアのパネル空間に配置されており、パネル空間の前後方向一方側に配置した上下方向のガイド部とパネル空間の前後方向他方側に配置した上下方向のガイド部及び前記一方側のガイド部と他方側のガイド部の下部を接続する連結部を備えている。
図3及び図4に示すように、同じワイヤガイドブラケット15に前後方向に近接して横並びで取り付けられたワイヤガイドa及びワイヤガイドbには下部ワイヤ溝にそれぞれワイヤ10が係合される。このとき、外回りのワイヤ径路のワイヤ10をガイドするワイヤガイドbは、ワイヤ径路が内回りのワイヤ10をガイドするワイヤガイドaよりも室外側に位置しているので、連結部において外側のワイヤ10と内側のワイヤ10が交差したり接触したりすることはない。
モータ14を駆動してドラム13を回転させると、ワイヤガイドcとワイヤガイドa間のワイヤ10とワイヤガイドdとワイヤガイドe間のワイヤ10は同じ方向に移動するので、前キャリア25と後キャリア26は同時に昇降し、窓ガラス1が開閉する。
図7は、前フレーム5の下部を示し、ワイヤガイドブラケット15に前フレーム5の下端部が結合されている。符号36,36’は内パネル9への固定部であり、また、符号10aは、前フレーム5の上部におけるワイヤガイドcからワイヤガイドaに到達し、ついでドラム13に至る開き側ワイヤ(ドラム13に引かれると窓ガラスが開く方向に移動する)であり、符号10bは同趣旨で閉じ側ワイヤである。
なお、前記の係合突部53,54は、ワイヤガイドブロック43の内側面に突出して形成されており、また、第2実施例においても前記のチューブ支持部材16が一体に成形されている。そして、第2実施例におけるワイヤガイドブラケット15は、段部をもって連続に形成された第1、第2のワイヤガイド取付部30,31が前記のワイヤガイド受け座41は有していない平らな構成であり、前記の係合突部53、54が係合する係合孔53a、54aが形成されている。
第1部分44は、ワイヤガイドブロック43の前方部分に位置し前面の周面と底面に閉じ側ワイヤ10bを案内するガイド溝46が形成されている(図8,9)。このガイド溝46はワイヤガイドブロック43の後方部分である第2部分45の底面に継続されて後方に突き抜けている。
チューブ支持部材16は、ワイヤガイドブロック43の後部に位置して閉じ側ワイヤ10bの装着溝51とそのガイドチューブ24bの前端が差込まれる挿入口52、および開き側ワイヤ10aの装着溝49とそのガイドチューブ24cの前端が差込まれる挿入口50とが内外方向で並列に形成されている。
構造上、第2実施例のワイヤガイドa,bは、第1、第2のワイヤガイド取付部30、31におけるワイヤガイド受け座41相当部分と一体になった、回転しない、固定型のワイヤガイドということになるが、ワイヤ10の配索とその作動は第1実施例の場合と変わらない。
前記のように、第2の実施例はワイヤガイドa,bと第1、第2のワイヤガイド取付部30、31を、ワイヤガイドブラケット15へ取り付ける一つの部品として一体化した構造なので、管理すべき部品数が減少し、また、製造手間、ウィンドウレギュレータの組み立て手間を大幅に低減することができる。
第1ワイヤガイド取付部30が第2ワイヤガイド取付部31に対して車幅の内外方向で室内側または室外側に配置されてこれらの間に段差のあることが重要であり、どちらが車幅方向外側であってもよく、段差をつける手段も段部15aに限らない。
さらに、ワイヤガイドブラケット15は鋼板のプレス成形品の他に合成樹脂の成形品とすることもある。
2 ドアフレーム
3 ドアパネル
4 ウィンドウレギュレータ
5 前フレーム
6 後フレーム
7 上フレーム
8 外パネル
9 内パネル
10 ワイヤ
10a 開きワイヤ
10b 閉じワイヤ
11 ドラム駆動装置
12 ガイドレール
13 ドラム
14 モータ
15 ワイヤガイドブラケット
16 チューブ支持部材
17 ガイド溝
18 ワイヤガイドブラケット
19 チューブ支持部材
20 ブラケット
21 チューブ支持部材
22 チューブ支持部材
23 チューブ支持部材
24,24a,24b,24c ガイドチューブ
25 前キャリア
26 後キャリア
30 第1ワイヤガイド取付部
31 第2ワイヤガイド取付部
32 第1取付片
33 溶接片
34 第2取付片
35,35’ 傾斜部
36,36’ 固定部
37 溶接部
40 固定用孔
41 ワイヤガイド受け座
42 固定具
43 ワイヤガイドブロック
44 第1部分
45 第2部分
46 ガイド溝(閉じ側)
47 円弧状壁
47a 凹所
48 ガイド溝(開き側)
49 装着溝(開き側)
50 挿入口(開き側)
51 装着溝(閉じ側)
52 挿入口(閉じ側)
53 係合突部
53a 係合孔
54 係合突部
54a 係合孔
a〜e ワイヤガイド
S パネル空間
W 窓
Claims (3)
- ワイヤの方向を転換させるためのワイヤガイドがそれぞれ取り付けられる第1ワイヤガイド取付部と第2ワイヤガイド取付部を横並びで近接して備え、ワイヤ径路が外側のワイヤを上下方向から前後方向にガイドする第1ワイヤガイドが取り付けられる第1ワイヤガイド取付部を、ワイヤ径路が内側のワイヤを上下方向から前後方向にガイドする第2ワイヤガイドが取り付けられる第2ワイヤガイド取付部よりも室外側または室内側に設けてあるワイヤ式ウィンドウレギュレータ用ワイヤガイドブラケットを備えるワイヤ式ウィンドウレギュレータであって、
前記第1ワイヤガイドによってガイドされ前後方向に配置された前記外側のワイヤは、前記第2ワイヤガイドに接しておらず、車幅方向視において前記第2ワイヤガイドと重ねて配置されていることを特徴としたワイヤ式ウィンドウレギュレータ。 - 前記ワイヤ式ウィンドウレギュレータ用ワイヤガイドブラケットは、前記第1ワイヤガイド取付部と第2ワイヤガイド取付部が段部を介して連続して形成されていることを特徴とした請求項1に記載のワイヤ式ウィンドウレギュレータ。
- 前記ワイヤ式ウィンドウレギュレータ用ワイヤガイドブラケットは、前記第1ワイヤガイドによってガイドされ前後方向に配置された外側のワイヤと前記第2ワイヤガイドによってガイドされ前後方向に配置された内側のワイヤとが挿通されるチューブ支持部材を備えることを特徴とした、請求項1又は2に記載のワイヤ式ウィンドウレギュレータ。
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