JP2015067812A - プリプレグおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強化繊維クロスにポリアリレート樹脂を含浸又は塗布したプリプレグであって、耐熱性、電気絶縁性に優れ、短時間で成形可能なプリプレグを提供する。【解決手段】強化繊維クロスにガラス転移温度が220℃以上、かつ絶縁破壊電圧が180kV以上であるポリアリレート樹脂を含浸又は塗布してなるプリプレグ。前記プリプレグをそのままあるいは何枚か積層し、そのガラス転移温度以上に加熱プレスすると緻密化して、積層体とすることができる。前記積層体は、プリプレグ同志の接着性に優れるため、機械的強度、耐熱性、そして電気特性にも優れる。特に絶縁破壊電圧が180kV以上にできるため、電気負荷の高い回路基板等に好適である。【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性、電気絶縁性に優れ、短時間で成形可能なプリプレグに関するものである。
プラスチックは金属と比較して軽量ではあるが、強度・弾性率が低いため、構造用材料としては用途が限定される場合が多い。そこで、ガラス繊維や炭素繊維のような弾性率の高い繊維状材料と複合化することにより、軽量で強度の高い材料として用いられる。こうした複合材料において、繊維の混入方法には大きく2種類ある。細かく切断した繊維を均一にまぶす方法と、繊維に方向性を持たせたままプラスチックに含浸させる方法である。
後者の場合の複合材料は、一般にプリプレグと呼ばれる中間基材の形態から成形し最終形態とされている。この場合、プリプレグを構成するマトリックス樹脂としては、プリプレグを積層するのに必要な適度の粘着性や柔軟性を有する熱硬化性樹脂が用いられている。
プリプレグに用いられるのは、エポキシ樹脂に代表される熱硬化性樹脂であり、耐熱性、耐溶剤性、機械的特性に優れる等の特徴を有している。しかし、十分な性能を発現するためには、加熱によって反応させ、硬化させることが必要である。そのためには数十分間、加圧しながら加熱する必要があり、比較的簡単な形状の成形体においても成形サイクルが長くなるという問題がある。
また、プリプレグの製造方法は、強化材の繊維に方向性を持たせた状態でマトリックス樹脂を含浸させる方法が主として用いられている。この方法で得られる複合材料は強度に異方性があり、繊維の方向の引張りには強いが、繊維と直角方向の引張りには弱くなる。そのため、繊維方向が異なるように複数枚のプリプレグを重ね合せることが行なわれる。このような単純な積層では、層同士の接着強度の不足が問題(層間剥離、デラミネーション)となることが多い。
その対策として、特許文献1にはエポキシ樹脂組成物と強化繊維とからなるプリプレグ表面に熱可塑性樹脂の微粒子を分散した構造を有するプリプレグが提案されている。
あるいは、特許文献2および3には、熱可塑性樹脂のフィルムを繊維強化プリプレグの表面に配して積層することで、層間強度の改善する手法が提案されている。
しかし、これらの方法では層間強度を向上しているが、熱硬化性樹脂を反応させるため、賦型に時間がかかる問題は解決できていない。
特開昭63−170428号公報
特開昭51−58484号公報
特開昭60−231738号公報
本発明者らは、強化繊維クロスにポリアリレート樹脂を含浸または塗布したプリプレグにおいて、用いるポリアリレート樹脂を特定構造を有するものとすることにより、耐熱性、成形加工性に加え、さらに電気絶縁性を高めることができることを見出した。
本発明は、強化繊維クロスにポリアリレート樹脂を含浸または塗布したプリプレグであって、耐熱性、電気絶縁性に優れ、短時間で成形可能なプリプレグを提供することを目的とする。
本発明者は、このような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は下記のとおりである。
(1)強化繊維クロスにポリアリレート樹脂を含浸または塗布してなるプリプレグであって、前記ポリアリレート樹脂のガラス転移温度が220℃以上、かつ絶縁破壊電圧が180kV以上であるプリプレグ。
(2)ポリアリレート樹脂が、下記一般式(I)で示される構造を有する(1)のプリプレグ。
〔一般式(I)中、R、R、R、およびRは、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜20の脂環族炭化水素基、炭素数1〜20の芳香族炭化水素基、ニトロ基、ハロゲン化アルキル基からなる群より選ばれ、Rは水素原子、無置換あるいはハロゲン基で置換された炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基から選ばれ、Arは無置換あるいはアルキル基またはハロゲン基で置換された芳香族炭化水素基から選ばれ、Arはフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、オキシジフェニレン基、炭素数3〜7の環状炭化水素基からなる群から選ばれ、nは正の整数である。〕
(3)強化繊維クロスを構成する強化繊維が、ガラス繊維、または炭素繊維である(1)または(2)のプリプレグ。
(4)(1)〜(3)のプリプレグを積層してなる板状成形体。
(5)ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、アミド化合物、エーテル化合物、ケトン化合物およびハロゲン基を含まない芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種類を溶媒とし、常温で固形分濃度10質量%以上となるようポリアリレート樹脂を溶解しワニスを得て、前記ワニスを強化繊維ワニスに含浸または塗布した後、乾燥する(1)〜(3)のプリプレグの製造方法。
本発明によれば、強化繊維クロスにポリアリレート樹脂を含浸または塗布したプリプレグであって、耐熱性、電気絶縁性に優れ、短時間で成形可能なプリプレグが得られる。
本発明に用いられるポリアリレート樹脂とは、芳香族ジカルボン酸またはその誘導体と、二価フェノールまたはその誘導体とよりなり、その構造単位として下記一般式(I)で示される構造を有する芳香族ポリエステル重合体であり、溶液重合、溶融重合、界面重合などの方法により製造される。
一般式(I)中、R、R、R、およびRは、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜20の脂環族炭化水素基、炭素数1〜20の芳香族炭化水素基、ニトロ基、ハロゲン化アルキル基からなる群より選ばれ、Rは水素原子、無置換あるいはハロゲン基で置換された炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基から選ばれ、Arは無置換あるいはアルキル基またはハロゲン基で置換された芳香族炭化水素基から選ばれ、Arはフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、オキシジフェニレン基、炭素数3〜7の環状炭化水素基からなる群から選ばれ、nは正の整数である。
中でも、耐熱性と電気絶縁性の向上効果が高い点で、一般式(I)中、R、R
およびRは、各々独立に水素原子であることが好ましく、Rは無置換の炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基、特にメチル基であることが好ましく、Arは無置換の芳香族炭化水素基が好ましく、Arはフェニレン基であることが好ましい。
一般式(I)で示される構造に、ビスフェノール類残基を導入するためのビスフェノール成分としては、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−tert−ブチルフェニル)メタン等が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよいし、あるいは2種類以上混合して使用してもよい。上記の中でも、前記耐熱性、電気絶縁性の観点から、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(BPAP)を好ましく用いることができる。
一般式(I)で示される構造に芳香族ジカルボン酸残基を導入するための芳香族ジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、メチルテレフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルフォンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(4−カルボキシフェノキシ)エタン、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等が挙げられる。中でも、テレフタル酸およびイソフタル酸が好ましく、溶剤に対する溶解性の観点から、両者を混合して用いることが特に好ましい。その場合、混合比率は(テレフタル酸/イソフタル酸)=80/20〜10/90(モル%)の範囲の任意であるが、好ましくは70/30〜25/75(モル%)、より好ましくは60/40〜30/70(モル%)の範囲とすると得られるポリアリレート樹脂の溶解性が優れたものとなる。
また、本発明の特性や効果を損なわない範囲で、脂肪族グリコール類やジヒドロキシベンゼン、あるいは、構造式(1)と異なるビスフェノール類を用いてもよい。脂肪族グリコール類としては、特に限定されず、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジール、ノナンジオール、デカンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、同プロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物等を挙げることができる。ジヒドロキシベンゼンとしては、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコールを挙げることができる。また、構造式(1)と異なるビスフェノール類としては、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)プロパン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリエチルシクロヘキサン4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’-ジヒドロキシジフェニルケトン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、N-フェニル-3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フタルイミジン、N-メチル-3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フタルイミジン等が挙げられる。
本発明で用いるポリアリレート樹脂は、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンの60/40(質量比)の混合液に濃度1g/dlとなるように溶解した樹脂溶液の、温度25℃におけるインヘレント粘度が0.40〜1.20dl/gであることが好ましく、0.45〜1.00dl/gであることがより好ましい。インヘレント粘度は分子量の指標であるが、本発明において、用いるポリアリレート樹脂のインヘレント粘度が0.40dl/g未満であると得られるプリプレグの機械的特性が劣ったものとなる。インヘレント粘度が1.20dl/gを超えると、用いるポリアリレート樹脂を有機溶剤に溶解した際にワニスの粘度が高まり、含浸性や塗工性が悪くなることがあり好ましくない。
ポリアリレート樹脂のインヘレント粘度、すなわち分子量を所定の範囲とするには、重合時間を調節することで反応率を制御し分子量を調整する方法、芳香族ジカルボン酸成分あるいは二価フェノール成分のモノマーの配合比率をいずれかの成分をわずかに過剰に配合して重合することで分子量を調整する方法、反応性官能基を分子中に1つだけ有するアルコール類やフェノール類、あるいは、カルボン酸類を末端封鎖剤としてモノマーとともに添加して分子量を調整する方法などが挙げられる。これらの中では末端封鎖剤を添加する方法が分子量の制御をしやすく好適である。
前記末端封鎖剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ドデシルアルコール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等のアルコール類、フェノール、クレゾール、2,6−キシレノール、2,4−キシレノール、p−tert−ブチルフェノール、クミルフェノール等のフェノール類や、安息香酸、メチル安息香酸、ナフトエ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸等のカルボン酸類、あるいはそれらの誘導体が挙げられる。
本発明で用いるポリアリレート樹脂は、ガラス転移温度が200℃以上320℃未満であり、210℃以上310℃未満であることが好ましく、220℃以上300℃未満であることがより好ましく、230℃以上290℃未満であることがさらに好ましい。ガラス転移温度を所定範囲とすることで、耐熱性を有し、かつ接着性にも優れるプリプレグとすることができる。ガラス転移温度が200℃未満であると、得られるプリプレグが耐熱性が劣ったものとなり、ガラス転移温度が320℃以上であるとプリプレグを積層する際の接着性に劣る。
本発明で用いるポリアリレート樹脂には、その特性を損なわない範囲で、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、燐系酸化防止剤等を添加してもよい。
本発明で用いるポリアリレート樹脂は、有機溶剤に溶解することで、ワニスとして使用可能である。溶解時の固形分濃度は任意に決めることができる。
本発明において、用いるポリアリレート樹脂として、前記一般式(I)で示される構造となるように重合しポリアリレート樹脂を得ることで、有機溶剤に対する溶解性が特に優れたものとなる。このようなポリアリレート樹脂は、特にハロゲン化炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、アミド化合物、エーテル化合物、ケトン化合物および芳香族炭化水素等の有機溶剤に好適に溶解が可能であり、得られるワニスの安定性も向上する。
ワニスとして用いるポリアリレート樹脂の有機溶剤に対する溶解性の優劣の判断は、例えば、常温下、固形分濃度10質量%以上で完全に溶解するか否かで確認することができる。一般的に、ポリアリレート樹脂は構成単位によっては、特定の有機溶剤にしか溶解しかったり、溶剤に対する溶解度が小さかったり、溶解はするものの溶解後数日、場合によっては数時間でゲル化するなど安定性が悪いという問題がある。本発明においては、前記に掲げるいずれの有機溶剤を用いた場合であっても、10質量%より低固形分濃度でしか溶解しないか、溶解中にゲル化するものは溶解性を有しないと判断をする。また、このようなポリアリレート樹脂を用いた場合、強化繊維クロスへの含浸性や塗工性が低下するため、ワニスとして使用することが困難である。
本発明において、ワニスの製造方法は特に限定されないが、一定温度に保った状態で、所定量の有機溶剤とポリアリレート樹脂を容器に入れ混合液とし、攪拌機により前記混合液を攪拌する方法、または容器を密閉して振とうする方法などが挙げられる。溶解開始から全量が溶解するまでの所要時間は、ポリアリレート樹脂の溶解性だけなく溶解方法に影響されるが、好ましくは24時間以内、より好ましくは5時間以内に全量が溶解できる条件とすることが作業性の面からも好ましい。溶解中に前記混合液の状態を適時観察し、不溶物(沈殿)、濁り、及びゲル化のいずれもが認められない状態であれば、完全に溶解したと確認できる。この時、ポリアリレート樹脂の粒子の大きさや微細構造によっては溶解に時間を要する場合があるので、そのような場合にはポリアリレート樹脂粒子を100μm以下の大きさに粉砕した後、前記溶解方法にて溶解することで、作業性を向上することができる。
上記溶解に用いる有機溶剤は、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、アミド化合物、エーテル化合物、ケトン化合物および芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種類の有機溶剤である。用いる有機溶剤はポリアリレート樹脂を溶解してワニスとすることができれば特に限定されることはなく、ワニスを使用するプロセス適性に合わせて選択することが好ましい。
前記ハロゲン化炭化水素の具体例としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、クロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ジブロモメタン、トリブロモメタン、ブロモエタン、1,2−ジブロモエタン、1−ブロモプロパンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化芳香族炭化水素の具体例としては、例えばクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼンなどが挙げられる。
前記アミド化合物の具体例としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
前記エーテル化合物の具体例としては、例えば1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
前記ケトン化合物の具体例としては、例えばシクロペンタノン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
前記芳香族炭化水素の具体例としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
本発明で用いるポリアリレート樹脂は、前記有機溶剤に溶解することでワニスとするこ
とができる。なお、ワニスとする際、所望の性能を付与するため、本発明で必要とする性
能の範囲内でポリアリレート樹脂以外の他の樹脂を溶解してもよい。他の樹脂の一例としては、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンやポリエーテルイミド等が挙げられる。また、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、流動性改質剤、微粒子無機フィラー等の各種添加剤を混合して用いてもよい。
本発明で得られるワニスの固形分濃度は、1〜40質量%であることが好ましく、5〜35質量%であることがより好ましい。固形分濃度が1質量%未満では、強化繊維クロスにワニスを含浸または塗布後、乾燥する際に、得られたプリプレグの強化繊維間に空隙が生じ、プリプレグとしての外観を損ねるばかりでなく、積層した際の接着性が大きく低下し、プリプレグとしての性能が大きく低下する。固形分濃度が40質量%を超えると、強化繊維クロスにワニスを含浸させる際、強化繊維の繊維間の隙間にワニスが侵入せず、含浸が不十分になったり、塗布後に被覆されない箇所が発生して問題となる。なお、塗布とは含浸が完全にはされない状態であっても、強化繊維クロスの片面、または両面が完全にワニスからなる塗膜によって覆われた状態を示す。
本発明においては、ワニスを強化繊維クロスに含浸または塗布させた後、乾燥することでプリプレグが得られる。この方法で得られるプリプレグにおいて、含浸または塗布された固形分含有量は20〜90質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましい。固形分含有量が20質量%未満では気孔の少ないプリプレグを得ることが困難であり、90重量%を超えると積層する際、変形あるいは積層するプリプレグ間から固形分の流出が大きくなり取扱いにくくなる。
強化繊維クロスを構成する強化繊維としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、有機系繊維、セラミック系繊維等が挙げられる。これらの織布、不織布などいかなる形態のものも用いることができる。また、フィブリドを用いてこれらの繊維を短繊維の状態で混合抄紙した合成紙を用いてもよい。中でも、加工性、得られるプリプレグとしての接着性に優れる点でガラス繊維、炭素繊維が特に好ましい。強化繊維クロスの厚みは、5〜50μmであることが好ましく、10〜45μmであることがより好ましく、15〜40μmであることがさらに好ましい。
強化繊維クロスにワニスを含浸する方法は特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。前記含浸方法としては、例えば市販または自作の連続含浸装置を用いる方法、ポリアリレート樹脂からなるワニスに強化繊維を浸漬する方法、離型紙、ガラス板、ステンレス板等の板上に強化繊維をひろげ、ポリアリレート樹脂からなるワニスを塗工する方法等が挙げられ、含浸させたワニスから有機溶剤を蒸発乾燥させることで得られる。このような方法を採用することで、従来のエポキシ等の熱硬化性樹脂を用いた場合よりも、短時間で成形加工が可能であり、また、得られたプリプレグは優れた耐熱性を有したものとなる。
強化繊維クロスにワニスを塗工する方法は特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。前記塗工方法としては、例えば市販の塗工機を用いて塗工が可能である。両面塗工を行う場合は、片面塗工を行った後、一旦乾燥し再び反対面に塗工する方法、片面塗工を行った後乾燥を経ないで反対面に塗工する方法、同時に両面に塗工する方法が挙げられる。それら塗工方法は、作業性、得られるプリプレグの性能を加味して適宜選択することができる。プリプレグは、前記塗工後、塗工したワニスから有機溶剤を蒸発乾燥させることで得られる。
プリプレグの厚みは、用いる強化繊維クロスの厚みによって異なるが、10〜150μmであることが好ましく、20〜140μmであることがより好ましく、30〜130μmであることがさらに好ましい。なお、プリプレグは強化繊維クロスにワニスを含浸または塗工後、乾燥することで得られるが、プリプレグが含有する固形分量によっても異なるが、用いる強化繊維クロスの厚みの概ね3倍の厚みとなるように、プリプレグを得ることで耐熱性、機械特性、接着性さらに外観に優れたプリプレグとすることができる。
上記のようにして得られたプリプレグは硬化のための加熱処理等することなくそのままで使用することができる。また、プリプレグに含有するポリアリレート樹脂はそのガラス転移温度以上に加熱すると溶融し流動性を示すので、前記プリプレグをそのままあるいは何枚か積層し、加熱プレスすると緻密化して、積層体とすることができる。前記積層体は、プリプレグ同志の接着性に優れるため、機械的強度が十分に向上し耐熱性にも優れたものとなる。そして電気特性、特に絶縁破壊電圧が180kV以上のプリプレグとすることができるため、特に電気負荷の高い回路基板等で好適に用いることができる。また、このような積層体は高強度の板状成形体として用いることができる。さらに、この板状成形体は所望の形状に成形することもできる。成形性に関しては、用いる強化繊維クロスの材質、プリプレグ含有の固形分量によっても異なるが、所定金型に応じた賦型加工が可能である。機械特性を大きく損ねない範囲で、打ち抜き等を行ってもよい。本発明のプリプレグは、熱硬化性樹脂を用いていないため、特に、接着性、賦型加工性、打ち抜き性等の加工性に優れている。なお、賦型加工、打ち抜きは冷間加工も可能であるが、必要に応じて加温下加工を行うこともできる。
次に実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
1.評価方法
(1)インヘレント粘度(ηinh)
フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=60/40の混合液を溶媒として、濃度1g/dl、温度25℃の条件で相対粘度(ηrel)を測定した。得られた相対粘度より下記式よりインヘレント粘度を算出した。
ηinh(dl/g) = Ln(ηrel)/c (c:濃度)
(2)ガラス転移温度
示差走査熱分析装置(パーキンエルマー社製Diamond DSC)を使用し、昇温速度10℃/minで30℃から400℃まで昇温し、得られた昇温曲線中のガラス転移温度に由来する不連続変化の開始温度をガラス転移温度とした。
(3)溶解性
内容量50mlのガラス製ねじ口瓶に所定濃度になるよう秤量した樹脂と有機溶剤の合計30gを密封し、23℃の室温でミックスローターを使用して70rpmでねじ口瓶を回転させた。回転を開始して24時間後に回転を停止した。その後ねじ口瓶の樹脂溶液を目視観察し、下記基準により溶解性を評価した。なお、有機溶剤として、クロロホルム、クロロベンゼン、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMP)、1,3−ジオキソラン、シクロヘキサノンおよびトルエンのそれぞれを用い、10、20、30質量%の各濃度になるように樹脂溶液を作製した。
〇:完全に溶解し、透明性を有した。
△:白濁した。
×:不溶物があった。
(4)溶液安定性
(3)で溶解性の評価を行った各樹脂溶液について、回転を停止したねじ口瓶を23℃の室温下48時間静置した。その後ねじ口瓶の樹脂溶液を目視観察し、下記基準により溶液安定性を評価した。
〇:透明性が維持され、増粘もしなかった
△:白濁し、やや増粘した。ただし流動性は有した。
×:ゲル化した。流動性はなかった。
(5)繊維状強化材含有率
JIS K7052あるいはJIS K7075に準拠して測定した。
(6)層間密着性
プリプレグを各温度、圧力、時間の条件下熱プレスにより積層した。得られた板状成形体に対し曲げ応力をかけて破断し、破断面を観察した。破断面に層間剥離が認められれば「×」、認められなければ「○」と判定した。
(7)絶縁破壊強度
JIS C2151に準拠して測定した。100℃の雰囲気にて、直流耐電圧試験機を用い、上部電極として直径25mm、下部電極として直径25mmの円柱を使用し、1kV/秒の昇圧速度で昇圧し、絶縁破壊した時の電圧(単位:kV)とプリプレグ厚み(単位:mm)から、絶縁破壊電圧(単位:kV/mm)を算出した。
実施例1
水冷用ジャケットと攪拌装置を備えた内容積100Lの反応容器中に、水酸化ナトリウム850gを30Lのイオン交換水に溶解し、ついで1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(以下BPAPと称す)6.00mol、および、p−tert−ブチルフェノール(以下PTBPと称す)0.30molを溶解した。
別の容器でテレフタル酸ジクロリド(以下TPCと称す)3.08mol、イソフタル酸ジクロリド(以下IPCと称す)3.08molをジクロロメタン18Lに溶解した。
それぞれの液を20℃になるよう調節した後、前記水溶液を攪拌した反応容器中へ、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドの50%水溶液を15g添加し、さらに前記ジクロロメタン溶液を全量投入し、6時間攪拌を続けた後、攪拌機を停止した。
静置分離後に水相を抜き出し、残ったジクロロメタン相に酢酸20gを添加した。その後、イオン交換水30Lを投入し、20分間攪拌してから再度静置して水相を抜き出した。この水洗操作を水相が中性になるまで繰り返した後、ジクロロメタン相をホモミキサーを装着した容器に入った50℃の温水中に投入して塩化メチレンを蒸発させ、粉末状ポリアリレートを得た。
この粉末状ポリアリレートを脱水した後、真空乾燥機を使用して、減圧下130℃で24時間乾燥してポリアリレート樹脂を得た。この樹脂のインヘレント粘度は0.57dl/gであり、DSC測定では結晶化および融解ピークは認められず、ガラス転移温度は240℃であった。
得られたポリアリレート樹脂を溶解した各樹脂溶液につき、溶解性と溶液安定性を評価した。その結果、すべての樹脂溶液について、溶解性と溶液安定性ともに良好であった。
一方、得られたポリアリレート樹脂をクロロホルムに溶解し、樹脂濃度20質量%のワニスを作製した。得られたワニスを、厚さ24μm、坪量27g/mの平織りEガラス織布(ユニチカグラスファイバー社製E03E−SK)に含浸し、150℃で乾燥させ、ガラス繊維含有量が53質量%である厚さ30μmのプリプレグを得た。このプリプレグについて、1枚のみ表面に離型剤を塗布したアルミ板で挟んで300℃、5MPaの圧力で1分間プレスした。アルミ板と重ね合せた状態で取り出し、水冷したプレス機でプレスし1分間冷却した。十分冷却後アルミ板を剥離し1枚の板状成形体を得た。板状成形体の表面は完全に平滑であった。得られた板状成形体に対し絶縁破壊電圧の測定を行った。
さらに、得られたプリプレグを5枚重ね合せ、表面に離型剤を塗布したアルミ板で挟んで340℃、10MPaの圧力で3分間プレスした。アルミ板と重ね合せた状態で取り出し、水冷したプレス機でプレスし1分間冷却した。十分冷却後アルミ板を剥離し1枚の板状成形体を得た。得られた板状成形体に対し曲げ応力をかけて破断させた断面を観察したところ、層間剥離に由来する剥離面は認められなかった。その評価結果を表1に示す。
実施例2〜7
BPAP、PTBP、TPCおよびIPCの配合比率を表1に記載のものにした以外は実施例1と同様の方法でポリアリレート樹脂を合成し、評価を行った。その評価結果を表1に示す。
実施例11
実施例1で得たポリアリレート樹脂をクロロホルムに溶解し、樹脂濃度20質量%のワニスを作製した。得られたワニスを、厚さ150μm、坪量120g/mの平織り炭素繊維織布(三菱レイヨン社製TR1120M)に含浸し、150℃で乾燥させ、炭素繊維含有量が37質量%である厚さ170μmのプリプレグを得た。このプリプレグについて、1枚のみ表面に離型剤を塗布したアルミ板で挟んで300℃、5MPaの圧力で1分間プレスした。アルミ板と重ね合せた状態で取り出し、水冷したプレス機でプレスし1分間冷却した。十分冷却後アルミ板を剥離し1枚の板状成形体を得た。得られた板状成形体につき炭素繊維織布の部分的な露出の懸念があったため、前記ポリアリレート樹脂のトルエンへ溶解した樹脂濃度5質量%のワニスを、前記プリプレグの表面が侵されない程度に軽くコートし風乾した。この処理は両面に対して行った。これによって、板状成形体の両表面は炭素繊維織布の露出のない完全に平滑なものとなった。得られた板状成形体に対し絶縁破壊電圧の測定を行った。
さらに、得られたプリプレグを3枚重ね合せ、表面に離型剤を塗布したアルミ板で挟んで340℃、10MPaの圧力で3分間プレスした。アルミ板と重ね合せた状態で取り出し、水冷したプレス機でプレスして1分間冷却した。十分冷却後アルミ板を剥離し1枚の板状成形体を得た。得られた板状成形体に対し曲げ応力をかけて破断させた断面を観察したところ、層間剥離に由来する剥離面は認められなかった。その評価結果を表1に示す。
比較例1
実施例1と同じ装置を使用して、水酸化ナトリウム850gを30Lのイオン交換水に溶解し、ついでビスフェノールA(以下BPAと称す)6.00mol、およびPTBP0.30molを溶解した。別の容器でTPC3.08mol、IPC3.08molをジクロロメタン18Lに溶解した。それぞれの溶液を20℃になるよう調整した後、前記水溶液を攪拌した反応容器中へ、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドの50%水溶液を15g添加し、さらに前記ジクロロメタン溶液を全量投入し、6時間攪拌を続けた後、攪拌機を停止した。以降は実施例1と同様の操作によりポリアリレート樹脂を得た。
得られたポリアリレート樹脂は、溶剤溶解性が劣り、クロロホルム、クロロベンゼン、NMP、1,3−ジオキソランの各樹脂濃度10質量%のものを除き溶解しなかった。この結果に基づき、クロロホルムに溶解し、樹脂濃度10質量%のワニスを作製した。得られたワニスを、厚さ24μm、坪量27g/mの平織りEガラス織布(ユニチカグラスファイバー社製E03E−SK)に含浸し、150℃で乾燥後、再びワニスを含浸し150℃で乾燥後、再度含浸150℃で乾燥させ、ガラス繊維含有量が52質量%である厚さ30μmのプリプレグを得た。このプリプレグについて、1枚のみ表面に離型剤を塗布したアルミ板で挟んで300℃、5MPaの圧力で1分間プレスした。アルミ板と重ね合せた状態で取り出し、水冷したプレス機でプレスし1分間冷却した。十分冷却後アルミ板を剥離し1枚の板状成形体を得た。板状成形体の表面は完全に平滑であった。得られた板状成形体に対し絶縁破壊電圧の測定を行った。
さらに、得られたプリプレグを5枚重ね合せ、340℃、10MPaの圧力で3分間プレスし、1枚の板状成形体を得た。得られた板状成形体に対し曲げ応力をかけて破断させた断面を観察したところ、層間剥離に由来する剥離面が認められた。その評価結果を表2に示す。
比較例2
BPAPに代えて、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(BPZ)とBPAを表2記載の混合比で用いた以外は、実施例1と同様にしてポリアリレート樹脂を得て、各種評価を行った。その評価結果を表2に示す。
比較例3
BPAPに代えて、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(以下BPTMC)とBPAを表2記載の混合比で用いた以外は、実施例1と同様にしてポリアリレート樹脂を得て、各種評価を行った。その評価結果を表2に示す。
実施例1〜8で得られたポリアリレート樹脂は、ガラス転移温度が220℃以上であり、耐熱性に優れていた。また、得られたプリプレグからなる板状成形体は絶縁破壊電圧が180kV以上であり、耐熱性と電気特性のバランスに優れていた。
比較例1で用いたワニスは、実施例で用いたものより樹脂濃度が低かったため、ポリアリレート樹脂を所定量含浸したプリプレグを得るため、重ね塗りを行う必要が生じた。
比較例1で用いたポリアリレート樹脂は耐熱性が不足した。また、得られたプリプレグ
からなる板状成形体は絶縁破壊電圧は基準を満たさなかった。
比較例2では、用いたポリアリレート樹脂の各種有機溶剤に対する溶解性は優れていた。しかしながら、ガラス転移温度、絶縁破壊電圧ともに基準を満たさなかった。
比較例3では、用いたポリアリレート樹脂の各種有機溶剤に対する溶解性は優れていた。また、ガラス転移温度は基準を満たしていたが、絶縁破壊電圧は基準を満たさなかった。

Claims (5)

  1. 強化繊維クロスにポリアリレート樹脂を含浸または塗布してなるプリプレグであって、前記ポリアリレート樹脂のガラス転移温度が220℃以上、かつ絶縁破壊電圧が180kV以上であるプリプレグ。
  2. ポリアリレート樹脂が、下記一般式(I)で示される構造を有する請求項1記載のプリプレグ。
    〔一般式(I)中、R、R、R、およびRは、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜20の脂環族炭化水素基、炭素数1〜20の芳香族炭化水素基、ニトロ基、ハロゲン化アルキル基からなる群より選ばれ、 Rは水素原子、無置換あるいはハロゲン基で置換された炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基から選ばれ、Arは無置換あるいはアルキル基またはハロゲン基で置換された芳香族炭化水素基から選ばれ、Arはフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、オキシジフェニレン基、炭素数3〜7の環状炭化水素基からなる群から選ばれ、nは正の整数である。〕
  3. 強化繊維クロスを構成する強化繊維が、ガラス繊維、または炭素繊維である請求項1または2記載のプリプレグ。
  4. 請求項1〜3いずれか記載のプリプレグを積層してなる板状成形体。
  5. ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、アミド化合物、エーテル化合物、ケトン化合物およびハロゲン基を含まない芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種類を溶媒とし、常温で固形分濃度10質量%以上となるようポリアリレート樹脂を溶解しワニスを得て、前記ワニスを強化繊維ワニスに含浸または塗布した後、乾燥する請求項1〜3記載のプリプレグの製造方法。
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