JP2018193457A - 炭素繊維複合材および炭素繊維複合材を用いた部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄く、かつ、取り扱いが容易なシート状の炭素繊維複合材を提供する。
【解決手段】炭素繊維を含む織物に熱可塑性樹脂が含浸してなるシート状の炭素繊維複合材であって、炭素繊維複合材の厚みが0.2mm未満である。
【選択図】なし
【解決手段】炭素繊維を含む織物に熱可塑性樹脂が含浸してなるシート状の炭素繊維複合材であって、炭素繊維複合材の厚みが0.2mm未満である。
【選択図】なし
Description
本発明は、炭素繊維複合材およびこれを用いた部材に関し、特に厚みの薄いシート状の炭素繊維複合材およびこれを用いたシート状のシート部材に関する。
炭素繊維複合材は、軽くかつ優れた強度を有しているため、航空機や自動車などの部材、または、釣竿やゴルフクラブ、テニスラケットなどの様々なものに使用されている。
また、厚みの薄いシート状の炭素繊維複合材およびこれを用いたシート状の部材も知られている。例えば、薄い炭素繊維複合材を用いた部材として、カメラのシャッター用羽根部材が知られている。この種のシャッター用羽根部材として、特許文献1には、一方向にそろえられた複数の炭素繊維とこれらを包含するマトリックス樹脂とからなる強化樹脂シートを複数枚、炭素繊維の繊維方向がお互いに直交またはほぼ直交するように積層してなる炭素繊維強化樹脂製遮光羽根が開示されている。
特許文献1に開示された炭素繊維強化樹脂製遮光羽根によれば、軽量で、曲げ剛性も高く、高速のシャッタースピードでも走行中および停止直後の羽根の波打ちも小さく、仮に波打っても波打ち状態が早く収まる。このため、羽根が破損したりシャッター動作不能になったりすることもなく、非常に高い耐久性を有する。また、積層した強化樹脂シートの間の樹脂層にカーボンブラックを混入させることにより、遮光性に優れた炭素繊維強化樹脂製遮光羽根を実現できる。
このような一方向にそろえられた複数の炭素繊維とこれらを包含するマトリックス樹脂とからなる強化樹脂シートを複数枚積層してシャッター用羽根部材を得るためには、強化樹脂シートをより薄くする必要があり、また、強化樹脂シートの幅についても少なくともシャッター材が有している幅の分だけ必要となる。
しかしながら、シャッター用羽根部材に使用できるような薄さおよび幅を有する強化樹脂シートを得るために一方向にそろえられたテープ状の複数の炭素繊維の束は、取り扱いにくく作業性が悪くなる。しかも、このような炭素繊維の束にマトリックス樹脂を付与して得られる強化樹脂シートは、その強化樹脂シート中の炭素繊維の密度が異なっているため、厚み、強度および遮光性が強化樹脂シートの場所によってばらつき、品質の安定性が悪いものとなる。
また、このような強化樹脂シートは、部分的に炭素繊維が存在しない個所や炭素繊維が少ない箇所があるため、部分的に強度が弱く、強化樹脂シートをカットする時や移動する時に強化樹脂シートが割れてしまうなどの問題がある。特に、上記の強化樹脂シートでは炭素繊維が繊維方向の一方向のみにそろえられているため、繊維方向に沿って強化樹脂シートが割れやすい。
また、このような薄い強化樹脂シートを用いる場合、異方性の解消や得られる成形体の品質の安定化のために、複数枚の強化樹脂シートを積層し、加圧および加熱して成形することで、複数枚の強化樹脂シートを接合するが、マトリックス樹脂として、熱硬化性樹脂を用いて得られた強化樹脂シートでは、加圧および加熱して成形するまでは、樹脂の架橋反応が進まないように強化樹脂シートを冷蔵保存、さらに6ヶ月以上の場合は冷凍保存しておく必要があり、保管コストがかかり、また、製造が煩雑になる。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、薄く、かつ、取り扱いが容易なシート状の炭素繊維複合材およびこれを用いた部材を得ることを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、例えば、以下の構成(1)〜(8)である。
(1)本発明に係る炭素繊維複合材は、炭素繊維を含む織物に熱可塑性樹脂が含浸してなるシート状の炭素繊維複合材であって、前記炭素繊維複合材の厚みが0.2mm未満である。
(2)さらに、前記織物が2枚以上積層されているとよい。
(3)さらに、前記熱可塑性樹脂がエポキシ樹脂であるとよい。
(4)さらに、前記熱可塑性樹脂が反応型の熱可塑性樹脂であるとよい。
(5)さらに、前記炭素繊維複合材の引張弾性率が50GPa以上であるとよい。
(6)さらに、前記炭素繊維複合材の曲げ弾性率が50GPa以上であるとよい。
(7)さらに、前記熱可塑性樹脂にカーボンブラックが含まれているとよい。
(8)また、本発明に係る部材は、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の炭素繊維複合材を少なくとも一部に用いたものである。
(9)さらに、前記部材がシャッター用羽根部材であるとよい。
(1)本発明に係る炭素繊維複合材は、炭素繊維を含む織物に熱可塑性樹脂が含浸してなるシート状の炭素繊維複合材であって、前記炭素繊維複合材の厚みが0.2mm未満である。
(2)さらに、前記織物が2枚以上積層されているとよい。
(3)さらに、前記熱可塑性樹脂がエポキシ樹脂であるとよい。
(4)さらに、前記熱可塑性樹脂が反応型の熱可塑性樹脂であるとよい。
(5)さらに、前記炭素繊維複合材の引張弾性率が50GPa以上であるとよい。
(6)さらに、前記炭素繊維複合材の曲げ弾性率が50GPa以上であるとよい。
(7)さらに、前記熱可塑性樹脂にカーボンブラックが含まれているとよい。
(8)また、本発明に係る部材は、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の炭素繊維複合材を少なくとも一部に用いたものである。
(9)さらに、前記部材がシャッター用羽根部材であるとよい。
本発明に係る炭素繊維複合材は、炭素繊維を含む織物に熱可塑性樹脂が含浸されたものであるため、薄くて取り扱いが容易である。
また、本発明に係る部材は、薄い炭素繊維複合材を用いているにもかかわらず、ハンドリング性に優れ生産性がよく、品質が安定している。さらに、本発明に係る部材をシャッター用羽根部材として用いることで、薄くて強度があり、性能が安定したシャッター用羽根部材を実現できる。
以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態)
<炭素繊維複合材>
本実施の形態に係る炭素繊維複合材は、炭素繊維を含む織物に熱可塑性樹脂が含浸してなるシート状の炭素繊維複合材であって、炭素繊維複合材の厚みが0.2mm未満である。
<炭素繊維複合材>
本実施の形態に係る炭素繊維複合材は、炭素繊維を含む織物に熱可塑性樹脂が含浸してなるシート状の炭素繊維複合材であって、炭素繊維複合材の厚みが0.2mm未満である。
本実施の形態における織物は、炭素繊維を含んでいる。炭素繊維を含む織物は、例えば、炭素繊維を含む糸を用いて構成される。本実施の形態における織物は、炭素繊維のみによって構成されていてもよいが、ポリエステルやポリエチレン、アラミドなどの有機繊維、または、ガラス繊維やバサルト繊維、スチール繊維などの無機繊維などの他の繊維と炭素繊維とが組みわされたものであってもよい。
本実施の形態における炭素繊維複合材は、厚みが薄く、遮光性に優れ、炭素繊維複合材の全体にわたって安定した強度を有するものが好ましく、このような観点からは、織物は炭素繊維のみによって構成されているとよい。例えば、織物は、炭素繊維のみの束を糸として用いたものであるとよい。
炭素繊維複合材を構成する織物の種類としては、特に限定されるものではないが、織物としては、例えば、平織物、綾織物、朱子織物、特殊織物などを用いることができる。織物を構成する炭素繊維または炭素繊維の束が、部分的に一方に偏ってしまうヨレや布目曲がり等を防ぐとの観点からは、織物としては平織物を用いることが好ましい。
織物の厚みは、薄くかつ品質が安定した炭素繊維複合材を得るとの観点からは、0.015mm以上0.3mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.030mm以上0.2mm以下である。
本実施の形態における炭素繊維複合材を構成する織物には、熱可塑性樹脂が含浸している。織物は、タテ糸とヨコ糸が交絡している構造を有している。このため、炭素繊維によって構成された織物に樹脂を付与したものは、一方向にそろえられた炭素繊維の束に樹脂を付与したものに比べて、織物の表面に主として樹脂が付着し、炭素繊維の束の内部にまで樹脂が入り込み難いと考えられるのであるが、本実施の形態では、織物に付与する樹脂として熱可塑性樹脂を用いているので、織物を構成する炭素繊維の束の内部の中央にまで樹脂を入り込ませることができる。これにより、得られる炭素繊維複合材は、優れた引張弾性率および曲げ弾性率を有する。
このように、織物に付与する樹脂として熱可塑性樹脂を用いることで、織物を構成する炭素繊維の束の内部深くにまで熱可塑性樹脂を含浸させることができる。これにより、炭素繊維を含む織物に熱可塑性樹脂を含浸させて加熱し加圧することにより、織物を構成する炭素繊維の束の開繊段階、織物を製織する段階、または、その後のハンドリングおよび織物に熱可塑性樹脂を付与する段階でヨレなどが発生して炭素繊維複合材中の炭素繊維に疎密が発生した場合においても、熱可塑性樹脂が軟化して炭素繊維の密の箇所から疎の箇所に熱可塑性樹脂と炭素繊維とが移動するので疎密の程度が緩和する。これにより、得られる炭素繊維複合材の強度や遮光性を安定させることができる。
また、炭素繊維複合材をシャッター用羽根部材に用いる場合、織物に含浸する熱可塑性樹脂には黒色顔料としてカーボンブラックが含まれているとよい。これにより、炭素繊維複合材を用いたシャッター用羽根部材の遮光率を向上させたりピンホールの発生を抑制したりできる。
炭素繊維複合材に含まれる織物は、1枚であってもよいが、2枚以上積層されていてもよい。織物が1枚の場合には、より薄い炭素繊維複合材を得ることができる。また、織物を2枚以上積層した場合には、より強度に優れた炭素繊維複合材を得ることができる。
織物が2枚以上積層された炭素繊維複合材としては、熱可塑性樹脂が付与されていない織物を2枚以上積層した積層体に熱可塑性樹脂を含浸させてから加熱および加圧することで作製されたもの(第1の織物積層型炭素繊維複合材)と、1枚又は複数枚の織物に熱可塑性樹脂を含浸して加熱および加圧することで得られた炭素繊維基材を2枚以上積層してその後さらに加熱および/または加圧することで2枚以上の炭素繊維基材を一体化したもの(第2の織物積層型炭素繊維複合材)とがある。
この場合、後者の第2の織物積層型炭素繊維複合材の方が、前者の第1の織物積層型炭素繊維複合材と比べて、強度が向上するとともに性能が安定する。
また、本実施の形態では、織物に含浸させる樹脂として熱可塑性樹脂を用いているので、複数の織物を積層する場合に、他の接着剤を用いなくても、加熱して加圧することにより、容易にかつ強固に複数の織物を接合して一体化させることができる。これにより、第1の織物積層型炭素繊維複合材であっても第2の織物積層型炭素繊維複合材であっても、強度および品質が安定した炭素繊維複合材を得ることができる。
特に、第2の織物積層型炭素繊維複合材は、炭素繊維基材を構成する複数の織物の各々に熱可塑性樹脂が含浸しているので、複数の織物(炭素繊維基材)を積層する際に仮接着などをする必要ない。このため、第2の織物積層型炭素繊維複合材は、第1の織物積層型炭素繊維複合材に比べて、工程を簡略化できるとともに、ピンホールの発生がより抑制され、また品質が一層安定する。
また、第2の織物積層型炭素繊維複合材は、あらかじめ製造しておいた炭素繊維複合材を炭素繊維基材として用いることができるので、用途または必要とされる性能に応じて、必要な炭素繊維複合材を複数積層して加熱および加圧して一体化させることで、目的とする炭素繊維複合材の厚さおよび強度となるように容易に調整できる。これにより、厚みおよび強度に応じて、複数種の炭素繊維複合材を準備しておかなくてもよいので、在庫リスクを軽減することできるとともに短納期化を図ることができる。
なお、織物が1枚のみの炭素繊維複合材であっても、織物が2枚以上積層された炭素繊維複合材であっても、ピンホールが発生した場合には、炭素繊維複合材の表面に黒色顔料などの顔料を含む熱可塑性樹脂層を積層するとよい。これにより、ピンホールを熱可塑性樹脂で埋めることができるので、ピンホールを解消させることができる。
本実施の形態における炭素繊維複合材の厚みは、得られる炭素繊維複合材の質量の観点より、0.2mm未満、好ましくは0.15mm未満であり、さらに好ましくは0.12mm未満、さらにより好ましくは0.10mm未満である。
また、第2の織物積層型炭素繊維複合材のように、2枚以上の炭素繊維複合材を炭素繊維基材として用いて一体化させることで炭素繊維複合材を作製する場合を考慮すると、積層前の炭素繊維複合材の厚みは、0.10mm未満であることが好ましい。より好ましくは0.08mm以下、さらに好ましくは0.06mm以下であるとよい。つまり、2枚以上の織物で構成される炭素繊維複合材であっても、厚みは、0.2mm未満であるとよい。
なお、炭素繊維複合材の厚みは織物の厚みも影響するが、炭素繊維複合材は熱可塑性樹脂を含浸させた織物を加圧することによって作製されるので、織物の厚みは0.2mm以上であっても厚みが0.2mm未満の炭素繊維複合材を得ることができる。
また、炭素繊維複合材の厚みの下限は特に限定されるものではないが、得られる炭素繊維複合材の強度の観点からは、炭素繊維複合材の厚みの下限は、0.01mm超であるとよく、好ましくは0.03mm超、さらにより好ましくは0.04mm以上である。
なお、炭素繊維複合材の厚みは、例えば、株式会社ミツトヨ製293−821デジマチック標準外側マイクロメータMDC−25SBを用いて測定することができる。
本実施の形態における炭素繊維複合材の目付は、本実施の形態に用いられる織物の取扱いの容易さや、得られる炭素繊維複合材の強度の観点より、40g/m2以上が好ましく、60g/m2以上がさらに好ましく、さらに遮光性の観点からは100g/m2以上であることが好ましい。
また、炭素繊維複合材の目付の上限は、炭素繊維複合材が重くなることを防ぐため、300g/m2以下が好ましく、250g/m2以下がより好ましく、200g/m2以下がさらにより好ましい。さらにシャッター用羽根部材などの高速での作動が要求される用途で炭素繊維複合材を使用する場合には、炭素繊維複合材の目付は、150g/m2以下であることが好ましい。
本実施の形態における炭素繊維複合材の繊維体積含有率(Vf値)は、20%〜80%であることが好ましい。炭素繊維複合材のVf値は、当該炭素繊維複合材を用いて得られる炭素繊維複合材の強度の観点から、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上である。また、得られる炭素繊維複合材の表面の表面品位(滑り性、炭素繊維くずの発生を防ぐなど)の観点からVf値は、70%以下が好ましく、は60%以下がより好ましい。
また、第2の織物積層型炭素繊維複合材のように、複数の炭素繊維複合材を炭素繊維基材として用いて当該炭素繊維複合材(炭素繊維基材)に含浸している熱可塑性樹脂によって複数の炭素繊維複合材を接合して一体化させることで炭素繊維複合材を作製する場合には、Vf値は65%以下であることが好ましく、55%以下がより好ましい。
なお、炭素繊維複合材のVf値は、以下の式1で求めることができる。
Vf値(%)=(m2/ρ2)/[(m2/ρ2)+((m1−m2)/ρ3)]・・・式1
式1において、m1は、炭素繊維複合材の1m2当たりの質量(g)を表し、m2は、炭素繊維複合材1m2当たりに含まれる炭素繊維の質量(g)を表し、ρ2は、その炭素繊維の密度(g/cm3)を表し、ρ3は、炭素繊維複合材に用いられる樹脂の密度(g/cm3)を表している。
本実施の形態における炭素繊維複合材の引張弾性率は、50GPa以上であるとよく、より好ましくは80GPa以上、さらにより好ましくは100GPa以上である。炭素繊維複合材の引張弾性率をこれらの下限値以上であれば、薄いながらも形態の安定性に優れるとともに優れた強度を有し、引張に強く、かつ、伸びにくい炭素繊維複合材を得ることができる。これにより、本実施の形態における炭素繊維複合材を、シャッター材をはじめとして、様々な薄層のシート部材として使用することができる。
炭素繊維複合材の引張弾性率の上限は、特に限定されないが、現在の炭素繊維の引張弾性率が455GPa程度のため、本実施の形態における炭素繊維複合材でも引張弾性率の上限は455GPa程度である。
なお、炭素繊維複合材の引張弾性率は、例えば、JIS K7164 第4部 等方向性及び直交異方性繊維強化プラスチック系複合材の試験条件に準じた試験を行うことで求めることができる。
本実施の形態における炭素繊維複合材の曲げ弾性率は、50GPa以上であるとよく、より好ましくは80GPa以上、さらにより好ましくは100GPa以上である。炭素繊維複合材の曲げ弾性率がこれらの下限値以上であれば、薄いながらも形態の安定性に優れるとともに優れた強度を有し、曲げに強く、かつたわみ難くい炭素繊維複合材を得ることができる。これにより、本実施の形態における炭素繊維複合材を、シャッター材をはじめとして、様々な薄層のシート部材として使用することができる。
炭素繊維複合材の曲げ弾性率の上限は、特に限定されないが、現在の炭素繊維の曲げ弾性率を考慮すると、炭素繊維複合材の曲げ弾性率の上限は、455GPa程度である。
なお、炭素繊維複合材の曲げ弾性率は、例えば、JIS K7074 3点曲げ試験(A法)に準じた試験を行うことで求めることができる。
<熱可塑性樹脂>
本実施の形態に係る炭素繊維複合材に用いられる熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリエステル等の熱可塑性樹脂である。
本実施の形態に係る炭素繊維複合材に用いられる熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリエステル等の熱可塑性樹脂である。
熱可塑性樹脂としては、好ましくは、硬化剤や触媒、重合開始剤、重合促進剤などの添加剤を添加したり加熱したりすることにより、反応が開始または反応が促進等されて硬化する反応型樹脂であり、硬化した後も熱可塑性を有するものである。また、熱可塑性樹脂としては、熱可塑性を維持するため、分子構造が直鎖状のものが好ましい。また、複数種の熱可塑性樹脂を配合して用いてもよい。
このような反応型の熱可塑性樹脂は、硬化剤で硬化させる前は、常温で液状または溶剤により溶解または分散したものとすることができるため、熱可塑性エポキシ樹脂を炭素繊維の束の内部にまで含浸させることができる。また、織物を構成する炭素繊維の束の内部にまで熱可塑性樹脂が存在しているため、炭素繊維と熱可塑性樹脂が十分絡み合う(接触し合う)。このため、本実施の形態の炭素繊維複合材は、優れた強度を有し、また、ばらつきが抑制されて安定した強度を有し、しかも、薄くても優れたハンドリング性を有する。
また、反応型の熱可塑性樹脂は、加熱溶融させて使用する未反応型の熱可塑性樹脂に比べ、反応前の熱可塑性樹脂の分子量が小さく流動性が高く、反応後に例えば数平均分子量で1万以上ないし3万以上に高分子化させたり架橋の状態を調整したりすることが可能であり、また、強度、可撓性または熱変形性の調整も可能である。
熱により溶融して用いられる熱可塑性樹脂は、一般的には薄い炭素繊維の束を用いたものであっても織物への含浸が容易ではないと考えられていたため、その対策として、織物とせずに一方向に配列した炭素繊維のシート状物としたものを用いたり、より厚さの薄い織物を製織したり、より高温に熱可塑性樹脂を加熱したりするという方法が考えられてきたが、これらの方法では熱可塑性樹脂の含浸の程度にばらつきが生じて品質が安定しなかったり、製造に手間がかかったりするため、製造コストが大幅に上昇する等の問題が生じることが予想され、これまでは、織物に熱可塑性樹脂を含浸するということをしてこなかった。本実施の形態における炭素繊維複合材では、このような問題の発生を回避することができる。
なお、熱可塑性樹脂は、反応後に化学構造が変わる場合もあり、例えば、エポキシ樹脂は、反応後にフェノキシ樹脂になる。つまり、本実施の形態における反応型の熱可塑性エポキシ樹脂については、反応後にフェノキシ樹脂になるものも含む。
また、本発明の目的を逸脱しない範囲で、熱可塑性樹脂に、熱硬化性樹脂を配合してもよい。
<炭素繊維>
本実施の形態に係る炭素繊維複合材の織物に用いられる炭素繊維は、PAN系およびピッチ系等のいずれの炭素繊維であってもよい。このうち、高弾性率(引張弾性率や曲げ弾性率)の炭素繊維複合材を得るとの観点からは、ピッチ系の炭素繊維を用いることが好ましい。また、品質の安定の観点からは、ピッチ系よりもPAN系の炭素繊維を用いることが好ましい。
本実施の形態に係る炭素繊維複合材の織物に用いられる炭素繊維は、PAN系およびピッチ系等のいずれの炭素繊維であってもよい。このうち、高弾性率(引張弾性率や曲げ弾性率)の炭素繊維複合材を得るとの観点からは、ピッチ系の炭素繊維を用いることが好ましい。また、品質の安定の観点からは、ピッチ系よりもPAN系の炭素繊維を用いることが好ましい。
また、本実施の形態において、織物を構成する炭素繊維としては、炭素繊維を一方向に束ねたもの(炭素繊維の束)を用いている。したがって、本実施の形態では、炭素繊維メーカーから供給される炭素繊維の単繊維を6000本(6K)束ねた製品、あるいは、炭素繊維の単繊維を、12000本(12K)、24000本(24K)、または、60000本(60K)などを束ねた製品を、そのまま用いたり、または、さらにこれらのものを束ねたものを用いたりする。また、炭素繊維の束は、無撚糸、有撚糸、解撚糸のいずれであってもよい。
織物に含まれる炭素繊維は、炭素繊維の束が開繊されて厚みが薄いものが好ましく、薄い炭素繊維複合材を得るとの観点からは、炭素繊維の束の厚みは0.2mm未満が好ましい。なお、炭素繊維の束の厚みの下限は特に限定されないが、炭素繊維の束の厚みは、7μm以上であるとよく、品質の安定の観点からは、10μm以上、より好ましくは20μm以上である。
<炭素繊維複合材の製造方法>
次に、本実施の形態に係る炭素繊維複合材の製造方法の一例について説明する。なお、本実施の形態に係る炭素繊維複合材の製造方法は、以下の方法に限定されるものではない。
次に、本実施の形態に係る炭素繊維複合材の製造方法の一例について説明する。なお、本実施の形態に係る炭素繊維複合材の製造方法は、以下の方法に限定されるものではない。
まず、炭素繊維を含む織物を準備する。本実施の形態では、炭素繊維を含む織物として、炭素繊維の束を開繊したものをタテ糸およびヨコ糸に用いて製織したものを用いたが、これに限らない。
次に、炭素繊維を含む織物に対して熱可塑性樹脂を付与することで、織物に熱可塑性樹脂を含浸させる。具体的には、熱可塑性樹脂溶液を用いて、炭素繊維を含む織物に熱可塑性樹脂を含浸させる。熱可塑性樹脂を付与する前の織物は、1枚であってもよいし、2枚以上積層した積層体であってもよい。
熱可塑性樹脂溶液としては、前記の通り、種々の反応型の熱可塑性樹脂と、当該熱可塑性樹脂を溶解または分散するための溶剤や硬化剤とを少なくとも含む。熱可塑性樹脂溶液に用いられる熱可塑性樹脂としては、前記の通り、熱可塑性エポキシ樹脂などを用いることができる。なお、熱可塑性樹脂溶液とは、溶剤に溶質が完全に溶解した溶液だけではなく、エマルジョンやディスパージョンであってもよい。
熱可塑性樹脂溶液に含まれる溶剤としては、水、ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、メチルセルソルブ、セルソルブ、アノンなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂溶液に含まれる硬化剤としては、エポキシ樹脂では、脂肪族ポリアミン、ポリアミノアミド、ケティミン、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミン、イミダゾール、3級アミンなどのアミン系化合物、リン酸化合物、酸無水物系化合物、メルカプタン系化合物、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ジシアンジアミド、ルイス酸錯化合物などが挙げられる。
また、熱可塑性樹脂溶液には、触媒、重合開始剤、重合促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、増粘剤、乳化剤、分散剤などの添加剤が、本発明の目的を逸脱しない範囲で添加されていてもよい。また、作製する炭素繊維複合材の遮光性の観点から、熱可塑性樹脂溶液には、黒色顔料としてカーボンブラックが含まれているよい。カーボンブラックを含む熱可塑性樹脂溶液を用いることで、遮光性を有する炭素繊維複合材を得ることができる。
本実施の形態において、熱可塑性樹脂溶液の粘度は、5〜1000mPa・sであるとよい。熱可塑性樹脂溶液の粘度が5mPa・s以上であれば、織物に十分な量の熱可塑性樹脂を容易に付与することができる。また、熱可塑性樹脂溶液の粘度は、織物への熱可塑性樹脂の付与量の観点から、好ましくは、10mPa・s以上、より好ましくは50mPa・s以上がよい。また、熱可塑性樹脂溶液の粘度が1000mP・s以下であれば、織物を構成する炭素繊維の束の内部にまで、熱可塑性樹脂を容易に浸透させることができる。また、熱可塑性樹脂溶液の粘度は、より好ましくは800mPa・s以下、さらには500mPa・s以下であるとよい。
織物への熱可塑性樹脂の付与方法としては、熱可塑性樹脂溶液に織物を浸漬させるディップ法、浸漬した後にマングルなどで絞るディップニップ法、熱可塑性樹脂溶液をキスロールやグラビアロール等に付着させて当該キスロール等から織物に熱可塑性樹脂を転写する転写法、または、霧状の熱可塑性樹脂溶液を炭素繊維の束に付与するスプレー法などが挙げられる。また、ディップ法、転写法、スプレー法などでは、熱可塑性樹脂溶液が付着した織物を、ダイスやロール等と接触させることにより、炭素繊維の束の内部にまで熱可塑性樹脂を押し込んだり、余分な熱可塑性樹脂を除去して織物への熱可塑性樹脂の付与量を調整したりできる。
また、炭素繊維複合材への熱可塑性樹脂の量が上述した好ましいVf値となるように、織物への熱可塑性樹脂溶液の付与量を調整したり、溶剤の配合比によって熱可塑性樹脂溶液中の熱可塑性樹脂の量を調整したりするとよい。
本実施の形態では、熱可塑性樹脂溶液の粘度が低いため、転写法によって熱可塑性樹脂を織物の片面に付与した場合においても、その後、ロール等に接触させることにより、織物を構成する炭素繊維の束の内部にまで熱可塑性樹脂を浸透させることができる。もちろん、転写法等により織物の両面に熱可塑性樹脂を付与してもよい。
織物に熱可塑性樹脂を付与した後は、乾燥および/または熱処理を行うとよい。乾燥と熱処理とは同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい。なお、炭素繊維複合材を得る段階においては、熱可塑性樹脂を完全に反応させてしまって炭素繊維複合材として完成させてもよいが、上記の第2の織物積層型炭素繊維複合材を製造する場合には、ある程度で熱可塑性樹脂の反応が止まった(もしくは反応速度が低下した)状態にとどめてこれを炭素繊維基材とし、複数枚の炭素繊維基材を積層して一体化した後に熱可塑性樹脂を完全に反応させてもよいし、それ以降、例えば炭素繊維複合材を用いてなる部材を得るときに熱可塑性樹脂を完全に反応させてもよい。
なお、第2の織物積層型炭素繊維複合材を製造する場合、上記のように、熱可塑性樹脂の反応を途中で止めた状態の炭素繊維基材を複数枚積層して一体化してもよいが、熱可塑性樹脂を完全に反応させた状態の炭素繊維基材(つまり炭素繊維複合材の完成品)を複数枚積層して一体化してもよい。
このように、本実施の形態では熱可塑性樹脂を用いているため、熱硬化性樹脂のように冷蔵保存する必要がなく、取り扱いが容易で、保管コストも低減できる。
織物に熱可塑性樹脂を付与した後に乾燥や熱処理を行う目的は、少なくとも炭素繊維複合材の表面のタックを解消するためである。炭素繊維複合材の表面のタックが解消することでハンドリング性が向上するので、生産性の観点からは、乾燥や熱処理を行う方がよい。
乾燥および熱処理の温度は、熱可塑性樹脂、硬化剤または溶剤にもよるが、熱可塑性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、乾燥であれば40℃〜120℃で1分〜1時間程度行うとよく、熱処理であれば120℃〜250℃で1分から1時間程度行うとよい。より好ましくは、乾燥であれば50℃〜100℃で10分〜30分、熱処理であれば120℃〜180℃で3分〜40分である。このような乾燥や熱処理の条件の範囲は、反応型の熱可塑性樹脂の反応の開始、促進、反応の完結、または、得られる繊維強化樹脂材料のタックの防止など、ハンドリング性の観点から好ましい。
また、乾燥や熱処理を行った後は、熱可塑性樹脂を付与した織物を、加熱および加圧するとよい。この場合、加熱と加圧とは同時に行ってもよいし、加熱した後に加圧を行ってもよい。好ましくは、加熱して熱可塑性樹脂を軟化させた後に、加熱しながら加圧するとよい。
このように加熱および加圧を行うことにより、織物を構成する炭素繊維の束と束の間に生じている隙間に、熱可塑性樹脂が移動し、場合によっては熱可塑性樹脂と炭素繊維とが移動する。これにより、厚みや密度などが炭素繊維複合材の全体にわたって均一な状態となり、厚み、目付、強度、遮光性等の品質が安定する。したがって、部分的な強度のばらつきやピンホールの発生などを抑制することができる。また、加熱および加圧を行うことによって、炭素繊維複合材をより薄くできるとともに、タテ糸およびヨコ糸の影響を抑制して平滑な表面品位の炭素繊維複合材を得ることができる。
特に、開繊された炭素繊維の束を用いて得られた織物ではヨレなどが生じた部分やタテ糸同士やヨコ糸同士の炭素繊維の束と束の間、または、タテ糸として用いた炭素繊維の束とヨコ糸として用いた炭素繊維の束の交絡部の角などに、部分的に炭素繊維や熱可塑性樹脂が存在しない箇所、また反対に熱可塑性樹脂が溜まった箇所が生じやすいが、本実施の形態の炭素繊維複合材によれば、熱可塑性樹脂が用いられているため、加熱および加圧することにより、上記の通り、品質が安定し、部分的な強度のばらつきやピンホールの発生などを抑制することができる。
また、加圧としては、積層される炭素繊維複合材中に空気が入り込むことを防ぐとの観点から、真空加圧が好ましい。
加熱温度は、用いる熱可塑性樹脂の軟化温度やガラス転移温度などにもよるが、例えば、80℃〜300℃程度である。生産性および得られる炭素繊維複合材の強度の観点からは、加熱温度は、100℃以上が好ましく、130℃以上がより好ましい。
また、加圧時の圧力は、1MPa以上が好ましく、得られる炭素繊維複合材の強度の観点からは、1.5MPa以上、さらに好ましくは2MPa以上がよい。加圧時の圧力の上限は、特に限定されないが、例えば10MPa程度である。
また、加圧時間は、加圧時の圧力や温度によっても異なるが、例えば、1分から120分程度である。
また、上記の第2の織物積層型炭素繊維複合材は、上記のようにして得られた炭素繊維複合材を炭素繊維基材とし、この炭素繊維基材を必要枚数重ねあわせて、さらに加熱および加圧することで炭素繊維基材を一体化させることで作製することができる。
この場合、複数枚の炭素繊維基材(炭素繊維複合材)を一体化する際の加熱と加圧とは同時に行ってもよいし、また、加熱した後に加圧を行うことで複数枚の炭素繊維基材(炭素繊維複合材)を一体化してもよい。好ましくは、複数の炭素繊維基材(炭素繊維複合材)を重ね合わせて加熱して炭素繊維基材の熱可塑性樹脂を軟化させた後に、加熱しながら加圧するとよい。
また、第2の織物積層型炭素繊維複合材を製造する場合も、加圧としては、積層される炭素繊維基材(炭素繊維複合材)と炭素繊維基材(炭素繊維複合材)との間に空気が入り込むことを防ぐとの観点から、真空加圧が好ましい。
複数の炭素繊維基材(炭素繊維複合材)を一体化する際の加熱温度は、用いる熱可塑性樹脂のガラス転移温度などにもよるが、例えば、80℃〜300℃程度である。生産性および得られる炭素繊維複合材の強度の観点からは、この加熱温度は、100℃以上が好ましく、130℃以上がより好ましい。
また、複数の炭素繊維基材(炭素繊維複合材)を一体化する際の加圧時の圧力は、1MPa以上が好ましく、得られる炭素繊維複合材の強度の観点からは、1.5MPa以上、さらに好ましくは2MPa以上がよい。この加圧時の圧力の上限は、特に限定されないが、例えば10MPa程度である。
また、複数の炭素繊維基材(炭素繊維複合材)を一体化する際の加圧時間は、加圧時の圧力や温度によっても異なるが、例えば、1分から120分程度である。
なお、第2の織物積層型炭素繊維複合材を製造する場合には、積層して一体化させる前の炭素繊維基材(炭素繊維複合材)は、加熱および加圧しておいてもよいし、加熱および加圧していなくてもよい。
また、織物が1枚の場合および織物が2枚以上積層されている炭素繊維複合材においてピンホールが発生した場合、当該炭素繊維複合材の表面に黒色顔料などの顔料を含む熱可塑性樹脂層を積層すればよい。この場合、顔料を含む熱可塑性樹脂をピンホールを有する炭素繊維複合材に付与した後、乾燥および/または加熱し、その後、加熱し、加圧するとよい。ピンホールを埋めるのに用いられる熱可塑性樹脂、または、乾燥や加熱、加圧等の条件は、上記の炭素繊維複合材を製造する場合と同様である。
<炭素繊維複合材を用いた部材>
本実施の形態に係る部材は、シート状の炭素繊維複合材を少なくとも一部に用いた部材である。本実施の形態に係る部材は、シート状のシート部材であり、例えば、本実施の形態における炭素繊維複合材を所定形状にカットしたものである。
本実施の形態に係る部材は、シート状の炭素繊維複合材を少なくとも一部に用いた部材である。本実施の形態に係る部材は、シート状のシート部材であり、例えば、本実施の形態における炭素繊維複合材を所定形状にカットしたものである。
本実施の形態に係る部材の厚みは、特に限定されるものではないが、0.2mm未満が良く、好ましくは0.15mm未満、さらに好ましくは0.12mm未満、さらにより好ましくは0.10mm未満である。
また、本実施の形態に係る部材の厚みの下限は、特に限定されないが、得られる部材の強度の観点より、0.01mm超がよく、好ましくは0.03mm超、さらにより好ましくは0.05mm以上である。
また、本実施の形態に係る部材は、当該部材の曲げ弾性率および/または引張弾性率が50GPa以上であるとよく、より好ましくは80GPa以上、さらにより好ましくは100GPa以上である。本実施の形態に係る部材の厚みがこれらの下限値以上であれば、薄いものであっても優れた強度を有し、かつ、引張による変形が少ないシート部材を得ることができる。
本実施の形態に係る部材の曲げ弾性率および引張弾性率の上限は、特に限定されないが、現在の炭素繊維の曲げ弾性率および引張弾性率を考慮すると、455GPa程度である。
なお、本実施の形態に係る部材は、本実施の形態における炭素繊維複合材を所定形状にカットしたものに限らず、本実施の形態における炭素繊維複合材に何らかの部材を組み合わせたものであってもよいし、本実施の形態における炭素繊維複合材に何らかの処理を施したものであってもよい。
本実施の形態に係る部材としては、具体的には、カメラ等に用いられるシャッター用羽根部材、自動車用パネル部材、卓球用やテニス用などのラケット部材、スキー用やスノーボード用などの板部材など、種々の部材を挙げることができる。特に、炭素繊維複合材を用いた本実施の形態における部材は、薄さ、軽さ、高弾性および遮光性が求められる製品、具体的には、カメラ等に用いられるシャッター用羽根部材に用いることが好ましい。シャッター用羽根部材は、本実施の形態に係るシート状の炭素繊維複合材を所定形状にカットすることで作製することができる。
以上、本発明に係る炭素繊維複合材、炭素繊維複合材の製造方法および炭素繊維複合材を用いた部材等について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
以下、本発明に係る炭素繊維複合材の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例において、「部」は質量部のことを表している。
なお、以下の実施例および比較例におけるA〜Gの各評価項目における各種物性値は、次の方法によって行った。
[A:厚み]
得られた炭素繊維複合材の厚みは、株式会社ミツトヨ製293−821デジマチック標準外側マイクロメータMDC−25SBを用いて測定した。
得られた炭素繊維複合材の厚みは、株式会社ミツトヨ製293−821デジマチック標準外側マイクロメータMDC−25SBを用いて測定した。
[B:引張弾性率]
得られた炭素繊維複合材の引張弾性率は、JIS K7164 第4部 等方向性及び直交異方性繊維強化プラスチック系複合材の試験条件に準じて試験を行うことで求めた。なお、試験速度は2mm/minとし、試験片はタイプ1B系A形試験片とした。
得られた炭素繊維複合材の引張弾性率は、JIS K7164 第4部 等方向性及び直交異方性繊維強化プラスチック系複合材の試験条件に準じて試験を行うことで求めた。なお、試験速度は2mm/minとし、試験片はタイプ1B系A形試験片とした。
[C:曲げ弾性率]
得られた炭素繊維複合材の曲げ弾性率は、JIS K7074 3点曲げ試験(A法)に準じて試験を行うことで求めた。なお、試験速度は5mm/minとし、支点間距離は80mmとした。
得られた炭素繊維複合材の曲げ弾性率は、JIS K7074 3点曲げ試験(A法)に準じて試験を行うことで求めた。なお、試験速度は5mm/minとし、支点間距離は80mmとした。
また、試験片は、規定の厚み(2±0.4mm)とするために、得られた炭素繊維複合材を重ねあわせ、160℃、30分、2MPaにて加熱しながら加圧し一体化したものを用いた。
[D:Vf値]
得られた炭素繊維複合材のVf値は、以下の式1で求めた。
得られた炭素繊維複合材のVf値は、以下の式1で求めた。
Vf値(%)=(m2/ρ2)/[(m2/ρ2)+((m1−m2)/ρ3)]・・・式1
式1において、m1は、炭素繊維複合材の1m2当たりの質量(g)を表し、m2は、炭素繊維複合材1m2当たりに含まれる炭素繊維の質量(g)を表し、ρ2は、その炭素繊維の密度(g/cm3)を表し、ρ3は、炭素繊維複合材に用いられる樹脂の密度(g/cm3)を表している。
[E:目付]
得られた炭素繊維複合材を100cm2にカットし、電子天秤を用いて質量を測定し、1m2当たりの質量に換算した。
得られた炭素繊維複合材を100cm2にカットし、電子天秤を用いて質量を測定し、1m2当たりの質量に換算した。
[F:表面品位]
得られた炭素繊維複合材を、目視と手触りで評価した。
得られた炭素繊維複合材を、目視と手触りで評価した。
[G:ピンホールの有無]
A法:室内の蛍光灯に対して炭素繊維複合材をかざし、光の透過の有無を目視にて確認し、ピンホールの有無を確認した。
A法:室内の蛍光灯に対して炭素繊維複合材をかざし、光の透過の有無を目視にて確認し、ピンホールの有無を確認した。
B法:LEDライトの上に炭素繊維複合材を被せて、光の透過の有無を目視にて確認し、ピンホールの有無を確認した。
(実施例1)
実施例1では、織物として、開繊された炭素繊維(PAN系。引張強度455GPa)の束(幅3mm)をタテ糸およびヨコ糸に用いて製織した平織物を用いた。また、織物は、厚みが0.05mmで、目付が45g/m2である。なお、織物は、ところどころに布目曲がりや開繊された炭素繊維の束によれが生じ、炭素繊維が存在しない穴(空間)があるものであった。
実施例1では、織物として、開繊された炭素繊維(PAN系。引張強度455GPa)の束(幅3mm)をタテ糸およびヨコ糸に用いて製織した平織物を用いた。また、織物は、厚みが0.05mmで、目付が45g/m2である。なお、織物は、ところどころに布目曲がりや開繊された炭素繊維の束によれが生じ、炭素繊維が存在しない穴(空間)があるものであった。
この織物を以下に示す熱可塑性樹脂溶液を入れた樹脂バスに浸漬し、織物を構成する強化繊維の束に熱可塑性樹脂を付与した。
[熱可塑性樹脂溶液]
・熱可塑性エポキシ樹脂(反応型樹脂:DENATITE XNR6850V:ナガセケムテックス株式会社製) 100部
・硬化剤(DENATITE XNH6850V:ナガセケムテックス株式会社製)
6.5部
・黒色顔料 10部
・メチルエチルケトン 50部
・熱可塑性エポキシ樹脂(反応型樹脂:DENATITE XNR6850V:ナガセケムテックス株式会社製) 100部
・硬化剤(DENATITE XNH6850V:ナガセケムテックス株式会社製)
6.5部
・黒色顔料 10部
・メチルエチルケトン 50部
次に、熱可塑性樹脂溶液を付与した織物を4本のロールに接触(織物の上面および下面を交互にそれぞれ2回ずつ接触)させることにより織物をシゴいた後、60℃で20分間乾燥し、引き続き150℃で20分間熱処理を行った。
次に、真空状態(ゲージ圧:−0.1MPa)にて160℃に加熱し、30分間、2MPaにて加熱しながら加圧することで、シート状の炭素繊維複合材を得た。
得られた炭素繊維複合材は、厚みが0.05mmで、引張弾性率が100GPa(タテ方向、ヨコ方向とも)で、曲げ弾性率が100GPa(タテ方向、ヨコ方向とも)で、Vf値が50%で、目付が74g/m2であった。また、炭素繊維複合材の表面は、タテ糸およびヨコ糸による凹凸はなく、平滑で反りや毛羽立ちはなかった。
また、得られた炭素繊維複合材には、熱可塑性樹脂を付与する前の織物に確認されていた炭素繊維の束のよれ等に起因すると思われる炭素繊維が存在しない穴(空間)は確認されなかった。また、得られた炭素繊維複合材に対してピンホールの有無をA法にて確認したところ、ピンホールは極一部に確認される程度であった。また、ピンホールの有無をB法にて確認したところ、小さなピンホールが所々に確認された。
なお、本実施例では、真空状態にて加熱、加圧したが、真空状態にせずに加熱、加圧した場合でも同様の結果が得られた。ただし、真空状態にて加熱、加圧した方が、真空状態にせずに加熱、加圧した場合と比べ、炭素繊維複合材中に空気が含まれるリスクが低減され、より安定した炭素繊維複合材が得られた。
(実施例2)
実施例1で得られた炭素繊維複合材を炭素繊維基材として2枚重ね、真空状態(ゲージ圧:−0.1MPa)にて160℃に加熱しながら、5MPaにて、40分間加圧することにより、織物が2枚以上積層して一体化された炭素繊維複合材(第2の織物積層型炭素繊維複合材)を得た。
実施例1で得られた炭素繊維複合材を炭素繊維基材として2枚重ね、真空状態(ゲージ圧:−0.1MPa)にて160℃に加熱しながら、5MPaにて、40分間加圧することにより、織物が2枚以上積層して一体化された炭素繊維複合材(第2の織物積層型炭素繊維複合材)を得た。
得られた炭素繊維複合材は、厚みが0.10mmで、引張弾性率が109GPa(タテ方向、ヨコ方向とも)で、曲げ弾性率が100GPa(タテ方向、ヨコ方向とも)で、Vf値が50%で、目付が148g/m2であった。また、炭素繊維複合材の表面は、タテ糸およびヨコ糸による凹凸はなく、平滑で反りや毛羽立ちはなかった。
また、このようにして得られた炭素繊維複合材には、熱可塑性樹脂を付与する前の織物に確認されていた炭素繊維の束のよれ等に起因すると思われる炭素繊維が存在しない穴(空間)は確認されなかった。また、得られた炭素繊維複合材に対してピンホールの有無をA法にて確認したところ、ピンホールは確認されなかった。また、ピンホールの有無をB法にて確認した場合にも、ピンホールは確認されなかった。
なお、本実施例でも、真空状態にて加熱、加圧したが、真空状態にせずに加熱、加圧した場合でも同様の結果が得られた。ただし、本実施例でも、真空状態にて加熱、加圧した方が、真空状態にせずに加熱、加圧した場合と比べ、炭素繊維複合材中に空気が含まれるリスクが低減され、より安定した炭素繊維複合材が得られた。
(実施例3)
実施例1および実施例2で得られた炭素繊維複合材をシャッター用羽根部材の形状にカットした。
実施例1および実施例2で得られた炭素繊維複合材をシャッター用羽根部材の形状にカットした。
得られたシャッター用羽根部材は、薄く、反りもなく、伸び難くてたわみ難く、剛性に優れるとともに、遮光性にも優れたものであった。また、実施例2の炭素繊維複合材を用いたシャッター用羽根部材は特に遮光性に優れていた。
また、シャッター用羽根部材の切断箇所をマイクロスコープを用いて100倍に拡大して確認したところ、実施例1の炭素繊維複合材および実施例2の炭素繊維複合材のいずれを用いたものも、ひび割れや毛羽などが確認されず、きれいに切断されていた。したがって、シャッター用羽根部材として作動した際、毛羽の発生や引っ掛かりが発生しにくい。
Claims (9)
- 炭素繊維を含む織物に熱可塑性樹脂が含浸してなるシート状の炭素繊維複合材であって、前記炭素繊維複合材の厚みが0.2mm未満である炭素繊維複合材。
- 前記織物が2枚以上積層されている請求項1に記載の炭素繊維複合材。
- 前記熱可塑性樹脂がエポキシ樹脂である請求項1または2に記載の炭素繊維複合材。
- 前記熱可塑性樹脂が反応型用の熱可塑性樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭素繊維複合材。
- 前記炭素繊維複合材の引張弾性率が50GPa以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭素繊維複合材。
- 前記炭素繊維複合材の曲げ弾性率が50GPa以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の炭素繊維複合材。
- 前記熱可塑性樹脂にカーボンブラックが含まれている請求項1〜6のいずれか1項に記載の炭素繊維複合材。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の炭素繊維複合材を少なくとも一部に用いてなる部材。
- 前記部材がシャッター用羽根部材である請求項8に記載の部材。
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