JP2015067790A - 皮革用コーティング剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】防汚、防水、抗菌/抗真菌性に優れ、一般消費者自らが安全かつ手軽に施工することができる、有機溶剤やVOCを使用しない環境保全性に優れ、皮革の風合いや色を変えることがなく、しかも、優れた耐屈曲性を有する柔軟な架橋したシリコン系塗膜となる無溶剤の皮革製品用コーティング剤を提供する。
【解決手段】液状オルガノポリシロキサン(A)と、(B)片末端ラジカル重合性ポリシロキサンと、架橋剤(B)と、触媒反応ブロッキング剤および/または反応遅延剤を含む硬化触媒(C)とからなる無溶剤の一液性常温硬化型オルガノシロキサン組成物から成る皮革用コーティング剤。
【選択図】なし

Description

本発明は皮革用コーティング剤に関するものである。
本発明は特に、皮革製品に対して施工可能な一液性の常温硬化型無溶剤コーティング剤に関するものである。
本発明は特に、皮革製品の防汚、防水、抗菌/抗真菌性を高めるために一般消費者自らが安全かつ手軽に施工することができるコーティング剤に関するものである。
靴、カバン、衣料、手袋をはじめ、家具、車両、スポーツ用品等で使用される皮革製品は長期間放置すると硬化する傾向があるため、保革剤を塗る必要がある。保革剤を塗り、手入れをすることで皮革製品は長く使用できる。そうした手入れ剤としては、ツヤ出し性、耐屈曲性に優れたワックスをベースにし、柔軟剤を加えた乳化クリームや、皮革のしなやかさを保つための油成分、油脂をベースにし、ワックスと組み合わせた保革油タイプの油性クリームや、ツヤ出し剤や消臭剤を入れた防水スプレーあるいはクリーナー等の多種、多様なものが市販されている。多くの場合、界面活性剤、防腐剤、防カビ剤等が添加されている。
皮革製品の優れた特性を長く維持するためには、皮革に油分を補給し、皮革の銀面(表面)に保護層を形成して水や汚れが皮革の中に入り込まないようにすることが必要である。そのための銀面保護層に防水性を持たせる方法としては、水に不溶な物質を含浸させて沈着層を形成する方法、膨潤物質を含浸させて沈着層を形成する方法、シリコンスプレーを噴霧して疎水化する方法等が一般的である。
本発明の対象は、主として防汚、防水を主目的とし、さらに抗菌/抗真菌性を良くするためのコーティング剤にある。
特許文献1(特許第5013233号)にはウレタン(メタ)アクリレート樹脂組成物からなる皮革用コーティング剤が開示されている。しかし、このコーティングは常温下で1日〜10日程度の養生を必要とし、硬化に50℃〜250℃の温度の加熱を必要とするため、一般ユーザーが個人で使用するのは難しい。
紫外線硬化型コーティング剤、ポリウレタン系の有機無機ハイブリッド組成物も知られるが、いずれも一般ユーザーが扱うのは難しい。さらに、有機溶剤を含むコーティング剤は有機溶剤が皮革表面の染色を損ね、皮革を痛めるため、登山靴などのメーカーからは推奨されていない。同様に、脱脂してコーティング剤の密着性を向上させるためのイソルロピルアルコールを成分とする皮革用スプレー式コーティング剤は皮革の耐久性を悪くするという欠点がある。さらに、有機溶剤を多く含むことによる引火性、有毒性の面での安全性および環境問題に重大な欠点もある。
銀面(表面)の光沢性、撥水性を上げるためのシリコン系およびフッ素系の化合物を用いた皮革用コーティング剤も市販されている。しかし、一般に市販されているシリコン系やフッ素系の防水スプレーは一時的なもので、防水効果は長続きしない。また、工業的な防水、撥水加工で使用される公知のシリコン系コーティング剤は工場で施工する必要があり、高温処理を必要とするものが多く、それによって皮革のコラーゲン線維(タンパク質)が変性、硬化するため、天然皮革製品での使用には適さないものが多い。また、常温での硬化に長い時間を要することが多い。さらに、原料皮、革のタイプ、仕上げ方法によって施工が限定されることが多い。
特許文献2(特開2007−525604号公報)にはシリコン樹脂成分とフルオロカーボン成分との混合物を含む組成物で繊維および革の手触りを良くする方法が記載されている。しかし、この特許の方法は高温(300℃)で処理する必要があり、一般ユーザーが天然皮革製品に対して使用することはできない。
特許第5013233号 特開2007−525604号公報
本発明の目的は、防汚、防水、抗菌/抗真菌性に優れ、一般消費者自らが安全かつ手軽に施工することができる皮革製品用コーティング剤を提供することにある。
本発明の他の目的は、トルエンなどの有機溶剤やVOC(揮発性有機化合物)を使用することのない、環境保全性に優れた無溶剤の皮革製品用コーティング剤を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、皮革表面に薄く均等な透明の膜を形成し、皮革の風合いや色を変えることがなく、しかも、優れた耐屈曲性を有する柔軟な架橋したシリコン系塗膜となる皮革製品用コーティング剤を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、複雑な工程や設備を必要とせず、一般ユーザーが簡単に塗布して使用できる、常温硬化型のシリコン系塗膜を与える皮革製品用コーティング剤を提供することにある。
本発明の第1の対象は、液状オルガノポリシロキサン(A)と、(B)片末端ラジカル重合性ポリシロキサンと、架橋剤(B)と、触媒反応ブロッキング剤および/または反応遅延剤を含む硬化触媒(C)とからなる無溶剤の一液性常温硬化型オルガノシロキサン組成物から成る皮革用コーティング剤にある。
本発明の第2の対象は、上記無溶剤一液性常温硬化型オルガノシロキサン組成物の皮革用コーティング剤としての使用にある。
上記液状オルガノポリシロキサン(A)は下記一般式(I)で表される化合物の1種または2種以上から成ることができる:
Figure 2015067790
(ここで、R1は水素原子、C1〜C5アルキル基またはアシル基;R2〜R6はそれぞれが水素原子、OR1基または一価の炭化水素基から選択され、互いに同一でも異なっていてもよく、nは1〜15の整数)
上記片末端ラジカル重合性ポリシロキサン(B)は、下記[化2]及び/または[化3]で表される化合物にすることができる:
Figure 2015067790
(ここで、R1は水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基、R2〜R6は互いに同一でも異なっていてもよい水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基、nは2以上の整数)
Figure 2015067790
(ここで、R7は水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基、R8〜R12は互いに同一でも異なっていてもよい水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基、pは0〜10の整数、qは2以上の整数)
上記架橋剤(C)は下記一般式(2)または(3)で表される有機金属化合物の1種または2種以上にすることができる:
7 pM・(OR13-p (2)
7 mQ・(OR14-m (3)
(ここで、Mはアルミニウムまたはホウ素元素;Qはケイ素、チタンまたはジルコニウム元素;R1は水素原子、C1〜C5のアルキル基、アシル基またはオキシム基;R7は水素原子、OR1基または一価の炭化水素基から選択される基;pは1または2;mは1〜3の整数)
上記硬化触媒(D)は亜鉛、コバルト、アルミニウムまたは錫元素の1つまたは2種以上の金属の有機化合物にすることができる。この硬化触媒(D)は触媒反応ブロッキング剤および/または反応遅延剤を含むことができ、これらはアルキル基またはトリフルオロ基を有するβ−ケト酸エステル、β−ジケトン化合物およびマロン酸エステルの群より選択される少なくとも1種のケト・エノール型互変異性化合物および一価アルコールおよび多価アルコールから成る群の中から選択できる。
(B)成分を除く残りの上記3成分混合液組成物が含有する全金属元素成分を、MOy/2酸化物基準(Mはアルミニウム、ホウ素、ケイ素、チタン、ジルコニウム元素、yは金属元素の価数)表わした時に、40重量%以上含有しているのが好ましい。
本発明における液性常温硬化型オルガノシロキサン組成物から成る皮革用コーティング剤は、バクテリアや真菌に対する強い殺菌作用を有する銀化合物または銀イオンを生じる化合物を添加することができ、また、これらの化合物との相性も良く、添加することによって抗菌、抗カビ効果を合わせもつ優れた皮革用コーティング剤として使用できる。
本発明における液性常温硬化型オルガノシロキサン組成物から成る皮革用コーティング剤は、必要に応じて、微粒子の酸化インジウムスズ(ITO)等の熱反射材料をさらに含むことができる。それによって、皮革製品およびその使用者を断熱する効果を皮革用コーティング剤に与えることができる。
「無溶剤」とは有機溶剤を実質的に含まないことを意味するが、本発明の目的に反しない限り、あるいは皮革の品質を実質的に損なわない限り、少量の有機溶剤を使用することは可能である。有機溶剤の量は本発明皮革用コーティング剤の全重量の10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下にするのが好ましい。
「常温」とは室温で自然乾燥することを意味するが、強制換気等で強制乾燥してもよい。加熱しても本発明の範囲を逸脱するものではないが、本発明皮革用コーティング剤は加熱する必要がない。
皮革はコラーゲン線維を主成分としているため、本来、親水性が高い。本発明のコーティング剤を使用することで皮革の防水性、耐水性を大幅に向上させることができる。「防水性」とは皮革や布などに水が吸収され、浸透していく現象を防止する性能をいい、JIS L0208繊維用語−試験部門では防水性を耐水性、漏水性、撥水性の総称と定義している。
本発明の皮革用コーティング剤は一般に液体の形態をしているので、皮革製品のユーザーが皮革表面に単に「塗布」するだけで使用できる。実際には布等を用いた塗布、散布、噴霧(スプレー)、刷毛塗り、ローラー塗布等の公知の任意の塗布方法を用いることができる。保存容器に加圧流体(ガス、液体)を入れてスプレー塗布をすることもできる。推進ガスは有機溶剤として作用しないものが好ましい。本発明の皮革用コーティング剤は一般ユーザーが容易に取り扱え、防汚、防水、抗菌,抗真菌性を極めて有効に発揮することができる。
本発明の皮革用コーティング剤を、皮革に油分を補給するために保革油(保革剤)で一般に使用されているオイルと混合することで「保革クリーム」として使用することもできる。この場合には防汚、防水、抗菌、抗真菌性のある「保革剤」または「保革クリーム」として使用できる。皮革に油分を補給するための保革油としてはミンクオイル、ワセリン等を用いることができる。
「皮革」とは動物の皮膚をなめし処理したものを意味し、動物の皮膚を生のまま加工しないものや、もともと生えていた体毛まで利用する毛皮は含まれない。なめし処理は動物の皮膚は一般的にそのままだと凝固、腐敗するため、それらを防ぎ、柔らかくして耐久性や可塑性を加え、皮革製品として利用するために必要な処理である。このなめしの工程では腐敗しやすい動物の脂を除き、たんぱく質(主にコラーゲン線維)を変化させ、また、柔らかくするために主として合成の脂を再度入れる(加脂)。なめしには植物に含まれるタンニンを利用するタンニンなめしや、金属化合物であるクロムなめし剤(塩基性硫酸クロム)を用いたもの、これら両者を組み合わせたコンビネーションなめしがある。
本発明のコーティング剤はなめし加工の方法を問わず施工可能である。皮革の材料には牛、豚、馬、羊、山羊、カンガルーほかの哺乳類、ワニ、ヘビ、トカゲほかの爬虫類、鳥類、魚類などが挙げられる。本発明のコーティング剤はこれら材料を問わず施工可能である。製品革の種類には、エナメル、スエード、ヌバック、型押し、クラッキング、塗料による色づけ、製品染め、オイル、ワックス仕上げ、カゼイン仕上げ等がある。本発明は、これら種類を問わず施工可能である。
皮革には柔軟性を維持するために保革油(保革剤)を塗るが、この処置をした後でも本発明のコーティング剤はなじみやすく良好に仕上がる。またスエードやヌバックのような起毛革にも、本発明を施工後、スエードブラシ等の加工により製品の風合いを損ねることなく防汚、防水の目的を達成できる。皮革は一般に衣料品や装身具などに利用されることが多いが、馬具や球技用の球、野球のグローブ、自転車のサドルなどスポーツ用品や、家具、乗用車,船舶等のシート、水洗式トイレの革パッキンなどにも用いられる。本発明の皮革用コーティング剤はこれら用途でも有用である。
本発明の皮革用コーティング剤は、既に公知の液体の常温硬化型オルガノシロキサン組成物に上記成分(B)を加えることで容易に作ることができる。既に公知の液体の常温硬化型オルガノシロキサン組成物を記載した文献としては下記を挙げることができる。
特開平5−247347号公報(鈴木産業) 特開平7−3163号公報(内藤静) 特開平10−219111号公報(鈴木産業) 特開2003−12804号公報(アトミクス) 特開2003−238895号公報(亜細亜工業、恒和化学工業) 特開2005−139426号公報(進興ペイント) 特開2006−349565号公報(助川陽平)
上記特許文献の中で常温硬化するものは原則として本発明で使用できるが、一液性、粘度、粘着吐、硬度、硬化時間、溶剤量等の条件から実際の使用には向かないものもある。これらの常温硬化型オルガノシロキサン組成物は主として建築、土木の分野の塗料、ペイントとして開発されたものである。光記録媒体表面回復剤としての用途も知られている(上記特許文献9)が、皮革用としての使用を記載した文献はない。
本発明者は、建築・土木分野における塗料として、あるいは、光記録媒体の表面回復剤として開発された常温硬化型オルガノシロキサン組成物を、皮革の保護に特化して、皮革の色調や風合いを損なうことなく、防汚、防水、抗菌/抗真菌効果に十分な機能を発揮することを目的に、さらに研究を続けて完成したものである。
本発明者は、特許文献3(特開平5−247347号公報、特公平7−72250号公報、特許第2137192号)に記載の一液性常温硬化型オルガノシロキサン組成物が本発明の目的には適しているということを見出した。この一液常温硬化型オルガノシロキサン組成物は室温(25℃)で空気中の水分によって硬化し、安定した透明な保護膜を形成する。特に経時変化で着色することがないので皮革への塗布に適している。さらに、無機質の絶縁膜であるため、有機質膜のような帯電性がないので、静電気による粉塵やゴミの付着がない。
しかし、上記常温硬化型オルガノシロキサン組成物だけでは可撓性が不足し、皮革用コーティング剤としては耐屈曲性が不十分であることがわかった。本発明者は、成分(B)の上記片末端ラジカル重合性ポリシロキサンを添加することで皮革用コーティング剤として満足するということを見い出し、本発明を完成した。驚くことに、あまり可撓性のない硬化型のオルガノシロキサン組成物が、成分(B)を加えることによって柔軟になり、皮革を180°曲げても塗膜に亀裂が生じない、という驚くべき効果を見い出した。
この成分(B)の片末端ラジカル重合性ポリシロキサンは下記[化4]及び/または[化5]で表される化合物にすることができる:
Figure 2015067790
(ここで、R1は水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基、R2、R3、R4、R5、R6は互いに同一でも異なっていてもよい水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基、nは2以上の整数)
Figure 2015067790
(ここで、R7は水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基、R8、R9、R10、R11、R12は互いに同一でも異なっていてもよい水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基、pは0〜10の整数、qは2以上の整数)
この片末端ラジカル重合性ポリシロキサン自体は市販されており、サイラプレーン(登録商標)FM−0711(数平均分子量1,000;チッソ社製)、サイラプレーン(登録商標)FM−0721(数平均分子量5,000;チッソ社製)、サイラプレーン(登録商標)FM−0725(数平均分子量10,000;チッソ社製)、X−22−174DX(数平均分子量4,600;信越化学工業社製)等として市販されている。チッソ社の製品はJNC株式会社から入手できる。この片末端ラジカル重合性ポリシロキサン(B)は、単独でも又は2種類以上混合して使用することができる。この片末端ラジカル重合性ポリシロキサン(B)は100重量部の一液性常温硬化型オルガノシロキサン組成物に対して0.5〜40重量部、好ましくは1〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部の比率で使用できる。
上記の一液常温硬化型オルガノシロキサン組成物は鈴木産業株式会社から「セラトン」の商品名で各種グレートのものが市販されている。本明細書では特公平7−72250号公報、上記特許文献3参照、以下「参考特許」という)に記載の内容の中で本発明に関係する事項のみを簡単に説明し、参考特許の詳細な内容は記載しない。以下に記載のない事項(硬化反応機構、使用成分比率の限定理由、使用可能な添加物、酸化物の計算方法、測定方法、その他に関する情報)はこの参考特許の明細書を参照されたい。この参考特許の明細書の内容は本明細書の一部を成す。
参考特許に記載の無溶剤の常温硬化型オルガノシロキサン組成物では、オルガノシロキサンがポリマー化し、硬化体を形成する反応機構は水共存下における反応性シロキサンの縮合反応/付加反応で、第一段で官能基のアルコキシ基に水が反応して脱アルコールが起り、シラノール基が生成され、次の第二段でこのシラノール基に架橋剤のアルコキシ基が金属触媒の下で反応する脱アルコール、脱オキシム、脱酢酸等の縮合反応でポリマー化が進行し、三次元網目構造のポリマー硬化体が形成されるものと説明されている。
液状オルガノポリシロキサン(A)には密着性を向上させるために熱可塑性樹脂が30重量%以下の量で溶解されていてもよい。この熱可塑性樹脂としてはオルガノシロキサンに溶解するカルボキシル基を有する線状有機高分子化合物が好ましく、例としてはアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、セルローズ等の樹脂およびその誘導体、ならびに不飽和カルボン酸との非水溶液中での共重合体等が挙げられる。本発明ではこの成分として上記成分(B)の片末端ラジカル重合性ポリシロキサンを添加する。
架橋剤(C)は液状オルガノポリシロキサン(A)に対し50重量%以下の量で混合される。
硬化触媒(D)の使用量は、液状オルガノポリシロキサン(A) や架橋剤(C) の内容、種類、量、割合、さらに硬化触媒(C)の内容、種類等によって異なるが、一般には0.1〜10重量%の範囲でよい。特に架橋剤(C)としてアルミニウム、ホウ素、チタンもしくはジルコニウムの有機金属化合物が配合される時には硬化触媒(D) の使用量は限りなく少量でよい。
触媒反応ブロッキング剤は、アルキル基またはトリフルオロ基を有するβ−ケト酸エステル、β−ジケトン化合物およびマロン酸エステルの群より選択された1ないし2種以上の組合せからなるケト・エノール型互変異性化合物にすることができ、反応遅延剤は一価アルコール類もしくは多価のアルコールから選択できる。遅延剤としてのアルコール類の例としてはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール等の一価のアルコール、さらにエチレングリコール、グリセリン、エリスリトール等の多価のアルコールを挙げることができるが、本発明の目的を損なうような量を使用してはならない。触媒反応ブロッキング剤および/または反応遅延剤の種類および配合量は簡単な予備実験を予め行うことによって容易に決定できる。ブロッキング剤のケト・エノール型互変異性化合物と遅延剤のアルコール類とを併用する場合、その配合量は両者合わせて硬化触媒(D)中に50重量%以下の量で配合するのが好ましい。
オルガノポリシロキサン(A)の重合度が大きくなると、オルガノポリシロキサン(A)を液状態で確保することが困難になるので、上記一般式のnは15より小さい数にするのが好ましい。用いるオルガノシロキサンの重合度を管理することによって液の粘度を3000センチポイズ以下の取り扱いやすい状態にすることが可能になり、従来技術にあるような有機溶剤等の希釈剤による液粘度の調整を行う必要が無くなり、無溶剤のオルガノシロキサン単独による塗布が可能になる。
本発明で使用可能な一液で保存性可能な無溶剤の常温硬化型オルガノシロキサン組成物は、液状オルガノポリシロキサン(A)単独もしくは架橋剤(C)との混合物を予め水非存在下の100℃以下で10分以上の時間養生して含有シラノール基を除去した後に硬化触媒(D)を配合して製造できる。この無溶剤の常温硬化型オルガノシロキサン組成物は水分との接触により生じるポリシロキサン結合を主鎖とするポリマー硬化体になる。本発明のコーティング剤はこの常温硬化型オルガノシロキサン組成物に片末端ラジカル重合性ポリシロキサン(B)を加えることで得られる。
常温硬化型オルガノシロキサン組成物にする基本は下記の目的が達成できる組成物にすることである:
(1)特定のオルガノポリシロキサン液と有機金属化合物の架橋剤から構成される液体組成物が無溶剤で塗料状組成物となり、
(2)水分やシラノール基を予めオルガノシロキサン液中で養生して、硬化触媒を共存させても一液保存性が可能となり、
(3)特定のオルガノシロキサン液組成物に含金属有機化合物を共存させ、大気中の水分と常温で接触させた時にポリマー硬化体が形成でき、
(4)B−O結合、Ti−O結合、Zr−O結合等を含む−Si−O−結合を主鎖とするポリマーが高機能ポリマー性能を発揮する。
本発明で使用する片末端ラジカル重合性ポリシロキサン(B)は塗膜に可撓性を与える。
上記有機基(R)がメチル基(CH3−)の場合の機構を下記混合物の例で説明する:
(A)液状オルガノポリシロキサン:メチルメトキシシランのオリゴマー[一般式(1)のR1〜R3は−CH3基、他のRは−OCH3基、nは8]
(C)架橋剤:メチルトリメトキシシラン[一般式(2) のR1とR7は-CH3基、m は1 ]
(D)硬化触媒:ジブチル錫ジラウレート、
この混合液組成物は(1)この混合液組成物が水分と接触すると、分極傾向を強めているメチルメトキシシランオリゴマーのメトキシ基(−OCH3)が加水分解して脱アルコールによりシラノール基(Si−OH)に変り、(2)シラノール基を有するメチルメトキシシランオリゴマーではシラノール基と架橋剤(C)のメチルトリメトキシシランのメトキシ基とがジブチル錫ジラウレートによる触媒作用で脱アルコール反応を起し、(3)この脱アルコール反応の縮合で高分子状−Si−O−Si−結合が生成し、メチルメトキシシランオリゴマーの架橋ができ、この反応が各所で連続的に進行してシロキサン結合を主鎖とする三次元の網目構造ポリマーが形成される。片末端ラジカル重合性ポリシロキサン(B)は上記ポリマーにグラフト鎖として結合すると考えられる。
上記組成物が重要な点は硬化触媒の共存下においても一液保存性を保持し得る点にあり、二液タイプの煩雑さがなくなる。一液タイプを可能にするには原料の液状オルガノポリシロキサン組成物中のOR基のRが硬化触媒の存在下でも安定に存在するアルコキシ基やアシロキシ基等のみであることが重要である。すなわち、液状オルガノポリシロキサン原液のOR基のRが水素原子である所謂シラノール基を有している時には水の非存在下でも硬化触媒が共存すると、このシラノール基のOH基が共存するアルコキシ基やアシロキシ基と脱アルコール反応で縮合反応し、原液をポリマー化させ、変質する。その結果一液保存性は損なわれ、品質管理が困難になる。
上記参考特許では、オルガノシロキサン自身もしくは配合填料等から来る水やシラノール基を予め100℃以下の条件下で養生工程に付して完全に除去する。この操作によって系内に硬化触媒が共存していても縮合反応が保留され、ゲル化や硬化が抑制される。上記の一液タイプの組成物は塗布後に直ちに重合反応がスタートし、高分子のポリマー硬化体を形成する。養生条件は水非存在下の常温〜100℃以下で少なくとも10分以上養生すれば充分であり、常温では24時間以上の養生で充分である。この養生でシラノール基と架橋剤のアルコキシ基やアシロキシ基等との間の脱アルコール反応が起り、シラノール基を消去改質しておくことが可能となる。
上記オルガノポリシロキサン(A)は、ある程度重合された化合物で大枠の骨格ができ上がっており、しかも官能性側鎖のOR基を保有しているオルガノポリシロキサンを選ぶことがポリマー硬化体を設計する上で有効である。そうしたオルガノポリシロキサンとしては側鎖基がメチル基やフェニル基で、官能基を2個有する単位や官能基を3個有する単位のシロキサン化合物の単独もしくはその組み合わせからなる単位で構成され、一般式(1)の[−Si−O−]項のnが少なくとも2以上のポリマーであればよい。一方、nの上限はポリマーが液状態を失う寸前までを選ぶことができ、一般にその分子量が102ないし105オーダーの低分子量のポリシロキサン化合物が好適である。
上記の触媒反応ブロッキング剤および/または反応遅延剤は上記の亜鉛、コバルト、アルミニウムまたは錫元素の1または2種以上の含金属有機化合物の触媒反応を予め封鎖ブロックしておくもので、下記の3つの点を確保できる性能を有していることが重要である:
(1)金属成分である液状オルガノシロキサン中で安定に存在し、
(2)保存中、オルガノシロキサン中の含金属有機化合物を分解せず、
(3)塗布開始後にブロッキングされていた硬化触媒が本来の役割を充分に果たせる条件に復帰できる。
無水状態で上記条件を満足するブロッキング剤および/または反応遅延剤としてはケト・エノール型互変異性化合物やアルコール類が有効である。このケト・エノール型互変異性化合物は分子内で水素結合によるキレート化が起っているため、分子間における水素結合が起りにくく、分子間会合を起こさずブロッキング効果を発揮する。反応遅延剤は硬化の反応速度を遅延コントロールさせるもので、一価もしくは多価のアルコール類にすることができる。この反応遅延剤の役目は定かでないが、これらアルコール類が共存していることによって新たに起る脱アルコール反応を抑制し、反応速度を遅延させるものと思われる。
本発明では、上記組成物に可撓性付与剤として例えば下記の片末端ラジカル重合性ポリシロキサン(B)を加える。
(B)サイラプレーン(登録商標)(アクリル変成ポリシロキサン、JNC株式会社)
この可撓性付与剤は上記常温硬化型オルガノシロキサン組成物の製造過程で加えることができるが、その製造後に添加することもできる。
上記無溶剤の一液性常温硬化型オルガノシロキサン組成物または本発明の皮革用コーティング剤には、本発明の目的に害を与えないという条件で、必要に応じて用いられる添加剤、例えばカップリング剤、その他の添加剤(填剤、活性剤、充填剤、顔料、着色剤等)を添加することができる。
皮革用コーティング剤には抗菌剤を加えるのが好ましい。さらに、熱遮断性を必要とする場合には光反射剤を加えることができる。好ましい抗菌剤は塗料用の銀ナノ抗菌剤TX−EB14で、それを銀配合率500ppmで添加することで抗菌力が発揮される。また、熱遮断剤、光反射剤としてはナノITOを添加することができる。その添加量は用途に依存する。
実際の使用時には、本発明の皮革用コーティング剤の数滴を皮革表面上に塗布し、柔らかい布で拭き、均一に拡げるだけでよい。塗布方法には格別制限はなく、布、不織布、革等を用いた塗布、散布、噴霧(スプレー)、刷毛塗り、ロール塗布等を適宜使用できる。本発明の皮革用コーティング剤は液体であり、長期保存ができるので、小瓶に入れ、使用時に数滴を皮革製品上に塗布し、柔らかい布等で拭くだけで均一な保護膜が形成できる。また、一回の使用量に小分けにし、プラスチック袋に詰めて、一回毎に使いきることもできる。
本発明の皮革用コーティング剤は、皮革表面に薄い防水、耐水層を形成する。この防水、耐水層の厚さは皮革の特性を損なわない限り任意であるが、一般には皮革の柔軟性を損なわないようにするために100μm以下、好ましくは50μm以下、さらに好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下にする。塗膜の厚さの下限はないが、本発明の皮革用コーティング剤が皮革の表面から内部に滲み込む場合もあるので、好ましい塗膜の厚さは皮革の表面から−5μm〜100μm、好ましくは−2μm〜50μm、より好ましくは−1μm〜10μmである。
皮革は天然素材であり、呼吸しており、湿気を通すので、特別な場合以外には、コーティング剤の層を厚く塗らないのが好ましい。本発明のコーティング剤は防水、耐水に優れるだけでなく、皮革の呼吸(湿気の通過)を妨げないという性質がある。
本発明の皮革用コーティング剤をいわゆる保革油に練り込んでクリームにすることもできる。本発明皮革用コーティング剤と保革油との比率は任意で、用途に応じて変えることができる。一般には本発明皮革用コーティング剤と保革油との比率は1〜99重量%:99〜1重量%にすることができる。
本発明の皮革用コーティング剤は天然素材の皮革での使用に適しているが、人口皮革、合成皮革にも使うことができる。
本発明の皮革用コーティング剤は上記の特公平7−72250号公報に記載の一液常温硬化型オルガノシロキサン組成物を用いることで簡単に製造することができる。実際には鈴木産業株式会社から下記表品名:
「セラトンPTNクリアー」
「セラトンSUクリアー」
「セラトンNPクリアー」
で市販されている一液常温硬化型オルガノシロキサン組成物に、本発明の(B)成分(片末端ラジカル重合性ポリシロキサン)を加えるだけで簡単に作ることができる。
上記「セラトン」は上記公報に記載のもので、その配合比率、硬化反応機構、使用成分比率の限定理由、使用可能な添加物、酸化物の計算方法、測定方法については上記公報を参照されたい。以下、この公報に記載の内容を引用して本発明で使用する一液常温硬化型オルガノシロキサン組成物「セラトン」の内容を示す。
一液常温硬化型オルガノシロキサン組成物
(A)液状オルガノポリシロキサン:下記4つの化合物の混合物(Si02=59.2%)を60℃で8時間養生した。
Figure 2015067790
(C)架橋剤:下記5つの化合物の混合物(MOy/2濃度=52.3%):
Figure 2015067790
(D)硬化触媒:下記の混合物
Figure 2015067790
本発明では、上記の一液常温硬化型オルガノシロキサン組成物「セラトン」に例えば市販の下記の片末端ラジカル重合性ポリシロキサンを成分(B)として加えて皮革用コーティング剤にする:
(B)片末端ラジカル重合性ポリシロキサン:
Figure 2015067790
本発明の皮革用コーティング剤を構成する組成物の各成分の比率は皮革の種類、用途に応じて広い範囲の中から当業者が選択することができるが、一般には下記は下記(I)と(II)を下記比率に混合するのが好ましい:
(I)一液性常温硬化型オルガノシロキサン組成物 100重量部
(A)液状オルガノポリシロキサン 99〜49重量%
(C)架橋剤 0.5〜45重量%
(D)硬化触媒 0.5〜5重量%
(II)柔軟成分 0.5〜40重量部
(B)片末端ラジカル重合性ポリシロキサン
(I)の100重量部に対する(IIの)柔軟成分の比率は1〜30重量部の範囲、好ましくは5〜20重量部の範囲にするのが好ましい。
以下、本発明の実施例を記載するが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
皮革用コーティング剤1の調整
特公平7−72250号公報に記載の方法に従って(A)液状オルガノポリシロキサン70重量%と、(C)架橋剤30重量%と、(C)硬化触媒10重量部との混合物を作る。この混合物100重量部に対して、(B)片末端ラジカル重合性ポリシロキサンとして、JNC株式会社から市販の「サイラプレーン(登録商標)」15重量部を加え、さらに塗料用銀ナノ抗菌剤TX−EB14を銀配合率500ppmで添加し、皮革用コーティング剤とした。
得られた皮革用コーティング剤は粘度がほとんどない一液組成物の液体で、25℃で大気中の湿気(水分)によって約120時間後に硬化する(硬度=4H)。この組成物は一液保存性があり、室温で6か月放置しても実質的な変化はない。
皮革用コーティング剤2の調整
鈴木産業株式会社から「セラトンPTNクリアー」の名称で市販の一液常温硬化型オルガノシロキサン組成物100重量部に対してJNC株式会社製の反応性シリコーン(サイラプレーン、登録商標)を20重量部加えて皮革用コーティング剤とした。
皮革用コーティング剤3の調整
鈴木産業株式会社から「セラトンSUクリアー」の名称で市販の一液常温硬化型オルガノシロキサン組成物100重量部に対してJNC株式会社製の反応性シリコーン(サイラプレーン、登録商標)を30重量部加えて皮革用コーティング剤とした。
皮革用コーティング剤4の調整
鈴木産業株式会社から「セラトンNPクリアー」の名称で市販の一液常温硬化型オルガノシロキサン組成物100重量部に対して信越シリコーン社製のメタクリル変性シリコーンオイルを30重量部加えて皮革用コーティング剤とした。
上記の鈴木産業株式会社の各種グレードの「セラトン」は特公平7−72250号公報に記載の一液常温硬化型オルガノシロキサン組成物で、本発明の成分である液状オルガノポリシロキサン(A)と、架橋剤(C)と、硬化触媒(D)とから成る。また、上記のJNC株式会社製の反応性シリコーン(サイラプレーン、登録商標)および信越シリコーン社製のメタクリル変性シリコーンオイルは上記の片末端ラジカル重合性ポリシロキサン(B)である。
上記の「皮革用コーティング剤1の調整」方法で作成した皮革用コーティング剤を用いて以下のテストを行った。
評価実験
上記皮革用コーティング剤を無染色ヌメ牛皮革に処理した試験片と未処置の試験片を用いて、耐水度試験、はっ水度試験、水滴試験をそれぞれ東京都立皮革技術センターにて行った。抗菌力評価試験は社団法人京都微生物研究所で行った。
1.耐水度試験
JIS K6550に基づき検査を実施した。
(試験方法)
直径60mmの試験片を、口径50mmに一定圧が掛かるような構造の耐水度試験機に、試験片の銀面を水に接する方に取り付け、薬10秒間にあらかじめ取り決めた水中高さ(本試験では1500mm)に達するまで水(水温20±2℃の)を注ぎ、試験片の肉面に水が漏れるまでの時間を測定する。
試験試料は本発明コーティング剤未処理と処理したものとし、2者を比較する。
(結果)
未処理: 0分
処理済: 180分以上
2.撥水度試験
JIS L1092に基づき検査を実施した。
(試験方法)
200mm×200mmの試験片を本発明コーティング剤未処置と処置をそれぞれ3枚(サンプル1〜3)を用意したものを、1枚ずつ試験片保持枠に固定し、漏斗を用いて250mLのイオン交換水または同等の水(20℃±3℃)250mLを25〜30秒で散布する。次に保持枠を台上から外し、その一端を水平に保ち、試験片の表面を下向きにして他端を固いものに一度軽く当て水滴を落とし、更に180°回した一端を持ち、前と同様に操作して余分の水滴を落とす。保持枠に付けたまま試験片のぬれた状態を、湿潤状態の見本と比較し、1級から5級まで分類し判定する。まったく水滴が残らず試験前と変化のない状態を5級とし、中間の格付けは行わない。
(はっ水スプレー試験はISO 4920 と同等の試験)
(結果)
Figure 2015067790
3.水滴試験
ISO 15700(IUF420)に基づき検査を実施した。
(試験方法)
皮革の水滴に対する染色堅牢度を測定し1級から5級まで分類する。まったく変化の見られなかった状態を5級とする。
試験試料は本発明コーティング剤未処理と処理済みのものを用い、2者を比較した。
(結果)
未処理:30分後:完全に水を吸い込み、広範囲に湿潤を示した。
16時間後:変退色4級
処理済:30分後:表面上に水滴が残り、ほとんど湿潤を示さなかった。
わずかに表面の光沢がなくなった。
16時間後:変退色4−5級
(きわめて5級に近いとの試験官のコメントあり)
3.抗菌力評価試験
JIS Z2801に基づき検査を実施した。
(試験方法)
本発明コーティング剤未処理と処理済みのものを用いて、それぞれの表面に1/500普通ブイヨンで調節した菌液を滴下し、フィルムで密着させ35℃で保存。
測定は菌液について生菌数を測定した。
(試験菌株)
Escherichia coli NBRC-3972
Staphylococcus aureus NBRC-12732
Pseudomona aeruginosa NBRC-12689
Klebsiella pneumonia NBRC-13277
(使用培地)
普通ブイヨン(栄研)
標準寒天培地(栄研)
(結果)
対照
Figure 2015067790
未処理
Figure 2015067790
処理済
Figure 2015067790
皮革に対して施工された塗膜のワレ,ハガレ、亀裂を確認する試験方法は現在のところ存在していないが、柔軟な皮革を硬化型シリコンコーティング剤で処理した場合に予想されるワレ、ハガレ、亀裂があるか否かを確認するために、他の分野で既存の検査法をもとに、以下2つの試験方法を考案して実施して、本発明の有用性を確認した。
4.耐屈曲試験1
金属板等に施工された塗膜のワレ,ハガレの抵抗性を確認する試験法として「円筒型マンドレル屈曲試験」(ISO 1519, JIS K 5600-5-1)が既存の検査法として認められている。本発明は本来皮革に用いるためのコーティング剤であるが、本発明のコーティング剤を金属片に塗布し硬化させたサンプルに上記「円筒型マンドレル屈曲試験」を行うことで、塗膜の柔軟性と耐亀裂性能を確認した。
(試験方法)
100mm×50mm ×0.3mmの鉄板に本発明のコーティング剤を塗布し、硬化させた後に、円筒型マンドレル屈曲試験器を用いて検査し、目視(10倍のルーペ)で観察し、塗膜のワレ,ハガレが生じた最小のマンドレルの直径を記録した。
(結果)
「一定マンドレルでの試験・使用マンドレル:直径6mmで割れ・はがれが認められない」(東京都立産業技術研究センターでの結果)
5.耐屈曲試験2
屈曲した皮革試験片を用いて、既存の「皮革・水滴試験」(ISO 15700)を行った。
(試験方法)
皮革試験片(厚さ1mm・サイズ150mm×150mm)を2枚用意した。両方のサンプルに本発明のコーティング剤を塗布,硬化した後、一方に中央に十字が入るように二回180度に折り曲げた。「コーティング施工の試験片1」と「コーティング施工の後、折り曲げた試験片2」の2つをISO 15700 皮革・水滴試験(水柱120cm)にかけ、それぞれの耐水性・撥水性・変退色を確認し、両者を比較した。また、市販の防水スプレーを比較例としてテストした。東京都立皮革技術センターでの結果は以下のとおり。
Figure 2015067790
以上の試験結果から、本発明のコーティング剤は耐亀裂性能にも優れた製品であることが証明された。
上記のテストを「皮革用コーティング剤2の調整」〜「皮革用コーティング剤4の調整」に記載の方法で作ったコーティング剤についても同様に実施した。
テストの結果は「皮革用コーティング剤1の調整」に記載の方法で作ったコーティング剤で得られた結果と同じであった。

Claims (9)

  1. 液状オルガノポリシロキサン(A)と、(B)片末端ラジカル重合性ポリシロキサンと、架橋剤(C)と、触媒反応ブロッキング剤および/または反応遅延剤を含む硬化触媒(D)とからなる無溶剤の一液性常温硬化型オルガノシロキサン組成物から成る皮革用コーティング剤。
  2. 上記触媒反応ブロッキング剤および/または反応遅延剤が、アルキル基またはトリフルオロ基を有するβ−ケト酸エステル、β−ジケトン化合物およびマロン酸エステルの群より選択される少なくとも1種のケト・エノール型互変異性化合物および一価アルコールおよび多価アルコールから成る群の中から選択される請求項1に記載の皮革用コーティング剤。
  3. 上記液状オルガノポリシロキサン(A)が下記一般式(I):
    Figure 2015067790
    (ここで、R1は水素原子、C1〜C5アルキル基またはアシル基;R2〜R6はそれぞれが水素原子、OR1基または一価の炭化水素基から選択され、互いに同一でも異なっていてもよく、nは1〜15の数)
    で表される化合物の1種または2種以上からなり、
    上記架橋剤(C)が下記一般式(2)または(3)で表される有機金属化合物の1種または2種以上からなり:
    7 pM・(OR13-p (2)
    7 mQ・(OR14-m (3)
    (ここで、Mはアルミニウムまたはホウ素元素;Qはケイ素、チタンまたはジルコニウム元素;R1は水素原子、C1〜C5のアルキル基、アシル基またはオキシム基;R7は水素原子、OR1基または一価の炭化水素基から選択される基;pは1または2;mは1〜3の整数)
    上記硬化触媒(D)が亜鉛、コバルト、アルミニウムまたは錫元素の1または2種以上の含金属の有機化合物であり、
    上記触媒反応ブロッキング剤および/または反応遅延剤が、アルキル基またはトリフルオロ基を有するβ−ケト酸エステル、β−ジケトン化合物およびマロン酸エステルの群より選択される少なくとも1種のケト・エノール型互変異性化合物および一価アルコールおよび多価アルコールから成る群の中から選択され、
    上記三成分混合液組成物が含有する全金属元素成分を、MOy/2酸化物基準(Mはアルミニウム、ホウ素、ケイ素、チタン、ジルコニウム元素、yは金属元素の価数)表わした時に、40重量%以上含有している、請求項1または2に記載の皮革用コーティング剤。
  4. 上記片末端ラジカル重合性ポリシロキサン(B)が、下記[化2]及び/または[化3]で表される請求項1〜3のいずれか一項に記載の皮革用コーティング剤:
    Figure 2015067790
    (ここで、R1は水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基、R2、R3、R4、R5、R6は互いに同一でも異なっていてもよい水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基、nは2以上の整数)
    Figure 2015067790

    (ここで、R7は水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基、R8、R9、R10、R11、R12は互いに同一でも異なっていてもよい水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基、pは0〜10の整数、qは2以上の整数)
  5. 液状オルガノポリシロキサン(A)が99〜49重量%、架橋剤(C)が0.5〜45重量%、硬化触媒(D)が0.5〜5重量%である一液性常温硬化型オルガノシロキサン組成物の100重量部当たり、(B)の片末端ラジカル重合性ポリシロキサンを0.5〜40重量部の比率で加えて得られる請求項1〜4のいずれか一項に記載の皮革用コーティング剤。
  6. 金属銀または銀イオンを生じる化合物をさらに含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の皮革用コーティング剤。
  7. 微粒子の酸化インジウムスズ(ITO)をさらに含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の皮革用コーティング剤。
  8. 液状オルガノポリシロキサン(A)と(B)片末端ラジカル重合性ポリシロキサンと、架橋剤(B)と、触媒反応ブロッキング剤および/または反応遅延剤を含む硬化触媒(C)とからなる無溶剤の一液性常温硬化型オルガノシロキサン組成物の、皮革用コーティング剤としての使用。
  9. 上記液状オルガノポリシロキサン(A)が下記一般式(I):
    Figure 2015067790
    (ここで、R1は水素原子、C1〜C5アルキル基またはアシル基;R2〜R6はそれぞれが水素原子、OR1基または一価の炭化水素基から選択され、互いに同一でも異なっていてもよく、nは1〜15の数)
    で表される化合物の1種または2種以上からなり、
    上記片末端ラジカル重合性ポリシロキサン(B)が、下記[化5]及び/または[化6]:
    Figure 2015067790
    (ここで、R1は水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基、R2、R3、R4、R5、R6は互いに同一でも異なっていてもよい水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基、nは2以上の整数)
    Figure 2015067790

    (ここで、R7は水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基、R8、R9、R10、R11、R12は互いに同一でも異なっていてもよい水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基、pは0〜10の整数、qは2以上の整数)
    で表され、
    上記架橋剤(C)が下記一般式(2)または(3)で表される有機金属化合物の1種または2種以上からなり:
    7 pM・(OR13-p (2)
    7 mQ・(OR14-m (3)
    (ここで、Mはアルミニウムまたはホウ素元素;Qはケイ素、チタンまたはジルコニウム元素;R1は水素原子、C1〜C5のアルキル基、アシル基またはオキシム基;R7は水素原子、OR1基または一価の炭化水素基から選択される基;pは1または2;mは1〜3の整数)
    上記硬化触媒(D)が亜鉛、コバルト、アルミニウムまたは錫元素の1または2種以上の含金属の有機化合物であり、
    上記触媒反応ブロッキング剤および/または反応遅延剤が、アルキル基またはトリフルオロ基を有するβ−ケト酸エステル、β−ジケトン化合物およびマロン酸エステルの群より選択される少なくとも1種のケト・エノール型互変異性化合物および一価アルコールおよび多価アルコールから成る群の中から選択され、
    上記三成分混合液組成物が含有する全金属元素成分を、MOy/2酸化物基準(Mはアルミニウム、ホウ素、ケイ素、チタン、ジルコニウム元素、yは金属元素の価数)表わした時に、40重量%以上含有する、請求項8に記載の使用。
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