JP2015067031A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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進 宮入
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Abstract

【課題】 ケーシング11内を循環する潤滑油の冷却効果の高いインホイールモータ駆動装置を提供する。【解決手段】 ケーシング11に収容されたモータ部10と、前記モータ部10のモータ回転軸14と連結する入力軸22と出力軸26とを有し、前記入力軸22の回転を減速して前記出力軸26に伝達する減速部20と、前記出力軸26に固定連結される車輪ハブ30とを備え、ケーシング11内にモータ部10および減速部20を冷却する潤滑油回路を有するインホイールモータ駆動装置において、前記潤滑油回路又は潤滑油回路の周辺に、潤滑油を一時的に保持することが可能な保持空間72、74を設け、この保持空間72、74に潤滑油の吸熱部を設けることにより、保持空間72、74での吸熱面積と吸熱時間を確保し、十分な冷却効果が得られるようにした。【選択図】 図3

Description

この発明は、モータ部の出力軸と車輪ハブとを減速部を介して同軸上に連結したインホイールモータ駆動装置に関する。
インホイールモータ駆動装置は、自動車のホイールの内側空間部分に設置されるものであり、特開2011−79484号公報(特許文献1)に示す構造のものが知られている。
この特許文献1に示すインホイールモータ駆動装置は、図11に示すように、モータ部110のモータ回転軸114と車輪ハブ130とをサイクロイド式の減速部120を介して同軸上に直列に連結した構造になっている。
インホイールモータ駆動装置は、駆動力を発生させるモータ部110と、モータ部110の回転を減速して出力する減速部120と、減速部120からの出力を図示しない駆動輪に伝える車輪ハブ130とを備える。
モータ部110は、回転を出力するモータ回転軸114を有し、筒状の外周面に沿って形成された複数のフィンからなる外周フィン171を有するケーシング111に収容されている。
減速部120は、ケーシング111に収容され、モータ回転軸114と連結する入力軸122と出力軸126とを有し、入力軸122の回転を減速して出力軸126に伝達している。
ケーシング111には、潤滑油を吐出する潤滑油ポンプ161が設けられている。ケーシング111には、潤滑油ポンプ161の油路143が設けられ、この油路143と、モータ回転軸114に設けられるモータ回転軸油路144と、入力軸122に設けられる減速部入力軸油路145とが相互に接続され、潤滑油ポンプ161から吐出される潤滑油が、ケーシング111に設けられる油路143、モータ回転軸油路144、減速部入力軸油路145、モータ部110の内部および減速部120の内部を循環して流れることにより、モータ部110の内部および減速部120を潤滑するとともに、ケーシング111に設けられる油路143において外周フィン171によって冷やされた潤滑油がこれらモータ部110および減速部120を冷却する潤滑油回路を構成している。
これにより、潤滑油が減速部入力軸油路145から減速部120の内部へ供給される軸心給油を実現して、減速部120を効果的に潤滑している。さらに、ケーシング111の外周面に形成された外周フィン171によって、潤滑油が冷やされ、モータ部110および減速部120を冷却している。
特開2011−79484号公報
ところが、上記のように、外周フィン171によって循環中に潤滑油を冷却しようとしても、外周フィン171等の吸熱部との接触時間や接触面積が少ない場合、循環中に潤滑油が十分に冷却されず、モータ部110および減速部120の温度上昇を効果的に低下させることができない。
そこで、この発明は、ケーシング内を循環する潤滑油の冷却効果の高いインホイールモータ駆動装置を提供することを課題とするものである。
前記の課題を解決するために、この発明は、ケーシングに収容されたモータ部と、前記モータ部のモータ回転軸と連結する入力軸と出力軸とを有し、前記入力軸の回転を減速して前記出力軸に伝達する減速部と、前記出力軸に固定連結される車輪ハブとを備え、ケーシング内にモータ部および減速部を冷却する潤滑油回路を有するインホイールモータ駆動装置において、前記潤滑油回路又は潤滑油回路の周辺に、潤滑油を一時的に保持することが可能な保持空間を設け、この保持空間に潤滑油の吸熱部を設けたことを特徴とする。
前記保持空間は、ケーシングの下部に設置された潤滑油のオイルタンクのフロントカバーの内面に一体に設けることができる。この場合、このフロントカバーの外面に放熱フィンを放熱部として配置する。
また、前記潤滑油回路をケーシングのリアカバーの内側を通過するように設け、このリアカバーの内面に前記保持空間を設けてもよい。この場合、リアカバーの外面に、放熱フィンを放熱部として配置する。
前記フロントカバー又はリアカバーの少なくとも一方の前記保持空間に磁石を設置し、潤滑油に混入する鉄粉を除去するようにしてもよい。
前記保持空間が、複数本並列する溝部によって形成することができる。
以上のように、この発明によれば、潤滑油の循環経路中に、潤滑油を一時的に保持する保持空間を有し、この保持空間に吸熱部を配置することにより、ケーシング内を循環する潤滑油の冷却効率を上げることができる。
インホイールモータ駆動装置を有する電気自動車の概略平面図である。 ホイールハウス内にこの発明の実施形態のインホイールモータ駆動装置を搭載した状態を示す概略図である。 インホイールモータ駆動装置の実施形態を示す縦断面図である。 インホイールモータ駆動装置の実施形態を車両の外側からみた外観図である。 インホイールモータ駆動装置のオイルタンクのフロントカバーを内面側から見た斜視図である。 インホイールモータ駆動装置の実施形態を車両の内側からみた外観図である。 インホイールモータ駆動装置のリヤカバーを内面側から見た概略図である。 図3の潤滑油ポンプを軸方向から見た図である。 図3のインホイールモータ駆動装置の減速部の拡大図である。 図3のX−X線に沿った縦断側面図である。 従来のインホイールモータ駆動装置を示す縦断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置を備えた電気自動車1は、図1に示すように、シャーシ2と、操舵輪としての前輪3と、駆動輪4(後輪)と、左右の駆動輪4それぞれに駆動力を伝達するインホイールモータ駆動装置Aとを備える。駆動輪4は、図2に示すように、シャーシ2のホイールハウス2aの内部に収容され、懸架装置(サスペンション)5を介してシャーシ2に支持されている。インホイールモータ駆動装置Aの搭載形態としては、図1に示す後輪駆動方式の他に、前輪駆動方式でも四輪駆動方式のいずれでも構わない。
懸架装置5は、左右に伸びるサスペンションアーム5aによって駆動輪4を支持すると共に、コイルスプリングとショックアブソーバとを含むストラット5bによって、駆動輪4が地面から受ける振動を吸収してシャーシ2への振動の伝達を抑制している。懸架装置5は、路面の凹凸に対する追従性を向上し、駆動輪4の駆動力を効率良く路面に伝達するために、左右の車輪を独立して上下させることができる独立懸架式とするのが望ましい。
この電気自動車1は、ホイールハウス2a内部に、左右の駆動輪4それぞれを駆動するインホイールモータ駆動装置Aを収容することによって、シャーシ2上にモータ、ドライブシャフト、およびデファレンシャルギヤ機構等を設ける必要がなくなるので、客室スペースを広く確保でき、かつ、左右の駆動輪の回転をそれぞれ制御することができるという利点を備えている。
インホイールモータ駆動装置Aは、図3に示すように、駆動力を発生させるモータ部10と、モータ部10の回転を減速して出力する減速部20と、減速部20からの出力を図示しない駆動輪に伝える車輪ハブ30とを備える。
モータ部10は、回転を出力するモータ回転軸14を有し、筒状の外周面に沿って形成された複数のフィンからなる外周フィン71を有するケーシング11に収容されている。
減速部20は、ケーシング11に収容され、モータ回転軸14と連結する入力軸22と出力軸26とを有し、入力軸22の回転を減速して出力軸26に伝達している。
車輪ハブ30は、減速部20の出力軸26に固定連結され、ケーシング11に回転自在に支持されている。
ケーシング11には、潤滑油を吐出する潤滑油ポンプ61が設けられている。ケーシング11には、潤滑油ポンプ61の油路43が設けられ、この油路43と、モータ回転軸14に設けられるモータ回転軸油路44と、入力軸22に設けられる減速部入力軸油路45とが相互に接続され、潤滑油ポンプ61から吐出される潤滑油が、ケーシング11に設けられる油路43、モータ回転軸油路44、減速部入力軸油路45、モータ部10の内部および減速部20の内部を循環して流れることにより、モータ部10および減速部20を潤滑するとともに、ケーシング11に設けられる油路43において外周フィン71によって冷やされた潤滑油がこれらモータ部10および減速部20を冷却する潤滑油回路を構成している。
これにより、潤滑油が減速部入力軸油路45から減速部20の内部へ供給される軸心給油を実現して、減速部20を効果的に潤滑している。さらに、ケーシング11の外周面に形成された外周フィン71によって、潤滑油が冷やされ、モータ部10および減速部20を冷却している。
ケーシング11の外周フィン71は、筒状の外周面に沿って形成される表面積が大きな凹凸形状のフィンであればよく、放熱効果が高いものである。外周フィン71は、ケーシング11のうちモータ部10を収容する部位の外側表面に少なくとも形成し、発熱量が最も大きなモータ部10の放熱を促進している。
モータ部10は、図3に示すように、例えば、ケーシング11の内周面にステータ12を設け、このステータ12の内周に間隔をおいてロータ13を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。
ロータ13は、モータ回転軸14を中心部に有し、そのモータ回転軸14は減速部20の入力軸22と接続して減速部20のモータ回転軸14内に挿入され、軸受15によってケーシング11に対して回転自在に支持されている。
減速部20の下部に潤滑油のオイルタンク41が設けられ、オイルタンク41内の潤滑油を潤滑油ポンプ61によって吸い込み、モータ部10と減速部20に潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている。
潤滑油の帰還通路48は、減速部20のケーシング11の底部に設けられた排出口49、オイルタンク41を経て潤滑油ポンプ61の吸入口に至る通路により構成される。
オイルタンク41には、図4に示すように、フロントカバー41aがボルト41bによって取り外し可能に設けられている。
このフロントカバー41aの内面には、オイルタンク41に流入する潤滑油を一時的に保持する保持空間72を設けている。
保持空間72は、図5に示すように、フロントカバー41a側が低く傾斜する溝部72aが複数本並列するように設けられ、溝部72aのフロントカバー41a側の端部に排油口72bを設け、溝部72aに流入した潤滑油が排油口72bから流出するまでの時間、潤滑油が溝部72a内に保持され、溝部72aの壁面から潤滑油の吸熱が行われる。
フロントカバー41aの外面には、図4に示すように、放熱フィン73を設けている。この放熱フィン73によって、溝部72aの壁面から吸熱した潤滑油の熱が効率的に外部に放出され、冷却された潤滑油がオイルタンク41へと循環される。
一方、ケーシング11の背面には、図3に示すように、リアカバー11aをボルト11cによって取り外し可能に設置している。
モータ部10のリアカバー11aの内面には、図7に示すように、モータ部10内に流入して跳ね上げられた潤滑油をモータ部10内で一時的に保持する保持空間74を設けている。
このリアカバー11aの内面の保持空間74は、上面が開口する水平方向に長い溝部74aを上下に複数並列するように設けられている。複数本の溝部74aは、両端が低くなった溝部74aと両端が高くなった溝部74aとが交互に形成され、両端が高くなった溝部74aの中央には、排油口74bが形成されている。
リアカバー11aの溝部74aに流入した潤滑油は、溝部74aを通過する間に、リアカバー11aの壁面から放熱される。
図6に示すように、リアカバー11aの外面には放熱フィン75を設けている。この放熱フィン75によって、リアカバー11aの溝部74aの壁面から吸熱した潤滑油の熱が効率的に外部に放出される
モータ部10内に流入した潤滑油は、モータ部10のケーシング11の下部とオイルタンク41とを繋ぐ油路42からオイルタンク41に送られる。
前記フロントカバー41aとリアカバー11aの潤滑油回路中に、磁石(図示省略)を設置することにより、潤滑油中に混入する鉄粉を吸着してモータ部10および減速部20にクリーンな潤滑油を供給することができる。また、フロントカバー41a、リアカバー11aを取り外して、潤滑油中に混入する鉄粉を回収することができる。
ここで、潤滑油ポンプ61は、図8に示すように、減速部20の出力軸26の回転を利用して回転するインナーロータ62と、インナーロータ62の回転に伴って従動回転するアウターロータ63と、ポンプ室64と、帰還通路48に連通する吸入口65と、油路43に連通する吐出口66とを備えるサイクロイドポンプである。
インナーロータ62は、外径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分62aの形状がエピサイクロイド曲線、歯溝部分62bの形状がハイポサイクロイド曲線となっている。このインナーロータ62は、出力軸26と一体回転する。
アウターロータ63は、内径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分63aの形状がハイポサイクロイド曲線、歯溝部分63bの形状がエピサイクロイド曲線となっている。このアウターロータ63は、ポンプケース67に回転自在に支持されている。
インナーロータ62は、回転中心c1を中心として回転する。一方、アウターロータ63は、インナーロータの回転中心c1と異なる回転中心c2を中心として回転する。また、インナーロータ62の歯数をnとすると、アウターロータ63の歯数は(n+1)となる。なお、この実施形態においては、n=5としている。
インナーロータ62とアウターロータ63との間の空間には、複数のポンプ室64が設けられている。そして、インナーロータ62がモータ回転軸14の回転を利用して回転すると、アウターロータ63は従動回転する。このとき、インナーロータ62およびアウターロータ63はそれぞれ異なる回転中心c1、c2を中心として回転するので、ポンプ室64の容積は連続的に変化する。これにより、吸入口65から流入した潤滑油が吐出口66から油路43に圧送される。
減速部20は、図9及び図10に示すように、サイクロイド式を採用している。この減速部20は、入力軸22の2箇所に設けられた偏心軸部23によって2枚の曲線板24を回転自在に支持し、その曲線板24の外周に形成された波形歯形24aを減速部20のケーシング11の内側に配設された外ピン25に噛合し、上記入力軸22の回転により曲線板24を偏心揺動運動させ、その曲線板24の自転を入力軸22と同軸上に配置された出力軸26から出力し、車輪ハブ30を回転させている(図3参照)。
減速部20のケーシング11の内側に配設された外ピン25の数は、曲線板24の外周の波形歯形24aより多い。
外ピン25は、減速部20のケーシング11の内径面に隙間を介してフローティング状態に支持された外ピンハウジング50に設けられている。
入力軸22は、その一端部がスプライン嵌合によりモータ部10のモータ回転軸14に接続されてモータ部10により回転駆動されるようになっており(図3参照)、その他端部の2箇所に偏心軸部23が設けられている。
偏心軸部23は、入力軸22の軸方向に一対設けられている。その一対の偏心軸部23は、円筒状外径面の中心が周方向に180°位相がずれるようにして設けられ、その一対の偏心軸部23のそれぞれの外径面に転がり軸受28が嵌合されている。
一対の偏心軸部23を設けた入力軸22には、一対の偏心軸部23を挟むように一対のカウンタウェイト55を、周方向に180°位相をずらして設けている。
一対の曲線板24は、それぞれ転がり軸受28によって入力軸22に回転自在に支持され、その外周に形成された波形歯形24aはトロコイド曲線歯形とされている。図10に示すように、曲線板24には、回転軸心を中心とする一つの円上に複数のピン孔24bが等間隔に形成され、軸方向に並ぶ一対のピン孔24bのそれぞれに内ピン29が余裕をもって挿入され、その内ピン29に回転自在に支持されたころ29aの外周一部がピン孔24bの内周一部に接触している。
減速部20は、図9に示すように、偏心軸部23に回転自在に保持される公転部材としての曲線板24と、曲線板24の外周部の波形歯形24aに係合する複数の外ピン25と、曲線板24の自転運動を出力する出力軸26と、2枚の曲線板24の隙間に取り付けられてこれら曲線板24の端面に当接して曲線板の傾きを防止するセンターカラー24cとを備える。
出力軸26は、フランジ部26aと軸部26bとを有する。フランジ部26aには、出力軸26の回転軸線Oを中心とする円周上に、内ピン29が等間隔に固定されている。軸部26bの外径面には、車輪ハブ30が固定されている(図3参照)。
外ピン25は、図10に示すように、入力軸22の回転軸線Oの円周軌道上に等間隔に設けられる。そして、曲線板24が公転運動すると、外周の波形歯形24aと外ピン25とが係合して、曲線板24に自転運動を生じさせる。
ケーシング11に配設された外ピン25は、ケーシング11に直接保持されているわけではなく、図9に示すように、ケーシング11の内壁に対してフローティング状態に支持された外ピンハウジング50に保持されている。より具体的には、外ピン25は、軸方向両端部が外ピンハウジング50に対して針状ころ軸受51によって回転自在に支持されている。このように、外ピン25を外ピンハウジング50に対して回転自在にすることにより、曲線板24との係合による接触抵抗を低減することができる。
外ピンハウジング50は、円筒部50aと、円筒部50aの軸方向両端部から径方向内側に延びる一対のリング部50bとを備えている。
外ピンハウジング50の一対のリング部50bの内周には、出力軸26が軸受52を介して回転自在に支持されている。また、出力軸26のフランジ部26aの内径面と入力軸22の外径面とは、軸受53を介して相対的に回転可能に支持されている。
曲線板24は、出力軸26の対向するフランジ部26a間に組み込まれている。また、出力軸26の対向するフランジ部26aには、組み込まれた曲線板24のピン孔24bを貫通する内ピン29の両端が支持されている。
出力軸26の対向するフランジ部26aに支持された複数の内ピン29は、入力軸22の回転軸線Oを中心とする円周軌道上に等間隔に設けられ、曲線板24との摩擦抵抗を低減するために、曲線板24のピン孔24bの内壁面に当接する位置に針状ころ軸受29aが設けられている。ピン孔24bの内径寸法は、内ピン29の外径寸法(「針状ころ軸受29aを含む最大外径」を指す。以下同じ。)より所定分大きく設定されている。
外ピンハウジング50の径方向内側に延びる一対のリング部50bには、それぞれ厚み方向に貫通する複数の外ピン保持孔50cが設けられている。外ピン保持孔50cは、それぞれ入力軸22の回転軸線Oと平行な方向に延びて、針状ころ軸受51の外輪51aを保持している。また、一対のリング部50bの対応する外ピン保持孔50cは、周方向の同位置に設けられて互いに対面している。即ち、1対の外ピン保持孔50cの中心軸線は一致し、外ピンハウジング50をケーシング11に取り付けると、この外ピン保持孔50cの中心軸線は、入力軸22の回転軸線Oと平行になる。
これにより、外ピン25を入力軸22の回転軸線Oと平行に保持することができる。なお、外ピン保持孔50cは同時加工で同時に形成することができるので、対向する外ピン保持孔50cの中心軸線を比較的簡単に一致させることができる。
また、インホイールモータ駆動装置Aの軽量化の観点から、ケーシング11は、アルミ合金やマグネシウム合金等の軽金属で形成する。一方、高い強度が求められる外ピンハウジング50は、炭素鋼で形成するのが望ましい。
図9に示すように、外ピンハウジング50のリング部50bの側面には、外ピン25の軸方向の抜け出しを防止するために、外ピンスラストプレート50dが固定されている。
図3に示すように、車輪ハブ30は、出力軸26の軸部26bの外径面に固定連結された内輪部材32と、内輪部材32をケーシング11に対して回転自在に保持する外輪部材33とを備える。内輪部材32と外輪部材33とは複列アンギュラ玉軸受を構成し、内輪部材32と外輪部材33の間に複列の転動体34を設置している。内輪部材32には、フランジ部35が一体に設けられ、フランジ部35にはボルト36によって駆動輪4が固定連結される(図2参照)。
上記構成のインホイールモータ駆動装置Aの作動原理を詳しく説明する。
モータ部10は、例えば、ステータ12のコイルに交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石または磁性体によって構成されるロータ13が回転する。
これにより、ロータ13に接続されたモータ回転軸14が回転すると、曲線板24はモータ回転軸14の回転軸線Oを中心として公転運動する。このとき、外ピン25が、曲線板24の曲線形状の波形と転がり接触するよう係合して、曲線板24をモータ回転軸14の回転とは逆向きに自転運動させる。
曲線板24のピン孔24bに挿通する内ピン29の外径は、ピン孔24bの内径よりも小さく、曲線板24の自転運動に伴ってピン孔24bの内壁面と当接する。これにより、曲線板24の公転運動が内ピン29に伝わらず、曲線板24の自転運動のみが出力軸26を介して車輪ハブ30に伝達される。
このとき、回転軸線Oと同軸に配置された出力軸26は、減速部20の出力軸として曲線板24の自転を取り出し、モータ回転軸14の回転が減速部20によって減速されて出力軸26に伝達されるので、低トルク、高回転型のモータ部10を採用した場合でも、駆動輪に必要なトルクを伝達することが可能となる。
なお、上記構成の減速部20の減速比は、外ピン25の数をZ、曲線板24の波形の数をZとすると、(Z−Z)/Zで算出される。図10に示す実施形態では、Z=12、Z=11であるので、減速比は1/11と、非常に大きな減速比を得ることができる。
このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速部20を採用することにより、コンパクトで高減速比のインホイールモータ駆動装置Aを得ることができる。また、外ピン25を外ピンハウジング50に対して回転自在とし、内ピン29の曲線板24に当接する位置に針状ころ軸受29aを設けたことにより、摩擦抵抗が低減されるので、減速部20の伝達効率が向上する。
なお、前記の実施形態においては、減速部20の曲線板24を180°位相を変えて2枚設けたが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120°位相を変えて設けるとよい。
また、前記の実施形態における作動の説明は、各部材の回転に着目して行ったが、実際にはトルクを含む動力がモータ部10から駆動輪4に伝達される。したがって、上述のように減速された動力は高トルクに変換されたものとなっている。
また、前記の実施形態における作動の説明では、モータ部10に電力を供給してモータ部10を駆動させ、モータ部10からの動力を駆動輪4に伝達させたが、これとは逆に、車両が減速したり坂を下ったりするようなときは、駆動輪4側からの動力を減速部20で高回転低トルクの回転に変換してモータ部10に伝達し、モータ部10で発電しても良い。さらに、ここで発電した電力は、バッテリーに蓄電しておき、後でモータ部10を駆動させたり、車両に備えられた他の電動機器等の作動に用いてもよい。
また、前記の実施形態においては、モータ部10にケーシング11に固定されるステータ12と、ステータ12の内側に径方向の隙間を空けて対面する位置に配置されるロータ13とを備えるラジアルギャップモータを採用した例を示したが、これに限ることなく、任意の構成のモータが適用可能である。例えばステータとロータとが軸方向に開いた隙間を介して対向配置されるアキシアルギャップモータであってもよい。
さらに、この発明に係るインホイールモータ駆動装置Aにおいては、サイクロイド式の減速機を採用した例を示したが、これに限ることなく、遊星減速機、2軸並行減速機、その他の減速機であってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、インホイールモータ駆動装置Aと内燃機関とを併用したハイブリッドカー等をも含むものとして理解すべきである。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
1 電気自動車
2 シャーシ
2a ホイールハウス
3 前輪
4 駆動輪
5 懸架装置
5a サスペンションアーム
5b ストラット
10 モータ部
11 ケーシング
11a リアカバー
11c ボルト
12 ステータ
13 ロータ
14 モータ回転軸
15 軸受
20 減速部
22 入力軸
23 偏心軸部
24 曲線板
24a 波形歯形
24b ピン孔
24c センターカラー
25 外ピン
26 出力軸
26a フランジ部
26b 軸部
28 転がり軸受
29 内ピン
29a 軸受
30 車輪ハブ
32 内輪部材
33 外輪部材
34 転動体
35 フランジ部
36 ボルト
41 オイルタンク
41a フロントカバー
41b ボルト
42 油路
43 油路
43a 背面油路
44 モータ回転軸油路
45 減速部入力軸油路
48 帰還通路
49 排出口
50 外ピンハウジング
50a 円筒部
50b リング部
50c 外ピン保持孔
50d 外ピンスラストプレート
51 軸受
51a 外輪
52 軸受
53 軸受
55 カウンタウェイト
61 潤滑油ポンプ
62 インナーロータ
62a 歯先部分
62b 歯溝部分
63 アウターロータ
63a 歯先部分
63b 歯溝部分
64 ポンプ室
65 吸入口
66 吐出口
67 ポンプケース
71 外周フィン
72 保持空間
72a 溝部
72b 排油口
73 放熱フィン
74 保持空間
74a 溝部
74b 排油口
75 放熱フィン
A インホイールモータ駆動装置
O 回転軸線
c1 回転中心
c2 回転中心

Claims (6)

  1. ケーシングに収容されたモータ部と、前記モータ部のモータ回転軸と連結する入力軸と出力軸とを有し、前記入力軸の回転を減速して前記出力軸に伝達する減速部と、前記出力軸に固定連結される車輪ハブとを備え、ケーシング内にモータ部および減速部を冷却する潤滑油回路を有するインホイールモータ駆動装置において、前記潤滑油回路又は潤滑油回路の周辺に、潤滑油を一時的に保持することが可能な保持空間を設け、この保持空間に潤滑油の吸熱部を設けたことを特徴とするインホイールモータ駆動装置。
  2. 前記保持空間をケーシングの下部に設置された潤滑油のオイルタンクのフロントカバーの内面に一体に設け、このフロントカバーの外面に放熱フィンを配置したことを特徴とする請求項1記載のインホイールモータ駆動装置。
  3. 前記潤滑油回路をケーシングのリアカバーの内側を通過するように設け、このリアカバーの内面に前記保持空間を設け、リアカバーの外面に放熱フィンを配置したことを特徴とする請求項1又は2記載のインホイールモータ駆動装置。
  4. 前記フロントカバー又はリアカバーの少なくとも一方の前記保持空間に磁石を設置したことを特徴とする請求項2又は3に記載のインホイールモータ駆動装置。
  5. 前記保持空間が、複数本並列する溝部によって形成されている請求項1〜4のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
  6. 前記溝部に、排油口を設けた請求項5に記載のインホイールモータ駆動装置。
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