JP2015058732A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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尚弘 岡田
Naohiro Okada
尚弘 岡田
佐藤 勝則
Katsunori Sato
勝則 佐藤
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Abstract

【課題】 ユニットの大型化を招くことなく、高負荷低速走行時等の走行風が少ないときでも効果的な冷却が行える冷却システムを備えるインホイールモータ駆動装置搭載車両を提供する。【解決手段】 車体に取り付けられるユニットハウジング11の内部に、駆動力を発生させる電動モータが収容されているインホイールモータ駆動装置と、前記ユニットハウジング11が設置されるホイールハウス内2aに、前記ユニットハウジング11に向けて冷却水Bを噴射するノズル70を設け、負荷低速走行時等の走行風が少ないときでも気化熱によってユニットハウジング11を効果的に冷却するようにした。【選択図】 図2

Description

この発明は、冷却システムを備えるインホイールモータ駆動装置を搭載した車両に関するものである。
インホイールモータ駆動装置は、自動車のホイールの内側空間部分に設置されるものであり、車体に取り付けられるユニットハウジングの内部に駆動力を発生させる電動モータと電動モータの回転を減速して車輪ハブに伝達する減速機とを備える。
インホイールモータ駆動装置を高負荷状態又は高速回転状態で運転した場合、ユニットハウジング内部の温度の上昇により、電動モータの効率の低下や潤滑油の粘度低下に伴い内部部品が損傷するおそれがある。
このため、走行中に加熱したインホイールモータ駆動装置を効率的に冷却するシステムが必要となる。
従来、風冷によってユニットハウジングを冷却することが行われているが、車体のホイールハウス内では気流の乱れが発生するため、風冷のみで効率的にインホイールモータ駆動装置のユニットハウジングを冷却することは難しい。また、ユニットハウジング内に冷媒を通して行う冷却方法は、ユニットハウジングが大型化するという問題がある。
また、従来、ユニットハウジングに空気取り入れ口を設け、走行風を空気取り入れ口からユニットハウジング内に取り入れて、ユニットハウジングを効果的に冷却しようとする技術が特許文献1に開示されている。
特開2008−213777号公報
ところが、ユニットハウジングに空気取り入れ口を設ける特許文献1の冷却システムは、ユニットハウジングの外周面に、空気取り入れ口を別部材として取り付けるため、部品点数の増加、バネ下重量の増加、ユニットの大型化を招くデメリットがある。また、高負荷低速走行時等の走行風が少ないときに効果的な冷却ができないという問題もある。
そこで、この発明は、ユニットの大型化を招くことなく、高負荷低速走行時等の走行風が少ないときでも効果的な冷却が行える冷却システムを備えるインホイールモータ駆動装置を提供することを課題とするものである。
前記の課題を解決するために、この発明は、車体に取り付けられるユニットハウジングの内部に、駆動力を発生させる電動モータが収容され、前記電動モータの回転を車輪に伝達する車輪ハブを有するインホイールモータ駆動装置搭載車両において、前記ユニットハウジングが設置されるホイールハウス内に、前記ユニットハウジングに向けて冷却水を噴射するノズルを設けたことを特徴とする。
前記冷却水を噴射するノズルには、ウィンドウォシャー液のタンクからウィンドウォシャー液を冷却水として供給してもよい。
前記ホイールハウス内に、ホイールハウス内の空気を抜く電動ファンを設置し、前記ユニットハウジング内の温度や運転状況に応じて、前記ノズルからの冷却水の噴射と前記電動ファンの駆動を制御する制御手段を備えてもよい。
前記ユニットハウジングの表面には、放熱用のフィンを形成しておくことが望ましい。
前記ユニットハウジング内には、駆動力を発生させる電動モータと電動モータの回転を減速して車輪ハブに伝達する減速機を収容してもよいし、電動モータのみを収容するようにしてもよい。
以上のように、この発明によれば、ホイールハウス内に設置されるユニットハウジングの外面に冷却水を噴射することにより、高負荷低速走行時等の走行風が少ないときでも気化熱によってユニットハウジングを効果的に冷却することができる。
インホイールモータ駆動装置を有する電気自動車の概略平面図である。 ホイールハウス内にインホイールモータ駆動装置を設置した状態を示す概略図である。 ホイールハウス内に設置した電動ファンとノズルからの冷却水の噴射との制御フローの一例を示すフローチャートである。 インホイールモータ駆動装置の実施形態を示す縦断面図である。 図4の回転ポンプを軸方向から見た図である。 図4のインホイールモータ駆動装置の減速機の拡大図である。 図4のVII−VII線に沿った断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置を備えた電気自動車1は、図1に示すように、シャーシ2と、操舵輪としての前輪3と、駆動輪4(後輪)と、左右の駆動輪4それぞれに駆動力を伝達するインホイールモータ駆動装置Aとを備える。駆動輪4は、図2に示すように、シャーシ2のホイールハウス2aの内部に収容され、懸架装置(サスペンション)5を介してシャーシ2に支持されている。インホイールモータ駆動装置Aの搭載形態としては、図1に示す後輪駆動方式の他に、前輪駆動方式でも四輪駆動方式のいずれでも構わない。
懸架装置5は、左右に伸びるサスペンションアーム5aによって駆動輪4を支持すると共に、コイルスプリングとショックアブソーバとを含むストラット5bによって、駆動輪4が地面から受ける振動を吸収してシャーシ2への振動の伝達を抑制している。懸架装置5は、路面の凹凸に対する追従性を向上し、駆動輪4の駆動力を効率良く路面に伝達するために、左右の車輪を独立して上下させることができる独立懸架式とするのが望ましい。
この電気自動車1は、ホイールハウス2a内部に、左右の駆動輪4それぞれを駆動するインホイールモータ駆動装置Aを収容することによって、シャーシ2上にモータ、ドライブシャフト、およびデファレンシャルギヤ機構等を設ける必要がなくなるので、客室スペースを広く確保でき、かつ、左右の駆動輪の回転をそれぞれ制御することができるという利点を備えている。
インホイールモータ駆動装置Aは、図4に示すように、駆動力を発生させる電動モータ10と、電動モータ10の回転を減速して出力する減速機20と、減速機20からの出力を駆動輪4(図2参照)に伝える車輪ハブ軸受部30とを備える。
上記電動モータ10および減速機20は、ユニットハウジング11内に収容されている。ユニットハウジング11は、電動モータ10側のハウジング11aと、減速機20側のハウジング11bとからなり、ハウジング11aとハウジング11bとは、ボルト21によって軸方向に接続されている。
この発明は、図2に示すように、ホイールハウス2a内に、インホイールモータ駆動装置Aのユニットハウジング11に向けて冷却水Bを噴射するノズル70を設置している。
ノズル70からユニットハウジング11に向かって冷却水Bを噴射することにより、気化熱によってユニットハウジング11が冷却される。
ノズル70に供給する冷却水は、専用の冷却水タンクとポンプを設置してもよいが、自動車には、ウィンドウォッシャー液が設置されているので、ウィンドウォッシャー液を、冷却水Bの供給システムとして共用し、ウィンドウォッシャー液を冷却水として使用することにより、冷却水用の水路やタンク等を別途を設ける必要がなくなり、冷却水Bの供給システムをコンパクトでシンプルな設計にすることができる。
また、エアコンのダクト水をノズル70に供給し、冷却水Bとして使用してもよい。
冷却水Bは、ノズル70から棒状、シャワー状又は霧状にして噴射する。
ユニットハウジング11に冷却水Bを噴射し、気化熱によりユニットハウジング11を効率的に冷却するために、ユニットハウジング11の表面に、放熱用のフィン71を設け、表面積を大きくしておくことが好ましい。
また、冷却水Bの気化熱による冷却効果を高めるために、ホイールハウス2a内に、風を送ったり、あるいはユニットハウジング周辺の空気を抜いたりすることができる電動ファン(図示省略)を設けるようにしてもよい。
この電動ファンの駆動による送風と、ノズル70からの冷却水Bの噴射は、ユニットハウジング11内の温度や運転状況に応じて制御され、その制御手段は、例えば、図3に示す制御フローに従って実行される。
制御を開始すると、まず、ステップ1において、ユニットハウジング11内の潤滑油の油温が、所定の閾値温度を超えているかどうかを判定する。そして、油温が、閾値温度が超えていなければ、電動ファンの駆動による送風も、ノズル70からの冷却水Bの噴射も行わない。
ステップ1において、ユニットハウジング11内の潤滑油の油温が、所定の閾値温度を超えていると判定すると、電動ファンの駆動による送風を開始する。
そして、電動ファンの駆動による送風を開始した後、所定時間を経過すると、ステップ2に移行し、ユニットハウジング11内の潤滑油の油温が所定の閾値温度を超えているかどうかを再度判定し、油温が閾値温度よりも低下していると、電動ファンの駆動を停止する。ステップ2において、ユニットハウジング11内の潤滑油の油温が所定の閾値温度を超えていると判定した場合には、電動ファンの駆動を停止すると共に、ノズル70からの冷却水Bの噴射を開始する。
ノズル70からの冷却水Bの噴射を開始した後、所定時間を経過すると、ステップ3に移行し、ユニットハウジング11内の潤滑油の油温が所定の閾値温度を超えているかどうかを判定し、油温が閾値温度よりも低下していると、ノズル70からの冷却水Bの噴射を停止する。
ステップ3において、ユニットハウジング11内の潤滑油の油温が所定の閾値温度がいまだ超えていると判定された場合には、電動ファンの駆動による送風とノズル70からの冷却水Bの噴射を続行する。
電動ファンの駆動による送風とノズル70からの冷却水Bの噴射を開始した後、所定時間が経過すると、ステップ4に移行し、ユニットハウジング11内の潤滑油の油温が所定の閾値温度以下になるまで、電動ファンの駆動による送風とノズル70からの冷却水Bの噴射を続行し、ユニットハウジング11内の潤滑油の油温が所定の閾値温度以下になると、電動ファンの駆動による送風とノズル70からの冷却水Bの噴射を停止する。システムによっては『ファン駆動停止+冷却水噴射』のステップを省略してもよい。
電動モータ10は、図4に示すように、例えば、ハウジング11aの内周面にステータ12を設け、このステータ12の内周に間隔をおいてロータ13を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。
ロータ13は、モータ軸14を中心部に有し、そのモータ軸14は減速機20の入力軸22と接続して減速機20のハウジング11b内に挿入され、軸受15によってハウジング11aに対して回転自在に支持されている。
減速機20のハウジング11bには、下部に潤滑油のオイルタンク41が設けられ、オイルタンク41内の潤滑油をオイルポンプ61によって吸い込み、電動モータ10と減速機20に潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている。
潤滑油は、電動モータ10の回転により駆動されるオイルポンプ61の吐出口66からハウジング11aの内側に沿って後方に延びる給油通路43と、モータ軸14の後端部からその内部通路44と、減速機20の入力軸22の内部通路45を経て減速機20の内部に供給される。
潤滑油の帰還通路48は、減速機20のハウジング11bの底部に設けられた排出口49、オイルタンク41を経てオイルポンプ61の吸入口に至る通路により構成される。
ここで、オイルポンプ61は、図5に示すように、電動モータ10のモータ軸14によって駆動された減速機20の出力回転を利用して回転するインナーロータ62と、インナーロータ62の回転に伴って従動回転するアウターロータ63と、ポンプ室64と、帰還通路48に連通する吸入口65と、給油通路43に連通する吐出口66とを備えるサイクロイドポンプである。
インナーロータ62は、外径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分62aの形状がエピサイクロイド曲線、歯溝部分62bの形状がハイポサイクロイド曲線となっている。このインナーロータ62は、出力軸26と一体回転する(図4参照)。
アウターロータ63は、内径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分63aの形状がハイポサイクロイド曲線、歯溝部分63bの形状がエピサイクロイド曲線となっている。このアウターロータ63は、ポンプケース67に回転自在に支持されている。
インナーロータ62は、回転中心c1を中心として回転する。一方、アウターロータ63は、インナーロータの回転中心c1と異なる回転中心c2を中心として回転する。また、インナーロータ62の歯数をnとすると、アウターロータ63の歯数は(n+1)となる。なお、この実施形態においては、n=5としている。
インナーロータ62とアウターロータ63との間の空間には、複数のポンプ室64が設けられている。そして、インナーロータ62がモータ軸14の回転を利用して回転すると、アウターロータ63は従動回転する。このとき、インナーロータ62およびアウターロータ63はそれぞれ異なる回転中心c1、c2を中心として回転するので、ポンプ室64の容積は連続的に変化する。これにより、吸入口65から流入した潤滑油が吐出口66から給油通路43に圧送される。
減速機20は、図6及び図7に示すように、サイクロイド式を採用している。この減速機20は、入力軸22の2箇所に設けられた偏心軸部23によって2枚の曲線板24を回転自在に支持し、その曲線板24の外周に形成された波形歯形24aを減速機20のハウジング11bの内側に配設された外ピン25に噛合し、上記入力軸22の回転により曲線板24を偏心揺動運動させ、その曲線板24の自転を入力軸22と同軸上に配置された出力軸26から出力し、車輪ハブ31を回転させている(図4参照)。
減速機20のハウジング11bの内側に配設された外ピン25の数は、曲線板24の外周の波形歯形24aより多い。
外ピン25は、減速機20のハウジング11bの内径面に隙間を介してフローティング状態に支持された外ピンハウジング50に設けられている。
入力軸22は、その一端部がスプライン嵌合により電動モータ10のモータ軸14に接続されて電動モータ10により回転駆動されるようになっており(図4参照)、その他端部の2箇所に偏心軸部23が設けられている。
2枚の偏心軸部23は、それぞれ入力軸22の軸方向に一対設けられている。その一対の偏心軸部23は、円筒状外径面の中心が周方向に180°位相がずれるようにして設けられ、その一対の偏心軸部23のそれぞれの外径面に転がり軸受28が嵌合されている。
一対の偏心軸部23を設けた入力軸22には、一対の偏心軸部23を挟むように一対のカウンタウェイト55を、周方向に180°位相をずらして設けている。
2枚の曲線板24は、それぞれ転がり軸受28によって入力軸22に回転自在に支持され、その外周に形成された波形歯形24aはトロコイド曲線歯形とされている。図7に示すように、曲線板24には、回転軸心を中心とする一つの円上に複数のピン孔24bが等間隔に形成され、軸方向に並ぶ一対のピン孔24bのそれぞれに内ピン29が余裕をもって挿入され、その内ピン29に回転自在に支持されたころ29aの外周一部がピン孔24bの内周一部に接触している。
減速機20は、図6に示すように、一対の偏心軸部23に回転自在に保持される公転部材としての一対の曲線板24と、曲線板24の外周部の波形歯形24aに係合する複数の外ピン25と、曲線板24の自転運動を出力する出力軸26と、一対の曲線板24の隙間に取り付けられてこれら曲線板24の端面に当接して曲線板の傾きを防止するセンターカラー24cとを備える。
出力軸26は、フランジ部26aと軸部26bとを有する。フランジ部26aには、出力軸26の回転軸線Oを中心とする円周上に、内ピン29が等間隔に固定されている。軸部26bの外径面には、車輪ハブ31が固定されている(図4参照)。
外ピン25は、図7に示すように、入力軸22の回転軸線Oの円周軌道上に等間隔に設けられる。そして、曲線板24が公転運動すると、外周の波形歯形24aと外ピン25とが係合して、曲線板24に自転運動を生じさせる。
ハウジング11bに配設された外ピン25は、ハウジング11bに直接保持されているわけではなく、図6に示すように、ハウジング11bの内壁に対してフローティング状態に支持された外ピンハウジング50に保持されている。より具体的には、外ピン25は、軸方向両端部が外ピンハウジング50に対して針状ころ軸受51によって回転自在に支持されている。このように、外ピン25を外ピンハウジング50に対して回転自在にすることにより、曲線板24との係合による接触抵抗を低減することができる。
外ピンハウジング50は、円筒部50aと、円筒部50aの軸方向両端部から径方向内側に延びる一対のリング部50bとを備えている。
外ピンハウジング50の一対のリング部50bの内周には、出力軸26が軸受52を介して回転自在に支持されている。また、出力軸26のフランジ部26aの内径面と入力軸22の外径面とは、軸受53を介して相対的に回転可能に支持されている。
曲線板24は、出力軸26の対向するフランジ部26a間に組み込まれている。また、出力軸26の対向するフランジ部26aには、組み込まれた曲線板24のピン孔24bを貫通する内ピン29の両端が支持されている。
出力軸26の対向するフランジ部26aに支持された複数の内ピン29は、入力軸22の回転軸線Oを中心とする円周軌道上に等間隔に設けられ、曲線板24との摩擦抵抗を低減するために、曲線板24のピン孔24bの内壁面に当接する位置に針状ころ軸受29aが設けられている。ピン孔24bの内径寸法は、内ピン29の外径寸法(「針状ころ軸受29aを含む最大外径」を指す。以下同じ。)より所定分大きく設定されている。
外ピンハウジング50の径方向内側に延びる一対のリング部50bには、それぞれ厚み方向に貫通する複数の外ピン保持孔50cが設けられている。外ピン保持孔50cは、それぞれ入力軸22の回転軸線Oと平行な方向に延びて、針状ころ軸受51の外輪51aを保持している。また、一対のリング部50bの対応する外ピン保持孔50cは、周方向の同位置に設けられて互いに対面している。即ち、1対の外ピン保持孔50cの中心軸線は一致し、外ピンハウジング50をハウジング11bに取り付けると、この外ピン保持孔50cの中心軸線は、入力軸22の回転軸線Oと平行になる。
これにより、外ピン25を入力軸22の回転軸線Oと平行に保持することができる。なお、外ピン保持孔50cは同時加工で同時に形成することができるので、対向する外ピン保持孔50cの中心軸線を比較的簡単に一致させることができる。
また、インホイールモータ駆動装置Aの軽量化の観点から、ハウジング11a、11bは、アルミ合金やマグネシウム合金等の軽金属で形成する。一方、高い強度が求められる外ピンハウジング50は、炭素鋼で形成するのが望ましい。
図6に示すように、外ピンハウジング50のリング部50bの側面には、外ピン25の軸方向の抜け出しを防止するために、外ピンスラストプレート50dが固定されている。
図4に示すように、車輪ハブ軸受部30は、出力軸26の軸部26bの外径面に固定連結された内輪部材32と、内輪部材32をハウジング11bに対して回転自在に保持する外輪部材33とを備える。内輪部材32と外輪部材33とは複列アンギュラ玉軸受を構成し、内輪部材32と外輪部材33の間に複列の転動体34を設置している。内輪部材32には、フランジ部35が一体に設けられ、フランジ部35にはボルト36によって駆動輪4が固定連結される(図2参照)。
上記構成のインホイールモータ駆動装置Aの作動原理を詳しく説明する。
電動モータ10は、例えば、ステータ12のコイルに交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石または磁性体によって構成されるロータ13が回転する。
これにより、ロータ13に接続されたモータ軸14が回転すると、曲線板24はモータ軸14の回転軸線Oを中心として公転運動する。このとき、外ピン25が、曲線板24の曲線形状の波形と転がり接触するよう係合して、曲線板24をモータ軸14の回転とは逆向きに自転運動させる。
曲線板24のピン孔24bに挿通する内ピン29の外径は、ピン孔24bの内径よりも小さく、曲線板24の自転運動に伴ってピン孔24bの内壁面と当接する。これにより、曲線板24の公転運動が内ピン29に伝わらず、曲線板24の自転運動のみが出力軸26を介して車輪ハブ軸受部30に伝達される。
このとき、回転軸線Oと同軸に配置された出力軸26は、減速機20の出力軸として曲線板24の自転を取り出し、モータ軸14の回転が減速機20によって減速されて出力軸26に伝達されるので、低トルク、高回転型の電動モータ10を採用した場合でも、駆動輪に必要なトルクを伝達することが可能となる。
なお、上記構成の減速機20の減速比は、外ピン25の数をZ、曲線板24の波形の数をZとすると、(Z−Z)/Zで算出される。図7に示す実施形態では、Z=12、Z=11であるので、減速比は1/11と、非常に大きな減速比を得ることができる。
このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速機20を採用することにより、コンパクトで高減速比のインホイールモータ駆動装置Aを得ることができる。また、外ピン25を外ピンハウジング50に対して回転自在とし、内ピン29の曲線板24に当接する位置に針状ころ軸受29aを設けたことにより、摩擦抵抗が低減されるので、減速機20の伝達効率が向上する。
なお、前記の実施形態においては、減速機20の曲線板24を180°位相を変えて2枚設けたが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120°位相を変えて設けるとよい。
また、前記の実施形態における作動の説明は、各部材の回転に着目して行ったが、実際にはトルクを含む動力が電動モータ10から駆動輪4に伝達される。したがって、上述のように減速された動力は高トルクに変換されたものとなっている。
また、前記の実施形態における作動の説明では、電動モータ10に電力を供給して電動モータ10を駆動させ、電動モータ10からの動力を駆動輪に伝達させたが、これとは逆に、車両が減速したり坂を下ったりするようなときは、駆動輪側からの動力を減速機20で高回転低トルクの回転に変換して電動モータ10に伝達し、電動モータ10で発電しても良い。さらに、ここで発電した電力は、バッテリーに蓄電しておき、後で電動モータ10を駆動させたり、車両に備えられた他の電動機器等の作動に用いてもよい。
また、前記の実施形態においては、電動モータ10にハウジング11aに固定されるステータ12と、ステータ12の内側に径方向の隙間を空けて対面する位置に配置されるロータ13とを備えるラジアルギャップモータを採用した例を示したが、これに限ることなく、任意の構成のモータを適用可能である。例えばステータとロータとが軸方向に開いた隙間を介して対向配置されるアキシアルギャップモータであってもよい。
さらに、この発明に係るインホイールモータ駆動装置Aにおいては、サイクロイド式の減速機を採用した例を示したが、これに限ることなく、遊星減速機、2軸並行減速機、その他の減速機を適用可能であり、また、減速機を採用しない、所謂ダイレクトモータタイプであってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、インホイールモータ駆動装置Aと内燃機関とを併用したハイブリッドカー等をも含むものとして理解すべきである。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
1 電気自動車
2 シャーシ
2a ホイールハウス
3 前輪
4 駆動輪
5 懸架装置
5a サスペンションアーム
5b ストラット
10 電動モータ
11 ユニットハウジング
11a ハウジング
11b ハウジング
12 ステータ
13 ロータ
14 モータ軸
15 軸受
20 減速機
21 ボルト
22 入力軸
23 偏心軸部
24 曲線板
24a 波形歯形
24b ピン孔
24c センターカラー
25 外ピン
26 出力軸
26a フランジ部
26b 軸部
28 転がり軸受
29 内ピン
29a 軸受
30 車輪ハブ軸受部
31 車輪ハブ
32 内輪部材
33 外輪部材
34 転動体
35 フランジ部
36 ボルト
41 オイルタンク
43 給油通路
44 内部通路
45 内部通路
48 帰還通路
49 排出口
50 外ピンハウジング
50a 円筒部
50b リング部
50c 外ピン保持孔
50d 外ピンスラストプレート
51 軸受
51a 外輪
52 軸受
53 軸受
55 カウンタウェイト
61 オイルポンプ
62 インナーロータ
62a 歯先部分
62b 歯溝部分
63 アウターロータ
63a 歯先部分
63b 歯溝部分
64 ポンプ室
65 吸入口
66 吐出口
67 ポンプケース
70 ノズル
71 フィン
A インホイールモータ駆動装置
B 冷却水
O 回転軸線
c1 回転中心
c2 回転中心

Claims (6)

  1. 車体に取り付けられるユニットハウジングの内部に、駆動力を発生させる電動モータが収容され、前記電動モータの回転を車輪に伝達する車輪ハブを有するインホイールモータ駆動装置と、前記ユニットハウジングが設置されるホイールハウス内に、前記ユニットハウジングに向けて冷却水を噴射するノズルを設けたことを特徴とするインホイールモータ駆動装置搭載車両。
  2. 前記冷却水を噴射するノズルに、ウィンドウォシャー液のタンクからウィンドウォシャー液を冷却水として供給することを特徴とする請求項1記載のインホイールモータ駆動装置搭載車両。。
  3. 前記ホイールハウス内に、ホイールハウス内の空気を抜く電動ファンを設置した請求項1又は2記載のインホイールモータ駆動装置搭載車両。
  4. 前記ユニットハウジング内の温度や運転状況に応じて、前記ノズルからの冷却水の噴射と前記電動ファンの駆動を制御する制御手段を備える請求項3に記載のインホイールモータ駆動装置搭載車両。
  5. 前記ユニットハウジングの表面に放熱用のフィンが形成されている請求項1〜4のいずれかの項に記載のインホイールモータ駆動装置。
  6. 前記ユニットハウジング内に、駆動力を発生させる電動モータと電動モータの回転を減速して車輪ハブに伝達する減速機が収容されている請求項1〜5のいずれかの項に記載のインホイールモータ駆動装置搭載車両。

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