JP2015107714A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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Tetsuya Yamamoto
哲也 山本
眞也 大岡
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眞也 大岡
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Abstract

【課題】 ユニットハウジング11の外面の各部位における走行風と飛来物の影響を考慮して、効果的な冷却が行えるインホイールモータ駆動装置搭載車両を提供することを課題とする。【解決手段】 車両の進行方向に対して後方側の飛来物の影響が少ないユニットハウジング11の外面に、熱伝導性の良好な冷却用フィン71b等からなる熱伝導性向上部を設けることにより、走行風が当たり難い後方側の冷却効果を高め、ユニットハウジング11全体の冷却効果を高めた。【選択図】 図3

Description

この発明は、冷却性能を向上させたインホイールモータ駆動装置に関するものである。
インホイールモータ駆動装置は、自動車のホイールの内側空間部分に設置されるものであり、車体に取り付けられるユニットハウジングの内部に駆動力を発生させる電動モータと電動モータの回転を減速して車輪ハブに伝達する減速機とを備える。
インホイールモータ駆動装置を高負荷状態又は高速回転状態で運転した場合、ユニットハウジング内部の温度の上昇により、電動モータの効率の低下や潤滑油の粘度低下に伴い内部部品が損傷するおそれがある。
このため、走行中に加熱したインホイールモータ駆動装置を効率的に冷却する必要がある。
従来、風冷によってユニットハウジングを冷却することが行われているが、車体のホイールハウス内では気流の乱れが発生するため、風冷のみで効率的にインホイールモータ駆動装置のユニットハウジングを冷却することは難しい。また、ユニットハウジング内に冷媒を通して行う冷却方法は、ユニットハウジングが大型化するという問題がある。
また、従来、ユニットハウジングに空気取り入れ口を設け、走行風を空気取り入れ口からユニットハウジング内に取り入れて、ユニットハウジングを効果的に冷却しようとする技術が特許文献1に開示されている。
特開2008−213777号公報
ところが、ユニットハウジングに空気取り入れ口を設ける特許文献1の冷却システムは、ユニットハウジングの外周面に、空気取り入れ口を別部材として取り付けるため、部品点数の増加、バネ下重量の増加、ユニットの大型化を招くデメリットがある。また、高負荷低速走行時等の走行風が少ないときに効果的な冷却ができないという問題もある。
また、一般的にユニットハウジングの材質は、アルミ等の軽金属が採用され、大量生産するためにはダイキャスト等の金型鋳造で製作される。そのため、鋳造によりユニットハウジングの外周面に一体成型によって冷却用フィンを形成する場合には、その大きさや薄さには限界がある。
また、走行風は、車両の進行方向に向かって前方側のユニットハウジングの外面には当たり易いが、進行方向の反対側の後方側には風が流れ難い。このため、走行風は、インホイールモータ駆動装置のユニットハウジングの外面の全周に同じようには当たらない。
一方、車両の進行方向に向かって前方側のユニットハウジングの外面や底面側の外面には、石砂利等の飛来物が当たり易い。このため、ユニットハウジングの外周面に設ける冷却用フィンを薄く形成しすぎると、冷却用フィンが変形・破損する恐れがある。
このユニットハウジングの外面の各部位における走行風と飛来物の影響を纏めると表1のようになる。
Figure 2015107714
以上のように、走行風によるインホイールモータ駆動装置のユニットハウジングの冷却では、表1に示すように、ユニットハウジングの外周面で冷却され易い部位と、冷却され難い部位が発生する。また、ユニットハウジングの外周面に冷却用フィンを設けるとしても、風量が一様でないため、同じ厚さの冷却用フィンでは効果が部位によって異なってしまうし、自動車のラジエターのような薄い冷却用フィンは金型鋳造では形成が困難である。
なお、この明細書において、ユニットハウジングの外面における「前方」、「後方」、「前面」、「底面」、「上面」、「後面」という用語は、図11に示すように、インホイールモータ駆動装置のユニットハウジングをインボード側から見た際に、「前方」とは、「ユニットハウジングの円周を2分割して、車軸を中心として走行方向に対して前側であり、「後方」とは、ユニットハウジングの円周を2分割して、車軸を中心として走行方向に対して後ろ側をいい、また、ユニットハウジングの円周を4分割して、水平軸を挟んで前方の略90度の範囲を「前面」、後方の略90度の範囲を「後面」、同様に、ユニットハウジングの円周を4分割して、垂直軸を挟んで上方の略90度の範囲を「上面」、下方の略90度の範囲を「底面」という。例えば、ユニットハウジングの外周に冷却用フィンが一体成型により連続して形成されていたとしても、適宜、「後面に配置される冷却用フィン」、「後方に配置される冷却用フィン」等と称する。
この発明は、ユニットハウジングの外面の各部位における走行風と飛来物の影響を考慮して、効果的な冷却が行えるインホイールモータ駆動装置を提供することを課題とするものである。
前記の課題を解決するために、この発明は、車体に取り付けられるユニットハウジングの内部に、駆動力を発生させる電動モータが収容され、前記電動モータの回転を車輪に伝達する車輪ハブを有するインホイールモータ駆動装置をホイールハウス内に設置したインホイールモータ駆動装置において、車両の進行方向に対して後方側に位置するユニットハウジングの外面に、熱伝導性向上部を設けたことを特徴とする。
前記熱伝導性向上部としては、例えば、ユニットハウジングの外周面に設ける冷却用フィンの厚さを、車両の進行方向に対して後方側の冷却用フィンの厚さを前方側の冷却用フィンの厚さよりも薄く形成することにより設けることができる。薄い側のフィンは自動車のラジエターのようなフィンであり、前方側のフィンに比べ1/3〜1/8倍程度が好ましい。
また、熱伝導性向上部は、ユニットハウジングの外周面に設ける冷却用フィンの表面積を、進行方向に対して後方側の冷却用フィンの表面積を前方側の冷却用フィンの表面積よりも広く形成することにより設けてもよい。前方側のフィンに比べ配置する単位面積当たりの表面積比で2〜5倍が好ましい。
前記ユニットハウジングの外周面に設ける冷却用フィンは、車両の進行方向に対して前方側の冷却用フィンをユニットハウジングと一体に形成し、進行方向に対して後方側の冷却用フィンをユニットハウジングと別体に形成することができる。
前記ユニットハウジングと別体の後方側の冷却用フィンを、ユニットハウジングに対して脱着可能にしてもよい。
前記別体に設けられた後方側の冷却用フィンの材質の熱伝導性と、ユニットハウジングの材質の熱伝導性とを比較した場合、冷却用フィンの材質の熱伝導性がユニットハウジングの材質の熱伝導性と同等もしくはそれ以上にすることが望ましい。
熱伝導性向上部は、前記別体に設けられた後方側の冷却用フィンとユニットハウジングの取付け面との間に、熱伝導性向上部材を配置することにより構成してもよい。
前記熱伝導性向上部材としては、放熱グリース又は放熱塗料を使用することができる。
以上のように、この発明によれば、車両の進行方向に対して後方側に位置するユニットハウジングの外面に、熱伝導性向上部を設けることにより、走行風が当たり難い後方側の冷却効果を高めることができるので、石砂利等の飛来物が当たり易いユニットハウジングの前方側や底面側を、変形・破損の少ない、例えば、厚みの厚い冷却用フィンを設けることが可能になる。
また、車両の進行方向に対して後方側に位置するユニットハウジングの外面は、石砂利等の飛来物が当たり難い部位であるため、熱伝導性向上部を、例えば、ユニットハウジングと別体の薄肉の冷却用フィンによって形成しても、飛来物による損傷が少ない。
また、熱伝導性向上部をユニットハウジングと別体にすることにより、材料を強度にとらわれずに選定することができると共に、損傷した場合には、交換ができるので、メンテナンスを容易に行うことができる。
インホイールモータ駆動装置を搭載した電気自動車の概略平面図である。 ホイールハウス内にインホイールモータ駆動装置を設置した状態を示す概略図である。 この発明のユニットハウジングの一例をインボード側から見た図である。 この発明のユニットハウジングの一例を車両の進行方向の前方から見た図である。 この発明のユニットハウジングの一例を車両の進行方向と反対側の後方から見た図である。 この発明の熱伝導性向上部を構成する冷却用フィンの一例を示す斜視図である。 インホイールモータ駆動装置の実施形態を示す縦断面図である。 図7の回転ポンプを軸方向から見た図である。 図7のインホイールモータ駆動装置の減速機の拡大図である。 図7のX−X線に沿った断面図である。 ユニットハウジングを車両のインボード側から見たときの方向を示す図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置を備えた電気自動車1は、図1に示すように、シャーシ2と、操舵輪としての前輪3と、駆動輪4(後輪)と、左右の駆動輪4それぞれに駆動力を伝達するインホイールモータ駆動装置Aとを備える。駆動輪4は、図2に示すように、シャーシ2のホイールハウス2aの内部に収容され、懸架装置(サスペンション)5を介してシャーシ2に支持されている。インホイールモータ駆動装置Aの搭載形態としては、図1に示す後輪駆動方式の他に、前輪駆動方式でも四輪駆動方式のいずれでも構わない。
懸架装置5は、路面の凹凸に対する追従性を向上し、駆動輪4の駆動力を効率良く路面に伝達するために、左右の車輪を独立して上下させることができる独立懸架式とするのが望ましい。
この電気自動車1は、ホイールハウス2a内部に、左右の駆動輪4それぞれを駆動するインホイールモータ駆動装置Aを収容することによって、シャーシ2上にモータ、ドライブシャフト、およびデファレンシャルギヤ機構等を設ける必要がなくなるので、客室スペースを広く確保でき、かつ、左右の駆動輪の回転をそれぞれ制御することができるという利点を備えている。
インホイールモータ駆動装置Aは、図7に示すように、駆動力を発生させる電動モータ10と、電動モータ10の回転を減速して出力する減速機20と、減速機20からの出力を駆動輪4(図2参照)に伝える車輪ハブ軸受部30とを備える。
上記電動モータ10および減速機20は、ユニットハウジング11内に収容されている。ユニットハウジング11は、電動モータ10側のハウジング11aと、減速機20側のハウジング11bとからなり、ハウジング11aとハウジング11bとは、ボルト21によって軸方向に接続されている。
図3は、この発明の実施形態のユニットハウジング11をインボード側から見た図であり、この実施形態では、ユニットハウジング11の前面、底面及び上面の外面に、フィン幅が広くて丈夫な冷却用フィン71aをユニットハウジング11と一体に形成し、ユニットハウジング11の後面に、フィン幅が狭くて放熱面積が広い、熱伝導性が良好な冷却用フィン71bを、ユニットハウジング11と別体に設けている。冷却用フィン71bは自動車のラジエターのようなフィンであり、前方側のフィンに比べ1/3〜1/8倍程度の薄さのものを使用している。
図3の実施形態では、熱伝導性が良好な冷却用フィン71bがこの発明に係る熱伝導性向上部を構成する。
また、図3の実施形態では、熱伝導性が良好な冷却用フィン71bは、図6に示すように、ユニットハウジング11とは別体に形成され、ユニットハウジング11対して脱着可能に取付けられている。熱伝導性が良好な冷却用フィン71bを設けるユニットハウジング11の後面は、石砂利等の飛来物が当たり難い場所であるため、冷却用フィン71bの損傷は少ない。仮に、損傷しても脱着可能に取付けられているので、交換が可能である。
図4は、ユニットハウジング11を車両の進行方向の前方から見た図であり、図5は、ユニットハウジング11を車両の進行方向の後方から見た図であり、走行風が当たり易い部分には、図4に示すように、フィン幅が広くて丈夫な冷却用フィン71aを設け、走行風が当たり難いユニットハウジング11の後面には、図5に示すように、熱伝導性が良好な冷却用フィン71bを設けることによって、ユニットハウジング11の全周での熱伝導性を向上させている。
また、ユニットハウジング11の前面及び底面は、石砂利等の飛来物が当たり易いが、この部分にはフィン幅が広くて丈夫な冷却用フィン71aを設けているので、飛来物が当たっても損傷を受けにくい。
また、冷却用フィン71bをユニットハウジング11と別体にすることにより、一体の金型鋳造にこだわらないフィン形状にすることができると共に、フィンの材料を強度にとらわれずに選定することができる。
例えば、ユニットハウジング11は、強度の関係上、ある一定以上の強度を有する材料を適用しなければならないが、冷却用フィン71bについては、強度は求められないため、銅や黄銅等を選定することができる。
熱伝導性が良好な冷却用フィン71bとしては、アルミニウム合金にカーボンナノチューブを添加して熱伝導率を高めたものも使用することができる。
また、ユニットハウジング11と別体の冷却用フィン71bを取付けるユニットハウジング11の取付け面には、熱伝導性を上げる部材を配置したり、放熱グリースを塗布するようにしてもよい。
ユニットハウジング11に設ける熱伝導性向上部としては、冷却用フィン71b自体に放熱塗料を塗布してもよい。放熱塗料とは、放熱特性が高い顔料、樹脂を配合し、更に放射特性(放射率)が優れた材料(放射材料)を配合・分散させる塗料のことである。
放熱塗料は、ユニットハウジング11の全面に塗布してもよいが、マスキング等の塗装処理に手間が掛かるので、別体の冷却用フィン71bのみに塗布するようにすれば塗装が容易になるというメリットがある。
電動モータ10は、図7に示すように、例えば、ハウジング11aの内周面にステータ12を設け、このステータ12の内周に間隔をおいてロータ13を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。
ロータ13は、モータ軸14を中心部に有し、そのモータ軸14は減速機20の入力軸22と接続して減速機20のハウジング11b内に挿入され、軸受15によってハウジング11aに対して回転自在に支持されている。
減速機20のハウジング11bには、下部に潤滑油のオイルタンク41が設けられ、オイルタンク41内の潤滑油をオイルポンプ61によって吸い込み、電動モータ10と減速機20に潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている。
潤滑油は、電動モータ10の回転により駆動されるオイルポンプ61の吐出口66からハウジング11aの内側に沿って後方に延びる給油通路43と、モータ軸14の後端部からその内部通路44と、減速機20の入力軸22の内部通路45を経て減速機20の内部に供給される。
潤滑油の帰還通路48は、減速機20のハウジング11bの底部に設けられた排出口49、オイルタンク41を経てオイルポンプ61の吸入口に至る通路により構成される。
ここで、オイルポンプ61は、図8に示すように、電動モータ10のモータ軸14によって駆動された減速機20の出力回転を利用して回転するインナーロータ62と、インナーロータ62の回転に伴って従動回転するアウターロータ63と、ポンプ室64と、帰還通路48に連通する吸入口65と、給油通路43に連通する吐出口66とを備えるサイクロイドポンプである。
インナーロータ62は、外径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分62aの形状がエピサイクロイド曲線、歯溝部分62bの形状がハイポサイクロイド曲線となっている。このインナーロータ62は、出力軸26と一体回転する(図7参照)。
アウターロータ63は、内径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分63aの形状がハイポサイクロイド曲線、歯溝部分63bの形状がエピサイクロイド曲線となっている。このアウターロータ63は、ポンプケース67に回転自在に支持されている。
インナーロータ62は、回転中心c1を中心として回転する。一方、アウターロータ63は、インナーロータの回転中心c1と異なる回転中心c2を中心として回転する。また、インナーロータ62の歯数をnとすると、アウターロータ63の歯数は(n+1)となる。なお、この実施形態においては、n=5としている。
インナーロータ62とアウターロータ63との間の空間には、複数のポンプ室64が設けられている。そして、インナーロータ62がモータ軸14の回転を利用して回転すると、アウターロータ63は従動回転する。このとき、インナーロータ62およびアウターロータ63はそれぞれ異なる回転中心c1、c2を中心として回転するので、ポンプ室64の容積は連続的に変化する。これにより、吸入口65から流入した潤滑油が吐出口66から給油通路43に圧送される。
減速機20は、図9及び図10に示すように、サイクロイド式を採用している。この減速機20は、入力軸22の2箇所に設けられた偏心軸部23によって2枚の曲線板24を回転自在に支持し、その曲線板24の外周に形成された波形歯形24aを減速機20のハウジング11bの内側に配設された外ピン25に噛合し、上記入力軸22の回転により曲線板24を偏心揺動運動させ、その曲線板24の自転を入力軸22と同軸上に配置された出力軸26から出力し、車輪ハブ31を回転させている(図7参照)。
減速機20のハウジング11bの内側に配設された外ピン25の数は、曲線板24の外周の波形歯形24aより多い。
外ピン25は、減速機20のハウジング11bの内径面に隙間を介してフローティング状態に支持された外ピンハウジング50に設けられている。
入力軸22は、その一端部がスプライン嵌合により電動モータ10のモータ軸14に接続されて電動モータ10により回転駆動されるようになっており(図7参照)、その他端部の2箇所に偏心軸部23が設けられている。
2箇所の偏心軸部23は、それぞれ入力軸22の軸方向に一対設けられている。その一対の偏心軸部23は、円筒状外径面の中心が周方向に180°位相がずれるようにして設けられ、その一対の偏心軸部23のそれぞれの外径面に転がり軸受28が嵌合されている。
一対の偏心軸部23を設けた入力軸22には、一対の偏心軸部23を挟むように一対のカウンタウェイト55を、周方向に180°位相をずらして設けている。
曲線板24は、転がり軸受28によって入力軸22に回転自在に支持され、その外周に形成された波形歯形24aはトロコイド曲線歯形とされている。図10に示すように、曲線板24には、回転軸心を中心とする一つの円上に複数のピン孔24bが等間隔に形成され、軸方向に並ぶ一対のピン孔24bのそれぞれに内ピン29が余裕をもって挿入され、その内ピン29に回転自在に支持された針状ころ軸受29aの外周一部がピン孔24bの内周一部に接触している。
減速機20は、図9に示すように、一対の偏心軸部23に回転自在に保持される公転部材としての一対の曲線板24と、曲線板24の外周部の波形歯形24aに係合する複数の外ピン25と、曲線板24の自転運動を出力する出力軸26と、一対の曲線板24の隙間に取り付けられてこれら曲線板24の端面に当接して曲線板の傾きを防止するセンターカラー24cとを備える。
出力軸26は、フランジ部26aと軸部26bとを有する。フランジ部26aには、出力軸26の回転軸線Oを中心とする円周上に、内ピン29が等間隔に固定されている。軸部26bの外径面には、車輪ハブ31が固定されている(図7参照)。
外ピン25は、図10に示すように、入力軸22の回転軸線Oの円周軌道上に等間隔に設けられる。そして、曲線板24が公転運動すると、外周の波形歯形24aと外ピン25とが係合して、曲線板24に自転運動を生じさせる。
ハウジング11bに配設された外ピン25は、ハウジング11bに直接保持されているわけではなく、図9に示すように、ハウジング11bの内壁に対してフローティング状態に支持された外ピンハウジング50に保持されている。より具体的には、外ピン25は、軸方向両端部が外ピンハウジング50に対して針状ころ軸受51によって回転自在に支持されている。このように、外ピン25を外ピンハウジング50に対して回転自在にすることにより、曲線板24との係合による接触抵抗を低減することができる。
出力軸26のフランジ部26aの内径面と入力軸22の外径面とは、軸受53を介して相対的に回転可能に支持されている。
曲線板24は、出力軸26の対向するフランジ部26a間に組み込まれている。また、出力軸26の対向するフランジ部26aには、組み込まれた曲線板24のピン孔24bを貫通する内ピン29の両端が支持されている。
出力軸26の対向するフランジ部26aに支持された複数の内ピン29は、入力軸22の回転軸線Oを中心とする円周軌道上に等間隔に設けられ、曲線板24との摩擦抵抗を低減するために、曲線板24のピン孔24bの内壁面に当接する位置に針状ころ軸受29aが設けられている。ピン孔24bの内径寸法は、内ピン29の外径寸法(「針状ころ軸受29aを含む最大外径」を指す。以下同じ。)より所定分大きく設定されている。
外ピンハウジング50の外周部には、厚み方向に貫通する複数の外ピン保持孔50cが設けられている。外ピン保持孔50cは、それぞれ入力軸22の回転軸線Oと平行な方向に延びて、針状ころ軸受51の外輪51aを保持している。また、外ピン25の両端を支持する一対の外ピン保持孔50cは、周方向の同位置に設けられて互いに対面している。即ち、一対の外ピン保持孔50cの中心軸線は一致し、外ピンハウジング50をハウジング11bに取り付けると、この外ピン保持孔50cの中心軸線は、入力軸22の回転軸線Oと平行になる。
これにより、外ピン25を入力軸22の回転軸線Oと平行に保持することができる。なお、外ピン保持孔50cは同時加工で同時に形成することができるので、対向する外ピン保持孔50cの中心軸線を比較的簡単に一致させることができる。
また、インホイールモータ駆動装置Aの軽量化の観点から、ハウジング11a、11bは、アルミ合金やマグネシウム合金等の軽金属で形成する。一方、高い強度が求められる外ピンハウジング50は、炭素鋼で形成するのが望ましい。
図9に示すように、外ピンハウジング50の側面には、外ピン25の軸方向の抜け出しを防止するために、外ピンスラストプレート50dが固定されている。
図7に示すように、車輪ハブ軸受部30は、出力軸26の軸部26bの外径面に固定連結された内輪部材32と、内輪部材32をハウジング11bに対して回転自在に保持する外輪部材33とを備える。内輪部材32と外輪部材33とは複列アンギュラ玉軸受を構成し、内輪部材32と外輪部材33の間に複列の転動体34を設置している。内輪部材32には、フランジ部35が一体に設けられ、フランジ部35にはボルト36によって駆動輪4が固定連結される(図2参照)。
また、前記の実施形態では、電動モータ10に電力を供給して電動モータ10を駆動させ、電動モータ10からの動力を駆動輪に伝達させるが、これとは逆に、車両が減速したり坂を下ったりするようなときは、駆動輪側からの動力を減速機20で高回転低トルクの回転に変換して電動モータ10に伝達し、電動モータ10で発電しても良い。さらに、ここで発電した電力は、バッテリーに蓄電しておき、後で電動モータ10を駆動させたり、車両に備えられた他の電動機器等の作動に用いてもよい。
また、前記の実施形態においては、電動モータ10にハウジング11aに固定されるステータ12と、ステータ12の内側に径方向の隙間を空けて対面する位置に配置されるロータ13とを備えるラジアルギャップモータを採用した例を示したが、これに限ることなく、任意の構成のモータを適用可能である。例えばステータとロータとが軸方向に開いた隙間を介して対向配置されるアキシアルギャップモータであってもよい。
さらに、この発明に係るインホイールモータ駆動装置Aにおいては、サイクロイド式の減速機を採用した例を示したが、これに限ることなく、遊星減速機、2軸並行減速機、その他の減速機を適用可能であり、また、減速機を採用しない、所謂ダイレクトモータタイプであってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、インホイールモータ駆動装置Aと内燃機関とを併用したハイブリッドカー等をも含むものとして理解すべきである。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
1 電気自動車
2 シャーシ
2a ホイールハウス
3 前輪
4 駆動輪
5 懸架装置
5a サスペンションアーム
5b ストラット
10 電動モータ
11 ユニットハウジング
11a ハウジング
11b ハウジング
12 ステータ
13 ロータ
14 モータ軸
15 軸受
20 減速機
21 ボルト
22 入力軸
23 偏心軸部
24 曲線板
24a 波形歯形
24b ピン孔
24c センターカラー
25 外ピン
26 出力軸
26a フランジ部
26b 軸部
28 転がり軸受
29 内ピン
29a 軸受
30 車輪ハブ軸受部
31 車輪ハブ
32 内輪部材
33 外輪部材
34 転動体
35 フランジ部
36 ボルト
41 オイルタンク
43 給油通路
44 内部通路
45 内部通路
48 帰還通路
49 排出口
50 外ピンハウジング
50a 円筒部
50c 外ピン保持孔
50d 外ピンスラストプレート
51 軸受
51a 外輪
52 軸受
53 軸受
55 カウンタウェイト
61 オイルポンプ
62 インナーロータ
62a 歯先部分
62b 歯溝部分
63 アウターロータ
63a 歯先部分
63b 歯溝部分
64 ポンプ室
65 吸入口
66 吐出口
67 ポンプケース
71a、71b 冷却用フィン
A インホイールモータ駆動装置
B 冷却水
O 回転軸線
c1 回転中心
c2 回転中心

Claims (8)

  1. ユニットハウジングの内部に、駆動力を発生させる電動モータが収容され、前記電動モータの回転を車輪に伝達する車輪ハブを有するインホイールモータ駆動装置をホイールハウス内に設置したインホイールモータ駆動装置において、進行方向に対して後方側に位置するユニットハウジングの外面に、熱伝導性向上部を設けたことを特徴とするインホイールモータ駆動装置。
  2. 前記熱伝導性向上部が、ユニットハウジングの外周面に設ける冷却用フィンの厚さを、進行方向に対して後方側の冷却用フィンの厚さを前方側の冷却用フィンの厚さよりも薄く形成することにより構成される請求項1記載のインホイールモータ駆動装置。
  3. 熱伝導性向上部が、ユニットハウジングの外周面に設ける冷却用フィンの表面積を、進行方向に対して後方側の冷却用フィンの表面積を前方側の冷却用フィンの表面積よりも広く形成することにより構成される請求項1記載のインホイールモータ駆動装置。
  4. 前記ユニットハウジングの外周面に設ける冷却用フィンのうち、進行方向に対して前方側の冷却用フィンがユニットハウジングと一体に形成され、進行方向に対して後方側の冷却用フィンがユニットハウジングと別体に形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
  5. 前記別体に形成される後方側の冷却用フィンが、ユニットハウジングに対して脱着可能であることを特徴とする請求項4に記載のインホイールモータ駆動装置。
  6. 前記別体に設けられた後方側の冷却用フィンの材質の熱伝導性を、ユニットハウジングの材質の熱伝導性と比較して、同等もしくはそれ以上に設定している請求項4又は5に記載のインホイールモータ駆動装置。
  7. 前記別体に設けられた後方側の冷却用フィンとユニットハウジングの取付け面との間に、熱伝導性向上部材を配置したことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
  8. 前記熱伝導性向上部材が放熱グリース又は放熱塗料であることを特徴とする請求項7に記載のインホイールモータ駆動装置。
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