JP2015065287A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

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計匡 梅里
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誠司 小栗
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Abstract

【課題】 光錯体を用いた容易な方法で高効率の光電変換装置を作製することを目的とする。【解決手段】 光電変換装置11の製造方法は、1つの錯体分子中に11族元素、13族元素、有機硫黄化合物および有機セレン化合物を含む単一源錯体を有機溶媒に溶解した原料溶液を準備する工程と、電極層2上に原料溶液を塗布して皮膜Mを作製する工程と、皮膜Mを、セレン元素を含む第1雰囲気で加熱した後に硫黄元素を含む第2雰囲気で加熱することによって16族元素としてセレン元素および硫黄元素を含むI−III−VI族化合物層3にする工程とを具備する。【選択図】 図2

Description

本発明は、I−III−VI族化合物を含む半導体層を用いた光電変換装置の製造方法に関
するものである。
太陽光発電等に使用される光電変換装置として、CuInSe(CISという)やCu(In,Ga)Se(CIGSという)等のカルコパイライト構造のI−III−VI族
化合物を含む半導体層を光吸収層に用い、この光吸収層上にII−VI族化合物等のバッファ層を形成したものがある。光吸収層は、スパッタリング法等の真空成膜装置を用いて金属から成る前駆体層を形成した後、これをセレン元素を含む雰囲気で加熱してセレン化することによって作製される。
このような光電変換装置は、光電変換効率のさらなる向上が要求されている。例えば特許文献1では、CIGSから成る光吸収層の表面にCu(In,Ga)(Se,S)(CIGSSという)から成る、厚さが150nm程度の表面層を設け、この表面層における硫黄元素濃度をバッファ層側の表面から光吸収層の内部に向かって減少するように濃度勾配をつけることが提案されている。このような構成によって、光吸収層とバッファ層との界面接合性を改善し、光電変換効率を向上させることできる。
この特許文献1では、光吸収層の表面に上記表面層を設けるため、CIGS層を形成した後、このCIGS層を、硫黄元素を含む雰囲気中で加熱することによって、CIGS層の表面のセレン元素を硫黄元素に置換する方法が用いられている。
また、光電変換装置はさらなる低コスト化も望まれており、I−III−VI族化合物を含む半導体層を容易に作製する方法も検討されている。特許文献2では、CuとInあるいはGaと有機セレン化合物とが1つの錯体分子内に存在するSingle Source Precursorと呼
ばれる錯体を用いることが提案されている。このような錯体を用いた半導体層の作製方法は、錯体を溶媒に溶解して原料溶液を作製し、この原料溶液を塗布して加熱するだけでよいため、スパッタリング装置等の高コストの真空成膜装置を用いる必要はなく、CISやCIGSから成る半導体層を容易に作製することできる。
そこで、特許文献1と特許文献2とを組み合わせることによって、容易な方法で高効率の光電変換装置を作製することができると考えられる。
特開平10−135498号公報 米国特許第6992202号明細書
しかしながら、上記のような錯体を用いてCIGS層を形成し、これを特許文献1と同様に硫黄元素を含む雰囲気で加熱しても、カルコパイライト構造とは異なる異相が形成されやすくなり、光電変換効率を向上することが困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、錯体を用いた容易な方法で高効率の光電変換装置を作製することを目的とする。
本発明の一態様に係る光電変換装置の製造方法は、1つの錯体分子中に11族元素、13族元素、有機硫黄化合物および有機セレン化合物を含む単一源錯体を有機溶媒に溶解した原料溶液を準備する工程と、電極層上に前記原料溶液を塗布して皮膜を作製する工程と、該皮膜を、セレン元素を含む第1雰囲気で加熱した後に硫黄元素を含む第2雰囲気で加熱することによって16族元素としてセレン元素および硫黄元素を含むI−III−VI族化合物層にする工程とを具備する。
本発明の上記実施態様によれば、容易な方法で高効率の光電変換装置を作製すること可能となる。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法を用いて作製した光電変換装置の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。 第1の半導体層の16族元素の濃度分布の一例を示すグラフである。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同一符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。
<(1)光電変換装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法を用いて作製した光電変換装置11の一例を示す斜視図である。図2は、図1の光電変換装置11のXZ断面図である。なお、図1から図9には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
光電変換装置11は、基板1の上に複数の光電変換セル10が並設された構成を有している。図1では、図示の都合上、2つの光電変換セル10のみが示されているが、実際の光電変換装置11には、図面のX軸方向、或いは更に図面のY軸方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配列されている。
各光電変換セル10は、下部電極層2、I−III−VI族化合物層3(以下では、I−III−VI族化合物層のことを第1の半導体層ともいう)、第2の半導体層4、上部電極層5、および集電電極7を主に備えている。光電変換装置11では、上部電極層5および集電電極7が設けられた側の主面が受光面となっている。また、光電変換装置11には、第1〜3溝部P1,P2,P3といった3種類の溝部が設けられている。
基板1は、複数の光電変換セル10を支持するものであり、例えば、ガラス、セラミッ
クス、樹脂、または金属等の材料で構成されている。例えば、基板1として、1〜3mm程度の厚さを有する青板ガラス(ソーダライムガラス)が用いられてもよい。
下部電極層2は、基板1の一主面の上に設けられた導電層であり、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、または金(Au)等の金属、あるいはこれらの金属の積層構造体からなる。また、下部電極層2は、0.2〜1μm程度の厚さを有し、例えば、スパッタリング法または蒸着法等の公知の薄膜形成方法によって形成される。
光吸収層としての第1の半導体層3は、下部電極層2の+Z側の主面(一主面ともいう)の上に設けられた、第1の導電型(ここではp型の導電型)を有する半導体層であり、1〜3μm程度の厚さを有している。第1の半導体層3はカルコパイライト系のI−III−VI族化合物層である。I−III−VI族化合物とは、11族元素(I−B族元素ともいう)と、13族元素(III−B族元素ともいう)と、16族元素(VI−B族元素ともいう)とを含んだ化合物である。そして、第1の半導体層3は16族元素として少なくともセレン(Se)元素および硫黄(S)元素とを含んでいる。このようなI−III−VI族化合物としては、例えば、Cu(In,Ga)(Se,S)(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)、CuIn(Se,S)(二セレン・イオウ化銅インジウム、CISSともいう)、CuGa(Se,S)(二セレン・イオウ化銅ガリウム、CGSSともいう)等が挙げられる。
そして、第1の半導体層3は、下部電極層2とは反対側の表面部3aにおいて、S元素の原子数MとSe元素の原子数MSeとの合計原子数(M+MSe)に対するS元素の相対原子数比M/(M+MSe)が、下部電極層2から離れるに従って増加している。このような構成により、第2の半導体層4とpn接合を行なう第1の半導体層3の表面部3aにおいてバンドギャップを大きくすることができるため、pn接合性を良好にして界面再結合を抑制することができるとともに、開放電圧を大きくすることができる。その結果、光電変換装置11の光電変換効率を高めることができる。
第1の半導体層3の厚み方向の組成分布は、例えば図3に示すように表わされる。なお、第1の半導体層3の厚み方向の組成分布は、種々の元素分析法によって測定できる。例えば、S元素およびSe元素については、第1の半導体層3をスパッタリング法等によって厚み方向に削りながらX線電子分光分析法(XPS)で元素分析したり、あるいは第1の半導体層3の断面を、透過電子顕微鏡(TEM)を用いたエネルギー分散型X線分析法(EDS)で元素分析したりすることによって測定できる。
第1の半導体層3におけるS元素およびSe元素の濃度分布は、第1の半導体層3を厚み方向に3等分したときに、中央部における相対原子数比M/(M+MSe)の平均値が0〜0.5であり、第2の半導体層4側の表面部における相対原子数比M/(M+MSe)の平均値が0.02〜0.8であり、さらに第2の半導体層4側の表面部における相対原子数比M/(M+MSe)の平均値が中央部における相対原子数比M/(M+MSe)の平均値よりも0.02以上大きければよい。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3の一主面の上に設けられた半導体層である。この第2の半導体層4は、第1の半導体層3の導電型とは異なる導電型(ここではn型の導電型)を有している。第1の半導体層3と第2の半導体層4との接合によって、第1の半導体層3で光電変換されて生じた正負キャリアが良好に電荷分離される。なお、導電型が異なる半導体とは、伝導担体(キャリア)が異なる半導体のことである。また、上記のように第1の半導体層3の導電型がp型である場合、第2の半導体層4の導電型は、n型でなく、i型であっても良い。更に、第1の半導体層3の導電型がn型またはi型であり、
第2の半導体層4の導電型がp型である態様も有り得る。
第2の半導体層4は、例えば、硫化カドミウム(CdS)、硫化インジウム(In)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、セレン化インジウム(InSe)、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等の化合物半導体によって構成されている。そして、電流の損失が低減される観点から言えば、第2の半導体層4は、1Ω・cm以上の抵抗率を有するものとすることができる。なお、第2の半導体層4は、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で形成される。
また、第2の半導体層4は、第1の半導体層3の一主面の法線方向に厚さを有する。この厚さは、例えば5〜200nmに設定される。
上部電極層5は、第2の半導体層4の上に設けられた透明導電膜であり、第1の半導体層3において生じた電荷を取り出す電極である。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも低い抵抗率を有する物質によって構成されている。上部電極層5には、いわゆる窓層と呼ばれるものも含まれ、この窓層に加えて更に透明導電膜が設けられる場合には、これらが一体の上部電極層5とみなされても良い。
上部電極層5は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の材料を主に含んでいる。このような材料としては、例えば、ZnO、InおよびSnO等の金属酸化物半導体等が採用され得る。これらの金属酸化物半導体には、Al、B、Ga、InおよびF等のうちの何れかの元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、
IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
上部電極層5は、スパッタリング法、蒸着法、または化学的気相成長(CVD)法等によって、0.05〜3.0μmの厚さを有するように形成される。ここで、第1の半導体層3から電荷が良好に取り出される観点から言えば、上部電極層5は、1Ω・cm未満の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有するものとすることができる。
第2の半導体層4および上部電極層5は、第1の半導体層3が吸収する光の波長領域に対して光を透過させやすい性質(光透過性ともいう)を有する素材によって構成され得る。これにより、第2の半導体層4と上部電極層5とが設けられることで生じる、第1の半導体層3における光の吸収効率の低下が低減される。
また、光透過性が高められると同時に、光反射のロスが防止される効果と光散乱効果とが高められ、更に光電変換によって生じた電流が良好に伝送される観点から言えば、上部電極層5は、0.05〜0.5μmの厚さとなるようにすることができる。更に、上部電極層5と第2の半導体層4との界面で光反射のロスが低減される観点から言えば、上部電極層5と第2の半導体層4との間で絶対屈折率が略同一となるようにすることができる。
集電電極7は、Y軸方向に離間して設けられ、それぞれがX軸方向に延在している。集電電極7は、導電性を有する電極であり、例えば、銀(Ag)等の金属からなる。
集電電極7は、第1の半導体層3において発生して上部電極層5において取り出された電荷を集電する役割を担う。集電電極7が設けられれば、上部電極層5の薄層化が可能となる。
集電電極7および上部電極層5によって集電された電荷は、第2溝部P2に設けられた
接続導体6を通じて、隣の光電変換セル10に伝達される。接続導体6は、例えば、図2に示されるように集電電極7のY軸方向への延在部分によって構成されている。これにより、光電変換装置11においては、隣り合う光電変換セル10の一方の下部電極層2と、他方の集電電極7とが、第2溝部P2に設けられた接続導体6を介して電気的に直列に接続されている。なお、接続導体6は、これに限定されず、上部電極層5の延在部分によって構成されていてもよい。
集電電極5は、良好な導電性が確保されつつ、第1の半導体層3への光の入射量を左右する受光面積の低下が最小限にとどめられるように、50〜400μmの幅を有するものとすることができる。
<(2)光電変換装置の製造方法>
図4から図9は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図である。なお、図4から図9で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
まず、洗浄された基板1の略全面に、スパッタリング法等を用いて、Mo等からなる下部電極層2を成膜する。そして、下部電極層2の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、第1溝部P1を形成する。第1溝部P1は、例えば、YAGレーザー等によるレーザー光を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、レーザースクライブ加工によって形成することができる。図4は、第1溝部P1を形成した後の状態を示す図である。
第1溝部P1を形成した後、下部電極層2の上に、原料溶液を塗布して皮膜Mを作製する。原料溶液は、1つの錯体分子中に11族元素、13族元素、有機硫黄化合物および有機セレン化合物を含む単一源錯体を有機溶媒に溶解したものである。原料溶液に含まれる単一源錯体は、例えば、構造式1で示される錯体分子である。
Figure 2015065287
構造式1中、Mは11族元素を表し、Mは13族元素を表す。R〜Rはそれぞれ有機基を表し、R〜Rのそれぞれが異なる構造であってもよく、2つ以上(全部でもよい)が同じ構造であってもよい。また、R〜Rのうち2つ以上が連結して飽和もしくは不飽和の環を形成してもよい。R〜Rとしては、例えば、アルキル基やアリール基等があり、これらは任意の置換基で置換されていてもよい。R〜Rの具体例としては、例えば、メチル基やエチル基、プロピル基、フェニル基等がある。また、X〜X
のうち1個以上3個以下がS元素を表わすとともに残りがSe元素を表わす。つまり、R−X、R−X、R−XおよびR−Xは、それぞれ有機硫黄化合物または有機セレン化合物を表わしている。なお、有機硫黄化合物とは、チオール類等のS元素を含む有機化合物であり、炭素(C)元素とS元素との共有結合を有する有機化合物である。また、有機セレン化合物とは、セレノール類等のSe元素を含む有機化合物であり、C元素とSe元素との共有結合を有する有機化合物である。また、L〜Lはそれぞれ非共有電子対を有する配位子であり、ルイス塩基として機能するものである。L〜Lは、R−X〜R−Xで表される有機硫黄化合物や有機セレン化合物よりも配位力の高いものが用いられ、例えば、非共有電子対を有するV−B族元素(15族元素ともいう)を具備した官能基や非共有電子対を有するVI−B族元素を具備した官能基を有する有機化合物が用いられる。また、L〜Lはそれぞれ異なる構造であってもよく、同じ構造であってもよい。L〜Lとしては、例えば、P(Ph)やP(C等がある(なお、Phはフェニル基である)。また、L〜Lが連結して飽和もしくは不飽和の環を形成してもよい。
例えば、皮膜Mを作製する際に用いる原料溶液に含まれる単一源錯体に、11族元素として銅(Cu)を含むとともに13族元素としてインジウム(In)を含む第1単一源錯体と、11族元素としてCuを含むとともに13族元素としてガリウム(Ga)を含む第2単一源錯体との混合体を用いてもよい。この場合、生成する第1の半導体層3が、Cu、InおよびGaを含むI−III−VI族化合物層となり、太陽光に対する光電変換をさらに良好に行なうことが可能となる。
このような第1単一源錯体の一例を構造式2に示し、第2単一源錯体の一例を構造式3に示す。
Figure 2015065287
Figure 2015065287
原料溶液に含まれる有機溶媒は、上記単一源錯体を溶解可能なものであればよく、例え
ば、極性有機溶媒等を用いることができる。極性有機溶媒の具体例としては、ピリジンやアニリン等の非共有電子対を有する含窒素有機溶媒が挙げられる。
皮膜Mは、上記原料溶液を、例えば、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレー、ダイコータ等によって下部電極層2上に膜状に被着し、溶媒を乾燥によって除去することによって作製できる。この工程を繰り返して皮膜Mを厚く形成してもよい。図5は、皮膜Mを形成した後の状態を示す図である。
次にこの皮膜Mを、Se元素を含む第1雰囲気で加熱した後にS元素を含む第2雰囲気で加熱することによって、16族元素としてSe元素およびS元素を含み、下部電極層2とは反対側の表面部3aにおいて、相対原子数比M/(M+MSe)が下部電極層2から離れるに従って増加しているI−III−VI族化合物層(第1の半導体層3)を良好に
作製することができる。つまり、上記の単一源錯体を用いて皮膜Mを作製することによって、皮膜Mの表面に第2雰囲気中のS元素を良好に取り込むことができるとともに良好に結晶化を行なうことができる。その結果、カルコパイライト構造以外の異相が生じるのを有効に抑制して、表面部3aにS元素の濃度勾配を有する良好な第1の半導体層3を作製することができる。これは、単一源錯体がS元素とSe元素との両方を含むことによって、皮膜Mの加熱によって金属硫化物および金属セレン化物の混晶体が容易に形成し、この混晶体に対して第2雰囲気中のS元素が良好に反応しやすくなるためではないかと考えられる。このように表面部3aでS元素の濃度勾配を有するとともに異相の少ない良好な第1の半導体層3とすることで、光電変換装置11の光電変換効率を良好に高めることができる。なお、第1雰囲気および第2雰囲気のそれぞれにおける皮膜Mの加熱温度は、例えば、400〜650℃とすることができる。
なお、皮膜Mを、Se元素を含む第1雰囲気での加熱する工程では、皮膜Mに含まれているS元素をSe元素に置換することができ、生成する第1の半導体層3の中央部や下部電極層2側の部位におけるS元素の比率を容易に調整することが可能となる。そして、この第2雰囲気での加熱の際に、少なくとも下部電極層2とは反対側の表面部においてすべてのS元素がSe元素に置換されないようにしておけばよい。表面部にS元素を残存させておくことによって、その後のS元素を含む第2雰囲気での加熱の際に、第2雰囲気中のS元素が表面部に取り込まれやすくなる。図6は、第1の半導体層3を形成した後の状態を示す図である。
第1雰囲気は、Se元素をセレン蒸気やセレン化水素等の状態で含んでいる。皮膜M中のS元素に対するSe元素による置換を制御しやすくするという観点からは、第1雰囲気は非酸化性ガス中にSe元素を含んだものであってもよい。なお、非酸化性ガスとは、窒素やアルゴン等の不活性ガスまたは水素等の還元性ガスをいう。特に、皮膜M中の有機成分を良好に分解除去しやすいという観点からは、第1雰囲気として水素ガス中にSe元素を含んだものを用いてもよい。非酸化性ガス中に含まれるSe元素の量としては、非酸化性ガスを構成する分子のモル数をG1としたときにセレン原子のモル数が、例えばG1の10−6倍〜5×10−2倍程度、より好ましくはG1の10−5倍〜5×10−3倍程度であればよい。
また、第2雰囲気は、S元素を硫黄蒸気や硫化水素等の状態で含んでいる。皮膜Mの硫化反応を制御しやすくするという観点からは、第2雰囲気は非酸化性ガス中にS元素を含んだものであってもよい。特に、皮膜M中の有機成分を良好に分解除去しやすいという観点からは、第2雰囲気として水素ガス中にS元素を含んだものを用いてもよい。非酸化性ガス中に含まれるS元素の量としては、非酸化性ガスを構成する分子のモル数をG2としたときに硫黄原子のモル数が、例えばG2の10−6倍〜5×10−2倍程度、より好ましくはG2の10−5倍〜5×10−3倍倍程度であればよい。このような範囲であれば
、S元素を皮膜M中に良好に取り込むことができるとともに、皮膜Mの硫化が過度に進行して異相が生じるのを有効に低減できる。
また、第2雰囲気で加熱する際の皮膜Mの温度を、第1雰囲気での加熱する際の皮膜Mの温度よりも高くしてもよい。これによって、結晶化反応の前半である第1雰囲気での加熱工程においては、相対的に低温とすることで下部電極層2との密着状態を良好にすることができる。そして、結晶化反応の後半である第2雰囲気での加熱工程においては、相対的に高温とすることで第1の半導体層3の表面部3aへのS元素の取り込みをより容易にすることができる。
また、第2雰囲気中のS元素の濃度を第1雰囲気中のSe元素の濃度よりも高くしてもよい。これによって、第1の半導体層3の表面部3aへのS元素の取り込みをより容易にすることができる。
また、第1雰囲気において皮膜Mを加熱する際、第1雰囲気中のSe元素の濃度を加熱時間とともに増加させてもよい。これにより、加熱開始時ではSe元素の少ない状態あるいはSe元素のない状態として、皮膜Mのセレン化が進行する前に皮膜M中に残存している有機成分をより良好に分解除去することができる。その結果、不純物の少ない良好な第1の半導体層3とすることができる。
また、皮膜Mを第1雰囲気で加熱する前に、皮膜Mの単一源錯体に含まれる有機成分を熱分解により除去しておいてもよい。このような工程を行なうことによって、第1の半導体層3の結晶化をより良好に行なうことができ、より欠陥の少ない第1の半導体層3を作製することができる。なお、皮膜Mの有機成分の除去方法としては、例えば、皮膜Mを不活性ガス中で100〜350℃に加熱すればよい。
第1の半導体層3を形成した後、第1の半導体層3の上に、第2の半導体層4および上部電極層5を順に形成する。
第2の半導体層4は、溶液成長法(CBD法ともいう)によって形成することができる。例えば、酢酸カドミウムとチオ尿素とをアンモニア水に溶解し、これに第1の半導体層3の形成まで行なった基板1を浸漬することで、第1の半導体層3の上にCdSを含む第2の半導体層4を形成することができる。
上部電極層5は、例えば、Snが含まれた酸化インジウム(ITO)等を主成分とする透明導電膜であり、スパッタリング法、蒸着法、またはCVD法等で形成することができる。図7は、第2の半導体層4および上部電極層5を形成した後の状態を示す図である。
上部電極層5を形成した後、上部電極層5の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第2溝部P2を形成する。第2溝部P2は、例えば、スクライブ針を用いたメカニカルスクライビング加工によって形成することができる。図8は、第2溝部P2を形成した後の状態を示す図である。第2溝部P2は、第1溝部P1よりも若干X方向(図中では+X方向)にずれた位置に形成する。
第2溝部P2を形成した後、集電電極7および接続導体6を形成する。集電電極7および接続導体6については、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散した導電性を有するペースト(導電ペーストともいう)を、所望のパターンを描くように印刷し、これを加熱することで形成できる。図9は、集電電極7および接続導体6を形成した後の状態を示す図である。
集電電極7および接続導体6を形成した後、上部電極層5の上面のうちの直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第3溝部P3を形成する。第3溝部P3の幅は、例えば、40〜1000μm程度とすることができる。また、第3溝部P3は、第2溝部P2と同様に、メカニカルスクライビング加工によって形成することができる。このようにして、第3溝部P3の形成によって、図1および図2で示された光電変換装置11を製作したことになる。
<(3)単一源錯体の製造方法>
上記単一源錯体の製造方法の一例を以下に示す。まず、塩化銅(I) (8mmol、0.
795g)とトリフェニルホスフィン(16mmol、4.197g)をトルエン100
mlに投入し、そこにメタノール20mlに溶解させた塩化インジウム無水(8mmol、1.770g)もしくは塩化ガリウム無水(8mmol、1.409g)を混ぜ合わせる。そして、この混合液を50℃で2時間加熱しながら撹拌する。
さらに、あらかじめナトリウムメトキシド(32mmol,1.764g)と、チオフェノール(16mmol、1.765g)と、ベンゼンセレノール(16mmol,2.533g)とをメタノール20mlに溶かし、60℃に加熱しておいた溶液を、上記混合液に加える。この混合液を60℃で3時間加熱しながら撹拌する。その後、加熱温度を100℃にすることでメタノールを蒸発させ、除去する。残った溶液を熱時濾過することで、不純物を除去する。ろ液を室温放置することで、目的物が析出してくるので、これをろ取することによって構造式(2)もしくは構造式(3)の半導体形成用化合物を得ることができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
1:基板
2:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:上部電極層
6:接続導体
7:集電電極
10:光電変換セル
11:光電変換装置
M:皮膜

Claims (7)

  1. 1つの錯体分子中に11族元素、13族元素、有機硫黄化合物および有機セレン化合物を含む単一源錯体を有機溶媒に溶解した原料溶液を準備する工程と、
    電極層上に前記原料溶液を塗布して皮膜を作製する工程と、
    該皮膜を、セレン元素を含む第1雰囲気で加熱した後に硫黄元素を含む第2雰囲気で加熱することによって16族元素としてセレン元素および硫黄元素を含むI−III−VI族化合
    物層にする工程と
    を具備する光電変換装置の製造方法。
  2. 前記第2雰囲気で加熱する際の前記皮膜の温度を前記第1雰囲気での加熱する際の前記皮膜の温度よりも高くする、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  3. 前記第2雰囲気中の硫黄元素の濃度を前記第1雰囲気中のセレン元素の濃度よりも高くする、請求項1または2に記載の光電変換装置の製造方法。
  4. 前記第1雰囲気中のセレン元素の濃度を加熱時間とともに増加させる、請求項1乃至3のいずれかに記載の光線変換装置の製造方法。
  5. 前記第1雰囲気および前記第2雰囲気に水素を含ませる、請求項1乃至4のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  6. 前記皮膜を前記第1雰囲気で加熱する前に、前記単一源錯体に含まれる有機成分を熱分解により除去する、請求項1乃至5のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  7. 前記単一源錯体に、前記11族元素として銅を含むとともに前記13族元素としてインジウムを含む第1単一源錯体と、前記11族元素として銅を含むとともに前記13族元素としてガリウムを含む第2単一源錯体との混合体を用いる、請求項1乃至6のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
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