JP2015063749A - 銅合金スパッタリングターゲット - Google Patents

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Abstract

【課題】Cu−Ca合金など、Cuに対する合金元素として主としてCaを添加したCu−Ca系合金を用いた銅合金スパッタリングターゲットであって、成膜速度を上げて生産性を高めるために、より大きな電力でスパッタリングしても異常放電の発生を抑制し得るようにした銅合金スパッタリングターゲットを提供する。
【解決手段】Caを0.3質量%以上1.7質量%以下含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有する銅合金からなり、母相中にCaが偏析したCa偏析相10が分散しており、前記Ca偏析相は、CuからなるCu分散相11を含有していることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば薄膜トランジスタのゲート電極、ソース電極、ドレイン電極などの配線膜としての銅合金膜を、ガラス、アモルファスSi、又はシリカなどからなる基板上にスパッタリングにより形成するにあたり、スパッタリング時のターゲットとして使用される銅合金スパッタリングターゲットに関するものであり、特に、Cu−Ca系合金(Ca含有銅合金)からなるスパッタリングターゲットに関するものである。
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイは、ガラスなどの基板上に薄膜トランジスタ(以下“TFT”と記す)と表示回路を形成した構造とされている。一方、最近の薄型テレビの大型化、精細化の要請により、この種のTFTを用いたディスプレイパネル(TFTパネル)としても、大型、高精細のものが求められるようになっている。
従来、大型、高精細のTFTパネルのゲート電極、ソース電極、ドレイン電極などの配線膜としては、アルミニウム(Al)系材料からなる配線膜を使用することが一般的であったが、最近では、配線膜の低抵抗化のため、Alよりも導電率が高い銅(Cu)系材料からなる配線膜を使用することが進められている。
上述のTFTパネルの配線膜に使用するための銅系材料として、種々の銅合金が提案されているが、最近では、例えば以下の特許文献1あるいは特許文献2に示すように、Cu−Ca合金が注目を浴びている。Cu−Ca合金からなる配線膜は、比抵抗がAl系材料より低いばかりでなく、基板であるガラスなどとの密着性が優れている。なお、この種のCu−Ca合金によってTFTパネルの配線膜を形成する場合、スパッタリングを適用することが通常であるが、その場合、Cu−Ca合金からなるスパッタリングターゲットが用いられている。この種のスパッタリングターゲットは、例えば鋳造、熱間圧延の工程を経て製造される。
ところで、スパッタリング時においては、異常放電が発生してしまうことがある。ここで、異常放電とは、正常なスパッタリング時と比較して極端に高い電流が突然急激に流れ、異常に大きな放電が発生してしまう現象である。このような異常放電が発生すると、パーティクルの発生原因となり、スパッタリングによって形成される堆積膜の膜厚が不均一となってしまうおそれがある。したがって、スパッタリング時の異常放電はできるだけ回避することが望まれる。
そこで、特許文献3には、Cu−Ca合金からなるスパッタリングターゲットにおいて、スパッタリング時における異常放電の発生を抑制するため、Cu−Ca系晶出物の平均粒径を10〜50μmの範囲に規定したターゲットが開示されている。
特開2009−215613号公報 特開2011−044674号公報 特開2013−014808号公報
ところで、高精細のTFTパネルの低価格化に対応するため、生産性向上の要求は強く、生産性のさらなる向上のため、成膜速度を高めたいとの要望が高まっている。成膜速度を高めるためには、スパッタリングに投入する電力を高めることが必要であるが、一般にスパッタ時の投入電力を高めると、異常放電が発生しやすくなるため、異常放電回数の低減が課題となる。
同様に、Cu−Ca合金からなるターゲットを用いてスパッタリングを行う場合でも、異常放電をさらに低減することが求められている。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、Cu−Ca合金など、Cuに対する合金元素として主としてCaを添加したCu−Ca系合金を用いた銅合金スパッタリングターゲットであって、成膜速度を上げて生産性を高めるために、より大きな電力でスパッタリングしても異常放電の発生を抑制し得るようにした銅合金スパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決すべく検討した結果、銅合金スパッタリングターゲットを製造する際の熱間圧延によってCu−Ca鋳塊に含まれるCa偏析相に割れが生じることがあり、特に成膜速度を高めるため大電流でスパッタリングを行うと、この割れに起因して、異常放電の発生頻度が増加し、パーティクルの発生が増加することが判明した。そして、本発明者らは、これを解決するためにさらに検討した結果、Ca偏析相にCuからなるCu分散相を含有させることによって、上述の割れの発生を抑制し、スパッタリングを行う際に異常放電の発生を抑制できるとの知見を得た。
本発明は、上記の知見に基づき完成させたものであって、その要旨は以下の通りである。
前述の課題を解決するために、本発明の銅合金スパッタリングターゲットは、Caを0.3質量%以上1.7質量%以下含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有する銅合金からなり、母相中にCaが偏析したCa偏析相が分散しており、前記Ca偏析相は、CuからなるCu分散相を含有していることを特徴としている。
本発明の銅合金スパッタリングターゲットによれば、Cu−Ca系の銅合金からなり、母相中にCaが偏析したCa偏析相が分散しており、前述のCa偏析相は、CuからなるCu分散相を含有しているので、熱間圧延時において、Cu分散相によってCa偏析相に生じるき裂が進展することを抑制し、Ca偏析相が割れることを抑制できる。したがって、スパッタリング時に投入する電力を高めても、スパッタリング時における異常放電の発生を抑制することが可能となる。
また、本発明の銅合金スパッタリングターゲットにおいて、Caの含有量は、0.3質量%以上とされているので、スパッタリングによって、ガラスやSi、シリカなどからなる基板に対する密着性が良好な銅合金膜を形成することができる。
また、本発明の銅合金スパッタリングターゲットにおいて、Ca含有量は、1.7質量%以下とされているので、熱間圧延で板材とする際に板に割れが発生することを抑制することができる。
また、本発明のスパッタリングターゲットにおいて、前記Ca偏析相の平均粒径が、10μm未満であることが好ましい。
この場合、Ca偏析相の平均粒径が10μm未満とされているので、熱間圧延においてCa偏析相に割れが発生することを確実に抑制することができる。
また、本発明のスパッタリングターゲットにおいて、前記Cu分散相の平均粒径が6μm以下とされていることが好ましい。
この場合、Cu分散相の平均粒径が6μm以下とされているので、熱間圧延においてCa偏析相に生じるき裂が進展することを抑制し、Ca偏析相が割れることを確実に抑制することができる。
本発明によれば、Cu−Ca合金など、Cuに対する合金元素として主としてCaを添加したCu−Ca系合金を用いた銅合金スパッタリングターゲットであって、成膜速度を上げて生産性を高めるために、より大きな電力でスパッタリングしても異常放電の発生を抑制し得るようにした銅合金スパッタリングターゲットを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るスパッタリングターゲットにおいて、熱間圧延後のCa偏析相を説明するための電子線マイクロアナライザ(EPMA)のCOMPO像(倍率:500倍)である。 本発明の一実施形態に係るスパッタリングターゲットにおいて、熱間圧延後のCu分散相を説明するための電子線マイクロアナライザ(EPMA)のCOMPO像(倍率:1000倍)である。 本発明の一実施形態に係るスパッタリングターゲットにおいて、熱間圧延後のCa偏析相に生じるき裂について説明するための電子線マイクロアナライザ(EPMA)のCOMPO像(倍率:5000倍)である。
以下に、本発明の実施の形態について添付した図面を参照して説明する。
本実施形態に係る銅合金スパッタリングターゲットは、Caを0.3質量%以上1.7質量%以下含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有している。
そして、この銅合金スパッタリングターゲットの母相中には、図1〜3に示すように、Caが偏析したCa偏析相10が分散している。おり、このCa偏析相10は、図2に示すように、CuからなるCu分散相11を含有している。ここで、本実施形態においては、Ca偏析相10の平均粒径は10μm未満であることが好ましく、Cu分散相11の平均粒径は6μm以下であることが好ましい。
以下に、本実施形態に係る銅合金スパッタリングターゲットにおいて、組成を上述の範囲に規定している理由、及び金属組織を上述のように規定している理由について説明する。
(Ca:0.3質量%以上1.7質量%以下)
Caは、本実施形態において対象としているCu−Ca系の銅合金において基本的な合金元素である。TFTパネル用の配線形成のための銅合金スパッタリングターゲットとしてCu−Ca系の銅合金を用いて得られるCu−Ca系の銅合金膜は、配線層として比抵抗が低いという特性を示す。また、Cu−Ca系の銅合金膜は、ガラスやSi、シリカなどからなる基板に対する密着性が優れており、さらにはスパッタリング条件などによっては高価なMoやTiなどからなる下地層を不要としてTFTパネルの低コスト化を図ることが可能である。また、Cu−Ca系の銅合金膜からなる配線膜であるならば、TFTパネルの作成過程で一般的に適用されている各種熱処理によって配線膜の密着性が低下してしまうことを防止できる。
そこで、本実施形態では、このようなCu−Ca系の銅合金膜を基板上にスパッタリングによって形成する際の銅合金スパッタリングターゲットとして、Caを含有するCu−Ca系合金を用いている。ここで、ターゲット材のCu−Ca系合金として、Caが0.3質量%未満では、スパッタリングにより基板上に形成されるCu−Ca系合金膜のCa含有量が過少となって、上述のような効果が得られなくなる。一方、ターゲット材のCu−Ca系合金として、Caが1.7質量%を越えるようであると、熱間圧延で板材とする際に割れが生じ易くなり、結果的に得られるスパッタリングターゲットにも割れが入り易くなる。
そこで、本実施形態の銅合金スパッタリングターゲットを構成するCu−Ca系合金のCa含有量は、0.3質量%以上1.7質量%以下の範囲内とした。
Cu−Ca系合金のCa含有量は、好ましくは、0.4質量%以上、1.1質量%以下であり、より好ましくは、0.5質量%以上、0.7質量%以下である。
本実施形態に係る銅合金スパッタリングターゲットに含まれる不可避的不純物元素としては、Mg、Al、Siなどが挙げられる。
(Ca偏析相:10μm未満)
Ca偏析相10は、銅合金スパッタリングターゲットの鋳塊を製造する際に、鋳造時にCaが偏析することによって生じる相であり、例えばCuCaの組成を有している。銅合金スパッタリングターゲットの鋳塊は、その後、熱間圧延が行われてターゲットに加工される。この熱間圧延が行われた後の銅合金スパッタリングターゲット材においても、図1に示すように、母相中にCa偏析相10が分散している。
上述のCa偏析相10の平均粒径が10μm以上の場合、Ca偏析相10に割れが発生し易くなり、スパッタリング時において異常放電の発生の頻度が増加してしまう。このような理由から、本実施形態では、Ca偏析相10の平均粒径は、10μm未満であることが好ましい。ここで、Ca偏析相10のより好ましい平均粒径は5μm以下である。
Ca偏析相10の平均粒径の下限値は特に限定されないが、3μm以上であることが好ましく、より好ましくは2μm以上である。
(Cu分散相:6μm以下)
Cu分散相11は、銅合金スパッタリングターゲットの鋳塊を製造する際に、Ca偏析相10中に析出する相である。このCu分散相11は熱間圧延後においても、Ca偏析相10中に析出しており、具体的には図2に示すように、Ca偏析相10中に、Cu分散相11が含有されている。
このCu分散相11は、熱間圧延時において、Ca偏析相10中に生じるき裂12の進展を抑制する作用効果を有している。例えば、図3に示すように、熱間圧延によってCa偏析相10中にき裂12が発生しても、Cu分散相11によって、き裂12の進展を抑制することができる。 上述のCu分散相11の平均粒径が6μmを超えると、Ca偏析相10中にCu分散相11が十分に分散されず、Ca偏析相10に生じるき裂12の進展を抑制する効果が低下してしまう。このような理由から、本実施形態では、Cu分散相11の平均粒径は、6μm以下であることが好ましい。ここで、Cu分散相11のより好ましい平均粒径は3μm以下である。
Cu分散相11の平均粒径の下限値は特に限定されないが、1μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上である。
次に、本実施形態に係る銅合金スパッタリングターゲットの製造方法について説明する。
純度99.99質量%以上の無酸素銅を用意し、この無酸素銅を不活性ガス雰囲気や還元性ガス雰囲気において、高純度グラファイト坩堝内で高周波溶解する。
そして、得られた溶湯に純度98.5質量%以上のCaを添加し、溶解して所定の成分組成を有する溶湯となるように成分調整し、この溶湯を水冷のモールドに流し込み、縦120mm、横120mm、板厚20mmの鋳塊を得る。本実施形態では、このときの、水冷モールドに溶湯を流し込み鋳塊を得る際の鋳塊の冷却速度として、1200℃から500℃までの平均の冷却速度が50℃/秒以上に設定するとよい。一方、特に限定されないが、平均の冷却速度の上限値は90℃/秒と設定することができる。平均の冷却速度は60℃/秒以上80℃/秒以下であるとより好ましい。
なお、鋳塊の寸法は、上記の寸法に限定されるものではなく、種々の寸法とすることができる。
次いで、上述のようにして得られた鋳塊に対して、700℃以上850℃以下の温度範囲で、厚さ7mm以上9mm以下まで熱間圧延を行い、熱間圧延板を得る。
熱間圧延の後に、上述の熱間圧延板に対して、400℃以上600℃以下で、1時間以上4時間以下の歪取り焼鈍を行う。
次に、歪取り焼鈍後が行われた熱間圧延板に対して、旋盤加工により外径:152mm、厚さ:5mmの寸法に加工を行う。
以上のようにして、本実施形態に係る銅合金スパッタリングターゲットが製造される。
製造されたスパッタリングターゲットをバッキングプレートに重ね合わせて、はんだ付けなどの方法により接合することで、バックキングプレート付きのスパッタリングターゲットを得ることができる。
以上のような構成とされた本実施形態に係る銅合金スパッタリングターゲットによれば、Cu−Ca系合金において、母相中にCaが偏析したCa偏析相10が分散しており、Ca偏析相10は、CuからなるCu分散相11を含有しているので、熱間圧延時において、Cu分散相11によってCa偏析相10に生じるき裂12が進展することを抑制して、Ca偏析相10が割れることを抑制できる。したがって、スパッタリング時に投入する電力を高めても、スパッタリング時における異常放電の発生を抑制することが可能となる。例えば、本実施形態に係る銅合金スパッタリングターゲットを用いることによって、1800Wのような高出力でスパッタリングを行う場合であっても、異常放電の発生を抑制し、パーティクルの発生頻度を減らすことができる。
さらに、本実施形態に係る銅合金スパッタリングターゲットは、Ca偏析相10の平均粒径が、10μm未満とされているので、熱間圧延においてCa偏析相10に割れが発生することを確実に抑制することができる。
また、本実施形態に係る銅合金スパッタリングターゲットは、Cu分散相11の平均粒径が6μm以下とされているので、熱間圧延においてCa偏析相10に生じるき裂12が進展することを抑制し、Ca偏析相10が割れることを確実に抑制することができる。
また、本実施形態に係る銅合金スパッタリングターゲットのCaの含有量は、0.3質量%以上とされているので、スパッタリングによって、ガラス、Si、シリカなどからなる基板に対する密着性が良好な銅合金膜を形成することができる。
また、本実施形態の銅合金スパッタリングターゲットのCa含有量は、1.7質量%以下とされているので、熱間圧延で板材とする際に板に割れが発生することを抑制することができる。
また、上述の銅合金スパッタリングターゲットの製造方法によれば、水冷モールドに溶湯を流し込んで鋳造されているので、冷却速度十分に速く、Ca偏析相10中にCu分散相11が析出した金属組織を確実に得ることができる。
また、本実施系形態においては、銅合金スパッタリングターゲットの製造方法において、冷却速度が50℃/秒以上とされているので、Ca偏析相10及びCu分散相11が微細となり、Ca偏析相10の平均粒径を10μm未満にするとともに、Cu分散相11の平均粒径を6μm以下にすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
なお、上記の実施形態では、Ca偏析相の平均粒径が10μm未満の場合について説明したが、Ca偏析相の平均粒径は、これに限定されるものではない。
また、上記実施の形態では、Cu分散相の平均粒径が6μm以下の場合について説明したが、Cu分散相の平均粒径は、これに限定されるものではない。
また、上記実施の形態では、銅合金スパッタリングターゲットの鋳塊を製造する際の冷却速度が50℃/秒以上の場合について説明したが、これに限定されるものではない。
以下に、本発明の有効性を確認するために行った確認実験の結果について説明する。
(本発明例1〜8、比較例1)
純度:99.99質量%以上の無酸素銅を用意し、この無酸素銅をArガス雰囲気中において、高純度グラファイト坩堝内で高周波溶解し、得られた溶湯に純度98.5質量%以上のCaを添加し、溶解して、表1に示す所定の成分組成を有する溶湯となるように成分調整した。次に、水冷のモールドに得られた溶湯を鋳造し、縦120mm、横120mm、板厚20mmの鋳塊を得た。このときの鋳塊の冷却速度は、1200℃から500℃までの平均冷却速度を60℃/秒とした。
次いで、この鋳塊を800℃で、板厚8mmまで熱間圧延した後、最終的に400℃で歪取り焼鈍し、得られた熱間圧延材の表面を旋盤加工して外径:152mm、厚さ:5mmの寸法を有する円板状の銅合金スパッタリングターゲットを作製した。
このようにして、本発明例1〜8、比較例1の銅合金スパッタリングターゲットを得た。なお、比較例1については、熱間圧延において、板に割れが発生したため、製造を中止した。
(本発明例9、10、比較例2)
本発明例9、10、比較例2の銅合金スパッタリングターゲットは、鋳造時において、水冷のモールドを用いず、水冷されていない通常のモールドに溶湯を流し込み、鋳塊を得ること以外は、本発明例1〜8の銅合金スパッタリングターゲットと同様にして製造した。
以上のようにして得られた銅合金スパッタリングターゲットにおいて、熱間圧延材の金属組織を観察し、Ca偏析相及びCu分散相の平均粒径を測定した。
また、得られた銅合金スパッタリングターゲットを無酸素銅製バッキングプレートに重ね合わせ、純インジウムを用いて、はんだ付けすることにより、バッキングプレート付きスパッタリングターゲットを得た。このバッキングプレート付きスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングを行い、異常放電の回数をカウントした。 以下に、Ca偏析相及びCu分散相の平均粒径の測定方法、スパッタリング方法及び異常放電カウント方法について説明する。
(Ca偏析相及びCu分散相の平均粒径の測定方法)
熱間圧延材において、鋳塊の上部と下部に相当する2箇所からサンプリングして、このサンプルを研磨後、走査型電子顕微鏡により金属組織写真を撮影した。
Ca偏析相の平均粒径は、500倍で撮影した金属組織写真に一定間隔(30μm〜45μm)で縦横5本ずつ線を引き、その線(180μm〜230μm)を横断したCa偏析相の長さを合計し、Ca偏析相の個数で割ることにより求めた。
Cu分散相の平均粒径は、1000倍で撮影した金属組織写真に一定間隔(8μm〜10μm)で縦横10本ずつ線を引き、その線(90μm〜110μm)を縦断したCu分散相の長さを合計し、Cu分散相の個数で割ることにより求めた。なお、Ca偏析相及びCu分散相は、電子線マイクロアナライザでCu及びCaの面分析を行って確認した。
(スパッタリング方法及び異常放電カウント方法)
上述の銅合金スパッタリングターゲットを用いてスパッタリングを行った。スパッタ装置の電源として直流方式を採用し、スパッタ装置の真空容器を到達真空圧力が4×10−5Pa以下になるまで真空引きした。次に、純Arガス、又は酸素を10体積%の割合で含む酸素−Ar混合ガスをスパッタガスとして真空容器内に流し、スパッタ雰囲気圧力を0.67Paとした後、出力600W、又は出力1800Wで8時間放電し、その間に生じた異常放電回数を電源に付属するアークカウンターを用いて計測することにより、総異常放電回数をカウントした。
以上の評価の結果を表1に示す。
表1に示すように、本発明例1〜10の銅合金スパッタリングターゲットは、異常放電回数が少ないことが確認された。特に、本発明例1〜8の銅合金スパッタリングターゲットでは、Ca偏析相の平均粒径が10μm未満、かつCu分散相の平均粒径が6μm以下とされており、出力が1800Wで8時間スパッタリングした場合であっても異常放電の発生を生じなかった。
一方、比較例1は、Caの含有量が本発明よりも多いため、熱間圧延において割れが発生し、銅合金スパッタリングターゲットを製造することができなかった。
また、比較例2の銅合金スパッタリングターゲットは、Caの含有量が比較的少なく、さらに10℃/秒の冷却速度で鋳造されているため、Ca偏析相にCu分散相が含有されておらず、熱間圧延時にCa偏析相に発生するき裂の進展を抑制することができず、Ca偏析相に割れが発生するため、1800Wで8時間スパッタリングした場合に、異常放電の発生回数が多くなった。
10 Ca偏析相
11 Cu分散相

Claims (3)

  1. Caを0.3質量%以上1.7質量%以下含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有する銅合金からなり、
    母相中にCaが偏析したCa偏析相が分散しており、
    前記Ca偏析相は、CuからなるCu分散相を含有していることを特徴とする銅合金スパッタリングターゲット。
  2. 前記Ca偏析相の平均粒径が、10μm未満であることを特徴とする請求項1に記載の銅合金スパッタリングターゲット。
  3. 前記Cu分散相の平均粒径が、6μm以下とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の銅合金スパッタリングターゲット。
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