JP2015063608A - 熱硬化性樹脂組成物、これを用いたプリプレグ及びそれを用いた積層板 - Google Patents
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Abstract
【課題】低熱膨張性に優れる熱硬化性樹脂組成物、及びそれを用いたプリプレグ及び積層板を提供する。【解決手段】(1)特定の式で示される末端に水酸基を有するシロキサン樹脂(a)と、1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物(b)と、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(c)と、反応触媒として有機金属塩(d)を、(a)と(b)と(c)の総和100質量部あたりの(a)の使用量を10〜50質量部の範囲とし、(b)の使用量を40〜80質量部の範囲とし、(c)の使用量を10〜50質量部の範囲として、これらを予めトルエン、キシレン、メシチレンから選ばれる溶媒中で80℃〜120℃の反応温度でイミノカーボネ−ト化反応、及びトリアジン環化反応させることにより製造される相容化樹脂と、(2)分子構造中にイミダゾール構造を含有する化合物と、を成分として含有する熱硬化性樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、低熱膨張性に優れた熱硬化性樹脂組成物、該熱硬化性樹脂組成物を用いたプリプレグ、及び積層板に関する。
熱硬化性樹脂組成物は、架橋構造を有し、高い耐熱性や寸法安定性を発現するため、電子機器等の分野において広く使われる。特に、配線や回路パターンがプリントされたプリント配線板、またプリント配線板を多層化した銅張積層板を構成するプリプレグや、層間絶縁材料として用いられている。
近年、電子機器の小型化、軽量化、動作周波数の高速化が一段と進み、プリント配線及び回路パターンの高集積化が進んでいる。高集積化の方法として、プリント配線板に形成されるプリント配線及び回路パターンの微細化、回路パターンが形成された回路基板の多層化、或いはこれらの併用が提案されている。
また、プリント配線の高集積化に伴い、プリント配線板に低熱膨張性が特に要求されている。特許文献1、2および3には、シアネート化合物と無機充填剤からなり、低熱膨張性を発現させる樹脂組成物が開示されているが、これらは低熱膨張性を発現させるため無機充填剤の配合量が多く、銅張積層板や層間絶縁材料として使用した場合、ドリル加工性や成形性が不足するなどの問題があった。
近年、電子機器の小型化、軽量化、動作周波数の高速化が一段と進み、プリント配線及び回路パターンの高集積化が進んでいる。高集積化の方法として、プリント配線板に形成されるプリント配線及び回路パターンの微細化、回路パターンが形成された回路基板の多層化、或いはこれらの併用が提案されている。
また、プリント配線の高集積化に伴い、プリント配線板に低熱膨張性が特に要求されている。特許文献1、2および3には、シアネート化合物と無機充填剤からなり、低熱膨張性を発現させる樹脂組成物が開示されているが、これらは低熱膨張性を発現させるため無機充填剤の配合量が多く、銅張積層板や層間絶縁材料として使用した場合、ドリル加工性や成形性が不足するなどの問題があった。
本発明の目的は、低熱膨張性に優れる熱硬化性樹脂組成物、及びそれを用いたプリプレグ及び積層板を提供することである。
本発明は、(1)下記一般式(I)で示される末端に水酸基を有するシロキサン樹脂(a)と、1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物(b)と、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(c)と、反応触媒として有機金属塩(d)を、(a)と(b)と(c)の総和100質量部あたりの(a)の使用量を10〜50質量部の範囲とし、(b)の使用量を40〜80質量部の範囲とし、(c)の使用量を10〜50質量部の範囲として、これらを予めトルエン、キシレン、メシチレンから選ばれる溶媒中で80℃〜120℃の反応温度でイミノカーボネ−ト化反応、及びトリアジン環化反応させることにより製造される相容化樹脂と、
(2)分子構造中にイミダゾール構造を含有する化合物と、を成分として含有する熱硬化性樹脂組成物に関する。
(2)分子構造中にイミダゾール構造を含有する化合物と、を成分として含有する熱硬化性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、前記の熱硬化性樹脂組成物をQガラスクロス基材に含浸又は塗工し、得られるプリプレグに関する。
また、本発明は、Qガラスクロス基材の石英含有率が90質量%以上である前記のプリプレグに関する。
また、本発明は、前記のプリプレグを加熱加圧成形して得られる積層板に関する。
また、本発明は、Qガラスクロス基材の石英含有率が90質量%以上である前記のプリプレグに関する。
また、本発明は、前記のプリプレグを加熱加圧成形して得られる積層板に関する。
本発明により、低熱膨張性に優れる熱硬化性樹脂組成物、及びそれを用いたプリプレグ及び積層板を提供することが可能となった。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(1)(a)上記一般式(I)で示される構造の水酸基を含有するシロキサン樹脂と、(b)1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物と、(c)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物と、(d)反応触媒として有機金属塩を、芳香族系有機溶媒中でイミノカーボネ−ト化反応、及びトリアジン環化反応させることにより得られる相容化樹脂と、(2)分子構造中にイミダゾール構造を含有する化合物とを成分とする樹脂組成物である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(1)(a)上記一般式(I)で示される構造の水酸基を含有するシロキサン樹脂と、(b)1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物と、(c)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物と、(d)反応触媒として有機金属塩を、芳香族系有機溶媒中でイミノカーボネ−ト化反応、及びトリアジン環化反応させることにより得られる相容化樹脂と、(2)分子構造中にイミダゾール構造を含有する化合物とを成分とする樹脂組成物である。
本発明の成分(a)であるシロキサン樹脂は、上記一般式(I)で示される構造の水酸基を含有するシロキサン樹脂であれば特に限定されない。例えば両末端がフェノール性水酸基である信越化学工業株式会社製、商品名X−22−1821(水酸基価:30KOHmg/g)、商品名X−22−1822(水酸基価:20KOHmg/g)、東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名BY16−752A(水酸基価:30KOHmg/g)、及び両末端がアルコール性水酸基である信越化学工業株式会社製、商品名X−22−160AS(水酸基価:112KOHmg/g)、商品名KF−6001(水酸基価:62KOHmg/g)、商品名KF−6002(水酸基価:35KOHmg/g)、商品名KF−6003(水酸基価:20KOHmg/g)、商品名X−22−4015(水酸基価:27KOHmg/g)等が挙げられる。これらは信越化学工業株式会社や東レ・ダウコーニング株式会社等から商業的に入手できる。
本発明の成分(b)である1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物は、例えば、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、ビスフェノールF型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用することができる。これらの中で、誘電特性、耐熱性、難燃性、低熱膨張性、及び安価である点から、ビスフェノールA型シアネート樹脂、下記一般式(II)に示すノボラック型シアネート樹脂が特に好ましい。
一般式(II)で示されるノボラック型シアネート樹脂の平均繰り返し数:mは、特に限定されないが、0.1〜30が好ましい。0.1より多いと結晶化が抑制され取り扱いが容易となり、30より少ないと硬化物が脆くなりにくい。
本発明の成分(c)である1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物は、例えば、ビスフェノールA系、ビスフェノールF系、ビフェニル系、ノボラック系、多官能フェノール系、ナフタレン系、脂環式系及びアルコール系等のグリシジルエーテル、グリシジルアミン系並びにグリシジルエステル系等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用することができる。これらの中で、高剛性、誘電特性、耐熱性、難燃性、耐湿性及び低熱膨張性の点からナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル・クレゾール共重合型エポキシ樹脂等のナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂等のビフェニル基含有エポキシ樹脂が好ましく、芳香族系有機溶剤への溶解性の点からナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル・クレゾール共重合型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂がより好ましく、安価であることやエポキシ当量が小さく少量の配合でよいことから、下記式(III)に示すビフェニル型エポキシ樹脂が特に好ましい。
本発明の成分(d)である反応触媒の有機金属塩は、例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸錫、オクチル酸コバルト等が挙げられる。
(a)と(b)と(c)の総和100質量部あたりの(a)の使用量を10〜50質量部の範囲とし、(b)の使用量を40〜80質量部の範囲とし、(c)の使用量を10〜50質量部の範囲として、これらを予めトルエン、キシレン、メシチレンから選ばれる溶媒中に均一に溶解し、80℃〜120℃の反応温度でイミノカーボネ−ト化反応、及びトリアジン環化反応させ、(b)のシアネート基を有する化合物の反応率(消失率)を30〜70mol%となるようにプレ反応を行うことが好ましい。ここで、反応溶媒にはトルエン、キシレン、メシチレンから選ばれる芳香族系溶媒である必要があり、必要により少量の他の溶剤を用いてもよいが、所望の反応が進行せず、耐熱性等が低下する。また、ベンゼンは毒性が強く、メシチレンよりも分子量の大きい芳香族系溶媒はプリプレグの製造塗工時に残溶剤となりやすいので好ましくない。プレ反応による反応率が30mol%未満であると、得られる樹脂が相容化されておらず、樹脂が分離、白濁しBステージの塗工布が製造できない。また、反応率が70mol%を超えると、得られる熱硬化性樹脂が溶剤に不溶化し、Aステージのワニス(熱硬化性樹脂組成物)が製造できなくなったり、プリプレグのゲルタイムが短くなり過ぎ、プレスの際に成形性が低下する場合がある。なお、イミノカーボネ−ト化反応は、水酸基とシアネート基の付加反応によりイミノカーボネ−ト結合(−O−(C=NH)−O−)が生成される反応であり、トリアジン環化反応は、シアネート基が3量化しトリアジン環を形成する反応である。また、このシアネート基が3量化しトリアジン環を形成する反応により3次元網目構造化が進行するが、この時(c)である1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物が3次元網目構造中に均一に分散され、これによって(a)成分と(b)成分と(c)成分が均一に分散された相容化樹脂が製造される。ここで、(a)の使用量が10質量部を超えると、得られる基材の面方向の低熱膨張性が得られ、また(a)の使用量が50質量部未満であると、耐熱性や耐薬品性が低下せず良好である。(b)の使用量が40質量部を超えると得られる樹脂の相容性が良好となり、また(b)の使用量が80質量部を未満であると、得られる基材の面方向の低熱膨張性が得られ良好である。(c)の使用量が10質量部を超えると、耐湿耐熱性が低下せず良好であり、また(c)の使用量が50質量部を未満であると、銅箔接着性や誘電特性が低下せず良好である。反応触媒の(d)成分の使用量は、(a)と(b)と(c)の総和100質量部に対して、0.0001〜0.004質量部が好ましい。0.0001質量部以上であると反応時間が適当であり、所望の反応率に達し易い。また、0.004質量部未満であると、反終点管理が容易である。ここで、(b)のシアネート基を有する化合物の反応率は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定により反応開始時の(b)のシアネート基を有する化合物のピーク面積と、所定時間反応後のピーク面積を比較し、ピーク面積の消失率から求められる。
本発明の熱硬化性樹脂には、低熱膨張性や耐熱性、難燃性等の向上化のために無機充填材を用いるのが望ましく、特に溶融シリカを用いるのが好ましく、中でも官能基を有するシラン化合物で表面を処理した溶融シリカを用いるのがより好ましい。官能基を有するシラン化合物には、官能基とアルコキシル基を有するシラン化合物であればどのようなものでも良く、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが上げられる。この中でも特に、下記式(IV)で示されるN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
無機充填材への表面処理方法の例としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤やエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系有機溶剤に、溶融シリカを添加して混合した後、上記式(IV)で示されるトリメトキシシラン化合物を添加して60℃〜120℃で、0.5〜5時間程度攪拌しながら反応(表面処理)させることにより得られる。また、株式会社アドマテックス等から商業的にも入手でき、例えば、株式会社アドマテックス製の商品名SC−2050KNKや、SC−2050HNK等がある。これら溶融シリカの使用量は、固形分換算の該樹脂組成物100質量部に対し、10〜300質量部とすることが好ましく、100〜250質量部とすることがより好ましく、150〜250質量部とすることが特に好ましい。10質量部以上であると、基材の剛性や、耐湿耐熱性、難燃性が十分であり、また、300質量部以下であると成形性や耐めっき液性等の耐薬品性が向上する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、成分(2)である分子構造中にイミダゾール構造を含有する化合物は、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用することができる。これらの中で、耐熱性や保存安定性の点から2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールが好ましく、更に250℃以下の低温で良好な硬化反応性を示す点から、2−メチルイミダゾールが特に好ましい。また、イミダゾール化合物の配合量は、熱硬化性樹脂(1)100質量部に対し、0.1〜5質量部が好ましい。0.1質量部以上とすることにより良好な硬化性が得られ、5質量部以下とすることにより良好な保存安定性が得られる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、他の無機充填材を使用してもよく、例えば、破砕シリカ、マイカ、タルク、ガラス短繊維又は微粉末及び中空ガラス、炭酸カルシウム、石英粉末、金属水和物等が挙げられ、これらの中で、低熱膨張性や高弾性、耐熱性、難燃性の点から、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水和物が好ましく、さらに金属水和物の中でも、高い耐熱性と難燃性が両立する点から熱分解温度が300℃以上である金属水和物、例えばベーマイト型水酸化アルミニウム(AlOOH)、あるいはギブサイト型水酸化アルミニウム(Al(OH)3)を熱処理によりその熱分解温度を300℃以上に調整した化合物、水酸化マグネシウム等がより好ましく、特に、安価であり、350℃以上の特に高い熱分解温度と、高い耐薬品性を有するベーマイト型水酸化アルミニウム(AlOOH)が特に好ましい。これらの無機充填材使用量は、固形分換算の該樹脂組成物100質量部に対し、10〜200質量部とすることが好ましく、10〜150質量部とすることがより好ましく、50〜150質量部とすることが特に好ましい。10質量部を超えると難燃性が十分となり、200質量部未満であると耐めっき液性等の耐薬品性や成形性が低下せず、良好となる。
本発明の熱硬化性樹脂には、耐熱性や難燃性、銅箔接着性等の向上化のため硬化促進剤を用いることが望ましく、硬化促進剤の例としては、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸錫、オクチル酸コバルト等の有機金属塩、イミダゾール類及びその誘導体、
第三級アミン類及び第四級アンモニウム塩等が挙げられる。硬化促進剤を使用しないと、耐熱性や難燃性、銅箔接着性等が不足する場合がある。
第三級アミン類及び第四級アンモニウム塩等が挙げられる。硬化促進剤を使用しないと、耐熱性や難燃性、銅箔接着性等が不足する場合がある。
本発明の熱硬化性樹脂には、任意に他の難燃剤の併用ができるが、臭素や塩素を含有する含ハロゲン系難燃剤や熱分解温度が300℃未満である金属水酸化物等は本発明の目的にそぐわない。他の難燃剤の併用の例としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、リン酸エステル系化合物、ホスファゼン、赤リン等のリン系難燃剤、三酸化アンチモン、モリブデン酸亜鉛等の無機難燃助剤等が挙げられる。特に、モリブデン酸亜鉛をタルク等の無機充填材に担持した無機難燃助剤は、難燃性のみならずドリル加工性をも著しく向上化させるので、特に好ましい無機難燃助剤である。モリブデン酸亜鉛の使用量は本発明の相容化樹脂100質量部に対し、5〜20質量部とすることが好ましい。5質量部以上であると難燃性やドリル加工性が向上し、また20質量部未満であるとワニスのゲルタイムが短くなり過ぎず、プレスにより積層板を成形する際に成形性が満足できる。
本発明によれば、任意に公知の熱可塑性樹脂、エラストマー、難燃剤、有機充填剤等の併用ができる。
熱可塑性樹脂の例としては、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。
エラストマーの例としては、ポリブタジエン、アクリロニトリル、エポキシ変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、フェノール変性ポリブタジエン及びカルボキシ変性アクリロニトリル等が挙げられる。
有機充填剤の例としては、シリコーンパウダー、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、並びにポリフェニレンエーテル等の有機物粉末等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の例としては、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。
エラストマーの例としては、ポリブタジエン、アクリロニトリル、エポキシ変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、フェノール変性ポリブタジエン及びカルボキシ変性アクリロニトリル等が挙げられる。
有機充填剤の例としては、シリコーンパウダー、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、並びにポリフェニレンエーテル等の有機物粉末等が挙げられる。
本発明において、任意に該樹脂組成物に対して、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤及び密着性向上剤等の添加も可能であり、特に限定されない。これらの例としては、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系やスチレン化フェノール等の酸化防止剤、ベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、チオキサントン系等の光重合開始剤、スチルベン誘導体等の蛍光増白剤、尿素シラン等の尿素化合物やシランカップリング剤等の密着性向上剤等が挙げられる。
本発明のプリプレグは、前記した本発明の熱硬化性樹脂組成物を、Qガラスクロス基材に含浸又は塗工してなるものである。以下、本発明のプリプレグについて詳述する。
ガラスクロス基材としては、Q(石英)ガラスクロス基材以外の、Eガラスクロス基材、Dガラスクロス基材、Sガラスクロス基材等を一部使用してもよい。Eガラスクロス基材は、電気絶縁性を維持するように不純物濃度を低減したものであり、Dガラスクロス基材は、誘電率を小さくするため、また、Q(石英)ガラスクロス基材は、誘電率を小さくするためと平面方向の熱膨張率を小さくする目的でも適用されている。また、Sガラスクロス基材は、強度の特に必要な積層板に使用される。
本発明のプリプレグは、上記熱硬化性樹脂組成物を、Qガラスクロスに含浸又は塗工し、加熱等により半硬化(Bステージ化)することで製造できる。本発明のプリプレグのQガラスクロスは石英含有率が90質量%以上であることが好ましい。
このQガラスクロスの形状としては、例えば、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット及びサーフェシングマット等の形状を有するが、材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され、必要により、単独又は2種類以上の材質及び形状を組み合わせることができる。基材の厚さは、特に制限されず、例えば、約0.03〜0.5mmを使用することができ、シランカップリング剤等で表面処理したもの又は機械的に開繊処理を施したものが、耐熱性や耐湿性、加工性の面から好適である。該基材に対する樹脂組成物の付着量が、乾燥後のプリプレグの樹脂含有率で、20〜90質量%となるように、基材に含浸又は塗工した後、通常、100〜200℃の温度で1〜30分加熱乾燥し、半硬化(Bステージ化)させて、本発明のプリプレグを得ることができる。
ガラスクロス基材としては、Q(石英)ガラスクロス基材以外の、Eガラスクロス基材、Dガラスクロス基材、Sガラスクロス基材等を一部使用してもよい。Eガラスクロス基材は、電気絶縁性を維持するように不純物濃度を低減したものであり、Dガラスクロス基材は、誘電率を小さくするため、また、Q(石英)ガラスクロス基材は、誘電率を小さくするためと平面方向の熱膨張率を小さくする目的でも適用されている。また、Sガラスクロス基材は、強度の特に必要な積層板に使用される。
本発明のプリプレグは、上記熱硬化性樹脂組成物を、Qガラスクロスに含浸又は塗工し、加熱等により半硬化(Bステージ化)することで製造できる。本発明のプリプレグのQガラスクロスは石英含有率が90質量%以上であることが好ましい。
このQガラスクロスの形状としては、例えば、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット及びサーフェシングマット等の形状を有するが、材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され、必要により、単独又は2種類以上の材質及び形状を組み合わせることができる。基材の厚さは、特に制限されず、例えば、約0.03〜0.5mmを使用することができ、シランカップリング剤等で表面処理したもの又は機械的に開繊処理を施したものが、耐熱性や耐湿性、加工性の面から好適である。該基材に対する樹脂組成物の付着量が、乾燥後のプリプレグの樹脂含有率で、20〜90質量%となるように、基材に含浸又は塗工した後、通常、100〜200℃の温度で1〜30分加熱乾燥し、半硬化(Bステージ化)させて、本発明のプリプレグを得ることができる。
本発明の積層板は、前述の本発明のプリプレグを用いて、積層成形して、形成することができる。本発明のプリプレグを、例えば、1〜20枚重ね、その片面又は両面に銅及びアルミニウム等の金属箔を配置した構成で積層成形することにより製造することができる。金属箔は、電気絶縁材料用途で用いるものであれば特に制限されない。また、成形条件は、例えば、電気絶縁材料用積層板及び多層板の手法が適用でき、例えば多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機等を使用し、温度100〜250℃、圧力0.196〜9.80MPa、加熱時間0.1〜5時間の範囲で成形することができる。また、本発明のプリプレグと内層用配線板とを組合せ、積層成形して、多層板を製造することもできる。
次に、下記の実施例により本発明を更に詳しく説明するが、これらの実施例は本発明をいかなる意味においても制限するものではない。
製造例1:相容化樹脂(1−1)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製;商品名Primaset BADCy):600.0gと、下記式(V)に示すシロキサン樹脂(信越化学株式会社製;商品名X−22−1821、水酸基当量;1,600):200.0gと、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製;商品名YX−4000、エポキシ当量;186):200.0gと、トルエン:1000.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.01g添加し、約110℃で4時間反応を行った。その後、室温(25℃、以下同様)に冷却し相容化樹脂(1−1)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.4分付近に出現する合成原料のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率が68%であった。また、約10.9分付近、及び8.0〜10.0付近に出現する熱硬化性樹脂の生成物のピークが確認された。さらに、少量取り出した反応溶液を、メタノールとベンゼンの混合溶媒(混合質量比1:1)に滴下して再沈殿させることにより、精製された固形分を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イミノカーボネート基に起因する1700cm−1付近のピーク、また、トリアジン環に起因する1560cm−1付近、及び1380cm−1付近の強いピークが確認でき、相容化樹脂(1−1)が製造されていることを確認した。
製造例1:相容化樹脂(1−1)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製;商品名Primaset BADCy):600.0gと、下記式(V)に示すシロキサン樹脂(信越化学株式会社製;商品名X−22−1821、水酸基当量;1,600):200.0gと、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製;商品名YX−4000、エポキシ当量;186):200.0gと、トルエン:1000.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.01g添加し、約110℃で4時間反応を行った。その後、室温(25℃、以下同様)に冷却し相容化樹脂(1−1)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.4分付近に出現する合成原料のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率が68%であった。また、約10.9分付近、及び8.0〜10.0付近に出現する熱硬化性樹脂の生成物のピークが確認された。さらに、少量取り出した反応溶液を、メタノールとベンゼンの混合溶媒(混合質量比1:1)に滴下して再沈殿させることにより、精製された固形分を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イミノカーボネート基に起因する1700cm−1付近のピーク、また、トリアジン環に起因する1560cm−1付近、及び1380cm−1付近の強いピークが確認でき、相容化樹脂(1−1)が製造されていることを確認した。
製造例2:相容化樹脂(1−2)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製;商品名Primaset PT−15,重量平均分子量500〜1,000):800.0gと、下記式(VI)に示すシロキサン樹脂(信越化学株式会社製;商品名KF−6003、水酸基当量;2800):100.0gと、ナフトールアラルキル・クレゾール共重合型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製;商品名NC−7000L、エポキシ当量;230):100.0gと、トルエン:1000.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.01g添加し、約110℃で4時間反応を行った。その後、室温に冷却し相容化樹脂(1−2)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.1分付近に出現する合成原料のノボラック型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のノボラック型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率が43%であった。また、約10.9分付近、及び8.0〜10.0付近に出現する熱硬化性樹脂の生成物のピークが確認された。さらに、少量取り出した反応溶液を、メタノールとベンゼンの混合溶媒(混合重量比1:1)に滴下して再沈殿させることにより、精製された固形分を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イミノカーボネート基に起因する1700cm−1付近のピーク、また、トリアジン環に起因する1560cm−1付近、及び1380cm−1付近の強いピークが確認でき、相容化樹脂(1−2)が製造されていることを確認した。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製;商品名Primaset PT−15,重量平均分子量500〜1,000):800.0gと、下記式(VI)に示すシロキサン樹脂(信越化学株式会社製;商品名KF−6003、水酸基当量;2800):100.0gと、ナフトールアラルキル・クレゾール共重合型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製;商品名NC−7000L、エポキシ当量;230):100.0gと、トルエン:1000.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.01g添加し、約110℃で4時間反応を行った。その後、室温に冷却し相容化樹脂(1−2)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.1分付近に出現する合成原料のノボラック型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のノボラック型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率が43%であった。また、約10.9分付近、及び8.0〜10.0付近に出現する熱硬化性樹脂の生成物のピークが確認された。さらに、少量取り出した反応溶液を、メタノールとベンゼンの混合溶媒(混合重量比1:1)に滴下して再沈殿させることにより、精製された固形分を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イミノカーボネート基に起因する1700cm−1付近のピーク、また、トリアジン環に起因する1560cm−1付近、及び1380cm−1付近の強いピークが確認でき、相容化樹脂(1−2)が製造されていることを確認した。
製造例3:トリメトキシシラン化合物により表面処理(湿式処理)された溶融シリカの製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、溶融シリカ(株式会社アドマテックス製;商品名SO−25R):700.0gと、プロピレングリコールモノメチルエーテル:1000.0gを配合し、攪拌しながらN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学株式会社製;商品名KBM−573):7.0gを添加した。次いで80℃に昇温し、80℃で1時間反応を行い溶融シリカの表面処理(湿式処理)を行った後、室温に冷却し、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランにより表面処理(湿式処理)された溶融シリカの溶液を得た。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、溶融シリカ(株式会社アドマテックス製;商品名SO−25R):700.0gと、プロピレングリコールモノメチルエーテル:1000.0gを配合し、攪拌しながらN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学株式会社製;商品名KBM−573):7.0gを添加した。次いで80℃に昇温し、80℃で1時間反応を行い溶融シリカの表面処理(湿式処理)を行った後、室温に冷却し、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランにより表面処理(湿式処理)された溶融シリカの溶液を得た。
製造例4:熱硬化性樹脂組成物ワニスの製造
製造例1により得られた相容化樹脂、製造例2により得られた溶融シリカ、分子構造中にイミダゾール構造を含有する化合物として2−メチルイミダゾール、硬化促進剤、及び希釈溶剤にメチルエチルケトンを使用して、表1に示した配合割合(質量部)で混合して樹脂分60質量%の均一なワニスを得た。
製造例1により得られた相容化樹脂、製造例2により得られた溶融シリカ、分子構造中にイミダゾール構造を含有する化合物として2−メチルイミダゾール、硬化促進剤、及び希釈溶剤にメチルエチルケトンを使用して、表1に示した配合割合(質量部)で混合して樹脂分60質量%の均一なワニスを得た。
[実施例1〜2、比較例1〜2]
製造例1〜2により得られた相容化樹脂、及び、製造例3で得られた溶融シリカ、また、硬化促進剤、及び希釈溶剤にメチルエチルケトンを使用して、表2に示した配合割合(質量部)で混合して樹脂分60質量%の均一なワニスを得た。
製造例1〜2により得られた相容化樹脂、及び、製造例3で得られた溶融シリカ、また、硬化促進剤、及び希釈溶剤にメチルエチルケトンを使用して、表2に示した配合割合(質量部)で混合して樹脂分60質量%の均一なワニスを得た。
次に、熱硬化性樹脂組成物ワニスの溶液をQガラスクロス及びSガラスクロスに樹脂を含浸させ、これを160℃で5分加熱することにより乾燥させて、樹脂の体積分率72%のプリプレグを得た。続いて、プリプレグを4枚重ねて積層体を形成し、積層体の一方の表面と他方の表面とに配線幅が18μmの電解銅箔を配置し、圧力2.5MPa、温度240℃の条件で60分間圧着することにより、銅張積層板を得た。このようにして得られた銅張積層板を用いて線熱膨張係数について以下の方法で測定・評価し、評価結果を表3に示した。
<線熱膨張係数の測定>
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた4mm×30mmの評価基板を作製し、TMA試験装置(TAインスツルメント株式会社製、TMAQ400)を用い、引張試験にて評価基板の面方向の30℃〜100℃の線熱膨張係数を測定した。昇温速度は10℃/分とした。
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた4mm×30mmの評価基板を作製し、TMA試験装置(TAインスツルメント株式会社製、TMAQ400)を用い、引張試験にて評価基板の面方向の30℃〜100℃の線熱膨張係数を測定した。昇温速度は10℃/分とした。
表3の結果から、プリプレグにQガラスクロスを用いることで、従来のガラスクロスを用いたプリプレグより低熱膨張率が発現できることがわかる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物をQガラスクロスに含浸又は塗布して得たプリプレグ、及び該プリプレグを積層成形することにより製造した銅張積層板は、低熱膨張率の特性を発現しており、電子機器用のプリント配線板などに有用である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物をQガラスクロスに含浸又は塗布して得たプリプレグ、及び該プリプレグを積層成形することにより製造した銅張積層板は、低熱膨張率の特性を発現しており、電子機器用のプリント配線板などに有用である。
Claims (4)
- (1)下記一般式(I)で示される末端に水酸基を有するシロキサン樹脂(a)と、1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物(b)と、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(c)と、反応触媒として有機金属塩(d)を、(a)と(b)と(c)の総和100質量部あたりの(a)の使用量を10〜50質量部の範囲とし、(b)の使用量を40〜80質量部の範囲とし、(c)の使用量を10〜50質量部の範囲として、これらを予めトルエン、キシレン、メシチレンから選ばれる溶媒中で80℃〜120℃の反応温度でイミノカーボネ−ト化反応、及びトリアジン環化反応させることにより製造される相容化樹脂と、
(2)分子構造中にイミダゾール構造を含有する化合物と、を成分として含有する熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物をQガラスクロス基材に含浸又は塗工し、得られるプリプレグ。
- Qガラスクロス基材の石英含有率が90質量%以上である請求項2に記載のプリプレグ。
- 請求項2又は3に記載のプリプレグを加熱加圧成形して得られる積層板。
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-
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