JP2015063447A - ガラス電解質 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン伝導性を有し、大気中比較的低温での溶融が可能であり、室温でのイオン伝導度が好ましくは5.00?10−8Scm−1以上、より好ましくは6.40?10−8Scm−1以上、最も好ましくは7.00?10−8Scm−1以上であるガラス電解質を提供する。【解決手段】酸化物基準で、Ta2O5成分、Nb2O5成分、V2O5成分及びGeO2成分から選ばれる一種以上の成分、B2O3成分、P2O5成分並びにLi2O成分を含有し、酸化物基準のモル%でこれらの成分の合量が80%以上であり、室温におけるイオン伝導度が5.00?10−8Scm−1以上であるガラス電解質。【選択図】なし

Description

本発明はリチウムイオン伝導性を有するガラス電解質に関する。
近年、エネルギー資源の枯渇に伴うエネルギー問題の解決策として、太陽光発電や風力発電によるクリーンエネルギーの利用が推進されてきた。その結果、従来のパーソナルコンピューターやテレビなどに代表される家電製品だけでなく、自動車や船なども電気エネルギーを使用する製品の検討が進められ、大容量で安全性の高い電池への要求が高まっている。
可燃性の有機溶媒を使用しない大容量で安全な次世代リチウムイオン二次電池として、全固体型のリチウムイオン二次電池が検討されている。全固体型のリチウム二次電池においてリチウムイオン伝導を担うのは非水電解液に代わり固体電解質である。しかし固体電解質のイオン伝導度は非水電解液よりも劣るため、固体電解質のリチウムイオン伝導度の向上が課題となっている。
リチウムイオン伝導性を有する高イオン伝導度を示す固体電解質として、非特許文献1に記載のリチウムイオンを含有するカルコゲナイドガラスが提案されている。これは高いリチウムイオン伝導性を有するが、分解電圧が0.7Vと低いため、リチウムイオン二次電池の構成部材としての実用化は容易ではない。
非特許文献2に記載のようなリチウムイオンを含むPをベースとした酸化物ガラスは、一般に大気中で安定であり分解電圧も高いが、ガラスの熔解温度が1450℃と大変高く、産業上実用的ではない。また例えば特許文献1に記載のような全固体型のリチウムイオン二次電池の実現に向け、電池部材として使用するガラスに対しては低Tg化が求められており、非特許文献2に記載のガラスはこれを満足しない。
特開2012−89406号公報
H.Wada et al,"Preparation and ionic conductivity of new B2S3−Li2S−LiI glasses" Mat.Res.Bull,February,1983,Vol.18,Issue2,p.189−193 B.V.R.Chowdari,K.Radhakrishnan,"IONIC CONDUCTIVITY STUDIES OF THE VITREOUS Li2O:P2O5:Ta2O5 SYSTEM" Journal of Non−Crystalline Solids,North−Holland,Amsterdam,April,1989,Vol.108,Issue3,p.323−332
本発明の課題は固体電解質ガラスにおける上記の欠点を解消し、大気中において比較的低温での溶融が可能であり、全固体型のリチウムイオン二次電池部材に適したガラスを提供することを目的とする。
本発明者は、上記の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、P−B―M(ただし、MはTa、Nb、Vから選ばれる一種以上)−GeO−LiO系ガラスにおいてガラス化範囲が存在することを発見し、これが高いリチウムイオン伝導度を示すことを見いだし、本発明をなすに至った。具体的には以下の通りである。
(構成1)
酸化物基準でLiO成分、P成分、GeO成分及びM成分(MはTa、Nb、Vから選ばれる一種以上)を含有し、LiO成分の含有量が30〜65モル%であるガラス電解質。
(構成2)
酸化物基準のモル%で、
成分の含有量が5%〜40%、
GeO成分の含有量が0.2%〜7%、
成分(MはTa、Nb、Vから選ばれる一種以上)の含有量が0.2%〜20%である構成1に記載のガラス電解質。
(構成3)
酸化物基準のモル%で、Ta成分、Nb成分、V成分、及びGeO成分の含有量の合計に対するLiO成分の含有量の比LiO/(Ta+Nb+V+GeO)が2.0以上である、構成1又は2に記載のガラス電解質。
(構成4)
酸化物基準のモル%で、
Ta成分を0〜20%、
Nb成分を0〜20%、又は
成分を0〜15%
含有する構成1から3のいずれかに記載のガラス電解質。
(構成5)
酸化物基準のモル%で、
成分を0〜25%
含有する構成1から4のいずれかに記載のガラス電解質。
(構成6)
酸化物基準のモル%で、
SiO成分を0〜5%、
Al成分を0〜10%、
O成分を0〜5%、
CsO成分を0〜5%、
MgO成分を0〜5%、
CaO成分を0〜5%、
BaO成分を0〜5%、
ZnO成分を0〜5%、
SnO成分を0〜5%、
成分を0〜5%、
Bi成分を0〜5%、
TeO成分を0〜5%、又は
Sb成分を0〜5%
含有する構成1から5のいずれかに記載のガラス電解質。
(構成7)
溶融温度が1350℃以下である構成1から6のいずれかに記載のガラス電解質。
(構成8)
25℃におけるリチウムイオン伝導度が5.00×10−8Scm−1以上である構成1から7のいずれかに記載のガラス電解質。
本発明によれば、25℃において、5.00×10−8Scm−1以上のリチウムイオン伝導度を有するガラス電解質を得ることができる。本発明のガラス電解質は、大気中において、1350℃以下の低い温度で溶融可能である。
次に本発明のガラス電解質を構成する各組成成分について述べる。なお、各成分の含有量は酸化物基準のモル%で示す。ここで、「酸化物基準のモル%」とは、本発明のガラス電解質の構成成分の原料として使用される酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、フッ化物、塩化物、アンモニウム塩、メタリン酸化合物などが溶融時に全て分解され酸化物の状態へ変化すると仮定して、ガラス電解質中に含有される各成分の組成を表記する方法である。この生成酸化物の物質の総和を100mol%として、ガラス電解質中に含有される各成分の物質量の割合を表記する。
以下、本明細書においては、特にことわりが無い場合、ガラス電解質の構成成分の含有量については、酸化物基準のモル%で表記する。
LiO成分は、キャリアを提供しリチウムイオン伝導性の付与に必須の成分である。LiO成分の含有量が30%未満であると、リチウムイオン伝導性が発現しない、もしくはリチウムイオン伝導度が著しく小さくなるため、含有量の下限は30%が好ましく、40%がより好ましく、45%が最も好ましい。また、LiO成分の含有量が65%を超えると、結晶化してリチウムイオン伝導性の低いLiPOを析出するなどしてリチウムイオン伝導性の高いガラス電解質が得られにくくなるため、含有量の上限は65%が好ましく、63%がより好ましく、59%が最も好ましい。
成分は、電気陰性度の差が大きく、リチウムイオンを可動イオンとする高イオン伝導体を得るのに好適なガラス形成成分であり、本発明においてガラス電解質の形成に必須の成分である。含有量が5%未満であるとガラス化しにくくなるので、含有量の下限は5%が好ましく、6%がより好ましく、7%が最も好ましい。また、P成分の含有量が40%を超えると、化学的安定性が減少し、且つ更に溶融温度が上昇することで、所望の特性が得られにくくなるため、含有量の上限は40%が好ましく、38.5%がより好ましく、35%が最も好ましい。
GeO成分はガラス化を容易にする成分であり、その含有量が0.2%未満であると、熱的安定性が低下することでガラスが得られにくくなるため、含有量の下限は0.2%であることが好ましく、0.3%であることがより好ましく、0.4%であることが最も好ましい。しかしその含有量が7%を超えると、溶融温度の上昇を招き、且つリチウムイオンを高濃度に含むガラス電解質が得られ難くなってリチウムイオン伝導度が低下するため、含有量の上限は7%とすることが好ましく、6%とすることがより好ましく、5%とすることが最も好ましい。
成分(MはTa、Nb、Vから選ばれる一種以上)は、ガラスの熱的安定性を増大させ、網目修飾酸化物の働きをもってガラスを形成しやすくし、更にリチウムイオン伝導度を高めるために必要な成分である。本発明において、ガラス電解質中でM成分(MはTa、Nb、Vから選ばれる一種以上)は、網目形成酸化物であるPによる網目構造中にリチウムイオンがトラップされるのを防ぐことで、リチウムイオンの伝導パスを確保する効果を発揮する。これらの効果を十分に得るためにはM成分(MはTa、Nb、Vから選ばれる一種以上)の含有量の下限は0.2%であることが好ましく0.3%であることがより好ましく、0.4%であることがさらに好ましい。これらの効果をより高める観点では、M成分の下限は、1%としてもよく、2.5%としてもよい。しかしその含有量が20%を超えると、ガラスの安定性が低下して結晶化が促され、且つ溶融温度が上昇するため、含有量の上限は20%とすることが好ましく、18.5%とすることがより好ましく、17.5%とすることが最も好ましい。
本発明のガラス電解質においては、リチウムイオン伝導性を増大させる観点から、M成分のなかでも、Ta成分又はNb成分のいずれか一方のみをM成分として含有することが好ましい。
本発明のガラス電解質では、M成分(MはTa、Nb、Vから選ばれる1種以上)及びGeO成分の含有量の合計に対するLiO成分の含有量の比LiO/(Ta+Nb+V+GeO)が2.0以上であることが好ましい。この比を2.0以上にすることで、リチウムが高濃度に含まれ、且つM成分、GeO成分の効果を最大限に利用できるため、リチウムイオン伝導度の高いガラス電解質を得ることができる。従ってM成分(MはTa、Nb、Vから選ばれる1種以上)及びGeO成分の含有量の合計に対するLiO成分の含有量の比LiO/(Ta+Nb+V+GeO)は、2.0以上であることが好ましく、2.3以上であることがより好ましく、2.5以上であることがさらに好ましく、3.0以上であることが最も好ましい。しかし、LiO/(Ta+Nb+V+GeO)の値が15より大きくなるとM成分(MはTa、Nb、V、から選ばれる一種以上)の含有量が極端に下がり、M成分による効果が十分に得られなくなり、リチウムイオン伝導度が極端に下がるので、15以下が好ましく、14.5以下がより好ましく、14以下が最も好ましい。
Ta成分はガラスの熱的安定性を増大させると同時に、リチウムイオン伝導度を増大させる効果がある任意成分である。ガラス中の網目構造においてアルカリイオン(例えばリチウムイオン)により結合を切られたときに生じるリチウム−酸素の結合は、ガラス中にてリチウムイオンの移動を妨げると推測される。Ta成分を含有させることにより、ガラス中にリチウム−酸素の結合の無いTaO6/2八面体構造が形成され、結果としてリチウム−酸素結合が低減するため、このような効果が得られると考えられる。これらの効果を十分に得るためには、Ta成分の含有量の下限は1%であることがより好ましく、2.5%であることが最も好ましい。しかしその含有量が20%を超えると、ガラスの安定性が低下して結晶化が促され、且つガラスの原料コストが大幅に上昇するため、含有量の上限は20%とすることが好ましく、18.5%とすることがより好ましく、17.5%とすることが最も好ましい。
Nb成分はガラス形成に寄与し、ガラスの安定性を増大させ、溶融温度を下げると同時に、リチウムイオン伝導度を増大させる効果がある任意成分である。Nb成分を含有させることにより、ガラス中にリチウム−酸素の結合の無いNbO6/2八面体構造が形成され、結果としてリチウム−酸素結合が低減するため、このような効果が得られると考えられる。これらの効果を十分に得るためには、Nbの含有量の下限は1%であることがより好ましく、2.5%であることが最も好ましい。しかしその含有量が20%を超えると、ガラスの安定性が低下して結晶化が促されるため、含有量の上限は20%とすることが好ましく、18%とすることがより好ましく、17.5%とすることがさらに好ましく、15%とすることがさらに好ましく、14%とすることがさらに好ましく、13%とすることが最も好ましい。
成分はガラスの溶融温度を下げ、結晶化を抑制し、更にリチウムイオン伝導度を高める効果がある任意成分である。これらの効果を十分に得るためには、Vの含有量の下限は1%であることがより好ましく、2.5%であることが最も好ましい。しかしV成分の含有量が15%を超えると、ガラスの化学的安定性が低下し且つ結晶化が促され、水分に弱くなり、さらにリチウムイオンの伝導度が下がるので、所望の特性を得るためには、含有量の上限は15%とすることが好ましく、14%とすることがより好ましく、13%とすることが最も好ましい。
成分はガラスの形成に有用な任意成分であり、ガラスの溶融温度を下げ、化学的安定性を増大させ、粘性を下げる成分である。これらの効果を十分に得るためには、B成分の含有量の下限は3%であることがより好ましく、5%であることが最も好ましい。しかしその含有量が25%を超えると、結晶化が促され、且つリチウムイオンを高濃度に含むガラス電解質が得られ難くなり、リチウムイオン伝導度が低下するため、含有量の上限は25%とすることが好ましく、24.5%とすることがより好ましく、24%とすることが最も好ましい。
これらの成分以外にも、SiO、KO、CsO、MgO、CaO、BaO、ZnO、SnO、Y、Bi、TeO、Sb、Co、CuO、Feなどの成分を添加することができるが、その量が5モル%を超えると、リチウムイオンを高濃度に含んだ高いリチウムイオン伝導度を有するガラス電解質が得られ難くなるので、各々の含有量を5%以下にすべきである。添加されるこれらの成分の合計量は、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。また、Alも添加することができるが、同様の理由により10%以下にすべきである。
ガラス電解質の組成には、NaO成分は出来る限り含まないことが望ましい。この成分がガラス中に存在すると、アルカリイオンの混合効果によって、リチウムイオンの伝導が阻害されて伝導度が下がりやすくなる。また、ガラス電解質の組成に硫黄や塩素が含まれると、リチウムイオン伝導性は少し向上するものの、化学的耐久性や安定性が悪くなるため、できる限り含有しない方が望ましい。ガラス電解質の組成には、環境や人体に対して害を与える可能性のあるPb、As、Cd、Hgなどの成分もできる限り含有しない方が望ましい。更に、希少金属酸化物であるLaに代表されるランタノイド、Acに代表されるアクチノイド、Ru、Co、Ir、In、Se、Hfなどの成分は、産業利用の面からコストが高くなるのを避けるため、できる限り含有しない方が望ましい。本発明のガラス電解質においては、その性質から結晶化が促進されるため、Sr、Mn、Ni、Zrなどの成分もできる限り含有しない方が望ましい。
本発明のガラス電解質は、例えば以下のように作製される。すなわち、上記原料を各成分が所定の含有率の範囲内になるように均一に混合し、作製した混合物を石英るつぼ、アルミナるつぼ又は白金るつぼに入れて、1000℃〜1450℃の温度範囲で0.5〜4時間溶融して撹拌均質化を行い、成形型にキャストして徐冷、もしくは金型にてプレス成型、もしくは5〜25℃の水中にキャストすることで作製することができる。
本発明のガラス電解質のリチウムイオン伝導度は、好ましくは5.00×10−8(S/cm)、より好ましくは6.40×10−8(S/cm)、最も好ましくは7.00×10−8(S/cm)を下限とする。これにより、例えば全固体型のリチウムイオン二次電池部材に利用可能となる。ここで、リチウムイオン伝導度が高いほど電池の性能が向上する。
また、本発明のガラス電解質の溶融温度は1350℃以下であり、より好ましい態様では1325℃以下、最も好ましい態様では1300℃以下である。本発明のガラス電解質の溶融温度は、950℃まで得ることが可能である。ここで、「ガラスの溶融温度」とは、ガラスの原料紛体を加熱したときに、原料紛体が融液となり、融液面及び融液内部に、未溶融の原料紛体及び原料紛体から生成された固形物(以下、「融け残り」という。)が無くなる温度である。融液面より上部の坩堝の内壁に固形物が付着していても、それらは無視する。ただし、本願発明においては、溶融温度の直接的な測定は困難であることから、原料紛体を昇温しながら加熱し、50℃又は25℃刻みで観察し、目視で融液面及び融液内部に融け残りが観察されなくなった温度を溶融温度とする。
本発明のガラス電解質は、リチウムを高濃度に含有し、高いリチウムイオン伝導度を有しながらも、化学的、熱的に安定であり、大気中及び水中において、目視で著しいガラスの変質は見られない。
本発明の実施例1〜43の組成及び比較例1の組成、並びに溶融温度、リチウムイオン伝導度の結果を表1〜7に示す。なお、以下の実施例はあくまで例示の目的であり、これらの実施例のみに限定されるものでは無い。
表1〜7に示した本発明の実施例1〜43及び比較例1は、いずれも各成分の原料として各々相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、フッ化物、塩化物、アンモニウム塩、メタリン酸化合物などの通常のガラスに使用される高純度の原料を選定した。表1〜7に示した各実施例の組成及び比較例の組成となるように、所定のガラス原料紛体を調合し、均一に混合した。均一に混合したガラス原料紛体を白金坩堝に投入し、ガラス組成の溶融難易度に応じて電気炉で1000〜1450℃の温度範囲で0.5〜4時間溶融して撹拌均質化を行った。その後溶融ガラスを鋳鉄板上にキャストして徐冷し、もしくは金型に流し出しプレスによって急冷をすることで、ガラスを得た。
実施例1〜43及び比較例1に係るリチウムイオン伝導度の測定は、以下の通り行った。サンユー電子株式会社製のクイックコーターを用い、金をターゲットとしてガラスの両面にスパッタを行い、金電極を取り付けた。これに関し、ソーラトロン社製のインピーダンスアナライザーSI−1260を用いて、交流二端子法による複素インピーダンス測定によって、0.1Hz〜10MHzの範囲にて25℃におけるリチウムイオン伝導度を算出した。
実施例1〜43及び比較例1に係る溶融温度の測定は、以下の通り行った。各組成成分のガラスとなるように調合した原料紛体を50cc程度の複数の白金るつぼにいれ、電気炉内で加熱し、1000℃から1300℃までは50℃間隔、1300℃からは25℃間隔の異なる温度で30分保持し、炉内から取り出して、るつぼ内を観察した。坩堝内の融液面及び融液内に融け残りが観察されなかった場合、その温度を仮溶融温度とした。その後、同じ組成の原料紛体を再度加熱し、仮溶融温度から25℃低い温度まで加熱して30分保温後観察し、溶け残りが無い場合は仮溶融温度から25℃低い温度を溶融温度とし、融け残りが観察された場合は、仮溶融温度を溶融温度とした。
Figure 2015063447
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表1〜7に示すように、実施例1〜43のガラスは、リチウムイオン伝導度が7.00×10−8(S/cm)以上であり、溶融温度が1300℃以下であった。一方で、比較例1のガラスは、1350℃で溶融しても融け残りが生じており、溶融状態にはならなかった。更に、比較例1について溶融した部分のみをキャストして取得したサンプルについてリチウムイオン伝導度を測定したところ、2.12×10−9(S/cm)であった。従って、実施例のガラスは、所望のリチウムイオン伝導度を有しながらも、溶解温度が低温であることが明らかとなった。
以上のことから、実施例のガラスは、LiO成分の含有量、B成分の含有量、P成分の含有量及びM成分(MはTa、Nb、Vから選ばれる1種又は2種以上)、GeO成分の含有量を所定の範囲内にすることによって、産業上実用的な溶融温度とガラス作製方法を用いた場合であっても、リチウムイオン伝導度を向上できることが明らかになった。
産業上の利用分野
本発明のガラス電解質は、リチウムイオンを高濃度に含有するP−B―M成分(MはTa、Nb、Vから選ばれる1種又は2種以上)−GeO−LiO系のガラスで、室温で5.00×10−8Scm−1以上という高いリチウムイオン伝導度を持つので、全固体型のリチウムイオン二次電池、コンデンサー及び固体電気化学素子などに利用できる。

Claims (8)

  1. 酸化物基準でLiO成分、P成分、GeO成分及びM成分(MはTa、Nb、Vから選ばれる一種以上)を含有し、LiO成分の含有量が30〜65モル%であるガラス電解質。
  2. 酸化物基準のモル%で、
    成分の含有量が5%〜40%、
    GeO成分の含有量が0.2%〜7%、
    成分(MはTa、Nb、Vから選ばれる一種以上)の含有量が0.2%〜20%である請求項1に記載のガラス電解質。
  3. 酸化物基準のモル%で、Ta成分、Nb成分、V成分、及びGeO成分の含有量の合計に対するLiO成分の含有量の比LiO/(Ta+Nb+V+GeO)が2.0以上である、請求項1又は2に記載のガラス電解質。
  4. 酸化物基準のモル%で、
    Ta成分を0〜20%、
    Nb成分を0〜20%、又は
    成分を0〜15%
    含有する請求項1から3のいずれかに記載のガラス電解質。
  5. 酸化物基準のモル%で、
    成分を0〜25%
    含有する請求項1から4のいずれかに記載のガラス電解質。
  6. 酸化物基準のモル%で、
    SiO成分を0〜5%、
    Al成分を0〜10%、
    O成分を0〜5%、
    CsO成分を0〜5%、
    MgO成分を0〜5%、
    CaO成分を0〜5%、
    BaO成分を0〜5%、
    ZnO成分を0〜5%、
    SnO成分を0〜5%、
    成分を0〜5%、
    Bi成分を0〜5%、
    TeO成分を0〜5%、又は
    Sb成分を0〜5%
    含有する請求項1から5のいずれかに記載のガラス電解質。
  7. 溶融温度が1350℃以下である請求項1から6のいずれかに記載のガラス電解質。
  8. 25℃におけるリチウムイオン伝導度が5.00×10−8Scm−1以上である請求項1から7のいずれかに記載のガラス電解質。
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