JP2015063333A - 把持部を備えた袋、および把持部 - Google Patents
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Abstract
Description
図1Aおよび図2は、本実施の形態による袋10を示す斜視図および側面図である。袋10は、内容物が充填される充填部12が形成された本体部11と、本体部11に取り付けられた把持部20と、を備えている。流動性を有する限りにおいて、本体部11の充填部12に充填される内容物が特に限られることはない。例えば、充填部12に充填されている内容物として、酒、液体洗剤やシャンプー等の液体、豆類や菓子等の粒体や、粉末洗剤等の粉体を挙げることができる。
本体部11は、少なくとも表面フィルム1および裏面フィルム2を含む複数のフィルムを熱溶着することによって構成された複数のシール部を有している。表面フィルム1とは、本体部11の表面(図1Aに示されている側の面)を構成するフィルムのことであり、裏面フィルム2とは、本体部11の裏面(表面の裏側にある面)を構成するフィルムのことである。そして、本体部11のうちフィルムが熱溶着されていない部分によって、内容物が充填される充填部12が構成されている。なお袋10の製造工程において、表面フィルム1および裏面フィルム2は、互いに分離された別個のフィルムとして準備されてもよく、若しくは、一連のフィルムとして準備されてもよい。
次に、本体部11の第1側部シール部15に取り付けられている把持部20について、図1A乃至図2を参照して説明する。図1Bは、袋10に取り付けられた把持部20を単独で示す斜視図である。
次に図3を参照して、表面フィルム1、裏面フィルム2および底面フィルム3の層構成の一例について説明する。図3に示すように、フィルム1,2,3は、基材層41と、基材層41上に設けられた熱可塑性樹脂層45と、を含んでいる。このうち基材層41は、フィルム1,2,3の外面1a,2a,3aを構成する層であり、熱可塑性樹脂層45は、外面1a,2a,3aの反対側にある内面1b,2b,3bを構成する層である。各1,2,3の熱可塑性樹脂層45を互いに熱溶着させることにより、上述のシール部が形成される。
基材層41を構成する材料としては、例えばPETやナイロンを用いることができる。基材層41によって、外面1a,2a,3aにおける高い印刷適性を確保することができる。また基材層41は、熱溶着時の高い耐熱性を有している。
熱可塑性樹脂層45を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンやプロピレンなどを用いることができる。
基材層41と熱可塑性樹脂層45とは、ドライラミネーション法や溶融押し出し法を用いることによって積層され得る。
フィルム1,2,3の厚みは、例えば8〜300μmの範囲内になっている。
中間層42としては、例えばアルミニウム箔を用いることができる。このような中間層42を設けることにより、酸素や水蒸気が袋10の内部に進入することを抑制することができる。中間層42は、金属あるいは金属酸化物の蒸着膜を有する熱可塑性樹脂フィルムから構成されていてもよい。
中間層43としては、例えば延伸ナイロンフィルムを用いることができる。このような中間層43を設けることにより、袋10の耐突き刺し性を高めることができる。
PETフィルムからなる基材層41、アルミニウム箔からなる中間層42および延伸ナイロンフィルムからなる中間層43の厚みは、例えばそれぞれ12μm、9μmおよび15μmになっている。
次に図4および図5Aを参照して、本体部11および把持部20の断面構造について説明する。図4および図5Aは、図2に示す袋10をIV−IV線およびV−V線に沿って見た場合を示す断面図である。
次に、上述の袋10を製造する方法について、図6(a)〜(d)を参照して説明する。
まず、孔1cが形成された表面フィルム1と、孔2cが形成された裏面フィルム2と、底面フィルム3とを準備する。次に図6(a)に示すように、互いの孔1c,2cが重なるように表面フィルム1および裏面フィルム2を対向させるとともに、折り込んだ状態の底面フィルム3を表面フィルム1と裏面フィルム2との間に挿入する。この際、表面フィルム1、裏面フィルム2および底面フィルム3は、熱可塑性樹脂層で構成されたそれぞれの内面1a,2a,3aが互いに接するよう配置される。その後、各フィルム1,2,3を熱溶着によってシールする。これによって、図6(b)に示すように、底部シール部14、第1側部シール部15および第2側部シール部16によって囲まれた充填予定部12aが形成された本体部11を得ることができる。充填予定部12aとは、後の工程において内容物が充填される部分のことである。充填予定部12aに内容物が充填され、そして上部シール部13によって充填予定部12aが密閉されることにより、上述の充填部12が得られる。なお図6(b)に示すように、各フィルム1,2,3を熱溶着によってシールする工程と同時に、若しくはこの工程の後に、熱溶着によって上述の角部シール部17を形成し、これによってスパウト18を本体部11に取り付けてもよい。
シート成形法においては、はじめに、把持部20の形状に対応した表面形状を有する型を準備する。次に、加熱されて軟化している合成樹脂製のシートを型にセットする。その後、真空の力や圧縮空気の力を利用して、シートを型に密着させ、これによって型の形状をシートに付与する。このようにして、把持部20を構成するためのプラスチック成形体を得ることができる。
射出成形法においては、はじめに、把持部20の形状に対応した表面形状を有する金型を準備する。次に、流動性を有するようになる温度まで加熱された合成樹脂を金型に充填させる。金型に接した合成樹脂が固化することによって、金型の表面形状に沿ったプラスチック成形体を得ることができる。
なおシート成形法が用いられる場合には一般に、型の形状が付与されたシートを、抜き刃を用いて打ち抜くことにより、把持部20を構成するためのプラスチック成形体が得られる。従って、把持部20の端部には、打ち抜きに起因するヒゲが発生しやすい。ヒゲが発生すると、使用者の手に対する把持部20の接触感が低下してしまう。一方、射出成形法が用いられる場合、把持部20の端部にそのようなヒゲが発生することはない。従って、使用者の手に対する把持部20の接触感の観点からは、射出成形法が用いられることが好ましい。
このように把持部20は、袋10の保持性(持ち易さ)を高めるという機能だけでなく、上下方向における袋10の剛性を高め、これによって袋10の自立性や保形性を高めるという機能をも発揮することができる。
上述の本実施の形態においては、第1部分21に形成された嵌合孔24aに、第2部分22に形成された突起24bを嵌合させることにより、第2部分22に対して第1部分21が相対的に固定される例を示した。しかしながら、第2部分22に対して第1部分21を相対的に固定することができる限りにおいて、具体的な固定方法が特に限られることはない。例えば、フィルム1,2の孔1c,2cを介して第1部分21を第2部分22に対して熱溶着することによって、第2部分22に対して第1部分21を固定してもよい。熱溶着の方法としては、超音波法などの公知の方法が適宜用いられ得る。また、ホットメルト法を用いて第2部分22に対して第1部分21を固定してもよい。
上述の本実施の形態においては、把持部20の第1部分21の内面が袋10の表面にほぼ密着する第1位置と、把持部20の第2部分22の内面が袋10の裏面にほぼ密着する第2位置との間で把持部20が本体部11に対して相対的に移動可能であるよう、ギャップ25が設定される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、ギャップ25は、本体部11に対する把持部20の移動可能範囲を制限するよう、若しくは、本体部11に対して把持部20が固定されるよう、構成されていてもよい。
上述の本実施の形態および各変形例において、把持部20の第1部分21を第2部分22に対して相対的に固定するための固定部24、および、固定部24の経路を確保するために表面フィルム1および裏面フィルム2に形成される孔1c,2cが、上下方向において所定の間隔を空けて設けられる例を示した。しかしながら、指が挿入され得るギャップ25を把持部20の第1部分21と第2部分22との間に形成することができる限りにおいて、固定部24および孔1c,2cの位置や形状が特に限られることはない。
上述の本実施の形態および各変形例において、スパウト18が袋10の角部に形成される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図10Aに示すように、スパウト18が袋10の上部に形成されていてもよい。または図10Bに示すように、スパウト18が袋10の側部に形成されていてもよい。なお図10Aに示すようにスパウト18が袋10の上部に形成されている場合、第1側部シール部15だけでなく第2側部シール部16にも把持部20が取り付けられていてもよい。
上述の本実施の形態および各変形例において、本体部11がガセット式の袋として構成されている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図11Aおよび図11Bに示すように、本体部11は、表面フィルム1と裏面フィルム2とを熱溶着することによって得られる三方シール袋や四方シール袋として構成されていてもよい。また図示はしないが、本体部11は、ピロー袋であってもよい。これらの場合であっても、第1側部シール部15に把持部20を取り付けることにより、袋10の持ち易さや保形性を改善することができる。
上述の本実施の形態および各変形例において、内容物が注出される際に通る注出口部が、表面フィルム1および裏面フィルム2とは別個の部材から構成されたスパウト18として構成される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図12に示すように、注出口部は、表面フィルム1と裏面フィルム2とを熱溶着させることによって形成される注出口シール部19aによって画定される、本体部11と一体の一体型注出口19として構成されていてもよい。
上述の本実施の形態において、把持部20の第1部分21および第2部分22がそれぞれ平板状のものである例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図13Aおよび図13Bに示すように、第1部分21および第2部分22にはそれぞれ、第1部分21と第2部分22との間のギャップ25の距離sが局所的に大きくなるように外方に膨らんだ膨らみ部21bおよび膨らみ部22bが形成されていてもよい。膨らみ部21bおよび膨らみ部22bは、図13Bに示すように、把持部20の一端21aおよび他端22aに沿って形成されている。また膨らみ部21bおよび膨らみ部22bは、固定部24とは重ならないように形成されている。このため、一端21aおよび他端22a近傍においては、ギャップ25の距離sを十分に大きくしながら、固定部24近傍においては、ギャップ25の距離を、第1部分21が第2部分22に対して安定に固定され得るように小さくすることができる。一端21aおよび他端22a近傍におけるギャップ25の距離sを大きくすることは、把持部20と本体部11との間に指を挿入することが容易になることを意味する。また、固定部24におけるギャップ25の距離を小さくすることは、本体部11に対する把持部20の可動範囲が小さくなることや、第2部分22に対する第1部分21の固定が容易になることを意味する。従って本変形例によれば、把持部20の把持のし易さと、把持部20の安定性や取り付けの容易性とを実現することができる。
上述の本実施の形態において、把持部20の反転部23の厚みが、第1部分21および第2部分22の厚みと同等である例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、例えば図15に示すように、反転部23の厚みt2を、第1部分21および第2部分22の厚みt1よりも小さくしてもよい。一般に、湾曲形状を有する反転部23は、平板状の第1部分21や第2部分22に比べて割れやすくなっている。一方、プラスチック成形品においては、厚みが小さいほど柔軟性が向上し、この結果、割れにくくなる。従って、反転部23の厚みt2を、第1部分21および第2部分22の厚みt1よりも小さくすることにより、第1部分21および第2部分22における剛性を維持しながら、反転部23を割れにくいものとすることができる。反転部23の厚みt2の値は、把持部20を構成する合成樹脂の特性や反転部23の曲率などに応じて適宜定められるが、例えば0.3〜0.6mmの範囲内になっている。
上述の本実施の形態において、側面図において、把持部20の一端21aおよび他端22aがそれぞれ、把持部20の上端28と下端29との間で上下方向に真っ直ぐに延びる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、求められる特性に応じて、把持部20の輪郭を様々に設定することができる。以下、把持部20の輪郭のいくつかの変形例について、図17A乃至図19Cを参照して説明する。
図17Aおよび図17Bに示す例において、把持部20の第1部分21の上部には、一端21aから上端28に至る切欠部21cが形成されており、また第1部分21の下部には、一端21aから下端29に至る切欠部21cが形成されている。同様に、把持部20の第2部分22の上部には、他端22aから上端28に至る切欠部22cが形成されており、また第2部分22の下部には、他端22aから下端29に至る切欠部22cが形成されている。すなわち図17Aおよび図17Bに示す例においては、上下方向における第1部分21および第2部分22の中央部が、第1部分21および第2部分22の上部および下部に比べて突出した輪郭を有している。この場合、人の指が、第1部分21および第2部分22のうち突出した輪郭の部分を掴むことになるので、指が把持部20に対して強い力を及ぼし易くなる。すなわち、把持部20の持ち易さを向上させることができる。
図18Aおよび図18Bに示す例において、把持部20の第1部分21の一端21aには、第1部分21の上部から下部にまで広がる切欠部21cが形成されている。切欠部21cは、把持部20の上端28および下端29には達しないように形成されている。同様に、把持部20の第2部分22の他端22aには、第2部分22の上部から下部にまで広がる切欠部22cが形成されている。切欠部22cは、把持部20の上端28および下端29には達しないように形成されている。すなわち図18Aおよび図18Bに示す例においては、上下方向における第1部分21および第2部分22の中央部が、第1部分21および第2部分22の上部および下部に比べて凹んだ輪郭を有している。
図19Aおよび図19Bに示す例において、把持部20の第1部分21の一端21aには、第1部分21の上部から下端29にまで達するように広がる切欠部21cが形成されている。切欠部21cは、第1部分21の上端28には達しないように形成されている。同様に、把持部20の第2部分22の他端22aには、第2部分22の上部から下端29にまで達するように広がる切欠部22cが形成されている。切欠部22cは、第2部分22の上端28には達しないように形成されている。すなわち図18Aおよび図18Bに示す例においては、第1部分21および第2部分22の上端近傍の部分が、他の部分に比べて突出した輪郭を有している。
同様に、第2部分22の切欠部22cの上端部分は、その輪郭が、水平方向に対して傾斜した方向へ延びている。この場合、第1部分21の切欠部22cに左手の人差し指、中指、薬指および小指を挿入しながら、切欠部22cのうち水平方向に対して傾斜した方向へ延びる部分に左手の親指を引っ掛けることが容易になる。これによって、さらに安定に袋10を保持できるようになる。
図示はしないが、把持部20の端部は、側面図において、角が取られた形状を有していてもよい。
1c 孔
2 裏面フィルム
2a 外面
2b 内面
2c 孔
3 底面フィルム
10 袋
11 本体部
12 充填部
13 上部シール部
14 底部シール部
15 第1側部シール部
15a 第1側縁
16 第2側部シール部
16a 第2側縁
18 スパウト
19 一体型注出口
20 把持部
21 第1部分
21a 一端(第1部分の端部のうち最も反転部から遠い端部)
21b 膨らみ部
21c 切欠部
22 第2部分
22a 他端(第2部分の端部のうち最も反転部から遠い端部)
22b 膨らみ部
22c 切欠部
23 反転部
24 固定部
24a 嵌合孔
24b 突起
25 ギャップ
27 補強部
28 上端
29 下端
41 基材層
42 中間層
43 中間層
45 熱可塑性樹脂層
Claims (2)
- 内容物が充填される充填部が形成された本体部と、前記本体部に取り付けられた把持部と、を備えた袋であって、
前記本体部は、少なくとも表面フィルムおよび裏面フィルムを含む複数のフィルムを熱溶着することによって構成されたシール部を有し、各フィルムは基材層および熱可塑性樹脂層を含み、
前記把持部は、前記シール部のうち袋の縁部に沿って延びる部分に取り付けられており、
前記把持部は、プラスチック成形体から構成されており、
前記把持部は、袋の表面側に位置する第1部分と、袋の裏面側に位置する第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間に位置する反転部と、を有し、前記反転部において、前記把持部の外面が向く方向が反転しており、
前記把持部には、前記第1部分を前記第2部分に対して前記本体部の前記シール部に形成された孔を介して固定するための固定部が設けられており、
前記固定部は、前記第1部分と前記袋の表面との間、および、前記第2部分と前記袋の裏面との間のいずれにも、人の指が挿入される隙間が形成され得るよう、構成されている、袋。 - 内容物が充填される充填部が形成された本体部を備えた袋に設けられる把持部であって、
前記本体部は、少なくとも表面フィルムおよび裏面フィルムを含む複数のフィルムを熱溶着することによって構成されたシール部を有し、各フィルムは基材層および熱可塑性樹脂層を含み、
前記把持部は、前記本体部の前記シール部のうち袋の縁部に沿って延びる部分に取り付けられており、
前記把持部は、袋の表面側に位置する第1部分と、袋の裏面側に位置する第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間に位置する反転部と、を有し、前記反転部において、前記把持部の外面が向く方向が反転しており、
前記把持部は、プラスチック成形体から構成されており、
前記把持部には、前記第1部分を前記第2部分に対して前記本体部の前記シール部に形成された孔を介して固定するための固定部が設けられており、
前記固定部は、前記第1部分と前記袋の表面との間、および、前記第2部分と前記袋の裏面との間のいずれにも、人の指が挿入される隙間が形成され得るよう、構成されている、把持部。
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