JP2015063077A - 印刷装置およびインクリボンカセット - Google Patents

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Takeshi Kobayashi
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Abstract

【課題】低コストでインクリボンの残量を検出可能な印刷装置および該印刷装置に装着されるインクリボンカセットを提供する。
【解決手段】ラベルプリンタは、供給リール21に巻回されたインクリボンRの巻き径が小さくなるにつれてインクリボンRで遮られていたミラー30b〜30eの反射光が徐々に若しくは段階的に反射シート23を介して受光素子27に入光することで、受光素子27の受光する光量が変化するように構成されている。また、受光素子27で受光した光量に応じて供給リール21に巻回されたインクリボンRの残量を検出する制御部を備えている。
【選択図】図8

Description

本発明は印刷装置およびインクリボンカセットに係り、特に、インクリボンを用いて媒体に印刷処理を施す印刷装置および該印刷装置に装着されるインクリボンカセットに関する。
従来、インクリボンを用いて媒体に印刷処理を施す印刷装置が広く知られている。このような印刷装置では、インクリボンを使用して中間転写媒体に画像(鏡像)を形成し、次いで中間転写媒体に形成された画像を印刷媒体に転写する間接印刷方式や、インクリボンを使用して印刷媒体に直接画像を形成する直接印刷方式が用いられている。
この種の印刷装置には、一般に、未使用のインクリボンが巻装された供給リールと、既使用のインクリボンを巻き取るための巻取リールとを収容したインクリボンカセットが装着されている。そして、未使用のインクリボンの残量を検出するために、従来、種々の技術が開示されている。
例えば、特許文献1では、繰出し軸(供給リール)の周部に反射板を配置し、操出し軸に巻装されたインクリボン部分に光センサで光を当てながらずらしていき、反射光が検知されたときに、光センサの現在の位置を検出し、そのセンサ位置からインクリボンの巻き径の太さ、つまりインクリボンの残量を検出して、これをメッセージ表示等によりユーザに通知する技術が開示されている。
また、特許文献2では、インクリボン上の印画開始位置を検出してマーカ通過に要した時間、または、リボン巻き取りの回転駆動源の移動量を計測することで、既使用のインクリボンの巻取径を算出し、インクリボンの残量を推測する技術が開示されている。
さらに、特許文献3では、リボンコアにマグネットを装着して、機器側のリボン軸部材内に設けたホール素子で、リボン供給軸(供給リール)の回転速度を磁気変化として検出し、インクリボンの残量を推測する技術が開示されている。
特開平8−324085号公報(図1参照) 特開2006−263919号公報(図1参照) 特開2006−168311号公報(段落「0028」、「0034」〜「0037」参照)
ところで、特許文献1の技術のように、光センサで光を当てながらずらしていくためには、光センサを移動させるための新たな駆動源が必要となるため、モータやギア等の追加等により大幅なコスト増が避けられない。また、特許文献2の技術のように、インクリボン上の印画開始位置マーカを検出してインクリボンの残量を推測する場合には、インクリボン自体に特殊加工を施す必要があるため、インクリボン(カセット)のコスト増に繋がり、特に低価格の単色(ブラック)のインクリボンでは実用上適用が難しい。さらに、特許文献3の技術では、ホール素子でリボン供給軸の回転速度を磁気変化として検出するため、マグネットの磁力バラツキやリボン供給軸の回転ムラ等の影響で検出精度に遜色を生じるおそれがある。
本発明は上記事案に鑑み、低コストでインクリボンの残量を検出可能な印刷装置および該印刷装置に装着されるインクリボンカセットを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、インクリボンを用いて媒体に印刷処理を施す印刷装置において、前記インクリボンが巻回された供給リールと、前記インクリボンを巻き取るための巻取リールと、発光素子と、前記発光素子からの入射光を0°を超え90°未満の反射角で反射するように、前記供給リール若しくは前記巻取リールに巻回されたインクリボンの一側端面に対向する位置に配置された第1の反射部材と、前記第1の反射部材の反射光を受光する受光素子と、前記受光素子で受光した光量に応じて前記供給リールに巻回されたインクリボンの残量を検出する残量検出手段と、を備え、前記供給リールに巻回されたインクリボンの巻き径が小さくなるにつれて前記インクリボンで遮られていた前記第1の反射部材の反射光が徐々に若しくは段階的に前記受光素子に入光することで、または、前記巻取リールに巻回されたインクリボンの巻き径が大きくなるにつれて前記第1の反射部材の反射光が徐々に若しくは段階的に前記インクリボンで遮られることで、前記受光素子の受光する光量が変化することを特徴とする。
第1の態様において、第1の反射部材は、供給リール若しくは巻取リールおよび発光素子からの距離がそれぞれ異なるように離散的に配置され、かつ、発光素子からの入射光に対してそれぞれ異なる反射角を有するように取り付けられた複数の平板若しくはシート状の反射部材で構成されていても、または、供給リール若しくは巻取リールに近づくほど曲率半径の小さい曲面を有する単一の反射部材で構成されていてもよい。また、供給リール若しくは巻取リールに巻回されたインクリボンの他側端面側であって該他側端面から離間した位置に配置され、第1の反射部材の反射光を受光素子に向けて反射する第2の反射部材をさらに備えるようにしてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の態様は、インクリボンを用いて媒体に印刷処理を施す印刷装置において、前記インクリボンが巻回された供給リールと、前記インクリボンを巻き取るための巻取リールと、発光素子と、前記発光素子からの入射光を0°を超え90°未満の反射角で反射するように、前記供給リールに巻回されたインクリボンの下側端面に対向する位置に配置された第1の反射部材と、前記供給リールに巻回されたインクリボンの上側端面側であって該上側端面から離間した位置に配置され、前記第1の反射部材の反射光を反射する第2の反射部材と、前記第2の反射部材の反射光を受光する受光素子と、前記受光素子で受光した光量に応じて前記供給リールに巻回されたインクリボンの残量を検出する残量検出手段と、を備え、前記供給リールに巻回されたインクリボンの巻き径が小さくなるにつれて前記インクリボンで遮られていた前記第1の反射部材の反射光が徐々に若しくは段階的に前記第2の反射部材を介して前記受光素子に入光することで、前記受光素子の受光する光量が変化することを特徴とする。
第2の態様において、供給リール、巻取リールおよび第2の反射部材をインクリボンカセット内に収容するようにしてもよい。このとき、発光素子および受光素子をインクリボンカセットの一側側面に対向する位置に配置するようにしてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の第3の態様は、第2の態様の印刷装置に装着されるインクリボンカセットであって、カセットケースに、前記第1の反射部材の反射光を前記第2の反射部材に向けて通過させるための第1の開口と、前記第2の反射部材の反射光を前記受光素子に向けて通過させるための第2の開口とが形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、供給リールに巻回されたインクリボンの巻き径が小さくなるにつれてインクリボンで遮られていた第1の反射部材の反射光が徐々に若しくは段階的に受光素子に入光することで、または、巻取リールに巻回されたインクリボンの巻き径が大きくなるにつれて第1の反射部材の反射光が徐々に若しくは段階的にインクリボンで遮られることで、受光素子の受光する光量が変化するように構成したので、モータやギア等の部材が不要で、インクリボンにマーク等を施す必要もなく、またホール素子を用いた構成より精度よくインクリボンの残量を検出できるため、低コストでインクリボンの残量を検出可能な印刷装置および該印刷装置に装着されるインクリボンカセットを提供できる、という効果を得ることができる。
本発明が適用可能な第1実施形態のラベルプリンタの外観図である。 第1実施形態のラベルプリンタのアタッチメント部に装着可能なアタッチメントの平面図を示し、(A)はラベルカセット、(B)はチューブ用アタッチメントを示す。 第1実施形態のラベルプリンタに装着されるインクリボンカセットの底面図である。 第1実施形態のラベルプリンタのカセット装着部およびインクリボンカセットの斜視図である。 第1実施形態のラベルプリンタの制御部および接続系統を示すブロック図である。 第1実施形態のラベルプリンタの受光素子から出力される電圧を計測するためのセンサ制御部の部分回路図である。 第1実施形態のラベルプリンタのインクリボンの残量とミラーとの関係を模式的に示す説明図である。 第1実施形態のラベルプリンタのインクリボンの残量と発光素子で発光した光の反射光路との関係を模式的に示す説明図であり、(A)はインクリボンカセットがカセット装着部に装着されていない状態、(B)はインクリボンの残量が100%の状態、(C)はリボン残量が75%の状態、(D)はリボン残量が50%の状態、(E)はインクリボンの残量が25%の状態、(F)はインクリボンの残量が0%の状態をそれぞれ示す。 インクリボンカセットがカセット装着部に装着された状態でのインクリボンの残量と受光素子の受光する光量との関係を模式的に示す説明図である。 第1実施形態のラベルプリンタのセンサ制御部のA/Dコンバータに入力される電圧を模式的に示す説明図その1であり、(A)はインクリボンカセットがカセット装着部に装着されていない状態での電圧、(B)はインクリボンの残量が100%の状態での電圧、(C)はインクリボンの残量が75%の状態での電圧をそれぞれ示す。 第1実施形態のラベルプリンタのセンサ制御部のA/Dコンバータに入力される電圧を模式的に示す説明図その2であり、(D)はインクリボンの残量が50%の状態での電圧、(E)はインクリボンの残量が25%の状態での電圧、(F)はインクリボンの残量が0%の状態での電圧をそれぞれ示す。 第1実施形態のラベルプリンタの制御部のCPUが実行するリボン残量検出ルーチンのフローチャートである。 本発明が適用可能な第2実施形態のラベルプリンタに装着されるインクリボンカセットの底面図である。 第2実施形態のラベルプリンタのカセット装着部およびインクリボンカセットの斜視図である。 第2実施形態のラベルプリンタのインクリボンの残量と発光素子で発光した光の反射光路との関係を模式的に示す説明図その1であり、(A)はインクリボンカセットがカセット装着部に装着されていない状態、(B)はインクリボンの残量が100%の状態、(C)はインクリボンの残量が75%の状態をそれぞれ示す。 第2実施形態のラベルプリンタのインクリボンの残量と発光素子で発光した光の反射光路との関係を模式的に示す説明図その2であり、(D)はインクリボンの残量が50%の状態、(E)はインクリボンの残量が25%の状態、(F)はインクリボンの残量が0%の状態をそれぞれ示す。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明を、ラベルやチューブ等の長尺状印刷媒体に任意の文字等を印刷可能なラベルプリンタに適用した第1の実施の形態について説明する。
(構成)
<全体構成>
図1に示すように、本実施形態のラベルプリンタ1は、ノートタイプコンピュータと同様に持ち運び可能に構成されており、大別して、キーボードや入力制御部を有する入力部13、LCDや表示制御部を有する表示部14、サーマルヘッド6を構成し主走査方向に列設された発熱素子を選択的に発熱させることでインクリボンRを介して印刷媒体に印刷処理を施す印刷部20、印刷部20の媒体搬送方向下流側に設けられ印刷媒体に切断処理を施す切断部7およびこれら各部を制御する制御部15(図5参照)を備えている。また、ラベルプリンタ1は、インクリボンカセット8が装着されるカセット装着部40を有している(図4参照)。
<入力部>
入力部13は、ノートタイプコンピュータとほぼ同様に、ファンクションキー、文字・数字・記号キー、スペースキー、変換キー、十字方向キー、リターンキー等を有しており、オペレータはこれらのキーを操作することで、印刷媒体の種類、サイズ、設定条件等を入力することができる。
<表示部>
表示部14のLCDは、入力モード等を表示する各種情報表示エリア、入力部13から入力された文字、数字、記号(以下、文字と略称する。)を表示する文字情報表示エリア、文字サイズ等を表示するパラメータ表示エリアの3つの表示エリアに分割されており、各種情報表示エリアおよびパラメータ表示エリアはそれぞれ文字情報表示エリアの上下に配置されている。
<印刷部>
印刷部20は、印刷媒体を搬送するための搬送ローラ2a、2bと、搬送ローラ2a、2bの下流側でサーマルヘッド6に対向配置されたプラテンローラ3と、プラテンローラ3の下流側にプラテンローラ3と対向するように配置されたピンチローラ4とを有している。
プラテンローラ3とサーマルヘッド6との間にはインクリボンRが介在している。インクリボンRは、後述するようにインクリボンカセット8内に収容されており、インクリボンカセット8の供給リール21から供給され、巻取リール22に巻き取られる。なお、本実施形態では、インクリボンRにBk(ブラック)の単色インクリボンが用いられている。
搬送ローラ2a、2bの上流側には、図示しないギアを介して搬送ローラ2a、プラテンローラ3およびインクリボンカセット8の巻取リール22を回転駆動させるステッピングモータ5が配置されており、インクリボンカセット8の一側(図1の左側)かつ切断部7の一側(図1の下側)には、図示しないギアおよびカムを介して、サーマルヘッド6を媒体搬送路から退避した退避位置とプラテンローラ3に圧接する印刷位置との間で移動させるステッピングモータ9が配置されている。
図1には、印刷媒体Mとしてチューブが装着された状態が示されている。この例に則して説明すると、印刷時には、インクリボンカセット8のインクリボンRを挟んでサーマルヘッド6を印刷媒体Mに圧接するとともに、サーマルヘッド6を構成する発熱素子を選択的に発熱させることでインクリボンRのインクを溶融して印刷媒体Mに文字列を1ラインずつ印刷する。なお、以下の説明では、必要な場合を除き、図1の例に則して印刷媒体Mにチューブが用いられたものとして説明する。
<切断部>
ピンチローラ4の下流側には、印刷媒体Mを切断するための切断部7が配置されている。切断部7は、カッタ刃7aとカッタ刃受け台7bとを有している。カッタ刃受け台7bは、平坦面で構成される全切り面と、両端部に突条を有する半切り面とを備え、全切り面または半切り面をカッタ刃7aに対して略垂直にセットすることにより、印刷媒体Mの全切り処理や半切り処理を行うことができる。ここで、半切りとは、印刷媒体Mを部分的に切断することをいい、その切断の割合を問わない。また、印刷媒体Mの種類によって半切り方法を変えてもよく、例えば、印刷媒体Mが剥離紙付ラベルの場合には剥離紙をカットせずにラベルのみカットしてもよく、ロール紙やリボンテープの場合にはミシン目を入れるようにしてもよい。
サーマルヘッド6による印刷が完了し所定長さ下流側に搬送した時点でカッタ刃7aを作動(退避位置から進出位置に移動)させることで、オペレータが所望する長さの印刷媒体Mを得ることができる。なお、本実施形態では、カッタ刃7aの作動には図示しないカム等を介してステッピングモータ9の回転駆動力が用いられ、カッタ刃受け台7bの面変更にも別のカム等を介してステッピングモータ9の回転駆動力が用いられている。
<アタッチメント部>
ラベルプリンタ1は、アタッチメント部10に装着するアタッチメントを変更することにより、各種印刷媒体Mに対して印刷および切断処理が可能に構成されている。図2は、ラベルカセットとチューブ用アタッチメントの構成の一例を示している。例えば、図2(A)に示すラベルカセット11をアタッチメント部10に装着した場合、カセット内部から剥離紙付ラベルが引き出され、当該ラベルに対して印刷および切断処理を行うことができる。また、図2(B)に示すチューブアタッチメント12をアタッチメント部10に装着した場合、チューブ挿入口12aからチューブを挿入することにより、当該チューブに対して印刷および切断処理を行うことができる。
<インクリボンカセット、カセット装着部、発光素子および受光素子>
図3および図4に示すように、インクリボンカセット8は、カセットケース8a内に、インクリボンRが巻回された供給リール21と、インクリボンRを巻き取るための巻取リール22とを収容している。インクリボンRは、供給リール21と巻取リール22との間で張架されており、印刷部20でのサーマルヘッド6による印刷処理に適合するように、その一部が露出している。
図4に示すように、カセット装着部40は、インクリボンカセット8を載置可能な矩形状平面を有するカセット載置台31を備えている。カセット載置台31には、インクリボンカセット8と係合する3本のロッド状の係合突起28a〜28cと、先端部に嵌合爪を有しインクリボンカセット8の対向する2側面を上部側および側面側から押さえる板状のカセット押さえ29a、29bが立設されている。一方、インクリボンカセット8のカセットケース8aには、これら係合突起28a〜28cおよびカセット押さえ29a、29bと係合ないし嵌合する係合孔および嵌合側面が形成されている。また、カセット載置台31には、インクリボンカセット8の供給リール21と係合する供給リール回転軸24および巻取リール22と係合する巻取リール回転軸25が回転可能に立設されている。なお、巻取リール回転軸25には、図示しないギア等を介してステッピングモータ5の回転駆動力が伝達される。
さらに、カセット載置台31には、供給リール回転軸24の軸芯(供給リール21の中心軸)を始点とする直線上の位置に、供給リール回転軸24から近い順に平行平面板に反射膜を蒸着したミラー30e、ミラー30d、ミラー30c、ミラー30b、ミラー30aの順で、離散的にミラー30a〜30eが配置されている。また、カセット載置台31には、発光素子26で発光した光を、カセット載置台31の平面と平行な略水平方向に(図8参照)ミラー30a〜30eまで導くための溝状の導光路32が形成されている。
導光路32は、発光素子26からの入射光を受け入れるための入光部と、この入光部にそれぞれ連通し入光部から枝分かれするように配設された5本のスリット状直線部とで形成されており(図7も参照)、上述したミラー30a〜30eはそれぞれこれらの直線部の先端の位置に後述する所定角度で取り付けられている。導光路32に直線部が形成されている理由は、発光素子26からの余分な光をミラー30a〜30eに導かないようにするためである。なお、5つの直線部の長さはそれぞれ異なっており、供給リール回転軸24に近いミラーほど長くなるように形成されている。従って、ミラー30a〜30eは、供給リール21の中心軸および発光素子26からの距離がそれぞれ異なるように離散的にカセット載置台31(カセット装着部40)に取り付けられている。
また、インクリボンカセット8のカセットケース8aの上面内側、すなわち、供給リール21に巻回されたインクリボンRの上側端面側であって該上側端面から離間した位置には、反射率の高い反射シート23が貼付されている。この反射シート23は平行平面板に反射膜を蒸着したミラーでもよいが、ミラーを用いた場合はインクリボンカセット8の重量が増加するため、また消耗品であるインクリボンカセット8のランニングコストも増加するため、本実施形態ではそれらを避けるために反射シート23が用いられている。
さらに、カセットケース8aの底面側のミラー30a〜30eに対向する位置には、ミラー30a〜30eの反射光を反射シート23に向けて通過させるための矩形状の第1の開口8bが形成されている。この第1の開口8bは、図3に示すように、インクリボンRが露出した側と対向する最長辺側とこの最長辺側に隣接する最短辺側とからそれぞれ45°の角度を構成するように斜めに形成されている。また、カセットケース8aの一側側面には、反射シート23の反射光を受光素子27に向けて通過させるための正方形状の第2の開口8cが形成されている。
従って、発光素子26、受光素子27は、インクリボンカセット8の一側側面に対向する位置に配置されており、インクリボンカセット8をカセット装着部40に上方から装着する際に邪魔にならない位置に配置されている。なお、本実施形態では、発光素子26に拡散型のものが用いられており、発光素子26は上述した導光路32の入光部の近傍に配置されている。また、受光素子27は、入光部と、NPN型のフォトトランジスタ27a(図6参照)とを有して構成されており、入光部が反射シート23の中心と第2の開口8cの中心を結ぶ直線の延長線上に配置されている。
<制御部>
図5に示すように、制御部15は、中央処理装置として高速で機能するCPU、ラベルプリンタ1の基本制御プログラムおよびプログラムデータを格納したROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM等を有しており、これらCPU、ROM、RAMは内部バスで接続されている。このような制御部15はマイクロコンピュータで構成することができる。
制御部15には外部バスが接続されている。外部バスには、入力部13の入力制御部、表示部14の表示制御部、印刷部20のサーマルヘッド6、ステッピングモータ5、9の動作を制御するドライバ18、受光素子27を含む各種センサからの情報を制御するセンサ制御部19が接続されている。ドライバ18には上述したステッピングモータ5、9が接続されており、センサ制御部19には各種センサが接続されている。
また、制御部15は図示しないバッファやインターフェースを有しており、外部バスを介して、例えば、パーソナルコンピュータ等の上位機器に接続可能である。このため、オペレータは入力部13からの入力に代えて、上位機器からの入力も可能であり、さらに、RAMカードやUSB等の外部記憶装置を装着することで外部記憶装置に格納されたデータの利用も可能である。
(インクリボン残量検出の基本原理)
本発明はインクリボンの残量検出に特色を有するものであるが、ここで、上記構成に則してまた上記構成を補足しつつ、その基本原理について説明する。この基本原理について一言すれば、図7〜図9に示すように、本実施形態のラベルプリンタ1は、供給リール21に巻回されたインクリボンRの巻き径が小さくなるにつれてインクリボンRで遮られていたミラー30b〜30eの反射光が徐々に若しくは段階的に反射シート23を介して受光素子27に入光することで受光素子27の受光する光量が変化するように構成されており、受光素子27で受光した光量に応じて供給リール21に巻回されたインクリボンRの残量を検出するものであるが、詳しくは以下のとおりである。
図7に示すように、ミラー30aは、供給リール21に巻回されたインクリボンRの残量が100%の状態(新品状態)のときに、インクリボンRにより反射シート23に向けて反射光が遮られない位置に取り付けられている。インクリボンRの残量が100%の状態のときにインクリボンRにより反射シート23に向けて反射光が遮られていたミラー30bは、インクリボンRの残量が徐々に少なくなるにつれて(供給リール21に巻回されたインクリボンRの巻き径が徐々に小さくなるにつれて)反射光が徐々に反射シート23に向けて反射されるようになり、供給リール21に巻回されたインクリボンRの残量が75%の状態のときに、インクリボンRにより反射シート23に向けて反射光が遮られない位置に取り付けられている。以下同様に、ミラー30cは供給リール21に巻回されたインクリボンRの残量が50%の状態のときに、ミラー30dは供給リール21に巻回されたインクリボンRの残量が25%の状態のときに、ミラー30eは供給リール21に巻回されたインクリボンRの残量が0%の状態(既使用状態)のときに、それぞれインクリボンRにより反射シート23に向けて反射光が遮られない位置に取り付けられている。
図8(B)〜(F)に示すように、ミラー30a〜30dは、発光素子26で発光した光を反射シート23に向けて反射し、かつ、反射シート23で反射した光が受光素子27の入光部に入射するように、それぞれ異なる取付角度θa〜θeでカセット載置台31に取り付けられている。本実施形態では、ミラー30aの取付角度θaが17°、ミラー30bの取付角度θbが30°、ミラー30cの取付角度θcが45°、ミラー30dの取付角度θdが60°、ミラー30eの取付角度θeが75°に設定されている。
図8(A)に示すように、インクリボンカセット8がカセット装着部40に装着されていない状態では、反射シート23が存在しないため、受光素子27には発光素子26からの光が入光しない。図8(B)に示すように、インクリボンカセット8がカセット装着部40に装着され、インクリボンRの残量が100%の状態では、受光素子27にはミラー30aの反射光のみが反射シート23を介して入光する。図8(C)に示すように、インクリボンRの残量が75%の状態では、受光素子27にはミラー30aの反射光に加えミラー30bの反射光が反射シート23を介して入光する。図8(D)に示すように、インクリボンRの残量が50%の状態では、受光素子27にはミラー30a、30bの反射光に加えミラー30cの反射光が反射シート23を介して入光する。図8(E)に示すように、インクリボンRの残量が25%の状態では、受光素子27にはミラー30a〜30cの反射光に加えミラー30dの反射光が反射シート23を介して入光する。そして、図8(E)に示すように、インクリボンRの残量が0%の状態では、受光素子27にはミラー30a〜30dの反射光に加えミラー30eの反射光が反射シート23を介して入光する。
また、図8(B)〜(F)に示すように、ミラー30a〜30eは、発光素子26からの入射光を0°を超え90°未満の反射角で反射するように設定されており、上記の例では、ミラー30aの反射角が73°、ミラー30bの反射角が60°、ミラー30cの反射角が45°、ミラー30dの反射角が30°、ミラー30eの反射角が15°に設定されている。つまり、供給リール回転軸24の軸芯(供給リール21の中心軸)に近いミラーほど反射角が小さくなるように設定されている。さらに、図8(B)〜(F)を参照すると、ミラー30a〜30eの反射光が受光素子27の入光部に入光するためには、反射シート23による反射角が徐々に大きくなるとともに、反射シート23上での反射位置もカセットケース8aの一側(図8(B)参照)から他側(図8(F)参照)にかけて移動することが分かる。
図9は、インクリボンカセット8がカセット装着部40に装着された状態でのインクリボンRの残量と受光素子27の受光する光量との関係を模式的に示す説明図である。巨視的に見ると、受光素子27の受光する光量は、インクリボンRの残量が少なくなるにつれて(供給リール21に巻回されたインクリボンRの巻き径が小さくなるにつれて)段階的に増加する。厳密には、ミラー30b〜30eの箇所でも、インクリボンRの残量が少なくなるにつれてインクリボンRで遮られていたミラー30b〜30eの反射光が徐々に増加する。従って、図9を参照すると、供給リール21に巻回されたインクリボンRの巻き径が小さくなるにつれてインクリボンRで遮られていたミラー30b〜30eの反射光が徐々に若しくは段階的に受光素子27に入光することが分かる。
ところで、図6は、受光素子27から出力される(アナログ)電圧Vを計測するためのセンサ制御部19の部分回路図を示したものである。制御部15(マイクロコンピュータ)の出力ポートには、エミッタに定電圧電源(本実施形態では3.3V)が接続されたPNP型トランジスタTr1のベースが、制御部15を保護するための抵抗R1を介して接続されている。トランジスタTr1のコレクタは、他側が受光素子27を構成するフォトトランジスタ27aのコレクタに接続された抵抗R2の一側に接続されている。フォトトランジスタ27aのエミッタはグランド(GND)に接続されている。また、フォトトランジスタ27aのコレクタと抵抗R2の他側との接続点は、A/Dコンバータ17の入力側とされており、その出力側が制御部15の入力ポートに接続されている。
このため、制御部15(のCPU)は、出力ポートからハイレベル信号を出力し、入力ポートを介してデジタル電圧を取り込むことで、受光素子27で受光した光量に応じたデジタル電圧値を把握することができる。なお、図6では、構成を明確にするために、A/Dコンバータ17を、制御部15を構成するマイクロコンピュータの外側に設けた例を示したが、マイクロコンピュータにA/Dコンバータを内蔵するようにしてもよい。
図10(A)〜(C)および図11(D)〜(F)は、図8(A)〜(F)に対応して、図6に示すA/Dコンバータ17の入力側の(アナログ)電圧Vを示したものである。図10(A)に示すように、インクリボンカセット8がカセット装着部40に装着されていない状態では、上述したように、反射シート23が存在しないため、受光素子27には発光素子26からの光が入光しない。このため、図6に則して説明すると、フォトトランジスタ27aのコレクタ、エミッタ間には電流が流れず、暗電流によるトランジスタTr1およびフォトトランジスタ27aでの電圧降下を無視すると、電圧Vは定電圧電源の電圧(3.3V)とほぼ同程度の電圧となる。図10(A)では、この電圧をN(V)で表している。
一方、図10(B)および図7に示すように、フォトトランジスタ27aに、反射シート23を介してミラー30aの反射光が入光すると、フォトトランジスタ27aに電流が流れて図6に示した抵抗R2で電圧降下が生じ、電圧VはほぼN×4/5(V)となる。また、図10(C)および図7に示すように、フォトトランジスタ27aに、反射シート23を介してミラー30a、30bの反射光が入光すると、フォトトランジスタ27aに、より電流が流れて図6に示した抵抗R2での電圧降下が大きくなり、電圧VはほぼN×3/5(V)となる。
さらに、図11(D)および図7に示すように、フォトトランジスタ27aに、反射シート23を介してミラー30a〜30cの反射光が入光すると、フォトトランジスタ27aにさらに電流が流れて図6に示した抵抗R2での電圧降下がより大きくなり、電圧VはほぼN×2/5(V)となる。また、図11(E)および図7に示すように、フォトトランジスタ27aに、反射シート23を介してミラー30a〜30dの反射光が入光すると、フォトトランジスタ27aにさらに電流が流れて図6に示した抵抗R2での電圧降下がさらに大きくなり、電圧VはほぼN×1/5(V)となる。そして、図11(F)および図7に示すように、フォトトランジスタ27aに、反射シート23を介してミラー30a〜30eの反射光が入光すると、フォトトランジスタ27aにさらに電流が流れて図6に示した抵抗R2での電圧降下が最大となり、電圧Vはほぼ0(V)となる。
従って、制御部15のCPUがA/Dコンバータ17を介して取り込んだデジタル電圧を把握することにより、供給リール21に巻回されたインクリボンRの残量を検出することができる。なお、A/Dコンバータ17はビット数が小さいものほど、アナログ電圧からデジタル電圧への変換誤差が大きくなる傾向にある。このため、制御部15のCPUは、この変換誤差や上述した暗電流による電圧降下等を考慮して、供給リール21に巻回されたインクリボンRの残量を検出(推測)することが好ましい。
(全体動作)
次に、本実施形態のラベルプリンタ1の全体動作について、制御部15のCPU(以下、CPUと略称する。)を主体として簡単に説明する。
ラベルプリンタ1に電源が投入されると、ROMに格納されたプログラムおよびプログラムデータがRAMに展開され、CPUは、上述した各部を所定のホーム位置に移動させる初期設定処理を行った後、オペレータによる入力部13からの印刷指令情報および切断指令情報の入力を待つ。
CPUはこれらの情報が入力されると、入力された印刷指令情報に従って印刷データを生成してオペレータからの印刷開始指示を待つ。オペレータが入力部13の所定ボタン(例えば、エンターボタン)を押下することにより印刷開始指示があると、後述するリボン残量検出ルーチン(図12参照)を実行した後、搬送ローラ2a、2bの上流側に配置されたセンサからの出力を参照して印刷媒体Mが所定位置にセットされているか否かを判断し、否定判断のときはその旨を表示部14に表示して待機し、肯定判断のときはステッピングモータ5、9を駆動して印刷媒体Mに印刷処理を施す。
すなわち、サーマルヘッド6をプラテンローラ3に圧接する印刷位置に移動させ、生成した印刷データに従って1ラインごとにドライバ18に出力する。印刷媒体Mは搬送ローラ2a、2b、プラテンローラ3、ピンチローラ4による回転駆動力で媒体搬送路上を下流側に搬送され、印刷部20において所望の文字が印刷される。なお、本実施形態では、ステッピングモータ5、9を印刷媒体Mの搬送のために用いているので、CPUは出力パルス数をカウントすることによりサーマルヘッド6の加熱素子の位置に対する印刷媒体Mの先端の位置の関係、すなわち、印刷位置を把握することができる。
印刷部20(サーマルヘッド6)による印刷媒体Mに対する印刷処理が完了すると、CPUはサーマルヘッド6を媒体搬送路から退避した退避位置に移動させ、ピンチローラ4の下流側に配置されたセンサからの出力を参照して印刷媒体Mの先端が該センサの位置より下流側に位置しているか否かを判断し、肯定判断のときは搬送ローラ2a、2b、プラテンローラ3、ピンチローラ4を逆転させて印刷媒体Mの先端が該センサの位置より上流側に位置するように所定距離逆送した後、搬送ローラ2a、2b、プラテンローラ3、ピンチローラ4を正転させて印刷媒体Mを切断部7側に搬送し、否定判断のときはそのまま搬送ローラ2a、2b、プラテンローラ3、ピンチローラ4を正転させて印刷媒体Mを切断部30側に搬送する。
また、CPUは、オペレータから印刷指令情報および切断指令情報の入力がなされた時点からこの時点までの間に、切断指令情報に従って、媒体搬送路を介してカッタ刃7aに対向する位置に切断指令情報で指令された面(全切り面、半切り面)が面するようにカッタ刃受け台7bの受け面を位置付ける。
CPUは、印刷媒体Mの先端がカッタ刃7aの位置を通り過ぎて、印刷媒体Mに対する切断位置がカッタ刃7aの位置まで搬送されると、ローラ2a、2b、プラテンローラ3、ピンチローラ4の駆動を一旦停止させて印刷媒体Mの搬送を停止し、カッタ刃7aをカッタ刃受け台7bに向けて進出させることで、印刷媒体Mを切断する。CPUはピンチローラ4の下流側に配置されたセンサからの出力を参照して印刷媒体Mの先端が該センサの位置に到達したか否かを監視しており、該センサの位置を基準としてステッピングモータ9への出力パルス数をカウントすることによりカッタ刃7aの位置に対する印刷媒体Mの先端の位置の関係、すなわち、切断位置を把握することができる。
次いで、CPUは、ローラ2a、2b、プラテンローラ3、ピンチローラ4の駆動を再開させて印刷媒体Mをさらに所定距離下流側に搬送してラベルプリンタ1から排出する。そして、所定時間経過後、ローラ2a、2b、プラテンローラ3、ピンチローラ4の駆動を停止させ、入力された印刷/切断指令情報に基づく動作を終了させる。なお、CPUは、さらに所定時間経過後、媒体搬送路上の曲線部に印刷媒体Mが位置して印刷媒体Mに曲がり癖ができることを防止するために、ローラ2a、2b、プラテンローラ3、ピンチローラ4を駆動して印刷媒体Mを搬送ローラ2a、2b側へ巻き戻す。
(リボン残量検出ルーチン)
次に、フローチャートを参照して、CPUが実行するリボン残量検出ルーチンについて説明する。なお、このリボン残量検出ルーチンは、上述したように、オペレータが入力部13の所定ボタンを押下することにより印刷開始指示があった時点で開始されるが、上述した初期設定処理の一部として、または、初期設定処理の直後に(オペレータの指示を待つことなく)自動的に実行するようにしてもよい。
図12に示すように、リボン残量検出ルーチンでは、まず、発光素子26に電力を供給して発光(点灯)させる(ステップS1)。次に、出力ポート(図6参照)からハイレベル信号を出力して入力ポートを介してセンサ制御部19(A/Dコンバータ17の出力側)からのデジタル電圧を取り込む(ステップS2)。次いで、発光素子26への電力供給を停止して消灯させるとともに、出力ポートを介して出力していたハイレベル信号の出力を停止させる(ステップS3)。これにより、省エネ効果の他に、発光素子26の寿命短縮に対して効果を得ることができる。なお、ステップS3では、図示しないスイッチ素子を介してA/Dコンバータ17への電力供給を停止させるようにしてもよい。
次に、ステップS2で取り込んだセンサ制御部19からの出力電圧がN(V)か否か、すなわち、図10(A)に示した状態か否かを判断する(ステップS4)。なお、上述したように、A/Dコンバータ17の変換誤差や暗電流による電圧降下等を考慮して、本実施形態では、アローワンスを設け、例えば、N×0.95(V)≦(センサ制御部19からの出力電圧)≦N(V)の範囲にあるか否かを判断している。
ステップS4で肯定判断のときは、表示部14にインクリボンカセット8を装着するようにメッセージ表示してリボン残量検出ルーチンを終了する(ステップS5)。なお、このステップS5では、インターフェースを介して上位機器にもその旨を報知するようにしてもよい。
一方、ステップS4で否定判断のときは、ステップS2で取り込んだセンサ制御部19からの出力電圧が0(V)か否か、すなわち、図10(F)に示した状態か否かを判断する(ステップS6)。なお、本実施形態では、ステップS4と同様にアローワンスを設け、例えば、0(V)≦(センサ制御部19からの出力電圧)≦0.2(V)の範囲にあるか否かを判断している。
ステップS6で肯定判断のときは、表示部14にインクリボンカセット8を交換するようにメッセージ表示してリボン残量検出ルーチンを終了する(ステップS7)。なお、このステップS7でも、ステップS5と同様に、インターフェースを介して上位機器にもその旨を報知するようにしてもよい。
一方、ステップS6で否定判断のときは、ステップS2で取り込んだセンサ制御部19からの出力電圧に応じてインクリボンカセット8の供給リール21に巻回されたインクリボンRの残量を判定する。すなわち、センサ制御部19からの出力電圧が図10(B)に示したようにN×4/5(V)近傍の電圧(例えば、N×4/5(V)×0.95≦(センサ制御部19からの出力電圧)≦N×4/5(V)×1.05の範囲の電圧)であれば、インクリボンRの残量が100%、センサ制御部19からの出力電圧が図10(C)に示したようにN×3/5(V)近傍の電圧(例えば、N×3/5(V)×0.95≦(センサ制御部19からの出力電圧)≦N×3/5(V)×1.05の範囲の電圧)であれば、インクリボンRの残量が75%、センサ制御部19からの出力電圧が図11(D)に示したようにN×2/5(V)近傍の電圧(例えば、N×2/5(V)×0.95≦(センサ制御部19からの出力電圧)≦N×2/5(V)×1.05の範囲の電圧)であれば、インクリボンRの残量が50%、センサ制御部19からの出力電圧が図11(E)に示したようにN×1/5(V)近傍の電圧(例えば、N×1/5(V)×0.95≦(センサ制御部19からの出力電圧)≦N×1/5(V)×1.05の範囲の電圧)であれば、インクリボンRの残量が25%とそれぞれ判定する。
次に、ステップS8での判定結果を、表示部14にメッセージ表示してリボン残量検出ルーチンを終了する(ステップS9)。なお、このステップS9でも、ステップS5、S7と同様に、インターフェースを介して上位機器にもその旨を報知するようにしてもよい。
(第2実施形態)
次に、図13〜図16を参照して、本発明を、印刷媒体Mに任意の文字等を印刷可能なラベルプリンタに適用した第2の実施の形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態の複数のミラー30a〜30eに代えて単一のミラーを用いるものである。図13は第1実施形態で説明した図3、図14は第1実施形態で説明した図4、図15(A)〜(C)および図16(D)〜(F)は第1実施形態で説明した図8(A)〜(F)にそれぞれ対応している。なお、本実施形態において、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略し、以下、第1実施形態と異なる箇所のみ説明する。
図14に示すように、本実施形態では、第1実施形態のミラー30a〜30eに代えて、全体として短冊状(細長)で、供給リール回転軸24(供給リール21)に近づくほど曲率半径の小さい曲面を有する単一の曲面ミラー30Aが用いられている。換言すると、この曲面ミラー30Aは、図8(B)〜(F)で説明したミラー30a〜30eの取付角度θa〜θeを連続して滑らかに結ぶような曲面を有している。曲面ミラー30Aは、その母材に金属が用いられ、曲げ加工によって上述した曲面が形成されており、供給リール21に巻回されたインクリボンRに対向する面側に反射膜が蒸着されることで構成されている。
カセット装着部40Aのカセット載置台31Aには、発光素子26で発光した光を、曲面ミラー30Aに導くための直線溝状の導光路32Aが形成されている。導光路32Aは、矩形状平面を有するカセット載置台31Aの長手方向に沿う方向に供給リール回転軸24に向けて形成されている。上述した曲面ミラー30Aは、曲面ミラー30Aの裏面側の曲面に沿ってこの導光路32Aの底面側に形成された取り付け部に貼付されている。
また、図13および図14に示すように、インクリボンカセット8Aのカセットケース8Aaの底面側の曲面ミラー30Aに対向する位置には、曲面ミラー30Aの反射光を反射シート23に向けて通過させるための矩形状の第1の開口8Abが形成されている。ここで着目すべき点は、第1の開口8Abが曲面ミラー30Aに対向する位置に形成されているため、第1実施形態の第1の開口8bとは形成方向が相違する点である。すなわち、カセットケース8Aaには、インクリボンRが露出した側と対向する最長辺側に沿う方向に第1の開口8Abが形成されている。また、この相違に起因して、インクリボンカセット8Aのカセットケース8Aaの上側内面、すなわち、供給リール21に巻回されたインクリボンRの上側端面側であって該上側端面から離間した位置に貼付された反射シート23の方向も、曲面ミラー30Aの反射光を受光素子27の入光部に向けて反射するために、第1実施形態の反射シート23と異なっている点である(図15、図16も参照)。
さらに、図15(A)〜(C)および図16(D)〜(E)に示すように、本実施形態では、供給リール21に巻回されたインクリボンRの巻き径が小さくなるにつれてインクリボンRで遮られていた曲面ミラー30Aの反射光が徐々に反射シート23を介して受光素子27に入光することで受光素子27の受光する光量が変化するため、第1実施形態の25%刻みの残量検出ではなく、受光素子27で受光した光量に応じて供給リール21に巻回されたインクリボンRの残量を連続的に検出することができる。
このようにインクリボンRの残量を連続的に検出する場合には、第1実施形態で説明したアローワンスを用いた判定方法がうまく働かない。このため、別の概念による判定方法を用いることが好ましい。
例えば、制御部15に接続された外部バスにEEPROM等の不揮発性メモリを接続しておき、新たにインクリボンカセット8Aが装着される毎に、例えば、供給リール21に巻回されたインクリボンRの残量100%、75%、50%、25%、0%ごとにセンサ制御部19からの出力電圧の平均値および測定回数を書き込んでおくとともに、今回のセンサ制御部19からの出力電圧およびそのインクリボンRの残量も書き込んでおく。今回、センサ制御部19からの出力電圧を取り込んだ際に、不揮発性メモリに書き込まれた100%、75%、50%、25%、0%ごとのセンサ制御部19からの出力電圧の平均値に基づいて、按分計算により、センサ制御部19からの出力電圧に対応するインクリボンRの残量を算出する。なお、当初に使用される段階では、このような測定済みの参照データがないため、出荷時点で、最初のインクリボンカセット8Aに対してのみ使用される残量100%、75%、50%、25%、0%の標準データをEEPROMに記憶しておくようにしてもよい。
そして、例えば、75%におけるセンサ制御部19からの出力電圧の平均値を更新する際には、前回のセンサ制御部19からの出力電圧およびそのインクリボンRの残量(例えば、76%)を読み出し、今回のインクリボンRの残量(例えば、74%)が75%未満となったか否かを判断し、75%未満となった場合には、直近のセンサ制御部19からの出力電圧およびそのインクリボンRの残量と今回のセンサ制御部19からの出力電圧およびそのインクリボンRの残量とから75%でのセンサ制御部19からの出力電圧およびそのインクリボンRの残量を算出した後、75%のセンサ制御部19からの出力電圧の平均値も算出し直し、当該平均値および測定回数を更新する。また、ミラー等の光学部材や図6に示したセンサ制御部19は温度の影響を受けやすいことから、サーミスタ等の温度センサを備え、このような検出方法において、温度補正等を行って過去の蓄積データを一定温度(例えば、室温)の下で共通して使用できるようにしてもよい。
(効果等)
次に、本実施形態のラベルプリンタ1の効果等について説明する。
第1実施形態のラベルプリンタ1では、供給リール21に巻回されたインクリボンRの巻き径が小さくなるにつれてインクリボンRで遮られていたミラー30b〜30eの反射光が徐々に若しくは段階的に反射シート23を介して受光素子27に入光することで受光素子27の受光する光量が変化するように構成されており、第2実施形態のラベルプリンタ1では、供給リール21に巻回されたインクリボンRの巻き径が小さくなるにつれてインクリボンRで遮られていた曲面ミラー30Aの反射光が徐々に反射シート23Aを介して受光素子27に入光することで受光素子27の受光する光量が変化するように構成されている。そして、ラベルプリンタ1では、受光素子27で受光した光量に応じて供給リール21に巻回されたインクリボンRの残量を検出する。このため、上記(第1、第2)実施形態のラベルプリンタ1によれば、特許文献1のようなモータやギア等の部材が不要で、特許文献2のようなインクリボンにマーク等を施す必要もなく、また、特許文献3のようなホール素子を用いた構成より精度よくインクリボンの残量を検出できるため、低コストでインクリボンRの残量を検出することができる。
なお、上記実施形態では、インクリボンRを使用して印刷媒体Mに直接画像を形成する直接印刷方式のラベルプリンタ1について例示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、本発明は、インクリボンを使用して中間転写媒体に画像を形成し、中間転写媒体に形成された画像を印刷媒体に転写する間接印刷方式の印刷装置にも適用可能である。
また、上記実施形態では、インクリボンRにブラックの単色インクリボンを用いたインクリボンカセット8、8Aを例示したが、本発明はこれに制限されるものではなく、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン等の複数のカラーリボンパネルを面順次に繰り返して構成されたインクリボンを用いたインクリボンカセットや、これにブラックリボンパネルを加えたり、保護層やシルバーやゴールド等の他の色を加えたりしたインクリボンを収容したインクリボンカセットにも適用可能である。
また、上記実施形態では、ミラー30a〜30e(第1実施形態)、曲面ミラー30A(第2実施形態)を供給リール21に巻回されたインクリボンRの下側端面に対向する位置に配置した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明は、ミラー30a〜30e、曲面ミラー30Aを供給リール21に巻回されたインクリボンRの上側端面に対向する位置に配置するようにしてもよい。このような場合には、反射シート23、23Aは、インクリボンカセット8のカセットケース8aの内底面側、すなわち、供給リール21に巻回されたインクリボンRの下側端面側であって該下側端面から離間した位置に貼付される。また、このような配置構成に対応して、インクリボンカセット8、8Aのカセットケース8a、8Aaに形成される第1の開口8b、8Ab、第2の開口8cの形状、位置も適宜変更される。なお、インクリボンカセット8に反射シート23、23Aが設けられていることにより、インクリボンカセット8の未装着状態では受光素子27が反射光を受光しない。よって、同じ機構でインクリボンの残量だけでなく、インクリボンカセット8の有無も検出することができる。
さらに、ミラー30a〜30e、曲面ミラー30Aを巻取リール22に巻回されたインクリボンRの下側端面に対向する位置に配置するようにしてもよい。このような態様では、巻取リール22に巻回されたインクリボンRの巻き径が大きくなるにつれてミラー30a〜30eの反射光が徐々に若しくは段階的に、または、曲面ミラー30Aの反射光が徐々に、インクリボンRで遮られることで受光素子27の受光する光量が変化する。また、ミラー30a〜30e、曲面ミラー30Aを巻取リール22に巻回されたインクリボンRの上側端面に対向する位置に配置するようにしてもよい。このような場合には、反射シート23、23A、第1の開口8b、8Ab、第2の開口8cの形状、位置も適宜変更される。
また、上記実施形態では、インクリボンカセット8、8Aのカセットケース8a、8Aaの上面内側に反射シート23、23Aを貼付し、第2の開口8cを介してインクリボンカセット8、8Aの一側側面に対向する位置に配置された受光素子27の入光部にミラー30a〜30e、曲面ミラー30Aの反射光を入光させる例を示したが、本発明はこれに制限されるものではない。例えば、カセットケース8a、8Aaの反射シート23、23Aが貼付される位置に第3の開口を形成し、この第3の開口を介して受光素子27の入光部がミラー30a〜30e、曲面ミラー30Aの反射光を受光するようにしてもよい。この場合には、受光素子27の位置が変更されるとともに、ミラー30a〜30eの取付角度θa〜θe、曲面ミラー30Aの曲率も適宜変更される。
さらに、第2の反射部材としての反射シート23、23Aに代えて、カセットケース8a、8Aaの上面内側に部分的な凹面を形成しその凹面に反射膜を蒸着するようにしてもよい。このような凹面はその焦点が受光素子27の入光部となるように大きな曲率半径を有することが好ましい。このような態様では、温度変化のよる各部材の伸縮や、インクリボンカセット8、8Aのカセット装着部40、40Aへの装着バラツキよる悪影響を受けづらく、逆にいえば、アローワンスを大きくとることができ、供給リール21に巻回されたインクリボンRの残量検出の安定性を向上させることができる。
また、第1実施形態では、第1の反射部材としてミラー30a〜30eを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ミラー30a〜30eに代えて反射シートを用いるようにしてもよい。さらに、第1実施形態では、5つのミラー30a〜30eを用いた例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、ミラーの数を増やすことで、より細かな精度(例えば、5%刻みや10%刻み)で供給リール21に巻回されたインクリボンRの残量を検出するようにしてもよい。
さらに、第2実施形態では、第1の反射部材として金属製母材に反射膜を蒸着した曲面ミラー30Aを例示したが、金属は温度変化の影響を受けやすいため、必要に応じて、または、アローワンスを大きくとるために、集光レンズ等の集光部材を加えるようにしてもよい。このような場合には、受光素子27の入光部は集光部材の焦点深度内に配置される。また、第1実施形態の態様でも、アローワンスを大きくとるために、集光部材を加えるようにしてもよい。このような態様は、インクリボンカセットのサイズが大型となる(発光素子から発光された光の光路長が大きくなる)、例えば、複数のカラーリボンパネルを面順次に繰り返して構成されたインクリボンを用いたインクリボンカセットの場合にも有効となる。
さらにまた、上記実施形態では、図6に示したように、A/Dコンバータ17の入力側をPNP型のトランジスタTr1のコレクタ側とした例を示したが、A/Dコンバータ17の入力側をトランジスタTr1のエミッタ側に設けるようにしてもよい。このような態様では、図10(A)〜(C)および図11(D)〜(F)に示したN(V)、N×4/5(V)、N×3/5(V)、N×2/5(V)、N×1/5(V)、0(V)の関係が逆転し、それぞれ、0(V)、N×1/5(V)、N×2/5(V)、N×3/5(V)、N×4/5(V)、N(V)となる。また、Tr1にNPN型のトランジスタを用いてもよく、その場合にも、上記と同様に出力電圧の関係が逆転する。
そして、上記実施形態では、供給リール21および巻取リール22をカセットケース8a、8Aa内に収容したインクリボンカセット8、8Aを例示したが、本発明はこれに制限されることなく、インクリボンカセット8、8Aを用いることなく、供給リール21や巻取リール22をそれぞれ供給リール回転軸24、巻取リール回転軸25に装着可能な印刷装置にも適用可能である。この場合には、受光素子27の位置を変更して供給リール21の上面端部側に配置するようにしても、または、反射シート23、23Aに代えて機能するミラーや反射シートをラベルプリンタ1側に設けるようにしてもよい。
以上述べたとおり、本発明は、低コストでインクリボンの残量を検出可能な印刷装置および該印刷装置に装着されるインクリボンカセットを提供するものであるため、印刷装置およびインクリボンカセットの製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
1 ラベルプリンタ(印刷装置)
8、8A インクリボンカセット
8a、8Aa カセットケース
8b、8Ab 第1の開口
8c 第2の開口
15 制御部(残量検出手段の一部)
19 センサ制御部(残量検出手段の一部)
21 供給リール
22 巻取リール
23、23A 反射シート(第2の反射部材)
26 発光素子
27 受光素子
30a〜30e ミラー(第1の反射部材、複数の反射部材の一部)
30A 曲面ミラー(第1の反射部材、単一の反射部材)
R インクリボン
M 印刷媒体(媒体)

Claims (7)

  1. インクリボンを用いて媒体に印刷処理を施す印刷装置において、
    前記インクリボンが巻回された供給リールと、
    前記インクリボンを巻き取るための巻取リールと、
    発光素子と、
    前記発光素子からの入射光を0°を超え90°未満の反射角で反射するように、前記供給リール若しくは前記巻取リールに巻回されたインクリボンの一側端面に対向する位置に配置された第1の反射部材と、
    前記第1の反射部材の反射光を受光する受光素子と、
    前記受光素子で受光した光量に応じて前記供給リールに巻回されたインクリボンの残量を検出する残量検出手段と、
    を備え、
    前記供給リールに巻回されたインクリボンの巻き径が小さくなるにつれて前記インクリボンで遮られていた前記第1の反射部材の反射光が徐々に若しくは段階的に前記受光素子に入光することで、または、前記巻取リールに巻回されたインクリボンの巻き径が大きくなるにつれて前記第1の反射部材の反射光が徐々に若しくは段階的に前記インクリボンで遮られることで、前記受光素子の受光する光量が変化することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記第1の反射部材は、前記供給リール若しくは前記巻取リールおよび前記発光素子からの距離がそれぞれ異なるように離散的に配置され、かつ、前記発光素子からの入射光に対してそれぞれ異なる反射角を有するように取り付けられた複数の平板若しくはシート状の反射部材で構成されているか、または、前記供給リール若しくは前記巻取リールに近づくほど曲率半径の小さい曲面を有する単一の反射部材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記供給リール若しくは前記巻取リールに巻回されたインクリボンの他側端面側であって該他側端面から離間した位置に配置され、前記第1の反射部材の反射光を前記受光素子に向けて反射する第2の反射部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
  4. インクリボンを用いて媒体に印刷処理を施す印刷装置において、
    前記インクリボンが巻回された供給リールと、
    前記インクリボンを巻き取るための巻取リールと、
    発光素子と、
    前記発光素子からの入射光を0°を超え90°未満の反射角で反射するように、前記供給リールに巻回されたインクリボンの下側端面に対向する位置に配置された第1の反射部材と、
    前記供給リールに巻回されたインクリボンの上側端面側であって該上側端面から離間した位置に配置され、前記第1の反射部材の反射光を反射する第2の反射部材と、
    前記第2の反射部材の反射光を受光する受光素子と、
    前記受光素子で受光した光量に応じて前記供給リールに巻回されたインクリボンの残量を検出する残量検出手段と、
    を備え、
    前記供給リールに巻回されたインクリボンの巻き径が小さくなるにつれて前記インクリボンで遮られていた前記第1の反射部材の反射光が徐々に若しくは段階的に前記第2の反射部材を介して前記受光素子に入光することで、前記受光素子の受光する光量が変化することを特徴とする印刷装置。
  5. 前記供給リール、前記巻取リールおよび前記第2の反射部材をインクリボンカセット内に収容したことを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
  6. 前記発光素子および前記受光素子を前記インクリボンカセットの一側側面に対向する位置に配置したことを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の印刷装置に装着されるインクリボンカセットであって、カセットケースに、前記第1の反射部材の反射光を前記第2の反射部材に向けて通過させるための第1の開口と、前記第2の反射部材の反射光を前記受光素子に向けて通過させるための第2の開口とが形成されたことを特徴とするインクリボンカセット。
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