JP2015062940A - 板材分離装置及び板材分離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積み重ねた板材を1枚ずつ確実に取り出すことができ、且つ、多くの板材を整然と積み置くことが可能な板材分離装置及び板材分離方法の提供。
【解決手段】板材分離装置30は、最上段の金属板1に形成された貫通孔1aに上方から挿入することが可能な挿入部材32を備えている。金属板1が上下方向に積み重ねられた状態で、最上段の金属板1に形成される貫通孔1aは、上から2番目の金属板1に形成される貫通孔1aと異なる位置に配置される。
【選択図】図4

Description

本発明は、板材分離装置及び板材分離方法に係り、特に、上下方向に積み重ねた金属板等の板材を1枚ずつ取り出すことが可能な板材分離装置及び板材分離方法に関するものである。
従来から、金属製品(例えば、自動車車体の部品)は、金属板を所定の長さに切断するブランキング工程、切断された金属板を上下方向に積み重ねる金属板積重工程、積み重ねた金属板のうち、最上段の金属板を取り出す金属板取出工程、及び、取り出された金属板をプレス加工等することによって成形加工する成形加工工程等を経ることによって製造される。
一般に、金属板を上下方向に積み重ねると、当該金属板自体の自重や金属板に塗布された防錆油等によって相互に密着しやすい。このため、上記金属板取出工程において、最上段の金属板を取り出す際、この金属板に隣接する他の金属板(上から2番目の金属板)も同時に取り出されてしまい、成形加工工程において使用される装置(例えば、プレス加工機)に複数枚の金属板が投入されてしまうといった問題があった。
そこで、上記金属板積重工程を行う前に金属板の端部に凹凸を形成する凹凸形成工程を行い、その後の金属板取出工程において上記金属板の端部にエアを吹き付ける技術が提案されている(特許文献1参照)。
このような技術によれば、上記金属板積重工程において金属板を積み重ねると、上下2枚の金属板の間には、上記凹凸によって、その端部側に僅かな間隙が形成される。そして、上記金属板取出工程において最上段の金属板と上から2番目の金属板との間に形成される間隙にエアを吹き付けると、これら金属板の間にエア膜(空間)を形成することができる。すなわち、特許文献1に記載の技術によれば、上記エア膜によって上下2枚の金属板が互いに分離されるため、最上段の金属板を取り出す際、他の金属板も同時に取り出されるといった事態を抑制することが可能である。
特公平07−110722号
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、上記間隙にエアを吹き付けた際、当該エアが、上下2枚の金属板間に入り込むことなく、外部に漏出してしまう場合が少なくない。すなわち、特許文献1に記載の技術では、上記間隙に、比較的多量のエア(金属板間に入り込ませるエア及び上記漏出分のエア)を吹き付けなければ、上下2枚の金属板の間にエア膜(空間)を形成することができないといった問題、すなわち、エアの吹付量や吹付位置等によっては、最上段の金属板を上から2番目の金属板から分離することができないといった問題があった。
また、一般に、エアをノズルから勢いよく吹き出す(噴射する)と、比較的大きな音(騒音)が発生する。このため、特許文献1に記載の技術では、上述したような、多量のエアの吹き付けによって、大きな騒音が発生するといった問題も生じる。
さらに、特許文献1に記載の技術では、上記凹凸が金属板の表面から積み重ね方向に突出しているため、当該金属板を上下方向に積み重ねた際、積み重ね高さが高くなってしまい、積み重ね場所等によっては、多くの金属板を積み置くことができないといった問題もあった。
しかも、特許文献1に記載の技術では、上記凹凸が金属板の端部側に形成されているため、金属板を互いに平行で且つ水平に積み重ねることができず、多くの金属板を積み置くことができないばかりか、整然と積み置くことができないといった問題もある。
本発明は、上記不都合を解消するためになされたものであり、その目的は、積み重ねた板材を1枚ずつ確実に取り出すことができ、且つ、多くの板材を整然と積み置くことが可能な板材分離装置及び板材分離方法を提供することにある。
前記課題は、本発明の板材分離装置によれば、上下方向に積み重ねられた板材のうち、最上段の前記板材を該最上段の板材に隣接する他の前記板材から分離する板材分離装置であって、前記他の板材とは異なる位置で前記最上段の板材に形成された板厚方向に貫通する貫通孔に、上方から挿入することが可能な挿入手段を備え、前記挿入手段は、前記貫通孔を介して前記他の板材の上面を下方に押圧することによって、前記最上段の板材と前記他の板材との間に間隙を形成することにより解決される。
また、前記課題は、本発明の板材分離方法によれば、板材に板厚方向に貫通する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、前記貫通孔形成工程を行った後、前記貫通孔が形成された前記板材を上下方向に積み重ねる板材積重工程と、前記板材積重工程を行った後、積み重ねられた前記板材のうち、最上段の前記板材を該最上段の板材に隣接する他の前記板材から分離する板材分離工程と、を備え、前記貫通孔は、前記板材積重工程において前記板材が積み重ねられた状態で、前記最上段の板材と前記他の板材とで異なる位置となるように形成され、前記板材分離工程は、前記最上段の板材に形成された前記貫通孔に挿入手段を挿入し、該挿入手段によって前記他の板材の上面を下方に押圧することにより、前記最上段の板材と前記他の板材との間に間隙を形成する間隙形成工程を含むことより解決される。
上記何れの構成も、板材には板厚方向に貫通する貫通孔が形成されているだけなので、当該板材を上下方向に積み重ねた場合、これら板材同士を互いに密着させることが可能である。このため、上記構成によれば、多くの板材を積み重ねた場合であっても、積み重ね高さを抑えつつ、整然と積み置くことができる。
また、上記構成では、最上段の板材の貫通孔に挿入された、挿入手段によって、他の板材が押圧されることにより、これら板材(最上段の板材及び他の板材)の間に間隙が形成されるようになっている。例えば、このような押圧は、上記挿入手段を他の板材の上面に接触させた状態で、最上段の板材のみを上方へ移動させることにより行うことができる。斯かる場合、最上段の板材を上方へ移動させると、他の板材が最上段の板材から強制的に分離される(剥がれる)ため、最上段の板材を取り出す際に、他の板材も同時に取り出されるといった不都合を解消することができる。
しかも、上記構成では、上述したように、挿入手段による他の板材の押圧によって、最上段の板材が他の板材から分離されるようになっているため、例えば、流体(例えば、圧縮空気)を吹き付けることによって、上下2枚の金属板を相互に分離させる方式に比べた場合、騒音も生じにくく、また、設備の簡略化を図ることができるといった利点がある。
以上のように、本発明に係る板材分離装置及び板材分離方法によれば、簡単な構成で、多くの板材を整然と積み置くことができ、且つ、板材を1枚ずつ確実に取り出すことができる。
本実施形態に係る金属製品の製造工程の概略を示す概略説明図である。 金属製品の製造工程を示すフロー図である。 金属板切断加工装置の要部拡大断面図であって、(a)は金属板を切断する前の状態を示す図、(b)は金属板を切断した直後の状態を示す図、(c)は(b)の後の状態を示す図である。 金属板分離装置の要部拡大断面図であって、(a)は吸着部材が最上段の金属板に接触する前の状態を示す図、(b)は吸着部材による最上段の金属板の吸着が開始された直後の状態を示す図、(c)は(b)の後において移動部材を上方に移動させた状態を示す図である。 挿入部材の他の例を示す要部拡大断面図であって、(a)は吸着部材が最上段の金属板に接触する前の状態を示す図、(b)は吸着部材による最上段の金属板の吸着が開始された直後の状態を示す図である。 挿入部材のさらに他の例を示す要部拡大断面図であって、(a)は吸着部材が最上段の金属板に接触する前の状態を示す図、(b)は吸着部材による最上段の金属板の吸着が開始された直後の状態を示す図、(c)は挿入部材に流体が吹き込まれた状態を示す図である。 挿入部材のさらに他の例を示す要部拡大断面図あって、挿入部材の先端部から流体を吹き出している状態を示す図である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る金属製品の製造工程の概略を示す概略説明図、図2は金属製品の製造工程を示すフロー図、図3は金属板切断加工装置の要部拡大断面図であって、(a)は金属板を切断する前の状態を示す図、(b)は金属板を切断した直後の状態を示す図、(c)は(b)の後の状態を示す図、図4は金属板分離装置の要部拡大断面図であって、(a)は吸着部材が最上段の金属板に接触する前の状態を示す図、(b)は吸着部材による最上段の金属板の吸着が開始された直後の状態を示す図、(c)は(b)の後において移動部材を上方に移動させた状態を示す図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る金属製品(例えば、自動車車体)の製造工程は、金属板送出工程Aと、金属板送出工程Aの次工程である金属板切断加工工程Bと、金属板切断加工工程Bの次工程である金属板積重工程Cと、金属板積重工程Cの次工程である金属板分離工程Dと、金属板分離工程Dの次工程である金属板成形工程Eとを備えている。なお、上記金属板積重工程Cと、金属板分離工程Dとが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「板材積重工程」と、「板材分離工程」とに該当する。
図1に示すように、金属板送出工程Aでは、非磁性の金属板1(例えば、アルミ材)を、金属板切断加工工程Bにおいて用いられる金属板切断加工装置10に搬送する作業を行う。なお、上記金属板1が特許請求の範囲に記載の「板材」に該当する。
本実施形態で用いられる金属板1は、金属板送出工程Aが行われる前の状態で、コイル状に券回されており、金属板券解装置(アンコイラ)2によって巻き解かれるようになっている。
金属板券解装置2によって巻き解かれた金属板1は、上下一対の送りローラ7の駆動によって、ガイドローラ6及び送りローラ7を介して金属板切断加工装置10に搬送されるようになっている。なお、本実施形態では、送りローラ7や、後述する搬送コンベア19等の各駆動装置が駆動されることによって、金属板1が、金属板送出工程Aの後工程である、金属板切断加工工程B、金属板積重工程C、金属板分離工程D及び金属板成形工程Eに、順次、搬送されるように構成されている。
次に、金属板送出工程Aの次工程である金属板切断加工工程Bについて図1及び図3を参照して説明する。
図1及び図3に示すように、金属板切断加工工程Bでは、金属板切断加工装置10を用いて、金属板1に板厚方向に貫通する貫通孔1aを形成するとともに、金属板1をその送り方向(以下、単に「送り方向」と称す)と直交する方向(以下、「直交方向」と称す)で切断する作業を行う。なお、上記貫通孔1aは、略円筒状、略楕円筒状及び略直方体状などの形状に形成することが可能である。また、上記金属板1に貫通孔1aを形成する作業が、特許請求の範囲に記載の「貫通孔形成工程」に該当する。
詳しくは後述するが、本実施形態では、上記金属板1の切断及び貫通孔1aの形成は、第1切断部材12及び第1貫通孔形成部材13を有する昇降部材11が下降することによって、ほぼ同時に行われるように構成されている。また、本実施形態において、上記昇降部材11の下降は、切断された金属板1の送り方向の長さがほぼ同一となるタイミングで行われるようになっている。
図3に示すように、金属板切断加工装置10は、金属板1を送り方向に移動させることが可能なワーク面16Aを有するワーク台16と、ワーク台16に対して上下方向に移動することが可能な昇降部材11とを有している。
昇降部材11には、第1切断部材12及び第1貫通孔形成部材13が、その底面から突出するように設けられている。一方、ワーク台16には、第2切断部材17及び第2貫通孔形成部材18が設けられている。本実施形態では、金属板1を切断する部材として、上記第1切断部材12及び第2切断部材17を、また、貫通孔1aを形成する部材として、上記第1貫通孔形成部材13及び第2貫通孔形成部材18を、それぞれ採用している。
第1切断部材12及び第2切断部材17は、何れも金属製の部材により形成されている。第1切断部材12は、昇降部材11の送り方向側で直交方向に延設されている。また、上記第2切断部材17は、ワーク台16のワーク面16Aと連続する連続面17Aを有し、ワーク台16の送り方向側で直交方向に延設されている。
第1切断部材12は、昇降部材11が最も下降する最下降位置に位置した状態で、その送り方向とは反対の方向(以下、「反送り方向」と称す)側の側面が、第2切断部材17の送り方向側の側面と接するようになっている(図3(b)参照)。金属板1は、昇降部材11が最下降位置に移動した際(第1切断部材12と第2切断部材17とが接した際)に切断されるようになっている。
なお、本実施形態では、送りローラ7(図1参照)の駆動によって、金属板1が切断される位置まで移動したときに、送りローラ7及び搬送コンベア19の駆動がそれぞれ一旦停止されるとともに、昇降部材11の下方への移動が開始されるように構成されている。一方、最下降位置に位置していた昇降部材11が、例えば、当該昇降部材11が最も上昇する最上昇位置まで移動したときに、今まで停止していた送りローラ7及び搬送コンベア19が駆動され、金属板1の送り方向への移動が再開されるようになっている。
第1貫通孔形成部材13は、略棒状の金属製の部材からなり、送り方向に所定の間隔を空けて複数(本実施形態では2本)設けられている。第1貫通孔形成部材13A,13Bは、それぞれ、昇降部材11の底面から下方に突設され、昇降部材11の昇降に伴って、昇降部材11に対して上下方向に進退するように構成されている。
上記第1貫通孔形成部材13A,13Bは、何れか一方が、昇降部材11の底面から下方に最も突出する第1位置に位置している場合、他方が、昇降部材11の底面から下方に僅かに突出する第2位置に位置するようになっている。また、第1貫通孔形成部材13A,13Bは、例えば、昇降部材11が最下降位置から最上昇位置へ移動する度に、モータ等の動力源(図示省略)によって交互に進退されるように構成されている。
例えば、送り方向側の第1貫通孔形成部材13Aと、反送り方向側の第1貫通孔形成部材13Bとが、それぞれ、第1位置と、第2位置とに保持されている状態で(図3(a)及び図3(b)参照)、昇降部材11が最下降位置から最上昇位置に移動すると、第1貫通孔形成部材13Aが上昇して第2位置に保持されるとともに、第1貫通孔形成部材13Bが下降して第1位置に保持されるようになっている(図3(c)参照)。その後、昇降部材11が、再び、最下降位置から最上昇位置に移動すると、第1貫通孔形成部材13Aが下降して第1位置に保持されるとともに、第1貫通孔形成部材13Bが上昇して第2位置に保持されるようになっている。
第2貫通孔形成部材18は、第1貫通孔形成部材13と同様に、金属製の部材により形成されている。この第2貫通孔形成部材18は、ワーク台16のワーク面16Aと連続する連続面18Aを有し、連続面18Aの所定位置には、孔部18a及び孔部18bが形成されている。
孔部18a(または孔部18b)には、昇降部材11が最下降位置に移動した際、第1位置に位置する第1貫通孔形成部材13A(または第1貫通孔形成部材13B)が挿入されるようになっている。
このように、本実施形態では、昇降部材11が最下降位置に移動した際に、金属板1の所定位置に貫通孔1aが形成されるとともに、当該金属板1が切断され、昇降部材11が最上昇位置に移動する度に、第1貫通孔形成部材13A及び第1貫通孔形成部材13Bが交互に進退するように構成されている。すなわち、貫通孔1aは、金属板1が切断される度に、第1貫通孔形成部材13A及び第1貫通孔形成部材13Bの何れか一方によって、異なる位置で形成されるようになっている。
次に、金属板切断加工工程Bの次工程である金属板積重工程Cについて図1及び図4を参照して説明する。
図1に示すように、金属板積重工程Cでは、前工程である金属板切断加工工程Bを行うことによって切断された金属板1を、ストッカー21内に溜め置く作業を行う。
具体的に、金属板切断加工工程Bにおいて切断された金属板1は、搬送コンベア19の駆動により、ストッカー21へ向けて移動され、当該金属板1が所定位置まで移動したときに、自重等によって、ストッカー21内に収納される。また、金属板1は、搬送コンベア19の駆動によって順次搬送され、ストッカー21の送り方向側の内壁面21aに当接または近接した状態で、上下方向に積み重ねられるようになっている。
本実施形態では、複数枚の金属板1がストッカー21に収納された状態で、金属板1に形成される貫通孔1aが、上下方向に互い違いにずれて配置されるようになっている(図4参照)。
次に、金属板積重工程Cの次工程である金属板分離工程Dについて図1、図2及び図4を参照して説明する。
図1、図2及び図4に示すように、金属板分離工程Dは、間隙形成工程D−1と、間隙形成工程D−1の次工程である金属板取出工程D−2とを備えている。間隙形成工程D−1及び金属板取出工程D−2では、金属板分離装置30を用いることによって、これらの作業が行われるようになっている。なお、上記間隙形成工程D−1と、金属板取出工程D−2と、金属板分離装置30とが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「間隙形成工程」と、「板材取出工程」と、「板材分離装置」とに該当する。
間隙形成工程D−1では、ストッカー21内に収納される、最上段の金属板1と上から2番目の金属板1との間に間隙(空間)を形成する作業を行う。金属板取出工程D−2では、最上段の金属板1を次工程の金属板成形工程Eにおいて用いられる、プレス加工機等の装置(以下、「金属板成形装置」と称す、図示省略)に搬送する作業を行う。なお、上記最上段の金属板1と上から2番目の金属板1とが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「最上段の板材」と、「他の板材」とに該当する。
図1及び図4に示すように、金属板分離装置30は、ストッカー21の上方に設けられ、上下方向等に移動することが可能な移動部材31を備えている。この移動部材31は、駆動装置(図示省略)の駆動によって移動されるようになっている。
移動部材31には、最上段の金属板1に形成された貫通孔1aに挿入することが可能な複数(本実施形態では送り方向側及び反送り方向側の2個)の挿入部材32と、最上段の金属板1の上面に吸着する複数の吸着部材37とが設けられている。これら挿入部材32及び吸着部材37は、それぞれ、移動部材31の底板から突出するように設けられている。なお、上記挿入部材32と、吸着部材37が取り付けられた移動部材31とが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「挿入手段」と、「板材移動手段」とに該当する。
挿入部材32は、例えば、金属製の部材からなり、移動部材31に固定される略筒状の筒部材33と、この筒部材33に内設される略棒状の棒部材34とを有している。
筒部材33は、移動部材31の底板に形成される貫通孔31aに挿入した状態で、当該貫通孔31aの開口周縁部を溶接等することにより、移動部材31の底板に固定されている。棒部材34は、その下端部が略円弧状に形成され、筒部材33の内周面に沿って摺動自在に設けられている。
筒部材33及び棒部材34の各々の外周には、これらが組み付けられた状態で、棒部材34を下方に付勢するばね部材(例えば、圧縮コイルばね)35が介装されている。
送り方向側の挿入部材32(棒部材34)と、反送り方向側の挿入部材32(棒部材34)とは、それぞれ、移動部材31が下降した際、最上段の金属板1に形成された、送り方向側の貫通孔1aと、反送り方向側の貫通孔1aとに上方から進入することが可能な位置に配置されている。
なお、本実施形態において、金属板1は、ストッカー21の送り方向側の内壁面21aに当接または近接した状態で積み重ねられるように構成されている(図1参照)。すなわち、本実施形態では、金属板1の送り方向の両端部をそれぞれ上下方向にほぼ揃えた状態で、金属板1を積み重ねることができるようになっている。
ここで、一般に、本実施形態で用いられるような、コイル状の金属板1は、その直交方向の長さが不均一である場合が少なくない。斯かる場合、金属板1の直交方向の両端部においては、送り方向の両端部とは異なり、上下方向に揃えた状態で、金属板1を積み重ねることが困難である。すなわち、このような金属板1をストッカー21において積み重ねた場合、金属板1に形成される貫通孔1aの位置が直交方向に大きくずれる可能性、すなわち、移動部材31が下降した際、挿入部材32が、最上段の金属板1に形成された貫通孔1aに挿入されないおそれがある。
このような場合には、上記貫通孔1aのずれを考慮して、平面視における貫通孔1aの形状を略円状ではなく直交方向に延びる長穴状に形成するのが好ましい。
次に、吸着部材37について図4を参照して説明する。
図4に示すように、吸着部材37は、移動部材31に対して上下方向に貫通するように固定されるパイプ部材38と、パイプ部材38の下端部に取り付けられる蛇腹状のパット部材39とを有している。本実施形態において吸着部材37は、挿入部材32,32の送り方向両側の所定位置にそれぞれ配置される他、適宜位置に多数配置されている。
パイプ部材38は、空気を吸引することが可能な流路38aを有し、その上端部が管路52に連結されている。このパイプ部材38に連結される管路52は、空気を吸引する吸引装置(例えば、真空発生装置、図示省略)に接続されている。
パット部材39は、中空略円錐台状に形成され、その頂部側と底部側とに、それぞれ、開口部39aと開口部39bとを有している。パット部材39は、その頂部(開口部39a)側がパイプ部材38の下端部に接続され、開口部39bから空気を吸引して、当該吸引した空気をパイプ部材38の流路38aを介して排出する。
パット部材39は、移動部材31が下降した際、一方の挿入部材(図4に示す例では反送り方向側の挿入部材)32の棒部材34が、上から2番目の金属板1に当接するのとほぼ同時に、最上段の金属板1に当接するような高さ位置に配置されている。
次に、金属板分離工程Dにおいて行われる作業を、図4を参照して説明する。
本実施形態における金属板分離工程Dは、所定のタイミング、例えば、搬送コンベア19(図1参照)の駆動が一旦停止したタイミングで開始されるようになっている。金属板分離工程Dでは、上述したように、間隙形成工程D−1を行った後、金属板取出工程D−2を行うように構成されている。
金属板取出工程Dにおける作業は、上記所定のタイミングとなった際、移動部材31を、ストッカー21に収納される金属板1に向けて移動(下降)させることから始まる(図4(a)及び(b)参照)。
図4(a)及び(b)に示すように、移動部材31が所定距離下降すると、一方の挿入部材(図4に示す例では反送り方向側の挿入部材)32の棒部材34が、最上段の金属板1に形成された貫通孔1aに挿入されるようになっている。
移動部材31は、上記一方の挿入部材32の棒部材34が、最上段の金属板1に形成された貫通孔1aを介して、上から2番目の金属板1の上面に当接する位置まで下降した際、その移動が停止されるように構成されている。
この状態では、パット部材39(吸着部材37)が、最上段の金属板1の上面に当接し、また、他方の挿入部材(図4に示す例では送り方向側の挿入部材)32の棒部材34が、その上下方向における距離が短縮された状態で、最上段の金属板1の上面に当接するようになっている。
本実施形態では、このような状態となったときに、間隙形成工程D−1が開始されるようになっている。この間隙形成工程D−1における作業は、複数の吸着部材37によって最上段の金属板1を吸着することにより行われる。
吸着部材37による最上段の金属板1の吸着を行うと、パット部材39の上下方向における距離は、当該パット部材39内の圧力の低下に伴って短縮される。すなわち、最上段の金属板1は、このようなパット部材39の短縮に伴って、上方に移動(浮上)することとなる。
図4(b)に示すように、吸着部材37による最上段の金属板1の吸着によって、当該最上段の金属板1が上方に移動すると、最上段の金属板1の上面と、上から2番目の金属板1に接触する棒部材34の先端部との間の距離Lは、次第に増加することとなる。
このような距離Lの増加に伴って、最上段の金属板1は、棒部材34と上から2番目の金属板1との接触部分(棒部材34によって上から2番目の金属板1が押圧される部分)を基点として、上から2番目の金属板1から徐々に剥がれていき、しまいに、当該上から2番目の金属板1から分離されていく(剥がれていく)こととなる。
この際、(最上段の金属板1の上面に当接する)送り方向側の挿入部材32は、最上段の金属板1の上方への移動に伴って、その上下方向における距離がさらに短縮されることとなる。
次に、間隙形成工程D−1の次工程である金属板取出工程D−2について図4(c)を参照して説明する。
本実施形態では、吸着部材37による最上段の金属板1の吸引後、所定条件が成立したときに、金属板取出工程D−2が開始されるように構成されている。この所定条件としては、吸着部材37による最上段の金属板1の吸引後、所定時間(例えば、最上段の金属板1と上から2番目の金属板1とが互いに分離され得る時間)が経過した場合などが挙げられる。
図4(c)に示すように、金属板取出工程D−2では、複数の吸着部材37による最上段の金属板1の吸引状態を維持したまま、移動部材31を上方へ移動させ、そのまま、次工程の金属板成形工程Eにおいて用いられる金属板成形装置に搬送する作業を行う。これにより、金属板分離工程Dにおける金属板1、1枚分の作業(取出)作業が終了することとなる。
その後、新たに最上段となった金属板(以下、「新最上段の金属板」と称す)1の取出作業、すなわち、新最上段の金属板1を金属板成形装置に搬送するための、間隙形成工程D−1及び金属板取出工程D−2が再び行われることとなる(図4(a)〜図4(c)参照)。なお、上記新最上段の金属板(図4の例では上から2番目の金属板)1では、既に取り出された金属板(図4の例では最上段の金属板)1とは異なり、貫通孔1aの形成される位置が送り方向側となっている。このため、上記新最上段の金属板1を取り出す間隙形成工程D−2では、反送り方向側の棒部材34が、新最上段の金属板1の上面に当接する一方、送り方向側の棒部材34が、新最上段の金属板1に隣接する金属板(図4の例では上から3番目の金属板)1に当接することとなる。
次に、金属板分離工程Dの次工程である金属板成形工程Eについて説明する。
金属板成形工程Eでは、金属板成形装置に搬送された金属板1を、打ち抜き加工やプレス加工等を行うことによって、所定形状の金属製品を製造(生成)する作業を行う。
以上のように、本実施形態によれば、金属板1には板厚方向に貫通する貫通孔1aが形成されているだけなので、当該金属板1を上下方向に積み重ねた場合、上下2枚の金属板1同士を互いに密着させることが可能である。このため、本実施形態によれば、多くの金属板1を積み重ねた場合であっても、積み重ね高さを抑えつつ、整然と積み置くことができる。
また、本実施形態において、最上段の金属板1を取り出す金属板取出工程D−2は、最上段の金属板1と上から2枚目の金属板1との間に間隙が形成された後(間隙形成工程D−1を行った後)に行われるようになっている。このため、本実施形態によれば、防錆油の塗布等によって、積み重ねた状態で互いに密着しやすい金属板1でありながらも、金属板1を1枚ずつ取り出すことができる。
しかも、本実施形態では、最上段の金属板1の貫通孔1aに挿入された、挿入部材32を上から2番目の金属板1に接触させた状態で、当該挿入部材32を(殆ど)移動させることなく、最上段の金属板1のみを上方に移動させるようにしている。すなわち、本実施形態では、最上段の金属板1を上方へ移動させると、挿入部材32によって上から2番目の金属板1が下方に押圧されることとなるため、これら金属板1,1を強制的に分離させることが可能である。従って、本実施形態によれば、最上段の金属板1を取り出す際、上から2番目の金属板1も同時に取り出されるといった不都合を確実に抑制することができる。
また、本実施形態では、挿入部材32によって上から2番目の金属板1を押圧することにより、最上段の金属板1と上から2番目の金属板1とが分離されるようになっている。このため、流体(例えば、圧縮空気)を吹き付けることによって上下2枚の金属板1,1を分離させる方式に比べた場合に、騒音が生じにくく、また、設備の簡略化を図ることができるといった利点がある。
[その他の実施形態]
なお、上記第1の実施形態では、挿入手段として、筒部材33及び棒部材34により構成される挿入部材32を採用したが、金属板1に形成された貫通孔1aに挿入することでき、且つ、上下方向に伸縮自在なものであれば、上記挿入部材32に代えて、例えば、図5に示す挿入部材132、図6に示す挿入部材232、又は、図7に示す挿入部材332を採用することも可能である。
先ず、挿入部材132について図5を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上記第1の実施形態と同様な構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、図示は省略するが、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様、金属板1に形成される貫通孔1aの位置に対応して、複数の挿入部材132が設けられている。
図5に示すように、挿入部材132は、移動部材31に固定される支持部材133と、支持部材133の下端部に取り付けられる弾性部材134とを有している。
支持部材133は、金属製の部材からなり、例えば、パイプ状のものを採用することが可能である。この支持部材133は、移動部材31の底面から下方に突出するように設けられている。
弾性部材134は、弾性変形することが可能な部材(例えば、ゴム)からなり、例えば、蛇腹状に形成された略円柱形状のものを採用することが可能である。
次に、このような挿入部材132を備えた板材分離装置130の動作について説明する。
図2及び図5(a)に示すように、本実施形態に係る金属板分離工程Dでは、上記第1の実施形態と同様、移動部材31は、挿入部材132の弾性部材134が、最上段の金属板1の貫通孔1aを介して、上から2番目の金属板1に当接し、且つ、吸着部材37のパット部材39が、最上段の金属板1に当接する位置まで下降した際に、その移動が停止されるように構成されている。なお、この状態で、最上段の金属板1に当接する、他方の挿入部材132(図示省略)は、その弾性部材134が上下方向に押し潰された状態で、最上段の金属板1に当接している。
本実施形態も、上記第1の実施形態と同様、この状態で、吸着部材37による最上段の金属板1の吸着(間隙形成工程D−1)が開始されるようになっている。
吸着部材37による最上段の金属板1の吸着が開始されると、最上段の金属板1が浮上し、これに伴って、最上段の金属板1の上面と、上から2番目の金属板1に接触する弾性部材134の先端部との間の距離Lが、次第に増加することとなる。このような距離Lの増加に伴って、最上段の金属板1は、弾性部材134と上から2番目の金属板1との接触部分を基点として、上から2番目の金属板1から徐々に剥がれていき、しまいに、当該上から2番目の金属板1から分離されるようになっている。
本実施形態では、上記第1の実施形態と同様、最上段の金属板1と上から2番目の金属板1とが分離された後、金属板取出工程D−2が開始されるようになっている。
このように、本実施形態によれば、支持部材133の下端部に弾性部材134を取り付けるといった、極めて簡便な作業で、挿入部材132を得ることができる。
次に、挿入部材232について図6を参照して説明する。なお、以下の説明において、上記第1の実施形態と同様な構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、図示は省略するが、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様、金属板1に形成される貫通孔1aの位置に対応して、複数の挿入部材132が設けられている。
図6に示すように、挿入部材232は、移動部材31に固定されるパイプ状のパイプ部材233と、パイプ部材233に取り付けられる弾性部材234とを有している。
パイプ部材233は、流体Fを流通させることが可能な流路233aを有し、移動部材31に対して上下方向に貫通するように設けられている。このパイプ部材233は、その下端部に弾性部材234が取り付けられる一方、上端部に管路51が接続されている。このパイプ部材233に接続される管路51は、その他方が、所定の圧力の流体Fを生成する流体圧縮装置(図示省略)に連結されている。
弾性部材234は、弾性変形することが部材(例えば、ゴム)からなり、有底筒状に形成されている。この弾性部材234は、開口端側がパイプ部材233に接続され、流体圧縮装置から流体Fが供給された際に、あたかも風船のように膨らませることが可能なように構成されている。
次に、このような挿入部材232を備えた板材分離装置230の動作について説明する。
図2及び図6(a)に示すように、本実施形態に係る金属板分離工程Dでは、上記第1の実施形態と同様、移動部材31は、挿入部材232の弾性部材234が、最上段の金属板1の貫通孔1aを介して、上から2番目の金属板1に当接し、且つ、吸着部材37のパット部材39が、最上段の金属板1に当接する位置まで下降した際に、その移動が停止されるように構成されている。なお、この状態で、最上段の金属板1に当接する他方の挿入部材232(図示省略)は、その弾性部材234が上下方向に押し潰された状態で、最上段の金属板1に当接している。
本実施形態も、上記第1の実施形態と同様、この状態で、吸着部材37による最上段の金属板1の吸着(間隙形成工程D−1)が開始されるようになっている。
図6(b)に示すように、吸着部材37による最上段の金属板1の吸着が開始されると、最上段の金属板1が浮上し、これに伴って、最上段の金属板1の上面と、上から2番目の金属板1に接触する弾性部材234の先端部との間の距離Lが、次第に増加することとなる。このような距離Lの増加に伴って、最上段の金属板1は、弾性部材234と上から2番目の金属板1との接触部分を基点として、上から2番目の金属板1から徐々に剥がれていくようになっている。
本実施形態に係る間隙形成工程D−1では、吸着部材37による最上段の金属板1の吸着を行った後、さらに、流体圧縮装置から挿入部材232に流体Fを送出するように構成されている
図6(c)に示すように、弾性部材234は、流体Fが吹き込まれると、貫通孔1aを貫通する貫通部分234aを境として、その上側部分234bと下側部分234cとがそれぞれ大きく膨らむようになっている。そして、弾性部材234に所定量の流体が吹き込まれると、膨らんだ下側部分234cによって、最上段の金属板1がさらに上方に移動され、また、貫通孔1aが下方から塞がれた状態となる。なお、本実施形態では、所定量の流体Fが弾性部材234に吹き込まれると、当該流体Fの供給が停止され、弾性部材234が膨らんだままの状態で維持されるようになっている。なお、この際、最上段の金属板1に当接する他方の棒部材334には、流体Fを吹き込まないように制御するのが好ましい。
本実施形態では、弾性部材234が膨らんだ状態となった後、間隙形成工程D−1の次工程である金属板取出工程D−2が開始されるようになっている。
このように、本実施形態では、最上段の金属板1と上から2番目の金属板1とが互いに分離された状態で、最上段の金属板1が、弾性部材234の下側部分234cによって下方から支持されるようになっている(図6(c)参照)。このため、本実施形態によれば、金属板取出工程D−2において、最上段の金属板1を上方に移動させた際に、当該金属板1の落下防止等に寄与することができ、より安全に金属板1を金属板成形装置に搬送することが可能である。
また、本実施形態では、弾性部材234(下側部分234c)が膨らむことによって、最上段の金属板1と上から2番目の金属板1との間により大きな空間を形成することが可能となっている。このため、本実施形態によれば、最上段の金属板1と上から2番目の金属板1とをより確実に分離させることができる。
次に、挿入部材332について図7を参照して説明する。なお、本実施形態における挿入部材332は流体Fを吹き出すことが可能な機能を有する点で、上述した挿入部材32(図4参照)と異なり、他の構成は同様であるため、上記第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、図示は省略するが、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様、金属板1に形成される貫通孔1aの位置に対応して、複数の挿入部材332が設けられている。
図7に示すように、挿入部材332は、上記移動部材31と同様(図4参照)、移動部材31に固定される略筒状の筒部材(以下、「パイプ部材」と称す)333と、このパイプ部材333に内設される略棒状の棒部材334とを有している。
パイプ部材333は、上記パイプ部材232(図6参照)と同様に、流体Fを流通することが可能な流路333aを有し、移動部材31に対して上下方向に貫通するように設けられている。このパイプ部材233は、その上端部に管路51が接続されている。このパイプ部材233に接続される管路51は、その他方が、所定の圧力の流体(例えば、圧縮空気)Fを生成する流体圧縮装置(図示省略)に連結されている。
棒部材334は、パイプ部材333の内周面(流路333a)に沿って摺動自在に設けられている。本実施形態に係る棒部材334は、軸方向に沿って、流体Fを流通させることが可能な流路334aを有し、その下端部(先端部)には、流体Fを吹き出す(噴射する)ことが可能な流体吹出口334bが形成されている。なお、上記流体吹出口334bが特許請求の範囲に記載の「流体吹出口」に該当する。
また、パイプ部材333及び棒部材334の各々の外周には、上記第1の実施形態と同様、これらが組み付けられた状態で、棒部材334を下方に付勢するばね部材35が介装されている。
詳しくは後述するが、本実施形態では、所定のタイミングで、流体圧縮装置から供給される流体Fを、管路51、流路333a及び流路334aを介して、棒部材334の流体吹出口334bから吹き出すように構成されている。
次に、このような挿入部材332を備えた板材分離装置330の動作について説明する。
本実施形態に係る間隙形成工程D−1(図2参照)では、吸着部材37によって最上段の金属板1を吸着した後、所定のタイミングで、棒部材334の流体吹出口334bから流体Fを噴射するようにしている。なお、上記流体吹出口334bから流体Fを噴射する作業が、特許請求の範囲に記載の「流体吹込工程」に該当する。
具体的に、本実施形態では、図7に示すように、吸着部材37による最上段の金属板1の吸着によって、最上段の金属板1と、棒部材334の先端部との距離Lが増加したとき、すなわち、最上段の金属板1と上から2番目の金属板1との間に空間が形成されたときに、当該空間に、棒部材334の流体吹出口334bから流体Fを噴射するように構成されている。なお、この際、最上段の金属板1に当接する他方の棒部材334からは、流体Fを噴射しないように制御するのが好ましい。
本実施形態では、棒部材334から流体Fを噴射した後、例えば、棒部材334から所定量の流体Fを吹き付けたタイミングで、移動部材31を上方に移動させる金属板取出工程D−2が行われるように構成されている。なお、流体Fの噴射の停止は、金属板取出工程D−2を行った後、所定のタイミング(例えば、移動部材31が上方へ所定距離移動したタイミング)で行うのが好ましい。
このように、本実施形態によれば、吸着部材37による最上段の金属板1の吸着によって、当該最上段の金属板1と上から2番目の金属板1との間に空間が形成された後、当該空間に流体Fを吹き込むように構成されているため、これら金属板1,1をより確実に分離させることが可能である。
なお、上記実施形態では、金属板1毎に、貫通孔1aを1つずつ形成したが、それ以上の数の貫通孔1aを形成することも可能である。
また、上記実施形態では、貫通孔1aが形成される位置に対応させて、挿入部材32,132,232,332を複数(上記第1の実施形態では2つ)設けたが、このような挿入部材は、貫通孔1aが形成される位置に対応させて複数設ける必要がなく、例えば、金属板1に形成される貫通孔1aの数分(上記第1の実施形態では1つ)だけ設けることも可能である。このように構成した場合、例えば、上記第1の実施形態(図4参照)で示した、一方の挿入部材32を省略するとともに、他方の挿入部材32を、現時点での最上段の金属板1の貫通孔1aの位置に応じて、その都度、移動させるように構成することで実現することが可能である。
なお、金属板1に形成される貫通孔1aは、所望の位置に形成することが可能であるが、このような貫通孔1aは、成形加工された最終的な金属製品に、本来、あってはならないものである。このため、貫通孔1aは、金属板1をプレス加工や打ち抜き加工等する際に廃棄される部分(例えば、自動車車体のドアの窓部)に形成するのが好ましい。
また、挿入部材32,132,232,332による、上から2番目の金属板1の押圧により、上下2枚の金属板1,1を円滑に分離させることを考慮すれば、上記貫通孔1aは、金属板1の端部側よりも中央部側に形成するのが好ましい。
なお、上記実施形態では、板材として金属を用いたが、金属以外の材料(例えば、樹脂や木材)により形成してもよい。また、本実施形態では、非磁性の材料を用いたが、磁性の材料(例えば、鉄)を用いることも可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本考案の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
1 金属板
1a 貫通孔
2 金属板券解装置
6 ガイドローラ
7 送りローラ
10 金属板切断加工装置
11 昇降部材
12 第1切断部材
13,13A,13B 第1貫通孔形成部材
16 ワーク台
16A ワーク面
17 第2切断部材
17A 連続面
18 第2貫通孔形成部材
18A 連続面
18a,18b 孔部
19 搬送コンベア
21 ストッカー
21a 内壁面
30 金属板分離装置
31 移動部材
31a 貫通孔
32 挿入部材
33 筒部材
34 棒部材
35 ばね部材
37 吸着部材
38 パイプ部材
38a 流路
39 パット部材
39a,39b 開口部
51,52 管路
130 板材分離装置
132 挿入部材
133 支持部材
134 弾性部材
230 板材分離装置
232 挿入部材
233 パイプ部材
233a 流路
234 弾性部材
234a 貫通部分
234b 上側部分
234c 下側部分
330 板材分離装置
332 挿入部材
333 パイプ部材
333a 流路
334 棒部材
334a 流路
334b 流体吹出口
A 金属板送出工程
B 金属板切断加工工程
C 金属板積重工程
D 金属板分離工程
D−1 間隙形成工程
D−2 金属板取出工程
E 金属板成形工程
F 流体
L 距離

Claims (7)

  1. 上下方向に積み重ねられた板材のうち、最上段の前記板材を該最上段の板材に隣接する他の前記板材から分離する板材分離装置であって、
    前記他の板材とは異なる位置で前記最上段の板材に形成された板厚方向に貫通する貫通孔に、上方から挿入することが可能な挿入手段を備え、
    前記挿入手段は、前記貫通孔を介して前記他の板材の上面を下方に押圧することによって、前記最上段の板材と前記他の板材との間に間隙を形成する
    ことを特徴とする板材分離装置。
  2. 前記最上段の板材を上方へ移動させる板材移動手段をさらに備え、
    前記他の板材の上面に接触する前記挿入手段の先端部と、前記最上段の板材との間の上下方向における距離は、前記板材移動手段によって前記最上段の板材を上方へ移動させた場合に増加され、
    前記挿入手段は、前記距離の増加に伴って前記他の板材の上面を押圧することを特徴とする請求項1に記載の板材分離装置。
  3. 前記挿入手段は、その前記他の板材の上面に接触する先端部に、流体を吹き出す流体吹出口を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の板材分離装置。
  4. 前記板材は、非磁性の金属であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の板材分離装置。
  5. 板材に板厚方向に貫通する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
    前記貫通孔形成工程を行った後、前記貫通孔が形成された前記板材を上下方向に積み重ねる板材積重工程と、
    前記板材積重工程を行った後、積み重ねられた前記板材のうち、最上段の前記板材を該最上段の板材に隣接する他の前記板材から分離する板材分離工程と、を備え、
    前記貫通孔は、前記板材積重工程において前記板材が積み重ねられた状態で、前記最上段の板材と前記他の板材とで異なる位置となるように形成され、
    前記板材分離工程は、前記最上段の板材に形成された前記貫通孔に挿入手段を挿入し、該挿入手段によって前記他の板材の上面を下方に押圧することにより、前記最上段の板材と前記他の板材との間に間隙を形成する間隙形成工程を含む
    ことを特徴とする板材分離方法。
  6. 前記板材分離工程は、前記間隙に流体を吹き込む流体吹込工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の板材分離方法。
  7. 前記板材は、非磁性の金属であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の板材分離方法。
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