以下に、図1を参照して、本発明の一実施形態による画像形成装置100の全体構成について説明する。
本実施形態の画像形成装置100は、複合機であり、コピー、プリンター、スキャナーおよびファックスなどの複数種のジョブの実行が可能である。そして、この画像形成装置100は、操作パネル101、原稿搬送部102A、画像読取部102B、給紙部103、用紙搬送部104、画像形成部105および定着部106などを備える。なお、原稿搬送部102A、画像読取部102B、給紙部103、用紙搬送部104、画像形成部105および定着部106は、ジョブ実行部に相当する
操作パネル101は、たとえば、装置正面側に配置されている。この操作パネル101は、図2に示すように、表示面がタッチパネル11で覆われた液晶表示部12を有する。タッチパネル11(液晶表示部12)には、設定値の変更を受け付ける設定キーが表示されるとともに、装置状態を示すメッセージなども表示される。また、操作パネル101には、数値入力を受け付けるハードキーとしてのテンキー13(設定キーに相当)や、ジョブ実行の開始指示を受け付けるスタートキー14も設けられている。さらに、操作パネル101には、変更後の設定値を予め定められた初期設定値(デフォルト値)に戻すためのリセット指示を受け付けるリセットキー15も設けられている。
図1に戻って、原稿搬送部102Aは、画像読取部102Bの装置背面側に設けられた回転軸(図示せず)を支点として回動可能(開閉可能)に取り付けられている。この原稿搬送部102Aは、原稿セットトレイ21にセットされた原稿Dを引き出し、搬送読取用コンタクトガラス20aの上方に送って原稿排出トレイ22に排出する。原稿セットトレイ21から原稿排出トレイ22に至る原稿搬送路には、原稿搬送方向の上流側から順番に、原稿供給ローラー23、原稿搬送ローラー対24および原稿排出ローラー対25が設けられている。そして、原稿セットトレイ21にセットされた原稿Dは、原稿供給ローラー23によって引き出され、原稿搬送ローラー対24によって搬送される。この後、原稿排出ローラー対25によって、原稿排出トレイ22に排出される。
また、原稿搬送部102Aは、載置読取用コンタクトガラス20bに載置された原稿Dを押え付ける機能も有する。すなわち、原稿搬送部102Aを上方向に回動させると、載置読取用コンタクトガラス20bが露出され、載置読取用コンタクトガラス20bへの原稿Dの載置が可能となる。載置読取用コンタクトガラス20bに原稿Dが載置された後、原稿搬送部102Aを下方向に回動させることによって、載置読取用コンタクトガラス20bに載置された原稿Dが原稿搬送部102Aで押え付けられる。
また、原稿搬送部102Aには、原稿Dが原稿セットトレイ21にセットされている場合とセットされていない場合とで出力を変動させる原稿検知センサー26(図3参照)が設けられているとともに、原稿搬送部102Aが開いている場合と閉じている場合とで出力を変動させる開閉検知センサー27(図3参照)が設けられている。なお、原稿検知センサー26および開閉検知センサー27は、画像形成装置100に対する操作を検知する検知部に相当する。これら原稿検知センサー26および開閉検知センサー27の各出力は、後述する主制御部110(図3参照)が受ける。これにより、主制御部110は、原稿検知センサー26の出力に基づき原稿セットトレイ21への原稿Dのセットを検知することができるとともに、開閉検知センサー27の出力に基づき原稿搬送部102Aの開閉を検知することができる。
画像読取部102Bは、原稿Dを読み取って画像データを生成する。この画像読取部102Bには、図示しないが、露光ランプ、ミラー、レンズおよびイメージセンサーなどの光学系部材が設けられている。そして、画像読取部102Bは、搬送読取用コンタクトガラス20aを通過する原稿Dまたは載置読取用コンタクトガラス20bに載置される原稿Dに光を照射し、その原稿Dからの反射光を受けたイメージセンサーの出力値をA/D変換することによって、画像データを生成する。これにより、画像読取部102Bによる原稿Dの読み取り動作によって得られた画像データに基づき印刷を行うことができる。また、画像読取部102Bによる原稿Dの読み取り動作によって得られた画像データを蓄積することもできる。
給紙部103は、用紙Pを収容するカセット31を複数有し、それら複数のカセット31に収容された用紙Pを用紙搬送部104に供給する。この給紙部103には、収容された用紙Pを引き出すピックアップローラー32や、用紙Pの重送を抑制するための分離ローラー対33などが設けられている。
また、給紙部103には、カセット31の着脱を検知するための着脱検知センサー34(図3参照)が設けられている。着脱検知センサー34は、カセット31が装着されている場合と取り外されている場合とで出力を変動させる。なお、着脱検知センサー34は、画像形成装置100に対する操作を検知する検知部に相当する。この着脱検知センサー34の出力は、後述する主制御部110(図3参照)が受ける。これにより、主制御部110は、着脱検知センサー34の出力に基づき、カセット31の着脱を検知することができる。
用紙搬送部104は、装置内部において用紙Pを搬送する。具体的に言うと、給紙部103から供給された用紙Pは、用紙搬送部104によって、画像形成部105および定着部106をこの順番で通過し、排出トレイ41にまで導かれる。この用紙搬送部104には、用紙Pを搬送する複数の搬送ローラー対42が設けられている。さらに、用紙Pを画像形成部105の手前で待機させ、タイミングを合わせて画像形成部105に送り出すレジストローラー対43も設けられている。
画像形成部105は、画像データに基づきトナー像を形成し、そのトナー像を用紙Pに転写する。画像形成部105は、感光体ドラム51、帯電装置52、露光装置53、現像装置54、転写ローラー55およびクリーニング装置56などを含んでいる。
トナー像の形成プロセスおよびトナー像の転写プロセスとしては、まず、感光体ドラム51を回転駆動させ、その感光体ドラム51の表面を帯電装置52で所定電位に帯電させる。また、露光装置53は、画像データに基づき光ビームLを出力し、感光体ドラム51の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム51の表面に静電潜像を形成する。続いて、現像装置54は、感光体ドラム51の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する。
そして、転写ローラー55は、感光体ドラム51の表面に圧接する。この後、レジストローラー対43がタイミングを計り、転写ローラー55と感光体ドラム51との間に用紙Pを進入させる。このとき、転写ローラー55には所定の電圧が印加される。これによって、感光体ドラム51の表面のトナー像が用紙Pに転写される。なお、トナー像の転写プロセスが終わると、クリーニング装置56は、感光体ドラム51の表面に残留するトナーなどを除去する。
定着部106は、用紙Pに転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させる。この定着部106は、発熱源を内蔵する定着ローラー61と、定着ローラー61に圧接される加圧ローラー62とを含んでいる。そして、トナー像が転写された用紙Pは、定着ローラー61と加圧ローラー62との間を通過することで、加熱・加圧される。これにより、用紙Pにトナー像が定着され、印刷ジョブが完了する。そして、印刷済みの用紙Pは、搬送ローラー対42によって排出トレイ41に送られる。
次に、図3を参照して、画像形成装置100のハードウェア構成について説明する。
画像形成装置100は、主制御部110(制御部に相当)を備え、その主制御部110は、中央演算処理装置であるCPU111、画像処理部112および記憶部113などを含む。画像処理部112は、画像処理専用のASICやメモリーなどからなっており、画像データに対して、拡大/縮小、濃度変換およびデータ形式変換などの各種の画像処理を施す。記憶部113は、ROM、RAMおよびHDDなどからなる。そして、記憶部113は、たとえば、ジョブの実行に必要なプログラムおよびデータをROMに格納し、それらプログラムおよびデータをRAMに展開する。
また、主制御部110は、原稿搬送部102A、画像読取部102B、給紙部103、用紙搬送部104、画像形成部105および定着部106と接続される。さらに、主制御部110は、画像形成装置100に対する操作を検知するための各種検知部(原稿検知センサー26、開閉検知センサー27および着脱検知センサー34など)と接続される。そして、主制御部110は、記憶部113に記憶されたプログラムおよびデータに基づき、全体制御、画像処理制御、および、各種回転体を回転させるモーターの駆動制御などを行う。なお、主制御部110は、全体制御や画像処理制御を行う制御部と、各種回転体を回転させるモーターの駆動制御を行う制御部とに分割されていてもよい。
操作パネル101は、主制御部110に接続される表示制御部16を有する。表示制御部16は、CPUなどからなり、表示動作を制御する。具体的には、表示制御部16は、タッチパネル11(液晶表示部12)に表示されたソフトキーがユーザーによって押下されると、タッチパネル11の出力を受けて押下位置の座標を特定する。たとえば、タッチパネル11の出力と押下位置の座標との対応を示すテーブルなどのデータは、記憶部17(あるいは、記憶部113)に記憶される。なお、主制御部110が表示動作を制御してもよい。
また、表示制御部16は、ユーザーが操作パネル101に対して行ったキー操作に基づき、記憶部17(あるいは、記憶部113)に格納された情報を読み出し、適切な画面をタッチパネル11(液晶表示部12)に表示させる。たとえば、表示制御部16は、図4に示すように、ジョブの機能に関する設定値の変更を受け付けるための機能画面FSをタッチパネル11に表示させる。なお、図4には、一例として、コピージョブの機能画面FSを図示している。
コピージョブの機能画面FSには、たとえば、用紙選択、縮小/拡大、濃度、両面/分割、ページ集約およびソート/仕分けなどの機能の名称がそれぞれ付された複数の機能設定キーFK(設定キーに相当)が設けられている。また、機能設定キーFKには、現時点の設定値が表示されている。これら複数の機能設定キーFKは、設定値を変更する機能をユーザーに選択してもらうための設定キーである。すなわち、ユーザーは、設定値の変更を行うとき、複数の機能設定キーFKのうちから、設定値を変更する機能の名称を表示名とする機能設定キーFKを押下する。
たとえば、用紙選択の機能設定キーFKがユーザーによって押下されると、表示制御部16は、図5に示すように、複数の設定値入力キーSK(設定キーに相当)を含む設定値入力画面ISをタッチパネル11(液晶表示部12)に表示させる。これにより、ユーザーは、設定値入力画面ISに対してキー操作(複数の設定値入力キーSKのうちのいずれかを押下する操作)を行うことにより、設定値を変更することができる。たとえば、ユーザーは、A4サイズの用紙Pでの印刷を行おうとする場合、「カセット1」という表示名の設定値入力キーSKを押下する。
また、たとえば、縮小/拡大の機能設定キーFKがユーザーによって押下されると、表示制御部16は、図6に示すように、複数の設定値入力キーSK(設定キーに相当)を含む設定値入力画面ISをタッチパネル11(液晶表示部12)に表示させる。これにより、ユーザーは、設定値入力画面ISに対してキー操作(複数の設定値入力キーSKのうちのいずれかを押下する操作)を行うことにより、設定値を変更することができる。たとえば、ユーザーは、A4サイズからA3サイズに拡大して印刷を行おうとする場合、「141%」という表示名の設定値入力キーSKを押下する。あるいは、ユーザーは、設定値入力キーSKとしてのプラスキーおよびマイナスキーのいずれかを押下すると、倍率を任意に変更することができる。
ユーザーは、設定値入力画面ISでの設定値の変更を終えると、確定キーDK(設定キーに相当)を押下する。表示制御部16は、ユーザーによる確定キーDKの押下を受けて、図4に示した機能画面FSをタッチパネル11(液晶表示部12)に再び表示させる。このとき、タッチパネル11は、機能設定キーFKに表示する設定値を変更する(変更後の設定値を表示する)。また、主制御部110は、変更後の設定値を記憶部113に記憶させる。
この後、ジョブスタートキーJKをユーザーが押下する、あるいは、スタートキー14(図2参照)をユーザーが押下すると、主制御部110は、変更後の設定値に基づきジョブを実行する。また、設定値の変更後、ユーザーがリセットキー15(図2参照)を押下すると、主制御部110は、変更後の設定値をデフォルト値に戻す。
なお、以下の説明では、機能設定キーFK、設定値入力キーSKおよび確定キーDKなどの設定キーを総じて単に設定キーと称する。また、テンキー13も設定キーと称する。
図3に戻り、主制御部110は、通信部120と接続される。通信部120は、たとえば、外部のコンピューター200とネットワークNTを介して通信可能に接続される。これにより、コンピューター200から送信された画像データに基づき印刷を行うことができ、画像読取部102Bによる原稿Dの読み取り動作によって得られた画像データをコンピューター200に送信することもできる。また、通信部120にモデムなどを内蔵してもよく、この場合、電話回線などのネットワークNTを介して、外部のファックス装置300とファックス通信を行うことができる。
なお、通信部120は、画像形成装置100に対する操作を検知する検知部に相当する。すなわち、主制御部110は、コンピューター200やファックス装置300などの外部機器からのデータを通信部120が受信すると、画像形成装置100に対して操作が行われたと認識する。
また、主制御部110は、電源部130と接続される。電源部130は、商用電源と接続され、装置各部を動作させるのに必要な電圧を生成する。そして、電源部130は、通常モードのときには、装置各部の全部分に電力を供給する。その一方、電源部130は、通常モードから省電力モードに移行したとき、装置各部のうちの一部にのみ電力を供給し、それ以外の部分(ジョブ実行部)への電力の供給を停止する。
たとえば、主制御部110は、装置が使用されないまま経過した未使用時間を計時し、未使用時間が一定時間を超えると、装置各部のうちの一部のみへの電力供給を電源部130に行わせ、通常モードからから省電力モードに移行させる。あるいは、主制御部110は、通常モードから省電力モードへの移行指示を操作パネル101が受け付けた場合(たとえば、操作パネル101に設けられた節電キーが押下された場合)にも、通常モードから省電力モードに移行させる。そして、電源部130は、省電力モードから通常モードへの復帰条件が満たされたこと示す信号を復帰条件検知部から受けると、装置各部の全部分への電力供給を再開し、省電力モードから通常モードへ復帰させる。
なお、電源部130は、省電力モードから通常モードへの復帰条件が満たされたこと示す信号を復帰条件検知部から受けるため、省電力モードであったとしても、復帰条件検知部への電力供給は続ける。
復帰条件検知部に相当する部分としては、操作パネル101が挙げられる。たとえば、操作パネル101は、省電力モードのときにユーザーによって操作されると、省電力モードから通常モードへの復帰条件が満たされたことを示す信号を電源部130に送信する。そして、電源部130は、省電力モードのときに操作パネル101からの信号を受信すると、省電力モードから通常モードに復帰させる。
また、通信部120も復帰条件検知部として機能する。すなわち、通信部120は、省電力モードのときに、コンピューター200やファックス装置300などの外部機器からデータを受信すると、省電力モードから通常モードへの復帰条件が満たされたことを示す信号を電源部130に送信する。そして、電源部130は、省電力モードのときに通信部120から信号を受信すると、省電力モードからから通常モードに復帰させる。
さらに、原稿検知センサー26、開閉検知センサー27および着脱検知センサー34なども復帰条件検知部として機能する。すなわち、電源部130は、省電力モードのとき、原稿セットトレイ21に原稿Dがセットされたり、原稿搬送部102Aが開閉されたり、カセット31が着脱されたりすると、省電力モードから通常モードに復帰させる。
ここで、主制御部110は、ユーザーが操作パネル101を操作してジョブの機能に関する設定値の変更を行った場合、設定値の変更のためのキー操作が行われた時点または変更後の設定値に基づくジョブ終了の時点から画像形成装置100に対する操作を検知部(操作パネル101、原稿検知センサー26、開閉検知センサー27、着脱検知センサー34および通信部120など)が検知しないままオートクリア時間が経過した時点で、変更後の設定値を初期設定値(デフォルトの設定値)に自動的に変更するオートクリア処理を実行する。なお、表示制御部16がオートクリア処理を実行してもよい。
しかし、オートクリア時間(設定値の変更のためのキー操作が行われた時点または変更後の設定値に基づくジョブ終了の時点からオートクリア処理が実行されるまでの時間)が比較的短い時間に固定されていると、ユーザーが設定値の変更を行っている最中にオートクリア処理が実行される危険性が高い。
また、たとえば、通常モードから省電力モードに移行するタイミングを、オートクリア処理を実行した時点またはオートクリア処理が実行されてから一定時間が経過した時点に設定する場合がある。この場合、オートクリア時間が固定的に長く設定されていれば、通常モードから省電力モードに移行するタイミングが遅くなる(省電力モードに移行するまでに時間がかかる)。このため、省電力効果が低下してしまう。
このような不都合を解消するため、本実施形態では、主制御部110(あるいは、表示制御部16)は、ユーザーが操作パネル101を操作してジョブの機能に関する設定値の変更を行った場合(たとえば、図4に示した機能設定キーFKや、図5および図6に示した設定値入力キーSKをユーザーが押下した場合)、設定値の変更時における設定キーの押下回数に応じて、オートクリア時間を変更する。具体的には、主制御部110は、設定値の変更のためのキー操作が行われたとき、設定値の変更時における設定キーの押下回数をカウントして記憶部113に記憶させる。そして、主制御部110は、設定キーの押下回数が多いほど、オートクリア時間が長くなるようにオートクリア時間を設定する。たとえば、主制御部110は、オートクリア時間を設定するとき、設定値の変更時における設定キーの押下回数が増加する毎にオートクリア時間を所定時間ずつ長くする。
一例として、図7に示すように、省電力モードから通常モードに移行してから、時点P1〜P3に1回ずつ順番に設定値の変更のためのキー操作が行われたとする。すなわち、設定値の変更時における設定キーの押下回数は3回である。この場合、主制御部110は、たとえば、時点P1において、時点P1までの設定キーの押下回数(=1)に所定時間T(たとえば、数秒〜数十秒)を乗じた時間(=1×T)を算出する。または、その時間にデフォルト値DTを加算した時間(=1×T+DT)を算出する。そして、主制御部110は、時点P1で算出した時間をオートクリア時間ATに設定する。仮に、時点P1以降、時点P1で設定したオートクリア時間ATが経過するまでにキー操作が無ければ、オートクリア時間ATが経過した時点で、オートクリア処理が実行される(時点P1で行ったキー操作はリセットされ、設定値は初期設定値となる)。
ここでは、時点P1以降、オートクリア時間ATが経過する前の時点P2で2回目のキー操作があったとする。この場合、主制御部110は、時点P2において、時点P2までの設定キーの押下回数(=2)に所定時間Tを乗じた時間(=2×T)を算出する。または、その時間にデフォルト値DTを加算した時間(=2×T+DT)を算出する。そして、主制御部110は、時点P2で算出した時間をオートクリア時間ATに設定する。このため、時点P2で設定したオートクリア時間ATは、時点P1で設定したオートクリア時間ATよりも所定時間Tだけ長い。仮に、時点P2以降、時点P2で設定したオートクリア時間ATが経過するまでにキー操作が無ければ、オートクリア時間ATが経過した時点で、オートクリア処理が実行される(時点P1およびP2で行ったキー操作はリセットされ、設定値は初期設定値となる)。
ここでは、時点P2以降、オートクリア時間ATが経過する前の時点P3で3回目のキー操作があったとする。この場合、主制御部110は、時点P3において、時点P3までの設定キーの押下回数(=3)に所定時間Tを乗じた時間(=3×T)を算出する。または、その時間にデフォルト値DTを加算した時間(=3×T+DT)を算出する。そして、主制御部110は、時点P3で算出した時間をオートクリア時間ATに設定する。このため、時点P3で設定したオートクリア時間ATは、時点P2で設定したオートクリア時間ATよりも所定時間Tだけ長い。言い換えると、設定キーの押下回数が1回増加する毎に、オートクリア時間ATが所定時間Tずつ長くなる。
この後、ジョブが実行されずに放置されたとする。この場合、時点P3で設定したオートクリア時間AT(3×Tまたは3×T+DT)が経過した時点で、オートクリア処理が実行される(時点P1〜P3で行ったキー操作はリセットされ、設定値は初期設定値となる)。
一方で、図8に示すように、時点P3以降、時点P3で設定したオートクリア時間ATが経過するまでにジョブが実行されたとする。この場合、ジョブ終了の時点からオートクリア時間ATが経過した時点で、オートクリア処理が実行される(時点P1〜P3で行ったキー操作はリセットされ、設定値は初期設定値となる)。
なお、オートクリア時間ATの設定方法は特に限定されるものではない。たとえば、設定キーの押下回数が複数回単位で増加する毎に、オートクリア時間ATが所定時間Tずつ長くなるようにしてもよい。
また、図9に示すように、ジョブ終了の時点から時点P3で設定したオートクリア時間ATが経過する前の時点P4に、設定値の変更のためのキー操作が新たに行われたとする。この場合、主制御部110は、ジョブ実行前の設定値の変更時における設定キーの押下回数とジョブ終了後の設定値の変更時における設定キーの押下回数とを合計した設定キーの押下回数に基づき、オートクリア時間を設定する。すなわち、主制御部110は、時点P4において、時点P4までの設定キーの押下回数(=4)に所定時間Tを乗じた時間(=4×T)を算出する。または、その時間にデフォルト値DTを加算した時間(=4×T+DT)を算出する。そして、主制御部110は、時点P4で算出した時間をオートクリア時間ATに設定する。このため、時点P4で設定したオートクリア時間ATは、時点P3で設定したオートクリア時間ATよりも所定時間Tだけ長い。
そして、主制御部110は、オートクリア処理を実行した後、直近にカウントした設定キーの押下回数をリセットする。したがって、主制御部110は、オートクリア処理を実行した後、設定値の変更のためのキー操作が行われれば、オートクリア処理を実行した後の最初の設定キーに対する押下を1回目とカウントする。
あるいは、主制御部110は、操作パネル101のリセットキー15が押下されたときに、変更後の設定値を初期設定値に戻す。したがって、主制御部110は、操作パネル101のリセットキー15が押下されたときに、直近にカウントした設定キーの押下回数をリセットする。
なお、たとえば、図6に示した設定値入力画面ISにおいては、設定値入力キーSKとしてのプラスキーおよびマイナスキーのいずれかが押下されることによって、同一の設定値が連続して変更される場合がある。このように同一の設定値を連続して変更するキー操作が行われたとき、主制御部110は、連続するキー操作のうち、最初の設定キーの押下時点では、オートクリア時間を長くする設定を行い、以降の設定キーの押下時点では、オートクリア時間を長くする設定は行わず、最初の設定キーの押下時点で設定したオートクリア時間をそのまま適用する。
たとえば、図7に示した例において、時点P1〜P3で同一の設定キーが連続して押下されとする。この場合、主制御部110は、まず、時点P1において、オートクリア時間ATを長くする設定を行う。そして、主制御部110は、以降の時点P2およびP3では、オートクリア時間ATを長くする設定は行わず、時点P1で設定したオートクリア時間ATをそのまま適用する。すなわち、主制御部110は、時点P3以降、時点P1で設定したオートクリア時間ATが経過するまでにキー操作が行われなければ、オートクリア処理を実行する。
また、主制御部110は、原稿セットトレイ21に原稿Dがセットされたとき(原稿検知センサー26の出力に基づき原稿セットトレイ21への原稿Dのセットを検知したとき)には、原稿セットトレイ21への原稿Dのセットを検知した時点を直近に設定したオートクリア時間の起点とする。さらに、主制御部110は、原稿搬送部102が開閉されたとき(開閉検知センサー27の出力に基づき原稿搬送部102の開閉を検知したとき)には、原稿搬送部102の開閉を検知した時点を直近に設定したオートクリア時間の起点とする。その後、主制御部110は、設定値の変更のためのキー操作が再度行われれば、そのときの設定キーの押下回数に応じて、直近に設定したオートクリア時間をさらに長くする。
たとえば、図7に示した例において、時点P3以降、時点P3で設定されたオートクリア時間ATが経過するまでに原稿セットトレイ21に原稿Dがセットされたとする。この場合、主制御部110は、原稿セットトレイ21への原稿Dのセットを検知した時点を、時点P3で設定したオートクリア時間ATの起点とする。すなわち、主制御部110は、原稿セットトレイ21への原稿Dのセットを検知した時点以降、時点P3で設定したオートクリア時間ATが経過するまでにキー操作が行われなければ、オートクリア処理を実行する。
ところで、オートクリア処理を実行した直後に設定値の変更のためのキー操作が行われた場合には、ユーザーが設定値の変更を終える前にオートクリア処理を実行した可能性がある。すなわち、オートクリア処理に入るタイミングが早過ぎたと考えられる。したがって、この場合には、所定時間(設定キーの押下回数が増加する毎にオートクリア時間に加算する時間)を従前の所定時間よりも長くしてもよい。
また、設定キーの押下回数に応じてオートクリア時間を設定する場合、ユーザーがキー操作を間違えるなどして設定キーの押下回数が非常に多くなると、オートクリア時間が長くなり過ぎてしまうことがある。したがって、記憶部113には、予め定められた上限時間が記憶されている。そして、主制御部110は、オートクリア時間が上限時間を超える場合、上限時間をオートクリア時間として設定する。すなわち、主制御部110は、上限時間を越えないようにオートクリア時間を設定することになる。
次に、図10を参照して、オートクリア時間を設定してからオートクリア処理を実行するまでの流れを説明する。
図10のフローは、たとえば、省電力モードから通常モードに移行したとき、従前に行ったオートクリア処理が完了したとき、あるいは、操作パネル101のリセットキー15が押下されたとき、などにスタートする。すなわち、図10のフローのスタート時点は、ジョブの機能に関する設定値が初期設定値となっている。
ステップS1において、主制御部110は、設定値の変更のためのキー操作が操作パネル101に対して行われたか否かを判断する。判断の結果、設定値の変更のためのキー操作が行われていれば、ステップS2に移行し、設定値の変更のためのキー操作が行われていなければ、ステップS1の判断を繰り返す。
ステップS2において、主制御部110は、設定値の変更時における設定キーの押下回数に基づき、オートクリア時間を設定するための時間(たとえば、設定キーの押下回数に所定時間を乗じた時間、または、その時間にデフォルト値を加算した時間)を算出する。ただし、同一の設定値を連続して変更するキー操作が行われた場合には、連続するキー操作のうち、最初の設定キーの押下時点で算出した時間を、以降の設定キーの押下時点にも適用する。
ステップS3において、主制御部110は、算出した時間が予め定められた上限時間を超えるか否かを判断する。判断の結果、算出時間が上限時間を越えていれば、ステップS4に移行し、主制御部110は、上限時間をオートクリア時間として設定する。一方で、算出時間が上限時間を超えていなければ、ステップS5に移行し、主制御部110は、算出時間をオートクリア時間として設定する。ステップS4およびS5の後、ステップS6に移行する。
ステップS6において、主制御部110は、オートクリア時間の経過前に設定値の変更のためのキー操作が行われたか否かを判断する。判断の結果、オートクリア時間の経過前にキー操作が行われていれば、ステップS2に移行する。一方で、オートクリア時間の経過前にキー操作が行われていなければ、ステップS7に移行する。
ステップS7に移行すると、主制御部110は、オートクリア時間の経過前にジョブ実行の指示を受け付けたか否かを判断する。判断の結果、オートクリア時間の経過前にジョブ実行の指示を受け付けていれば、ステップS8に移行し、主制御部110は、指示を受けたジョブを実行させる。
ステップS9において、主制御部110は、ジョブが終了したか否かを判断する。判断の結果、ジョブが終了していれば、ステップS6に移行し、ジョブが終了していなければ、ステップS9の判断を繰り返す。
また、ステップS7において、オートクリア時間の経過前にジョブ実行の指示を受け付けていない場合には、ステップ10に移行する。ステップS10に移行すると、主制御部110は、設定値の変更のためのキー操作が行われた時点または変更後の設定値に基づくジョブ終了の時点からオートクリア時間が経過したか否かを判断する。判断の結果、オートクリア時間が経過していれば、ステップS11に移行し、主制御部110は、オートクリア処理を実行する。一方で、オートクリア時間が経過していなければ、ステップS6に移行する。
なお、電源部130は、主制御部110がオートクリア処理を実行した時点または主制御部110がオートクリア処理を実行してから一定時間が経過した時点で、通常モードから省電力モードに移行する。
本実施形態では、上記のように、主制御部110(制御部)は、設定値の変更時における設定キーの押下回数をカウントし、設定キーの押下回数が多いほど、オートクリア時間が長くなるようにオートクリア時間を設定する。
すなわち、本実施形態では、設定値の変更時における設定キーの押下回数が多くなれば、設定値の変更のためのキー操作が行われた時点からオートクリア処理が実行されるまでの時間が長くなる。これにより、多くのキー操作を必要とする(設定キーの押下回数が多くなる)設定値の変更を行いたいユーザーからすると、設定値の変更を行っている最中に画像形成装置100から一旦離れるなどした場合(直近の設定キーの押下から次に設定キーを押下するまでに時間がかかる場合)であっても、オートクリア処理が実行されることに起因して設定値の変更のためのキー操作を最初からやり直さなければならない(多くのキー操作を行わなければならない)、という不都合の発生が抑制され、利便性が良い。
また、本実施形態では、設定値の変更時における設定キーの押下回数が多くなれば、変更後の設定値に基づくジョブ終了の時点からオートクリア処理が実行されるまでの時間が長くなる。これにより、変更後の設定値に基づくジョブ終了後に再度同じ設定でジョブを実行させたいユーザーからすると、変更後の設定値に基づくジョブ終了後に短時間でオートクリア処理が実行されることに起因して設定値の変更のためのキー操作を最初からやり直さなければならない(多くのキー操作を行わなければならない)、という不都合の発生が抑制され、利便性が良い。
さらに、本実施形態では、設定値の変更時における設定キーの押下回数が少なければ、設定値の変更のためのキー操作が行われた時点または変更後の設定値に基づくジョブ終了の時点からオートクリア処理が実行されるまでの時間が短くなる。すなわち、オートクリア時間が常に長く設定されているわけではない。これにより、従前に変更された設定値が長時間にわたってそのまま保存されていることに起因してユーザーが意図しない設定値(従前に変更された設定値)で誤ってジョブを実行してしまう、という不都合の発生を抑制することができ、ユーザーの利便性が向上する。なお、設定値の変更が比較的少ないキー操作で済む場合、仮に、オートクリア処理の実行により変更後の設定値がユーザーの意図に反して初期設定値に戻ってしまったとしても、比較的少ないキー操作で設定値を再度変更することができるので、ユーザーにかかる負担は少ない。
また、本実施形態では、上記のように、主制御部110は、変更後の設定値に基づくジョブ終了の時点からオートクリア時間が経過するまでの間に、設定値の変更のためのキー操作が新たに行われた場合、ジョブ実行前の設定値の変更時における設定キーの押下回数とジョブ終了後の設定値の変更時における設定キーの押下回数とを合計した設定キーの押下回数に基づき、オートクリア時間を設定する。これにより、変更後の設定値に基づくジョブ終了後に従前の設定値(変更後の設定値)に対して再度変更を加えたいユーザーからすると、変更後の設定値に基づくジョブ終了後に再度行った設定値の変更時の設定キーの押下回数の増加に応じてオートクリア時間がさらに長くなるので、オートクリア処理の実行タイミングが早いことに起因して設定値の変更のためのキー操作を最初からやり直さなければならない(多くのキー操作を行わなければならない)、という不都合の発生が抑制され、利便性が良い。
また、本実施形態では、上記のように、主制御部110は、オートクリア処理を実行した後、直近にカウントした設定キーの押下回数をリセットする。これにより、カウントした設定キーの押下回数が累積され続けることに起因してオートクリア時間が長くなり過ぎてしまう(次にオートクリア処理を実行するまでに時間がかかってしまう)、という不都合が発生するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、主制御部110は、オートクリア時間を設定するとき、設定値の変更時における設定キーの押下回数が増加する毎にオートクリア時間を所定時間ずつ長くする。これにより、容易に、オートクリア時間を設定値の変更時における設定キーの押下回数に応じた時間にすることができる。
ここで、オートクリア処理を実行した直後に設定値の変更のためのキー操作が行われた場合には、ユーザーが設定値の変更を終える前にオートクリア処理を実行した可能性がある。すなわち、オートクリア処理に入るタイミングが早過ぎたと考えられる。したがって、このような不都合を解消するためには、オートクリア処理を実行した後、予め定められた時間が経過する前に設定値の変更のためのキー操作が行われた場合に、所定時間(設定キーの押下回数が増加する毎にオートクリア時間に加算する時間)を従前の所定時間よりも長くすればよい。
また、本実施形態では、上記のように、主制御部110は、同一の設定値を連続して変更するキー操作が行われたとき、連続するキー操作のうち、最初の設定キーの押下時点では、オートクリア時間を長くする設定を行い、以降の設定キーの押下時点では、オートクリア時間を長くする設定は行わず、最初の設定キーの押下時点で設定したオートクリア時間をそのまま適用する。これにより、設定値の変更のためのキー操作そのものは容易である(同一の設定キーを押下するだけでよい)にもかかわらずオートクリア時間が長くなり過ぎてしまう、という不都合が生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、記憶部113は、オートクリア時間の上限時間を記憶し、主制御部110は、上限時間を越えないようにオートクリア時間を設定する。これにより、ユーザーが設定値の変更のためのキー操作を間違えるなどして設定キーの押下回数が非常に多くなったとしても、オートクリア時間が長くなり過ぎることはない。
また、本実施形態では、主制御部110は、原稿検知センサー26の出力により原稿搬送部102Aへの原稿Dのセットを検知したときには、原稿搬送部102Aへの原稿Dのセットを検知した時点を直近に設定したオートクリア時間の起点とし、開閉検知センサー27の出力により原稿搬送部102Aの開閉を検知したときには、原稿搬送部102Aの開閉を検知した時点を直近に設定したオートクリア時間の起点とする。これにより、ユーザーからすると、原稿搬送部102Aに原稿のセットした時点または原稿搬送部102Aを開閉した時点がオートクリア時間の起点となるので、利便性が良い。
また、本実施形態では、上記のように、電源部130は、通常モードでは、画像形成部105や定着部106などのジョブ実行部に通常の電力供給を行い、主制御部110がオートクリア処理を実行した時点または主制御部110がオートクリア処理を実行してから一定時間が経過した時点で、通常モードから省電力モードに移行し、省電力モードでは、ジョブ実行部に行う電力供給を停止する。これにより、オートクリア時間が短く設定された場合(オートクリア処理に入るタイミングが早い場合)には、通常モードから省電力モードへの移行タイミングが早くなるので、省電力効果が高まる。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。