以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<第1の実施形態>
以下では、本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態では、ADFに載置された読取対象原稿を読み取る(以降、スキャンと称する。)ジョブを実行する。ここで、当該ジョブを実行する前に、ジョブの設定として重送検知機能を有効にするか無効にするかを設定可能とする。このとき、ADFに原稿が載置されたことに連動して重送検知機能を有効にするか否かを設定可能とする。そして、当該ジョブの実行中に、重送検知機能の設定と、重送検知センサによって読取対象の原稿の重送を検知したことに従って、スキャンを中断するか継続するかの動作を切り替える。
<画像読取装置の構成>
まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像読取装置の構成について説明する。本実施形態では画像読取装置の一例としてMFP(Multi Function Peripheral)101を説明する。
MFP101は、シート上の画像を読み取る読取機能と、シートに画像を印刷する印刷機能とを有する。また、他にもMFP101は、ネットワーク100を介して情報処理装置に画像データを送信するファイル送信機能やMFP101内部の保存領域に画像データを保存するファイル保存機能などを有している。
なお、本実施形態では画像読取装置の一例としてMFP101を説明するが、これに限定されるものではない。原稿の画像を読み取るために原稿を搬送する構成の画像読取装置であれば本実施形態を適用することができる。具体的な例で説明すると、原稿から画像データを生成し、生成した画像データを外部サーバなどの情報処理装置へ送信するスキャナなどであってもよい。また、画像読取装置は、USBなどの外部バスを介して画像読取装置に着脱可能な外部メモリ(例えば、USBフラッシュドライブ)に保存するスキャナなどであってもよい。本実施形態では、一例として画像読取装置が以下に説明する各種構成要件を備えるものとする。
MFP101は、制御部110、操作部116、読取部118、及び印刷部120を備える。また、制御部110は、CPU111、ROM112、RAM113、ストレージ114、操作部I/F115、読取部I/F117、印刷部I/F119、及び通信部I/F123を備える。
CPU111を含む制御部110は、MFP101全体の動作を統括的に制御する。CPU111は、ROM112又はストレージ114に記憶された制御プログラムを読み出して、読取制御や印刷制御などの各種制御を行う。ROM112は、CPU111で実行可能な制御プログラムを格納する。RAM113は、CPU111の主記憶メモリであり、ワークエリア、ROM112及びストレージ114に格納された各種制御プログラムを展開するための一時記憶領域として用いられる。ストレージ114は、印刷データ、画像データ、各種プログラム、及び各種設定情報を記憶する。本実施形態ではストレージ114としてHDD等の補助記憶装置を想定しているが、HDDの代わりにSSD等の不揮発性メモリを用いるようにしてもよい。
なお、本実施形態のMFP101では、1つのCPU111が1つのメモリ(RAM113)を用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の様態であっても構わない。例えば複数のCPU、RAM、ROM、及びストレージを協働させて後述するフローチャートに示す各処理を実行することもできる。また、ASICやFPGA等のハードウェア回路を用いて一部の処理を実行するようにしてもよい。
操作部I/F115は、操作部116と制御部110とを接続する。図4は、操作部116の外観を示す。操作部116は、操作画面を表示するパネル401及びハードキー入力部402からなる。パネル401は例えばタッチパネルディスプレイである。ハードキー入力部402は、スタートキー412や設定/登録キー413などの各種のハードキーを備える。ユーザはパネル401に表示されているキーをタッチする、又はハードキー入力部402の各種ハードキーを押下して指示を入力する。なお、パネル401は、タッチパネル機能を有さないディスプレイであってもよい。この場合、タッチ操作によるキー入力に代えて、ディスプレイに表示されるキーを選択するためのスクロールキー及び当該キーを決定するための決定キーをハードキー入力部として備えればよい。操作部116は、パネル401及びハードキー入力部402を介したユーザからの指示を受け付ける受付部として機能し、又、必要に応じてパネル401に操作画面を表示する表示部として機能する。
読取部I/F117は、読取部118と制御部110とを接続する。読取部118はシート(原稿)上の画像を読み取って、画像データを生成する。読取部118によって生成された画像データはネットワーク100を介してPC102に送信されたり、シート上に印刷されたりする。読取部118の具体的な構成については図2及び図3を用いて後述する。
印刷部I/F119は、印刷部120と制御部110とを接続する。印刷すべき画像データは印刷部I/F119を介して制御部110から印刷部120に転送される。印刷部120は制御部110を介して制御コマンド及び印刷すべき画像データを受信し、当該画像データに基づいた画像をシート上に印刷する。印刷部120の印刷方式は、電子写真方式であってもよいし、インクジェット方式であってもよい。画像をシートに印刷することができる方法であれば、その他の方法(例えば、熱転写方式等)であってもよい。
また、制御部110は、通信部I/F123を介してネットワーク100に接続される。通信部I/F123は、ネットワーク100上のPC102に画像データや情報を送信したり、ネットワーク100上のPC102から印刷データや情報を受信したりする。
PC102は、アプリケーションプログラム等の各種のプログラムを実行することができる。また、PC102には、PC102からMFP101の読取機能を利用するためのスキャナドライバや、スキャンした画像を加工、整理するためのスキャンアプリケーションがインストールされている。PC102からMFP101に対してスキャン指示を出すことで、MFP101が備える読取機能を利用することができる。
<読取部の構成>
次に、MFP101に含まれる読取部118のハードウェア構成について図2及び図3を用いて説明する。図2は、読取部118の制御に関わる構成を示す。CPU131は、読取部118の動作を制御する。CPU131は、ROM132に記憶された制御プログラムを読み出して、読取制御や制御部110とのやりとりなどの各種制御を行う。ROM132は、CPU131で実行可能な制御プログラムを格納する。RAM133は、CPU131の主記憶メモリであり、ワークエリアや、ROM132に格納された各種制御プログラムを展開するための一時記憶領域として用いられる。なお、CPU131、ROM132及び、RAM133は、同機能を一つの集積回路に組み込んだマイクロコントローラで実現されてもよい。
読取部118は、更に、画像処理部142、CCD(Charge Coupled Device)センサ144、原稿検知センサ145、モータ制御部147、モータ148、重送検知センサ149、及びその他の搬送センサ146を備える。また、読取部118は、読取部I/F117を介して制御部110に接続されている。
原稿検知センサ145は、読取部118の後述する原稿積載部(原稿給紙トレイ)202上に原稿203が積載されていることを検知する。なお、原稿検知センサ145による検知信号は、読取部I/F117を介して、CPU111に伝達される。
モータ148は、読取部118の後述する原稿給送ローラ204、搬送ローラ206、大ローラ208、ローラ209、ローラ210、ローラ211、及び原稿排出ローラ対207の回転を行うために駆動される。また、モータ148は、読取部118の後述する露光部213、及びミラーユニット214の移動を行うために駆動される。なお、本実施形態では、CPU111がモータ制御部147を制御することで、モータ148の駆動を制御するようにしているが、これに限定されるものではない。読取部118のCPU131がモータ制御部147を制御することで、モータ148の駆動を制御するようにしてもよい。
重送検知センサ149は、原稿の搬送中に重送が発生したことを検知する。なお、重送検知センサ149による検知信号は、読取部I/F117を介して、CPU111に伝達される。重送検知センサ149の詳細については、図3を用いて後述する。搬送センサ146は、原稿の搬送経路の要所ごとに設けられた複数のセンサであり、ジャムの発生や原稿の有無を検知する。CCDセンサ144で読み取られたデータは、A/D変換部によってアナログ信号からデジタル信号に変換される。その後、デジタル信号は画像処理部142によって画像データに変換され、読取部I/F117を介して、RAM113に一時的に格納される。そして、CPU111の制御により、画像データはストレージ114に保存される。
続いて、図3を参照して、読取部118においてADFによって原稿203の画像の読み取り動作を行う場合について説明する。原稿検知センサ145によって積載部202上に原稿203が積載されていることが検知されている場合に、スキャンの実行指示をユーザから受け付けたことに従って、スキャンが開始される。
積載部202上に積載された原稿203は、対になっている原稿給送ローラ204と分離パッド205によって、1枚ずつ搬送される。そして、1枚ずつ搬送された原稿203は、重送検知センサ149を通過する。重送検知センサ149は、搬送された原稿203に重送が発生したことを検知する。ここで、重送とは、原稿を搬送した際に、2枚以上の原稿の少なくとも一部が重なった状態で搬送される状態のことである。例えば、超音波を利用した重送検知センサ149では、上部センサから超音波を発信し、その変化を下部センサが感知することによって重送を検知する。そして、1枚の原稿203が搬送されたときの受信強度を基準にして、実際に検出された信号がこの基準値よりも受信強度が低いときに重送として判断する。
なお、本実施形態では、超音波を利用したセンサを重送検知センサ149の例として説明する。しかし、重送を検知可能であるならば光学センサを利用してもよい。或いは、原稿203の厚みを測定し、その測定データを基準にして、搬送された原稿203に重送が発生しているかどうかを判断してもよい。
重送検知センサ149を通過した原稿203は、搬送ローラ206で装置内に送られる。搬送ローラ206により搬送された原稿203は、搬送センサ146の一つである原稿通過検知センサ150によって検出される。そして、検出時間に基づいて1枚目の原稿203の通過が終了したか否かが判定される。搬送ローラ206で装置内に送られた原稿203は、大ローラ208とローラ209によって搬送され、更に、大ローラ208とローラ210によって搬送される。そして、原稿ガラス212に接触する形で原稿ガイド板217との間を通って搬送された原稿203は、ジャンプ台218を経由した後、大ローラ208とローラ211によって更に搬送されて、原稿排出ローラ対207により排出トレイ222に排出される。なお、CPU111は、各ローラをモータ148による駆動によってそれぞれ回転させ、原稿203を搬送するものとする。また、搬送センサ146の一つである排出センサ151は、排出トレイ222に原稿が排出されることを検出する。
原稿203が原稿ガラス212上を通過する際に、原稿ガラス212に接している面が露光部213によって露光されて、原稿203の画像が主走査方向及び副走査方向に対して読み取られる。結果として得られる原稿203からの反射光が複数のミラーを介して、ミラーユニット214に伝達される。そして、伝達された反射光はレンズ215を通過し、集光されて、CCDセンサ144によって電気信号のデータに変換される。CCDセンサ144から出力されるデータは、前述した画像処理部142により画像データに変換され、制御部110へ転送される。
なお、本実施形態では、読取部118が備える光学系は、原稿203からの反射光をCCDセンサ144上に結像する縮小光学系である場合について説明したが、これに限らない。読取部118が備える光学系は、原稿203からの反射光をCIS(Contact Image Sensor)上に結像する等倍光学系であってもよい。なお、読取部118によって実行される原稿203の画像の読み取り動作は、光学系の位置を固定し、ADFによって原稿203を搬送させながら、原稿203の画像を読み取る場合について説明したが、これに限らない。原稿220をプラテンガラス221(原稿台)に載置し、原稿220の位置を固定させ、モータ148の駆動により光学系を移動させることによって原稿220の画像を読み取ることもできる。
カバー250は、ADFの搬送経路の一部分を覆うカバーである。また、カバー250は、支点軸251を中心として回動し、開閉可能に構成されている。ユーザは、カバー250を開いて、搬送経路に詰まっている原稿や搬送経路で停止した状態の原稿を取り除くジャム処理などの作業を行うことができる。なお、カバー250が開いた状態であるか、閉じた状態であるかを検出する開閉センサを備えてもよい。
<重送検知設定>
次に、図5を参照して、ジョブの設定として、重送検知機能を有効にするか無効にするかを設定する具体的な制御について、MFP101が備えるコピー機能を例示して説明する。
まず、コピーの設定について説明する。図5は、パネル401に表示されるコピー画面の遷移例を示す。501は、メインメニュー画面の一例を示す。503は、コピー設定画面の一例を示す。また、505は、コピー設定画面の他の例を示す。
MFP101に電源を投入してMFP101を起動すると、CPU111は、初期画面であるメインメニュー画面501をパネル401に表示する。MFP101のユーザは、パネル401に表示されるメインメニュー画面501から、コピー機能を選択することができる。メインメニュー画面501にはMFP101が備える各種機能(例えば、ファイル保存機能、ファイル送信機能など)を起動するためのボタン(アイコン)が選択可能に表示されているものとする。CPU111は、メインメニュー画面501が表示された状態で、コピー機能ボタン502がユーザによって押下されたことに従って、コピー設定画面503を表示する。
ユーザは、コピー設定画面503を介して様々なコピー設定を行うことができる。例えば、ユーザは部数の設定や、両面印刷の設定などの設定を行うことができる。なお、コピージョブの設定は、ここに例示していない多数の設定項目がある。そのため同一画面内で全ての設定を行うことは困難である。従って設定項目ごとに個別の設定画面に遷移して、複数の機能の設定を行うものとする。
コピー設定画面503に設けられた重送検知キー504は、重送検知機能を有効にするか無効にするかを選択するための仮想的なキーである。ユーザは、重送検知キー504を用いて、ジョブの設定として、重送の発生を検知するか否かの設定を変えることができる。図5のコピー設定画面503では重送の発生を検知しない設定が行われている場合を例示している。本実施形態に係る「重送の発生を検知しない設定」がされていると、重送検知センサ149によって重送を検知しても、原稿の搬送は停止されない。そのため、「重送の発生を検知しない設定」は、重送検知センサ149によって重送を検知しても、原稿の搬送を停めない設定ということもできる。
CPU111は、コピー設定画面503が表示された状態で、重送検知キー504がユーザによって押下されたことに従って、コピー設定画面505を表示する。コピー設定画面505では重送の発生を検知する設定が行われている場合を例示している。本実施形態に係る「重送の発生を検知する設定」がされていると、重送検知センサ149によって重送を検知したことに従って、原稿の搬送が停止される。そのため、「重送の発生を検知する設定」は、重送検知センサ149によって重送を検知したことに従って原稿の搬送を停止する設定ということもできる。また、本実施形態のCPU111は、重送検知キー506に示すように、重送検知キー504と異なる色の表示を行うよう制御することで、重送の発生を検知する設定が行われている旨をユーザに通知している。ここでは、異なる色の表示を行う例について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、重送検知キー506の形を重送検知キー504の形とは異なる形で表示してもよいし、重送検知キー504を点滅させないよう表示し、重送検知キー506を点滅させるよう表示してもよい。
<原稿検知設定>
次に、図6を参照して、原稿を検知したことに従って重送の発生を検知しない設定から重送の発生を検知する設定に切り替えるか否かを、機器の設定として登録する場合の具体的な制御について説明する。図6は、パネル401に表示される設定/登録画面の遷移例を示す。601は、設定/登録メニュー画面の一例を示す。604は、設定変更画面の一例を示す。また、607は、設定変更画面の他の例を示す。610は、設定/登録メニュー画面の他の例を示す。
CPU111は、ハードキー入力部402の設定/登録キー413がユーザによって押下されたことに従って、設定/登録メニュー画面601をパネル401に表示する。設定/登録メニュー画面601には、原稿を検知した場合に、コピー設定画面503に示す重送検知キー504をコピー設定画面505に示す重送検知キー506に切り替える設定が行われていないことを示す値「OFF」が情報602に表示されている。また、フィーダー重送検知のデフォルト設定メニュー603は、設定変更画面に遷移するためのメニューである。
フィーダー重送検知のデフォルト設定メニュー603が押下されたことをCPU111が検出すると、CPU111は、設定変更画面604をパネル401に表示する。設定変更画面604には、OFFキー605とONキー606が表示されており、OFFキー605を反転表示することで、原稿を検知したことに従って重送の発生を検知しない設定から重送の発生を検知する設定に切り替えないことを例示している。つまり、フィーダー重送検知の現在のデフォルト設定はOFFであることを示している。
CPU111は、設定変更画面604が表示された状態で、ONキー606がユーザによって押下されたことに従って、設定変更画面607をパネル401に表示する。設定変更画面607には、ONキー608を反転表示することで、原稿を検知したことに従って重送の発生を検知しない設定から重送の発生を検知する設定に切り替えることを示している。
CPU111は、設定変更画面607が表示された状態で、OKキー609がユーザによって押下されたこと(ユーザ入力)に従って、設定/登録メニュー画面610をパネル401に表示する。ここで、CPU111は、原稿を検知した場合に、重送が発生すると当該重送に対処しない設定から、重送の発生を検知して対処する設定に切り替えるか否かを表すためのフラグ(以降、原稿検知設定フラグと呼ぶ)の値を「TRUE」(有効)に設定する。なお、原稿検知設定フラグの値はRAM113に一時的に記憶される。なお、原稿検知設定フラグが「TRUE」の場合は、原稿を検知した場合に、コピー設定画面503に示す重送検知キー504をコピー設定画面505に示す重送検知キー506に切り替えることを表す。この設定の場合は、重送が検知されると当該重送を解消するべくエラー処理等が行われることとなる。本実施形態では、エラー処理として、原稿の搬送を停止する例を説明する。しかしながら、エラー処理は、原稿の搬送は続けつつ、原稿の読み取りを停止する処理であってもよい。一方、原稿検知設定フラグが「FALSE」(無効)の場合は、原稿を検知した場合に、コピー設定画面503に示す重送検知キー504をコピー設定画面505に示す重送検知キー506に切り替えないことを表す。この設定の場合は、重送が検知されても何の対処も行わず、当該原稿の搬送を継続することとなる。設定/登録メニュー画面610には、原稿を検知した場合に、コピー設定画面503に示す重送検知キー504をコピー設定画面505に示す重送検知キー506に切り替える設定が行われていることを示す値「ON」が情報611に表示されている。
次に、図7を参照して、原稿検知設定フラグが「TRUE」の場合の具体的な制御について、MFP101が備えるコピー機能を例示して説明する。図7は、パネル401に表示されるコピー画面の遷移例を示す。
CPU111は、積載部202上に原稿203が積載されていない状態で、メインメニュー画面501に示すコピー機能ボタン502がユーザによって押下されたことに従って、コピー設定画面701をパネル401に表示する。CPU111は、コピー設定画面701が表示された状態で、積載部202上に原稿203がユーザによって積載されたことに従って、コピー設定画面703をパネル401に表示する。コピー設定画面703では、重送検知キー704に示すように、重送の発生を検知する設定が行われている場合を例示している。重送検知キー704は、重送検知キー702とは異なる色で表示されている。ここでは、異なる色で表示する例について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、重送検知キー704の形を重送検知キー702の形とは異なる形で表示してもよいし、重送検知キー702を点滅させないよう表示し、重送検知キー704を点滅させるよう表示してもよい。
CPU111は、コピー設定画面703が表示された状態で、積載部202上から原稿203がユーザによって除去されたことに従って、コピー設定画面705をパネル401に表示する。コピー設定画面705では、重送検知キー706に示すように、重送の発生を検知する設定が行われていない場合を例示している。
<重送検知時の処理>
MFP101の読取部118で原稿を読み取る場合に、重送が発生すると、複数枚重なった原稿が搬送路を流れるため、途中で原稿ジャムが発生する可能性が高い。また、無事に原稿が搬送路を抜けたとしても、2枚重なった状態で画像データが読まれるため、原稿の一部が欠損した画像データが生成されることになる。そこで、本実施形態では、ジョブの設定として、重送検知機能を有効にする設定が行われ、且つ、重送が発生した場合に、一旦原稿の搬送を止め、重送が検知されたことをユーザに通知する制御を行う。
図8を参照して、ユーザが重送の通知を受けて、ADFに原稿を置き直して原稿の再読み取りを完了するまでの具体的な制御について、MFP101が備えるコピー機能を例示して説明する。図8は、読取部118の重送検知センサ149で重送の発生が検知された場合にパネル401に表示される画面の遷移例を示す。
801は、コピー設定画面の一例を示す。803は、コピー実行画面の一例を示す。804は、重送の発生をユーザに通知するための情報を表示するガイド画面の一例を示す。806は、原稿の再読み取りを待機する画面の一例を示す。809は、コピー実行画面の他の例を示す。810は、コピー設定画面の他の例を示す。
コピー設定画面801では、重送検知キー802に示すように、重送の発生を検知する設定が行われている場合を例示している。コピー設定画面801が表示された状態で、スタートキー412が押下されたことをCPU111が検出すると、CPU111は、コピー処理を開始する。CPU111は、読取部118による原稿の読取動作を開始すると共に、コピー設定画面803をパネル401に表示する。
CPU111は、コピー機能で原稿が読み取られている際に重送検知センサ149で重送の発生を検知すると、原稿の搬送を中断する。なお、原稿の搬送を中断する代わりに、CPU111は、原稿の搬送は続けつつ、原稿の読み取りを中断するよう制御してもよい。また、CPU111は、ガイド画面804をパネル401に表示する。情報805は、紙を取り除く必要があることと、重送の発生によりスキャンを中断したことをユーザに通知するための情報である。
その後、CPU111は、搬送センサ146及び開閉センサなどに基づいて、エラー解除できる状態であると判断すると、再読取待機画面806をパネル401に表示する。再読取待機画面806の情報807は、原稿を再セットしてスタートキー412を押下することで、処理を再開できることをユーザに通知する情報である。ユーザはスタートキー412を押下して、原稿の読み取りを再開することができる。スタートキー412が押下されたことをCPU111が検出すると、CPU111は、コピー実行画面809をパネル401に表示する。
また、再読取待機画面806の中止キー808は、実行中のコピー機能を中止する際に使用するキーである。ユーザは中止キー808を押下することで、これまで読み取った原稿を破棄して、実行中の処理を中止することができる。中止キー808が押下されたことをCPU111が検出すると、CPU111は、コピー実行画面809をパネル401に表示する。
また、CPU111は、コピー処理の終了を検知すると、コピー設定画面810をパネル401に表示する。コピー設定画面810では、重送検知キー811に示すように、重送の発生を検知する設定が行われていない場合を例示している。
<処理手順>
次に、コピー機能を例として、コピージョブの実行指示を受け付けて、受け付けたコピージョブを実行するための具体的な制御方法について、図9乃至図11に示したフローチャートを用いて説明する。図9乃至図11に示すフローチャートの各動作(ステップ)は、CPU111がROM112又はストレージ114に記憶された制御プログラムをRAM113に読み出し、実行することにより実現される。なお、各動作を実現する制御プログラムの一部は、別のCPU(例えば、読取部118のCPU131など)などで実行され、制御プログラム同士が協働することで実現されてもよい。
まず、図9に示すS1000で、CPU111は、重送検知設定の切替に係る一連の処理を実行する。ここで、S1000の処理の詳細について図10を参照して説明する。
S1001で、CPU111は、原稿検知センサ145で原稿の積載を検知したか否かを判定する。CPU111は、原稿の積載を検知したと判定した場合(S1001でYES)、S1002に処理を進める。一方、CPU111は、S1001でNOと判定した場合、S1004に処理を進める。
S1002で、CPU111は、設定変更画面604、607で設定された原稿検知設定フラグの値を参照し、その値が「TRUE」か否かを判定する。「TRUE」であればS1003に処理を進める。一方、「FALSE」であれば、CPU111は、原稿検知設定フラグの値を維持したままS901に処理を進める。
S1003で、CPU111は、重送の発生を検知する設定に切り替えて、S901に処理を進める。具体的には、コピー設定画面701がパネル401に表示されている状態で、積載部202上に原稿203がユーザによって積載されたことに従って、コピー設定画面703をパネル401に表示する。コピー設定画面703では、重送検知キー704に示すように、重送の発生を検知する設定が行われている場合を例示している。ここで、CPU111は、表示制御手段として機能する。
S1004で、CPU111は、原稿検知センサ145で原稿の除去を検知したか否かを判定する。CPU111は、原稿の除去を検知したと判定した場合(S1004でYES)、S1005に処理を進める。一方、CPU111は、S1004でNOと判定した場合、S901に処理を進める。
S1005で、CPU111は、設定変更画面604、607で設定された原稿検知設定フラグの値を参照し、その値が「TRUE」であるか否かを判定する。「TRUE」であればS1006に処理を進める。一方、「FALSE」であれば、CPU111は、S901に処理を進める。
S1006で、CPU111は、重送の発生を検知しない設定に切り替え、S901に処理を進める。具体的には、コピー設定画面703がパネル401に表示されている状態で、積載部202上から原稿203がユーザによって除去されたことに従って、コピー設定画面705を表示する。コピー設定画面705では、重送検知キー706に示すように、重送の発生を検知する設定が行われていない場合を例示している。
図9の説明に戻る。S901で、CPU111は、コピージョブの実行指示を受け付けたか否かを判定する。CPU111は、受け付けたと判定した場合(S901でYES)、S902に処理を進める。一方、CPU111は、S901でNOと判定した場合、S1000に戻る。具体的には、コピー設定画面801がパネル401に表示されている状態で、スタートキー412がユーザによって押下されたことに従って、コピージョブの実行指示が受け付けられる。また、CPU111は、コピージョブの実行指示が受け付けられた場合に、パネル401にコピー設定画面803を表示する。
S902で、CPU111は、原稿203の画像の読み取り(スキャン)に係る一連の処理が正常に終了したか否かを表すためのフラグ(以降、スキャン終了フラグと呼ぶ)の値を「FALSE」に設定(初期化)する。なお、スキャン終了フラグの値はRAM113に一時的に記憶される。なお、スキャン終了フラグが「TRUE」の場合は、スキャンが正常に終了したことを表す。一方、スキャン終了フラグが「FALSE」の場合は、スキャンが正常に終了しなかったことを表す。例えば、スキャンの中止指示を受け付けた場合や、コピージョブの実行がキャンセルされた場合等において、CPU111は、スキャンが正常に終了しなかったと判断し、スキャン終了フラグの値を「FALSE」から「TRUE」へ書き換えなければよい。
CPU111は、S902の処理を実行した後、S1100のスキャン処理に進む。S1100では、CPU111は、スキャンに係る一連の処理を実行する。ここで、スキャンに係る一連の処理(S1100)の詳細について、図11を参照して説明する。
S1101で、CPU111は、読取部118を制御して、積載部202上に積載された原稿203を搬送させる。S1102で、CPU111は、読取部118を制御して、S1101で搬送された原稿203が原稿ガラス212上を通過する際に、原稿を読み取ってデータを生成させる。
次に、S1103で、CPU111は、読取部118を制御して、S1102で読み取られたデータを画像処理部142で画像データに変換させる。CPU111は、読取部118を制御して、変換された画像データをRAM113に一時的に格納する。S1104で、CPU111は、重送検知センサ149の出力値を取得して、S1101で搬送された原稿の重送が発生したか否かを判定する。重送検知センサ149が重送を検知している場合は、S1109に進む。一方、重送を検知していない場合は、S1105に進む。
S1105で、CPU111は、読取部118を制御して、原稿の読み取りが完了したか否かを判定する。具体的には、CPU111は、搬送センサ146により原稿の後端が検知され、読み取り処理及び画像データへの変換処理が完了した場合に、原稿の読み取りが完了したと判断し、S1106に進む。一方、原稿の搬送中や、画像データへの変換処理中であれば、原稿の読み取りが完了していないと判断し、S1102に戻る。
S1106で、CPU111は、S1103でRAM113に一時的に格納された画像データをストレージ114に保存する。S1107で、CPU111は、原稿給送トイレ上に原稿が載置されているか否かを判定する。具体的には、CPU111は、読取部118を制御して、原稿検知センサ145の出力値を取得する。取得した値に基づいて、積載部202上に原稿203が積載されているか否かを判定する。CPU111は、積載部202上に原稿203が載置されていると判定した場合は、S1101に戻り、次の原稿の読み取りを行う。積載部202上に原稿203が積載されていないと判定した場合は、S1108に進む。S1108で、CPU111は、RAM113に記憶されているスキャン終了フラグの値を「TRUE」に書き換え、図9のS903に処理を進める。
次に、重送が発生した場合の処理(S1104でYES)について説明する。S1109で、CPU111は、重送の発生を検知する設定が行われているか否かを判定する。重送の発生を検知する設定が行われている場合は、S1110に処理を進める。一方、重送の発生を検知しない設定が行われている場合は、S1105に処理を進める。S1110で、CPU111は、読取部118を制御し、スキャンを中断する。CPU111は、スキャンの中断に伴い、原稿203の搬送や、原稿203の画像の読み取りを停止させて、S1111に進む。
S1111で、CPU111は、S1103でRAM113に一時的に格納された画像データを削除して、S1112に進む。S1112で、CPU111は、ガイド画面804をパネル401に表示し、S1113に進む。S1113で、CPU111は、エラーのリカバリが完了したか否かを判定する。具体的には、CPU111は、読取部118を制御して、複数の搬送センサ146の出力値を取得する。取得した値に基づいて全ての搬送センサ146で原稿を検知していないと判定すると、リカバリが完了したと判定し、S1114に進む。一方、いずれかの搬送センサ146で原稿が検知されていると判定すると、S1112に戻る。
S1114で、CPU111は、再読取待機画面806をパネル401に表示し、S1115に進む。S1115で、CPU111は、スキャンの中止指示を受け付けたか否かを判定する。具体的には、中止キー808が押下された場合は、S1117に進み、中止キー808が押下されない場合は、S1116に進む。
S1117で、CPU111は、原稿203の画像の読み取り(スキャン)を再開するか否かを表すためのフラグ(以降、スキャン再開フラグと称する。)の値を「FALSE」に設定し、S1119に進む。なお、スキャン再開フラグは、RAM113に一時的に格納されるフラグである。
一方、S1116で、CPU111は、スタートキー412が押下された場合は、S1118に進み、スタートキー412が押下されない場合は、S1115に戻り、キーの押下を待つ。S1118で、CPU111は、スキャン再開フラグの値を「TRUE」に設定し、S1119に進む。S1119で、CPU111は、スキャン再開フラグの値を参照し、「FALSE」であれば、図9のS903に進む。また、この際にCPU111は、再読取待機画面806を閉じて、パネル401に表示する画面をコピー実行画面809に切り替える。
一方、「TRUE」であれば、S1101に戻り、ユーザによって再度載置された原稿203の読み取り処理を行う。また、この際にCPU111は、再読取待機画面806を閉じて、パネル401に表示する画面をコピー実行画面809に切り替える。なお、S1119の処理では、スキャンを中止する指示がなされた場合に、スキャン終了フラグを「FALSE」に設定したままスキャン処理を終了することになる。
図9の説明に戻る。S903で、CPU111は、スキャン終了フラグの値を参照し、その値が「TRUE」であるか否かを判定する。「TRUE」であれば、S904の印刷処理に進む。一方、スキャン終了フラグの値が、「FALSE」であれば、S904をスキップして、S905に進む。
S904で、CPU111は、S1106でストレージ114に保存された画像データを印刷部120に転送する。また、印刷部120を制御して、シートに画像を印刷させる。S1106でストレージ114に保存された画像の印刷が完了すると、S905に進む。S905で、CPU111は、S1106でストレージ114に保存された画像データを削除して、コピー処理を終了する。また、この際に、CPU111は、コピー実行画面809を閉じて、パネル401に表示する画面をコピー設定画面810に切り替える。
以上説明したように、本実施形態では、積載部に積載された原稿を検知したことに従って、重送の発生を検知しない設定から重送の発生を検知する設定に切り替えるようにした。したがって、重送の発生を検知するか否かをジョブごとに設定する際の操作性を向上することができる。さらに、本実施形態では、積載部に積載された原稿を検知した場合に重送の発生を検知しない設定から重送の発生を検知する設定に切り替えるか否かを設定可能としたので、原稿の重送を検知した場合に原稿の搬送を継続するユーザの要望を満たすこともできる。
<変形例>
本発明は、上記第1の実施形態に限らず様々な変形が可能である。
例えば、上記第1の実施形態では、原稿の重送を検知したことに従って、原稿の搬送を中断する例について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、CPU111は、原稿の重送を検知しても、原稿の搬送は続け、原稿の読み取りだけを中断するよう制御してもよい。
また、例えば、上記第1の実施形態では、コピー機能における読取制御について説明したが、本発明は、原稿を読み取る他の機能にも適用可能である。具体的には、MFP101がスキャンした原稿を情報処理装置に送信するファイル送信機能にも適用できる。更に、MFP101がスキャンした原稿をMFP101内部の保存領域に保存するファイル保存機能やUSBなどの外部バスを介してMFP101に着脱可能な外部メモリに格納するファイル保存機能にも適用できる。
更に、PC102が単機能のスキャナに対してスキャン指示を出し、スキャナに原稿を読み取らせ、スキャンした画像をPC102の保存領域に格納する場合にも適用できる。この場合、PC102の制御プログラム(例えばスキャナドライバ)と単機能のスキャナの読取制御プログラムが協働して前述した制御を行うことになる。単機能のスキャナは、図1乃至図3を説明した構成の中でも、原稿の読取やPC102とのデータのやりとりに必要な構成を備えているものとする。ただし、原稿を流し読みする搬送経路の形状や外観などは適宜変更されてもよい。このように本発明は、原稿の重送を検知できる画像読取装置や当該画像読取装置を含むシステムに対しても適用することができる。
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。