JP2015060741A - 膜電極接合体およびその製造方法 - Google Patents

膜電極接合体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カソード電極の劣化、損傷を低減できる膜電極接合体およびその製造方法を提供すること。【解決手段】電解質膜5と、電解質膜5の厚み方向一方面に形成されたアノード電極6、および厚み方向他方面に形成されたカソード電極7とを備える膜電極接合体2において、アノード電極6に、密度が高いアノード側密部分6Aと密度が低いアノード側粗部分6Bとを形成し、また、カソード電極7に、密度が高いカソード側密部分7Aと密度が低いカソード側粗部分7Bとを形成する。また、電解質膜5の厚み方向一方面にアノード電極6を形成し、厚み方向他方面にカソード電極7を形成した後、アノード電極6およびカソード電極7の表面に金属布10を配置し、その金属布10を介して、アノード電極6およびカソード電極7が形成された電解質膜5を、その厚み方向に加圧することによって、膜電極接合体2を製造する。【選択図】図3

Description

本発明は、膜電極接合体およびその製造方法に関し、具体的には、燃料電池に備えられる膜電極接合体およびその製造方法に関する。
従来、燃料電池として、燃料が供給されるアノードと、空気が供給されるカソードとが、固体高分子膜からなる電解質層を挟んで対向配置されている固体高分子形燃料電池が知られている。
また、燃料電池に採用される電極として、電解質膜と、電解質膜の一方の面に接合されたアノード電極(燃料側の電極層)と、電解質膜の他方の面に接合されたカソード電極(空気側の電極層)とを備える膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)が知られている。
膜電極接合体は、1つの発電単位(単セル)として形成されており、複数の膜電極接合体がセパレータを介して積層されることにより、膜電極接合体を積み重ねたスタック構造の燃料電池が組み立てられる。
このような膜電極接合体の製造方法としては、例えば、アニオン成分(例えば、水酸化物イオンなど)が移動可能な電解質膜を準備し、その電解質膜の厚み方向一方側の面に、アノード電極を形成するとともに、電解質膜の厚み方向他方側の面に、カソード電極を形成し、その後、それら電極が形成された電解質膜を、電解質膜の厚み方向に加圧し、さらに、電極を被覆するように拡散層を積層する方法が、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2010−238445号公報
一方、燃料電池では、アノード側に供給された燃料が、アノードにおいて反応することなく電解質層を透過し、カソード側に漏出する場合がある(クロスリーク現象)。
このような場合、カソード側に漏出した燃料によって、カソード電極に劣化、損傷などを生じる場合がある。
そこで、本発明の目的は、カソード電極の劣化、損傷を低減できる膜電極接合体およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の膜電極接合体は、燃料電池に備えられる膜電極接合体であって、電解質膜と、前記電解質膜の少なくとも厚み方向一方側の面に形成された触媒層とを備え、前記触媒層は、密度が高い密部分と、密度が低い粗部分とを備えることを特徴としている。
このような膜電極接合体では、触媒層に密部分と粗部分とが形成されているため、アノード側に供給された燃料が、粗部分からカソード側に漏出する場合にも、密部分においては燃料の漏出を抑制することができる。
そのため、このような膜電極接合体によれば、漏出燃料によるカソード電極の劣化、損傷などを低減することができる。
また、本発明の膜電極接合体では、前記密部分と前記粗部分とが、前記触媒層の全体にわたって、所定パターンとして形成されていることが好適である。
このような膜電極接合体では、密部分と粗部分とが触媒層の全体にわたって所定パターンとして形成されるため、より効果的に燃料の漏出を抑制することができる。そのため、このような膜電極接合体によれば、漏出燃料によるカソード電極の劣化、損傷などを、カソード電極の全体にわたって低減することができる。
また、本発明の膜電極接合体の製造方法は、電解質膜を準備する工程と、前記電解質膜の少なくとも厚み方向一方側の面に、触媒層を形成する工程と、前記触媒層の表面に網状板を配置し、前記網状板を介して、前記触媒層が形成された前記電解質膜を、前記電解質膜の厚み方向に加圧する工程とを含むことを特徴としている。
このような膜電極接合体の製造方法では、触媒層の表面に網状板を配置して、その網状板を介して、触媒層が形成された電解質膜を加圧するため、触媒層に密部分と粗部分とを簡易に形成することができる。
すなわち、このような膜電極接合体の製造方法によれば、触媒層に密部分と粗部分とが形成されており、漏出された燃料によるカソード電極の劣化、損傷などを低減できる膜電極接合体を、簡易に製造することができる。
本発明の膜電極接合体によれば、漏出された燃料によるカソード電極の劣化、損傷などを低減することができる。
また、本発明の膜電極接合体の製造方法によれば、漏出された燃料によるカソード電極の劣化、損傷などを低減できる膜電極接合体を、簡易に製造することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池を示す概略構成図である。 図2は、図1に示す触媒層のパターンを示す平面図であって、図2Aは、密部分および粗部分が格子パターンとして形成されている形態を示し、図2Bは、密部分および粗部分がドットパターンとして形成されている形態を示し、図2Cは、密部分および粗部分がスリットパターンとして形成されている形態を示す。 図3は、図1に示す膜電極接合体の製造工程を示す工程図であって、図3Aは、電解質膜に触媒インクをスプレーする工程、図3Bは、触媒インクを乾燥させて、触媒層を形成する工程、図3Cは、触媒層が形成された電解質膜を、金属布を介して加圧する工程、図3Dは、触媒層に、密部分および粗部分を形成する工程、図3Eは、触媒層を被覆するように電解質膜に拡散層を積層して、加圧する工程を示す。
1.燃料電池
図1において、燃料電池1は、液体または気体の燃料成分、好ましくは、液体の燃料成分が直接供給されるアニオン交換型燃料電池である。
燃料電池1に供給される燃料成分としては、例えば、メタノール、ジメチルエーテル、ヒドラジン(水加ヒドラジン、無水ヒドラジンなどを含む)などが挙げられる。
燃料成分として、好ましくは、ヒドラジンが挙げられる。また、燃料成分としてヒドラジンが用いられる場合、電池性能の向上を図る観点から、好ましくは、添加剤(例えば、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物など)が、適宜の割合で添加される。
燃料電池1は、膜電極接合体2、膜電極接合体2の一方側(アノード側)に配置された燃料供給部材3、および、膜電極接合体2の他方側(カソード側)に配置された空気供給部材4を有する燃料電池セル(単位セル)が、複数積層されたスタック構造に形成されている。なお、図1では、複数の単位セルのうち1つだけを燃料電池1として表し、その他の単位セルについては省略している。
膜電極接合体2は、電解質膜5、電解質膜5の厚み方向一方側の面(以下、単に一方面と記載する。)に形成される触媒層の一例としてのアノード電極6、電解質膜5の厚み方向他方側の面(以下、単に他方面と記載する。)に形成される触媒層の一例としてのカソード電極7、アノード電極6を被覆するアノード側拡散層8、および、カソード電極7を被覆するカソード側拡散層9を備えている。
電解質膜5は、アニオン交換型の高分子電解質膜(アニオン交換膜)、または、カチオン交換型の高分子電解質膜(カチオン交換膜)、から形成されている。好ましくは、アニオン交換膜を用いて形成されている。
アニオン交換膜としては、アニオン成分(例えば、水酸化物イオン(OH)など)が移動可能な媒体であれば、特に限定されず、例えば、4級アンモニウム基、ピリジニウム基などのアニオン交換基を有する固体高分子膜(アニオン交換樹脂)が挙げられる。
アニオン交換膜を形成する固体高分子としては、例えば、ポリスチレンおよびその変性体などの炭化水素系の固体高分子膜などが挙げられる。また、アニオン交換膜を形成する固体高分子のガラス転移温度(Tg)は、例えば、80〜200℃、好ましくは、100〜200℃である。
また、アニオン交換膜を形成する固体高分子は、その分子構造において、架橋構造を有していてもよい。
また、アニオン交換膜は、市販品として入手可能であり、例えば、セレミオン(旭硝子社製)、ネオセプタ(アストム社製)などが挙げられる。
アノード電極6は、例えば、触媒を担持した触媒担体により形成されている。また、触媒担体を用いずに、触媒を、直接、アノード電極6として形成してもよい。
触媒としては、特に制限されず、例えば、白金族元素(ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt))、鉄族元素(鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni))などの周期表第8〜10(VIII)族元素や、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)などの周期表第11(IB)族元素などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、ニッケルが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
触媒担体としては、例えば、カーボンなどの多孔質物質が挙げられる。
また、アノード電極6は、密度が高い密部分としてのアノード側密部分(凹部)6Aと、アノード側密部分6Aよりも密度が低い粗部分としてのアノード側粗部分(凸部)6Bとを備えている。
具体的には、アノード電極6は、例えば、後述する方法で加圧され、圧縮されるが、その圧力条件を、部分的に異なる条件にすることにより、比較的高い圧力で圧縮されるアノード側密部分6Aと、比較的低い圧力で圧縮されたアノード側粗部分6Bとが、形成される。
また、アノード側密部分6Aおよびアノード側粗部分6Bは、好ましくは、所定パターンとして、アノード電極6の全体にわたって形成されている。具体的には、アノード側密部分6Aおよびアノード側粗部分6Bは、例えば、図2Aに示されるように、格子パターン(図2Aでは、アノード側密部分6Aが枠部分、アノード側粗部分6Bが孔部分として示されている。)として形成される。
なお、アノード側密部分6Aおよびアノード側粗部分6Bは、上記に限定されず、例えば、図2Bに示されるドットパターン(図2Bでは、アノード側密部分6Aが枠部分、アノード側粗部分6Bが孔部分として示されている。)、図2Cに示されるようなスリットパターン(図2Cでは、アノード側密部分6Aが枠部分、アノード側粗部分6Bがスリット部分として示されている。)などとして形成されていてもよい。また、図示しないが、図2に示すパターンの逆パターンとして形成されていてもよい。
アノード電極6のアノード側密部分6Aの密度は、例えば、0.76g/cm以上、好ましくは、0.80g/cm以上であり、例えば、0.88g/cm以下、好ましくは、0.84g/cm以下である。また、アノード側密部分6Aの厚みは、例えば、20μm以上、好ましくは、30μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、40μm以下である。
また、アノード電極6のアノード側粗部分6Bの密度は、アノード側密部分6Aより低く、例えば、0.46g/cm以上であり、例えば、0.48g/cm以下である。また、アノード側粗部分6Bの厚みは、例えば、55μm以上であり、例えば、65μm以下である。
また、アノード電極6のアノード側密部分6Aとアノード側粗部分6Bとの密度の差は、例えば、0.28g/cm以上、好ましくは、0.30g/cm以上であり、例えば、0.42g/cm以下、好ましくは、0.40g/cm以下である。また、アノード側密部分6Aとアノード側粗部分6Bとの厚みの差は、例えば、15μm以上、好ましくは、25μm以上であり、例えば、35μm以下、好ましくは、30μm以下である。
カソード電極7は、例えば、アノード電極6と同様に、触媒を担持した触媒担体により形成されている。
また、カソード電極7は、例えば、錯体形成有機化合物および/または導電性高分子とカーボンとからなる複合体(以下、この複合体を「カーボンコンポジット」という。)に、遷移金属が担持されている材料により形成されてもよい。
遷移金属としては、例えば、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ランタン(La)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、銀、コバルトが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
錯体形成有機化合物は、金属原子に配位することによって、当該金属原子と錯体を形成する有機化合物であって、例えば、ピロール、ポルフィリン、テトラメトキシフェニルポルフィリン、ジベンゾテトラアザアヌレン、フタロシアニン、コリン、クロリン、フェナントロリン、サルコミンなどの錯体形成有機化合物またはこれらの重合体が挙げられる。これらのうち、好ましくは、ピロールの重合体であるポリピロール、フェナントロリン、サルコミンが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
導電性高分子としては、上記錯体形成有機化合物と重複する化合物もあるが、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリビニルカルバゾール、ポリトリフェニルアミン、ポリピリジン、ポリピリミジン、ポリキノキサリン、ポリフェニルキノキサリン、ポリイソチアナフテン、ポリピリジンジイル、ポリチエニレン、ポリパラフェニレン、ポリフルラン、ポリアセン、ポリフラン、ポリアズレン、ポリインドール、ポリジアミノアントラキノンなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、ポリピロールが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
また、カソード電極7は、上記のアノード電極6と同様に、密度が高い密部分としてのカソード側密部分(凹部)7Aと、カソード側密部分7Aよりも密度が低い粗部分としてのカソード側粗部分(凸部)7Bとを備えている。
具体的には、カソード電極7は、例えば、後述する方法で加圧され、圧縮されるが、その圧力条件を、部分的に異なる条件にすることにより、比較的高い圧力で圧縮されるカソード側密部分7Aと、比較的低い圧力で圧縮されたカソード側粗部分7Bとが、形成される。
また、カソード側密部分7Aおよびカソード側粗部分7Bは、好ましくは、所定パターンとして、カソード電極7の全体にわたって形成されている。具体的には、カソード側密部分7Aおよびカソード側粗部分7Bは、例えば、図2Aに示されるように、格子パターン(図2Aでは、カソード側密部分7Aが枠部分、カソード側粗部分7Bが孔部分として示されている。)として形成される。
なお、カソード側密部分7Aおよびカソード側粗部分7Bは、上記に限定されず、例えば、図2Bに示されるドットパターン(図2Bでは、カソード側密部分7Aが枠部分、カソード側粗部分7Bが孔部分として示されている。)、図2Cに示されるようなスリットパターン(図2Cでは、カソード側密部分7Aが枠部分、カソード側粗部分7Bがスリット部分として示されている。)などとして形成されていてもよい。また、図示しないが、図2に示すパターンの逆パターンとして形成されていてもよい。
好ましくは、アノード側密部分6Aおよびアノード側粗部分6Bと、カソード側密部分7Aおよびカソード側粗部分7Bとは、同一のパターンとして形成される。
また、好ましくは、図1に示すように、アノード電極6およびカソード電極7は、アノード側密部分6Aとカソード側密部分7Aとが互いに対向し、かつ、アノード側粗部分6Bとカソード側粗部分7Bとが互いに対向するように、それぞれ形成される。
カソード電極7のカソード側密部分7Aの密度は、例えば、0.14g/cm以上、好ましくは、0.15g/cm以上であり、例えば、0.17g/cm以下、好ましくは、0.16g/cm以下である。また、カソード側密部分7Aの厚みは、例えば、80μm以上、好ましくは、90μm以上であり、例えば、110μm以下、好ましくは、100μm以下である。
また、カソード電極7のカソード側粗部分7Bの密度は、カソード側密部分7Aより低く、例えば、0.10g/cm以上、好ましくは、0.11g/cm以上であり、例えば、0.13g/cm以下、好ましくは、0.12g/cm以下である。また、カソード側粗部分7Bの厚みは、例えば、100μm以上、好ましくは、115μm以上であり、例えば、140μm以下、好ましくは、125μm以下である。
また、カソード電極7のカソード側密部分7Aとカソード側粗部分7Bとの密度の差は、例えば、0.01g/cm以上、好ましくは、0.03g/cm以上であり、例えば、0.07g/cm以下、好ましくは、0.05g/cm以下である。また、カソード側密部分7Aとカソード側粗部分7Bとの厚みの差は、例えば、15μm以上、好ましくは、20μm以上であり、例えば、35μm以下、好ましくは、30μm以下である。
なお、このような膜電極接合体2の製造方法について、詳しくは後述する。
アノード側拡散層8としては、例えば、カーボンペーパーあるいはカーボンクロスなどが、必要によりフッ素処理されているガス透過性材料が挙げられる。また、アノード側拡散層8は、集電体としても作用する。
アノード側拡散層8は、市販品として入手可能であり、例えば、B−1 Carbon Cloth Type A No wet proofing(BASF社製)、ELAT(登録商標) LT 1400−W(BASF社製)などが挙げられる。
カソード側拡散層9としては、例えば、アノード側拡散層8として例示した、ガス透過性材料などが挙げられる。また、アノード側拡散層8と同様に、カソード側拡散層9も、集電体としても作用する。
燃料供給部材3は、ガス不透過性の導電性部材からなり、アノード電極6に液体燃料を供給する。燃料供給部材3には、その表面から凹む、例えば、葛折状などの溝が形成されている。そして、燃料供給部材3は、溝の形成された表面がアノード電極6に対向接触されている。これにより、アノード電極6の一方面と燃料供給部材3の他方面(溝の形成された表面)との間には、アノード電極6全体に燃料成分を接触させるための燃料供給路10が形成される。
燃料供給路10には、燃料成分を燃料供給部材3内に流入させるための燃料供給口11が一端側(図1における紙面下側)に形成され、燃料成分を燃料供給部材3から排出するための燃料排出口12が他端側(図1における紙面上側)に形成されている。
空気供給部材4は、ガス不透過性の導電性部材からなり、カソード電極7に空気を供給する。空気供給部材4には、その表面から凹む、例えば、葛折状などの溝が形成されている。そして、空気供給部材4は、溝の形成された表面がカソード電極7に対向接触されている。これにより、カソード電極7の他方面と空気供給部材4の一方面(溝の形成された表面)との間には、カソード電極7全体に空気を接触させるための空気供給路13が形成される。
空気供給路13には、空気を空気供給部材4内に流入させるための空気供給口14が他端側(図1における紙面上側)に形成され、空気を空気供給部材4から排出するための空気排出口15が一端側(図1における紙面下側)に形成されている。
2.膜電極接合体の製造方法
次に、本実施形態の膜電極接合体の製造方法について、図3を参照して説明する。
まず、この方法では、電解質膜5にアノード電極6およびカソード電極7を形成する。
アノード電極6およびカソード電極7を形成するには、まず、アノード電極6用の触媒インク、および、カソード電極7用の触媒インクを調製する。
アノード電極6用の触媒インクの調製には、まず、上記した触媒100質量部に対して、電解質樹脂(アイオノマ)5〜50質量部、および、溶媒100〜10000質量部を加え、攪拌することによって、アノード電極6用の触媒インクを調製する。
電解質樹脂(アイオノマ)としては、例えば、電解質膜5と同じアニオン導電性の樹脂が挙げられる。電解質樹脂(アイオノマ)は、予め溶媒に溶解されたものを用いてもよい。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール、水など、公知の溶媒が挙げられる。また、このときの攪拌温度は、好ましくは10〜30℃であり、攪拌時間は、好ましくは1〜60分間である。
カソード電極7用の触媒インクは、例えば、アノード電極6用の触媒インクと同様にして、調製する。
また、カソード電極7用の触媒インクは、例えば、カーボンコンポジットを形成した後、このカーボンコンポジットに遷移金属を担持させて、調製してもよい。
具体的には、まず、カーボン100質量部に対して100質量部〜1000質量部の溶媒を加え、攪拌することによって、溶媒にカーボンが分散したカーボン分散液を調製する。溶媒としては、例えば、上記した溶媒が挙げられる。また、このときの攪拌温度は、好ましくは10℃〜30℃であり、攪拌時間は、好ましくは10〜60分間である。
また、このとき、必要により酢酸、シュウ酸などの有機酸を添加してもよい。有機酸の添加量は、例えば、カーボン100質量部に対して、1質量部〜50質量部である。
次いで、導電性高分子および/または錯体形成有機化合物の重合体を用いる場合には、カーボン100質量部に対して、それらの総量として、例えば1〜50質量部、好ましくは、10〜20質量部の対応するモノマー(錯体形成有機化合物)をカーボン分散液に加え、攪拌する。このときの攪拌温度は、好ましくは10〜30℃であり、攪拌時間は、好ましくは1〜10分間である。
続いて、カーボン分散液中のモノマーを重合させる。重合方法としては、例えば、化学酸化重合、電解酸化重合などの酸化重合が挙げられ、好ましくは、化学酸化重合が挙げられる。
化学酸化重合では、モノマーを含有したカーボン分散液に、酸化重合用触媒を加え、攪拌することによってモノマーを重合させる。酸化重合用触媒としては、例えば、過酸化水素、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物、例えば、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸マグネシウムなどの過マンガン酸など、公知の酸化重合用触媒が挙げられる。これらのうち、好ましくは、過酸化水素が挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。また、重合温度は、好ましくは10〜30℃であり、重合時間は、好ましくは10〜90分間である。
一方、錯体形成有機化合物を重合せずに用いる場合には、カーボン100質量部に対して、例えば1〜50質量部、好ましくは、10〜20質量部の低分子錯体形成有機化合物をカーボン分散液に加え、攪拌する。このときの攪拌温度は、好ましくは50〜100℃であり、攪拌時間は、好ましくは10〜60分間である。
その後、カーボンと導電性高分子および/または錯体形成有機化合物とが分散した分散液を濾過して洗浄し、例えば、50℃〜100℃で真空乾燥する。これにより、カーボンコンポジットの乾燥粉末が得られる。
カーボンコンポジットが得られた後には、このカーボンコンポジットに遷移金属を担持させる。
具体的には、カーボンコンポジット100質量部に対して、100〜3000質量部の溶媒を加え、攪拌する。これによって、溶媒中にカーボンコンポジットが分散したカーボンコンポジット分散液を調製する。溶媒としては、例えば、上記した溶媒が挙げられる。
一方、カーボンコンポジット100質量部に対して、1〜150質量部の遷移金属を含む塩を、100〜1000質量部の溶媒に溶解させ、遷移金属溶液を調製する。
そして、この遷移金属溶液を、カーボンコンポジット分散液に加え、攪拌することによって、遷移金属溶液とカーボンコンポジット分散液との混合液を調製する。このときの攪拌温度は、好ましくは50〜100℃であり、攪拌時間は、好ましくは10〜60分間である。
続いて、調製された混合液のpHが10〜12の範囲になるまで、還元剤を含有する還元剤溶液を加え、その後、混合液を、例えば、60〜100℃で、10〜60分間放置することで、遷移金属をカーボンコンポジットに担持させ、続いて、ろ過、洗浄した後、真空乾燥することで遷移金属担持カーボンコンポジットを得る。
なお、還元剤溶液に含有される還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、ヒドラジンなど、公知の還元剤が挙げられる。これらのうち、好ましくは、水素化ホウ素ナトリウムが挙げられる。
水素化ホウ素ナトリウムを還元剤として用いる場合には、水素化ホウ素ナトリウムを水酸化ナトリウムとともに水に溶解させた水溶液として用い、かつ、窒素雰囲気下で混合液に加える。これによって、水素化ホウ素ナトリウムと酸素との接触を防止することができるので、水素化ホウ素ナトリウムが酸素と接触することによって分解されることを防止することができる。
続いて、アノード電極6用の触媒インク調製と同様に、遷移金属担持カーボンコンポジットに、アイオノマおよび溶媒を加えて、攪拌することで、カソード電極7用の触媒インクを調製する。
次いで、図3Aに示すように、電解質膜5の一方面にアノード電極6用の触媒インクを塗布し、電解質膜5の他方面にカソード電極7用の触媒インクを塗布する。
各触媒インクの塗布方法としては、例えば、スプレー法、ダイコーター法、インクジェット法など公知の塗布方法が挙げられ、好ましくは、スプレー法が挙げられる。
次いで、図3Bに示すように、塗布した各触媒インクを、例えば、10〜40℃で乾燥させる。これにより、アノード電極6およびカソード電極7が形成される。
次いで、アノード電極6にアノード側密部分6Aおよびアノード側粗部分6Bを形成し、また、カソード電極7にカソード側密部分7Aおよびカソード側粗部分7Bを形成し、これとともに、アノード電極6およびカソード電極7と、電解質膜5とを接合させる。
具体的には、例えば、まず、図3Cに示すように、アノード電極6の表面(電解質膜5に対する他方面)、および、カソード電極7の表面(電解質膜5に対する他方面)に、網状板としての金属布10を配置する。
金属布10とは、金属糸により織られた生地であって、例えば、メッシュ孔を有する網状(格子状)のシートとして形成されている。
金属布10の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、30μm以下である。
また、金属布10のメッシュ幅は、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、30μm以下である。
このような金属布10は、公知の方法により製造することができ、また、市販品として入手することもできる。
次いで、この方法では、上記の金属布10を介して、アノード電極6およびカソード電極7が形成された電解質膜5を、電解質膜5の厚み方向両側から加圧する(図3C矢印参照)。
より具体的には、例えば、1〜50MPa、好ましくは、2〜30MPaの圧力で、例えば、0.1〜10分、好ましくは、0.2〜5分、加圧する。電解質膜5を加圧するには、例えば、油圧プレス機などが用いられる。
なお、このとき、加圧と同時に加熱してもよい(ホットプレス)。ホットプレスにより、アノード電極6およびカソード電極7と、電解質膜5とを接合させる場合には、電解質膜5のTgとほぼ同じ温度で加熱しながら、上記した圧力で加圧する。加熱温度は、例えば、電解質膜5のTgと同じ温度からTgよりも40℃高い温度まで、好ましくは、電解質膜5のTgと同じ温度からTgよりも20℃高い温度までである。
ホットプレスすることにより、より低い圧力で、アノード電極6およびカソード電極7を電解質膜5に接合させることができる。
また、このような加圧では、金属布10の厚みが適宜選択されることによって、まず、プレス機などの加圧面が金属布10に接触し、その後、アノード電極6およびカソード電極7における、金属布10の金属糸に当接される部分が、加圧される。
また、このとき、アノード電極6およびカソード電極7において、金属布10の金属糸に当接されない部分は、金属布10のメッシュ孔部分から、加圧面側に向かって押し出されるとともに、プレス機により加圧される。
すなわち、このような加圧では、アノード電極6およびカソード電極7において、金属布10の金属糸が当接される部分は、それらが当接されない部分(すなわち、金属布10のメッシュ孔に対応する部分)よりも、高い圧力で加圧される。そのため、図3Dに示すように、金属布10の金属糸に対応する部分には、アノード側密部分6Aおよびカソード側密部分7Aが形成される。一方、アノード電極6およびカソード電極7において、金属布10の金属糸が当接されない部分(すなわち、メッシュ孔に対応する部分)は、比較的低い圧力で加圧される。そのため、メッシュ孔に対応する部分には、アノード側粗部分6Bおよびカソード側粗部分7Bが形成される。
また、金属布10が金網状(格子状)である場合、アノード側密部分6Aおよびアノード側粗部分6Bと、カソード側密部分7Aおよびカソード側粗部分7Bとは、それぞれ、格子状の所定パターンとして形成される(図2A参照)。
また、これとともに、上記の加圧によって、アノード電極6およびカソード電極7と、電解質膜5とが接合される。
次いで、この方法では、金属布10を取り外し、その後、アノード電極6を被覆するように、電解質膜5の一方面に、アノード側拡散層8を積層し、カソード電極7を被覆するように、電解質膜5の他方面に、カソード側拡散層9を積層する。
アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を電解質膜5に積層させるには、図3Eに示すように、電解質膜5の両側に、アノード側拡散層8がアノード電極6を被覆し、カソード側拡散層9がカソード電極7を被覆するように、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を配置して、必要により、ガスケット(図示せず)などで固定する。
また、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を電解質膜5に積層させるには、電解質膜5の両側に、アノード側拡散層8がアノード電極6を被覆し、カソード側拡散層9がカソード電極7を被覆するように、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を配置して、電解質膜5の厚み方向両側から、例えば、0.5〜30MPa、好ましくは、1〜20MPaの圧力で加圧してもよい(図3E矢印参照)。
なお、このとき、上記したアノード電極6およびカソード電極7と電解質膜5との接合と同様に、ホットプレスしてもよい。ホットプレスにより、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9と、電解質膜5とを接合させる場合には、電解質膜5のTgとほぼ同じ温度で加熱しながら、上記した圧力で加圧する。加熱温度は、例えば、電解質膜5のTgと同じ温度からTgよりも40℃高い温度まで、好ましくは、電解質膜5のTgと同じ温度からTgよりも20℃高い温度までである。
ホットプレスすることにより、より低い圧力で、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を電解質膜5に接合させることができ、よりアノード側拡散層8およびカソード側拡散層9の破損を防止することができる。
これにより、膜電極接合体2が製造される。
このような膜電極接合体2の製造方法によれば、アノード電極6にアノード側密部分6Aとアノード側粗部分6Bとが形成され、また、カソード側電極7にカソード側密部分7Aとカソード側粗部分7Bとが形成されおり、後述するように、漏出された燃料によるカソード電極7の劣化、損傷などを低減できる膜電極接合体2を、簡易に製造することができる。
3.燃料電池による発電
図1が参照されるように、上記した膜電極接合体2を備える燃料電池1では、燃料成分が燃料供給口11からアノード電極6に供給される。一方、空気が空気供給口14からカソード電極7に供給される。
アノード側では、液体燃料が、アノード電極6と接触しながら燃料供給路10を通過する。一方、カソード側では、空気が、カソード電極7と接触しながら空気供給路13を通過する。
そして、各電極(アノード電極6およびカソード電極7)において電気化学反応が生じ、起電力が発生する。例えば、液体燃料がメタノールである場合には、下記式(1)〜(3)の通りとなる。
(1) CHOH+6OH→CO+5HO+6e
(アノード電極6での反応)
(2) O+2HO+4e→4OH
(カソード電極7での反応)
(3) CHOH+3/2O→CO+2H
(燃料電池1全体での反応)
すなわち、メタノールが供給されたアノード電極6では、メタノール(CHOH)とカソード電極7での反応で生成した水酸化物イオン(OH)とが反応して、二酸化炭素(CO)および水(HO)が生成するとともに、電子(e)が発生する(上記式(1)参照)。
アノード電極6で発生した電子(e)は、図示しない外部回路を経由してカソード電極7に到達する。つまり、この外部回路を通過する電子(e)が、電流となる。
一方、カソード電極7では、電子(e)と、外部からの供給もしくは燃料電池1での反応で生成した水(HO)と、空気供給路13を流れる空気中の酸素(O)とが反応して、水酸化物イオン(OH)が生成する(上記式(2)参照)。
そして、生成した水酸化物イオン(OH)が、電解質膜5を通過してアノード電極6に到達し、上記と同様の反応(上記式(1)参照)が生じる。
このようなアノード電極6およびカソード電極7での電気化学的反応が連続的に生じることによって、燃料電池1全体として上記式(3)で表わされる反応が生じて、燃料電池1に起電力が発生する。すなわち、燃料電池1は、燃料成分を消費して発電する。
また、例えば、燃料成分がヒドラジンである場合には、電気化学反応は、下記式(4)〜(6)の通りとなる。
(4) N+4OH→N+4HO+4e
(アノード電極6での反応)
(5) O+2HO+4e→4OH
(カソード電極7での反応)
(6) N+O→N+2H
(燃料電池1全体での反応)
4.クロスリーク
上記したように、燃料電池1では、アノード側に燃料が供給されるが、その供給された燃料が、アノード電極6において反応することなく電解質膜5を透過し、カソード側に漏出する場合がある(クロスリーク現象)。
このような場合、カソード側に漏出した燃料によって、カソード電極7に劣化、損傷などを生じる場合がある。
具体的には、例えば、燃料成分としてヒドラジンを含む液体燃料を用い、また、液体燃料中に水酸化カリウムなどが添加される場合には、カソード側に燃料が漏出すると、その燃料とともに、水酸化カリウムがカソード側に漏出される。
このような場合、水酸化カリウムに由来するカリウム塩(例えば、水酸化カリウムと二酸化炭素との反応により生成する炭酸カリウムなど)が、カソード電極7の表面などに析出し、その、カリウム塩によってカソード電極7が劣化、損傷する場合がある。
また、漏出する燃料(ヒドラジンなど)によって、カソード側にOHラジカルなどが生じ、カソード電極7に含まれる電解質樹脂などが劣化、損傷する場合がある。
そのため、例えば、アノード電極6およびカソード電極7が、全体にわたって均一に形成される従来の膜電極接合体では、そのアノード電極6の全体から燃料がクロスリークする場合があり、カソード電極7の全体が劣化、損傷する場合がある。
これに対して、上記した膜電極接合体2では、アノード電極6には、密度が高いアノード側密部分6Aと、密度が低いアノード側粗部分6Bとが形成されている。また、カソード側電極7には、密度が高いカソード側密部分7Aと、密度が低いカソード側粗部分7Bとが形成されている。
このような場合、アノード側密部分6Aやカソード側密部分7Aにおいては、燃料が透過し難くなっている。
そのため、アノード側に供給された燃料が、アノード側粗部分6Bや、カソード側粗部分7Bにおいてカソード側に漏出する場合にも、アノード側密部分6Aや、カソード側密部分7Aにおいては、燃料の漏出を抑制することができる。
つまり、このような膜電極接合体2によれば、アノード側粗部分6Bや、カソード側粗部分7Bにおいてカリウム塩などが析出する場合にも、アノード側密部分6Aや、カソード側密部分7Aにおいてはカリウム塩などの析出を抑制できる。
その結果、このような膜電極接合体2によれば、漏出燃料によるカソード電極7の劣化、損傷などを低減することができる。
さらに、上記した膜電極接合体2では、アノード側密部分6Aおよびアノード側粗部分6Bが、アノード電極6の全体にわたって所定パターンとして均一に形成されており、また、カソード側密部分7Aおよびカソード側粗部分7Bが、カソード電極7の全体にわたって所定パターンとして均一に形成されているため、燃料の漏出をカソード電極7の全体にわたって抑制することができる。
とりわけ、上記の膜電極接合体2では、アノード側密部分6Aとカソード側密部分7Aとが互いに対向し、かつ、アノード側粗部分6Bとカソード側粗部分7Bとが互いに対向するように、それぞれ形成されている。
そのため、アノード側密部分6Aとカソード側密部分7Aとが対向する位置において、とりわけ良好に燃料の漏出を抑制することができる。
その結果、上記の膜電極接合体2によれば、漏出された燃料によるカソード電極の劣化、損傷などを、とりわけ良好に低減することができる。
5.作用効果
上記したように、膜電極接合体2によれば、漏出された燃料によるカソード電極7の劣化、損傷などを低減することができる。
また、上記の膜電極接合体2の製造方法によれば、漏出された燃料によるカソード電極7の劣化、損傷などを低減できる膜電極接合体2を、簡易に製造することができる。
なお、上記した実施形態では、アノード側電極6およびカソード側電極7の両方に密部分と粗部分とを形成したが、密部分および粗部分は、アノード側電極6のみ形成することができ、また。カソード側電極7のみ形成することもできる。
また、上記した実施形態では、網状板として金属布10を用いたが、網状板としては、その厚みおよびメッシュ幅などが適宜の範囲であれば、金属布10に限定されず、例えば、金網などを用いることもできる。
また、上記した実施形態では、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を、ガスケットにより固定、加圧またはホットプレスにより電解質膜5に積層したが、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を、加熱のみにより、電解質膜5に溶着(熱溶着)させてもよい。
また、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を、上記した実施形態と同様に電解質膜5の両側に配置して、膜電極接合体2を形成し、その後、複数の膜電極接合体2を積層してスタック構造を形成するときに、加圧されるようにしてもよい。
2 膜電極接合体
5 電解質膜
6 アノード電極
6A アノード側密部分
6B アノード側粗部分
7 カソード電極
7A カソード側密部分
7B カソード側粗部分
10 金属布

Claims (3)

  1. 燃料電池に備えられる膜電極接合体であって、
    電解質膜と、
    前記電解質膜の少なくとも厚み方向一方側の面に形成された触媒層とを備え、
    前記触媒層は、密度が高い密部分と、密度が低い粗部分とを備える
    ことを特徴とする、膜電極接合体。
  2. 前記密部分と前記粗部分とが、前記触媒層の全体にわたって、所定パターンとして形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の膜電極接合体。
  3. 電解質膜を準備する工程と、
    前記電解質膜の少なくとも厚み方向一方側の面に、触媒層を形成する工程と、
    前記触媒層の表面に網状板を配置し、前記網状板を介して、前記触媒層が形成された前記電解質膜を、前記電解質膜の厚み方向に加圧する工程と
    を含むことを特徴とする、膜電極接合体の製造方法。
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