JP2010238445A - 膜電極接合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】拡散層の破損を防止しながら、電解質膜、触媒層および拡散層を互いに確実に接合させることができる、膜電極接合体の製造方法を提供すること。
【解決手段】
アニオン成分が移動可能な電解質膜5の厚み方向一方面にアノード電極6を形成し、厚み方向他方面にカソード電極7を形成する工程と、アノード電極6およびカソード電極7が形成された電解質膜5を、その厚み方向に加圧する工程と、アノード電極6を被覆するようにアノード側拡散層8を積層し、カソード電極7を被覆するようにカソード側拡散層9を積層する工程とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】
アニオン成分が移動可能な電解質膜5の厚み方向一方面にアノード電極6を形成し、厚み方向他方面にカソード電極7を形成する工程と、アノード電極6およびカソード電極7が形成された電解質膜5を、その厚み方向に加圧する工程と、アノード電極6を被覆するようにアノード側拡散層8を積層し、カソード電極7を被覆するようにカソード側拡散層9を積層する工程とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、燃料電池に備えられる膜電極接合体の製造方法に関する。
燃料電池に採用される電極として、電解質膜と、電解質膜の一方の面に接合された燃料側の電極層と、電解質膜の他方の面に接合された空気側の電極層とを備える膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)が知られている。
膜電極接合体は、1つの発電単位(単セル)として形成されており、複数の膜電極接合体が、セパレータを介して積層されることにより、膜・電極接合体を積み重ねたスタック構造の燃料電池が組み立てられる。
膜電極接合体は、1つの発電単位(単セル)として形成されており、複数の膜電極接合体が、セパレータを介して積層されることにより、膜・電極接合体を積み重ねたスタック構造の燃料電池が組み立てられる。
このような燃料電池に備えられる膜電極接合体として、例えば、アニオン交換基を有する高分子電解質膜の両面に、アニオン伝導性バインダーと触媒とを含む触媒層、および、ガス拡散層を接合した膜電極接合体が知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
上記した特許文献1では、膜電極接合体を作製するために、まず、アニオン伝導性バインダーと触媒とを含む触媒ペーストを、ガス拡散層、または、アニオン交換基を有する高分子電解質膜のいずれかに塗布し、乾燥して、ガス拡散層または電解質膜のいずれかに触媒層を形成している。
そして、その後、電解質膜とガス拡散層との間に触媒層が挟まれるように、それらを積層して、電解質膜、触媒層およびガス拡散層を、一緒にホットプレスしている。
そして、その後、電解質膜とガス拡散層との間に触媒層が挟まれるように、それらを積層して、電解質膜、触媒層およびガス拡散層を、一緒にホットプレスしている。
しかし、アニオン交換基を有する高分子電解質膜は、触媒層との接着性が低いため、電解質膜と触媒層とを確実に接合させることが困難であるという不具合がある。
そのため、そのような電解質膜と触媒層とを確実に接合させるためには、プレスの条件を高温・高圧にする必要がある。
このような条件でプレスした場合には、ガス拡散層が圧力により破損するおそれがある。
そのため、そのような電解質膜と触媒層とを確実に接合させるためには、プレスの条件を高温・高圧にする必要がある。
このような条件でプレスした場合には、ガス拡散層が圧力により破損するおそれがある。
そこで、本発明の目的は、拡散層の破損を防止しながら、電解質膜、触媒層および拡散層を互いに確実に接合させることができる、膜電極接合体の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の膜電極接合体の製造方法は、アニオン成分が移動可能な電解質膜を準備する工程と、前記電解質膜の少なくとも厚み方向一方側の面に、触媒層を形成する工程と、前記触媒層が形成された前記電解質膜を、前記電解質膜の厚み方向に加圧する工程と、前記触媒層を被覆するように、前記電解質膜の少なくとも厚み方向一方側の面に、拡散層を積層する工程とを含むことを特徴としている。
この構成によれば、触媒層が形成された電解質膜を、電解質膜の厚み方向に加圧する工程と、拡散層を積層する工程とを含んでいる。
そのため、拡散層を積層する前に、電解質膜と触媒層とを確実に接合させて、その後、拡散層を電解質膜に積層することができる。
これにより、拡散層を電解質膜に積層するときには、電解質膜と触媒層との接合が完了しているため、拡散層を電解質膜に積層するだけでよい。
そのため、拡散層を積層する前に、電解質膜と触媒層とを確実に接合させて、その後、拡散層を電解質膜に積層することができる。
これにより、拡散層を電解質膜に積層するときには、電解質膜と触媒層との接合が完了しているため、拡散層を電解質膜に積層するだけでよい。
その結果、拡散層の破損を防止しながら、電解質膜、触媒層および拡散層を互いに確実に接合させることができる。
本発明の膜電極接合体の製造方法によれば、拡散層の破損を防止しながら、電解質膜、触媒層および拡散層を互いに確実に接合させることができる。
1.燃料電池
(1−1)燃料電池の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池を示す概略構成図である。
燃料電池1は、液体の燃料成分が直接供給されるアニオン交換型燃料電池である。
燃料電池1に供給される燃料成分としては、例えば、メタノール、ジメチルエーテル、ヒドラジン(水加ヒドラジン、無水ヒドラジンなどを含む)などが挙げられる。
(1−1)燃料電池の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池を示す概略構成図である。
燃料電池1は、液体の燃料成分が直接供給されるアニオン交換型燃料電池である。
燃料電池1に供給される燃料成分としては、例えば、メタノール、ジメチルエーテル、ヒドラジン(水加ヒドラジン、無水ヒドラジンなどを含む)などが挙げられる。
燃料電池1は、膜電極接合体2、膜電極接合体2の一方側(アノード側)に配置された燃料供給部材3、および、膜電極接合体2の他方側(カソード側)に配置された空気供給部材4を有する燃料電池セル(単位セル)が、複数積層されたスタック構造に形成されている。なお、図1では、複数の単位セルのうち1つだけを燃料電池1として表し、その他の単位セルについては省略している。
膜電極接合体2は、電解質膜5、電解質膜5の厚み方向一方側の面(以下、単に一方面と記載する。)に形成される触媒層の一例としてのアノード電極6、電解質膜5の厚み方向他方側の面(以下、単に一方面と記載する。)に形成される触媒層の一例としてのカソード電極7、アノード電極6を被覆する拡散層の一例としてのアノード側拡散層8、および、カソード電極7を被覆する拡散層の一例としてのカソード側拡散層9を備えている。
電解質膜5は、アニオン成分が移動可能な層であり、例えば、アニオン交換膜を用いて形成されている。
アニオン交換膜としては、アニオン成分(例えば、水酸化物イオン(OH−)など)が移動可能な媒体であれば、特に限定されず、例えば、4級アンモニウム基、ピリジニウム基などのアニオン交換基を有する固体高分子膜(アニオン交換樹脂)が挙げられる。
アニオン交換膜としては、アニオン成分(例えば、水酸化物イオン(OH−)など)が移動可能な媒体であれば、特に限定されず、例えば、4級アンモニウム基、ピリジニウム基などのアニオン交換基を有する固体高分子膜(アニオン交換樹脂)が挙げられる。
アニオン交換膜を形成する固体高分子としては、例えば、ポリスチレンおよびその変性体などの炭化水素系の固体高分子膜などが挙げられる。また、アニオン交換膜を形成する固体高分子のガラス転移温度(Tg)は、例えば、80〜200℃、好ましくは、100〜200℃である。
また、アニオン交換膜を形成する固体高分子は、その分子構造において、架橋構造を有していてもよい。
また、アニオン交換膜を形成する固体高分子は、その分子構造において、架橋構造を有していてもよい。
また、アニオン交換膜は、市販品として入手可能であり、例えば、セレミオン(旭硝子社製)、ネオセプタ(アストム社製)などが挙げられる。
アノード電極6は、例えば、触媒を担持した触媒担体により形成されている。また、触媒担体を用いずに、触媒を、直接、アノード電極6として形成してもよい。
触媒としては、特に制限されず、例えば、白金族元素(ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt))、鉄族元素(鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni))などの周期表第8〜10(VIII)族元素や、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)などの周期表第11(IB)族元素などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、ニッケルが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
アノード電極6は、例えば、触媒を担持した触媒担体により形成されている。また、触媒担体を用いずに、触媒を、直接、アノード電極6として形成してもよい。
触媒としては、特に制限されず、例えば、白金族元素(ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt))、鉄族元素(鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni))などの周期表第8〜10(VIII)族元素や、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)などの周期表第11(IB)族元素などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、ニッケルが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
触媒担体としては、例えば、カーボンなどの多孔質物質が挙げられる。
アノード電極6の厚み(乾燥後加圧前の厚み)は、例えば、10〜200μm、好ましくは、20〜100μmである。
カソード電極7は、例えば、アノード電極6と同様に、触媒を担持した触媒担体により形成されている。
アノード電極6の厚み(乾燥後加圧前の厚み)は、例えば、10〜200μm、好ましくは、20〜100μmである。
カソード電極7は、例えば、アノード電極6と同様に、触媒を担持した触媒担体により形成されている。
また、カソード電極7は、例えば、錯体形成有機化合物および/または導電性高分子とカーボンとからなる複合体(以下、この複合体を「カーボンコンポジット」という。)に、遷移金属が担持されている材料により形成されてもよい。
遷移金属としては、例えば、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ランタン(La)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、銀、コバルトが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
遷移金属としては、例えば、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ランタン(La)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、銀、コバルトが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
錯体形成有機化合物は、金属原子に配位することによって、当該金属原子と錯体を形成する有機化合物であって、例えば、ピロール、ポルフィリン、テトラメトキシフェニルポルフィリン、ジベンゾテトラアザアヌレン、フタロシアニン、コリン、クロリンなどの錯体形成有機化合物またはこれらの重合体が挙げられる。これらのうち、好ましくは、ピロールの重合体であるポリピロールが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
導電性高分子としては、上記錯体形成有機化合物と重複する化合物もあるが、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリビニルカルバゾール、ポリトリフェニルアミン、ポリピリジン、ポリピリミジン、ポリキノキサリン、ポリフェニルキノキサリン、ポリイソチアナフテン、ポリピリジンジイル、ポリチエニレン、ポリパラフェニレン、ポリフルラン、ポリアセン、ポリフラン、ポリアズレン、ポリインドール、ポリジアミノアントラキノンなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、ポリピロールが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
カソード電極7の厚み(乾燥後加圧前の厚み)は、例えば、10〜300μm、好ましくは、20〜150μmである。
アノード側拡散層8としては、例えば、カーボンペーパーあるいはカーボンクロスなどが、必要によりフッ素処理されているガス透過性材料が挙げられる。また、アノード側拡散層8は、集電体としても作用する。
アノード側拡散層8としては、例えば、カーボンペーパーあるいはカーボンクロスなどが、必要によりフッ素処理されているガス透過性材料が挙げられる。また、アノード側拡散層8は、集電体としても作用する。
アノード側拡散層8は、市販品として入手可能であり、例えば、B−1 Carbon Cloth Type A No wet proofing(BASF社製)、ELAT(登録商標) LT 1400−W(BASF社製)などが挙げられる。
カソード側拡散層9としては、例えば、アノード側拡散層8として例示した、ガス透過性材料などが挙げられる。また、アノード側拡散層8と同様に、カソード側拡散層9も、集電体としても作用する。
カソード側拡散層9としては、例えば、アノード側拡散層8として例示した、ガス透過性材料などが挙げられる。また、アノード側拡散層8と同様に、カソード側拡散層9も、集電体としても作用する。
燃料供給部材3は、ガス不透過性の導電性部材からなり、アノード電極6に液体燃料を供給する。燃料供給部材3には、その表面から凹む、例えば、葛折状などの溝が形成されている。そして、燃料供給部材3は、溝の形成された表面がアノード電極6に対向接触されている。これにより、アノード電極6の一方面と燃料供給部材3の他方面(溝の形成された表面)との間には、アノード電極6全体に燃料成分を接触させるための燃料供給路10が形成される。
燃料供給路10には、燃料成分を燃料供給部材3内に流入させるための燃料供給口11が一端側(図1における紙面上側)に形成され、燃料成分を燃料供給部材3から排出するための燃料排出口12が他端側(図1における紙面下側)に形成されている。
空気供給部材4は、ガス不透過性の導電性部材からなり、カソード電極7に空気を供給する。空気供給部材4には、その表面から凹む、例えば、葛折状などの溝が形成されている。そして、空気供給部材4は、溝の形成された表面がカソード電極7に対向接触されている。これにより、カソード電極7の他方面と空気供給部材4の一方面(溝の形成された表面)との間には、カソード電極7全体に空気を接触させるための空気供給路13が形成される。
空気供給部材4は、ガス不透過性の導電性部材からなり、カソード電極7に空気を供給する。空気供給部材4には、その表面から凹む、例えば、葛折状などの溝が形成されている。そして、空気供給部材4は、溝の形成された表面がカソード電極7に対向接触されている。これにより、カソード電極7の他方面と空気供給部材4の一方面(溝の形成された表面)との間には、カソード電極7全体に空気を接触させるための空気供給路13が形成される。
空気供給路13には、空気を空気供給部材4内に流入させるための空気供給口14が一端側(図1における紙面上側)に形成され、空気を空気供給部材4から排出するための空気排出口15が他端側(図1における紙面下側)に形成されている。
(1−2)燃料電池による発電
上記した燃料電池1では、燃料成分が燃料供給口11からアノード電極6に供給される。一方、空気が空気供給口14からカソード電極7に供給される。
(1−2)燃料電池による発電
上記した燃料電池1では、燃料成分が燃料供給口11からアノード電極6に供給される。一方、空気が空気供給口14からカソード電極7に供給される。
アノード側では、液体燃料が、アノード電極6と接触しながら燃料供給路10を通過する。一方、カソード側では、空気が、カソード電極7と接触しながら空気供給路13を通過する。
そして、各電極(アノード電極6およびカソード電極7)において電気化学反応が生じ、起電力が発生する。例えば、液体燃料がメタノールである場合には、下記式(1)〜(3)の通りとなる。
(1) CH3OH+6OH−→CO2+5H2O+6e−
(アノード電極6での反応)
(2) O2+2H2O+4e−→4OH−
(カソード電極7での反応)
(3) CH3OH+3/2O2→CO2+2H2O
(燃料電池1全体での反応)
すなわち、メタノールが供給されたアノード電極6では、メタノール(CH3OH)とカソード電極7での反応で生成した水酸化物イオン(OH−)とが反応して、二酸化炭素(CO2)および水(H2O)が生成するとともに、電子(e−)が発生する(上記式(1)参照)。
そして、各電極(アノード電極6およびカソード電極7)において電気化学反応が生じ、起電力が発生する。例えば、液体燃料がメタノールである場合には、下記式(1)〜(3)の通りとなる。
(1) CH3OH+6OH−→CO2+5H2O+6e−
(アノード電極6での反応)
(2) O2+2H2O+4e−→4OH−
(カソード電極7での反応)
(3) CH3OH+3/2O2→CO2+2H2O
(燃料電池1全体での反応)
すなわち、メタノールが供給されたアノード電極6では、メタノール(CH3OH)とカソード電極7での反応で生成した水酸化物イオン(OH−)とが反応して、二酸化炭素(CO2)および水(H2O)が生成するとともに、電子(e−)が発生する(上記式(1)参照)。
アノード電極6で発生した電子(e−)は、図示しない外部回路を経由してカソード電極7に到達する。つまり、この外部回路を通過する電子(e−)が、電流となる。
一方、カソード電極7では、電子(e−)と、外部からの供給もしくは燃料電池1での反応で生成した水(H2O)と、空気供給路13を流れる空気中の酸素(O2)とが反応して、水酸化物イオン(OH−)が生成する(上記式(2)参照)。
一方、カソード電極7では、電子(e−)と、外部からの供給もしくは燃料電池1での反応で生成した水(H2O)と、空気供給路13を流れる空気中の酸素(O2)とが反応して、水酸化物イオン(OH−)が生成する(上記式(2)参照)。
そして、生成した水酸化物イオン(OH−)が、電解質膜5を通過してアノード電極6に到達し、上記と同様の反応(上記式(1)参照)が生じる。
このようなアノード電極6およびカソード電極7での電気化学的反応が連続的に生じることによって、燃料電池1全体として上記式(3)で表わされる反応が生じて、燃料電池1に起電力が発生する。すなわち、燃料電池1は、燃料成分を消費して発電する。
このようなアノード電極6およびカソード電極7での電気化学的反応が連続的に生じることによって、燃料電池1全体として上記式(3)で表わされる反応が生じて、燃料電池1に起電力が発生する。すなわち、燃料電池1は、燃料成分を消費して発電する。
また、例えば、燃料成分がヒドラジンである場合には、電気化学反応は、下記式(4)〜(6)の通りとなる。
(4) N2H4+4OH−→N2+4H2O+4e−
(アノード電極6での反応)
(5) O2+2H2O+4e−→4OH−
(カソード電極7での反応)
(6) N2H4+O2→N2+2H2O
(燃料電池1全体での反応)
2.膜電極接合体の製造方法
図2は、図1に示す膜電極接合体の製造工程を示す工程図であって、(a)は、電解質膜に触媒インクをスプレーする工程、(b)は、触媒インクを乾燥させて、触媒層を形成する工程、(c)は、触媒層が形成された電解質膜を、加圧する工程、(d)は、触媒層を被覆するように電解質膜に拡散層を積層して、拡散層が積層された電解質膜を、加圧する工程を示す。
(4) N2H4+4OH−→N2+4H2O+4e−
(アノード電極6での反応)
(5) O2+2H2O+4e−→4OH−
(カソード電極7での反応)
(6) N2H4+O2→N2+2H2O
(燃料電池1全体での反応)
2.膜電極接合体の製造方法
図2は、図1に示す膜電極接合体の製造工程を示す工程図であって、(a)は、電解質膜に触媒インクをスプレーする工程、(b)は、触媒インクを乾燥させて、触媒層を形成する工程、(c)は、触媒層が形成された電解質膜を、加圧する工程、(d)は、触媒層を被覆するように電解質膜に拡散層を積層して、拡散層が積層された電解質膜を、加圧する工程を示す。
次に、本実施形態の膜電極接合体の製造方法について、図2を参照して説明する。
まず、この方法では、電解質膜5にアノード電極6およびカソード電極7を形成する。
アノード電極6およびカソード電極7を形成するには、まず、アノード電極6用の触媒インク、および、カソード電極7用の触媒インクを調製する。
アノード電極6用の触媒インクの調製には、まず、上記した触媒100重量部に対して、電解質樹脂(アイオノマ)5〜50重量部、および、溶媒100〜10000重量部を加え、攪拌することによって、アノード電極6用の触媒インクを調製する。
まず、この方法では、電解質膜5にアノード電極6およびカソード電極7を形成する。
アノード電極6およびカソード電極7を形成するには、まず、アノード電極6用の触媒インク、および、カソード電極7用の触媒インクを調製する。
アノード電極6用の触媒インクの調製には、まず、上記した触媒100重量部に対して、電解質樹脂(アイオノマ)5〜50重量部、および、溶媒100〜10000重量部を加え、攪拌することによって、アノード電極6用の触媒インクを調製する。
電解質樹脂(アイオノマ)としては、例えば、電解質膜5と同じアニオン導電性の樹脂が挙げられる。電解質樹脂(アイオノマ)は、予め溶媒に溶解されたものを用いてもよい。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール、水など、公知の溶媒が挙げられる。また、このときの攪拌温度は、好ましくは10〜30℃であり、攪拌時間は、好ましくは1〜60分間である。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール、水など、公知の溶媒が挙げられる。また、このときの攪拌温度は、好ましくは10〜30℃であり、攪拌時間は、好ましくは1〜60分間である。
カソード電極7用の触媒インクは、例えば、アノード電極6用の触媒インクと同様にして、調製する。
また、カソード電極7用の触媒インクは、例えば、カーボンコンポジットを形成した後、このカーボンコンポジットに遷移金属を担持させて、調製してもよい。
具体的には、まず、カーボン100重量部に対して100重量部〜1000重量部の溶媒を加え、攪拌することによって、溶媒にカーボンが分散したカーボン分散液を調製する。溶媒としては、例えば、上記した溶媒が挙げられる。また、このときの攪拌温度は、好ましくは10℃〜30℃であり、攪拌時間は、好ましくは10〜60分間である。
また、カソード電極7用の触媒インクは、例えば、カーボンコンポジットを形成した後、このカーボンコンポジットに遷移金属を担持させて、調製してもよい。
具体的には、まず、カーボン100重量部に対して100重量部〜1000重量部の溶媒を加え、攪拌することによって、溶媒にカーボンが分散したカーボン分散液を調製する。溶媒としては、例えば、上記した溶媒が挙げられる。また、このときの攪拌温度は、好ましくは10℃〜30℃であり、攪拌時間は、好ましくは10〜60分間である。
また、このとき、必要により酢酸、シュウ酸などの有機酸を添加してもよい。有機酸の添加量は、例えば、カーボン100重量部に対して、1重量部〜50重量部である。
次いで、導電性高分子および/または錯体形成有機化合物の重合体を用いる場合には、カーボン100重量部に対して、それらの総量として、例えば1〜50重量部、好ましくは、10〜20重量部の対応するモノマー(錯体形成有機化合物)をカーボン分散液に加え、攪拌する。このときの攪拌温度は、好ましくは10〜30℃であり、攪拌時間は、好ましくは1〜10分間である。
次いで、導電性高分子および/または錯体形成有機化合物の重合体を用いる場合には、カーボン100重量部に対して、それらの総量として、例えば1〜50重量部、好ましくは、10〜20重量部の対応するモノマー(錯体形成有機化合物)をカーボン分散液に加え、攪拌する。このときの攪拌温度は、好ましくは10〜30℃であり、攪拌時間は、好ましくは1〜10分間である。
続いて、カーボン分散液中のモノマーを重合させる。重合方法としては、例えば、化学酸化重合、電解酸化重合などの酸化重合が挙げられ、好ましくは、化学酸化重合が挙げられる。
化学酸化重合では、モノマーを含有したカーボン分散液に、酸化重合用触媒を加え、攪拌することによってモノマーを重合させる。酸化重合用触媒としては、例えば、過酸化水素、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物、例えば、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸マグネシウムなどの過マンガン酸など、公知の酸化重合用触媒が挙げられる。これらのうち、好ましくは、過酸化水素が挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。また、重合温度は、好ましくは10〜30℃であり、重合時間は、好ましくは10〜90分間である。
化学酸化重合では、モノマーを含有したカーボン分散液に、酸化重合用触媒を加え、攪拌することによってモノマーを重合させる。酸化重合用触媒としては、例えば、過酸化水素、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物、例えば、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸マグネシウムなどの過マンガン酸など、公知の酸化重合用触媒が挙げられる。これらのうち、好ましくは、過酸化水素が挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。また、重合温度は、好ましくは10〜30℃であり、重合時間は、好ましくは10〜90分間である。
一方、錯体形成有機化合物を重合せずに用いる場合には、カーボン100重量部に対して、例えば1〜50重量部、好ましくは、10〜20重量部の低分子錯体形成有機化合物をカーボン分散液に加え、攪拌する。このときの攪拌温度は、好ましくは50〜100℃であり、攪拌時間は、好ましくは10〜60分間である。
その後、カーボンと導電性高分子および/または錯体形成有機化合物とが分散した分散液を濾過して洗浄し、例えば、50℃〜100℃で真空乾燥する。これにより、カーボンコンポジットの乾燥粉末が得られる。
その後、カーボンと導電性高分子および/または錯体形成有機化合物とが分散した分散液を濾過して洗浄し、例えば、50℃〜100℃で真空乾燥する。これにより、カーボンコンポジットの乾燥粉末が得られる。
カーボンコンポジットが得られた後には、このカーボンコンポジットに遷移金属を担持させる。
具体的には、カーボンコンポジット100重量部に対して、100〜3000重量部の溶媒を加え、攪拌する。これによって、溶媒中にカーボンコンポジットが分散したカーボンコンポジット分散液を調製する。溶媒としては、例えば、上記した溶媒が挙げられる。
具体的には、カーボンコンポジット100重量部に対して、100〜3000重量部の溶媒を加え、攪拌する。これによって、溶媒中にカーボンコンポジットが分散したカーボンコンポジット分散液を調製する。溶媒としては、例えば、上記した溶媒が挙げられる。
一方、カーボンコンポジット100重量部に対して、1〜150重量部の遷移金属を含む塩を、100〜1000重量部の溶媒に溶解させ、遷移金属溶液を調製する。
そして、この遷移金属溶液を、カーボンコンポジット分散液に加え、攪拌することによって、遷移金属溶液とカーボンコンポジット分散液との混合液を調製する。このときの攪拌温度は、好ましくは50〜100℃であり、攪拌時間は、好ましくは10〜60分間である。
そして、この遷移金属溶液を、カーボンコンポジット分散液に加え、攪拌することによって、遷移金属溶液とカーボンコンポジット分散液との混合液を調製する。このときの攪拌温度は、好ましくは50〜100℃であり、攪拌時間は、好ましくは10〜60分間である。
続いて、調製された混合液のpHが10〜12の範囲になるまで、還元剤を含有する還元剤溶液を加え、その後、混合液を、例えば、60〜100℃で、10〜60分間放置することで、遷移金属をカーボンコンポジットに担持させ、続いて、ろ過、洗浄した後、真空乾燥することで遷移金属担持カーボンコンポジットを得る。
なお、還元剤溶液に含有される還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、ヒドラジンなど、公知の還元剤が挙げられる。これらのうち、好ましくは、水素化ホウ素ナトリウムが挙げられる。
なお、還元剤溶液に含有される還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、ヒドラジンなど、公知の還元剤が挙げられる。これらのうち、好ましくは、水素化ホウ素ナトリウムが挙げられる。
水素化ホウ素ナトリウムを還元剤として用いる場合には、水素化ホウ素ナトリウムを水酸化ナトリウムとともに水に溶解させた水溶液として用い、かつ、窒素雰囲気下で混合液に加える。これによって、水素化ホウ素ナトリウムと酸素との接触を防止することができるので、水素化ホウ素ナトリウムが酸素と接触することによって分解されることを防止することができる。
続いて、アノード電極6用の触媒インク調製と同様に、遷移金属担持カーボンコンポジットに、アイオノマおよび溶媒を加えて、攪拌することで、カソード電極7用の触媒インクを調製する。
次いで、図2(a)に示すように、電解質膜5の一方面にアノード電極6用の触媒インクを塗布し、電解質膜5の他方面にカソード電極7用の触媒インクを塗布する。
次いで、図2(a)に示すように、電解質膜5の一方面にアノード電極6用の触媒インクを塗布し、電解質膜5の他方面にカソード電極7用の触媒インクを塗布する。
各触媒インクの塗布方法としては、例えば、スプレー法、ダイコーター法、インクジェット法など公知の塗布方法が挙げられ、好ましくは、スプレー法が挙げられる。
次いで、図2(b)に示すように、塗布した各触媒インクを、例えば、10〜40℃で乾燥させる。これにより、アノード電極6およびカソード電極7の形成が完了する。
次いで、アノード電極6およびカソード電極7と、電解質膜5とを接合させる。
次いで、図2(b)に示すように、塗布した各触媒インクを、例えば、10〜40℃で乾燥させる。これにより、アノード電極6およびカソード電極7の形成が完了する。
次いで、アノード電極6およびカソード電極7と、電解質膜5とを接合させる。
アノード電極6およびカソード電極7と、電解質膜5とを接合させるには、図2(c)に示すように、アノード電極6およびカソード電極7が形成された電解質膜5を、電解質膜5の厚み方向両側から、例えば、1〜50MPa、好ましくは、2〜30MPaの圧力で、例えば、0.1〜10分、好ましくは、0.2〜5分、加圧する。電解質膜5を加圧するには、例えば、油圧プレス機などが用いられる。
なお、このとき、加圧と同時に加熱してもよい(ホットプレス)。ホットプレスにより、アノード電極6およびカソード電極7と、電解質膜5とを接合させる場合には、電解質膜5のTgとほぼ同じ温度で加熱しながら、上記した圧力で加圧する。加熱温度は、例えば、電解質膜5のTgと同じ温度からTgよりも40℃高い温度まで、好ましくは、電解質膜5のTgと同じ温度からTgよりも20℃高い温度までである。
ホットプレスすることにより、より低い圧力で、アノード電極6およびカソード電極7を電解質膜5に接合させることができる。
次いで、アノード電極6を被覆するように、電解質膜5の一方面に、アノード側拡散層8を積層し、カソード電極7を被覆するように、電解質膜5の他方面に、カソード側拡散層9を積層する。
次いで、アノード電極6を被覆するように、電解質膜5の一方面に、アノード側拡散層8を積層し、カソード電極7を被覆するように、電解質膜5の他方面に、カソード側拡散層9を積層する。
アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を電解質膜5に積層させるには、図2(d)に示すように、電解質膜5の両側に、アノード側拡散層8がアノード電極6を被覆し、カソード側拡散層9がカソード電極7を被覆するように、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を配置して、必要により、ガスケット(図示せず)などで固定する。
また、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を電解質膜5に積層させるには、電解質膜5の両側に、アノード側拡散層8がアノード電極6を被覆し、カソード側拡散層9がカソード電極7を被覆するように、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を配置して、電解質膜5の厚み方向両側から、例えば、0.5〜30MPa、好ましくは、1〜20MPaの圧力で加圧してもよい。
また、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を電解質膜5に積層させるには、電解質膜5の両側に、アノード側拡散層8がアノード電極6を被覆し、カソード側拡散層9がカソード電極7を被覆するように、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を配置して、電解質膜5の厚み方向両側から、例えば、0.5〜30MPa、好ましくは、1〜20MPaの圧力で加圧してもよい。
なお、このとき、上記したアノード電極6およびカソード電極7と電解質膜5との接合と同様に、ホットプレスしてもよい。ホットプレスにより、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9と、電解質膜5とを接合させる場合には、電解質膜5のTgとほぼ同じ温度で加熱しながら、上記した圧力で加圧する。加熱温度は、例えば、電解質膜5のTgと同じ温度からTgよりも40℃高い温度まで、好ましくは、電解質膜5のTgと同じ温度からTgよりも20℃高い温度までである。
ホットプレスすることにより、より低い圧力で、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を電解質膜5に接合させることができ、よりアノード側拡散層8およびカソード側拡散層9の破損を防止することができる。
これにより、膜電極接合体2が製造される。
3.作用効果
この膜電極接合体2の製造方法によれば、アノード電極6およびカソード電極7が形成された電解質膜5を、電解質膜5の厚み方向に加圧する工程と、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を積層する工程とを含んでいる。
これにより、膜電極接合体2が製造される。
3.作用効果
この膜電極接合体2の製造方法によれば、アノード電極6およびカソード電極7が形成された電解質膜5を、電解質膜5の厚み方向に加圧する工程と、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を積層する工程とを含んでいる。
そのため、まず、電解質膜5と、アノード電極6およびカソード電極7とを確実に接合させて、その後、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を、電解質膜5に積層することができる。
これにより、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を、電解質膜5に積層するときには、電解質膜5と、アノード電極6およびカソード電極7との接合が完了しているため、比較的低い圧力で加圧し、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9と、電解質膜5とを接合させるだけでよい。
これにより、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を、電解質膜5に積層するときには、電解質膜5と、アノード電極6およびカソード電極7との接合が完了しているため、比較的低い圧力で加圧し、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9と、電解質膜5とを接合させるだけでよい。
その結果、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9の破損を防止しながら、アノード側においては、電解質膜5、アノード電極6およびアノード側拡散層8を互いに確実に接合させることができ、カソード側においては、電解質膜5、カソード電極7およびカソード側拡散層9を互いに確実に接合させることができる。
なお、上記した実施形態では、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を、ガスケットにより固定、加圧またはホットプレスにより電解質膜5に積層したが、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を、加熱のみにより、電解質膜5に溶着(熱溶着)させてもよい。
なお、上記した実施形態では、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を、ガスケットにより固定、加圧またはホットプレスにより電解質膜5に積層したが、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を、加熱のみにより、電解質膜5に溶着(熱溶着)させてもよい。
また、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を、上記した実施形態と同様に電解質膜5の両側に配置して、膜電極接合体2を形成し、その後、複数の膜電極接合体2を積層してスタック構造を形成するときに、加圧されるようにしてもよい。
1)膜電極接合体の製造
(実施例)
1.アノード電極およびカソード電極の形成
(1−1)アノード電極用の触媒インクの調製
ニッケルのナノ粒子、予め5重量%になるように溶媒に溶解希釈したアニオン交換樹脂溶液(アイオノマ溶液)、および、溶媒(THF+1−propanol)を混合し、25℃で15分間撹拌することにより、ニッケル触媒の分散液を調製した。
(実施例)
1.アノード電極およびカソード電極の形成
(1−1)アノード電極用の触媒インクの調製
ニッケルのナノ粒子、予め5重量%になるように溶媒に溶解希釈したアニオン交換樹脂溶液(アイオノマ溶液)、および、溶媒(THF+1−propanol)を混合し、25℃で15分間撹拌することにより、ニッケル触媒の分散液を調製した。
このニッケル触媒の分散液を、アノード電極用の触媒インクとして用いた。
(1−2)カソード触媒用の触媒インクの調製
(1−2−1)ポリピロールカーボンコンポジット(PPy−C)の作製
純水に、カーボンと酢酸とを加え、室温(約25℃)で20分間攪拌して、カーボンが分散したカーボン分散液を調製した。
(1−2)カソード触媒用の触媒インクの調製
(1−2−1)ポリピロールカーボンコンポジット(PPy−C)の作製
純水に、カーボンと酢酸とを加え、室温(約25℃)で20分間攪拌して、カーボンが分散したカーボン分散液を調製した。
次いで、このカーボン分散液にピロールを加え、室温で5分間攪拌した。さらに、このカーボン分散液に濃度10%の過酸化水素を加え、室温で1時間攪拌することにより、ピロールを酸化重合させた。
その後、このカーボン分散液を濾過して温水洗浄し、90℃で真空乾燥した。これにより、カーボン上にピロールが重合したPPy−C乾燥粉末を得た。
(1−2−2)コバルト担持ポリピロールカーボンの作製
PPy−C乾燥粉末を純水に加え、窒素雰囲気で、80℃まで加熱しながら30分間攪拌して、PPy−Cが分散したPPy−C分散液を得た。
その後、このカーボン分散液を濾過して温水洗浄し、90℃で真空乾燥した。これにより、カーボン上にピロールが重合したPPy−C乾燥粉末を得た。
(1−2−2)コバルト担持ポリピロールカーボンの作製
PPy−C乾燥粉末を純水に加え、窒素雰囲気で、80℃まで加熱しながら30分間攪拌して、PPy−Cが分散したPPy−C分散液を得た。
次いで、硝酸コバルト(II)六水和物を、窒素雰囲気で、純水に溶解させ、コバルト含有水溶液を調製した。そして、このコバルト含有水溶液を、PPy−C分散液に加え、窒素雰囲気で、80℃で30分間攪拌することによって、コバルト−PPy−C混合液を得た。
続いて、水素化ホウ素ナトリウムと水酸化ナトリウムとを、窒素雰囲気で、純水に溶解させ、アルカリ水溶液を調製した。次いで、窒素雰囲気で、コバルト−PPy−C混合液のpHが11.1になるまで、アルカリ水溶液を徐々に加えた後、80℃で30分間放置した。ろ過の後、80℃の温水にて洗浄し、80℃で12時間真空乾燥することで、コバルト担持ポリピロールカーボン(CoPPyC)を調製した。
続いて、水素化ホウ素ナトリウムと水酸化ナトリウムとを、窒素雰囲気で、純水に溶解させ、アルカリ水溶液を調製した。次いで、窒素雰囲気で、コバルト−PPy−C混合液のpHが11.1になるまで、アルカリ水溶液を徐々に加えた後、80℃で30分間放置した。ろ過の後、80℃の温水にて洗浄し、80℃で12時間真空乾燥することで、コバルト担持ポリピロールカーボン(CoPPyC)を調製した。
このコバルト担持ポリピロールカーボン(CoPPyC)に、予め5重量%になるように溶媒に溶解希釈したアニオン交換樹脂溶液(アイオノマ溶液)、および、溶媒を加え、25℃で15分間攪拌したものを、カソード電極用の触媒インクとして用いた。
(1−3)各触媒インクの塗布および乾燥
アノード電極用の触媒インクを、電解質膜の一方面に、スプレー法により塗布した。また、カソード電極用の触媒インクを、電解質膜の他方面に、スプレー法により塗布した(図2(a)参照)。
(1−3)各触媒インクの塗布および乾燥
アノード電極用の触媒インクを、電解質膜の一方面に、スプレー法により塗布した。また、カソード電極用の触媒インクを、電解質膜の他方面に、スプレー法により塗布した(図2(a)参照)。
その後、25℃で乾燥することにより、厚み100μmのアノード電極、および、厚み150μmのカソード電極を形成した(図2(b)参照)。
2.アノード電極およびカソード電極と、電解質膜との接合
次いで、アノード電極およびカソード電極が形成された電解質膜を、電解質膜の厚み方向両側から、30MPaの圧力で、0.5分間、加圧して、アノード電極およびカソード電極と、電解質膜とを接合させた。
2.アノード電極およびカソード電極と、電解質膜との接合
次いで、アノード電極およびカソード電極が形成された電解質膜を、電解質膜の厚み方向両側から、30MPaの圧力で、0.5分間、加圧して、アノード電極およびカソード電極と、電解質膜とを接合させた。
なお、このとき、付着防止のため、アノード電極およびカソード電極が形成された電解質膜を、PETフィルムで挟んで加圧した。
3.アノード側拡散層およびカソード側拡散層と、電解質膜との接合
次いで、アノード電極を被覆するように、電解質膜の一方面に、アノード側拡散層(B−1 Carbon Cloth Type A No wet proofing:BASF社製)を積層し、カソード電極を被覆するように、電解質膜の他方面に、カソード側拡散層(ELAT(登録商標) LT 1400−W:BASF社製)を積層した。
3.アノード側拡散層およびカソード側拡散層と、電解質膜との接合
次いで、アノード電極を被覆するように、電解質膜の一方面に、アノード側拡散層(B−1 Carbon Cloth Type A No wet proofing:BASF社製)を積層し、カソード電極を被覆するように、電解質膜の他方面に、カソード側拡散層(ELAT(登録商標) LT 1400−W:BASF社製)を積層した。
これにより、膜電極接合体を得た。
(比較例)
アノード電極およびカソード電極と、電解質膜とを接合させてから、アノード側拡散層およびカソード側拡散層と、電解質膜とを接合させる替わりに、アノード電極およびカソード電極を電解質膜に形成した後、その電解質膜にアノード側拡散層およびカソード側拡散層とを積層させて、30MPaの圧力で、0.5分間、加圧した以外は、上記した実施例と同様にして、膜電極接合体を得た。
2)発電試験
上記実施例および比較例で得られた膜電極接合体に、それぞれ、燃料供給部材および空気供給部材を設け、単セルユニットを形成した。
(比較例)
アノード電極およびカソード電極と、電解質膜とを接合させてから、アノード側拡散層およびカソード側拡散層と、電解質膜とを接合させる替わりに、アノード電極およびカソード電極を電解質膜に形成した後、その電解質膜にアノード側拡散層およびカソード側拡散層とを積層させて、30MPaの圧力で、0.5分間、加圧した以外は、上記した実施例と同様にして、膜電極接合体を得た。
2)発電試験
上記実施例および比較例で得られた膜電極接合体に、それぞれ、燃料供給部材および空気供給部材を設け、単セルユニットを形成した。
これらの単セルユニットに対して、アノード側には、水加ヒドラジン1mol/dm3−1N−KOH水溶液を、2mL/minの速度で供給し、カソード側には、空気を0.5L/minの速度で供給した。運転条件は、供給圧を120kPa・absとし、セル運転温度は80℃とした。実施例において、開放電圧および電流密度の向上が確認された。結果を表1に示す。
2 膜電極接合体
5 電解質膜
6 アノード電極
7 カソード電極
8 アノード側拡散層
9 カソード側拡散層
5 電解質膜
6 アノード電極
7 カソード電極
8 アノード側拡散層
9 カソード側拡散層
Claims (1)
- アニオン成分が移動可能な電解質膜を準備する工程と、
前記電解質膜の少なくとも厚み方向一方側の面に、触媒層を形成する工程と、
前記触媒層が形成された前記電解質膜を、前記電解質膜の厚み方向に加圧する工程と、
前記触媒層を被覆するように、前記電解質膜の少なくとも厚み方向一方側の面に、拡散層を積層する工程と
を含むことを特徴とする、膜電極接合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009083334A JP2010238445A (ja) | 2009-03-30 | 2009-03-30 | 膜電極接合体の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015125888A (ja) * | 2013-12-26 | 2015-07-06 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 | アニオン伝導電解質膜及びその製造方法 |
-
2009
- 2009-03-30 JP JP2009083334A patent/JP2010238445A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015125888A (ja) * | 2013-12-26 | 2015-07-06 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 | アニオン伝導電解質膜及びその製造方法 |
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