JP2015170484A - 膜電極接合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電性能および耐久性に優れる燃料電池を製造できる膜電極接合体を提供すること。
【解決手段】カソード触媒を溶媒に配合し、分散エネルギーが0.5Wh/mLを超過する条件で1次分散させ、得られる1次分散液に電解質樹脂を配合し、2次分散させることによりカソード触媒インクを調製し、電解質膜5の厚み方向一方面に、カソード触媒インクを塗布および乾燥させることによってカソード電極7を形成することにより、膜電極接合体2を得る。
【選択図】図2

Description

本発明は、膜電極接合体、詳しくは、燃料電池に備えられる膜電極接合体に関する。
燃料電池に採用される電極として、電解質膜と、電解質膜の一方の面に接合された燃料側の電極層(アノード)と、電解質膜の他方の面に接合された空気側の電極層(カソード)とを備える膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)が知られている。
膜電極接合体は、1つの発電単位(単セル)として形成されており、複数の膜電極接合体が、セパレータを介して積層されることにより、膜電極接合体を積み重ねたスタック構造の燃料電池が組み立てられる。
このような膜電極接合体は、例えば、アニオン成分が移動可能な電解質膜の厚み方向一方側面に、触媒層(アノード触媒層および/またはカソード触媒層)を形成し、また、その触媒層を被覆するように拡散層を積層することによって、製造される(例えば、特許文献1参照。)。
また、このような膜電極接合体のカソードに使用される触媒として、例えば、フェナントロリン鉄錯体を高温で焼成してなる酸素還元触媒が知られており、酸素還元触媒は、電解質樹脂(ナフィオン(商標登録)、アルドリッチ社製)および溶媒(エタノール、水)に配合された後、超音波処理により撹拌混合され、触媒インクとして調製される。そして、このような触媒インクが電解質膜に塗布および乾燥されることにより、膜電極接合体が形成される(例えば、非特許文献1参照。)。
特開2010−238445号公報
Michel Lefevre 他3名、「Iron−Based Catalysts with Improved Oxygen Reduction Activity in Polymer Electrolyte Fuel Cells」、2009年4月3日、SCIENCE/AAAS 324,71(2009)
しかるに、燃料電池の技術分野では、発電性能および耐久性のさらなる向上が要求されている。
そこで、本発明の目的は、発電性能および耐久性に優れる燃料電池を製造できる膜電極接合体を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の膜電極接合体は、カソード触媒を溶媒に配合し、分散エネルギーが0.5Wh/mLを超過する条件で1次分散させ、得られる1次分散液に電解質樹脂を配合し、2次分散させることによりカソード触媒インクを調製し、電解質膜の厚み方向一方面に、前記カソード触媒インクを塗布および乾燥させることによってカソード触媒層を形成することにより得られることを特徴としている。
また、本発明の膜電極接合体は、前記カソード触媒インクの調製において、前記電解質樹脂の配合割合が、前記カソード触媒1質量部に対して、13質量部以上20質量部未満であることが好適である。
本発明の膜電極接合体によれば、燃料電池の発電性能および耐久性の向上を図ることができる。
図1は、本発明の膜電極接合体が用いられる燃料電池の一実施形態を示す概略図である。 図2は、図1に示す膜電極接合体の製造に用いられる触媒インクを調製するためのフロー図である。 図3は、図1に示す膜電極接合体の製造工程を示す工程図であって、図3Aは、電解質膜に触媒インクをスプレーする工程、図3Bは、触媒インクを乾燥させて、触媒層を形成する工程、図3Cは、触媒層を被覆するように電解質膜に拡散層を積層して、加圧する工程を示す。 図4は、各実施例および比較例におけるセル発電特性の測定結果を示す。 図5は、発電試験後における実施例1の膜電極接合体のカソード電極を示す。 図6は、発電試験後における実施例2の膜電極接合体のカソード電極を示す。 図7は、発電試験後における実施例3の膜電極接合体のカソード電極を示す。 図8は、発電試験後における比較例1の膜電極接合体のカソード電極を示す。
1.燃料電池
図1において、燃料電池1は、液体または気体の燃料成分、好ましくは、液体の燃料成分が直接供給されるアニオン交換型燃料電池である。
燃料電池1に供給される燃料成分としては、例えば、メタノール、ジメチルエーテル、ヒドラジン(水加ヒドラジン、無水ヒドラジンなどを含む)などが挙げられる。
燃料成分として、好ましくは、ヒドラジンが挙げられる。また、燃料成分としてヒドラジンが用いられる場合、電池性能の向上を図る観点から、好ましくは、添加剤(例えば、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物など)が、適宜の割合で添加される。
燃料電池1は、膜電極接合体2、膜電極接合体2の一方側(アノード側)に配置された燃料供給部材3、および、膜電極接合体2の他方側(カソード側)に配置された空気供給部材4を有する燃料電池セル(単位セル)が、複数積層されたスタック構造に形成されている。なお、図1では、複数の単位セルのうち1つだけを燃料電池1として表し、その他の単位セルについては省略している。
膜電極接合体2は、電解質膜5、電解質膜5の厚み方向一方側の面(以下、単に一方面と記載する。)に形成されるアノード触媒層としてのアノード電極6、電解質膜5の厚み方向他方側の面(以下、単に他方面と記載する。)に形成されるカソード触媒層としてのカソード電極7、アノード電極6を被覆するアノード側拡散層8、および、カソード電極7を被覆するカソード側拡散層9を備えている。
電解質膜5は、アニオン交換型の高分子電解質膜(アニオン交換膜)、または、カチオン交換型の高分子電解質膜(カチオン交換膜)、から形成されている。好ましくは、アニオン交換膜を用いて形成されている。
アニオン交換膜としては、アニオン成分(例えば、水酸化物イオン(OH)など)が移動可能な媒体であれば、特に限定されず、例えば、4級アンモニウム基、ピリジニウム基などのアニオン交換基を有する固体高分子膜(アニオン交換樹脂)が挙げられる。
アニオン交換膜を形成する固体高分子としては、例えば、ポリスチレンおよびその変性体などの炭化水素系の固体高分子膜などが挙げられる。また、アニオン交換膜を形成する固体高分子のガラス転移温度(Tg)は、例えば、80〜200℃、好ましくは、100〜200℃である。
また、アニオン交換膜を形成する固体高分子は、その分子構造において、架橋構造を有していてもよい。
また、アニオン交換膜は、市販品として入手可能であり、例えば、セレミオン(旭硝子社製)、ネオセプタ(アストム社製)などが挙げられる。
アノード電極6は、例えば、アノード触媒を担持した触媒担体により形成されている。また、触媒担体を用いずに、アノード触媒を、直接、アノード電極6として形成してもよい。
アノード触媒としては、特に制限されず、例えば、白金族元素(ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt))、鉄族元素(鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni))などの周期表第8〜10(VIII)族元素や、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)などの周期表第11(IB)族元素などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、ニッケルが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
触媒担体としては、例えば、カーボンなどの多孔質物質が挙げられる。
アノード電極6の厚みは、例えば、10〜200μm、好ましくは、20〜100μmである。
カソード電極7は、例えば、アノード電極6と同様に、カソード触媒を担持した触媒担体により形成されている。また、触媒担体を用いずに、カソード触媒を、直接、カソード電極7として形成してもよい。
カソード触媒としては、例えば、錯体形成有機化合物および/または導電性高分子とカーボンとからなる複合体(以下、この複合体を「カーボンコンポジット」という。)に、遷移金属が担持されている材料などが挙げられる。
遷移金属としては、例えば、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ランタン(La)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、銀、コバルトが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
錯体形成有機化合物は、金属原子に配位することによって、当該金属原子と錯体を形成する有機化合物であって、例えば、ピロール、ポルフィリン、テトラメトキシフェニルポルフィリン、ジベンゾテトラアザアヌレン、フタロシアニン、コリン、クロリン、フェナントロリン、サルコミンなどの錯体形成有機化合物またはこれらの重合体が挙げられる。これらのうち、好ましくは、ピロールの重合体であるポリピロール、フェナントロリン、サルコミンが挙げられ、とりわけ好ましくは、フェナントロリンが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
導電性高分子としては、上記錯体形成有機化合物と重複する化合物もあるが、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリビニルカルバゾール、ポリトリフェニルアミン、ポリピリジン、ポリピリミジン、ポリキノキサリン、ポリフェニルキノキサリン、ポリイソチアナフテン、ポリピリジンジイル、ポリチエニレン、ポリパラフェニレン、ポリフルラン、ポリアセン、ポリフラン、ポリアズレン、ポリインドール、ポリジアミノアントラキノンなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、ポリピロールが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
カソード電極7の厚みは、例えば、10〜300μm、好ましくは、20〜150μmである。
アノード側拡散層8としては、例えば、カーボンペーパーあるいはカーボンクロスなどが、必要によりフッ素処理されているガス透過性材料が挙げられる。また、アノード側拡散層8は、集電体としても作用する。
アノード側拡散層8は、市販品として入手可能であり、例えば、B−1 Carbon Cloth Type A No wet proofing(BASF社製)、ELAT(登録商標) LT 1400−W(BASF社製)などが挙げられる。
カソード側拡散層9としては、例えば、アノード側拡散層8として例示した、ガス透過性材料などが挙げられる。また、アノード側拡散層8と同様に、カソード側拡散層9も、集電体としても作用する。
燃料供給部材3は、ガス不透過性の導電性部材からなり、アノード電極6に液体燃料を供給する。燃料供給部材3には、その表面から凹む、例えば、葛折状などの溝が形成されている。そして、燃料供給部材3は、溝の形成された表面がアノード電極6に対向接触されている。これにより、アノード電極6の一方面と燃料供給部材3の他方面(溝の形成された表面)との間には、アノード電極6全体に燃料成分を接触させるための燃料供給路10が形成される。
燃料供給路10には、燃料成分を燃料供給部材3内に流入させるための燃料供給口11が一端側(図1における紙面下側)に形成され、燃料成分を燃料供給部材3から排出するための燃料排出口12が他端側(図1における紙面上側)に形成されている。
空気供給部材4は、ガス不透過性の導電性部材からなり、カソード電極7に空気を供給する。空気供給部材4には、その表面から凹む、例えば、葛折状などの溝が形成されている。そして、空気供給部材4は、溝の形成された表面がカソード電極7に対向接触されている。これにより、カソード電極7の他方面と空気供給部材4の一方面(溝の形成された表面)との間には、カソード電極7全体に空気を接触させるための空気供給路13が形成される。
空気供給路13には、空気を空気供給部材4内に流入させるための空気供給口14が他端側(図1における紙面上側)に形成され、空気を空気供給部材4から排出するための空気排出口15が一端側(図1における紙面下側)に形成されている。
2.膜電極接合体の製造方法
次に、膜電極接合体2の製造方法について、図2および図3を参照して説明する。
この方法では、まず、図2に示すように、電解質膜5に電極(アノード電極6およびカソード電極7)を形成するための触媒インクを調製する。
より具体的には、まず、カソード電極7の触媒インクの調製として、上記したカソード触媒を溶媒に配合し、分散させることにより、1次分散液を調製する(1次分散工程)。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール、水など、公知の溶媒が挙げられる。これら溶媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
溶媒の配合割合は、カソード触媒1質量部に対して、例えば、20質量部以上、好ましくは、30質量部以上であり、例えば、80質量部以下、好ましくは、60質量部以下である。
分散方法としては、特に制限されず、例えば、ホモミキサー、ディスパー、超音波分散機、ホモジナイザー、マイルダー、多孔膜圧入分散機などの分散機を用いることができる。分散機として、好ましくは、ホモジナイザーが挙げられる。
そして、1次分散においては、分散エネルギーが0.5Wh/mLを超過するように、分散条件が調整される。
分散エネルギーは、分散機の出力(W)と作動時間(時間(h))とから求められるエネルギー(Wh)を、1次分散液の体積(mL)で除することにより求められる。
例えば、1次分散時の分散機の出力は、例えば、3W以上、好ましくは、5W以上であり、例えば、10W以下、好ましくは、8W以下である。
また、分散機の作動時間が、例えば、0.5時間以上、好ましくは、1時間以上であり、例えば、4時間以下、好ましくは、2時間以下である。
また、1次分散液の体積は、例えば、1mL以上、好ましくは、2mL以上であり、例えば、10mL以下、好ましくは、8mL以下である。
そして、これらから算出される分散エネルギーが、1次分散においては、0.5Wh/mLを超過し、好ましくは、1.3Wh/mL以上、より好ましくは、2.6Wh/mL以上であり、通常、10Wh/mL以下である。
1次分散における分散エネルギーが上記範囲であれば、発電性能および耐久性に優れる膜電極接合体2を得ることができる。
次いで、この方法では、得られる1次分散液に、電解質樹脂(アイオノマ)を配合し、2次分散させることにより、2次分散液を調製する(2次分散工程)。
電解質樹脂(アイオノマ)としては、例えば、電解質膜5と同じアニオン導電性の樹脂が挙げられる。電解質樹脂(アイオノマ)は、予め溶媒に溶解されたものを用いてもよい。また、電解質樹脂(アイオノマ)は、単独使用または2種類以上併用することができる。
電解質樹脂(アイオノマ)の配合割合は、カソード触媒1質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは、13質量部以上、より好ましくは、15質量部以上であり、例えば、30質量部以下、好ましくは、20質量部未満、より好ましくは、18質量部未満である。
分散方法としては、特に制限されず、上記の1次分散に用いられる分散機と同様の分散機を用いることができる。分散機として、好ましくは、ホモジナイザーが挙げられる。
2次分散において、分散機の出力は、例えば、3W以上、好ましくは、5W以上であり、例えば、10W以下、好ましくは、8W以下である。
また、分散機の作動時間が、例えば、1分以上、好ましくは、2分以上であり、例えば、10分以下、好ましくは、5分以下である。
また、2次分散液の体積は、例えば、1mL以上、好ましくは、2mL以上であり、例えば、10mL以下、好ましくは、8mL以下である。
そして、これらから算出される分散エネルギーが、2次分散においては、例えば、0.005Wh/mL以上、好ましくは、0.01Wh/mL以上、より好ましくは、0.02Wh/mL以上であり、通常、2Wh/mL以下である。
また、この方法では、必要に応じて、得られる2次分散液に、バインダー樹脂を配合することもできる。
バインダー樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、フルオロオレフィンビニルエーテル共重合体架橋ポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸などが挙げられる。これらバインダー樹脂は、単独使用または2種類以上併用することができる。バインダー樹脂として、好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が挙げられる。
バインダー樹脂の配合割合は、カソード触媒1質量部に対して、例えば、0.02質量部以上、好ましくは、0.04質量部以上、より好ましくは、0.06質量部以上であり、例えば、0.2質量部以下、好ましくは、0.1質量部未満、より好ましくは、0.08質量部未満である。
その後、この方法では、上記の分散機や公知の混合機(例えば、ボールミルなど)によって混合する。これにより、カソード触媒インクを得ることができる。
カソード触媒インクにおいて、カソード触媒の粒子径は、例えば、60μm以下、好ましくは、30μm以下であり、通常、10μm以上である。なお、カソード触媒の粒子径は、顕微鏡法(具体的には、電子顕微鏡(SEM、TEMなど)観察)によって測定される。
また、アノード電極6を形成するためのアノード触媒インクは、特に制限されず、公知の方法で調製することができ、また、上記したカソード電極7を形成するためのカソード触媒インクと同様にして、調製する。
次いで、この方法では、図3Aに示すように、電解質膜5の一方面にアノード電極6を形成するための触媒インクを塗布し、電解質膜5の他方面にカソード電極7を形成するための触媒インクを塗布する。
各触媒インクの塗布方法としては、例えば、スプレー法、ダイコーター法、インクジェット法など公知の塗布方法が挙げられ、好ましくは、スプレー法が挙げられる。
次いで、図3Bに示すように、塗布した各触媒インクを、例えば、10〜40℃で乾燥させる。これにより、アノード電極6およびカソード電極7が形成される。
次いで、この方法では、アノード電極6を被覆するように、電解質膜5の一方面に、アノード側拡散層8を積層し、カソード電極7を被覆するように、電解質膜5の他方面に、カソード側拡散層9を積層する。
アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を電解質膜5に積層させるには、図3Cに示すように、電解質膜5の両側に、アノード側拡散層8がアノード電極6を被覆し、カソード側拡散層9がカソード電極7を被覆するように、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を配置して、必要により、ガスケット(図示せず)などで固定する。
また、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を電解質膜5に積層させるには、電解質膜5の両側に、アノード側拡散層8がアノード電極6を被覆し、カソード側拡散層9がカソード電極7を被覆するように、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を配置して、電解質膜5の厚み方向両側から、例えば、0.5〜30MPa、好ましくは、1〜20MPaの圧力で加圧してもよい(図3C矢印参照)。
なお、このとき、上記したアノード電極6およびカソード電極7と電解質膜5との接合と同様に、ホットプレスしてもよい。ホットプレスにより、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9と、電解質膜5とを接合させる場合には、電解質膜5のTgとほぼ同じ温度で加熱しながら、上記した圧力で加圧する。加熱温度は、例えば、電解質膜5のTgと同じ温度からTgよりも40℃高い温度まで、好ましくは、電解質膜5のTgと同じ温度からTgよりも20℃高い温度までである。
ホットプレスすることにより、より低い圧力で、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を電解質膜5に接合させることができ、よりアノード側拡散層8およびカソード側拡散層9の破損を防止することができる。
これにより、膜電極接合体2が製造される。
3.燃料電池による発電
図1が参照されるように、上記した膜電極接合体2を備える燃料電池1では、燃料成分が燃料供給口11からアノード電極6に供給される。一方、空気が空気供給口14からカソード電極7に供給される。
アノード側では、液体燃料が、アノード電極6と接触しながら燃料供給路10を通過する。一方、カソード側では、空気が、カソード電極7と接触しながら空気供給路13を通過する。
そして、各電極(アノード電極6およびカソード電極7)において電気化学反応が生じ、起電力が発生する。例えば、液体燃料がメタノールである場合には、下記式(1)〜(3)の通りとなる。
(1) CHOH+6OH→CO+5HO+6e (アノード電極6での反応)
(2) O+2HO+4e→4OH (カソード電極7での反応)
(3) CHOH+3/2O→CO+2HO (燃料電池1全体での反応)
すなわち、メタノールが供給されたアノード電極6では、メタノール(CHOH)とカソード電極7での反応で生成した水酸化物イオン(OH)とが反応して、二酸化炭素(CO)および水(HO)が生成するとともに、電子(e)が発生する(上記式(1)参照)。
アノード電極6で発生した電子(e)は、図示しない外部回路を経由してカソード電極7に到達する。つまり、この外部回路を通過する電子(e)が、電流となる。
一方、カソード電極7では、電子(e)と、外部からの供給もしくは燃料電池1での反応で生成した水(HO)と、空気供給路13を流れる空気中の酸素(O)とが反応して、水酸化物イオン(OH)が生成する(上記式(2)参照)。
そして、生成した水酸化物イオン(OH)が、電解質膜5を通過してアノード電極6に到達し、上記と同様の反応(上記式(1)参照)が生じる。
このようなアノード電極6およびカソード電極7での電気化学的反応が連続的に生じることによって、燃料電池1全体として上記式(3)で表わされる反応が生じて、燃料電池1に起電力が発生する。すなわち、燃料電池1は、燃料成分を消費して発電する。
また、例えば、燃料成分がヒドラジンである場合には、電気化学反応は、下記式(4)〜(6)の通りとなる。
(4) N+4OH→N+4HO+4e (アノード電極6での反応)
(5) O+2HO+4e→4OH (カソード電極7での反応)
(6) N+O→N+2HO (燃料電池1全体での反応)
4.作用効果
上記のように、膜電極接合体2の製造時において、カソード電極7を形成するためのカソード触媒インクを、上記の所定の条件で調製すれば、膜電極接合体2の発電性能および耐久性の向上を図ることができる。そのため、上記の膜電極接合体2によれば、燃料電池1の発電性能および耐久性の向上を図ることができる。
なお、上記した実施形態では、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を、ガスケットにより固定、加圧またはホットプレスにより電解質膜5に積層したが、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を、加熱のみにより、電解質膜5に溶着(熱溶着)させてもよい。
また、アノード側拡散層8およびカソード側拡散層9を、上記した実施形態と同様に電解質膜5の両側に配置し、複数の膜電極接合体2を積層してスタック構造を形成するときに、加圧されるようにしてもよい。
また、上記した実施形態では、膜電極接合体2は、電解質膜5と、アノード電極6およびカソード電極7とを備えているが、例えば、アノード電極6を備えることなく、電解質膜5とカソード電極7とから形成することもできる。そのような場合には、別途、アノード電極6が形成され、電解質膜5とカソード電極7とからなる膜電極接合体2に積層されて用いられる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。以下に示す実施例の数値は、実施形態において記載される数値(すなわち、上限値または下限値)に代替することができる。
調製例1(カソード触媒インクの調製)
カソード触媒としてのトリス(フェナントロリン)鉄(II)錯体(TSP06、フェナントロリンFe錯体触媒、ダイハツ工業社製)0.05gを、テトラヒドロフランと1−プロパノールとの混合溶媒(質量比1:1)2g(=2.36mL)に配合し、2.5mLの混合液を調製した。次いで、得られた混合液を、ホモジナイザー(タイテック製、VP−050)を、最大出力50Wの13%(すなわち、6.5W)で0.5時間稼動させ、1次分散させた。1次分散における分散エネルギーは、1.3Wh/mLであった。
次いで、得られた1次分散液に、電解質樹脂としてのアニオン交換形アイオノマー(炭化水素系アイオノマー溶液、アイオノマー濃度:2質量%、溶媒:テトラヒドロフラン:1−プロパノール=1:1(質量比))を固形分として0.836g配合し、ホモジナイザー(タイテック製、VP−050)を最大出力50Wの13%(すなわち、6.5W)で3分間稼動させ、2次分散させた。2次分散における分散エネルギーは、0.13Wh/mLであった。なお、電解質樹脂(固形分)の配合量は、カソード触媒1gに対して、16.7gの割合であった。
その後、得られた2次分散液に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE D210C、ダイキン工業製)0.0038gを配合し、直径2mmのジルコニアボールを用いたボールミル(伊藤制作所製)で湿式混合した。
これにより、カソード触媒インクを調製した。カソード触媒インク中のカソード触媒の粒子径を、走査型電子顕微鏡(SEM)により観測したところ、20〜60μmであった。
調製例2(カソード触媒インクの調製)
1次分散において、ホモジナイザー(タイテック製、VP−050)の稼働時間を1時間に変更した以外は、調製例1と同様にして、カソード触媒インクを調製した。カソード触媒インク中のカソード触媒の粒子径を、走査型電子顕微鏡(SEM)により観測したところ、10〜30μmであった。なお、1次分散における分散エネルギーは、2.6Wh/mLであった。
調製例3(カソード触媒インクの調製)
1次分散において、ホモジナイザー(タイテック製、VP−050)の稼働時間を1時間に変更し、また、電解質樹脂としてのアニオン交換形アイオノマーの配合量を、固形分として1.003gとした以外は、調製例1と同様にして、カソード触媒インクを調製した。カソード触媒インク中のカソード触媒の粒子径を、走査型電子顕微鏡(SEM)により観測したところ、20〜60μmであった。なお、1次分散における分散エネルギーは、2.6Wh/mLであった。また、電解質樹脂(固形分)の配合量は、カソード触媒1gに対して、20.1gの割合であった。
調製例4(カソード触媒インクの調製)
1次分散において、ホモジナイザーに代えて、超音波分散機(品番:UT−206、SHARP社製)を用いた。
具体的には、カソード触媒としてのトリス(フェナントロリン)鉄(II)錯体(TSP06、フェナントロリンFe錯体触媒、ダイハツ工業社製)0.05gを、テトラヒドロフランと1−プロパノールとの混合溶媒(質量比1:1)2g(=2.36mL)に配合し、2.5mLの混合液を調製した。次いで、得られた混合液を、400mLの超音波バス中において、出力200Wで1時間振動させることにより、1次分散させた。なお、1次分散における分散エネルギーは、0.5Wh/mLであった。
その後、調整例1と同様にして電解質樹脂を配合して2次分散し、さらに、ポリテトラフルオロエチレンを配合して湿式混合することにより、カソード触媒インクを調製した。カソード触媒インク中のカソード触媒の粒子径を、走査型電子顕微鏡(SEM)により観測したところ、20〜50μmであった。
実施例1〜3および比較例1(膜電極接合体の製造)
アノード触媒としてのニッケル系金属であるニッケル亜鉛合金(NiZn)(AQ672078、Ni:87質量%、Zn:13質量%、平均粒子径:3μm、Cabot社製)を0.15g、電解質樹脂としてのアニオン交換形アイオノマー(炭化水素系アイオノマー溶液、アイオノマー濃度:2質量%、溶媒(テトラヒドロフラン:1−プロパノール=1:1(質量比)))を固形分で0.017g、および、溶媒としての1−プロパノールとテトラヒドロフランとの混合溶液(1−プロパノール:テトラヒドロフラン=1:1(質量比))2gを混合して、アノード電極インクを調製した。
その後、アニオン交換形電解質膜(A201CE トクヤマ社製)の一方側表面にアノード触媒の量が2.6mg/cmとなるように、上記のアノード電極インクを、他方側表面にカソード触媒の量が1.0mg/cmとなるように、各調製例のカソード電極インクを、それぞれ乾燥後の表面の面積が2cmとなるように塗布して、膜電極接合体を製造した。
その後、溶媒を大気中で蒸発させ、得られた膜電極接合体を1MのKOHに12時間以上浸漬させた。
<発電特性の測定>
燃料電池評価セル(ラボセル、ダイハツ工業社製)に、各実施例および比較例で得られた膜電極接合体をセットして、アノード側へ1MのKOHと20体積%濃度の水加ヒドラジンとの混合溶液を、カソード側へ空気を、それぞれ2cc/minおよび0.5L/minの流速で供給して、電子負荷装置(890e、Scribner Associates社製)で電流密度を制御して、そのときのセルの電圧を測定した。
測定条件を以下に示す。
セル温度;80℃
背圧;アノード:10kPa、カソード:60kPa
その結果を表1および図4に示す。また、表1には、カソード触媒インクの製造条件を併せて示す。
表1および図4から、各実施例のカソード触媒インクを用いた場合の膜電極接合体は、各比較例のカソード触媒インクを用いた場合の膜電極接合体に比べ、発電性能に優れることが確認された。
また、発電試験後の膜電極接合体を取り出し、カソード電極におけるカソード触媒の残存量を目視にて確認した。
発電試験後における実施例1の膜電極接合体のカソード電極を図5に、発電試験後における実施例2の膜電極接合体のカソード電極を図6に、発電試験後における実施例3の膜電極接合体のカソード電極を図7に、発電試験後における比較例1の膜電極接合体のカソード電極を図8に、それぞれ示す。
図5〜8において、カソード触媒が残存している箇所は黒色部分として、また、カソード触媒が抜け落ちている箇所は白色部分として、撮影されている。
そして、これら図5〜8から、各実施例の膜電極接合体は、各比較例の膜電極接合体に比べ、カソード触媒の残存量(黒色部分)が多く、耐久性に優れることが確認された。
2 膜電極接合体
5 電解質膜
7 カソード電極

Claims (2)

  1. カソード触媒を溶媒に配合し、分散エネルギーが0.5Wh/mLを超過する条件で1次分散させ、得られる1次分散液に電解質樹脂を配合し、2次分散させることによりカソード触媒インクを調製し、
    電解質膜の厚み方向一方面に、前記カソード触媒インクを塗布および乾燥させることによってカソード触媒層を形成する
    ことにより得られることを特徴とする、膜電極接合体。
  2. 前記カソード触媒インクの調製において、
    前記電解質樹脂の配合割合が、前記カソード触媒1質量部に対して、13質量部以上20質量部未満であることを特徴とする、請求項1に記載の膜電極接合体。
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