JP2009151980A - 燃料電池用拡散電極及び電解質膜・電極接合体 - Google Patents

燃料電池用拡散電極及び電解質膜・電極接合体 Download PDF

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Abstract

【解決手段】多孔質炭素基材からなる拡散層上に、少なくとも触媒とイオン伝導性材料とを含む触媒層を設けた電極であって、該電極の水の透過圧が7840Pa以下、又は該触媒層表面の25℃における水の接触角が120°以下である燃料電池用拡散電極。
【効果】本発明の燃料電池用拡散電極は、水やメタノールの透過性が良い電極であり、この電極をDMFCの燃料極に用いることで、従来の市販触媒を用いた電解質膜・電極接合体に比べ、燃料電池の発電特性を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池、特にダイレクトメタノール型燃料電池用として好適な拡散電極、及びそれを用いた電解質膜・電極接合体に関する。
携帯電話では、電池の高容量化が望まれているが、二次電池の高容量化は困難を極めている。そのためメタノール燃料を用いたダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC)が注目されている。
DMFCは液体燃料を水素等に改質することなくそのまま利用できるため、コンパクト化が可能等の長所があり、現在実用化に向けて鋭意研究されている。しかし、電解質膜のメタノール透過性が大きいこと、及びアノード触媒のメタノール酸化活性が小さいことが実用化に向けて課題となっている。
アノード触媒には主にPtRu系触媒が使用されており、触媒自体のメタノール酸化活性向上は鋭意検討されている(例えば非特許文献1、特許文献1、特許文献2参照)。
上記触媒の活性評価は、主に電解液とメタノールを入れた三電極セル中で評価されているが、実際の燃料電池では電解質膜・電極接合体の形態で使用されている。電解質膜・電極接合体の構造は、固体高分子電解質膜を多孔質炭素基材と触媒層からなる一対の拡散電極で挟んだ構造である。触媒層は、主に触媒とNafion(DuPont社登録商標)などのイオン伝導性材料と混合した層であり、多孔質炭素基材と電解質膜との間に設けられている。アノード側の拡散電極にメタノールが供給されると、触媒層中でメタノールの酸化反応が起こり、プロトンと二酸化炭素が生成する。生成したプロトンは、触媒層中のイオン伝導性材料を介して電解質膜に輸送され、電解質膜を通してカソード側に移動し、カソード触媒上で酸素と反応し水を生成する。また、二酸化炭素はアノード側の多孔質炭素基材から排出される。
上述の通り、アノード側の触媒層は、メタノールの酸化反応が行われる領域であるが、触媒層は数〜数10μmの厚さをもっているため、メタノールや排出される二酸化炭素の透過性が良くないと、メタノールや二酸化炭素の移動が遅くなり、燃料電池としては十分な性能が得られない。また触媒粒子がNafionなどのイオン伝導性材料により覆われていないと、触媒層中のプロトン伝導が行われず、燃料電池としての性能は悪くなる。
このように、触媒自身の活性も重要ではあるが、燃料や排出物の移動性、及びプロトンの移動性なども含めた拡散電極の構造が最適化されないと、触媒の活性が燃料電池としての性能に十分生かされない問題があった。
川口他,触媒,46(6),417−419,2004 特開2005−205394号公報 特開2005−224800号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、特にダイレクトメタノール型燃料電池のアノード側拡散電極として好適な、燃料の透過性の良い燃料電池用拡散電極及びそれを用いた電解質膜・電極接合体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、多孔質炭素基材からなる拡散層上に、少なくとも触媒とイオン伝導性材料とを含む触媒層を設けた電極において、水の透過圧が7840Pa以下であるもの、また、触媒層表面の25℃における水の接触角が120°以下であるものが、この電極を用いて作製した電解質膜・電極接合体を用いた燃料電池の発電特性が優れることを見出した。
そして、このような電極が、導電性炭素微粒子上に平均粒径0.1〜1.5nmの金属微粒子を生成させ、この金属微粒子を核としてこの金属微粒子を構成する金属と同一又は異なる金属を成長させることにより作製(以下において、この触媒作製法を2段担持法と呼ぶことがある。)することができ、このようにして作製した触媒を用いた電極が、特にこれをDMFCのアノード電極として用いた場合、従来、一般的に用いられている市販触媒TEC61E54を用いた場合と比べ、電極の水の透過圧が低く、また、触媒層表面の水の接触角が低く、燃料電池の発電特性が優れたものとなることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、下記の燃料電池用拡散電極及び電解質膜・電極接合体を提供する。
[1] 多孔質炭素基材からなる拡散層上に、少なくとも触媒とイオン伝導性材料とを含む触媒層を設けた電極であって、該電極の水の透過圧が7840Pa以下であることを特徴とする燃料電池用拡散電極。
[2] 多孔質炭素基材からなる拡散層上に、少なくとも触媒とイオン伝導性材料とを含む触媒層を設けた電極であって、該触媒層表面の25℃における水の接触角が120°以下であることを特徴とする燃料電池用拡散電極。
[3] 上記触媒が、導電性炭素微粒子上に平均粒径0.1〜1.5nmの金属微粒子を生成させ、該金属微粒子を核として該金属と同一又は異なる金属を成長させて作製してなるものであることを特徴とする[1]又は[2]記載の燃料電池用拡散電極。
[4] 上記多孔質炭素基材が撥水処理されていることを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載の燃料電池用拡散電極。
[5] 上記多孔質炭素基材と触媒層との間に、少なくとも導電性炭素微粒子と撥水材料とを含む層を設けたことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載の燃料電池用拡散電極。
[6] [1]乃至[5]のいずれかに記載の拡散電極が、固体高分子電解質膜の少なくとも一方の面に接合されていることを特徴とする燃料電池用電解質膜・電極接合体。
[7] 拡散電極が、固体高分子電解質膜の少なくとも燃料極側に接合されており、燃料にメタノール又はメタノール水を用いるダイレクトメタノール燃料電池用であることを特徴とする[6]記載の電解質膜・電極接合体。
本発明の燃料電池用拡散電極は、水やメタノールの透過性が良い電極であり、この電極をDMFCの燃料極に用いることで、従来の市販触媒を用いた電解質膜・電極接合体に比べ、燃料電池の発電特性を向上させることができる。
本発明の燃料電池用拡散電極は、多孔質炭素基材からなる拡散層と、該拡散層上に設けた少なくとも触媒とイオン伝導性材料とを含む触媒層とを備える。ここで拡散層である多孔質炭素基材としてはカーボンペーパー、カーボンクロス、又はそれらの複合体などを使用することができる。
これら多孔質炭素基材は、水や二酸化炭素の排出を良くするため撥水処理されていてもよい。撥水処理された多孔質炭素基材としては、多孔質炭素基材中にフッ素系樹脂を含んだものが挙げられ、フッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)などを使用することができるが、撥水性の強さからPTFE又はFEPを用いることが好ましい。撥水剤(フッ素系樹脂)の含有量としては、多孔質炭素基材中0〜50質量%、好ましくは0〜30質量%が好ましい。50質量%を超えると、電気伝導性が悪くなり燃料電池としての性能が低下するおそれがある。
多孔質炭素基材上に形成する触媒層は、少なくとも触媒とイオン伝導性材料とを含む層である。触媒層において、触媒とイオン伝導性材料とは必須成分であるが、その他に機能性を付与する材料、例えば上述したフッ素系樹脂からなる撥水剤や親水性を付与する酸化物微粒子などを含んでいてもかまわない。
ここで、触媒とは貴金属微粒子又は貴金属微粒子担持触媒である。触媒活性は貴金属微粒子の大きさが小さいほど、貴金属質量当りの表面積が大きくなるため高くなる。そのため、微小な貴金属粒子を担体上に担持した触媒を用いることが好ましい。
本発明で用いる触媒は、特に、以下に示す2段担持法によって好適に得ることができる。2段担持法による触媒(2段担持触媒)の製造方法は、
i.導電性カーボン担体に粒子間隔を制御した粒径0.1〜1.5nmの金属微粒子を含浸法により生成させる第一担持工程
ii.該金属微粒子を核として該金属と同一又は他の金属を成長させる第二担持工程
を備えたものである。
ここで、第一担持工程(i)で用いられる導電性カーボン担体としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャネルブラック、活性炭、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノコイル等が使用できる。この場合、この導電性カーボン担体の平均一次粒径は10〜200nm、特に10〜50nmが好ましい。平均粒径が10nmより小さいと、カーボンを均一に分散させて平均粒径1.5nm以下の金属微粒子を担持することが困難な場合が生じ、平均一次粒径が200nmより大きいと、単位体積当りの金属量が減少するため、燃料電池作製時、所定の触媒量を載せるためには、触媒層が厚くなり、燃料が供給されにくくなるおそれがある。なお、本発明において、平均一次粒径は、例えば、透過電子顕微鏡写真で200万倍の像を観察し、約300個の粒径を測定した場合の平均値として求めることができる。
また、上記カーボン担体に担持させる金属としては、Pt、Au、Ag、Ir、Os、Pd、Rh、Ru、Cu、Ni、Co、Fe、Mn、Cr、V、Ti、Mo、W、Ta、Bi、Sn等が挙げられる。これら金属を上記カーボン担体上に粒子間隔を制御した平均粒径0.1〜1.5nmの微粒子として生成、担持させる。
ここで、「粒子間隔を制御する」とは、微粒子が凝集することなくカーボン表面上に均一に分散させるということを意味し、このように粒子間隔を制御する方法としては、30質量%未満の担持率、好ましくは15質量%以下の担持率で液相中カーボン存在下で金属原料を還元する、30質量%未満の担持率、好ましくは15質量%以下の担持率で金属原料をカーボンに含浸させ気相中で還元する、30質量%未満の担持率、好ましくは15質量%以下の担持率で金属コロイドをカーボン上に担持する等の方法が採用し得る。
また、上述したように、第一担持工程(i)における金属微粒子による核形成は、粒径1.5nm以下とする。1.5nmより大きくなると、最終的に得られる触媒粒子の粒径が大きくかつ凝集し易くなり、触媒自身の活性が、市販の触媒に比べ劣るものとなってしまう。また、1.5nm以下に形成すると、担体との結合が強く、カーボン上に均一に分散し易い。
次に、上記のようにして金属微粒子をカーボン担体に担持させた後、この金属微粒子を核として同一又は他の金属(触媒金属)を成長させる(第二担持工程(ii))。この場合、触媒金属としては、PtRu(白金・ルテニウム)、PtSn、PtMo、PtW、PtRh、PtPd、PtAu、PtRuSn、PtRuRh、PtRuPd、PtRuIr、PtRuAu、PtRuMo、PtRuW等が挙げられる。DMFC用のメタノール酸化触媒として用いる場合には、メタノール酸化活性の高さの点でPtRuが好ましい。
ここで、上記金属微粒子核に金属触媒を成長させる方法としては、例えばPtRuを成長させる場合であれば、塩化白金酸、塩化白金(II)、塩化白金(IV)、ジニトロジアンミン白金(II)、ビスアセチルアセトナト白金、ジクロロテトラミン白金、テトラミン硫酸白金、塩化白金(II)アンモニウム、塩化白金(IV)アンモニウム、ジクロロジアンミン白金等の白金化合物、塩化ルテニウム、硝酸ニトロシルルテニウム、硝酸ルテニウム、塩化ルテニウムカリウム、塩化ルテニウムナトリウム、トリス−アセチルアセトナトルテニウム、トリルテニウムドデカカルボニル、ニトロソ塩化ルテニウムカリウム等のルテニウム化合物をエタノール、メタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等の溶媒に溶解した溶液中に上記金属微粒子核を担持したカーボン担体を混合し、50〜120℃、特に60〜100℃、とりわけ上記溶媒の還流温度で、1〜10時間、特に3〜8時間反応を行い、上記金属微粒子核上にPtRu微粒子を生成、成長させる方法、即ち、生成させる金属触媒の金属塩を含む溶液中で、金属微粒子核を担持したカーボン担体の金属微粒子核に、金属のイオンをアルコールで還元して触媒金属を生成、成長させる方法が採用される。
得られた触媒は、メタノール酸化活性向上のため、N2、Ar、Heなどの不活性ガスやH2ガス、これらの混合雰囲気で熱処理してもよい。
触媒層に含まれるイオン伝導性材料としてはNafionに代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーやスチレンジビニルベンゼンスルホン酸ポリマーなど、プロトン伝導性を持つ材料(一般に固体高分子電解質と呼ばれるもの)であればよい。
電極の撥水性の制御やメタノール酸化で発生する二酸化炭素の放出性制御のため、上述した多孔質炭素基材と触媒層との間に、導電性炭素微粒子と撥水材料を含む層を設けてもよい。導電性炭素微粒子としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャネルブラック、活性炭、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノコイル等が使用できる。撥水材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)などのフッ素系樹脂を使用することができる。
多孔質炭素基材上に触媒層を形成する場合、少なくとも触媒とイオン伝導性材料とを溶剤に分散させた触媒ペーストを塗布することにより形成することができる。溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール、グリセロール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、n−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族乃至脂環式炭化水素、水、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の極性溶剤が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、触媒層中の多孔性を増し、水の移動を容易にするため、触媒層にフッ素樹脂を加えることも可能である。フッ素樹脂としては、PTFE、FEP、PFA、ETFE、PCTFE、ECTFE、PVDF、PVF等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、これらフッ素樹脂としては数平均分子量100,000〜600,000程度(GPCによるポリスチレン換算)の市販品を用いることができる。
上記成分の使用量は、広い範囲で選定し得るが、触媒粒子100質量部に対し、イオン伝導性材料(固体高分子電解質)10〜1,000質量部、溶剤は0〜5,000質量部、特に100〜1,000質量部の使用量とすることが好ましい。
上記触媒ペーストを電解質膜(固体高分子電解質膜)又は多孔質炭素基材上に塗布し、乾燥させることによって触媒層を形成することができる。触媒ペーストを塗布する方法としては、アプリケーター、バーコーター、ドクターブレードを用いた塗布、スプレー塗布、エレクトロスプレーデポジションなどの方法を用いることができる。多孔質炭素基材上に載せる触媒の量を所望の量とするため、これらの手法を繰り返すことで拡散電極を作製することができる。
触媒層は、電解質膜の少なくとも一方の面に接合されるが、DMFC用電極、特に燃料極を形成するには、例えば触媒粒子(例えばPtRu)の触媒層の単位表面積当たりの量を1〜5mg/cm2程度とすることが好ましく、そのため、多孔質炭素基材上に触媒層を形成することが好ましい。また、電解質膜と多孔質炭素基材の両方に触媒層を形成してもよく、その際には電解質膜側より多孔質炭素基材側の触媒量を多くすることが望ましい。
電解質膜と多孔質炭素基材のいずれか又は両者に触媒層を形成後、触媒層を内側として電解質膜の両面を多孔質炭素基材で挟み、ホットプレスすることで電解質膜・電極接合体を得ることができる。ホットプレス時の温度は、使用する電解質膜、又は触媒ペースト中の成分によって適宜選択されるが、望ましい温度範囲は50〜200℃、より望ましくは80〜180℃である。50℃未満であると接合が不十分となるおそれがあり、200℃を超えると電解質膜又は触媒層中の樹脂成分が劣化するおそれがある。加圧レベルに関しては、電解質膜及び/又は触媒ペースト中の成分、多孔質炭素基材の種類によって適宜選択されるが、望ましい加圧範囲は1〜100kgf/cm2(約0.098〜9.8MPa)、より望ましくは10〜100kgf/cm2(約0.98〜9.8MPa)である。1kgf/cm2未満であると接合が不十分となるおそれがあり、100kgf/cm2を超えると触媒層や多孔質炭素基材の空孔度が減少し、性能が劣化するおそれがある。
このようにして、図1に示されるような電解質膜・電極接合体が得られる。図1において、1は多孔質炭素基材2と触媒層3とからなる空気極、4は多孔質炭素基材5と触媒層6とからなる燃料極、7は固体高分子電解質膜である。なお、この場合、触媒層3と多孔質炭素基材2との間、及び触媒層6と多孔質炭素基材5との間にそれぞれ伝導性炭素微粒子と撥水材料からなる層を介在させることができる。
本発明の拡散電極は、DMFC用アノード電極として好適に用いられ、アノード電極にはメタノール又はメタノール水溶液を供給することができるが、メタノール水溶液は、メタノール濃度を3質量%以上、好ましくは6質量%以上とすることができる。
また、本発明の拡散電極は、水の透過圧が7840Pa(800mmH2O)以下、好ましくは7350Pa(750mmH2O)以下、より好ましくは6860Pa(700mmH2O)以下であり、また、触媒層表面の25℃における水の接触角が120°以下、好ましくは110°以下、より好ましくは105°以下であるが、これは上述した2段担持触媒を使用することにより実現が可能である。2段担持触媒の水に対する分散性は、市販触媒、例えばTEC61E54に比べ良好であり、理由は定かでないが、市販触媒に比べ酸化物が多く存在し、酸化物の親水性により透過圧が低く、また、接触角が小さくなっていると推測される。なお、水の透過圧の下限は特に限定されないが、通常5880Pa(600mmH2O)以上である。また、水の接触角の下限も特に限定されないが、通常60°以上である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<PtRu担持カーボン触媒の作製>
カーボン担体(ケッチェンブラックEC300J)5gを含有する500mLの水分散液に、0.9gの白金を含む塩化白金酸を添加し、更にエチレングリコールを50g及び1mol/L NaOH水溶液を50mL添加した。この混合液を60℃で24時間加熱攪拌処理した。ろ過、洗浄し、80℃で24時間乾燥し、Pt核を担持したカーボンを得た。得られたPt担持カーボンをTEM観察した結果、平均粒子径0.5nmのPt微粒子が担体カーボン上に均一に分散している様子を確認できた。
上記Pt担持カーボンを、更に塩化白金酸1.34g、塩化ルテニウム0.86g、エタノール50gを含有する溶液500g中に1g投入し、80℃で8時間還流し、PtRuの担持率が54質量%の触媒を得た。TEM観察した結果、平均粒子径は3nmであり、カーボン上に均一に分散していた。
<PtRu担持カーボン触媒を用いたアノード用拡散電極の作製>
上述のPtRu担持カーボン触媒5gを、20質量%Nafion溶液(DuPont社製)11.8g、水20g、イソプロパノール20gを混合してペースト状とした触媒ペーストをFEPで撥水処理し、FEP濃度が15質量%であるカーボンペーパーTGP−H−060(東レ社製)上にバーコーターを用いて塗工した後、熱風循環式乾燥器内で60℃、1時間乾燥させ、アノード用触媒層を得た。複数回塗工と乾燥を繰り返すことにより、触媒層単位表面積当たりのPtRu量を1mg/cm2とした。
<Pt black触媒を用いたカソード用拡散電極の作製>
20質量%Nafion溶液5g、水10g、Pt black HiSPEC1000(ジョンソン・マッセイ社製)5g、イソプロパノール5gを混合してペースト状とした触媒ペーストをFEPで撥水処理したカーボンペーパーTGP−H−060上にバーコーターを用いて塗工した後、熱風循環式乾燥器内で60℃、1時間乾燥させ、カソード用触媒層を得た。複数回塗工と乾燥を繰り返すことにより、触媒層単位表面積当たりのPt量を3mg/cm2とした。
<電解質膜・電極接合体の作製>
DuPont社製Nafion膜N−112(厚さ50μm)を、3質量%過酸化水素水中、80℃で1時間処理し、続いて0.5mol/L硫酸水溶液中、80℃で1時間処理、その後純水中、80℃で1時間の処理を3回繰り返し、一晩風乾させて使用した。アノード電極及びカソード電極を□5cm2サイズに切り出し、アノード電極とカソード電極の触媒層側が対向するようにN−112膜を挟み、130℃、30kgf/cm2の圧力で3分保持し、電解質膜・電極接合体を得た。
[実施例2]
PtRu担持カーボン触媒は、実施例1で作製した触媒を用いた。FEPで撥水処理したTGP−H−060(FEP濃度 15質量%)上に、カーボンブラック Vulcan XC−72R(Cabot社製)とFEP粒子(三井デュポンフロロケミカル社製)をエチレングリコールに分散させたペーストをバーコーターで塗布、乾燥させ、大気中、340℃で1時間処理し、厚さ17μmの導電性炭素微粒子と撥水材料からなる層を形成した。その上に実施例1と同様の手順で、触媒層単位表面積当たりのPtRu量が1mg/cm2の触媒層を形成してアノード用拡散電極を作製した。カソード用拡散電極、電解質膜・電極接合体は実施例1と同様の手順で作製した。
[実施例3]
PtRu担持カーボン触媒は、実施例1で作製した触媒を用いた。FEPで処理し、その濃度を10質量%としたカーボンペーパーTGP−H−060上に、実施例1と同様の手順で、触媒層単位表面積当たりのPtRu量が1mg/cm2の触媒層を形成してアノード用拡散電極を作製した。カソード用拡散電極、電解質膜・電極接合体は実施例1と同様の手順で作製した。
[実施例4]
PtRu担持カーボン触媒は、実施例1で作製した触媒を用いた。FEPで処理し、その濃度を5質量%としたカーボンペーパーTGP−H−060上に、実施例1と同様の手順で、触媒層単位表面積当たりのPtRu量が1mg/cm2の触媒層を形成してアノード用拡散電極を作製した。カソード用拡散電極、電解質膜・電極接合体は実施例1と同様の手順で作製した。
[比較例1]
アノード触媒として、市販のPtRu担持カーボン触媒であるTEC61E54(田中貴金属社製、PtRu担持率54質量%)を用い、実施例1と同様の手順で、撥水処理したTGP−H−060上に触媒層単位表面積当たりのPtRu量が1mg/cm2のアノード用拡散電極を作製した。カソード用拡散電極、電解質膜・電極接合体は実施例1と同様の手順で作製した。
[比較例2]
アノード触媒としてTEC61E54を用い、実施例2と同様の手順で導電性炭素微粒子と撥水材料からなる層を形成したTGP−H−060基材上に触媒層単位表面積当たりのPtRu量が1mg/cm2のアノード用拡散電極を作製した。カソード用拡散電極、電解質膜・電極接合体は実施例1と同様の手順で作製した。
[比較例3]
アノード触媒としてTEC61E54を用い、実施例3と同様の手順でFEP濃度10質量%のTGP−H−060基材上に触媒層単位表面積当たりのPtRu量が1mg/cm2のアノード用拡散電極を作製した。カソード用拡散電極、電解質膜・電極接合体は実施例1と同様の手順で作製した。
[比較例4]
アノード触媒としてTEC61E54を用い、実施例4と同様の手順でFEP濃度5質量%のTGP−H−060基材上に触媒層単位表面積当たりのPtRu量が1mg/cm2のアノード用拡散電極を作製した。カソード用拡散電極、電解質膜・電極接合体は実施例1と同様の手順で作製した。
実施例1〜4及び比較例1〜4で作製した拡散電極について、下記方法にて水の透過圧(特性評価1)、及び触媒層表面の水の接触角(特性評価2)を評価した。結果を表1に示す。
特性評価1:水の透過圧の測定
触媒層を多孔質炭素基材上に形成した拡散電極を3cm×3cmサイズに切り出した。触媒層側を断面積1cm2、長さ1mのガラス管の付いたフランジに、多孔質炭素基材側を断面積1cm2の孔を設けたフランジに、Oリングを介して挟み、ガラス管が上方に位置するようセットした。ガラス管に水を注ぎ、下方の炭素基材から水が漏れ始める水の高さを目視で読み取り、この値を水の透過圧とした。
特性評価2:水(H2O)の接触角の測定
触媒層を形成した多孔質炭素基材について、触媒層の25℃における水の接触角の評価を接触角計CA−X(協和界面科学株式会社製)用いて行った。拡散電極を□1cm2サイズに切り出し、触媒層上に1μLの水を着滴させ、1秒おきに20秒間画像を取り込み、各画像の接触角をθ/2法で算出した後、平均をとることで接触角の測定値とした。
Figure 2009151980
また、実施例1〜4及び比較例1〜4で作製した電解質膜・電極接合体について、電流−電圧特性(特性評価3)を評価した。最大出力密度の結果を以下の表2に示す。
特性評価3:発電特性
電解質膜・電極接合体を評価用セル(Electrochem社製)に挟み、アノード側に2mol/Lメタノール水溶液を、カソード側に乾燥空気を流し、セル温度30℃における電流−電圧特性を測定した。得られた特性曲線から最大出力密度を算出した。
Figure 2009151980
表2より実施例1〜4で作製した電解質膜・電極接合体の方が、比較例1〜4で作製したものより高い出力が得られていることがわかる。表1の結果を対比すると、実施例1〜4で作製した拡散電極の水の透過圧は、比較例1〜4で作製したものより小さく、水の透過圧が800mmH2O(7840Pa)以下の電極を用いた場合に、電解質膜・電極接合体の出力を高くする効果が認められた。また、実施例1〜4で作製した拡散電極の触媒層表面の水の接触角は、比較例1〜4で作製したものより小さく、水の接触角が120°以下の電極を用いた場合に、電解質膜・電極接合体の出力を高くする効果が認められた。実施例1〜4で得られた触媒の水に対する分散性、すなわち親和性が良好であることに起因して、電極の水の透過圧及び触媒層表面の水の接触角が小さくなり、電極のメタノール水透過性が向上したためと考えられる。
電解質膜・電極接合体の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 空気極
2 多孔質炭素基材
3 触媒層
4 燃料極
5 多孔質炭素基材
6 触媒層
7 固体高分子電解質膜

Claims (7)

  1. 多孔質炭素基材からなる拡散層上に、少なくとも触媒とイオン伝導性材料とを含む触媒層を設けた電極であって、該電極の水の透過圧が7840Pa以下であることを特徴とする燃料電池用拡散電極。
  2. 多孔質炭素基材からなる拡散層上に、少なくとも触媒とイオン伝導性材料とを含む触媒層を設けた電極であって、該触媒層表面の25℃における水の接触角が120°以下であることを特徴とする燃料電池用拡散電極。
  3. 上記触媒が、導電性炭素微粒子上に平均粒径0.1〜1.5nmの金属微粒子を生成させ、該金属微粒子を核として該金属と同一又は異なる金属を成長させて作製してなるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池用拡散電極。
  4. 上記多孔質炭素基材が撥水処理されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の燃料電池用拡散電極。
  5. 上記多孔質炭素基材と触媒層との間に、少なくとも導電性炭素微粒子と撥水材料とを含む層を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の燃料電池用拡散電極。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項記載の拡散電極が、固体高分子電解質膜の少なくとも一方の面に接合されていることを特徴とする燃料電池用電解質膜・電極接合体。
  7. 拡散電極が、固体高分子電解質膜の少なくとも燃料極側に接合されており、燃料にメタノール又はメタノール水を用いるダイレクトメタノール燃料電池用であることを特徴とする請求項6記載の電解質膜・電極接合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011077991A1 (ja) 2009-12-25 2011-06-30 昭和電工株式会社 インク、該インクを用いて形成される燃料電池用触媒層およびその用途
JP2014123556A (ja) * 2012-11-22 2014-07-03 Honda Motor Co Ltd 電解質膜・電極構造体

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