JP2015059339A - 軟弱砂質土地盤締固め工法及び該工法に用いる地盤締固め装置 - Google Patents

軟弱砂質土地盤締固め工法及び該工法に用いる地盤締固め装置 Download PDF

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Abstract

【課題】振動や地盤の変位の少ない軟弱砂質土地盤締固め工法を提供する。
【解決手段】軟弱砂質土地盤1中に軸30を所定深度まで貫入した後、軸30を所定高さまで引き抜き、軸30の引き抜きと再貫入を繰り返して、該軸30を貫入した周辺地盤2を締固める軟弱砂質土地盤締固め工法において、先端部に電磁石35を設けた軸30を用い、この軸30を電磁石35を作動させずに軟弱砂質土地盤1中の所定深度まで貫入した後、軸30を電磁石35を作動させずに所定高さまで引き抜き、次に、電磁石35を作動させて軸30を軟弱砂質土地盤1中に再貫入し、軸30を再貫入した周辺地盤2中の鉄分4を含む土粒子3を電磁石35の磁力で引き付けると共に、鉄分を含まない土粒子3も電磁石35の近傍に移動させた状態で、これらを下方に移動させることにより周辺地盤2の密度を高めて締固める。
【選択図】図9

Description

本発明は、軟弱砂質土地盤締固め工法及び該工法に用いる地盤締固め装置に関する。
この種の軟弱砂質土地盤締固め工法としては、バイブロハンマーによりロッドを軟弱砂質土地盤中に貫入させ、振動体により軟弱砂質土地盤中での振動により該軟弱砂質土地盤を締固める工法(例えば、特許文献1参照。)や、砂杭造成用中空管(ケーシング)の打戻し時に該中空管より排出した砂と周囲の地盤を締固める工法(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
特開平1−127716号公報 特開2001−32256号公報
しかしながら、前記特許文献1,2記載の工法では、軟弱砂質土地盤を締固める際に、周辺に振動が発生したり、地盤の変位を伴うと共に、施工機が大型であるという問題点があった。
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、振動や地盤の変位の少ない軟弱砂質土地盤締固め工法及び該工法に用いる小型の地盤締固め装置を提供することを目的とする。
本発明の軟弱砂質土地盤締固め工法は、軟弱砂質土地盤中に磁力発生源を貫入して、該磁力発生源を貫入した周辺地盤を締め固める軟弱砂質土地盤締固め工法であって、前記軟弱砂質土地盤中で前記磁力発生源の磁力を発生させて、前記周辺地盤中の鉄分を含む土粒子を該磁力発生源の磁力で引き付けると共に、鉄分を含まない土粒子も前記磁力発生源の近傍に移動させることで、前記周辺地盤の密度を高めて締固めることを要旨とする。
また、本発明の軟弱砂質土地盤締固め工法用いる地盤締固め装置は、軟弱砂質土地盤中に中空管や二重中空管等の軸を所定深度まで貫入して、該軸を貫入した周辺地盤を締め固める軟弱砂質土地盤締固め工法に用いる地盤締固め装置において、永久磁石や電磁石等の磁力発生源を設けた軸を備え、この磁力発生源を設けた軸を昇降機構で前記軟弱砂質土地盤中に貫入・引き抜き自在にしたことを要旨とする。
本発明の軟弱砂質土地盤締固め工法によれば、磁力発生源を貫入した周辺地盤中の鉄分を含む土粒子を電磁石の磁力で引き付け、同時に、鉄分を含まない土粒子も磁力発生源の近傍に移動させて、周辺地盤の軟弱地盤を締固めるようにしたことにより、振動や地盤の変位の少ない軟弱地盤の締固めを短時間で確実かつ低コストで行うことができる。
また、本発明の軟弱砂質土地盤締固め工法に用いる地盤締固め装置によれば、内部に磁力発生源を設けた中空管、先端部に電磁石を設けた軸、内管と外管の間に電磁石を設けた二重中空管を、昇降機構で軟弱砂質土地盤中に貫入・引き抜き自在にしたことにより、小型の地盤締固め装置で中空管、軸、二重中空管を軟弱砂質土地盤中にスムーズかつ確実に貫入・引き抜きすることができ、軟弱地盤の締固めを短時間で確実かつ低コストで行うことができる。さらに、中空管や二重中空管の先端側に電磁石とバッテリー及び受信器を装備したことにより、油圧等の動力の供給管等を設置しなくて済み、中空管や二重中空管に継ぎ足し用の中空管や二重中空管を継ぎ足したり、取り外す着脱作業が容易となる。
本発明の第1実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法による地盤締固め状態を示す説明図である。 本発明の第2実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法による地盤締固め状態を示す説明図である。 本発明の第3実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法による地盤締固め状態を示す説明図である。 本発明の第4実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法による地盤締固め状態を示す説明図である。 上記第4実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法に用いる地盤締固め装置を示す側面図である。 本発明の第5実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法に用いる中空管の要部の断面図である。 上記中空管を軟弱砂質土地盤に貫入する状態を示す説明図である。 上記中空管を引き抜く状態を示す説明図である。 上記中空管を再貫入する状態を示す説明図である。 本発明の第6実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法に用いる二重中空管の要部の断面図である。 上記二重中空管を軟弱砂質土地盤に貫入する状態を示す説明図である。 上記二重中空管を引き抜く状態を示す説明図である。 上記二重中空管を再貫入する状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法による地盤締固め状態を示す説明図である。
この第1実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法では、図1に示すように、まず、軟弱砂質土地盤1中に所定手段(例えば後述する地盤締固め装置10等)を介して電磁石(磁力発生源)6を所定深度まで貫入する。
次に、軟弱砂質土地盤1中で電磁石6を作動させて磁力を発生させ、電磁石6を貫入した周辺地盤2中の鉄分4を含む土粒子3を該電磁石6の磁力で引き付けると共に、鉄分を含まない土粒子3も電磁石6の近傍に移動させることで、周辺地盤2の軟弱地盤の体積を圧縮して、その密度を高めて軟弱地盤を締固める。
このように、電磁石6を貫入した周辺地盤2中の鉄分4を含む土粒子3を電磁石6の磁力で引き付け、同時に、鉄分を含まない土粒子3も電磁石6の近傍に移動させて、周辺地盤2の軟弱地盤を締固めるようにしたことにより、振動や地盤の変位の少ない軟弱地盤の締固めを短時間で確実かつ低コストで行うことができる。
<第2実施形態>
図2は本発明の第2実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法による地盤締固め状態を示す説明図である。
この第2実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法では、図2に示すように、まず、軟弱砂質土地盤1中に所定手段(例えば後述する地盤締固め装置10等)を介して電磁石(磁力発生源)7を所定深度まで貫入する。
次に、軟弱砂質土地盤1中で電磁石7を作動させて磁力を発生させると共に、電磁石7を所定手段を介して移動させ、電磁石7を貫入した周辺地盤2中の鉄分4を含む土粒子3をで該電磁石7の磁力で引き付けると共に、鉄分を含まない土粒子3も電磁石7の近傍に移動させた状態で、これらを移動させることで、移動させた電磁石7の周辺地盤2の軟弱地盤の体積を圧縮して、その密度を高めて軟弱地盤を締固める。
このように、電磁石7を貫入した周辺地盤2中の鉄分4を含む土粒子3を電磁石7の磁力で移動させ、同時に、鉄分を含まない土粒子3も電磁石7の近傍に移動させた状態で、これらを移動させることにより、周辺地盤2の軟弱地盤を締固めるようにしたので、振動や地盤の変位の少ない軟弱地盤の締固めを短時間で確実かつ低コストで行うことができる。
<第3実施形態>
図3は本発明の第3実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法による地盤締固め状態を示す説明図である。
この第3実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法では、図3に示すように、まず、軟弱砂質土地盤1中に所定手段(例えば後述する地盤締固め装置10等)を介して内部に電磁石(磁力発生源)8を設けた非磁性(例えばチタン製等)の中空管(軸)9を所定深度まで貫入する。
次に、電磁石8を作動させて中空管9の略全周より磁力を発生させ、この磁力により中空管9を貫入した周辺地盤2中の鉄分4を含む土粒子3を引き付けると共に、鉄分を含まない土粒子3も中空管9の近傍に移動させることで、周辺地盤2の軟弱地盤の体積を圧縮して、その密度を高めて軟弱地盤を締固める。
このように、電磁石8を内設した中空管9を貫入した周辺地盤2中の鉄分4を含む土粒子3を電磁石8の磁力で引き付け、同時に、鉄分を含まない土粒子3も中空管9の略全周の近傍に移動させて、周辺地盤2の軟弱地盤を締固めるようにしたことにより、振動や地盤の変位の少ない軟弱地盤の締固めを短時間で確実かつ低コストで行うことができる。
<第4実施形態>
図4は本発明の第3実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法による地盤締固め状態を示す説明図、図5は同工法に用いる地盤締固め装置を示す側面図である。
まず、この第4実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法に用いる地盤締固め装置10を説明する。
図5に示すように、地盤締固め装置10は、軟弱砂質土地盤1を締固めする施工機であり、前側にリーダー12を立設した施工機本体11を備えている。このリーダー12の前面12aには、中空管(ケーシングパイプ)20の上端側を保持した状態で該前面12aに沿って上下動する移動保持体13を設けてある。また、リーダー12の前面12aの下端側には、中空管20を保持する固定保持体14を取り付けてある。さらに、リーダー12の側面側には、中空管20を昇降動させる昇降機構15を設けてある。また、移動保持体13の下側には、中空管20を正、逆方向に回転させる回転駆動機構19を設けてある。
昇降機構15は、リーダー12の側面の上端部に設けられた駆動スプロケット16と、リーダー12の側面の下端部に設けれた従動スプロケット17と、これら各スプロケット16,17に張設されたチェーン18とで構成されている。このチェーン18の一部には移動保持体13が固定されており、該チェーン18の回転により、移動保持体13がリーダー12の前面12aに沿って上下方向に移動することで、内部に円柱状の永久磁石(磁力発生源)25を設けた中空管20が軟弱砂質土地盤1中に無振動・無騒音で貫入・引き抜きされるようになっている。
図4に示すように、中空管20は、チタン等により非磁性の円筒状に形成してあり、その先端側(下端側)は非磁性で円形の底板21により閉塞されている。この底板21の周縁には、一対の掘削ビット22,22を突設してある。また、中空管20内には、永久磁石(磁力発生源)25がワイヤーロープ(吊り部材)29を介して吊り下げられている。このワイヤーロープ29は、リーダー12の上部に設けられた図示しないモーター駆動の巻取りドラムに巻装されていて、この巻取りドラムの巻き取り、巻き戻しによりワイヤーロープ29が上下動することにより、永久磁石25が中空管20内の上下方向に移動するようになっている。
次に、第4実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法による軟弱砂質土地盤1の締固め工程を、図4の図面に基づいて説明する。
まず、永久磁石25を内設した中空管20を、地盤締固め装置10の施工機本体11のリーダー12に設置する。次に、施工機本体11の昇降機構15を介して中空管20を、図4に示すように、軟弱砂質土地盤1中の所定深度まで貫入する。次に、永久磁石25をワイヤーロープ29を介して中空管20内で上下方向に移動させる。これにより、中空管20を貫入した周辺地盤2中の鉄分4を含む土粒子3を永久磁石25の磁力で引き付けると共に、鉄分を含まない土粒子3も永久磁石25の近傍に移動させた状態で、これらを移動させることで、周辺地盤2の軟弱地盤の体積を圧縮してその密度を高めて軟弱地盤を締固める。
このように、永久磁石25を内設した中空管20を貫入した周辺地盤2中の鉄分4を含む土粒子3を永久磁石25の磁力で移動させ、同時に、鉄分を含まない土粒子3も永久磁石25を内設した中空管20の近傍に移動させた状態で、これらを移動させることにより、周辺地盤2の軟弱地盤を締固めるようにしたので、振動や地盤の変位の少ない軟弱地盤の締固めを短時間で確実かつ低コストで行うことができる。
<第5実施形態>
図6は本発明の第5実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法に用いる中空管の要部の断面図、図7は同中空管を軟弱砂質土地盤に貫入する状態を示す説明図、図8は同中空管を引き抜く状態を示す説明図、図9は同中空管を再貫入する状態を示す説明図である。
この第5実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法では、第4実施形態の場合と同様に、図5に示す地盤締固め装置10を用いて地盤の締固めを行う。
図6に示すように、中空管(軸)30は、その少なくとも先端部30aがチタン等により非磁性の円筒状に形成してあり、その先端側(下端側)は非磁性で円形の底板31により閉塞されている。この円形の底板31の周縁には、一対の掘削ビット32,32を突設してある。また、中空管30内の底板31の上方には、円柱状の電磁石35と、この電磁石35に電源を供給するバッテリー36と、電磁石35を作動させる受信器37とを、仕切板38を介して中空管30の上端側に固定されたワイヤーロープ(吊り部材)39で吊り下げてある。この受信器37は、地盤締固め装置10の施工機本体11の運転席等に設けられた図示しない操作盤により無線で遠隔操作されるようになっている。
そして、地盤締固め装置10の施工機本体11のリーダー12に装着された電磁石35を内設した中空管30は、昇降機構15を介して軟弱砂質土地盤1中に無振動・無騒音で貫入・引き抜きされるようになっている。
次に、第5実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法による軟弱砂質土地盤1の締固め工程を、図7〜図9の図面に基づいて説明する。
まず、電磁石35とバッテリー36及び受信器37を内部に設けた中空管30を、地盤締固め装置10の施工機本体11のリーダー12に設置する。次に、施工機本体11の昇降機構15及び回転駆動機構19を介して中空管30を、図7に示すように、軟弱砂質土地盤1中の所定深度まで回転させながら貫入する。この際、電磁石35は作動しないOFF状態にしておく。
そして、図8に示すように、電磁石35を作動させずに中空管30を、施工機本体11の昇降機構15及び回転駆動機構19を介して所定高さまで逆回転させながら引き抜く。次に、図9に示すように、電磁石35を作動(ON)させて、中空管30を軟弱砂質土地盤1中に再貫入すると、中空管30を再貫入した周辺地盤2中の鉄分4を含む土粒子3を電磁石35の磁力で引き付けると共に、鉄分を含まない土粒子3も電磁石35の近傍に移動させた状態で、これらを下方に移動させることにより、周辺地盤2の軟弱地盤の体積を圧縮して、その密度を高めて該周辺地盤2の軟弱地盤を締固める。この中空管30の引き抜きと再貫入とを地表まで順次繰り返して、中空管30を貫入した周辺地盤2全体の軟弱地盤を締固める。
このように、施工機本体11の強制昇降機構15を介して中空管30を軟弱砂質土地盤1中に貫入したり、引き抜きして、中空管30を再貫入する際に、周辺地盤2中の鉄分4を含む土粒子3を電磁石35の磁力で引き付けて下方に移動させ、同時に、鉄分を含まない土粒子3も下方に移動させることにより、周辺地盤2の軟弱地盤を締固めるようにしたので、振動や地盤の変位の少ない軟弱地盤の締固めを短時間で確実かつ低コストで行うことができる。
また、中空管30内の先端側に、電磁石35とバッテリー36及び受信器37を装備したことにより、油圧等の動力の供給管等を設置しなくて済み、中空管30に継ぎ足し用の中空管を継ぎ足したり、取り外す着脱作業が容易となり、また、小型の地盤締固め装置10でも中空管30に継ぎ足し用の中空管を継ぎ足していくことで、中空管30を地中深く貫入させて軟弱地盤の締固めを簡単かつ低コストで行うことができる。
<第6実施形態>
図10は本発明の第6実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法に用いる二重中空管の要部の断面図、図11は同二重中空管を軟弱砂質土地盤に貫入する状態を示す説明図、図12は同二重中空管を引き抜く状態を示す説明図、図13は同二重中空管を再貫入する状態を示す説明図である。
この第6実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法では、第4実施形態の場合と同様に、図5に示す地盤締固め装置10を用いて地盤の締固めを行う。
図10に示すように、二重中空管(ケーシングパイプ)40は、砂を供給する円筒状の内管41と、この内管41を覆う少なくとも先端部42aがチタン等により非磁性の円筒状の外管42とから構成されている。そして、内管41の先端(下端)と外管42の先端(下端)との間には非磁性で円環状の底板43により閉塞されている。この円環状の底板43の周縁には、一対の掘削ビット44,44を突設してある。また、二重中空管40の内管41と外管42の間の底板43の上方には、円環柱状の電磁石45と、この電磁石45に電源を供給するバッテリー46と、電磁石45を作動させる受信器47とを、円環板状の仕切板48を介して二重中空管40の内管41と外管42の間の上端側に固定されたワイヤーロープ(吊り部材)49で吊り下げてある。この受信器37は、地盤締固め装置10の施工機本体11の運転席等に設けられた図示しない操作盤により無線で遠隔操作されるようになっている。
そして、地盤締固め装置10の施工機本体11のリーダー12に装着された二重中空管40は、昇降機構15介して軟弱砂質土地盤1中に無振動・無騒音で貫入・引き抜きされるようになっている。また、二重中空管40の内管41には、図示しない砂供給管等を介して砂(杭材料)5が供給されるようになっている。
次に、第6実施形態の軟弱砂質土地盤締固め工法による軟弱砂質土地盤1の締固め工程を、図11〜図13の図面に基づいて説明する。
まず、電磁石45とバッテリー46及び受信器47を内管41と外管42の間に設けた二重中空管40を、地盤締固め装置10の施工機本体11のリーダー12に設置する。次に、施工機本体11の昇降機構15及び回転駆動機構19を介して二重中空管40を、図11に示すように、軟弱砂質土地盤1中の所定深度まで回転させながら貫入する。この際、二重中空管40の内管41内に所定量の砂を投入しておく。また、電磁石45は作動しないOFF状態にしておく。
そして、図12に示すように、電磁石45を作動させずに二重中空管40を施工機本体11の強制昇降機構15及び回転駆動機構19を介して所定高さまで逆回転させて引き抜き、二重中空管40の内管41内の砂5を排出する。次に、図13に示すように、電磁石45を作動(ON)させて、二重中空管40を軟弱砂質土地盤1中に再貫入して、排出した砂5を締固めて砂杭(材料杭)Sを造成すると共に、二重中空管40を再貫入した周辺地盤2中の鉄分4を含む土粒子3を電磁石45の磁力で下方に移動させ、同時に、鉄分を含まない土粒子3も鉄分4を含む土粒子3と共に電磁石45の磁力で下方に移動させて、周辺地盤2の軟弱地盤の体積を圧縮してその密度を高め、該周辺地盤2の軟弱地盤を締固める。この二重中空管40の引き抜きと再貫入とを地表まで順次繰り返して、二重中空管40を貫入した周辺地盤2中に砂杭Sと鉄分4を含む土粒子3及び鉄分を含まない土粒子3の移動により軟弱地盤をより一段と締固める。
このように、施工機本体11の昇降機構15を介して二重中空管40を軟弱砂質土地盤1中に貫入したり、引き抜きして、二重中空管40を再貫入する際に、周辺地盤2中に砂杭Sを造成すると共に、周辺地盤2中の鉄分4を含む土粒子3及び鉄分を含まない土粒子3を電磁石45の磁力で下方にそれぞれ移動させて軟弱地盤を締固めるようにしたので、振動や地盤の変位の少ない軟弱地盤の締固めを短時間で確実かつ低コストで行うことができる。
また、二重中空管40の内管41と外管42の間の先端側に、電磁石45とバッテリー46及び受信器47を装備したことにより、油圧等の動力の供給管等を設置しなくて済み、二重中空管40に継ぎ足し用の二重中空管を継ぎ足したり、取り外す着脱作業が容易となり、また、小型の地盤締固め装置10でも二重中空管40に継ぎ足し用の中空管を継ぎ足していくことで、二重中空管40を地中深く貫入させて軟弱地盤の締固めを簡単かつ低コストで行うことができる。
さらに、周辺地盤2中に鉄分が少ない場合には、砂5に鉄分の多い材料を充填して前述の軟弱地盤の締固めを行う。これにより、周辺地盤2中に鉄分が少ない場合に、周辺地盤2の軟弱地盤をより確実に締固めることができる。
尚、前記実施形態によれば、中空管等を昇降動させる昇降機構を、駆動スプロケットと従動スプロケット及びチェーンで構成したが、ラックと駆動ピニオン等で昇降機構を構成しても良い。また、地盤中に貫入する軸は、中空管や二重中空管等に限らず、金属棒等の棒状体でも良い。さらに、杭材料として砂を用いたが、杭材料は砂に限るものではない。
1 軟弱砂質土地盤
2 周辺地盤
3 土粒子
4 鉄分
5 砂(杭材料)
6,7,8 電磁石(磁力発生源)
9 中空管(軸)
10 地盤締固め装置
15 昇降機構
20 中空管
25 永久磁石(磁力発生源)
29 ワイヤーロープ(吊り部材)
30 中空管(軸)
30a 先端部
35 電磁石
36 バッテリー
37 受信器
40 二重中空管
41 内管
42 外管
45 電磁石
46 バッテリー
47 受信器

Claims (13)

  1. 軟弱砂質土地盤中に磁力発生源を貫入して、該磁力発生源を貫入した周辺地盤を締め固める軟弱砂質土地盤締固め工法であって、
    前記軟弱砂質土地盤中で前記磁力発生源の磁力を発生させて、前記周辺地盤中の鉄分を含む土粒子を該磁力発生源の磁力で引き付けると共に、鉄分を含まない土粒子も前記磁力発生源の近傍に移動させることで、前記周辺地盤の密度を高めて締固めることを特徴とする軟弱砂質土地盤締固め工法。
  2. 軟弱砂質土地盤中に磁力発生源を貫入して、該磁力発生源を貫入した周辺地盤を締め固める軟弱砂質土地盤締固め工法であって、
    前記軟弱砂質土地盤中で前記磁力発生源で磁力を発生させると共に該磁力発生源を移動させて、前記周辺地盤中の鉄分を含む土粒子を該磁力発生源の磁力で引き付けると共に、鉄分を含まない土粒子も前記磁力発生源の近傍に移動させた状態で、これらを移動させることで、前記移動させた磁力発生源の周辺地盤の密度を高めて締固めることを特徴とする軟弱砂質土地盤締固め工法。
  3. 軟弱砂質土地盤中に軸を所定深度まで貫入して、該軸を貫入した周辺地盤を締め固める軟弱砂質土地盤締固め工法であって、
    磁力発生源を設けた軸を用い、この軸を前記軟弱砂質土地盤中の所定深度まで貫入し、次に、前記磁力発生源で前記軸の略全周より磁力を発生させて、この磁力により前記軸を貫入した周辺地盤中の鉄分を含む土粒子を引き付けると共に、鉄分を含まない土粒子も前記軸の近傍に移動させることで、前記周辺地盤の密度を高めて締固めることを特徴とする軟弱砂質土地盤締固め工法。
  4. 軟弱砂質土地盤中に中空管を所定深度まで貫入して、該中空管を貫入した周辺地盤を締め固める軟弱砂質土地盤締固め工法であって、
    内部に磁力発生源を設けた中空管を用い、この磁力発生源を内設した中空管を前記軟弱砂質土地盤中の所定深度まで貫入し、次に、前記磁力発生源を前記中空管内で上下方向に移動させて、前記中空管を貫入した周辺地盤中の鉄分を含む土粒子を前記磁力発生源の磁力で引き付けると共に、鉄分を含まない土粒子も前記磁力発生源の近傍に移動させた状態で、これらを移動させることにより前記周辺地盤の密度を高めて締固めることを特徴とする軟弱砂質土地盤締固め工法。
  5. 軟弱砂質土地盤中に軸を所定深度まで貫入した後、前記軸を所定高さまで引き抜き、前記軸の引き抜きと再貫入を繰り返して、該軸を貫入した周辺地盤を締固める軟弱砂質土地盤締固め工法において、
    先端部に電磁石を設けた軸を用い、この軸を前記電磁石を作動させずに前記軟弱砂質土地盤中の所定深度まで貫入した後、前記軸を前記電磁石を作動させずに所定高さまで引き抜き、次に、前記電磁石を作動させて前記軸を前記軟弱砂質土地盤中に再貫入し、前記軸を再貫入した周辺地盤中の鉄分を含む土粒子を前記電磁石の磁力で引き付けると共に、鉄分を含まない土粒子も前記電磁石の近傍に移動させた状態で、これらを下方に移動させることにより前記周辺地盤の密度を高めて締固めることを特徴とする軟弱砂質土地盤締固め工法。
  6. 軟弱砂質土地盤中に中空管を所定深度まで貫入した後、前記中空管を所定高さまで引き抜き、前記中空管の引き抜きと再貫入を繰り返して、該中空管を貫入した周辺地盤を締め固める軟弱砂質土地盤締固め工法において、
    電磁石を内管と外管の間に設けた二重中空管を用い、この二重中空管の内管内に所定量の杭材料を投入して該二重中空管を前記電磁石を作動させずに前記軟弱砂質土地盤中の所定深度まで貫入した後、前記二重中空管を前記電磁石を作動させずに所定高さまで引き抜きながら該二重中空管の内管内の杭材料を排出し、次に、前記電磁石を作動させて前記二重中空管を前記軟弱砂質土地盤中に再貫入して、前記排出した杭材料を締固めて材料杭を造成すると共に、前記二重中空管を再貫入した周辺地盤中の鉄分を含む土粒子を鉄分を含まない土粒子と共に前記電磁石の磁力で下方に移動させて、前記周辺地盤の密度を高めて締固めることを特徴とする軟弱砂質土地盤締固め工法。
  7. 請求項6記載の軟弱砂質土地盤締固め工法であって、
    前記周辺地盤中の鉄分が少ない場合に、前記杭材料に鉄分の多い材料を充填することを特徴とする軟弱砂質土地盤締固め工法。
  8. 軟弱砂質土地盤中に中空管を所定深度まで貫入して、該中空管を貫入した周辺地盤を締め固める軟弱砂質土地盤締固め工法に用いる地盤締固め装置において、
    内部に磁力発生源を設けた中空管を備え、この磁力発生源を内設した中空管を昇降機構で前記軟弱砂質土地盤中に貫入・引き抜き自在にしたことを特徴とする地盤締固め装置。
  9. 請求項8記載の地盤締固め装置であって、
    前記磁力発生源を吊り部材で前記中空管内に吊り下げ自在にし、この吊り部材の上下動により前記磁力発生源を前記中空管内の上下方向に移動自在にしたことを特徴とする地盤締固め装置。
  10. 軟弱砂質土地盤中に軸を所定深度まで貫入した後、前記軸を所定高さまで引き抜き、前記軸の引き抜きと再貫入を繰り返して、該軸を貫入した周辺地盤を締固める軟弱砂質土地盤締固め工法に用いる地盤締固め装置において、
    先端部に電磁石を設けた軸を備え、この電磁石を設けた軸を昇降機構で前記軟弱砂質土地盤中に貫入・引き抜き自在にしたことを特徴とする地盤締固め装置。
  11. 請求項10記載の地盤締固め装置であって、
    前記軸として中空管を用い、この中空管の内部に、前記電磁石に電源を供給するバッテリーと前記電磁石を作動させる受信器を設けたことを特徴とする地盤締固め装置。
  12. 軟弱砂質土地盤中に中空管を所定深度まで貫入した後、前記中空管を所定高さまで引き抜き、前記中空管の引き抜きと再貫入を繰り返して、該中空管を貫入した周辺地盤を締め固める軟弱砂質土地盤締固め工法に用いる地盤締固め装置において、
    杭材料を供給する内管と該内管を覆う外管とから成り、これら内管と外管の間に電磁石を設けた二重中空管を備え、この二重中空管を昇降機構で前記軟弱砂質土地盤中に貫入・引き抜き自在にしたことを特徴とする地盤締固め装置。
  13. 請求項12記載の地盤締固め装置であって、
    前記二重中空管の内管と外管の間に、前記電磁石に電源を供給するバッテリーと前記電磁石を作動させる受信器を設けたことを特徴とする地盤締固め装置。
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