JP2015059022A - 移動式クレーン - Google Patents

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Abstract

【課題】表示すべき情報量の増大に対応しつつ、運転席に座ったオペレータが作業装置の装着部への吊荷の装着状況を視認でき、且つ、クレーンの状況に応じた情報をオペレータから確認しやすい位置に表示できるようにする。
【解決手段】クレーンの上部旋回体は、運転室10内に設けられてオペレータがクレーンの走行のための操作及び作業装置の操作を座って行う運転席30と、運転室10内で運転席30の前側に設けられてクレーンの走行に関する情報を表示する前側表示装置34と、運転室10内で運転席30のブーム側の側方に設けられてクレーン作業に関する情報を表示する側部表示装置とを備え、運転室10の前壁のうち前側表示装置34に対してブーム側で且つ前側表示装置34よりも下側に位置する領域には、第1視認部27が、運転室10内から当該第1視認部27を通して運転室10の外部を視認可能となるように設けられている。
【選択図】図5

Description

本発明は、移動式クレーンに関するものである。
従来、走行可能に構成された移動式クレーンが知られており、下記特許文献1にはこのような移動式クレーンの一例が示されている。移動式クレーンでは、下部走行体上に搭載された上部旋回体に運転室とクレーン作業用の作業装置とが設けられている。作業装置は、上部旋回体の前後方向に延びるとともに起伏可能となるように上部旋回体に設けられたブームと、そのブームの先端から吊り下げられて吊荷が装着される装着部とを備える。運転室は、上部旋回体の左右方向においてブームに対して一方側に配設されている。運転室内の略中央には、運転席が設けられており、オペレータは、この運転席に座ってクレーンの走行のための操作及びクレーン作業のための作業装置の操作を行う。運転室内の運転席の前側には、各種情報を表示する表示装置としてのメータパネルが設けられている。
特開2001−187691号公報
ところで、昨今では、より多くの情報を運転室内の表示装置に表示することが求められており、その結果、表示装置が大型化する傾向にある。しかしながら、運転席の前側に設けられた表示装置が大型化した場合には、運転席に座ったオペレータから前方斜め下側でブーム寄りの領域の視界が表示装置によって遮られ、オペレータが地面付近で行われる作業装置の装着部への吊荷の装着の状況を視認できなくなる虞がある。また、クレーンの走行時と作業時とでその時の状況に応じた情報をそれぞれ確認しやすい位置に表示することがクレーンのオペレータから望まれている。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、表示装置に表示する情報量の増大に対応しつつ、運転室内の運転席に座ったオペレータがクレーンの作業装置の装着部への吊荷の装着状況を視認できるようにするとともに、クレーンの状況に応じた情報をオペレータから確認しやすい位置に表示できるようにすることである。
上記目的を達成するために、本発明による移動式クレーンは、走行可能に構成された移動式クレーンであって、下部走行体と、前記下部走行体上に旋回可能となるように搭載された上部旋回体とを備え、前記上部旋回体は、当該上部旋回体の前後方向に延びるとともに起伏自在となるように当該上部旋回体に設けられたブームとそのブームの先端から吊り下げられて吊荷が装着される装着部とを有する作業装置と、当該上部旋回体の左右方向において前記ブームに対して一方側に配置された運転室と、前記運転室内に設けられていてオペレータが前記移動式クレーンの走行のための操作及び前記作業装置の操作を座って行う運転席と、前記運転室内において前記運転席の前側に設けられていて少なくとも前記移動式クレーンの走行に関する情報を表示する前側表示装置と、前記運転室内において前記運転席の前記ブーム側の側方に設けられていて少なくとも前記作業装置によるクレーン作業に関する情報を表示する側部表示装置とを備え、前記運転室の前壁のうち前記前側表示装置に対して前記ブーム側で且つ前記前側表示装置よりも下側に位置する領域には、第1視認部が、前記運転室内から当該第1視認部を通して前記運転室の外部を視認可能となるように設けられている(請求項1)。
この移動式クレーンでは、少なくとも移動式クレーンの走行に関する情報を表示する前側表示装置と少なくとも作業装置によるクレーン作業に関する情報を表示する側部表示装置とが運転室内に設けられているため、表示すべき情報量が増大したとしても、移動式クレーンの走行に関する情報とクレーン作業に関する情報を前側表示装置と側部表示装置とに分けて表示することができる。このため、表示装置に表示する情報量の増大に対応することができる。そして、この移動式クレーンでは、移動式クレーンの走行に関する情報とクレーン作業に関する情報を前側表示装置と側部表示装置とに分けて表示することができることから、前側表示装置の大型化を防ぐことができる。その結果、運転室内において前側表示装置に対してブーム側で且つ前側表示装置よりも下側に位置する領域にスペースを確保することができ、そのスペースを利用して第1視認部を設けることができる。このため、運転室内の運転席に座ったオペレータは、地面付近で行われる作業装置の装着部への吊荷の装着の状況を第1視認部を通して視認することができる。さらに、この移動式クレーンでは、少なくとも移動式クレーンの走行に関する情報を表示する前側表示装置が運転室内において運転席の前側に設けられているとともに、少なくとも作業装置によるクレーン作業に関する情報を表示する側部表示装置が運転室内において運転席のブーム側の側方に設けられているため、オペレータは、クレーンの走行のために運転席から前方を向いてクレーンを運転する時には目線の向きをあまり変えずに前側表示装置に表示されるクレーンの走行に関する情報を確認でき、クレーン作業のために運転席からブーム側を向いて作業装置を操作する時には目線の向きをあまり変えずに側部表示装置に表示されるクレーン作業に関する情報を確認できる。すなわち、この移動式クレーンでは、走行時とクレーン作業時とで状況に応じた情報をオペレータから確認しやすい位置に表示することができる。以上のように、この移動式クレーンでは、表示装置に表示する情報量の増大に対応しつつ、運転室内の運転席に座ったオペレータが作業装置の装着部への吊荷の装着状況を視認することができ、且つ、クレーンの状況に応じた情報をオペレータから確認しやすい位置に表示することができる。
上記移動式クレーンにおいて、前記運転室の前壁のうち前記前側表示装置に対して前記ブームと反対側で且つ前記前側表示装置よりも下側に位置する領域には、第2視認部が、前記運転室内から当該第2視認部を通して前記運転室の外部を視認可能となるように設けられていることが好ましい(請求項2)。
この構成によれば、クレーン作業時に運転室からブームと反対側の側方へ上部旋回体を旋回する場合に、運転室内の運転席に座ったオペレータは、第2視認部を通して運転室の前方斜め下で且つ旋回先の領域の状況を視認することができる。
上記移動式クレーンにおいて、前記上部旋回体のうち当該上部旋回体の左右方向において前記ブームに対して前記運転室と反対側に位置する部分には、後方を映す上部旋回体バックミラーが設けられ、前記運転室の前記ブーム側の側壁のうち前記側部表示装置の後方に位置する領域には、後側視認部が、前記運転室内から当該後側視認部を通して前記上部旋回体バックミラーを視認可能となるように設けられていることが好ましい(請求項3)。
この構成によれば、例えば移動式クレーンの走行時に、運転室内の運転席に座ったオペレータが後側視認部を通して上部旋回体バックミラーに映った後方の状況を視認することができる。
上記移動式クレーンにおいて、前記下部走行体の前端部のうち当該下部走行体の左右方向において前記ブームに対して前記運転室と反対側に位置する部分には、前記下部走行体の前側の下方を映す前側ミラーが設けられ、前記運転室の前記ブーム側の側壁のうち前記側部表示装置の下方に位置する領域には、下側視認部が、前記運転室内から当該下側視認部を通して前記前側ミラーを視認可能となるように設けられていることが好ましい(請求項4)。
この構成によれば、例えば移動式クレーンの走行時に、運転室内の運転席に座ったオペレータが下側視認部を通して前側ミラーに映った下部走行体の前側下方の状況を視認することができる。
上記移動式クレーンにおいて、前記下部走行体のうち当該下部走行体の左右方向において前記ブームに対して前記運転室と反対側に位置する部分には、前記下部走行体の後方を映す下部走行体バックミラーが設けられ、前記運転室の前記ブーム側の側壁のうち前記側部表示装置の下方に位置する領域には、下側視認部が、前記運転室内から当該下側視認部を通して前記下部走行体バックミラーを視認可能となるように設けられていることが好ましい(請求項5)。
この構成によれば、例えば移動式クレーンの走行時に、運転室内の運転席に座ったオペレータが下側視認部を通して下部走行体バックミラーに映った下部走行体の後方の状況を視認することができる。
上記移動式クレーンにおいて、前記下部走行体は、ホイール式の走行体であってもよい(請求項6)。
この構成によれば、表示装置に表示する情報量の増大に対応しつつ、運転室内の運転席に座ったオペレータが作業装置の装着部への吊荷の装着状況を視認可能であり、且つ、クレーンの状況に応じた情報をオペレータから確認しやすい位置に表示可能なホイールクレーンを構成することができる。
以上説明したように、本発明によれば、表示装置に表示する情報量の増大に対応しつつ、運転室内の運転席に座ったオペレータがクレーンの作業装置の装着部への吊荷の装着状況を視認することができ、且つ、クレーンの状況に応じた情報をオペレータから確認しやすい位置に表示することができる。
本発明の一実施形態による移動式クレーンの走行時の状態を示す側面図である。 図1に示した移動式クレーンの前半部を部分的に示す上面図である。 本発明の一実施形態による移動式クレーンのブームに延長ブームを接続せずにクレーン作業を行う時の状態を示す側面図である。 本発明の一実施形態による移動式クレーンのブームに延長ブームを接続してクレーン作業を行う時の状態を示す側面図である。 移動式クレーンの運転室内を後方上部から前方下部へ向かって見た図である。 走行位置にある運転室の内部をブームと反対側からブーム側へ向かって(右方から左方へ向かって)見た図である。 走行位置にある運転室の内部をブームと反対側の側方後部からブーム側前方へ向かって(右後方から左前方へ向かって)見た図である。 走行位置にある運転室内の運転席に座ったオペレータから見たブーム側斜め前方(左斜め前方)の視界を部分的に示す図である。 クレーン作業時に運転室内をブーム側斜め前方へ向かって見た図であって、運転室の前面窓からブーム側窓にかけてフック装置が現れた状態を示す図である。 走行位置にある運転室の内部を後方から前方の僅かにブームと反対側寄りに向かって見た図である。 本発明の変形例による移動式クレーンの運転室内を上方から下方へ向って見た図である。
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
図1〜図10を参照して、本発明の一実施形態による自走可能な移動式クレーン(以下、単にクレーンという)の構成について説明する。なお、以下の説明において、「前」とは、クレーンの通常の走行時(前進時)における前方を意味し、「後」とは、前方に対して反対側の方向を意味する。また、「左」とは、クレーンの前方に向かって左方を意味し、「右」とは、クレーンの前方に向かって右方を意味する。
本実施形態によるクレーンは、図1に示すように、下部走行体2と、上部旋回体4とを備える。
下部走行体2は、複数の車輪2aを備えていて、それらの車輪2aを回転駆動することにより走行するホイール式の走行体である。従って、本実施形態によるクレーンは、いわゆるホイールクレーンである。下部走行体2は、複数のアウトリガ装置2b(図3参照)を備えている。クレーン作業時には、下部走行体2は、車輪2aが接地した走行時の状態から、図3に示すように複数のアウトリガ装置2bにより地面から持ち上げられて支えられ、その状態で保持される。下部走行体2の前端部の左端部には、図2に示すように、前側ミラー42と、走行体左側バックミラー43とが設けられている。換言すれば、走行体左側バックミラー43は、クレーンの走行時の状態で下部走行体2のうち当該下部走行体2の左右方向において後述のブーム16に対して後述の運転室10と反対側に位置する部分に設けられている。前側ミラー42は、下部走行体2の前側下方の領域であって下部走行体2の前端部に近接した領域を映すものである。走行体左側バックミラー43は、下部走行体2の左側の後方を映すものであり、本発明の「下部走行体バックミラー」の一例である。また、下部走行体2の前端部の右端部には、走行体右側バックミラー44が設けられている。走行体右側バックミラー44は、下部走行体2の右側の後方を映すものである。
上部旋回体4(図1参照)は、下部走行体2上に旋回可能となるように搭載されている。上部旋回体4は、上部フレーム6と、図略の旋回装置と、作業装置8と、運転室10と、昇降装置13とを有する。
上部フレーム6は、上部旋回体4のベースとなる部分であり、下部走行体2上に縦軸回りに旋回自在となるように搭載されている。上部フレーム6の前端部の左端部には、図2に示すように、旋回体左側バックミラー45と、旋回体左下側バックミラー46とが設けられている。換言すれば、旋回体左側バックミラー45及び旋回体左下側バックミラー46は、上部旋回体4のうち当該上部旋回体4の左右方向において後述のブーム16に対して後述の運転室10と反対側に位置する部分に設けられている。旋回体左側バックミラー45は、上部旋回体4の左側の後方の領域を映すものであり、本発明の「上部旋回体バックミラー」の一例である。旋回体左下側バックミラー46は、上部旋回体4の左側の後方で且つ下側の領域を映すものである。上部フレーム6は、当該上部フレーム6及び下部走行体2に設けられた図略の旋回装置により縦軸回りに旋回されるようになっている。
作業装置8(図3参照)は、吊荷の吊り作業(クレーン作業)を行うための装置であり、上部フレーム6上に設置されている。作業装置8は、ブーム16と、起伏装置17と、フック装置18と、巻上ウインチ25とを有する。
ブーム16は、上部フレーム6の左右方向の中央近傍の位置で上部フレーム6の前後方向に沿って延びるように設けられている。ブーム16の基端部は、左右方向に延びる軸回りに回動可能となるように上部フレーム6の前端部に取り付けられている。これにより、ブーム16は、その基端部の左右方向に延びる軸を中心として起伏自在となっている。クレーンの走行時には、ブーム16は、図1に示すように、前方に倒伏された状態で固定される。一方、クレーン作業時には、ブーム16は、図3に示すように、前方斜め上へ起立される。クレーン作業の作業半径を拡大するために、ブーム16の先端には、図4に示すように、延長ブーム16aが連結される場合もある。
起伏装置17は、ブーム16を起伏させる装置である。この起伏装置17は、起伏ウインチ20と、ガントリ21と、下部スプレッダ22aと、上部スプレッダ22bとを有する。起伏ウインチ20は、上部フレーム6の後部上に設置されている。ガントリ21は、上部フレーム6の後部上に立設されている。下部スプレッダ22aは、ガントリ21の上端部に設けられている。上部スプレッダ22bは、下部スプレッダ22aから前側に離間して配置されており、この上部スプレッダ22bと下部スプレッダ22aとに起伏ウインチ20から引き出された起伏ロープ23が巻き掛けられている。上部スプレッダ22bは、ガイライン24を介してブーム16の先端(ブーム16に延長ブーム16aを連結した場合には延長ブーム16aの先端)に接続されている。起伏ウインチ20が起伏ロープ23の巻取り/巻出しを行うことにより下部スプレッダ22aと上部スプレッダ22bとの間の間隔が変化し、それに応じてブーム16が起伏するようになっている。
フック装置18は、吊荷が装着されるものであり、本発明の装着部の一例である。フック装置18は、吊ロープ19を介してブーム16の先端又は延長ブーム16aの先端から吊り下げられる。吊ロープ19は、上部フレーム6上に設置された巻上ウインチ25から引き出されており、この巻上ウインチ25が吊ロープ19の巻取り/巻出しを行うことによりフック装置18の昇降(吊荷の昇降)が行われるようになっている。
運転室10は、その内部でオペレータがクレーンの走行のための運転及びクレーン作業のための作業装置8の操作を行うものである。運転室10は、昇降装置13を介して上部フレーム6の前端部に取り付けられており、ブーム16の右側に配置されている。具体的には、運転室10は、当該運転室10のブーム16と反対側の側面(右側面)が上から見て上部フレーム6の右側縁部と略一致するような位置に配置されている。昇降装置13は、運転室10を図1に示す走行位置P1と図3及び図4に示す作業位置P2との間で昇降させる。走行位置P1は、運転室10内のオペレータがクレーンの走行のための運転を行いやすいように比較的低い位置に設定されており、作業位置P2は、運転室10内のオペレータがクレーン作業のために広い視界を確保しやすいように走行位置P1よりも上側で比較的高い位置に設定されている。
運転室10の前壁のうち高さ方向の中央よりもある程度下側の位置から上端付近にかけての領域には、透明なガラス窓である前面窓26(図5及び図10参照)が設けられており、この前面窓26を通して運転室10内から運転室10外の前方を見渡すことが可能となっている。また、クレーンの走行時には、運転室10が走行位置P1(図1参照)に配置された状態で、後述の運転席30に座ったオペレータが前面窓26を通して走行体右側バックミラー44(図10参照)を視認可能となるようになっている。オペレータは、走行体右側バックミラー44を視認してその走行体右側バックミラー44に映った下部走行体2の右側後方の状況を確認する。
また、図5に示すように、運転室10の前壁のうち前面窓26よりも下側の領域には、透明なガラス窓である第1視認部27及び第2視認部28が設けられている。また、図6に示すように、運転室10のブーム16側の側壁のうち後述する運転席30の背もたれ30aよりも前側で且つ高さ方向の中央付近から上端付近にかけての領域には、透明なガラス窓であるブーム側窓29が設けられており、このブーム側窓29を通して運転室10内から運転室10外のブーム16側の側方(左方)からそのブーム16側の斜め前方を見渡すことが可能となっている。第1視認部27、第2視認部28及びブーム側窓29の具体的な構成については、後述する。
クレーンは、図5に示すように、運転室10内に設けられた運転席30、運転装置32、操作装置33、前側表示装置34及び側部表示装置36(図6参照)を備えている。
運転席30は、運転室10内の略中央に設置されている。運転席30は、オペレータが座ってクレーンの走行のための運転(運転装置32の操作)及びクレーン作業のための作業装置8の操作(操作装置33の操作)を行うものである。
運転装置32は、クレーンの走行のための運転に用いられるものである。運転装置32は、オペレータがクレーンの運転のために操作するハンドル32aを備えており、運転室10内において運転席30の前側に設置されている。
操作装置33は、クレーン作業を行う作業装置8の操作(フック装置18の昇降のための巻上ウインチ25の操作、ブーム16の起伏のための起伏ウインチ20の操作、上部旋回体4の旋回操作等)に用いられるものである。操作装置33は、オペレータが手動操作する操作レバー33aを備えており、運転室10内において運転席30の前側で且つブーム16側(左側)に設けられている。
前側表示装置34は、クレーンの走行のための情報、具体的には走行速度やエンジンの回転数等の情報を表示するモニタである。前側表示装置34は、運転室10内において運転席30の前側、具体的には運転装置32のさらに前側に設けられている。前側表示装置34は、情報を表示する表示画面34aを備えている。表示画面34aは、後方斜め上を向いており、運転席30に座ったオペレータの目線に概ね合う角度で配置されている。
側部表示装置36は、作業装置8によるクレーン作業に関する情報、具体的には吊荷の実荷重や定格荷重、作業半径等の情報を表示するモニタである。側部表示装置36は、運転室10内において運転席30のブーム16側の側方に設けられている。具体的には、側部表示装置36は、運転室10内のブーム16側の側面のうち運転席30よりも前寄りの位置で且つ当該側面の上部に設けられている。側部表示装置36は、情報を表示する表示画面36aを備えている。表示画面36aは、本実施形態では、運転室10内のブーム16側の側面と略平行に配置されている。
運転室10の前壁の下部に設けられた第1視認部27(図5参照)は、前側表示装置34に対してブーム16側(左側)で且つ前側表示装置34よりも下側に位置する領域に設けられている。この第1視認部27を通して運転室10内から運転室10の外部の前方下側で且つブーム16側の領域を視認可能となっている。具体的には、第1視認部27は、運転席30に座ったオペレータが運転室10の前方で且つブーム16側の斜め下(左側斜め下)の領域を当該第1視認部27を通して視認可能となるように配置されている。第1視認部27は、運転室10内の床面に対して垂直な方向から前側へ所定角度だけ傾斜した姿勢で配置されている。クレーン作業時に運転室10が比較的高い作業位置P2(図3及び図4参照)に配置された状態で、オペレータは、その運転室10内から第1視認部27を通して、地面付近で行われるフック装置18への吊荷の装着の状況(玉掛等の状況)を視認するようになっている。
運転室10の前壁の下部に設けられた第2視認部28は、前側表示装置34に対してブーム16と反対側(右側)で且つ前側表示装置34よりも下側に位置する領域に設けられている。この第2視認部28を通して運転室10内から運転室10の外部の前方下側で且つブーム16と反対側の領域を視認可能となっている。具体的には、第2視認部28は、運転席30に座ったオペレータが運転室10の前方で且つブーム16と反対側の斜め下(右側斜め下)の領域を当該第2視認部28を通して視認可能となるように配置されている。第2視認部28は、第1視認部27と同様、運転室10内の床面に対して垂直な方向から前側へ所定角度だけ傾斜した姿勢で配置されている。クレーン作業時に運転室10が比較的高い作業位置P2(図3及び図4参照)に配置された状態で、オペレータは、上部旋回体4を運転室10からブーム16と反対側へ向う方向(右方)に旋回させるときに、第2視認部28を通して前方斜め下で且つ旋回先の領域の状況を視認するようになっている。
運転室10の側壁に設けられたブーム側窓29(図6参照)のうち側部表示装置36の後方に位置する領域は、後側視認部29aとなっている。後側視認部29aは、クレーンの走行時に運転室10内から当該後側視認部29aを通して旋回体左側バックミラー45を視認可能となるように設けられている。具体的に、後側視認部29aは、運転室10が走行位置P1(図1参照)に配置された状態で、運転席30に座ったオペレータが当該後側視認部29aを通して旋回体左側バックミラー45を視認することが可能な範囲に設けられている。オペレータは、クレーンの走行時に後側視認部29aを通して旋回体左側バックミラー45を視認し、その旋回体左側バックミラー45に映った上部旋回体4の左側方で且つ後方の領域の状況を確認するようになっている。
また、運転室10の側壁に設けられたブーム側窓29のうち側部表示装置36の前方に位置する領域は、前側視認部29bとなっている。クレーン作業時に運転室10が作業位置P2(図3及び図4参照)に配置された状態では、運転室10内から当該前側視認部29bを通して作業装置8のフック装置18の位置や状態を視認することが可能となっている(図9参照)。また、クレーン作業時に、運転席30に座ったオペレータが前側視認部29bを通してブーム16の姿勢等の状態や、フック装置18に吊られた吊荷の状態等を視認することも可能となっている。
また、運転室10の側壁に設けられたブーム側窓29のうち側部表示装置36の下方に位置する領域は、下側視認部29c(図6参照)となっている。下側視認部29cは、走行位置P1(図1参照)に配置された運転室10内から当該下側視認部29cを通して前側ミラー42(図2及び図8参照)及び走行体左側バックミラー43(図2、図7及び図8参照)を視認可能となるように設けられている。具体的に、下側視認部29cは、運転室10が走行位置P1に配置された状態で、運転席30に座ったオペレータが当該下側視認部29cを通して前側ミラー42及び走行体左側バックミラー43を図8に示すように視認することが可能な範囲に設けられている。オペレータは、下側視認部29cを通して前側ミラー42を視認し、その前側ミラー42に映った下部走行体2の前側下方の領域であって下部走行体2の前端部に近接した領域の状況を確認するようになっている。また、オペレータは、下側視認部29cを通して走行体左側バックミラー43を視認し、その走行体左側バックミラー43に映った下部走行体2の左側後方の状況を確認するようになっている。なお、オペレータは、ブーム16を構成する部材間の隙間を通して前側ミラー42及び走行体左側バックミラー43を視認できるようになっている。
また、下側視認部29cは、走行位置P1(図1参照)に配置された運転室10内から当該下側視認部29cを通して旋回体左下側バックミラー46(図2及び図6参照)を視認可能となるように設けられている。具体的に、下側視認部29cは、運転室10が走行位置P1に配置された状態で、運転席30に座ったオペレータが当該下側視認部29cを通して旋回体左下側バックミラー46を視認することが可能な範囲に設けられている。オペレータは、下側視認部29cを通して旋回体左下側バックミラー46を視認し、その旋回体左下側バックミラー46に映った上部旋回体4の左側後方で且つ下側の領域の状況を確認するようになっている。
以上説明したように、本実施形態では、クレーンの走行に関する情報を表示する前側表示装置34と作業装置8によるクレーン作業に関する情報を表示する側部表示装置36とが運転室10内に設けられているため、表示装置に表示する情報量が増大したとしても、クレーンの走行に関する情報とクレーン作業に関する情報を前側表示装置34と側部表示装置36とに表示することができ、表示すべき情報量の増大に対応することができる。
しかも、本実施形態では、クレーンの走行に関する情報とクレーン作業に関する情報を前側表示装置34と側部表示装置36とに分けて表示することができるため、表示すべき全体の情報量が増大したとしても、前側表示装置34と側部表示装置36のそれぞれの大型化を防ぐことができる。このため、運転室10内において前側表示装置34に対してブーム16側で且つ前側表示装置34よりも下側に位置する領域にスペースを確保することができ、そのスペースを利用して第1視認部27を設けることができる。その結果、運転室10内の運転席30に座ったオペレータは、第1視認部27を通して、地面付近で行われるフック装置18への吊荷の装着の状況を視認することができる。
さらに、本実施形態では、クレーンの走行に関する情報を表示する前側表示装置34が運転室10内において運転席30の前側に設けられているとともに、クレーン作業に関する情報を表示する側部表示装置36が運転室10内において運転席30のブーム16側の側方に設けられているため、オペレータは、クレーンの走行のために運転席30から前方を向いてクレーンを運転する時には目線の向きをあまり変えずに前側表示装置34の表示画面34aに表示されるクレーンの走行に関する情報を確認でき、クレーン作業のために運転席30からブーム16側を向いて作業装置8を操作する時には目線の向きをあまり変えずに側部表示装置36に表示されるクレーン作業に関する情報を確認できる。すなわち、本実施形態では、クレーン走行時とクレーン作業時とで状況に応じた情報をオペレータから確認しやすい位置に表示することができる。
また、本実施形態では、運転室10の前壁のうち前側表示装置34に対してブーム16と反対側で且つ前側表示装置34よりも下側に位置する領域に第2視認部28が設けられているため、クレーン作業時に運転室10からブーム16と反対側の側方(右方)へ上部旋回体4を旋回する場合に、運転室10内の運転席30に座ったオペレータは、第2視認部28を通して前方斜め下で且つ旋回先の領域の状況を視認することができる。
また、本実施形態では、運転室10のブーム16側の側壁のうち側部表示装置36の後方に位置する領域に後側視認部29aが設けられていて、運転室10内からその後側視認部29aを通して旋回体左側バックミラー45を視認可能となっているため、クレーンの走行時に、運転室10内の運転席30に座ったオペレータが後側視認部29aを通して旋回体左側バックミラー45に映った上部旋回体4の左側の側方(運転室10と反対側の側方)で且つ後方の状況を視認することができる。
また、本実施形態では、運転室10のブーム16側の側壁のうち側部表示装置36の下方に位置する領域に下側視認部29cが設けられていて、運転室10内からその下側視認部29cを通して前側ミラー42及び走行体左側バックミラー43を視認可能となっているため、クレーンの走行時に、運転室10内の運転席30に座ったオペレータが、下側視認部29cを通して前側ミラー42に映った下部走行体2の前側下方の領域で且つ下部走行体2の前端部に近接した領域の状況を視認することができるとともに、下側視認部29cを通して走行体左側バックミラー43に映った下部走行体2の左側後方の領域の状況を視認することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
上記実施形態では、移動式クレーンの一例としてのホイールクレーンに本発明を適用した例について説明したが、ホイールクレーン以外の移動式クレーンに本発明を適用することも可能である。例えば、下部走行体としてクローラ式の走行体を備えるクローラクレーン等に本発明を適用することも可能である。
また、上記実施形態では、側部表示装置36の表示画面36aが運転室10内のブーム16側の側面に対して略平行に配置されているが、側部表示装置36の表示画面36aが運転室10内のブーム16側の側面に対して所定角度(例えば約10°)だけ後側へ傾斜して配置されていてもよい(図11参照)。この構成によれば、側部表示装置36よりも後寄りに設けられている運転席30に座ったオペレータから側部表示装置36の表示画面36aをより見やすくすることができる。
前側表示装置34は、クレーンの走行に関する情報に加えてそれ以外の情報を表示してもよく、側部表示装置36は、作業装置8によるクレーン作業に関する情報に加えてそれ以外の情報を表示してもよい。例えば、前側表示装置34は、クレーンの走行に関する情報に加えて、クレーン作業に関する情報の一部を表示してもよい。また、側部表示装置36は、作業装置8によるクレーン作業に関する情報に加えて、クレーンの走行に関する情報の一部を表示してもよい。
また、前側ミラー42、走行体左側バックミラー43、旋回体左側バックミラー45及び旋回体左下側バックミラー46は、ブーム16に設けられてもよい。具体的に、クレーンがブーム16が前方へ倒伏するとともに運転室10が走行位置P1に配置される走行状態(図1参照)にある状態で、前側ミラー42、走行体左側バックミラー43、旋回体左側バックミラー45及び旋回体左下側バックミラー46の前後方向及び左右方向における位置が上記実施形態における各ミラー42,43,45,46の対応する各位置とほぼ等しくなるようにそれらの前側ミラー42、走行体左側バックミラー43、旋回体左側バックミラー45及び旋回体左下側バックミラー46をブーム16に設けてもよい。この構成における各ミラー42,43,45,46の機能は、上記実施形態における対応するミラーの機能と同様である。
上記実施形態では、上部旋回体4において運転室10がブーム16の右側に配置されているが、運転室10はブーム16の左側に配置されていてもよい。すなわち、上述したクレーンの各構成を左右逆に配置してもよい。
2 下部走行体
6 上部フレーム
8 作業装置
10 運転室
16 ブーム
18 フック装置(装着部)
27 第1視認部
28 第2視認部
29a 後側視認部
29c 下側視認部
30 運転席
34 前側表示装置
36 側部表示装置
42 前側ミラー
43 走行体左側バックミラー(下部走行体バックミラー)
45 旋回体左側バックミラー(上部旋回体バックミラー)

Claims (6)

  1. 走行可能に構成された移動式クレーンであって、
    下部走行体と、
    前記下部走行体上に旋回可能となるように搭載された上部旋回体とを備え、
    前記上部旋回体は、当該上部旋回体の前後方向に延びるとともに起伏自在となるように当該上部旋回体に設けられたブームとそのブームの先端から吊り下げられて吊荷が装着される装着部とを有する作業装置と、当該上部旋回体の左右方向において前記ブームに対して一方側に配置された運転室と、前記運転室内に設けられていてオペレータが前記移動式クレーンの走行のための操作及び前記作業装置の操作を座って行う運転席と、前記運転室内において前記運転席の前側に設けられていて少なくとも前記移動式クレーンの走行に関する情報を表示する前側表示装置と、前記運転室内において前記運転席の前記ブーム側の側方に設けられていて少なくとも前記作業装置によるクレーン作業に関する情報を表示する側部表示装置とを備え、
    前記運転室の前壁のうち前記前側表示装置に対して前記ブーム側で且つ前記前側表示装置よりも下側に位置する領域には、第1視認部が、前記運転室内から当該第1視認部を通して前記運転室の外部を視認可能となるように設けられている、移動式クレーン。
  2. 前記運転室の前壁のうち前記前側表示装置に対して前記ブームと反対側で且つ前記前側表示装置よりも下側に位置する領域には、第2視認部が、前記運転室内から当該第2視認部を通して前記運転室の外部を視認可能となるように設けられている、請求項1に記載の移動式クレーン。
  3. 前記上部旋回体のうち当該上部旋回体の左右方向において前記ブームに対して前記運転室と反対側に位置する部分には、後方を映す上部旋回体バックミラーが設けられ、
    前記運転室の前記ブーム側の側壁のうち前記側部表示装置の後方に位置する領域には、後側視認部が、前記運転室内から当該後側視認部を通して前記上部旋回体バックミラーを視認可能となるように設けられている、請求項1又は2に記載の移動式クレーン。
  4. 前記下部走行体の前端部のうち当該下部走行体の左右方向において前記ブームに対して前記運転室と反対側に位置する部分には、前記下部走行体の前側の下方を映す前側ミラーが設けられ、
    前記運転室の前記ブーム側の側壁のうち前記側部表示装置の下方に位置する領域には、下側視認部が、前記運転室内から当該下側視認部を通して前記前側ミラーを視認可能となるように設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の移動式クレーン。
  5. 前記下部走行体のうち当該下部走行体の左右方向において前記ブームに対して前記運転室と反対側に位置する部分には、前記下部走行体の後方を映す下部走行体バックミラーが設けられ、
    前記運転室の前記ブーム側の側壁のうち前記側部表示装置の下方に位置する領域には、下側視認部が、前記運転室内から当該下側視認部を通して前記下部走行体バックミラーを視認可能となるように設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の移動式クレーン。
  6. 前記下部走行体は、ホイール式の走行体である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の移動式クレーン。
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