JP2015058932A - ガラス板梱包体、及びガラス板梱包用治具 - Google Patents

ガラス板梱包体、及びガラス板梱包用治具 Download PDF

Info

Publication number
JP2015058932A
JP2015058932A JP2013191331A JP2013191331A JP2015058932A JP 2015058932 A JP2015058932 A JP 2015058932A JP 2013191331 A JP2013191331 A JP 2013191331A JP 2013191331 A JP2013191331 A JP 2013191331A JP 2015058932 A JP2015058932 A JP 2015058932A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass plate
plate
glass
pillow material
binding belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013191331A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6171769B2 (ja
Inventor
正一 谷田
Shoichi Tanida
正一 谷田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority to JP2013191331A priority Critical patent/JP6171769B2/ja
Publication of JP2015058932A publication Critical patent/JP2015058932A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6171769B2 publication Critical patent/JP6171769B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Packages (AREA)
  • Packaging Frangible Articles (AREA)

Abstract

【課題】載置台に積層されたガラス板を梱包するにあたり、ガラス板の端部に大きな応力が掛かり難いガラス板梱包体を提供する。
【解決手段】載置台50に積層されたガラス板1を梱包したガラス板梱包体100であって、最外層に積層されたガラス板1の主面に当接し、当該ガラス板1を押さえる押さえ板20と、押さえ板20のガラス板1との当接面21とは反対側の面22に配置される枕材40と、枕材40と押さえ板20の端部とを懸架しつつ、積層されたガラス板1(ガラス板群10)を結束する結束ベルト30と、を備え、結束ベルト30から押さえ板20を介してガラス板1に作用する応力のピークの位置が、ガラス板1の端部から外れた位置に存在するよう枕材40を構成してある。
【選択図】図1

Description

本発明は、載置台に積層されたガラス板を梱包したガラス板梱包体、及び載置台に積層されたガラス板を梱包するために使用するガラス板梱包用治具に関する。
フラットパネルディスプレイ用のガラス基板や太陽電池用のガラス基板等に使用されるガラス板は、出荷の際、パレット上に積層され、積層されたガラス板の最前部に押さえ板が載置され、それらを結束ベルトで結束することにより、パレットごと梱包される。パレット上へのガラス板の積層形態としては、水平な床に載置したパレットに平積みする横置き形態、又は略垂直ないし若干傾斜したパレットに立て掛けるように積み上げる縦置き形態が代表的である。ガラス板の積層形態は、ガラス板の種類、製造環境、使用目的等に応じて適宜選択されるが、パレットに対するガラス板の載置/搬出の容易性、パレットの設置面積の効率などの点においては、縦置き形態が有利となる。
従来のガラス板梱包体として、例えば、傾斜角が2〜20度に設定された縦置き型パレットにガラス板を立て掛けるように積層し、最前部のガラス板の外側面に合紙を介在させて当て板を配置し、この当て板からパレットの背部に亘って帯状体を掛け渡すことにより、ガラス板を固定したものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2000−142856号公報
特許文献1のように、パレットに縦置き形態でガラス板を載置する場合、各ガラス板には面に略平行な鉛直方向に重力が作用するため、搬送中にガラス板がずれ易くなるという問題がある。搬送中のガラス板のずれを防止するためには、ガラス板の梱包に使用する結束ベルトの結束力を強める必要がある。ところが、結束ベルトの結束力を強めると、ガラス板に作用する応力が増大し、ガラス板に大きな負担が掛かることになる。特に、ガラス板の端部に大きな応力が掛かるとガラス板が破損し易いため、該端部には大きな負担が掛からないようにする配慮が求められる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、載置台に積層されたガラス板を梱包するにあたり、ガラス板の端部に大きな応力が掛かり難いガラス板梱包体、及びガラス板梱包用治具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係るガラス板梱包体の特徴構成は、載置台に積層されたガラス板を梱包したものであって、最外層に積層された前記ガラス板の主面に当接し、当該ガラス板を押さえる押さえ板と、前記押さえ板の前記ガラス板との当接面とは反対側の面に配置される枕材と、前記枕材と前記押さえ板の端部とを懸架しつつ、積層された前記ガラス板を結束する結束ベルトと、を備え、前記結束ベルトから前記押さえ板を介して前記ガラス板に作用する応力のピークの位置が、前記ガラス板の端部から外れた位置に存在するよう前記枕材を構成してあることにある。
本構成のガラス板梱包体によれば、押さえ板に配置された枕材によって、結束ベルトから押さえ板を介してガラス板に作用する応力のピークの位置がガラス板の端部から外れるため、ガラス板の端部に応力が掛かり難くなる。また、ガラス板を結束する結束ベルトの結束力を強めても、ガラス板は破損し難く、強めた結束力によって搬送中にガラス板がずれることを防止しながら、ガラス板梱包体の姿勢を安定させることができる。
本発明のガラス板梱包体において、前記ガラス板に作用する応力のピークの位置が、前記ガラス板の端部から3mm以上前記ガラス板の中央部側に位置するよう前記枕材を構成してあることが好ましい。
本構成のガラス板梱包体によれば、ガラス板に作用する応力のピークの位置が、ガラス板の端部から中央部側に十分に離れた位置である3mm以上離間した位置に調整されることになる。従って、結束ベルトによりガラス板を破損させることなく、強い結束力で結束することができる。ゆえに、搬送中にガラス板がずれることを確実に防止しながら、ガラス板梱包体の姿勢を、より安定させることができる。
本発明のガラス板梱包体において、前記枕材と前記押さえ板の端部との間の前記結束ベルトの長さをLとし、前記枕材と前記押さえ板の端部との間の前記結束ベルトの延伸方向と前記押さえ板の表面との間に形成される角度をθとすると、(1)55°≦θ≦85°、及び(2)L・cosθ≧3mmを満たすよう前記枕材を構成してあることが好ましい。
本構成のガラス板梱包体によれば、上記の条件を満たすように枕材を構成することで(例えば、枕材の形状、サイズ、位置等を調整することで)、ガラス板に作用する応力のピークの位置を、ガラス板の端部から中央部側へ確実に離間させることができる。従って、ガラス板の端部への応力集中を確実に抑制し、ガラス板の破損を防止することができる。
本発明のガラス板梱包体において、前記結束ベルトが懸架される前記押さえ板の端面と、当該押さえ板が当接する前記ガラス板の端面とが略面一となるよう前記押さえ板を構成してあることが好ましい。
押さえ板がガラス板より大きい場合、はみ出した押さえ板が弓なりに変形する等してガラス板の端部に過大な応力を作用させる場合がある。また、押さえ板がガラス板より小さい場合、結束ベルトがガラス板の端部に直接当接して、該端部に過大な応力を作用させる場合がある。一方、本構成のガラス板梱包体によれば、押さえ板の端面と、当該押さえ板が当接するガラス板の端面とが略面一であるため、押さえ板の変形や結束ベルトの接触等によるガラス板の端部への応力集中を抑制することができる。
本発明のガラス板梱包体において、前記枕材は、前記押さえ板の幅方向に沿って延在する角材であることが好ましい。
本構成のガラス板梱包体によれば、枕材が押さえ板の幅方向に沿って延在する角材であるため、結束ベルトから押さえ板を介してガラス板に作用する応力を、ガラス板の幅方向の広い範囲において分散させることができる。従って、ガラス板の端部への応力集中をガラス板の幅方向全体に亘って抑制することができる。
本発明のガラス板梱包体において、前記枕材を前記押さえ板と一体に構成してあることが好ましい。
本構成のガラス板梱包体によれば、枕材を押さえ板と一体に構成することで、枕材が押さえ板に対して移動しないため、枕材の位置ずれに起因してガラス板に作用する応力が変動することを抑制することができる。また、結束ベルトの結束力を強めたときに、枕材が押さえ板から不意に動いてしまう心配がないので、搬送中にガラス板がずれることを確実に防止しながら、ガラス板梱包体の姿勢をより安定させることができる。
本発明のガラス板梱包体において、前記ガラス板は、前記載置台に縦置き状態で積層されるとともに、前記押さえ板を介して前記結束ベルトによって縦方向に結束され、前記押さえ板の上方側に前記枕材を配置してあることが好ましい。
本構成のガラス板梱包体によれば、縦置き形態の載置台にガラス板を積層する場合において、結束ベルトの結束力の強化によるガラス板の破損を効果的に抑制することができる。このとき、枕材を押さえ板の上方側に配置してあるため、載置台に接触しない側であるガラス板の上方側の安定性を向上させることができる。
上記課題を解決するための本発明に係るガラス板梱包用治具の特徴構成は、載置台に積層されたガラス板を梱包するために使用するものであって、最外層に積層された前記ガラス板の主面に当接し、当該ガラス板を押さえる押さえ板と、前記押さえ板の前記ガラス板との当接面とは反対側の面に配置される枕材と、前記枕材と前記押さえ板の端部とを懸架しつつ、積層された前記ガラス板を結束する結束ベルトと、を備え、前記結束ベルトから前記押さえ板を介して前記ガラス板に作用する応力のピークの位置が、前記ガラス板の端部から外れた位置に存在するよう前記枕材を構成してあることにある。
本構成のガラス板梱包用治具によれば、上述のガラス板梱包体と同様に、搬送中にガラス板がずれることを防止しながら、ガラス板梱包体の姿勢を安定させることができるという優れた作用効果を奏するものとなる。
図1は、ガラス板梱包体の全体構成を表した概略図である。 図2は、ガラス板梱包体に使用する枕材の説明図である。 図3は、応力ピーク位置の確認に使用した感圧紙の変色状態のイメージ図である。 図4は、別実施形態に係るガラス板梱包体の説明図である。
以下、本発明のガラス板梱包体、及びガラス板梱包用治具に関する実施形態について、図1〜図4を参照しながら説明する。なお、ガラス板梱包用治具については、ガラス板梱包体の説明を引用する形で説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。
<ガラス板梱包体の全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係るガラス板梱包体100の全体構成を表した概略図である。図1(a)は、ガラス板梱包体100の概略正面図である。図1(b)は、ガラス板梱包体100の概略側面図である。ガラス板梱包体100は、複数のガラス板1を載置台50に積層した状態で載置台50ごと梱包したものである。ガラス板1の梱包は、次のように行われる。
載置台50へのガラス板1の載置は、例えば、ガラス板把持装置(図示せず)によって一枚ずつ行われる。このとき、ガラス板1を一枚載置する度に合紙を挟み込み、隣接するガラス板1同士が直接接触しないように積層を行う場合もある。本実施形態の載置台50は縦置きタイプであるため、ガラス板1は載置台50の載置面51に立て掛けるように載置される。載置台50の載置面51に前回載置したガラス板1が存在する場合は、そのガラス板1の表面に次のガラス板1が載置される。なお、ガラス板1を積層する作業は、作業者により手作業で実施されてもよい。この作業を繰り返し、載置台50の上に複数のガラス板1からなるガラス板群10が形成される。載置台50に所定枚数のガラス板1を載置し終えたら、ガラス板群10の最外層に積層されたガラス板1の露出している表面(これを、「主面」とする。)に押さえ板20を当接するように載置する。押さえ板20は、ガラス板1の端部への応力集中を避けるため、押さえ板20の端面B1と、当該押さえ板20が当接するガラス板1(ガラス板群10)の端面B2とが略面一となるように構成したものを使用することが好ましい。この場合、押さえ板20の変形や後述する結束ベルト30の接触等によるガラス板1の端部への応力集中を抑制することができる。押さえ板20の端面B1と、ガラス板1の端面B2とを略面一にするためには、押さえ板20とガラス板1とで縦の長さ及び横の長さを一致させる。
押さえ板20が載置されたガラス板群10は、搬送時に個々のガラス板1同士がずれないように、押さえ板20の上から結束ベルト30で結束される。ここで、押さえ板20には、ガラス板1との当接面(裏面)21とは反対側の面(表面)22に枕材40が設けられている。枕材40は、結束ベルト30から押さえ板20を介してガラス板1(ガラス板群10)に作用する応力を調整するための部材である。枕材40については、後述の「枕材の構成」の項目で詳述する。結束ベルト30は、枕材40と押さえ板20の端部Oとを懸架するように、ガラス板群10の周囲に配される。押さえ板20の端部Oとは、押さえ板20の表面22と端面B1とが交差する角部である。
ガラス板群10を構成する個々のガラス板1には、縦方向(ガラス板1の表面に略平行な鉛直方向)に重力が作用するが、ガラス板1同士の間に発生する摩擦力は比較的小さい。このため、ガラス板群10を構成するガラス板1は、互いにずれ易くなっている。そこで、ガラス板1のずれを防止するため、結束ベルト30は、ガラス板群10に対して縦方向に結束する形態で配される。このとき、ガラス板1の重量によって結束ベルト30の緩みが発生しないように、結束ベルト30には非伸縮性のベルトを使用することが好ましい。非伸縮性ベルトには、例えば、金属ワイヤ、合成繊維、天然繊維等を素材としたものが使用される。結束ベルト30の両端は、載置台50の後方に設けられた第一係留部52と、載置台50の下方に設けられた第二係留部53とに夫々結び付けられる。結束ベルト30の結束力は、結束ベルト30の有効長(第一係留部52から第二係留部53に至る結束ベルト30の実質距離)を調整するバックル31によって調整される。結束ベルト30の結束力の強さは、例えば、結束ベルト30のバックル31の上方10cmの位置で結束ベルト30を把持し、それを手前側に引っ張る場合において、結束ベルト30を20mm手前側まで引っ張るときに要する力が5〜20kg、より好ましくは10〜18kg、さらに好ましくは14〜16kgとなるように調整される。
<ガラス板梱包用治具>
上記の押さえ板20、結束ベルト30、及び枕材40は、載置台50に積層されたガラス板1を梱包するために使用する本発明のガラス板梱包用治具100´を構成する。すなわち、ガラス板梱包用治具100´は、ガラス板梱包体100からガラス板1(ガラス板群10)を除いたものである。ガラス板梱包用治具100´は、ガラス板1を梱包するために使用する治具であるが、ガラス板1以外の板状物(例えば、金属板等)を同様に梱包する目的で使用することも可能である。
<枕材の構成>
図2は、ガラス板梱包体100に使用する枕材40の説明図である。図2(a)は、図1(b)のガラス板梱包体100の概略側面図において、点線円Rで囲った上側の枕材40を配置してある領域を拡大した図である。図2(b)は、図2(a)の拡大領域において、結束ベルト30から押さえ板20を介してガラス板1に作用する応力の大きさを、ガラス板1の端部1aからの距離に沿って示した応力プロファイルである。
ガラス板1は、製品の種類や使用目的等に応じて所定の処理が施される。例えば、ガラス板1の端部1aに対して面取り処理が行われることがある。面取り処理が施されたガラス板1の端部1aは、ガラス板1の中央側より脆弱になり易い。そこで、ガラス板1を梱包する際に、端部1aに大きな負担が掛からないように(すなわち、端部1aに応力が集中しないように)、押さえ板20に枕材40が設けられる。枕材40は、結束ベルト30から押さえ板20を介してガラス板1(ガラス板群10)に作用する応力を調整するための部材である。本発明では、枕材40の構成(枕材40の形状、サイズ、位置等)を工夫することにより、ガラス板1(ガラス板群10)に作用する応力の調整を行っている。
例えば、枕材40の形状に関して、本実施形態では、押さえ板20の幅方向に沿って延在する角材を枕材40として使用している。角材は、押さえ板20に対する設置安定性の点から、図2(a)に示すように、矩形断面を有するものが好ましいが、例えば、三角形の断面を有する角材や、台形の断面を有する角材を使用することもできる。角材を枕材40として使用すると、結束ベルト30から押さえ板20を介してガラス板1に作用する応力を、ガラス板1の幅方向の広い範囲において分散させることができる。従って、ガラス板1の端部1aへの応力集中をガラス板1の幅方向全体に亘って抑制することができる。
枕材40のサイズ及び位置については、枕材40と押さえ板20の端部Oとを懸架する結束ベルト30が適切な張り具合となるように決定される。具体的には、図2(a)に示すように、枕材40と押さえ板20の端部Oとの間の結束ベルト30の長さをLとし、枕材40と押さえ板20の端部Oとの間の結束ベルト30の延伸方向Xと押さえ板20の表面22との間に形成される角度をθとすると、以下の二つの条件:
(1)55°≦θ≦85°
(2)L・cosθ≧3mm
を満たすように、枕材40のサイズ、及び押さえ板20に対する枕材40の位置が調整される。ここで、L・cosθは、押さえ板20の端部Oから押さえ板20の上に配置される枕材40の近位端A1までの距離に相当する。上記の二つの条件を満たすように構成された枕材40を用いると、図2(b)に示すように、ガラス板1に作用する応力のピークPの位置がガラス板1の端部1a(ガラス板群10の端面B2)から外れ、ガラス板1の中央部側へ離間する。応力のピークPの位置は、通常、枕材40の近位端A1と遠位端A2との間に存在するが、応力のピークPの位置は、ガラス板1の端部1aから中央部側へ3mm以上、好ましくは4mm以上、より好ましくは5mm以上離間させておく。この場合、ガラス板1の端部1aに応力が掛かり難いものとなる。従って、ガラス板1の端部1aへの応力集中を確実に抑制し、ガラス板1の破損を防止することができる。また、結束ベルト30によりガラス板1を破損させることなく、強い結束力で結束することができるため、搬送中にガラス板1がずれることを確実に防止しながら、ガラス板梱包体100の姿勢を、より安定させることができる。
また、上記の二つの条件を満たすように構成された枕材40は、押さえ板と一体に構成してあることが好ましい。この場合、枕材40が押さえ板20に対して移動しないため、枕材40の位置ずれに起因してガラス板1に作用する応力が変動することを抑制することができる。さらに、結束ベルト30の結束力を強めたときに、枕材40が押さえ板20から不意に動いてしまう心配がないので、搬送中にガラス板1がずれることを確実に防止しながら、ガラス板梱包体100の姿勢をより安定させることができる。
本発明のガラス板梱包体100において、枕材40が、上記の二つの条件:(1)55°≦θ≦85°、及び(2)L・cosθ≧3mmを満たすように構成すると、ガラス板1に作用する応力のピークPの位置がガラス板1の端部1a(端面B2)から外れることを検証するため、結束ベルト30の延伸方向Xと押さえ板20の表面22との間に形成される角度(θ)と、押さえ板20の端部Oから枕材40の近位端A1までの距離(L・cosθ)とを種々変更した複数の枕材を作製し、夫々の枕材を使用したガラス板梱包体100において、ガラス板1に作用する応力のピーク位置を確認した。
<応力ピーク位置の確認方法>
載置台にガラス板(縦1000mm×横1250mm×厚み1.8mm)を積層してガラス板群を形成し、ガラス板群の最前部のガラス板の主面(表面)の端部に応力を可視化するための感圧紙(縦15cm×横30cm)を配置した。感圧紙は、圧力を受けるとその部位が変色し、圧力が大きいほど変色の程度が大きくなる。感圧紙の上から押さえ板(縦1000mm×横1250mm×厚み20mm)をガラス板の主面に当接するように載置し、押さえ板の表面(ガラス板との当接面とは反対側の面)に枕材(縦45mm×横1000mm×厚み45mm)を配置した。次に、枕材と押さえ板の端部とを懸架するように、結束ベルトをガラス板群の周囲に縦方向に配し、結束ベルトの両端を載置台の上方係留部と下方係留部とに夫々結び付け、バックルを締め付けて結束力を調整した。結束力の調整は、バックルの上方10cmの位置で結束ベルトを把持し、それを20mm手前側に引っ張るときに要する力が15kgとなるように行った。結束ベルトによる結束力を調整したガラス板梱包体をそのまま放置し、一日経過後にガラス板梱包体の梱包を解除し、感圧紙を取り出してその変色状態を目視により確認した。図3は、応力ピーク位置の確認に使用した感圧紙の変色状態のイメージ図である。図3(a)は、好ましい構成を有する枕材を配置した場合の感圧紙の例であり、応力のピーク位置がガラス板の端部から中央部側に3mm以上離間している状態を表している。図3(b)は、好ましくない構成を有する枕材を配置した場合の感圧紙の例であり、応力のピーク位置がガラス板の端部から3mm未満の範囲に存在している状態を表している。
<枕材の構成と応力ピーク位置との関係>
同一の形状及びサイズを有する枕材を使用した場合、押さえ板上の枕材の位置を変更することで、結束ベルトから押さえ板を介してガラス板に作用する応力のピーク位置が変動することが確認された。枕材の位置による応力ピーク位置の変動結果を表1に示す。
Figure 2015058932
表1によれば、結束ベルトの延伸方向Xと押さえ板の表面との間に形成される角度(θ)は、枕材を押さえ板の端部から離間させるにつれて小さくなるが、ガラス板に作用する応力のピーク位置は、初めはガラス板の端部から中央部側に離間する方向にシフトし、角度(θ)が所定値以下になった後は、ガラス板の端部に近接する方向にシフトすることが確認された。そして、応力のピーク位置をガラス板の端部から中央部側に3mm以上離間させるためには、角度(θ)を約55〜85°、好ましくは約60〜80°に設定すればよいことが判明した。このときの枕材と押さえ板の端部との間の結束ベルトの長さLは、約45.3〜54.1mmであった。なお、上記範囲内の適切な構成を有する枕材を使用した場合、ガラス板に作用する応力ピークの大きさも小さくなり、ガラス板に掛かる応力が低減されることが明らかとなった。
ちなみに、枕材を設けていない押さえ板を使用してガラス板梱包体を作製したもの(すなわち、上記の角度(θ)が0°のもの)について、同様の応力ピーク位置の確認を行ったところ、応力のピーク位置はガラス板の端部と略一致していた。さらに、応力ピークの大きさは、適切に構成した枕材を設けたものより大きくなり、特にガラス板の端部に大きな応力が掛かっていることが確認された。
このように、ガラス板梱包体において、ガラス板に負担を掛けないようにするためには、上記の角度(θ)を適切に設定することが必要となるが、角度(θ)は枕材の厚みを変更することによっても調整することができる。例えば、枕材の位置を固定した場合において、枕材の厚みを大きくすると、角度(θ)は大きくなる。従って、枕材のサイズを変更することにより、ガラス板に作用する応力のピーク位置を調整し、ガラス板に掛かる応力を低減することも可能である。
<別実施形態>
本発明のガラス板梱包体は、上記実施形態で説明した構成を改変することも可能である。そのような幾つかの改変例について、別実施形態として説明する。図4は、別実施形態に係るガラス板梱包体100の説明図である。
〔1〕上記実施形態では、枕材40として押さえ板20の幅方向に沿って延在する角材を使用しているが、角材は少なくとも結束ベルト30を配する領域に設けてあればよい。ガラス板群10を二本の結束ベルト30で縦方向に結束する場合、図4(a)に示すように、押さえ板20に四つの枕材40を設けることにより、夫々の結束ベルト30は枕材40と押さえ板20の端部Oとを懸架し、結束ベルト30から押さえ板20を介してガラス板1に作用する応力のピークPの位置をガラス板1の端部1aから外すことが可能となる。
〔2〕上記実施形態では、枕材40として二本の角材を押さえ板20の上方及び下方に夫々配置しているが、図4(b)に示すように、枕材40の断面をコの字型に形成する等して二本の枕材40を一体化することも可能である。この場合、枕材40のうち、押さえ板20の上方に配置する部位と下方に配置する部位との間隔を一定に保つことができるため、枕材40の位置決めが容易になるとともに、枕材40の配置を一度に行うことができる。
〔3〕上記実施形態では、枕材40として二本の角材を押さえ板20の上方及び下方に夫々配置しているが、ガラス板1の両側方の端部にも枕材40を配置することも効果的である。その場合、枕材40を図4(c)に示す環形状や、図4(d)に示す格子形状に形成する。この場合、ガラス板1aの全ての端部付近において、ガラス板1に作用する応力のピークPの位置をガラス板1の端部1aから外すことが可能となる。
本発明のガラス板梱包体は、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板や太陽電池用のガラス基板等の各種ガラス板の荷姿として利用される。本発明のガラス板梱包用治具は、前記各種ガラス板を積層状態で梱包する場面において利用されるものであるが、ガラス以外の素材からなる板状体の梱包にも適用可能である。例えば、金属板、樹脂板、セラミック板、木板等の梱包にも応用することができる。
1 ガラス板
1a ガラス板の端部
10 ガラス板群
20 押さえ板
21 押さえ板の当接面
22 押さえ板の表面
30 結束ベルト
40 枕材
50 載置台
100 ガラス板梱包体
100´ ガラス板梱包用治具
O 押さえ板の端部
P 応力のピーク

Claims (8)

  1. 載置台に積層されたガラス板を梱包したガラス板梱包体であって、
    最外層に積層された前記ガラス板の主面に当接し、当該ガラス板を押さえる押さえ板と、
    前記押さえ板の前記ガラス板との当接面とは反対側の面に配置される枕材と、
    前記枕材と前記押さえ板の端部とを懸架しつつ、積層された前記ガラス板を結束する結束ベルトと、
    を備え、
    前記結束ベルトから前記押さえ板を介して前記ガラス板に作用する応力のピークの位置が、前記ガラス板の端部から外れた位置に存在するよう前記枕材を構成してあるガラス板梱包体。
  2. 前記ガラス板に作用する応力のピークの位置が、前記ガラス板の端部から3mm以上前記ガラス板の中央部側に位置するよう前記枕材を構成してある請求項1に記載のガラス板梱包体。
  3. 前記枕材と前記押さえ板の端部との間の前記結束ベルトの長さをLとし、前記枕材と前記押さえ板の端部との間の前記結束ベルトの延伸方向と前記押さえ板の表面との間に形成される角度をθとすると、
    (1)55°≦θ≦85°、及び
    (2)L・cosθ≧3mm
    を満たすよう前記枕材を構成してある請求項1又は2に記載のガラス板梱包体。
  4. 前記結束ベルトが懸架される前記押さえ板の端面と、当該押さえ板が当接する前記ガラス板の端面とが略面一となるよう前記押さえ板を構成してある請求項1〜3の何れか一項に記載のガラス板梱包体。
  5. 前記枕材は、前記押さえ板の幅方向に沿って延在する角材である請求項1〜4の何れか一項に記載のガラス板梱包体。
  6. 前記枕材を前記押さえ板と一体に構成してある請求項1〜5の何れか一項に記載のガラス板梱包体。
  7. 前記ガラス板は、前記載置台に縦置き状態で積層されるとともに、前記押さえ板を介して前記結束ベルトによって縦方向に結束され、前記押さえ板の上方側に前記枕材を配置してある請求項1〜6の何れか一項に記載のガラス板梱包体。
  8. 載置台に積層されたガラス板を梱包するために使用するガラス板梱包用治具であって、
    最外層に積層された前記ガラス板の主面に当接し、当該ガラス板を押さえる押さえ板と、
    前記押さえ板の前記ガラス板との当接面とは反対側の面に配置される枕材と、
    前記枕材と前記押さえ板の端部とを懸架しつつ、積層された前記ガラス板を結束する結束ベルトと、
    を備え、
    前記結束ベルトから前記押さえ板を介して前記ガラス板に作用する応力のピークの位置が、前記ガラス板の端部から外れた位置に存在するよう前記枕材を構成してあるガラス板梱包用治具。
JP2013191331A 2013-09-17 2013-09-17 ガラス板梱包体、及びガラス板梱包用治具 Active JP6171769B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013191331A JP6171769B2 (ja) 2013-09-17 2013-09-17 ガラス板梱包体、及びガラス板梱包用治具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013191331A JP6171769B2 (ja) 2013-09-17 2013-09-17 ガラス板梱包体、及びガラス板梱包用治具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015058932A true JP2015058932A (ja) 2015-03-30
JP6171769B2 JP6171769B2 (ja) 2017-08-02

Family

ID=52816766

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013191331A Active JP6171769B2 (ja) 2013-09-17 2013-09-17 ガラス板梱包体、及びガラス板梱包用治具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6171769B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109649801A (zh) * 2018-11-22 2019-04-19 惠州市华星光电技术有限公司 显示面板包装箱

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20020094429A1 (en) * 2000-10-04 2002-07-18 Geary James R. Reusable restraint for securing articles for shipping and/or storage
JP2004083132A (ja) * 2002-06-26 2004-03-18 Asahi Glass Co Ltd ガラス板の梱包装置及び方法並びに梱包体
JP2005239242A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス板梱包体
JP2008062957A (ja) * 2006-09-06 2008-03-21 Fujifilm Corp 包装形態
JP2009202900A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス板梱包体

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20020094429A1 (en) * 2000-10-04 2002-07-18 Geary James R. Reusable restraint for securing articles for shipping and/or storage
JP2004083132A (ja) * 2002-06-26 2004-03-18 Asahi Glass Co Ltd ガラス板の梱包装置及び方法並びに梱包体
JP2005239242A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス板梱包体
JP2008062957A (ja) * 2006-09-06 2008-03-21 Fujifilm Corp 包装形態
JP2009202900A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス板梱包体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109649801A (zh) * 2018-11-22 2019-04-19 惠州市华星光电技术有限公司 显示面板包装箱
CN109649801B (zh) * 2018-11-22 2020-05-22 惠州市华星光电技术有限公司 显示面板包装箱

Also Published As

Publication number Publication date
JP6171769B2 (ja) 2017-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101351827B1 (ko) 유리 기판 곤포 시스템, 보호 시트 적재 장치, 보호 시트 공급 장치, 및 유리 기판 곤포 방법
JP2009202900A (ja) ガラス板梱包体
KR101478682B1 (ko) 유리판 곤포체
WO2014162953A1 (ja) 板状体の梱包体
JP2010036948A (ja) ガラス板梱包体
JP2008001382A (ja) ガラス板輸送用パレット
JP6171769B2 (ja) ガラス板梱包体、及びガラス板梱包用治具
JP4936062B2 (ja) ガラス板梱包体
TWM344323U (en) Packaging and loading structure for pottery industry series building boards
TW201425148A (zh) 玻璃板捆包用棧板
TW201736203A (zh) 玻璃板梱包用托架及玻璃板梱包體
TWI485094B (zh) 切割用黏晶膜之捆包構造及捆包方法
JP2011140337A (ja) ガラス板梱包用パレット
TW200916381A (en) Glass-plate packing body
TWI826818B (zh) 玻璃板捆包體
AU2015310716A1 (en) Load cap
JP2018167868A (ja) 梱包材
JP2010058846A (ja) 窯業系建材の積載構造
JP2013126878A (ja) ガラス板の梱包方法、および、ガラス板の梱包体
JP3130459U (ja) 窯業系建材の積載構造
WO2022107458A1 (ja) ガラス板梱包体及びガラス板梱包体製造方法
JP2011063283A (ja) ガラス板梱包体
JP2019517439A (ja) 複数のガラス基板をクレート上に固定するための装置及び方法
JP7317040B2 (ja) ガラス板梱包体
JP2006315749A (ja) 包装形態、包装方法、および搬送装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160407

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170321

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170619

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6171769

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150