このように液体を噴射するヘッドをワイパー部材でワイピングする装置においては、ワイパー部材をヘッドにある程度の力でもって押し当てて、ワイパー部材がヘッドをワイピングする際の力(払拭力)を確保することが好適となる。ただし、かかる装置においては、ワイピング以外の動作に伴ってワイパー部材がヘッドに接触する場合がある。このような場合にまで、払拭力に相当する力でワイパー部材をヘッドに押し当てることは、ワイパー部材の消耗や破損の原因となるため適切ではない。
この発明は、ワイパー部材でヘッドをワイピングする際の払拭力を確保しつつも、不必要にワイパー部材がヘッドに押し当てられることでワイパー部材が消耗や破損されることを抑制すること可能とする技術の提供を目的とする。
本発明の第1態様にかかるメンテナンス装置は、上記目的を達成するために、ワイパー部材と、ワイパー部材を保持する保持部とを備え、保持部は、液体を噴射するヘッドとワイパー部材が相対的に近づいてヘッドとワイパー部材とが接した後にワイパー部材の変位を規制する規制部材と、規制部材によるワイパー部材の変位の規制を解除する解除機構とを有する。
本発明の第1態様にかかる液体噴射装置は、上記目的を達成するために、液体を噴射するヘッドと、ワイパー部材およびワイパー部材を保持する保持部を有するメンテナンスユニットとを備え、保持部は、ヘッドとワイパー部材が相対的に近づいてヘッドとワイパー部材とが接した後にワイパー部材の変位を規制する規制部材と、規制部材によるワイパー部材の変位の規制を解除する解除機構とを有する。
このように本発明の第1態様(メンテナンス装置、液体噴射装置)では、ヘッドに接した後のワイパー部材の変位を規制する規制部材と、規制部材による規制を解除する解除機構とが設けられている。したがって、ヘッドに接した後のワイパー部材の変位を規制部材によって規制することで、ヘッドから受ける力に抗する力をワイパー部材に作用させて、ワイパー部材をヘッドに押し当てることができる。その結果、ワイパー部材でヘッドをワイピングする際の払拭力を確保できる。一方、規制部材によるワイパー部材の変位の規制を解除機構によって解除することで、ヘッドから受ける力に従ってワイパー部材を変位させて、ワイパー部材にかかる負荷を緩和できる。その結果、ワイパー部材の消耗や破損を抑制できる。このように、本発明の第1態様では、ワイパー部材の変位の規制および規制の解除を適宜実行することで、ワイパー部材でヘッドをワイピングする際の払拭力を確保しつつも、不必要にワイパー部材がヘッドに押し当てられることでワイパー部材が消耗や破損されることを抑制することができる。
また、規制部材は、ワイパー部材に接してワイパー部材の変位を規制する規制位置と、ワイパー部材に接せずにワイパー部材の変位を規制しない解除位置とを取ることができ、解除部材は、規制部材を解除位置に位置させることで、規制部材によるワイパー部材の変位の規制を解除するように、メンテナンス装置を構成しても良い。
かかる構成では、規制位置と解除位置との間で規制部材の位置を変えるだけで、ワイパー部材の変位の規制および規制の解除を簡便に行うことができる。なお、規制部材がワイパー部材に接する態様としては、規制部材がワイパー部材に直接接する態様と、規制部材が他の部材を介してワイパー部材に接する態様とがありうる。
また、保持部は、ワイパー部材の変位に連動する連動部材を有し、規制部材は、連動部材に接して連動部材の変位を規制することで、ワイパー部材の変位を規制し、解除機構は、規制部材を連動部材から離して規制部材による連動部材の変位の規制を解除することで、ワイパー部材の変位の規制を解除するように、メンテナンス装置を構成しても良い。
かかる構成では、ワイパー部材の変位に連動する連動部材が設けられている。そして、規制部材が連動部材に接することで、連動部材の変位が規制されて、ワイパー部材の変位が規制される。一方、規制部材が連動部材から離れることで、連動部材の変位の規制が解除され、ワイパー部材の変位の規制が解除される。つまり、規制部材を連動部材に接離させることで、ワイパー部材の変位の規制および当該規制の解除を簡便に切り換えることができる。
また、保持部は、ワイパー部材を支持しつつ可動な可動部材を有し、連動部材は、可動部材に接して、ワイパー部材を伴って動く可動部材に連動するように、メンテナンス装置を構成しても良い。かかる構成では、保持部は、可動部材によってワイパー部を支持する。そして、連動部材は可動部材に接しており、ワイパー部材を伴って動く可動部材に連動する。こうして、ワイパー部材の変位に連動部材を連動させることができる。
連動部材は、可動部材に接するガイド部を有し、保持部は、連動部材のガイド部に沿って可動部材を移動させる移動機構を有し、規制部材によってワイパー部材の変位を規制しつつ移動機構を動作させることで、ワイパー部材をヘッドに摺動させるように、メンテナンス装置を構成しても良い。
かかる構成では、規制部材によってワイパー部材の変位を規制しつつ移動機構で可動部材を移動させることで、ワイパー部材をヘッドに摺動させて、ワイピングを行うことができる。しかも、連動部材のガイド部に沿って可動部材を移動させているため、ワイピングの際にワイパー部材を伴った可動部材の移動をガイドする機能を連動部材に担わせて、ワイパー部材を安定的に移動させることができる。
ちなみに、可動部材が動く態様は種々のものが考えられる。そこで、例えば、可動部材は、回転軸の回りで回転可能であるように、メンテナンス装置を構成しても良い。
また、保持部は、キャップ部材を有し、ワイパー部材でヘッドをワイピングする際には、規制部材によりワイパー部材の変位を規制しつつ、ヘッドに相対的に近づくワイパー部材をヘッドに接させるとともにキャップ部材をヘッドから離し、キャップ部材でヘッドをキャッピングする際には、解除機構によりワイパー部材の変位の規制を解除しつつ、ワイパー部材がヘッドに接した状態からさらにヘッドに相対的に近づくキャップ部材をヘッドに接させるように、メンテナンス装置を構成しても良い。
かかる構成では、キャップ部材がキャッピングのためにヘッドに相対的に近づく途中で、キャップ部材とともに保持部に保持されるワイパー部材がヘッドに接するために、ヘッドからワイパー部材に過大な応力が作用して、ワイパー部材が消耗や破損するおそれがあった。これに対して、本発明の第1態様によれば、規制部材によるワイパー部材の変位の規制を解除機構によって解除することで、ヘッドから受ける力に従ってワイパー部材を変位させることができる。よって、ワイパー部材がヘッドに接した際には、ワイパー部材はヘッドから受ける力に従って変位する。その結果、ワイパー部材に過大な応力がかかることを抑制して、ワイパー部材の消耗や破損を抑制できる。
本発明の第2態様にかかるメンテナンス装置は、上記目的を達成するために、ワイパー部材と、ワイパー部材を保持する保持部とを備え、保持部は、液体を噴射するヘッドとワイパー部材が相対的に近づいてヘッドとワイパー部材とが接した後に、ヘッドから受ける力に抗する力をワイパー部材に作用させてワイパー部材を保持する第1動作と、ヘッドとワイパー部材が相対的に近づいてヘッドとワイパー部材とが接した後に、ヘッドから受ける力に抗して第1動作で作用させる力をワイパー部材に作用させずにヘッドから受ける力に従ってワイパー部材を変位させる第2動作とを選択的に実行するワイパー制御部を有する。
本発明の第2態様にかかる液体噴射装置は、上記目的を達成するために、液体を噴射するヘッドと、ワイパー部材およびワイパー部材を保持する保持部を有するメンテナンスユニットとを備え、保持部は、ヘッドとワイパー部材が相対的に近づいてヘッドとワイパー部材とが接した後に、ヘッドから受ける力に抗する力をワイパー部材に作用させてワイパー部材を保持する第1動作と、ヘッドとワイパー部材が相対的に近づいてヘッドとワイパー部材とが接した後に、第1動作でヘッドから受ける力に抗して作用させる力をワイパー部材に作用させずにヘッドから受ける力に従ってワイパー部材を変位させる第2動作とを選択的に実行するワイパー制御部を有する。
このように本発明の第2態様(メンテナンス装置、液体噴射装置)では、ワイパー制御部が第1動作あるいは第2動作を実行することで、ヘッドに対して相対的に近づいてヘッドに接した後のワイパー部材の保持態様を制御する。詳述すると、第1動作において、ワイパー制御部は、ヘッドとワイパー部材とが接した後に、ヘッドから受ける力に抗する力をワイパー部材に作用させてワイパー部材を保持する。したがって、第1動作を実行することで、ヘッドから受ける力に抗する力によってワイパー部材をヘッドに押し当てて、ワイパー部材でヘッドをワイピングする際の払拭力を確保することができる。一方、第2動作において、ワイパー制御部は、ヘッドとワイパー部材とが接した後に、ヘッドから受ける力に抗して第1動作で作用させる力をワイパー部材に作用させずにヘッドから受ける力に従ってワイパー部材を変位させる。したがって、第2動作を実行することで、ヘッドに接するワイパー部材に過大な応力がかかることを抑制して、ワイパー部材の消耗や破損を抑制できる。このように、本発明の第2態様では、第1動作あるいは第2動作を適宜実行することで、ワイパー部材でヘッドをワイピングする際の払拭力を確保しつつも、不必要にワイパー部材がヘッドに押し当てられることでワイパー部材が消耗や破損されることを抑制することができる。
また、保持部は、キャップ部材を有し、第1動作においては、ワイパー部材をヘッドに接させるとともにキャップ部材をヘッドから離し、第2動作においては、ワイパー部材がヘッドに接してからさらにヘッドに相対的に近づくキャップ部材でヘッドをキャッピングするように、メンテナンス装置を構成しても良い。
かかる構成では、第2動作において、キャップ部材がヘッドに対してキャッピングを行う。この際、キャップ部材がキャッピングのためにヘッドに相対的に近づく途中で、キャップ部材とともに保持部に保持されるワイパー部材がヘッドに接するために、ヘッドからワイパー部材に過大な応力がかかり、ワイパー部材が消耗や破損するおそれがあった。これに対して、本発明の第2態様によれば、ワイパー制御部は、第2動作においてヘッドから受ける力に従ってワイパー部材を変位させるため、ヘッドからワイパー部材に過大な応力がかかることを抑制して、ワイパー部材の消耗や破損を抑制できる。
図1は、本発明を適用可能なプリンターの構成を模式的に例示する正面図である。なお、図1や以下の図面では必要に応じて、プリンター1の各部の配置関係を明確にするために、プリンター1の左右方向X、前後方向Yおよび鉛直方向Zに対応した三次元の直交座標系を採用している。
図1に示すように、プリンター1では、繰出部2、プロセス部3および巻取部4が左右方向に配列されている。繰出部2および巻取部4はそれぞれ繰出軸20および巻取軸40を有している。そして、繰出部2および巻取部4にシートS(媒体)の両端がロール状に巻き付けられ、それらの間に張架されている。こうして張架された搬送経路Pcに沿ってシートSが繰出軸20からプロセス部3に搬送されて印刷ユニット6Uによる画像記録処理を受けた後、巻取軸40へと搬送される。このシートSの種類は、紙系とフィルム系に大別される。なお、以下の説明では、シートSの両面のうち、画像が記録される面を表面と称する一方、その逆側の面を裏面と称する。
繰出部2は、シートSの端を巻き付けた繰出軸20と、繰出軸20から引き出されたシートSを巻き掛ける従動ローラー21とを有する。繰出軸20が回転することで、繰出軸20に巻き付けられたシートSが従動ローラー21を経由してプロセス部3へと繰り出される。
プロセス部3は、繰出部2から繰り出されたシートSをプラテン30で支持しつつ、印刷ユニット6Uを用いてシートSに画像を記録する。つまり、印刷ユニット6Uは、プラテン30の表面に沿って並ぶ複数のヘッド6a〜6fを有しており、ヘッド6a〜6fがプラテン30の表面に支持されたシートSへインクを噴射することで、シートSに画像が記録される。このプロセス部3では、プラテン30の両側に前駆動ローラー31と後駆動ローラー32とが設けられており、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSがプラテン30に支持されて画像の印刷を受ける。
プラテン30の左右両側には従動ローラー33、34が設けられており、従動ローラー33、34は、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSを裏面側から巻き掛けている。
前駆動ローラー31に対してはニップローラー31nが設けられている。このニップローラー31nは、前駆動ローラー31との間でシートSを挟み込むことによって、前駆動ローラー31によるシートSの搬送を確実に行なうことができる。同様に、後駆動ローラー32に対してはニップローラー32nが設けられている。
このように、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSは、プラテン30で支持されつつプラテン30上を搬送方向Dsに搬送される。そして、プロセス部3では、プラテン30に支持されるシートSの表面に対してインクをインクジェット方式で噴射する複数のヘッド6a〜6fがプラテン30の表面に対向しつつ搬送方向Dsに並ぶ。これらのヘッド6a〜6fのそれぞれでは、搬送方向Dsに直交するY方向に複数のノズルが直線状に並んでノズル列が形成され、さらに複数列のノズル列が搬送方向Dsに間隔を空けて並んでいる。したがって、ヘッド6a〜6fのそれぞれは、複数ラインのライン画像を同時に記録することができる。そして、ヘッド6a〜6fは、プラテン30に支持されたシートSの表面に対して若干のクリアランスを空けて対向しつつ、対応する色のインクをインクジェット方式で噴射する。
これらのヘッドのうちヘッド6b〜6eはそれぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびブラック(K)のインクを噴射してカラー画像を形成する。また、ヘッド6bよりも搬送方向Dsの上流側(図1の左手側)に配設されたヘッド6aはホワイト(W)のインクを噴射するものであり、ヘッド6b〜6eにより形成されるカラー画像の背景(以下「背景画像」という)を印刷する。さらに、ヘッド6eよりも搬送方向Dsの下流側(図1の右手側)に配設されたヘッド6fは透明のインクを噴射するものであり、カラー画像および背景画像に対して、透明インクがさらに噴射される。
ちなみに、インクとしては、紫外線(光)を照射することで硬化するUV(ultraviolet)インク(光硬化性インク)が用いられる。そこで、本実施形態では、背景画像用のUVランプ36、カラー画像用のUVランプ37a、37b、および透明インク用のUVランプ38が設けられている。すなわち、UVランプ36、37a、37b、38は、各インクを硬化させてシートSに定着させる。
このように、プロセス部3では、プラテン30に支持されるシートSに対して、インクの噴射および硬化が適宜実行されて、例えば透明インクでコーティングされた背景画像付のカラー画像が形成される。そして、このカラー画像の形成されたシートSが、後駆動ローラー32によって巻取部4へと搬送される。
巻取部4は、シートSの端を巻き付けた巻取軸40と、巻取軸40へと搬送されるシートSを巻き掛ける従動ローラー41とを有する。巻取軸40が回転することで、従動ローラー41を経由してシートSが巻取軸40に巻き付けられる。
ところで、プリンター1では、上述の印刷ユニット6Uを支持するキャリッジ50が設けられている。キャリッジ50は、Y方向へ延びる2本のレール51に沿ってY方向へ移動可能である。したがって、キャリッジ50に伴ってヘッド6a〜6fをY方向へ適宜移動させることができる。
図2は、キャリッジによるヘッドの支持態様を模式的に例示する側面図である。なお、各ヘッド6a〜6fに関する構成は概ね共通するため、図2では、符号6を付して1個のヘッドを例示する。また、図2では、後述する印刷位置Taにヘッド6が位置する状態が実線で示され、後述するメンテナンス位置Tbにヘッド6が位置する状態が破線で示されている。図2に示すように、キャリッジ50は、Y方向に間隔を空けて並ぶ2枚の支持フレーム501を有し、これら支持フレーム501の間にヘッド6を支持する。キャリッジ50は、フレーム501に取り付けられたモーター等の駆動源502と、駆動源502とヘッド6とを接続するアーム503とを有し、駆動源502によってヘッド6をZ方向へ昇降させることができる。
そして、キャリッジ50をレール51に沿ってY方向へ移動させることで、印刷位置Taとメンテナンス位置Tbとの間でヘッド6を移動させることができる。印刷位置Taは、プラテン30の上方に設けられており、印刷位置Taにヘッド6を位置決めすることで、ヘッド6をシートSの搬送経路Pcに対向させることができる。したがって、ヘッド6からインクを噴射して、搬送経路Pcに沿って搬送されるシートSに印刷を行うことができる。一方、メンテナンス位置Tbは、プラテン30の後側(−Y側)に配置されたメンテナンスユニット7の上方に設けられている。したがって、メンテナンス位置Tbにヘッド6を位置決めすることで、ヘッド6をメンテナンスユニット7に対向させて、ヘッド6に対してワイピングやキャッピングといったメンテナンスを行うことができる。
図3は、メンテナンスユニットの構成を模式的に例示する斜視図である。図3では、メンテナンスユニット7のほかに、ヘッド6の下端部分が併記されている。メンテナンスユニット7は、Y方向に長尺な中空のユニット本体70を有する。ユニット本体70は、メンテナンス位置Tbに位置するヘッド6に対向する開口701と、開口701の右側(−X側)に設けられてユニット本体70の内部空間700を部分的に隠す上部材702とを有する。ユニット本体70の内部空間700では、X方向に延びる棒状のガイド部材711が取付部材712を介してユニット本体70の底に取り付けられており、可動支持部材72がガイド部材711に沿ってX方向へ移動可能に設けられている。この可動支持部材72は、Y方向へ長尺な平板形状を有しており、ワイパー部材73およびキャップ部材74を伴ってユニット本体70に対して移動可能である。
ワイパー部材73は、ゴム等の可撓性素材で形成され、回転部材75を介して可動支持部材72に支持されている。具体的には、回転部材75は、可動支持部材72から前側(+Y側)に突出する回転軸751を中心として可動支持部材72に対して回転可能に取り付けられている。そして、ワイパー部材73は、回転部材75の上面に固定されている。したがって、ワイパー部材73は回転部材75に伴って、回転軸751を中心に可動支持部材72に対して回転可能である。一方、キャップ部材74は、取付部材741を介して可動支持部材72の上面に固定されている。
さらに、回転部材75は、前側(+Y側)に突出する突起部752を有しており、連動板76が突起部751に下側(−Z側)から接する。連動板76は、可動支持部材72の可動域に対応した寸法をX方向へ有しており、直線状に形成されたガイド平面761で突起部752に接する。連動板76は、右端部(−X側の端部)に設けられた回転軸762を中心としてユニット本体70に対して回転可能である。この連動板76は、バネ等の弾性部材によって、連動板76の左端部(+X側の端部)が上側(+Z側)へ向かう方向(前側(+Y側)から見て時計回り方向)へ付勢されている。したがって、連動板76は、この付勢力によって、突起部751を介して回転部材75を上側(+Z側)へ押し上げている。なお、連動板76が回転部材75を最高位置に押し上げた状態においては、回転部材75に支持されるワイパー部材73の先端はキャップ部材74より上側(+Z側)に突出する。
また、メンテナンスユニット7は、連動板76に下側(−Z側)から接する規制部材771と、規制部材771をY方向へ移動させるソレノイド772とを有する。そして、ソレノイド772が規制部材771を移動させることで、Y方向に並ぶ規制位置T1および解除位置T2のいずれかに規制部材771を位置決めできる。なお、図3では、規制部材771が解除位置T2に位置する状態が破線で示されている。規制部材771は、規制位置T1において連動板76の下方に位置して、連動板76の左端部(+X側の端部)の下方への変位を規制する。一方、規制部材771は、解除位置T2において連動板76の下方からY方向へ外れ、連動板76の左端部(+X側の端部)は下方へ変位可能となる。
さらに、メンテナンスユニット7は、上述のようにワイパー部材73およびキャップ部材74を支持する可動支持部材72を、X方向へ移動させる移動機構78を有する。移動機構78は、モーター781と、モーター781に接続された係合部材782とを有する。係合部材782の一端部には、回転軸783が設けられており、係合部材782は、モーター781からの駆動力を受けて回転軸783を中心にユニット本体70に対して回転する。係合部材782の他端部には、二股に分かれた形状を有する爪部784が設けられており、係合部材782の爪部784が可動支持部材72に取り付けられた回転軸751に係合する。したがって、モーター781を回転させると、係合部材782の爪部784が回転軸783を中心に回転する。その結果、爪部784に係合する可動支持部材72は、ワイパー部材73およびキャップ部材74を伴いつつ、ガイド部材711に案内されてX方向へ移動する。
図4は、メンテナンスユニットが実行するワイピングの一例を模式的に示す図である。ワイピングを開始するにあたっては、ワイパー部材73の位置がモーター781によって調整されて、ワイパー部材73は、メンテナンス位置Tbにあるヘッド6のノズル形成面60の左端部(+X側の端部)に下側(−Z側)から間隔を空けて対向する(ステップS11)。また、ステップS11において、ソレノイド772は、規制部材771を規制位置T1に位置決めする。ちなみに、図4の例では、ステップS11において、規制位置T1に位置する規制部材771が連動板76に接している。ただし、ステップS11においては、規制部材771と連動板76との間にクリアランス(遊び)が設けられていても構わない。
続いて、駆動源502(図2)がヘッド6を下降させて、ヘッド6をワイパー部材73に近づける。これによって、ワイパー部材73の先端がヘッド6のノズル形成面60に接して、さらにヘッド6が下降することで、ワイパー部材73はヘッド6から押圧される。この際、規制部材771は規制位置T1に位置決めされており、連動板76の下方への変位が規制されているため、ワイパー部材73は、回転部材75を介して連動板76に下支えされるので、ヘッド6から押圧されても下方へは移動しない。その結果、ワイパー部材73には、ヘッド6から受ける力に抗する力が与えられる。また、ワイパー部材73は規制部材771によって下方への変位を規制されることになる。こうして、ヘッド6とワイパー部材73が相対的に近づいてヘッド6とワイパー部材73とが接した後に、ヘッド6から受ける力に抗する力(払拭力)をワイパー部材73に作用させてワイパー部材73を保持する「第1動作」が実行される。
なお、上述のとおり、ステップS11において規制部材771と連動板76の間にクリアランス(遊び)を設けることもできる。この場合には、ワイパー部材73がヘッド6に接した後に、連動板76は、ワイパー部材73および回転部材75を介してヘッド6から受ける力によってクリアランス分だけ下方に変位して、規制位置T1の規制部材771に接する。その結果、ワイパー部材7が回転部材75を介して連動板76に下支えされて、ワイパー部材73にはヘッド6から受ける力に抗する力が与えられる。
ステップS12にて、ヘッド6のノズル形成面60に対してワイパー部材73が押圧された状態で、モーター711が順方向へ回転して、ワイパー部材73を−X方向へ移動させる。この際、連動板76がワイパー部材74を下支えするため、ワイパー部材73は十分な払拭力でノズル形成面60に押圧されつつ、ノズル形成面60に摺動される。また、規制部材771に接する連動板76のガイド平面761は、ガイド部材711(図3)に平行(つまり、X方向に平行)に維持されており、回転部材75を介して連動板76に接するワイパー部材73の移動は、ガイド平面761によって−X方向へ適切に案内される。こうして、ノズル形成面60に付着したインクが払拭されて、ワイピングが行われる。なお、ワイピングの実行中は、ノズル形成面60との間に働く摩擦力および払拭力を受けてワイパー部材73は進行方向と逆側へ撓む。そして、かかるワイピングが完了すると、モーター781は、ワイパー部材73を上部材702の下側(−Z側)へ移動させて、ワイパー部材73を上部材702によって隠す(ステップS13)。この後、モーター711を逆方向へ回転させて、ワイパー部材73がノズル形成面に接しながら+X方向へ移動してワイピングを行い、ステップS12の状態にし、さらに、ヘッド6を上昇させてステップS11の状態にする。
図5は、メンテナンスユニットが実行するキャッピングの一例を模式的に示す図である。キャッピングを開始するにあたっては、ワイパー部材73の位置がモーター781によって調整されて、キャップ部材74は、メンテナンス位置Tbにあるヘッド6のノズル形成面60に下側(−Z側)から間隔を空けて対向する(ステップS21)。また、ステップS21において、規制部材771は、ソレノイド772によって解除位置T2に位置決めされており、連動板76からY方向へ外れている。
続いて、駆動源502(図2)がヘッド6を下降させて、ヘッド6をキャップ部材74に近づける。なお、ヘッド6がワイパー部材73から離れた状態では、ワイパー部材73の先端はキャップ部材74よりヘッド6側(+Z側)に突出している。そのため、ヘッド6をキャップ部材74に近づける途中において、キャップ部材74より先にワイパー部材73の先端がヘッド6のノズル形成面60に接して、ヘッド6から押圧される(ステップS22)。
ただし、規制部材771は規制位置T2に位置決めされているため、規制部材771による連動板76の変位の規制は解除されており、ヘッド6に接したワイパー部材73は、ヘッド6から受ける力に従ってユニット本体70に対して変位可能である。したがって、ステップS22の状態からヘッド6をキャップ部材74に近づけると、ワイパー部材73は、ヘッド6から受ける力に従って、回転部材75および連動板76を伴って変位する。具体的には、連動板76は回転軸762を中心に回転し、回転部材75は回転軸751を中心に回転する。そして、ヘッド6がキャップ部材74に接して、ノズル形成面60がキャップ部材74によりキャッピングされた状態においては、ワイパー部材73は回転して、ヘッド6の左側(+X側)にまで外れる(ステップS23)。こうして、ヘッド6とワイパー部材73が相対的に近づいてヘッド6とワイパー部材73とが接した後に、払拭力をワイパー部材73に作用させずにヘッド6から受ける力に従ってワイパー部材73を変位させる「第2動作」が実行される。
以上に説明したように本実施形態では、ヘッド6に接した後のワイパー部材73の変位を規制する規制部材771と、規制部材771による規制を解除するソレノイド772とが設けられている。したがって、ヘッド6に接した後のワイパー部材73の変位を規制部材771によって規制することで、ヘッド6から受ける力に抗する力をワイパー部材73に作用させて、ワイパー部材73をヘッド6に押し当てることができる。その結果、ワイパー部材73でヘッド6をワイピングする際の払拭力を確保できる。一方、規制部材771によるワイパー部材73の変位の規制をソレノイド772によって解除することで、ヘッド6から受ける力に従ってワイパー部材73を変位させて、ワイパー部材73にかかる負荷を緩和できる。その結果、ワイパー部材73の消耗や破損を抑制できる。このように、本実施形態では、ワイパー部材73の変位の規制および規制の解除を適宜実行することで、ワイパー部材73でヘッド6をワイピングする際の払拭力を確保しつつも、不必要にワイパー部材73がヘッド6に押し当てられることでワイパー部材73が消耗や破損されることを抑制することができる。
また、規制部材711は、規制位置T1と解除位置T2とを選択的に取ることができる。そして、規制部材711は、規制位置T1において、連動板76および回転部材75を介してワイパー部材73に接してワイパー部材73の変位を規制する。あるいは、規制部材711は、解除位置T2において、ワイパー部材73に接さずにワイパー部材73の変位を規制しない。かかる構成は、規制位置T1と解除位置T2との間で規制部材711の位置を変えるだけで、ワイパー部材73の変位の規制および規制の解除を簡便に行うことができ、好適である。
また、ワイパー部材73の変位に連動する連動板76が設けられている。そして、規制部材711は、連動板76に接して連動板76の変位を規制することで、ワイパー部材73の変位を規制する。一方、ソレノイド772は、規制部材771を連動板76から離して規制部材771による連動板76の変位の規制を解除することで、ワイパー部材73の変位の規制を解除する。かかる構成は、規制部材771を連動板76に接離させることで、ワイパー部材73の変位の規制および当該規制の解除を簡便に切り換えることができ、好適である。
また、連動板76は、回転部材75に接するガイド平面761を有し、移動機構78は、連動板76のガイド平面761に沿って回転部材75を移動させる。そして、規制部材771によってワイパー部材71の変位を規制しつつ、移動機構78を動作させることで、ワイパー部材73をヘッド6に摺動させて、ワイピングが実行される。かかる構成では、連動板76のガイド平面761に沿って回転部材75を移動させているため、ワイピングの際にワイパー部材73を伴った回転部材75の移動をガイドする機能を連動板76に担わせて、ワイパー部材73を安定的に移動させることができる。
ところで、上記構成では、ワイパー部材73とキャップ部材74とが設けられている。そして、ワイパー部材73でヘッド6をワイピングする際には、規制部材711によりワイパー部材73の変位を規制しつつ、ヘッド6に相対的に近づくワイパー部材73をヘッド6に接させるとともに、キャップ部材74をヘッド6から離す。また、キャップ部材74でキャッピングする際には、ソレノイド772によりワイパー部材73の変位の規制を解除しつつ、ワイパー部材73がヘッド6に接した状態からさらにヘッド6に相対的に近づくキャップ部材74をヘッド6に接させる。
かかる構成では、キャップ部材74がキャッピングのためにヘッド6に相対的に近づく途中で、キャップ部材74とともに可動支持部材72に支持されるワイパー部材73がヘッド6に接するために、ヘッド6からワイパー部材73に過大な応力が作用して、ワイパー部材73が消耗や破損するおそれがあった。これに対して、本実施形態によれば、規制部材771によるワイパー部材73の変位の規制をソレノイド772によって解除することで、ヘッド6から受ける力に従ってワイパー部材73を変位させることができる。よって、ワイパー部材73がヘッド6に接した際には、ワイパー部材73はヘッド6から受ける力に従って変位する。その結果、ワイパー部材73に過大な応力がかかることを抑制して、ワイパー部材73の消耗や破損を抑制できる。
また、本実施形態では、第1動作あるいは第2動作を実行することで、ヘッド6に対して相対的に近づいてヘッド6に接した後のワイパー部材73の保持態様を制御する。詳述すると、第1動作では、ヘッド6とワイパー部材73とが接した後に、ヘッド6から受ける力に抗する力をワイパー部材73に作用させてワイパー部材73を保持する。したがって、第1動作を実行することで、ヘッド6から受ける力に抗する力によってワイパー部材73をヘッド6に押し当てて、ワイパー部材73でヘッド6をワイピングする際の払拭力を確保することができる。一方、第2動作では、ヘッド6とワイパー部材73とが接した後に、払拭力をワイパー部材73に作用させずにヘッド6から受ける力に従ってワイパー部材73を変位させる。したがって、第2動作を実行することで、ヘッド6に接するワイパー部材73に過大な応力がかかることを抑制して、ワイパー部材73の消耗や破損を抑制できる。このように、本実施形態では、第1動作あるいは第2動作を適宜実行することで、ワイパー部材73でヘッド6をワイピングする際の払拭力を確保しつつも、不必要にワイパー部材73がヘッド6に押し当てられることでワイパー部材73が消耗や破損されることを抑制することができる。
ところで、上記構成では、ワイパー部材73とキャップ部材74とが設けられている。そして、第1動作においては、ワイパー部材73をヘッド6に接させるとともにキャップ部材74をヘッド6から離す。また、第2動作においては、ワイパー部材73がヘッド6に接してからさらにヘッド6に相対的に近づくキャップ部材74でヘッド6をキャッピングする。
かかる構成では、第2動作において、キャップ部材74がキャッピングのためにヘッド6に相対的に近づく途中で、キャップ部材74とともに保持されるワイパー部材73がヘッド6に接するために、ヘッド6からワイパー部材73に過大な応力がかかり、ワイパー部材73が消耗や破損するおそれがあった。これに対して、本実施形態によれば、第2動作では、ヘッド6から受ける力に従ってワイパー部材73を変位させるため、ヘッド6からワイパー部材73に過大な応力がかかることを抑制して、ワイパー部材73の消耗や破損を抑制できる。
このように本実施形態では、プリンター1が本発明の「液体噴射装置」の一例に相当し、ヘッド6が本発明の「ヘッド」の一例に相当し、メンテナンスユニット7が本発明の「メンテナンスユニット」あるいは「メンテナンス装置」の一例に相当し、ワイパー部材73が本発明の「ワイパー部材」の一例に相当し、キャップ部材74が本発明の「キャップ部材」の一例に相当し、ユニット本体70、可動支持部材72、回転部材75、連動部材76、規制部材771およびソレノイド772が協働して本発明の「保持部」の一例として機能し、規制部材771が本発明の「規制部材」の一例に相当し、ソレノイド772が本発明の「解除機構」の一例に相当し、規制位置T1が本発明の「規制位置」の一例に相当し、解除位置T2が本発明の「解除位置」の一例に相当し、連動板76が本発明の「連動部材」の一例に相当し、ガイド平面761が本発明の「ガイド部」の一例に相当し、回転部材75が本発明の「可動部材」の一例に相当し、移動機構78が本発明の「移動機構」の一例に相当し、規制部材771およびソレノイド772が協働して本発明の「ワイパー制御部」の一例として機能する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上記実施形態の要素を適宜組み合わせまたは種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、ヘッド6をメンテナンスユニット7へ向けて移動させることで、ヘッド6とメンテナンスユニット7とを相対的に近づけていた。しかしながら、メンテナンスユニット7をヘッド6へ向けて移動させる、あるいはヘッド6およびメンテナンスユニット7の両方を互いに向けて移動させることで、ヘッド6とメンテナンスユニット7とを相対的に近づけても構わない。
また、上記実施形態では、規制部材771によるワイパー部材73の変位規制の解除をキャッピングの際に実行する例が示された。しかしながら、ワイパー部材73の変位規制の解除を行うタイミングは、キャッピングの際に限られない。要するに、ヘッド6にワイパー部材73が不要に接する可能性がある場合には、ワイパー部材73の変位規制を解除しておけば、ワイパー部材73の消耗や破損を抑制することが可能となる。
また、上記実施形態では、規制部材771によるワイパー部材73の変位規制の解除を、ソレノイド772によって規制部材771を移動させることで行っていた。この際、規制部材771の移動方向は、上記のY方向に限られず、その他の方向であっても良い。また、規制部材771を移動させる動力源もソレノイド772に限られず、モーター等であっても良い。
また、上記実施形態では、連動板76および回転部材75を介して規制部材771をワイパー部材73に接させることで、ワイパー部材73の変位を規制していた。しかしながら、連動板76および回転部材75の一方あるいは両方を介さずに、規制部材771をワイパー部材73に接させることで、ワイパー部材73の変位を規制しても構わない。
また、ワイパー部材73の変位を規制する具体的構成は、規制部材771をワイパー部材73に接させる構成に限られない。つまり、磁力等によって、ワイパー部材73の変位を規制しても構わない。
また、上記実施形態では、回転部材75や連動板76は、回転軸751、762を中心に回転することで、ワイパー部材73に連動していた。しかしながら、ワイパー部材73に連動する回転部材75や連動板76の移動態様は、回転移動に限られず、例えば直線移動であっても構わない。
また、上記実施形態では、ワイパー部材73を往復移動させて、ワイピングを行っていた。しかしながら、ワイパー部材73を片方向へのみ移動させて、ワイピングを行っても構わない。
また、ヘッド6やUVランプの配置や個数を適宜変更したり、プラテン30の形状などを適宜変更したりできる。また、プリンター1の各部の具体的構成を適宜変更することもでき、例えばヘッド6の構成を上述のものから変更しても良い。
また、上記実施形態は、UVインクを用いたインクジェット式のプリンターに採用されているが、UVインク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用しても良い。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射ヘッドが噴射させることができるような材料であれ良い。例えば、物質が液相であるときの状態のものであれば良く、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施例の形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク、紫外線硬化インク等の各種液体組成物を包含するものとする。他の液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置、布などに液体を噴射する捺染用の液体噴射装置を採用しても良い。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。