JP2015058573A - 圧電アクチュエータ及び圧電アクチュエータの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電アクチュエータにおいて、静電容量を小さくする。【解決手段】インク分離層41と圧電層42との間に配置され、グランド電位保持される下部電極44の重なり部44aは、圧力室10の搬送方向の両端部と重なっている。圧電層42と圧電層43との間に配置され、駆動電位に保持される中間電極45の重なり部45aは、圧力室10の搬送方向の中央部と重なっている。圧電層43の上面に配置された上部電極46は、圧力室10のほぼ全域と重なっている。圧電層43の重なり部45aと上部電極46とに挟まれた第1活性部61は上向きに分極され、圧電層42、43の重なり部44aと上部電極46とに挟まれた第2活性部62は下向きに分極されている。圧電層42、43の、下部電極44と中間電極45との電位差によって所定強度以上の電界が発生する部分63は、第2活性部62よりも分極が小さくなっている。【選択図】図6

Description

本発明は、圧電アクチュエータ及び圧電アクチュエータの製造方法に関する。
特許文献1に記載のインクジェットヘッドでは、圧電アクチュエータが、3つの圧電層と、個別電極と、第1共通電極と、第2共通電極とを備えている。3つの圧電層は、互いに積層され、圧力室を覆うように配置されている。個別電極は、最も上側の圧電層の上面に配置され、圧力室のほぼ全域と重なっている。第1共通電極は、上側の圧電層と中央の圧電層との間に配置され、圧力室の中央部と重なっている。第1共通電極は、駆動電位に保持されている。第2共通電極は、中央の圧電層と下側の圧電層との間に配置され、紙送り方向における圧力室の両端部と重なっている。第2共通電極は、グランド電位に保持されている。また、上側の圧電層の個別電極と第1共通電極とに挟まれた部分、及び、上側及び中央の圧電層の、個別電極と第2共通電極とに挟まれ、且つ、第1共通電極とは重ならない部分は、3つの圧電層の厚み方向に分極されている。そして、この圧電アクチュエータでは、個別電極の電位をグランド電位と駆動電位との間で切り換えることにより、3つの圧電層の圧力室と重なる部分を圧力室側及び圧力室と反対側に撓ませることができる。
特開2013−124195号公報
ここで、特許文献1に記載されているようなインクジェットヘッドでは、圧電アクチュエータが、各層の材質や厚み等に応じた静電容量を持っている。静電容量の異なる複数の圧電アクチュエータを比較した場合、一般に、静電容量の大きい圧電アクチュエータほど、駆動したときに発生する熱が大きくなる。また、静電容量の大きい圧電アクチュエータほど、個別電極の電位を切り換えたときの電位の変化が緩やかになる。特許文献1に記載されているようなインクジェットヘッドでは、高速印刷を可能とするために、個別電極の電位を切り換える周波数である駆動周波数を高くすることが要求されることがあるが、個別電極の電位を切り換えたときの電位の変化が緩やかであると、駆動周波数を高くすることができない。
本発明の目的は、静電容量の小さい圧電アクチュエータ及び圧電アクチュエータの製造方法を提供することである。
第1の発明に係る圧電アクチュエータは、第1圧電層と、前記第1圧電層と積層された第2圧電層と、前記第1圧電層と前記第2圧電層との間に配置され、所定の第1電位に保持される第1定電位電極と、前記第1定電位電極との間で前記第2圧電層を挟むように配置された駆動電極と、前記駆動電極との間で、前記第1圧電層及び前記第2圧電層のうち、前記第1定電位電極と重なる部分とは異なる部分を挟むように配置され、前記第1電位と異なる第2電位に保持される第2定電位電極と、を備え、前記第2圧電層の前記第1定電位電極と前記駆動電極とに挟まれた部分は、前記第2圧電層の厚み方向と平行な第1分極方向に分極された第1活性部となっており、前記第1圧電層及び前記第2圧電層の、前記駆動電極と前記第2定電位電極とに挟まれ、且つ、前記第1定電位電極と重ならない部分は、前記第1分極方向と逆の第2分極方向に分極された第2活性部となっており、前記駆動電極には、前記第1活性部に前記第1分極方向と同じ向きの電界を発生させるような第1駆動電位と、前記第2活性部に前記第2分極方向と同じ向きの電界を発生させるような第2駆動電位のいずれかの電位が選択的に付与され、前記第1圧電層及び前記第2圧電層のうち、前記第1定電位電極と前記第2定電位電極との電位差によって生じる電界の強度が所定強度以上となる第1部分は、前記第2活性部よりも分極が小さくなっている。
本発明によると、第1部分において第2活性部よりも分極が小さくなっているため、第1部分の分極の大きさが第2活性部の分極の大きさ以上の場合よりも第1部分の見かけの誘電率が小さくなる。これにより、第1部分の分極の大きさが第2活性部の分極の大きさ以上の場合よりも圧電アクチュエータの静電容量を小さくすることができる。
ここで、第1、第2圧電層の、第1定電位電極と第2定電位電極との電位差によって所定強度以上の電界が生じる第1部分は、圧電アクチュエータの駆動中、第1定電位電極と第2定電位電極との電位差によって収縮した状態に保持され、駆動電極の電位を第1駆動電位と第2駆動電位との間で切り換えても伸縮しない。すなわち、第1、第2圧電層の第1部分の分極の大きさが変わっても、第1部分が圧電アクチュエータの撓み量に与える影響はほとんど変わらない。よって、第1部分において第2活性部よりも分極が小さくなった本発明の圧電アクチュエータと、第1部分の分極の大きさが第2活性部の分極の大きさ以上の圧電アクチュエータとで、駆動時の撓み量にほとんど差がない。
第2の発明に係る圧電アクチュエータは、第1の発明に係る圧電アクチュエータにおいて、中立面が前記第1圧電層内に位置し、前記第1圧電層と前記第2圧電層との間に、前記第1圧電層と前記第2圧電層との積層方向から見て、前記第1定電位電極との間で前記第2活性部を挟むように配置された別の電極をさらに備え、前記第1圧電層及び前記第2圧電層のうち、前記別の電極を前記第1電位とした状態で前記別の電極と前記第2定電位電極との間の電位差によって生じる電界の強度が、前記所定強度以上となる第2部分は、前記第2活性部よりも分極が小さくなっている。
本発明によると、第1、第2圧電層の第2部分において第2活性部よりも分極が小さくなっているため、第2部分の分極の大きさが第2活性部の分極の大きさ以上の場合よりも第2部分の見かけの誘電率が小さくなる。これにより、第2部分の分極の大きさが第2活性部の分極の大きさ以上の場合よりも圧電アクチュエータの静電容量を小さくすることができる。
ここで、圧電アクチュエータの中立面が第1圧電層の内部に位置している場合、圧電アクチュエータが撓むときには、第1圧電層のうち、中立面に対して一方側に位置する部分において収縮し、他方側に位置する部分で伸長する。しかしながら、これらの発明の圧電アクチュエータでは、第1圧電層の中立面を挟んだ両側の部分が一体的に伸縮するため、第1圧電層の分極の大きさが変わっても、第1圧電層の伸縮が圧電アクチュエータの撓み量に与える影響はほとんど変わらない。第2部分において第2活性部よりも分極が小さくなった本発明の圧電アクチュエータと、第2部分の分極の大きさが第2活性部の分極の大きさ以上の圧電アクチュエータとで、撓み量にほとんど差がない。
第3の発明に係る圧電アクチュエータの製造方法は、第1の発明に係る圧電アクチュエータを製造するための圧電アクチュエータの製造方法であって、前記第1圧電層、前記第2圧電層、前記第1定電位電極、前記第2定電位電極及び前記駆動電極を含む構造体を形成する構造体形成工程と、前記第1定電位電極と、前記駆動電極及び前記第2定電位電極との間に電位差を生じさせることによって、前記第2圧電層の前記第1定電位電極と前記駆動電極とに挟まれた部分を前記第1分極方向に分極させて第1活性部とする第1分極工程と、前記第1定電位電極及び前記駆動電極と、前記第2定電位電極との間に電位差を生じさせることによって、前記第1圧電層及び前記第2圧電層の、前記駆動電極と前記第2定電位電極とに挟まれ、且つ、前記第1定電位電極と重ならない部分を前記第2分極方向に分極させて第2活性部とする第2分極工程と、前記第1分極工程及び前記第2分極工程の後、前記第1定電位電極及び前記駆動電極と、前記第2定電位電極との間に、前記第2分極工程と逆で、且つ、前記第2分極工程よりも小さい電位差を生じさせることによって、前記第1部分において前記第2活性部よりも分極を小さくする脱分極工程と、を備えている。
本発明によると、脱分極工程によって、第1部分において第2活性部よりも分極が小さくなるため、脱分極工程を行わない場合よりも、第1部分の見かけの誘電率が小さくなる。これにより、脱分極工程を行わない場合よりも、圧電アクチュエータの静電容量を小さくすることができる。
第4の発明に係る圧電アクチュエータの製造方法は、第2の発明に係る圧電アクチュエータを製造するための圧電アクチュエータの製造方法であって、前記第1圧電層、前記第2圧電層、前記第1定電位電極、前記第2定電位電極、前記駆動電極及び前記別の電極を含む構造体を形成する構造体形成工程と、前記第1定電位電極と、前記駆動電極及び前記第2定電位電極との間に電位差を生じさせることによって、前記第2圧電層の前記第1定電位電極と前記駆動電極とに挟まれた部分を前記第1分極方向に分極させて第1活性部とする第1分極工程と、前記第1定電位電極及び前記駆動電極と、前記第2定電位電極との間に電位差を生じさせることによって、前記第1圧電層及び前記第2圧電層の、前記駆動電極と前記第2定電位電極とに挟まれ、且つ、前記第1定電位電極と重ならない部分を前記第2分極方向に分極させて第2活性部とする第2分極工程と、前記第1分極工程及び前記第2分極工程の後、前記第1定電位電極及び前記駆動電極と、前記第2定電位電極との間に、前記第2分極工程と逆で、且つ、前記第2分極工程よりも小さい電位差を生じさせるとともに、前記別の電極を前記第1定電位電極と同電位とすることによって、前記第1部分及び前記第2部分において前記第2活性部よりも分極を小さくする脱分極工程と、を備えている。
本発明によると、脱分極工程によって、第1、第2圧電層の第2部分において第2活性部よりも分極が小さくなるため、脱分極工程を行わない場合よりも、第2部分の見かけの誘電率が小さくなる。これにより、脱分極工程を行わない場合よりも、圧電アクチュエータの静電容量を小さくすることができる。
本発明によれば、第1部分の分極の大きさが第2活性部の分極の大きさ以上の場合よりも、圧電アクチュエータの静電容量を小さくすることができる。
本発明の実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。 図1のインクジェットヘッドの平面図である。 図2の圧電アクチュエータの各層の上面の平面図であり、(a)がインク分離層の上面、(b)が下側の圧電層の上面、(c)が上側の圧電層の上面を示している。 図2のIV−IV線断面図である。 図2のV−V線断面図である。 インクジェットヘッドの製造工程を示す工程図である。 変形例1の図5相当の図である。 変形例2の図5相当の図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るプリンタ1は、キャリッジ2、インクジェットヘッド3、搬送ローラ4などを備えている。キャリッジ2は走査方向に延びた2本のガイドレール5に支持され、ガイドレール5に沿って走査方向に移動可能となっている。なお、以下では、図1に示すように走査方向に右側及び左側を定義して説明を行う。
インクジェットヘッド3は、キャリッジ2に搭載され、その下面に形成された複数のノズル15からインクを吐出させる。搬送ローラ4は、走査方向と直交する搬送方向におけるキャリッジ2の両側に配置され、記録用紙Pを搬送方向に搬送する。
そして、プリンタ1では、搬送ローラ4により記録用紙Pを搬送方向に搬送させつつ、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動するインクジェットヘッド3からインクを吐出させることによって、記録用紙Pに印刷を行う。
次に、インクジェットヘッド3について説明する。インクジェットヘッド3は、図2〜図5に示すように、ノズル15や後述の圧力室10等のインク流路が形成された流路ユニット21と、圧力室10内のインクに圧力を付与するための圧電アクチュエータ22とを備えている。なお、図面を分かりやすくするため、図2では、流路ユニット21の圧力室10及びノズル15以外のインク流路、後述の下部電極44及び中間電極45の図示を省略している。また、図5では、流路ユニット21のうち後述のプレート31のみを図示している。
流路ユニット21は、4枚のプレート31〜34が互いに積層されることによって形成されている。これら4枚のプレート31〜34のうち、3枚のプレート31〜33は、ステンレスなどの金属材料からなる。プレート34は、ポリイミドなどの合成樹脂材料からなる。あるいは、プレート34もプレート31〜33と同様、金属材料からなるものであってもよい。
プレート31には、複数の圧力室10が形成されている。圧力室10は、走査方向を長手方向とする略矩形の平面形状を有している。また、複数の圧力室10は、搬送方向に配列されることによって圧力室列9を形成し、プレート31には、4つの圧力室列9が走査方向に配列されている。
プレート32には、複数の圧力室10の左端部と重なる部分に、略円形の平面形状を有する複数の貫通孔12が形成されている。また、プレート32には、複数の圧力室10の走査方向における右端部と重なる部分に、略円形の平面形状を有する複数の貫通孔13が形成されている。
プレート33には、4本のマニホールド流路11が形成されている。4本のマニホールド流路11は、4つの圧力室列9に対応しており、各圧力室列9を形成する複数の圧力室10にまたがって搬送方向に延び、各圧力室列9を形成する複数の圧力室10の、走査方向における貫通孔13側の端部以外の部分と重なっている。
また、各マニホールド流路11には、搬送方向下流側の端部に設けられたインク供給口8からインクが供給される。また、プレート33には、複数の貫通孔13と重なる部分に、略円形の複数の貫通孔14が形成されている。プレート34には、複数の貫通孔13と重なる部分に複数のノズル15が形成されている。
そして、流路ユニット21においては、マニホールド流路11が貫通孔12を介して圧力室10と連通し、圧力室10が貫通孔13、14を介してノズル15と連通している。このように、流路ユニット21には、マニホールド流路11の出口から圧力室10を経てノズルに至る複数の個別インク流路が形成されている。
圧電アクチュエータ22は、インク分離層41、圧電層42、43、下部電極44、中間電極45、複数の上部電極46及び脱分極用電極47を備えている。インク分離層41は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料からなり、流路ユニット21の上面に、複数の圧力室10を覆うように配置されている。インク分離層41は、圧力室10内のインクが次に説明する圧電層42及び下部電極44に接触してしまうのを防止するためのものである。なお、インク分離層41は、次に説明する圧電層42、43とは異なり、圧電材料からなるものであることには限られず、合成樹脂材料などの絶縁性を有する別の材料からなるものであってもよい。
圧電層42は、インク分離層41と同様の圧電材料からなり、インク分離層41の上面に配置されている。圧電層43は、インク分離層41及び圧電層42と同様の圧電材料からなり、圧電層42の上面に配置されている。
下部電極44は、インク分離層41と圧電層42との間に配置されている。下部電極44は、複数の重なり部44a、4つの接続部44b、接続部44c及び引出部44dを有している。複数の重なり部44aは、略矩形の平面形状を有し、各圧力室10の搬送方向における両端部と重なっている。より詳細に説明すると、最も搬送方向の上流側に配置された重なり部44aは、最も搬送方向の上流側に配置された圧力室10の搬送方向の上流側の端部と重なっている。また、最も搬送方向の下流側に配置された重なり部44aは、最も搬送方向の下流側に配置された圧力室10の搬送方向の下流側の端部と重なっている。また、これら2つの重なり部44a以外の重なり部44aは、搬送方向に隣接する2つの圧力室10にまたがっている。そして、これらの重なり部44aは、搬送方向の上流側の端部が、2つの圧力室10のうち搬送方向の上流側の圧力室10の下流側の端部と重なり、搬送方向の下流側の端部が、2つの圧力室10のうち搬送方向の下流側の圧力室10の上流側の端部と重なっている。
4つの接続部44bは、4つの圧力室列9に対応して設けられ、搬送方向に延びて各圧力室列9に対応する複数の重なり部44aの左端部同士を接続している。接続部44cは、走査方向に延びて、4つの接続部44bの搬送方向における上流側の端部同士を接続している。引出部44dは、接続部44cの左端部から搬送方向の下流側に引き出されている。また、引出部44dは、圧電層42、43に形成されたスルーホール39aを介して、圧電層43の上面に引き出され、圧電層43の上面の引出部44dと重なる部分に配置された表面電極48と接続されている。表面電極48は、圧電アクチュエータ22の上方に配置されたCOF(Chip On Film)50上に実装されたドライバIC51に接続され、ドライバIC51は、COF50上の図示しない配線、表面電極48及びスルーホール39aを介して、下部電極44を常にグランド電位に保持している。
中間電極45は、圧電層42と圧電層43との間に配置されている。中間電極45は、複数の重なり部45a、4つの接続部45b、接続部45c及び引出部45dを有している。複数の重なり部45aは、略矩形の平面形状を有し、各圧力室10の略中央部と重なっている。また、複数の重なり部45aは、複数の重なり部44aとは重なっていない。4つの接続部45bは、4つの圧力室列9に対応して設けられ、搬送方向に延びて各圧力室列9に対応する複数の重なり部の右端部同士を接続している。接続部45cは、走査方向に延びて、4つの接続部45bの搬送方向における下流側の端部同士を接続している。引出部45dは、接続部45cの左端部から搬送方向の上流側に引き出されている。また、引出部45dは、圧電層43に形成されたスルーホール39bを介して、圧電層43の上面に引き出され、圧電層43の上面の引出部45dと重なる部分に配置された表面電極49と接続されている。表面電極49は、ドライバIC51に接続され、ドライバIC51は、COF50上の図示しない配線、表面電極49及びスルーホール39bを介して、中間電極44を常に、例えば20Vなど、グランド電位とは異なる所定の駆動電位に保持している。
複数の上部電極46は、複数の圧力室10に対して個別に設けられている。上部電極46は、略矩形の平面形状を有し、対応する圧力室10のほぼ全域と重なるように配置されている。これにより、上部電極46は、搬送方向における略中央部において、中間電極45の重なり部45aと重なり、搬送方向における両端部において、下部電極44の重なり部44aと重なっている。また、上部電極46の右端部は、走査方向に圧力室10と重ならない部分まで引き出され、その先端部が接続端子46aとなっている。接続端子46aは、ドライバIC51と接続されている。ドライバIC51は、COF50上の図示しない配線を介して、各上部電極46に対して個別に、グランド電位及び上記駆動電位のいずれかの電位を選択的に付与する。
脱分極用電極47は、圧電層42と圧電層43との間の、各重なり部44aの搬送方向における両側の部分に配置されている。これにより、上下方向から見て、圧電層42、43の下部電極44の重なり部44aと上部電極46とに挟まれた部分が、脱分極用電極47と中間電極45の重なり部45aとによって搬送方向から挟まれている。脱分極用電極47は、圧電層43に形成されたスルーホール39cを介して圧電層43の上面に引き出されているが、他の電極や配線などとは接続されていない。
また、電極44〜47がこのように配置されているのに対応して、圧電層43の、中間電極45と上部電極46とに挟まれた第1活性部61が上向きに分極され、圧電層42、43の下部電極44と上部電極46とに挟まれた第2活性部62部分が下向きに分極されている。
また、圧電層42、43のうち、図5の一点鎖線で囲まれた部分63、64は、第2活性部62よりも分極が小さく、且つ、分極の向きが第2活性部と逆になっている。部分63は、圧電層42、43のうち、下部電極44をグランド電位とし、中間電極45を上記駆動電極としたときに、下部電極44と中間電極45との電位差によって生じる電界の強度が所定電界強度M以上となる部分であり、その大部分は圧電層42の一部である。また、部分63には、圧電層42、43の下部電極44の重なり部44aと上部電極46とに挟まれた部分のうち、搬送方向における重なり部44a側の一部分が含まれる。ここで、所定電界強度Mは、例えば、上部電極46に駆動電位を付与したときに、第2活性部62に発生する電界の強度等である。
部分64は、圧電層42、43のうち、下部電極44をグランド電位とし、脱分極用電極47を上記駆動電位としたときに、下部電極44と脱分極用電極47との間の電位差によって生じる電界の強度が所定電界強度M以上となる部分であり、その大部分は圧電層42の一部である。部分64には、圧電層42、43の重なり部44aと上部電極46とに挟まれた部分のうち、搬送方向における重なり部44aと反対側の一部分が含まれる。
また、インク分離層41及び圧電層42、43のヤング率や厚み、電極44〜47のヤング率や面積の関係などから、圧電アクチュエータ22の中立面Sは、圧電層42内に位置している。ここで、中立面とは、流路ユニット21に固定されていない状態の圧電アクチュエータ22に曲げモーメントが加えられたときに、伸縮しない面のことである。
ここで、圧電アクチュエータ22を駆動してノズル15からインクを吐出させる方法について説明する。圧電アクチュエータ22では、予め、全ての上部電極46がグランド電位に保持されている。この状態では、中間電極45と上部電極46と電位差により第1活性部61に厚み方向と平行な上向きの電界が生じ、この電界の向きは第1活性部61の分極方向と同じであるため、圧電層43の中間電極45と上部電極46とに挟まれた部分が、面方向に収縮している。これにより、インク分離層41及び圧電層42、43の圧力室10と重なる部分が全体として圧力室10側に凸となるように撓んでいる。
あるノズル15からインクを吐出させるためには、当該ノズル15に対応する上部電極46の電位を一旦駆動電位に切り換え、所定時間経過後、上部電極46の電位をグランド電位に戻す。上部電極46の電位を駆動電位に切り換えると、中間電極45と上部電極46とが同電位となることで、上述の第1活性部61が変形前の状態に戻る。さらに、下部電極44と上部電極46との電位差によって第2活性部62に厚み方向と平行な下向きの電界が発生する。この電界の向きは第2活性部62の分極の向きと同じであるため、第2活性部62が搬送方向に収縮する。これにより、インク分離層41及び圧電層42、43が全体として、圧力室10と反対側に凸となるように撓む。その結果、圧力室10の容積が増加して圧力室10内のインクが低下することとなり、マニホールド流路11側から圧力室10にインクが供給される。
そして、上部電極46の電位をグランド電位に戻すと、第2活性部62が収縮前の状態に戻るとともに、上述したのと同様、インク分離層41及び圧電層42、43の圧力室10と重なる部分が全体として圧力室10側に凸となるように撓む。これにより、圧力室10の容積が低下して圧力室10内のインクの圧力が上昇し、圧力室10に連通するノズル15からインクが吐出される。
ここで、本実施の形態では、圧電アクチュエータ22に、上述のような駆動に必要な下部電極44、中間電極45及び上部電極46に加えて、脱分極用電極47が設けられている。しかしながら、脱分極用電極47は他の電極や配線などと接続されておらず、また、導電性を有する脱分極用電極47内には電界が発生しないことから、脱分極用電極47の有無によって、インク分離層41、圧電層42、43の圧力室10と重なる部分の撓み量はほとんど変わらない。
次に、インクジェットヘッド3の製造方法について説明する。インクジェットヘッド3を製造するためには、まず、図6(a)に示すように、インク分離層41、圧電層42、43、電極44〜46を備えた構造体を作製し、作製した構造体を流路ユニット21に接合する。なお、上記構造体を作製する方法は従来と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
次に、図6(b)に示すように、下部電極44及び上部電極46をグランド電位(0V)にし、中間電極44を20Vとすることにより、圧電層43の中間電極45と上部電極46とに挟まれた部分を上向きに分極させて第1活性部61にする。次に、図6(c)に示すように、下部電極44をグランド電位にし、中間電極45及び上部電極46を40Vとすることにより、圧電層42、43の下部電極44と上部電極46とに挟まれた部分を下向きに分極させて第2活性部62とする。
次に、図6(d)に示すように、下部電極44を5Vとし、中間電極45、上部電極46及び脱分極用電極47をグランド電位とする。ここで、図6(b)、(c)の工程では、中間電極45が下部電極44よりも高電位であるため、上記部分63、64を含む、圧電層42、43の下部電極44及び中間電極45の周囲の部分に、電界が発生する。そして、この電界によっても圧電層42、43が分極される。これに対して、図6(d)の工程では、下部電極44が中間電極45よりも高電位となり、下部電極44と中間電極45との電位差の大小関係が、図6(b)、(c)の工程と逆になる。これにより、図6(b)、(c)の工程において分極された、圧電層42、43の部分63、64の分極の向きが反転するとともに、分極の大きさが図6(d)の工程の直前よりも小さくなる。
ここで、図6(b)〜(d)の工程では、図6(a)の工程の後、圧電アクチュエータ22にCOF50を接続し、ドライバIC51により、下部電極44、中間電極45及び上部電極46に電位を付与する。あるいは、ドライバIC51とは別の電源などにより、下部電極44、中間電極45及び上部電極46に電位を付与する。また、図6(d)の工程では、ドライバIC51又は別の電源を、スルーホール39cを介して圧電層43の上面に引き出された脱分極用電極47に一時的に接続して、脱分極用電極47をグランド電位にする。そして、以上の工程によって、インクジェットヘッド3が製造される。
以上に説明した実施の形態によると、圧電アクチュエータ22では、上述したように、圧電層42、43の部分63、64が第2活性部62よりも分極が小さくなっている。一方、圧電層42、43は、分極が大きくなるほど見かけの誘電率が大きくなることが一般に知られている。したがって、圧電アクチュエータ22は、部分63、64の分極の大きさが第2活性部62の分極の大きさ以上である場合よりも、圧電層42、43の見かけの誘電率が低く、圧電アクチュエータ22の静電容量が小さくなっている。すなわち、本実施の形態では、図6(d)の工程で圧電層42、43の部分63、64を第2活性部62よりも分極を小さくすることによって、図6(d)の工程を行わない場合よりも、圧電アクチュエータ22の静電容量を小さくすることができる。
また、圧電アクチュエータ22の駆動時には、下部電極44が常にグランド電位に保持され、中間電極45が常に駆動電位に保持されているため、圧電層42、43の部分63には、常に下部電極44と中間電極45との電位差によって所定電界強度M以上の電界が発生している。そして、この電界により、部分63は常に収縮している。上部電極46を駆動電位にして第2活性部62に電界を発生させたときには、部分63の一部にも電界が作用するが、上述の通り、部分63は、圧電アクチュエータ22の駆動中、常に収縮しているため、下部電極44の重なり部44aと上部電極46との間の電位差により生じる電界によって、部分63が収縮することはない。すなわち、部分63の分極の大きさが変わっても、部分63が、圧電アクチュエータ22の圧力室10と重なる部分の総撓み量に与える影響はほとんど変わらない。ここで、圧電アクチュエータ22の圧力室10と重なる部分の総撓み量とは、上部電極46をグランド電位にしたときの、インク分離層41、圧電層42、43の圧力室10と重なる部分の圧力室10側への撓み量と、上部電極46を駆動電位にしたときの、インク分離層41、圧電層42、43の圧力室10と重なる部分の圧力室10と反対側への撓み量との合計のことである。
また、圧電アクチュエータ22の圧力室10と重なる部分が撓むときには、圧電アクチュエータ22は、中立面Sにおいては伸縮せず、中立面Sよりも上側及び下側の部分のうち、一方の部分において収縮し、他方の部分において伸長する。一方、圧電アクチュエータ22の中立面Sが、圧電層42内に位置している場合には、上部電極46の電位を切り換えたときに、第2活性部62の圧電層42によって形成されている部分は、中立面Sよりも上側の部分と下側の部分とが一体的に伸縮する。そのため、圧電アクチュエータ22の駆動時の第2活性部62の圧電層42によって形成される部分の伸縮の程度が変わっても、第2活性部62の圧電層42によって形成される部分が、圧電アクチュエータ22の圧力室10と重なる部分の総撓み量に与える影響はほとんど変わらない。したがって、圧電層42、43の部分63、64の分極を第2活性部62よりも小さくしても、圧電アクチュエータ22を駆動したときの、圧電アクチュエータ22の圧力室10と重なる部分の総撓み量はほとんど変わらない。
なお、本実施の形態では、圧電層42が本発明に係る第1圧電層に相当し、圧電層43が本発明に係る第2圧電層に相当する。また、中間電極45が本発明に係る第1定電位電極に相当し、上部電極46が本発明に係る駆動電極に相当し、下部電極44が本発明に係る第2定電位電極に相当する。また、脱分極用電極47が本発明に係る別の電極に相当する。また、上記駆動電位が本発明に係る第1電位及び第1駆動電位に相当し、グランド電位が本発明に係る第2電位及び第2駆動電位に相当する。また、第1活性部61の分極方向が本発明に係る第1分極方向に相当し、第2活性部62の分極方向が本発明に係る第2分極方向に相当する。
また、図6(a)に示す工程が、本発明に係る構造体作製工程に相当する。また、図6(b)に示す工程が、本発明に係る第1分極工程に相当する。また、図6(c)に示す工程が本発明に係る第2分極工程に相当する。また、図6(d)に示す工程が本発明に係る脱分極工程に相当する。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。
上述の実施の形態では、圧電層42と圧電層43との間に脱分極用電極47が配置され、圧電層42、43の部分63、64の両方において、第2活性部62よりも分極が小さくなっていたが、これには限られない。
一変形例(変形例1)では、図7に示すように、圧電層42と圧電層43との間に中間電極45及び脱分極用電極47のうち、中間電極45のみが配置されている。また、圧電層42、43は、部分63、64のうち部分63においてのみ、第2活性部62よりも分極が小さくなっている。
インク分離層41、圧電層42、43のヤング率や厚み、電極44〜46のヤング率や面積の関係等から、圧電アクチュエータ22の中立面Sが、インク分離層41内、圧電層43内等、圧電層42内とは異なる面上に位置することもある。そして、そのような場合には、第2活性部62の圧電層42によって形成された部分の伸縮の程度が変われば、圧電アクチュエータ22の圧力室10と重なる部分の総撓み量に与える影響も変わる。そのため、部分64において第2活性部62よりも分極を小さくすると、部分64の分極の大きさが第2活性部62の分極の大きさ以上である場合よりも、圧電アクチュエータ22の圧力室10と重なる部分の総撓み量が小さくなる。一方、部分63は、上述の通り、圧電アクチュエータ22の駆動時に、常に収縮しているため、中立面Sの位置によらず、部分63が、圧電アクチュエータ22の圧力室10と重なる部分の総撓み量に与える影響はほとんど変わらない。したがって、変形例1では、部分63、64のうち、部分63のみにおいてのみ第2活性部62よりも分極を小さくすることにより、部分64の分極の大きさが第2活性部62の分極の大きさ以上である場合よりも、圧電アクチュエータ22の静電容量を小さくすることができる。
また、圧電アクチュエータ22の中立面Sが圧電層42内に位置している場合でも、圧電層42、43が、部分63において第2活性部62よりも分極が小さくなっていることによって、部分63の分極の大きさが第2活性部62の分極の大きさ以上である場合よりも圧電アクチュエータ22の静電容量を小さくすることができる。
また、上述の実施の形態では、下部電極44の重なり部44aと中間電極45の重なり部45aとが重ならないようになっていたが、これには限られない。別の一変形例(変形例2)では、図8に示すように、下部電極44が、インク分離層41と圧電層42との間のほぼ全域にわたって連続的に配置され、下部電極44と重なり部45aとが重なっている。この場合にも、上述の実施の形態と同様、図6(a)〜(d)と同様の工程によって圧電アクチュエータ22を製造することができる。ここで、変形例2では、図6(b)、(c)に対応する工程において、圧電層42の下部電極44と中間電極45の重なり部45aとに挟まれた部分65が厚み方向の下向きに分極されてしまう。しかしながら、図6(d)に対応する工程において、重なり部44aと重なり部45aとの電位差によって生じる電界により、上述の部分63において第2活性部62よりも分極が小さくなるのに加えて、部分65において第2活性部62よりも分極が小さくなる。したがって、最終的に製造される圧電アクチュエータ22において、圧電層42の部分65の分極によって、圧電アクチュエータ22の静電容量が大きくなることはない。
また、上述の実施の形態では、下部電極44がグランド電位に保持され、中間電極45が駆動電位に保持され、これに対応して、第1活性部61が上向きに分極され、第2活性部62が下向きに分極されていたが、これには限られない。例えば、下部電極44が駆動電位に保持され、中間電極45がグランド電位に保持され、これに対応して、第1活性部61が下向きに分極され、第2活性部62が上向きに分極されていてもよい。
また、上述の実施の形態では、上部電極46にグランド電位及び上記駆動電位のいずれかが選択的に付与されるようになっていたが、これには限られない。上部電極46に、第1活性部61に第1分極方向と同じ向きの電界を発生させるような別の第1駆動電位、及び、第2活性部62に第2分極方向と同じ向きの電界を発生させるような別の第2駆動電位のいずれかが選択的に付与されるようになっていてもよい。具体的には、例えば、上部電極46に、18Vなど上記駆動電位よりも少し低い第1駆動電位、及び、2Vなどグランド電位よりも少し高い第2駆動電位のいずれかの電位が選択的に付与されるようになっていてもよい。
また、以上では、ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドに用いられる圧電アクチュエータ及びその製造に本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。例えば、ノズルからインク以外の液体を吐出する、インクジェットヘッド以外の液体吐出装置に用いられる圧電アクチュエータ及びその製造に本発明を適用することも可能である。さらには、液体吐出装置以外の装置に用いられる圧電アクチュエータ及びその製造に本発明を適用することも可能である。
42、43 圧電層
44 下部電極
45 中間電極
46 上部電極
47 脱分極用電極

Claims (4)

  1. 第1圧電層と、
    前記第1圧電層と積層された第2圧電層と、
    前記第1圧電層と前記第2圧電層との間に配置され、所定の第1電位に保持される第1定電位電極と、
    前記第1定電位電極との間で前記第2圧電層を挟むように配置された駆動電極と、
    前記駆動電極との間で、前記第1圧電層及び前記第2圧電層のうち、前記第1定電位電極と重なる部分とは異なる部分を挟むように配置され、前記第1電位と異なる第2電位に保持される第2定電位電極と、を備え、
    前記第2圧電層の前記第1定電位電極と前記駆動電極とに挟まれた部分は、前記第2圧電層の厚み方向と平行な第1分極方向に分極された第1活性部となっており、
    前記第1圧電層及び前記第2圧電層の、前記駆動電極と前記第2定電位電極とに挟まれ、且つ、前記第1定電位電極と重ならない部分は、前記第1分極方向と逆の第2分極方向に分極された第2活性部となっており、
    前記駆動電極には、前記第1活性部に前記第1分極方向と同じ向きの電界を発生させるような第1駆動電位と、前記第2活性部に前記第2分極方向と同じ向きの電界を発生させるような第2駆動電位のいずれかの電位が選択的に付与され、
    前記第1圧電層及び前記第2圧電層のうち、前記第1定電位電極と前記第2定電位電極との電位差によって生じる電界の強度が所定強度以上となる第1部分は、前記第2活性部よりも分極が小さくなっていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 中立面が前記第1圧電層内に位置し、
    前記第1圧電層と前記第2圧電層との間に、前記第1圧電層と前記第2圧電層との積層方向から見て、前記第1定電位電極との間で前記第2活性部を挟むように配置された別の電極をさらに備え、
    前記第1圧電層及び前記第2圧電層のうち、前記別の電極を前記第1電位とした状態で前記別の電極と前記第2定電位電極との間の電位差によって生じる電界の強度が、前記所定強度以上となる第2部分は、前記第2活性部よりも分極が小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 請求項1に記載の圧電アクチュエータの製造方法であって、
    前記第1圧電層、前記第2圧電層、前記第1定電位電極、前記第2定電位電極及び前記駆動電極を含む構造体を形成する構造体形成工程と、
    前記第1定電位電極と、前記駆動電極及び前記第2定電位電極との間に電位差を生じさせることによって、前記第2圧電層の前記第1定電位電極と前記駆動電極とに挟まれた部分を前記第1分極方向に分極させて第1活性部とする第1分極工程と、
    前記第1定電位電極及び前記駆動電極と、前記第2定電位電極との間に電位差を生じさせることによって、前記第1圧電層及び前記第2圧電層の、前記駆動電極と前記第2定電位電極とに挟まれ、且つ、前記第1定電位電極と重ならない部分を前記第2分極方向に分極させて第2活性部とする第2分極工程と、
    前記第1分極工程及び前記第2分極工程の後、前記第1定電位電極及び前記駆動電極と、前記第2定電位電極との間に、前記第2分極工程と逆で、且つ、前記第2分極工程よりも小さい電位差を生じさせることによって、前記第1部分において前記第2活性部よりも分極を小さくする脱分極工程と、を備えていることを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
  4. 請求項2に記載の圧電アクチュエータの製造方法であって、
    前記第1圧電層、前記第2圧電層、前記第1定電位電極、前記第2定電位電極、前記駆動電極及び前記別の電極を含む構造体を形成する構造体形成工程と、
    前記第1定電位電極と、前記駆動電極及び前記第2定電位電極との間に電位差を生じさせることによって、前記第2圧電層の前記第1定電位電極と前記駆動電極とに挟まれた部分を前記第1分極方向に分極させて第1活性部とする第1分極工程と、
    前記第1定電位電極及び前記駆動電極と、前記第2定電位電極との間に電位差を生じさせることによって、前記第1圧電層及び前記第2圧電層の、前記駆動電極と前記第2定電位電極とに挟まれ、且つ、前記第1定電位電極と重ならない部分を前記第2分極方向に分極させて第2活性部とする第2分極工程と、
    前記第1分極工程及び前記第2分極工程の後、前記第1定電位電極及び前記駆動電極と、前記第2定電位電極との間に、前記第2分極工程と逆で、且つ、前記第2分極工程よりも小さい電位差を生じさせるとともに、前記別の電極を前記第1定電位電極と同電位とすることによって、前記第1部分及び前記第2部分において前記第2活性部よりも分極を小さくする脱分極工程と、を備えていることを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
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