JP2015058571A - インクジェット記録装置及び活性光線光量測定方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及び活性光線光量測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】活性光線照射手段から発生させる光量の経時変化における波長帯域依存性、及び光量を測定する受光素子の受光特性が考慮されたインクジェット記録装置及び活性光線光量測定方法を提供する。
【解決手段】活性光線硬化型インクを吐出させるインクジェットヘッドと、記録媒体Pを搬送させる搬送手段と、形成された画像に対して活性光線を照射する活性光線照射手段74と、受光素子134Dを具備し、活性光線照射手段74から照射された活性光線の光量を測定する光量測定手段134を備え、光量測定手段134は、活性光線のインクの硬化に寄与する波長帯域における活性光線照射手段74の経時変化により活性光線照射手段74から照射される活性光線の光量が変化する波長領域に対応して受光素子134Dへ入射させる活性光線の波長帯域を制限するフィルタ134Eを備えている。
【選択図】図8

Description

本発明はインクジェット記録装置及び活性光線光量測定方法に係り、特に活性光線を照射してインクを硬化させるインクジェット記録装置における活性光線の光量測定技術に関する。
紫外線などの活性光線を照射してインクを硬化させるインクジェット記録装置が知られている。インクを硬化させる活性光線を照射する手段として、高出力が可能な紫外線ランプ(UVランプ)が好適である。
紫外線ランプは長期使用による劣化によって発生する光量が低下する。そうすると、紫外線の光量不足によるインク(画像)の硬化異常(定着異常)が発生して、画像品質の低下の原因となりうる。
特許文献1は、活性光線硬化性(光硬化性)のインクを用いたインクジェット記録装置において、光源から発生させる光量を測定する光量測定センサを備え、光量測定センサから得られる測定結果に基づいて光源から発生させる光量が調整されて、インクに対して照射される光量が一定に保たれる構成が記載されている。
特許文献2は、活性光線(紫外線)を照射してインクを硬化させるインクジェット記録装置において、紫外線光量を測定する光量測定センサを保護し、かつ、紫外線の遮光性を有するカバー部材を備える形態が記載されている。
特開2004−195966号公報 特開2005−271582号公報
しかしながら、紫外線ランプは、経時変化により発生する光量の低下がすべての波長帯域において均一ではなく、波長帯域によってまちまちである。そして、経時変化によって発生する光量が増加する波長帯域が存在することもある。
一方、活性光線の光量測定に用いられるUVセンサ(紫外線センサ)は、受光感度帯域が広いために、UVセンサが有する受光感度領域全体で測定(受光)してしまう。そうすると、インクを硬化させるために必要な波長帯域における光量の低下を適切に検出できないことがありうる。
特許文献1、2に記載の光量測定では、光源から発生させる光量の低下の波長帯域依存性や、光量を測定するセンサの受光特性(波長帯域依存性)について考慮されていないので、測定結果から光量の低下を正確に把握できないことが懸念される。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、活性光線照射手段から発生させる光量の経時変化における波長帯域依存性、及び光量を測定する受光素子の受光特性が考慮されたインクジェット記録装置及び活性光線光量測定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るインクジェット記録装置は、活性光線を照射させて硬化させるインクを吐出させるインクジェットヘッドと、記録媒体を搬送させる搬送手段と、記録媒体に形成された画像に対して活性光線を照射する活性光線照射手段と、活性光線照射手段から照射された活性光線を受光する受光素子を具備し、活性光線照射手段から照射された活性光線の光量を測定する光量測定手段と、を備え、光量測定手段は、活性光線照射手段から照射される活性光線のインクの硬化に寄与する波長帯域における活性光線照射手段の経時変化により活性光線照射手段から照射される活性光線の光量が変化する波長領域に対応して受光素子へ入射させる活性光線の波長帯域を通過させるフィルタを備えている。
本発明によれば、活性光線照射手段から照射される活性光線の光量を測定する際に、インクの硬化に寄与する波長帯域における活性光線照射手段の経時変化により活性光線照射手段から照射される活性光線の光量が変化する波長領域を通過させるフィルタを介して活性光線を受光素子へ入射させることで、測定対象の活性光線の波長帯域がインクの硬化に寄与する波長帯域に限定され、インクの硬化に寄与する波長帯域における活性光線照射手段の経時変化による活性光線照射手段から照射される活性光線の光量の変動を正確に把握することができる。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図 図1に図示したインクジェット記録装置における制御系の概略構成を示すブロック図 図1に示すインクジェット記録装置に具備されるインクジェットヘッドの構成図 図3に示すインクジェットヘッドに具備されるヘッドモジュールの構成例を示す斜視図 図4に示すヘッドモジュールのノズル配列の説明図 図4に示すヘッドモジュールの内部構造を示す断面図 第1実施形態におけるUV光量検出部の構成例を示す説明図 図7に示す光量測定部の詳細構成を示す説明図 図7に示す光量測定部の他の移動形態を示す説明図 UV光の波長特性の説明図、(a):初期状態の説明図、(b):経時変化後の説明図 バンドパスフィルタの説明図 光量測定の流れを示すフローチャート 装置の全体制御の概略を示すフローチャート 第2実施形態における光量測定部の構成例を示す説明図、(a):保護状態を模式的に示す説明図、(b):測定状態を模式的に示す説明図 図14に示す光量測定部の詳細構成を示す説明図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。
同図に示すインクジェット記録装置10は、枚葉の用紙Pに水性UVインク(水性媒体を使用したUV(紫外線)硬化型インク)を用いてインクジェット方式で画像を記録するインクジェット記録装置である。
インクジェット記録装置10は、主として、用紙Pを給紙する給紙部12と、給紙部12から給紙された用紙Pの表面に処理液を付与する処理液付与部14と、処理液付与部14で処理液が付与された用紙Pの乾燥処理を行う処理液乾燥処理部16と、処理液乾燥処理部16で乾燥処理が施された用紙Pの表面に水性UVインクを用いてインクジェット方式で画像を記録する画像形成部18と、画像形成部18で画像が記録された用紙Pの乾燥処理を行うインク乾燥処理部20と、インク乾燥処理部20で乾燥処理された用紙PにUV光(活性光線)の照射を行って画像を定着させるUV照射処理部22と、UV照射処理部22でUV照射処理された用紙Pを排紙する排紙部24と、を含んで構成される。
〈給紙部〉
給紙部12は、主として、給紙台30と、サッカー装置32と、給紙ローラ対34と、フィーダボード36と、前当て38と、給紙ドラム40を含んで構成され、給紙台30に積載された用紙Pを1枚ずつ処理液付与部14へ給紙する。
給紙台30の上に積載された用紙Pは、サッカー装置32(サクションフィット32A)によって上から順に1枚ずつ引き上げられて、給紙ローラ対34(上下一対のローラ34A,34Bの間)に給紙される。
給紙ローラ対34に給紙された用紙Pは、上下一対のローラ34A,34Bによって前方に送り出され、フィーダボード36の上に載置される。フィーダボード36の上に載置された用紙Pは、フィーダボード36の搬送面に設けられたテープフィーダ36Aによって搬送される。
そして、その搬送過程でリテーナ36B、ガイドローラ36Cによってフィーダボード36の搬送面に押し付けられ、凹凸が矯正される。フィーダボード36によって搬送された用紙Pは、先端が前当て38に当接されることにより、傾きが矯正され、その後、給紙ドラム40に受け渡される。そして、給紙ドラム40のグリッパ40Aにより先端部を把持されて処理液付与部14へと搬送される。
〈処理液付与部〉
処理液付与部14は、主として、用紙Pを搬送する処理液付与ドラム42と、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの表面に所定の処理液を付与する処理液付与ユニット44と、を含んで構成され、用紙Pの表面に処理液を付与(塗布)する。
用紙Pの表面に塗布される処理液は、後段の画像形成部18で用紙Pに打滴される水性UVインク中の色材を凝集させる機能を有する処理液が塗布される。用紙Pの表面に処理液を塗布して水性UVインクを打滴することにより、汎用の印刷用紙を用いても着弾干渉等を起こすことなく、高品位な印刷を行うことができる。
給紙部12の給紙ドラム40から受け渡された用紙Pは、処理液付与ドラム42に受け渡される。処理液付与ドラム42は、用紙Pの先端をグリッパ42Aで把持して(咥えて)回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けて搬送する。
この搬送過程で、処理液皿44Bから計量ローラ44Cにより一定量に計量された処理液が付与された塗布ローラ44Aを用紙Pの表面に押圧当接させることで、用紙Pの表面に処理液が塗布される。なお、処理液を塗布する形態はローラ塗布に限定されず、インクジェット方式、ブレードによる塗布など、他の形態を適用することも可能である。
〈処理液乾燥処理部〉
処理液乾燥処理部16は、主として、用紙Pを搬送する処理液乾燥処理ドラム46と、用紙Pの裏面を支持(ガイド)する用紙搬送ガイド48と、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの表面に熱風を吹き当てて乾燥させる処理液乾燥処理ユニット50と、を含んで構成され、表面に処理液が付与された用紙Pに対して乾燥処理を施す。
処理液付与部14の処理液付与ドラム42から処理液乾燥処理ドラム46へ受け渡された用紙Pは、処理液乾燥処理ドラム46に具備されるグリッパ46Aによって先端を把持される。
また、用紙Pは、表面(処理液が塗布された面)を内側に向けた状態で裏面を用紙搬送ガイド48によって支持される。この状態で処理液乾燥処理ドラム46を回転させることにより用紙Pを搬送させる。
処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される過程で、処理液乾燥処理ドラム46の内側に設置された処理液乾燥処理ユニット50から熱風が用紙Pの表面に吹き当てられて、用紙Pに乾燥処理が施され、処理液中の溶媒成分が除去されて、用紙Pの表面にインク凝集層が形成される。
〈画像形成部〉
画像形成部18は、主として、用紙Pを搬送する画像形成ドラム52と、画像形成ドラム52によって搬送される用紙Pを押圧して、用紙Pを画像形成ドラム52の周面に密着させる用紙押さえローラ54と、用紙PにC,M,Y,Kの各色のインク液滴を吐出するインクジェットヘッド56C,56M,56Y,56Kと、用紙Pに記録された画像を読み取るインラインセンサ58と、インクミストを捕捉するミストフィルタ60と、ドラム冷却ユニット62と、を含んで構成され、処理液層が形成された用紙Pの表面にC,M,Y,Kの各色のインク(水性UVインク)の液滴を打滴して、用紙Pの表面にカラー画像を描画する。
本例に適用されるインクジェットヘッドには、圧電素子のたわみ変形を利用してインクを吐出させる圧電方式(図6参照)、インクを加熱して膜沸騰現象を発生させてインクを吐出させるサーマル方式、帯電させたインクを静電気力によって記録媒体へ着弾させる静電方式など、様々な吐出方式を適用することができる。
また、本例に適用されるインクジェットヘッドは、用紙Pの全幅(用紙Pの相対移動方向と直交する主走査方向の全長)に対応する長さにわたってノズルが形成されるライン型ヘッドが適用される(図3参照)。
処理液乾燥処理部16の処理液乾燥処理ドラム46から画像形成ドラム52へ受け渡された用紙Pは、画像形成ドラム52に具備されるグリッパ52Aによって先端を把持される。さらに、用紙Pを用紙押さえローラ54の下を通過させることで、用紙Pは画像形成ドラム52の周面に密着する。
画像形成ドラム52の周面に密着させた用紙Pは、画像形成ドラム52の周面に形成された吸着穴に発生させた負圧によって吸着されて、画像形成ドラム52の周面に吸着保持される。
画像形成ドラム52の周面に吸着保持され搬送される用紙Pは、各インクジェットヘッド56C,56M,56Y,56Kの直下のインク打滴領域を通過する際に、各インクジェットヘッド56C,56M,56Y,56KからC,M,Y,Kの各色のインクの液滴が表面に打滴されて、表面にカラー画像が描画される。
用紙Pの表面に打滴されたインクは、用紙Pの表面に形成されたインク凝集層と反応し、フェザリングやブリーディング等を起こすことなく用紙Pの表面に定着し、用紙Pの表面には高品位な画像が形成される。
インクジェットヘッド56C,56M,56Y,56Kによって画像が形成された用紙Pは、インラインセンサ58の読取領域を通過する際に、表面に形成された画像が読み取られる。
インラインセンサ58による画像の読み取りは必要に応じて行われ、画像の読取データから吐出不良、濃度むら等の画像欠陥(画像異常)の検査が行われる。インラインセンサ58の読取領域を通過した用紙Pは、吸着が解除された後、ガイド59の下を通過して、インク乾燥処理部20へと受け渡される。
〈インク乾燥処理部〉
インク乾燥処理部20は、チェーングリッパ64(相対搬送手段)によって搬送される用紙Pに対して乾燥処理を施すインク乾燥処理ユニット68を含んで構成され、画像形成後の用紙Pに対して乾燥処理を施し、用紙Pの表面に残存する液体成分を除去する。
インク乾燥処理ユニット68の構成例として、ハロゲンヒータ、赤外線(IR)ヒータ等の熱源と、熱源によって熱せられた空気(気体、流体)を用紙Pへ吹き付けるファンと、を具備する態様が挙げられる。
画像形成部18の画像形成ドラム52からチェーングリッパ64へ受け渡された用紙Pは、チェーングリッパ64に具備されるグリッパ64Dによって先端を把持される。
チェーングリッパ64は、第1スプロケット64A及び第2スプロケット64Bに一対の無端状のチェーン64Cが巻き掛けられた構造を有している。
また、用紙Pの後端の裏面は、チェーングリッパ64との間の一定の距離を離して配置されたガイドプレート72の用紙保持面に吸着保持される。
〈UV照射処理部〉
UV照射処理部22(活性光線照射手段)は、UV照射ユニット74を含んで構成され、水性UVインクを用いて記録された画像に紫外線を照射して、用紙Pの表面に画像を定着させる。
チェーングリッパ64によって搬送される用紙PがUV照射ユニット74のUV光照射領域に到達すると、チェーングリッパ64の内部に設置されたUV照射ユニット74によりUV照射処理が施される。
すなわち、先端をグリッパによって把持され、後端の裏面を用紙保持面に吸着保持されてチェーングリッパ64によって搬送される用紙Pは、用紙Pの搬送経路において用紙Pの表面と対応する位置に配置されたUV照射ユニット74からUV光が照射される。UV光が照射された画像(インク)は、硬化反応が発現して用紙Pの表面に定着する。
UV照射処理が施された用紙Pは、傾斜搬送経路70Bを経由して排紙部24へ送られる。傾斜搬送経路70Bを通過する用紙Pに対して、冷却処理を施す冷却処理部を備えてもよい。
UV照射ユニット74の構成例として、UV光を発生させる紫外線光源として機能するUVランプ(紫外線ランプ、図7に符号74Aを付して図示)、及びUVランプを支持する灯具(ランプハウス、図7に符号74Bを付して図示)を含む態様が挙げられる。
図1における図示は省略するが、UV照射処理部22のUV照射領域に照射されるUV光の光量を測定する光量測定部(図2に符号134を付して図示)が設けられている。光量測定部の詳細は後述する。
〈排紙部〉
一連の画像形成処理が行われた用紙Pを回収する排紙部24は、用紙Pを積み重ねて回収する排紙台76を含んで構成される。
チェーングリッパ64(グリッパ64D)は、排紙台76の上で用紙Pを開放し、排紙台76の上に用紙Pをスタックさせる。排紙台76は、チェーングリッパ64から開放された用紙Pを積み重ねて回収する。排紙台76には、用紙Pが整然と積み重ねられるように、不図示の用紙当て(前用紙当て、後用紙当て、横用紙当て等)が備えられる。
また、排紙台76は、図示しない排紙台昇降装置によって昇降可能に設けられる。排紙台昇降装置は、排紙台76にスタックされる用紙Pの増減に連動して、その駆動が制御され、最上位に位置する用紙Pが常に一定の高さに位置するように、排紙台76を昇降させる。
〈制御系の説明〉
図2は、図1に示すインクジェット記録装置10の制御系の概略構成を示すブロック図である。
同図に示すように、インクジェット記録装置10は、システムコントローラ100、通信部102、画像メモリ104、搬送制御部110、給紙制御部112、処理液付与制御部114、処理液乾燥制御部116、画像形成制御部118、インク乾燥制御部120、UV照射制御部122、排紙制御部124、操作部130、表示部132等が備えられる。
システムコントローラ100は、インクジェット記録装置10の各部を統括制御する制御手段として機能し、かつ、各種演算処理を行う演算手段として機能する。このシステムコントローラ100は、CPU(Central Processing Unit)100A及び、ROM(Read Only Memory)100B、RAM(Random Access Memory)100Cを内蔵している。
システムコントローラ100は、ROM100B、RAM100C、画像メモリ104等のメモリへのデータの書き込み、これらのメモリからのデータの読み出しを制御するメモリコントローラとしても機能する。
図2には、システムコントローラ100にROM100B、RAM100C等のメモリを内蔵する態様を例示したが、ROM100B、RAM100C等のメモリは、システムコントローラ100の外部に設けられていてもよい。
通信部102は、所要の通信インターフェースを備え、通信インターフェースと接続されたホストコンピュータとの間でデータの送受信を行う。
画像メモリ104は、画像データを含む各種データの一時記憶手段として機能し、システムコントローラ100を通じてデータの読み書きが行われる。通信部102を介してホストコンピュータから取り込まれた画像データは、一旦画像メモリ104に格納される。
搬送制御部110は、インクジェット記録装置10における用紙Pの搬送系の動作(給紙部12から排紙部24までの用紙Pの搬送)を制御する。搬送系には、図1に図示した処理液付与部14における処理液付与ドラム42、処理液乾燥処理部16における処理液乾燥処理ドラム46、画像形成部18における画像形成ドラム52、インク乾燥処理部20、UV照射処理部22及び排紙部24で共通して用いられるチェーングリッパ64が含まれる(図1参照)。
給紙制御部112は、システムコントローラ100からの指令に応じて、給紙ローラ対34の駆動、テープフィーダ36Aの駆動等の給紙部12の各部の動作を制御する。
処理液付与制御部114は、システムコントローラ100からの指令に応じて、処理液付与ユニット44の動作等の処理液付与部14の各部の動作(処理液の付与量、付与タイミング等)を制御する。
処理液乾燥制御部116は、システムコントローラ100からの指令に応じて、処理液乾燥処理部16の各部の動作を制御する。すなわち、処理液乾燥制御部116は、乾燥温度、乾燥気体の流量、乾燥気体の噴射タイミングなど、処理液乾燥処理ユニット50(図1参照)の動作を制御する。
画像形成制御部118は、システムコントローラ100からの指令に応じて、画像形成部18(インクジェットヘッド56C,56M,56Y,56K、図1参照)からのインク打滴(吐出)を制御する。
すなわち、図2の画像形成制御部118は、入力画像データからドットデータを形成する画像処理部と、駆動電圧の波形を生成する波形生成部(不図示)と、駆動電圧の波形を記憶する波形記憶部と、インクジェットヘッド56C,56M,56Y,56Kのそれぞれに対して、ドットデータに応じた駆動波形を有する駆動電圧を供給する駆動回路と、を含んで構成される。
画像処理部では、入力画像データ(0から255のデジタル値で表されるラスターデータ)に対してRGBの各色に分解する色分解(分版)処理、RGBをCMYKに変換する色変換処理、ガンマ補正、むら補正等の補正処理、M値の各色のデータをN値(M>N、Mは3以上の整数、Nは2以上の整数)の各色データに変換するハーフトーン処理が施される。
画像処理部による処理を経て生成されたドットデータに基づいて、各画素位置の打滴タイミング、インク打滴量が決められ、各画素位置の打滴タイミング、インク打滴量に応じた駆動電圧、駆動信号(各画素の打滴タイミングを決める制御信号)が生成され、この駆動電圧がインクジェットヘッド56C,56M,56Y,56Kへ供給され、インクジェットヘッド56C,56M,56Y,56Kから打滴されたインク液滴によって各画素位置にドットが形成される。
インク乾燥制御部120は、システムコントローラ100からの指令に応じて、インク乾燥処理部20の動作を制御する。すなわち、インク乾燥制御部120は、乾燥温度、乾燥気体の流量、乾燥気体の噴射タイミングなど、インク乾燥処理ユニット68(図1参照)の動作を制御する。
UV照射制御部122は、システムコントローラ100からの指令に応じて、UV照射処理部22によるUV光の光量(UV光の照射エネルギー)を制御し、かつ、UV光の照射タイミングを制御する。
排紙制御部124は、システムコントローラ100からの指令に応じて、排紙台76(図1参照)に用紙Pがスタックされるように、排紙部24の動作を制御する。
操作部130は、操作ボタン、キーボード、タッチパネル等の操作部材を備え、その操作部材から入力された操作情報をシステムコントローラ100に送出する。システムコントローラ100は、この操作部130から送出された操作情報に応じて各種処理を実行する。
表示部132は、LCDパネル等の表示装置を備え、システムコントローラ100からの指令に応じて、装置の各種設定情報、異常情報などの情報を表示装置に表示させる。
インラインセンサ58から出力される検出信号(検出データ)は、ノイズ除去、波形整形等の処理が施され、システムコントローラ100を介して予め決められたメモリ(例えば、RAM100C)に記憶される。
光量測定部134(光量測定手段)は、UV照射処理部22からインク(画像)に対して照射されるUV光の光量を測定し、光量の情報を取得する。光量測定部134によって取得された光量の情報に基づいて、紫外線ランプの調整を変更し、紫外線ランプの劣化状態が判断される。
移動部135(移動手段)は、光量測定部134を移動させる手段であり、光量測定部134をUV光の光量の測定を行う測定位置とUV光の非照射領域に設けられる退避位置との間を移動させる。移動部135は、移動制御部136を介してシステムコントローラ100から送出される指令信号に基づいて動作が制御される。
〔インクジェットヘッドの構造〕
次に、本発明の実施形態に係るインクジェットヘッドの構造について詳細に説明する。
〈全体構造〉
図3は、図1に図示したインクジェットヘッド56C,56M,56Y,56Kの構成図である。CMYKの各色に対応するインクジェットヘッド56C,56M,56Y,56Kには同一の構造が適用されるので、これらを区別する必要がない場合にはインクジェットヘッド56C,56M,56Y,56Kのアルファベットを省略することがある。
図3に示すインクジェットヘッド56は、用紙Pの相対搬送方向(Y方向)と直交する用紙Pの幅方向(X方向)について複数のヘッドモジュール200がつなぎ合わせられた構造を有している。
ヘッドモジュール200に付した枝番号(「−」(ハイフン)の後ろに付した整数)は、i(1からnの整数)番目のヘッドモジュールであることを表している。
各ヘッドモジュール200のインク吐出面277には、複数のノズル開口(図3中不図示、図5に符号280を付して図示)が配置されている。
すなわち、図3に図示したインクジェットヘッド56は、用紙Pの全幅Lmaxに対応する長さにわたって複数のノズル開口が配置されたフルライン型のインクジェットヘッド(シングルパス・ページワイドヘッド)である。
ここで、「用紙Pの全幅Lmax」とは、用紙Pの幅方向における用紙Pの全長である。
本明細書における「直交」という用語には、90°未満の角度、又は90°を超える角度をなして交差する態様のうち、実質的に90°の角度をなして交差する場合と同様の作用効果を発生させる態様が含まれる。
なお、本例では、用紙Pの最大幅に対応する長さにわたって複数のノズルが配置されたフルライン型のインクジェットヘッドを用いた画像形成を例示したが、用紙Pの幅に満たない短尺のシリアルヘッドを用紙Pの幅方向に走査させて同方向の印字を行い、同方向の印字が終わると相対搬送方向に用紙Pを一定量移動させ、次の領域について用紙Pの幅方向への印字を行い、この動作を繰り返して用紙Pの全面に印字を行うシリアルヘッドを用いた画像形成にも適用可能である。
〈ヘッドモジュールの構造例〉
図4は、ヘッドモジュール200の斜視図(部分断面図を含む図)であり、図5は図4に示したヘッドモジュール200におけるノズル面の平面透視図である。
図4に示すように、ヘッドモジュール200は、ノズル板275のインク吐出面277と反対側(図4において上側)にインク供給室232とインク循環室236等からなるインク供給ユニットを有している。
インク供給室232は、供給管路252を介してインクタンク(不図示)に接続され、インク循環室236は、循環管路256を介して回収タンク(不図示)に接続される。
図5ではノズル数を省略して描いているが、1個のヘッドモジュール200のノズル板275のインク吐出面277には、2次元のノズル配列によって複数のノズル開口280が形成されている。
すなわち、ヘッドモジュール200は、X方向に対して角度βの傾きを有するV方向に沿った長辺側の端面と、Y方向に対して角度αの傾きを持つW方向に沿った短辺側の端面とを有する平行四辺形の平面形状となっており、V方向に沿う行方向、及びW方向に沿う列方向について、複数のノズル開口280がマトリクス配置されている。
なお、ノズル開口280の配置は、図5に図示した態様に限定されず、X方向に沿う行方向、及びX方向に対して斜めに交差する列方向に沿って複数のノズル開口280を配置してもよい。
すなわち、ノズル開口280(ノズル部281)のマトリクス配置とは、X方向に並ぶように各ノズル開口280を投影させた投影ノズル列において、ノズル開口280の配置間隔(ノズル間ピッチ)が均一になるようにノズル開口280が配置される。
図6は、ヘッドモジュール200の内部構造を示す断面図である。符号214はインク供給路、218は圧力室(液室)、216は各圧力室218とインク供給路214とをつなぐ個別供給路、220は圧力室218からノズル開口280につながるノズル連通路、226はノズル連通路220と循環共通流路228とをつなぐ循環個別流路である。
これら流路部(214,216,218,220,226,228)を構成する流路構造体210の上に、振動板266が設けられる。振動板266の上には接着層267を介して、下部電極(共通電極)265、圧電体層231及び上部電極(個別電極)264の積層構造から成る圧電素子230が配設されている。
上部電極264は、各圧力室218の形状に対応してパターニングされた個別電極となっており、圧力室218ごとに、それぞれ圧電素子230が設けられている。
インク供給路214は、図4で説明したインク供給室232につながっており、インク供給路から個別供給路216を介して圧力室218にインクが供給される。描画すべき画像の画像信号に応じて、対応する圧力室218に設けられた圧電素子230の上部電極264に駆動電圧を印加することによって、該圧電素子230及び振動板266が変形して圧力室218の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル連通路220を介してノズル開口280からインクが吐出される。
画像情報から生成されるドット配置データに応じて各ノズル開口280に対応した圧電素子230の駆動を制御することにより、ノズル開口280からインク滴を吐出させることができる。用紙P(図3参照)を一定の速度でY方向に搬送しながら、その搬送速度に合わせて各ノズル開口280からのインク吐出タイミングを制御することによって、用紙上に所望の画像を記録することができる。
図示は省略するが、各ノズル開口280に対応して設けられている圧力室218は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部の一方にノズル開口280への流出口が設けられ、他方に供給インクの流入口(個別供給路)216が設けられている。
なお、圧力室の形状は、正方形に限定されない。圧力室の平面形状は、四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
ノズル開口280及びノズル連通路220を含むノズル部281には、循環出口(不図示)が形成され、ノズル部281は循環出口を介して循環個別流路226と連通される。
ノズル部281のインクのうち、吐出に使用されないインクは循環個別流路226を介して循環共通流路228へ回収(循環)される。
循環共通流路228は、図5で説明したインク循環室236につながっており、循環個別流路226を通って常時インクが循環共通流路228へ回収されることにより、非吐出(非駆動)時におけるノズル部のインクの増粘が防止される。
なお、本発明の適用範囲は、図4から図6に図示した構造に限定されない。ノズル開口280(ノズル部281)の配置は、用紙Pの幅方向について一列に配置してもよいし、二列の千鳥配置でもよい。
また、ノズル開口280から液体を吐出させる方式として、サーマル方式、静電方式など、圧電方式以外の吐出方式を適用することも可能である。
〔光量測定の詳細な説明〕
次に、UV照射処理部22から用紙Pに形成された画像に対して照射されるUV光の光量の測定について詳細に説明する。
〈課題の説明〉
UV照射処理部22から照射されるUV光の光量を正確に測定しようとすると、UVランプ(UV光源、図7に符号74Aを付して図示)の直下に光量測定部134(図2参照)を配置して、直接UV光の光量を測定する必要がある。
しかし、UV光を直接測定しようとすると、以下の課題が存在する。
(1)UV光が照射された部材における温度上昇が大きい。例えば、10秒間で30℃程度(数秒から10秒程度(10秒間以下)の照射で数十℃)の温度上昇がみられる。
(2)UV光が照射された部材における劣化が懸念される。UV光の光量を測定するセンサ、センサの出力信号を処理する電気回路、電気回路が搭載される基板、電気回路から出力される電気信号を伝送する配線部材等の劣化が懸念される。
したがって、以下に説明するUV光の光量測定では、上記(1)、(2)の課題を解決するための構成が採用されている。
〈第1実施形態〉
図7は、第1実施形態における光量測定部134の構成例を示す説明図である。図1では、UV照射ユニット74として3つの構造体を図示したが、図7ではそのうちの1つのみが図示されている。また、図7では図1に図示したチェーングリッパ64の図示が省略されている。
図7に図示した破線PAは、用紙Pの搬送経路における用紙Pの幅方向の端を表しており、ガイドプレート72に支持された用紙Pは破線PAの間を通過する。
図7に図示したUV照射ユニット74は、UVランプ74A、及びUVランプ74Aを支持する灯具(ランプハウス)74Bを含んで構成される。UVランプ74Aは、用紙Pの幅方向について用紙Pの最大幅以上の長さの照射領域を有している。
灯具74Bは、UVランプ74Aを支持する支持部(不図示)が設けられ、内部が反射ミラーとして構成される。また、図示を省略するが、UVランプ74Aを冷却するための冷却構造が具備される。
図7に符号74Cを付した一点破線は、UVランプ74Aの用紙Pの相対搬送方向における中心線(用紙Pの相対搬送方向におけるUV光の照射領域の中心線)である。以下の説明では、単に「UVランプ74Aの中心線」と記載することがある。
図7に示すUV照射ユニット74は、UVランプ74Aが用紙Pの最大幅以上の長さを有している。なお、複数のUVランプ74Aをつなぎ合わせて、用紙Pの全幅に対応するUV光の照射領域を形成してもよい。
光量測定部134は、板金エンクロージャー134A(光量測定手段、筐体)に、UVセンサ(光量測定手段、受光素子、図7中不図示、図8に符号134Dを付して図示)、バンドバスフィルタ(光量測定手段、フィルタ、図7中不図示、図8に符号134Eを付して図示)などが内蔵(支持)された構造を有している。
板金エンクロージャー134Aには、板金エンクロージャー134Aの内部にUV光を取り込むための採光穴134Bが形成されている。
採光穴134Bの平面形状は、円形状に限定されず、円以外の多角形形状や、スリットを適宜適用することができる。
図7に実線で図示した光量測定部134は、UVランプ74A(UV照射ユニット74)から照射されたUV光の光量を測定する測定位置に配置された状態(測定状態)である。測定位置に配置された状態における光量測定部134は、用紙Pの相対搬送方向におけるUV光の照射領域の一方の端部に配置され、UVランプ74Aの直下に採光穴134Bが配置され、UVランプ74Aに対して採光穴134Bが対向する。
図7には、光量測定部134が測定位置に配置された状態で、UVランプ74Aの中心線を採光穴134Bが形成される面に投影した場合に、前記投影した中心線が採光穴134Bの中心(重心)を通っている。
図7に破線で図示した光量測定部134は、UVランプ74Aから照射されたUV光の光量を測定しない場合の退避位置(非測定位置)に配置された状態(退避状態)である。光量測定部134は、回転軸134Cの回りに90°回転動作させることで、測定位置から退避位置へ移動させることができ、測定位置から退避位置への移動と反対方向へ90°回転動作させることで、退避位置から測定位置へ移動させることが可能である。
なお、図7に図示した測定位置、及び退避位置は一例であり、測定位置はUV照射領域に採光穴134Bが位置すればよく、退避位置は板金エンクロージャー134A全体がUV光の照射領域外に位置すればよく、退避位置は常に同じ位置でなくてもよい。
また、測定位置が常に同じ位置であれば、採光穴134Bの中心がUVランプ74Aの中心線74Cからずれていてもよい。
UV光の光量の測定は、数秒から10秒程度の短期間で行われる。すなわち、UV光の光量の測定の直前に光量測定部134を測定位置に配置させ、UV光の光量の測定が終了すると直ちに光量測定部134を退避位置へ移動させる。
このように、UV光の光量の測定に必要最小限の期間のみ、光量測定部134を測定位置に配置させ、非測定の際は光量測定部134を退避位置に退避させることで、光量測定部134の温度上昇が抑制される。
つまり、「UV光の光量の測定に必要最小限の期間」は、光量測定部134の活性光線の照射による温度変化の許容範囲、及び光量測定部134の活性光線の照射による劣化の程度を考慮して決められる最低限の測定期間であり、最低限の測定期間内に、UVランプ74Aから照射される活性光線の光量が測定される。
図8は、図7に示す光量測定部134の詳細構成を示す説明図であり、図7に図示した板金エンクロージャー134Aの内部が透視して図示されている。なお、図8に図示した下向きの矢印線は、UVランプ74Aから照射されるUV光を模式的に図示したものである。
光量測定部134は、UV光を受光するUVセンサ134Dと、UVセンサ134Dに入射する(UVセンサ134Dが受光する)UV光の波長帯域を制限する(UV光の予め決められた波長帯域を通過させる)バンドパスフィルタ134Eと、UVセンサ134D及びUVセンサ134Dの出力信号を処理する電気回路134Fが搭載される基板134G(光量測定手段)と、を含んで構成される。
また、光量測定部134の測定位置は、用紙Pの通過位置(符号Pを付して破線により図示)よりもUVランプ74A側とされる。光量測定部134とUVランプ74Aとの間隔は、UVセンサ134Dの感度、光量測定部134の温度上昇の観点から適宜決められている。
UVセンサ134Dの一例として、フォトダイオード等のUV光の受光光量に応じた光電流を発生させる素子が挙げられる。光電流は電気回路134Fによって電圧に換算され、この電圧値又は電圧値の変化がUV光の光量の測定値となる。
光量測定部134(板金エンクロージャー134A)は、アーム135Aによって回転軸134Cの回りを回転可能に支持される。
光量測定部134を回転移動させる移動部135は、アーム135A、及びアーム135Aを回転可能に支持する回転機構135Bを含んで構成されている。回転機構135Bの構成は特に限定されず、ロータリーソレノイドを用いたもの、モータ、ギア等を組み合わせたものなどを適用することができる。
図8に図示した符号Lは採光穴134Bの直径(幅)であり、符号LはUVセンサ134Dの用紙Pの幅方向における長さ(UVセンサ134Dの幅)であり、L<Lの関係を有している。
すなわち、採光穴134Bは、UVセンサ134Dの受光面積を規制する手段として機能している。すなわち、UVセンサ134Dの受光面積は、採光穴134Bの面積と同一となる。なお、ここでいう「同一」とは、実質的に同一となる場合を含んでいる。
換言すると、採光穴134Bの面積は、UV光の光量の測定が可能であるUV光の受光光量を確保するという観点で決められており、一方、UVセンサ134D受光面積を規制することで、必要以上のUV光がUVセンサ134Dに対して照射されることが防止される。
また、図8に図示した符号Lはバンドパスフィルタ134Eの用紙Pの幅方向における全長(全幅)であり、L<L<Lの関係を有している。すなわち、バンドパスフィルタ134EはUVセンサ134Dの全面を覆う面積を有し、UVセンサ134Dの全面を覆う配置を有している。
かかる構成によれば、バンドパスフィルタ134Eを通過した波長帯域を有するUV光のみがUVセンサ134Dへ入射されることで、測定対象の波長帯域が制限されたUV光の光量の測定が可能となる。
さらに、電気回路134F、基板134G等を板金エンクロージャー134AによってUV光から遮蔽することで、光量測定部134を構成する部品がUV光による被ばくから保護される。
図9は、図7に示す光量測定部134の他の移動形態を示す説明図である。図7には、光量測定部134を回転移動させる態様を例示したが、図9に示すように、光量測定部134を用紙Pの相対搬送方向に対して直交する方向へスライドさせてもよい。光量測定部134をスライドさせる方向は用紙Pの相対搬送方向と交差する方向であり、UV光の照射領域が離れる方向であればよい。
〈バンドパスフィルタの説明〉
次に、図8に図示したバンドパスフィルタ134Eについて詳細に説明する。蛍光灯などの一般的なランプは、全波長帯域において経時変化に伴い光量が低下するものの、UV光を発生させるUVランプ74Aは、経時変化に伴う光量の低下が波長帯域によってまちまちであり、経時変化に伴い光量が増加する波長帯域が存在する。
一方、UVセンサ134Dは受光可能な波長帯域が広いため、UVセンサ134Dの受光可能な波長帯域の全域のUV光を受光すると、UVランプ74Aの光量の低下をリニアに(正確に)検出することが困難である。
そこで、以下に説明する特性を有するバンドパスフィルタ134Eを適用して、UVセンサ134Dに入射されるUV光のうち、インクの硬化に寄与しない(インクの硬化への寄与が小さい)波長帯域を制限して、UVランプ74Aのインクの硬化に寄与する(インクの硬化への寄与が大きい)波長帯域の光量の低下を正確に検出している。
ここで、「インクの硬化に寄与する波長帯域」とは、予め決められた照射期間、照射光量で、インクの状態を硬化状態(インクが移動しない程度に硬化した状態(半硬化状態)を含む)へ変化させることが可能な波長帯域である。「インクの硬化に寄与する波長帯域」は、インクの種類ごとに予め決められている。
図10は、UV光の波長特性の説明図(分光分布図)である。図10(a)は初期状態(例えば、使用開始時)の分光分布、図10(b)は経時変化後(寿命末期(初期状態から光量が50%低下した状態))の分光分布である。図10(a),(b)に図示したデータは、UVランプ74Aとしてメタルハライドランプ(出力36キロワット)が適用されて測定されたものである。
図10(a),(b)の横系列は波長(ナノメートル)であり、縦系列は光量(積算光量、マイクロワット毎平方センチメートル毎ナノメートル)である。
図10(a),(b)に符号Wを付した波長帯域は、インクの硬化に寄与する波長帯域である。また、符号Wを付した波長領域は、光量測定の対象とされる波長領域であり、インクの硬化に寄与する波長帯域のうち、UVランプ74Aの経時変化により光量(波長帯域内の積算光量)が減少する波長帯域である。
図10(a),(b)に示す例では、インクの硬化に寄与する波長帯域W及び光量測定対象波長帯域Wは、中心波長が330ナノメートルであり同一となっている。
すなわち、インクの硬化に寄与する波長帯域であり、かつ、経時変化によって光量が減少する波長帯域を通過させるバンドパスフィルタ134E(図8参照)が適用される。
図11は、バンドパスフィルタ134Eの説明図であり、バンドパスフィルタ134Eの光透過帯域特性を表している。図11の横系列は波長(ナノメートル)であり、縦系列は透過率(パーセント)である。
図11に示すようにバンドパスフィルタ134Eは、中心波長を330ナノメートルとし、主として320ナノメートルから340ナノメートルの波長帯域のUV光を通過させる。
ここで説明したバンドパスフィルタ134Eの有効波長帯域(通過させる波長領域)は、インクの硬化特性(インクの硬化に寄与する波長帯域)、UVランプ74Aの特性(経時変化と発生させる光量の変化との関係)を考慮して適宜決められる。
すなわち、インクの種類とUVランプ74Aとの組み合わせごとに、バンドパスフィルタ134Eの通過させる波長帯域が決められる。また、UVランプ74Aの特性によって採光穴134B(図8参照)の面積(直径L)が決められる。
本例では、インクの硬化に寄与する波長帯域において、経時変化により光量が低下する波長帯域を測定対象の波長帯域とする態様を例示したが、インクの硬化に寄与する波長帯域において、経時変化により光量が増加する波長帯域を測定対象の波長帯域としてもよい。
すなわち、インクの硬化に寄与する波長帯域において、UVランプ74Aの経時変化によってUVランプ74Aから照射される光量が変化する波長帯域を測定対象の波長帯域とすることができる。
また、バンドパスフィルタ134Eが通過させる波長帯域は、インクの硬化に寄与する波長帯域が含まれていればよく、バンドパスフィルタ134Eが通過させる波長帯域の中心波長と、インクの硬化に寄与する波長帯域の中心波長とは一致していなくてもよい。
〈光量測定のフローチャートの説明〉
図12は、UVランプ74A(図7参照)から照射される光量測定の流れを示すフローチャートである。UVランプ74Aの光量測定が開始されると(ステップS10)、光量測定部134を退避位置(図7参照)から測定位置へ移動させ(ステップS12)、UVランプ74Aを点灯させ(ステップS14)、光量が測定される(ステップS16、測定工程)。
ステップS16に示す光量測定の期間は、1秒から10秒とされる。光量測定期間は、UVセンサ134Dの感度から決められる。板金エンクロージャー134AのUV光に対する耐久性や、光量測定部134のUV光の照射による温度上昇を考慮すると、できる限り短期間で光量測定を行うことが好ましい。
ステップS16において得られた光量測定値は、予め決められた記憶部に記憶され(ステップS17)、UVランプ74Aを消灯させ(ステップS18)、光量測定部134を退避位置へ移動させる(ステップS19)。
ステップS17において記憶された光量測定値は、UVランプ74Aの光量調整、交換の判断に使用される。
すなわち、光量測定値は予め決められている変更基準値と比較され(ステップS20)、光量測定値が変更基準値以上の場合には(Yes判定)、UVランプ74Aの調整変更が不要であり、UVランプ74Aの設定を変更せずに光量測定が終了される(ステップS32)。
一方、ステップS20において、光量測定値が変更基準値未満の場合には(No判定)、ステップS22に進み、光量測定値はUVランプ74Aを交換する際の基準とされる交換基準値と比較される。
ステップS22において、光量測定値が交換基準値以下の場合には(Yes判定)、UVランプ74Aの交換が必要であると判断され、UVランプ74Aの交換が必要である旨の報知がされ(ステップS26)、光量測定が終了される(ステップS32)。
UVランプ74Aの交換が必要である旨の報知は、図2に図示した表示部132に文字情報の形態で表示させる。なお、音声(音)による報知、ランプの点灯、点滅、消灯等による報知を適用、又はこれらを併用してもよい。
一方、ステップS22において、光量測定値が交換基準値を超えている場合には(No判定)、UVランプ74Aの設定変更が可能であるか否かが判断される(ステップS24)。
すなわち、UVランプ74Aの経時による発生光量の低下を補い、標準の光量を発生させるように、UVランプ74Aの設定値が変更される。UVランプの設定範囲の限界まで設定が達した場合には、UVランプ74Aは寿命であり、交換が必要であると判断される。
ステップS24において、設定変更が可能である(設定範囲内の調整で標準の発生光量を実現できる)場合には(Yse判定)、UVランプ74Aの設定変更がされ(ステップS28)、光量測定が終了される(ステップS32)。
一方、ステップS24において、設定変更が不可能である場合は(No判定)、ステップS26に進み、UVランプ74Aの交換が必要である旨が報知され、光量測定が終了される(ステップS32)。
UVランプ74Aの光量測定は、必要最小限の回数とすることが好ましい。そこで、UVランプ74Aの経時変化の特性を調べて把握しておき、経時変化の特性に応じて、UVランプ74Aの光量測定の実施時期が決められる。
図13を用いて説明する装置の全体制御では、装置の稼働開始時にUVランプ74Aの光量測定が実施される。
図13は、装置の全体制御の概略を示すフローチャートである。同図に示すように、装置の稼働が開始されると(ステップS100)、装置の初期化処理(イニシャライズ処理)が実行される(ステップS102)。
ステップS102に示す初期化処理には、装置各部の開始準備、リセット、インクジェットヘッド56C,56M,56Y,56K(図1参照)の回復処理等が含まれる。
次に、UVランプ74A(図7参照)の光量測定が実行され(ステップS104)、光量測定の結果に基づいて、UVランプ74Aの調整変更、UVランプ74Aの交換が必要である旨の報知(UVランプ74Aの交換)が適宜実行される。
このようにして、印刷の準備が整うと、印刷が開始され(ステップS106)、印刷が終了すると、装置の終了処理が実行され(ステップS108)、装置稼働は終了される(ステップS110)。
UVランプ74Aの光量測定は、必要に応じて実行することも可能である。例えば、用紙PがUVランプ74Aと光量測定部134との間を通過していない場合には、適宜光量測定部134を測定位置に移動させて、UVランプ74Aの光量測定を実行することが可能である。
このようにして、装置の稼働開始の際にUVランプ74Aの光量測定が実行されることで、装置稼働中は安定したUV光の照射が実現され、UVランプ74Aの光量測定を最小限にとどめて、UVランプ74Aの光量を測定する光量測定部134におけるUV光の照射による劣化が抑制される。
〈第2実施形態〉
図14は、第2実施形態における光量測定部334の構成例を示す説明図であり、図14(a)は保護状態を模式的に示す説明図であり、図14(b)は測定状態を模式的に示す説明図である。なお、同図において、先に説明した同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図14(a)、(b)に示す光量測定部334は固定配置される。光量測定部334の配置位置は、図7に図示した光量測定部134の測定位置と同じ条件で決められる。また、図14(a)、(b)に示す光量測定部334は、非測定の際に遮蔽部材(シャッター)334Hによって少なくとも採光穴334Bが遮蔽される。
図14(a)に示す態様では、非測定の際、遮蔽部材334Hによって光量測定部334の全体がUV光から遮蔽される。
遮蔽部材334Hは、UV光を透過させない材料又は透過させにくい材料であり、UV光に対する耐久性を有する材料(例えば、金属)が適用される。図14(b)に示す測定状態では、遮蔽部材334Hをスライド移動させて採光穴334Bを露出させる。
図15は、図14に示す光量測定部の詳細構成を示す説明図である。なお、同図において、図8及び図14(a),(b)と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図15に図示した板金エンクロージャー334A、採光穴334B、UVセンサ334D、バンドパスフィルタ334E、電気回路334F、基板334Gは、図7の板金エンクロージャー134A、採光穴134B、UVセンサ134D、バンドパスフィルタ134E、電気回路134F、基板134Gが適用できるので、ここでの説明は省略する。
図15に図示したアーム335は、板金エンクロージャー334Aを固定支持する支持部材であり、図7に図示したアーム135Aと同様の材料、形状を適用することができる。
図15では、遮蔽部材334Hをスライド移動させる移動機構の図示が省略されている。遮蔽部材334Hの移動機構(遮光部材移動手段)の一例として、ボールねじ、リニアスライダーなどの直動機構、直動機構の駆動源を含む態様が挙げられる。リニアモータ等の直動アクチュエータを用いて直動機構と駆動源とを一体構成としてもよい。
遮蔽部材334Hの移動機構は、図2に図示した移動制御部136によって動作が制御される。
本例に示す光量測定部334を用いた光量測定の制御フローには、図12及び図13に図示したフローチャートの一部を変更して適用することができる。
図12のステップS12の光量測定部移動工程に代わり、遮蔽部材334Hをスライド移動させて、少なくとも採光穴334Bを露出させる露出工程が含まれる。また、ステップS19の光量測定部退避工程に代わり、遮蔽部材334Hをスライド移動させて、少なくとも採光穴334Bを遮蔽する遮蔽工程が含まれる。
以上説明した第2実施形態によれば、光量測定部334を固定配置とし、光量測定の際にのみ採光穴334Bを露出させ、光量の非測定の際には採光穴334Bを遮蔽することで、UVセンサ334D等の光量測定部334を構成する部品をUV光の照射による劣化を保護することが可能である。
また、第1実施形態に示した光量測定部134全体を移動させる代わりに、遮蔽部材334Hをスライド移動させる構成を採用することで、図7に図示した移動部135よりも簡単な構成で、光量測定部334を構成する部品のUV光の照射による劣化からの保護が実現される。
第2実施形態の応用例として、光量測定部334をガイドプレート72(用紙Pが搬送される際に支持される用紙支持面)に埋め込む態様が挙げられる。かかる態様によれば、光量測定部334を支持する支持部材が用紙Pを支持する支持部材と兼用され、光量測定部334を支持する構成の簡略化が見込まれる。
〈インクの説明〉
本例に適用される紫外線硬化型インク(水性UVインク)は、顔料、ポリマー粒子及び活性エネルギー線により重合する水溶性の重合性化合物を含有する。水性紫外線硬化型インクは、紫外線を照射することで硬化可能であり、耐察性に優れ膜強度が高いという性質を有する。
顔料は、その表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料が用いられる。
ポリマー分散剤は、酸価が25から1000(KOHmg/g)のポリマー分散剤が用いられる。自己分散性の安定性が良好、かつ、処理液が接触したときの凝集性が良好になる。
ポリマー粒子は、酸価が20から50(KOHmg/g)の自己分散性ポリマー粒子が用いられる。自己分散性の安定性が良好、かつ、処理液が接触したときの凝集性が良好になる。
重合性化合物としては、凝集剤と顔料、ポリマー粒子との反応を妨げない点でノニオン性又はカチオン性の重合性化合物が好ましく、水に対する溶解度が10質量パーセント以上(更には15質量パーセント以上)の重合性化合物を用いることが好ましい。
また、インクは、活性光線により重合性化合物の重合を開始する開始剤を含有する。開始剤は、活性光線により重合反応を開始し得る化合物を適宜選択して含有することができ、たとえば、放射線若しくは光又は電子線により活性種(ラジカル、酸、塩基など)を発生する開始剤(たとえば、光重合開始剤等)を用いることができる。なお、開始剤は処理液に含有させることもでき、インクと処理液の少なくとも一方に含有させればよい。
また、インクは水を50から70質量パーセント含有する。また、インクには添加剤を含有することができる。たとえば、水溶性有機溶媒や乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤を含有することができる。
本明細書では、画像形成装置の一例としてインクジェット記録装置を例示したが、本発明は、グラフィック用途のインクジェット記録装置に限定されず、紫外線等の活性光線を照射して硬化させる液体を用いた工業用途(電気配線形成、マスクパターン形成)のインクジェット方式のパターン形成装置に対しても広く適用することが可能である。
以上説明したインクジェット記録装置及び活性光線光量測定方法は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更、追加、削除をすることが可能である。また、上述した構成例は、適宜組み合わせることが可能である。
〔本明細書が開示する発明〕
上記に詳述した発明の実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書は少なくとも以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
(第1態様):活性光線を照射させて硬化させるインクを吐出させるインクジェットヘッドと、記録媒体を搬送させる搬送手段と、記録媒体に形成された画像に対して活性光線を照射する活性光線照射手段と、活性光線照射手段から照射された活性光線を受光する受光素子を具備し、活性光線照射手段から照射された活性光線の光量を測定する光量測定手段と、を備え、光量測定手段は、活性光線照射手段から照射される活性光線のインクの硬化に寄与する波長帯域における活性光線照射手段の経時変化により活性光線照射手段から照射される活性光線の光量が変化する波長領域に対応して受光素子へ入射させる活性光線の波長帯域を通過させるフィルタを備えたインクジェット記録装置。
第1態様によれば、活性光線照射手段から照射される活性光線の光量を測定する際に、インクの硬化に寄与する波長帯域における活性光線照射手段の経時変化により活性光線照射手段から照射される活性光線の光量が変化する波長領域を通過させるフィルタを介して活性光線を受光素子へ入射させることで、測定対象の活性光線の波長帯域がインクの硬化に寄与する波長帯域に限定され、インクの硬化に寄与する波長帯域における活性光線照射手段の経時変化による活性光線照射手段から照射される活性光線の光量の変動を正確に把握することができる。
光量測定手段の一例として、受光素子から出力された出力信号を処理する電気回路、電気回路から電気信号を取り出す端子、当該電気回路、端子等が搭載される基板、受光素子、フィルタ、当該基板を支持する支持部材、を備える態様が挙げられる。
(第2態様):第1態様に記載のインクジェット記録装置において、光量測定手段は、受光素子及びフィルタを活性光線から遮光する筐体を備え、筐体は、受光素子及びフィルタの配設位置に対応する位置に採光穴が設けられ、採光穴がフィルタの一部を露出させる構造を有している。
第2態様によれば、受光素子及びフィルタ以外の光量測定手段を構成する部品を活性光線から遮蔽することで、光量測定手段を構成する部品の活性光線の照射による劣化及び温度上昇が防止される。
筐体は、受光素子、フィルタ、当該基板を支持する支持部材と兼用することが可能である。
(第3態様):第2態様に記載のインクジェット記録装置において、筐体に設けられた採光穴は、受光素子の受光面の一部を遮蔽する構造を有している。
第3態様によれば、光量測定に必要な最小限の活性光線のみを、フィルタを介して受光素子へ入射させることで、活性光線の照射によるフィルタ及び受光素子の劣化及び温度上昇が防止される。
(第4態様):第2態様又は第3態様に記載のインクジェット記録装置において、光量測定手段は、採光穴を覆う遮光部材、及び採光穴を覆う位置と採光穴を露出させる位置との間において遮光部材を移動させる遮光部材移動手段を具備している。
第4態様によれば、光量測定をする測定状態のみ採光穴を露出させ、非測定状態では採光穴を遮蔽することができる。
(第5態様):第1態様から第4態様のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、フィルタは、受光素子の受光面の全面を覆う構造を有している。
第5態様によれば、非測定対象の波長帯域の活性光線が受光素子へ入射されることがなく、測定対象の波長領域に絞った光量測定が可能である。
(第6態様):第1態様から第5態様のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、活性光線照射手段は、記録媒体の搬送方向と直交する記録媒体の幅方向について、使用される記録媒体の最大幅以上の長さにわたる活性光線の照射範囲を有し、光量測定手段は、活性光線照射手段の照射範囲における記録媒体の幅方向の端部において活性光線の光量を検出する。
第6態様によれば、活性光線照射手段の照射領域における端部において、活性光線の光量測定がされるので、光量測定手段に対する活性光線の照射を最小限にとどめることができ、光量測定手段の活性光線の照射による劣化及び温度上昇を抑制しうる。
第6態様において、少なくとも採光穴が活性光線照射手段の照射領域に位置すればよい。
(第7態様):第1態様から第6態様のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、光量測定手段を、活性光線の測定を行う測定位置と活性光線が照射されない待機位置との間を移動させる移動手段を備えている。
第7態様によれば、測定状態では測定位置に光量測定手段を配置し、非測定状態では退避位置に光量測定手段を配置することで、非測定状態における光量測定手段への活性光線の照射を回避することができる。
(第8態様):第1態様から第7態様のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、光量測定手段は、光量測定手段の活性光線の照射による温度変化の許容範囲、及び光量測定手段の活性光線の照射による劣化の程度を考慮して決められる最低限の測定期間内に、活性光線照射手段から照射される活性光線の光量を測定する。
第8態様によれば、必要最小限の短期間で活性光線の光量測定ができ、光量測定手段の活性光線の照射による劣化及び温度上昇が防止される。
(第9態様):第1態様から第8態様のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、光量測定手段は、印刷の開始前に活性光線照射手段から照射される活性光線の光量を測定する。
第9態様によれば、活性光線の光量測定を必要最小限にとどめることで、光量測定手段の活性光線の照射による劣化及び温度上昇が防止される。
(第10態様):第1態様から第9態様のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、フィルタは、活性光線照射手段の経時変化に伴い活性光線照射手段から照射される活性光線の光量が減少する波長帯域の活性光線を通過させる特性を有する。
第10態様によれば、活性光線照射手段の経時変化を活性光線の光量の減少として把握することができる。
第10態様において、光量測定手段の活性光線の照射による温度変化の許容範囲、及び光量測定手段の活性光線の照射による劣化の程度を考慮して決められる最低限の測定期間内に、活性光線照射手段から照射される活性光線の光量を測定する態様が好ましい。
第10態様において、印刷前に測定工程が実行される態様が好ましい。
(第11態様):インクジェットヘッドから活性光線を照射させて硬化させるインクを記録媒体に吐出させ、記録媒体に形成された画像に対して活性光線照射手段から活性光線を照射してインクを硬化させるインクジェット記録装置において、活性光線照射手段から照射される活性光線のインクの硬化に寄与する波長帯域における活性光線照射手段の経時変化により活性光線照射手段から照射される活性光線の光量が変化する波長領域の活性光線を通過させ、通過させた波長帯域の活性光線を受光素子へ受光させて、活性光線の光量を測定する測定工程を含む活性光線光量測定方法。
第11態様において、測定工程の前に活性光線の光量を測定する光量測定手段を測定状態とする測定状態遷移工程と、測定工程の前であり光量測定手段が測定状態となった後に、活性光線照射手段から活性光線を照射させ、測定工程の後に活性光線の照射を停止させる活性光線照射工程と、活性光線の照射が停止された後に、光量測定手段を非測定状態に遷移させる非測定状態遷移工程と、を含む態様が好ましい。
測定状態遷移工程は、光量測定手段を退避位置から測定位置へ移動させる第1移動工程を含む態様や、光量測定手段が具備する遮蔽部材を移動させて、光量測定手段が具備する受光素子を遮蔽した状態から露出させた状態へ遷移させる第1遷移工程を含む態様がある。
非測定状態遷移工程は、光量測定手段を測定位置から退避位置へ移動させる第2移動工程を含む態様や、光量測定手段が具備する遮蔽部材を移動させて、光量測定手段が具備する受光素子を露出させた状態から遮蔽した状態へ遷移させる第2遷移工程を含む態様がある。
10…インクジェット記録装置、56,56C,56M,56Y,56K…インクジェットヘッド、22…UV照射処理部、64…チェーングリッパ、74…UV照射ユニット、74A…UV、134、334…光量測定部、134A,334A…板金エンクロージャー、134B,334B…採光穴、134D,334D…UVセンサ、134E,334E…バンドパスフィルタ、135…移動部、334H…遮蔽部材

Claims (11)

  1. 活性光線を照射させて硬化させるインクを吐出させるインクジェットヘッドと、
    記録媒体を搬送させる搬送手段と、
    前記記録媒体に形成された画像に対して活性光線を照射する活性光線照射手段と、
    前記活性光線照射手段から照射された活性光線を受光する受光素子を具備し、前記活性光線照射手段から照射された活性光線の光量を測定する光量測定手段と、
    を備え、
    前記光量測定手段は、前記活性光線照射手段から照射される活性光線のインクの硬化に寄与する波長帯域における前記活性光線照射手段の経時変化により前記活性光線照射手段から照射される活性光線の光量が変化する波長領域に対応して前記受光素子へ入射させる活性光線の波長帯域を通過させるフィルタを備えたインクジェット記録装置。
  2. 前記光量測定手段は、前記受光素子及び前記フィルタを前記活性光線から遮光する筐体を備え、
    前記筐体は、前記受光素子及び前記フィルタの配設位置に対応する位置に採光穴が設けられ、前記採光穴が前記フィルタの一部を露出させる構造を有する請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記筐体に設けられた採光穴は、前記受光素子の受光面の一部を遮蔽する構造を有する請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記光量測定手段は、前記採光穴を覆う遮光部材、及び前記採光穴を覆う位置と前記採光穴を露出させる位置との間において前記遮光部材を移動させる遮光部材移動手段を具備する請求項2又は3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記フィルタは、前記受光素子の受光面の全面を覆う構造を有する請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記活性光線照射手段は、記録媒体の搬送方向と直交する記録媒体の幅方向について、使用される記録媒体の最大幅以上の長さにわたる活性光線の照射範囲を有し、
    前記光量測定手段は、前記活性光線照射手段の照射範囲における前記記録媒体の幅方向の端部において活性光線の光量を検出する請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記光量測定手段を、活性光線の測定を行う測定位置と活性光線が照射されない待機位置との間を移動させる移動手段を備えた請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記光量測定手段は、前記光量測定手段の活性光線の照射による温度変化の許容範囲、及び前記光量測定手段の活性光線の照射による劣化の程度を考慮して決められる最低限の測定期間内に、前記活性光線照射手段から照射される活性光線の光量を測定する請求項1から7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記光量測定手段は、印刷の開始前に前記活性光線照射手段から照射される活性光線の光量を測定する請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記フィルタは、前記活性光線照射手段の経時変化に伴い前記活性光線照射手段から照射される活性光線の光量が減少する波長帯域の活性光線を通過させる特性を有する請求項1から9のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  11. インクジェットヘッドから活性光線を照射させて硬化させるインクを記録媒体に吐出させ、記録媒体に形成された画像に対して活性光線照射手段から活性光線を照射してインクを硬化させるインクジェット記録装置において、
    前記活性光線照射手段から照射される活性光線のインクの硬化に寄与する波長帯域における前記活性光線照射手段の経時変化により前記活性光線照射手段から照射される活性光線の光量が変化する波長領域の活性光線を通過させ、前記通過させた波長帯域の活性光線を受光素子へ受光させて、前記活性光線の光量を測定する測定工程を含む活性光線光量測定方法。
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