JP6034538B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット記録装置に係り、特に、インクジェットヘッドが配置される空間が乾燥風の送風によって除湿されるインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置では、インクジェットヘッドに結露が生じると、吐出方向不良などの不具合が発生する。このため、インクジェットヘッドの結露を防止するための方法が種々提案されている。その一つとして、インクジェットヘッドが配置される空間を換気する方法が知られている(たとえば、特許文献1、2など)。この方法は、インクジェットヘッドが配置される空間に絶えず風を送り込むことにより換気し、インクジェットヘッドの周辺を除湿して、インクジェットヘッドに結露が生じるのを防止する。
特開2005-22194号公報 特開2005-138463号公報
ところで、通常、インクジェットヘッドは移動可能に構成され、待機中などの画像の記録動作を行わないときは、あらかじめ決められた待機位置で待機するように構成される。
しかしながら、除湿のために風を送っていると、その風が待機位置に位置したインクジェットヘッドのノズル面に当たり、インクの乾燥を促進させてしまうという欠点がある。
これを防止するために、インクジェットヘッドにカバーを設けることも考えられるが(たとえば、特開2001-246726号公報)、このようなカバーをインクジェットヘッドに設けると、インクジェットヘッドの構成が大型化かつ複雑化するという欠点がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、待機中にインクジェットヘッドのノズル内及びノズル近傍のインクが乾燥するのを防止できるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための手段は、次のとおりである。
(1)メディアを搬送する搬送手段と、先端にノズル面を備え、ノズル面に備えられたノズルからインク滴を吐出するインクジェットヘッドと、メディアの搬送経路上に設定される描画位置と、メディアの搬送経路外に設定される待機位置との間でインクジェットヘッドを水平に移動させる移動手段と、待機位置に位置したインクジェットヘッドの先端部分を収容してノズル面を覆うキャップであって、側面にインクジェットヘッドの出入口となる出入口部を有するキャップと、描画時にインクジェットヘッドが配置される空間に乾燥風を送風する送風手段と、インクジェットヘッドに備えられ、インクジェットヘッドの先端部分を収容したキャップの出入口部を塞ぐ遮蔽部材と、を備えるインクジェット記録装置。
本態様によれば、インクジェットヘッドが待機位置に位置すると、キャップの出入口部がインクジェットヘッドに備えられた遮蔽部材によって塞がれる。インクジェットヘッドを水平に移動させて、インクジェットヘッドの先端部分をキャップに収容させる場合、キャップの側面にインクジェットヘッドの出入口となる出入口部が必要になる。一方、このような出入口部がキャップの側面に備えられていると、インクジェットヘッドを待機位置に移動させたときに、その出入口部からキャップ内に乾燥風が入り込み、ノズル面に当たってインクの乾燥を促進させる。本態様によれば、インクジェットヘッドが待機位置に移動すると、キャップの出入口部がインクジェットヘッドに備えられた遮蔽部材によって自動的に塞がれる。これにより、待機中にインクジェットヘッドのノズル内及びノズル近傍のインクが乾燥するのを防止できる。
(2)遮蔽部材は、キャップの側面に重ねて配置されて、インクジェットヘッドの先端部分を収容したキャップの出入口部を塞ぐ、上記(1)のインクジェット記録装置。
本態様によれば、キャップの側面に遮蔽部材が重ねて配置されて、出入口部が塞がれる。
(3)遮蔽部材は、インクジェットヘッドの先端部分に鍔状に張り出して設けられる、上記(2)のインクジェット記録装置。
本態様によれば、遮蔽部材が、インクジェットヘッドの先端部分の外周から鍔状に張り出して設けられる。遮蔽部材は、インクジェットヘッドが待機位置に位置すると、出入口部が設けられたキャップの側面に重ねて配置されて、インクジェットヘッドと出入口部との間に生じる隙間を塞ぐ。これにより、シンプルな構成でキャップの出入口を塞ぐことができる。
(4)キャップに取り付けられて、出入口部の開口量を調整する開口量調整部材を更に有する、上記(1)から(3)のいずれかのインクジェット記録装置。
本態様によれば、出入口部の開口量を調整する開口量調整部材が、キャップに備えられる。これにより、インクジェットヘッドと出入口部との間に生じる隙間の大きさを調整できる。また、これにより、インクジェットヘッドに設ける遮蔽部材を小型化できる。
(5)遮蔽部材は、取付部を有し、取付部を介してインクジェットヘッドに着脱自在に取り付けられる、上記(1)から(4)のいずれかのインクジェット記録装置。
本態様によれば、遮蔽部材が、インクジェットヘッドに着脱自在に設けられる。これにより、遮蔽部材のメンテナンスを容易にできる。
(6)搬送手段は、回転するドラム又は回転走行する無端状のベルトであり、周面にメディアを巻き付けて搬送し、送風手段は、搬送手段に向けて乾燥風を送風し、描画位置に位置したインクジェットヘッドは、搬送手段と送風手段との間に配置される、上記(1)から(5)のいずれかのインクジェット記録装置。
本態様によれば、搬送手段が、回転するドラム又は回転走行する無端状のベルトで構成される。送風手段は、搬送手段に向けて乾燥風を送風する。インクジェットヘッドは、描画位置に位置すると、搬送手段と送風手段との間に配置される。
(7)インクジェットヘッドは、ライン型のインクジェットヘッドであり、移動手段は、描画位置と待機位置との間でインクジェットヘッドを長手方向に沿って水平に移動させる、上記(1)から(6)のいずれかのインクジェット記録装置。
本態様によれば、インクジェットヘッドがライン型のインクジェットヘッドで構成される。移動手段は、描画位置と待機位置との間でインクジェットヘッドを長手方向に沿って水平に移動させる。
(8)インクジェットヘッドは、ノズル面が水平面に対して傾斜して配置され、ノズル面は、中央部分に帯状のノズル配置領域を有し、ノズル配置領域にノズルが配置され、キャップは、ノズル配置領域と対向して配置され、保湿液が貯留される保湿液貯留部と、保湿液貯留部に並列して配置されるドレーン部と、を有する、上記(7)のインクジェット記録装置。
本態様によれば、ノズル面が、水平面に対して傾斜して配置され、かつ、ノズル面の中央部分(ノズル配置領域)にノズルが配置される。また、キャップ本体が、ノズル配置領域と対向して配置される保湿液貯留部と、その保湿液貯留部に並列して配置されるドレーン部とを備えて構成される。これにより、キャップ内でパージしたインクをドレーン部で回収できる。
(9)キャップの下方位置に廃液トレイを備え、ドレーン部は、出入口部と逆方向の端部にドレーン穴を有する、(8)のインクジェット記録装置。
本態様によれば、ドレーン穴が出入口部と逆方向の端部(搬送手段と反対側の端部)に配置される。これにより、ドレーン穴から乾燥風が入り込むのを抑制できる。すなわち、乾燥風の発生源(送風手段)からより離れた位置にドレーン穴が配置されるので、乾燥風がより入りにくい構造になる。これにより、ドレーン穴から乾燥風が入り込むのを抑制できる。
(10)キャップは、内周部にシール部材を有する、上記(9)のインクジェット記録装置。
本態様によれば、キャップの内側にシール部材が備えられる。これにより、キャッピング時における密閉性を向上できる。
本発明によれば、待機中にインクジェットヘッドのノズル内及びノズル近傍のインクが乾燥するのを防止できる。
インクジェット記録装置の全体の概略構成を示す全体構成図 インクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図 インクジェットヘッドの概略構成を示す斜視図 ノズル面の平面図 ノズル面の一部を拡大した平面図 メンテナンス部及び描画部の平面図 キャップユニットの構成を示す斜視図 キャップの構成を示す断面斜視図 キャップの出入口部側の端部の構成を示す斜視図 キャッピング時におけるキャップの断面図 パージ時におけるキャップの断面図 キャッピング時におけるキャップの出入口部側の側面図 着脱式の遮蔽部材の構成を示す斜視図 遮蔽部材を取り付けたときのインクジェットヘッドの要部斜視図 キャップの出入口部側の側面図 キャッピング時のキャップの出入口部側の側面図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
《インクジェット記録装置の全体構成》
まず、インクジェット記録装置の全体構成について説明する。
図1は、インクジェット記録装置の全体の概略構成を示す全体構成図である。
このインクジェット記録装置10は、枚葉紙(以下「用紙」という)にシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、クロ(K)の4色のインクを打滴してカラー画像を記録するカラー印刷機である。
用紙には、汎用の印刷用紙が使用される。汎用の印刷用紙とは、いわゆるインクジェット専用紙ではなく、一般のオフセット印刷などに用いられる塗工紙などのセルロースを主体とした用紙である。
また、インクには紫外線硬化型の水性インクが使用される。水性インクとは、水及び水に可溶な溶媒に染料、顔料などの色材を溶解又は分散させたインクである。また、紫外線硬化型のインクとは、紫外線(UV)を照射することにより硬化するインクである。
汎用の印刷用紙に水性インクで描画すると、フェザリングやブリーディングが発生する。このため、本実施の形態のインクジェット記録装置では、描画前にインク中の色材成分を凝集させる処理液が塗布される。
図1に示すように、インクジェット記録装置10は、主として、給紙部12と、処理液塗布部14と、処理液乾燥処理部16と、描画部18と、後処理部20と、排紙部22と、メンテナンス部24(図1には不図示、図6参照)と、を備えて構成される。給紙部12は、メディアとしての用紙Pを給紙する。処理液塗付部14は、給紙部12から給紙された用紙Pに処理液を塗布する。処理液乾燥処理部16は、処理液が塗布された用紙Pの乾燥処理を行う。描画部18は、乾燥処理された用紙Pにインクジェット方式でインク滴を打滴してカラー画像を描画する。後処理部20は、描画された用紙Pの後処理を行う。排紙部22は、紫外線照射された用紙Pを排紙して回収する。
〈給紙部〉
給紙部12は、メディアである用紙Pを1枚ずつ処理液塗布部14に給紙する。給紙部12は、主として、給紙台30と、サッカー装置32と、給紙ローラ対34と、フィーダボード36と、前当て38と、給紙ドラム40と、を備えて構成される。
給紙台30は、用紙Pを載せる台である。用紙Pは束(用紙束)の状態で給紙台30に載置される。この給紙台30には、図示しない給紙台昇降装置が備えられる。給紙台昇降装置は、最上位に位置する用紙Pが、常に一定の高さの位置に位置するように、用紙Pの増減に連動して給紙台30を昇降させる。
サッカー装置32は、給紙台30に積載されている用紙Pを上から順に1枚ずつ取り上げて、給紙ローラ対34に給紙する。
給紙ローラ対34は、サッカー装置32から給紙された用紙Pをフィーダボード36に向けて送り出す。
フィーダボード36は、給紙ローラ対34から送り出された用紙Pを受け、給紙ドラム40に向けて搬送する。
前当て38は、フィーダボード36の終端に備えられ、フィーダボード36によって搬送されてくる用紙Pの姿勢を矯正する。
給紙ドラム40は、前当て38によって姿勢が矯正された用紙Pをフィーダボード36から受け取り、処理液塗布部14へと搬送する。給紙ドラム40は、グリッパ40Aを備え、このグリッパ40Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを処理液塗布部14へと搬送する。
給紙部12は、以上のように構成される。用紙Pは、この給紙部12によって一定周期で給紙される。
〈処理液塗布部〉
処理液塗布部14は、用紙Pに処理液を塗布する。この処理液塗布部14は、主として、用紙Pを搬送する処理液塗布ドラム42と、用紙Pに処理液を塗布する処理液塗布装置44と、を備えて構成される。
処理液塗布ドラム42は、給紙部12の給紙ドラム40から用紙Pを受け取り、所定の搬送経路に沿って用紙Pを搬送する。処理液塗布ドラム42はグリッパ42Aを備え、このグリッパ42Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けて、用紙Pを搬送する。
処理液塗布装置44は、処理液塗布ドラム42によって搬送される用紙Pに塗布ローラを押し当てて、用紙Pに処理液を塗布する。
処理液塗布部14は、以上のように構成される。用紙Pは、処理液塗布ドラム42によって搬送される過程で表面に塗布ローラが押圧当接され、これにより、用紙Pに処理液が塗布される。
〈処理液乾燥処理部〉
処理液乾燥処理部16は、処理液が塗布された用紙Pを乾燥処理する。この処理液乾燥処理部16は、主として、用紙Pを搬送する処理液乾燥処理ドラム46と、用紙Pをガイドする用紙ガイド48と、用紙Pを乾燥処理する処理液乾燥処理ユニット50と、を備えて構成される。
処理液乾燥処理ドラム46は、処理液塗布部14の処理液塗布ドラム42から用紙Pを受け取り、所定の搬送経路に沿って用紙Pを搬送する。処理液乾燥処理ドラム46は、グリッパ46Aを備え、このグリッパ46Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを搬送する。
用紙ガイド48は、処理液乾燥処理ドラム46による用紙Pの搬送経路に沿って配設されて、用紙Pをガイドする。
処理液乾燥処理ユニット50は、処理液乾燥処理ドラム46の内側に設置され、用紙ガイド48に向けて熱風を送風する。これにより、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの表面(すなわち、処理液が塗布された面)に熱風が吹き当てられる。
処理液乾燥処理部16は、以上のように構成される。用紙Pは、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される過程で処理液乾燥処理ユニット50から送風される熱風が表面に吹き当てられて乾燥処理される。この乾燥処理により、用紙Pの表面にインク凝集層が形成される。
〈描画部〉
描画部18は、用紙PにC、M、Y、Kの各色のインクを打滴して、用紙Pにカラー画像を描画する。この描画部18は、主として、用紙Pを搬送する描画ドラム52と、用紙押さえローラ54と、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kと、スキャナ58と、除湿ファン60と、を備えて構成される。用紙押さえローラ54は、用紙Pを描画ドラム52の周面に密着させる。インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、用紙PにC、M、Y、Kの各色のインク滴を吐出する。スキャナ58は、用紙Pに記録された画像を読み取る。
用紙Pの搬送手段の一例である描画ドラム52は、処理液乾燥処理部16の処理液乾燥処理ドラム46から用紙Pを受け取り、所定の搬送経路に沿って用紙Pを搬送する。描画ドラム52は、グリッパ52Aを備え、このグリッパ52Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けて用紙Pを搬送する。また、描画ドラム52は、周面に多数の吸着穴(図示せず)を備え、この吸着穴から用紙Pを吸引して、周面に巻き付けられた用紙Pを吸着保持する。
用紙押さえローラ54は、描画ドラム52の用紙受取位置(すなわち、処理液乾燥処理ドラム46から用紙Pを受け取る位置)の近傍に配設される。この用紙押さえローラ54は、ゴムローラで構成され、描画ドラム52の周面に押圧当接させて設置される。処理液乾燥処理ドラム46から描画ドラム52に受け渡された用紙Pは、この用紙押さえローラ54を通過することにより描画ドラム52に押し付けられる。これにより、用紙Pが描画ドラム52の周面に密着する。
インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、用紙Pの幅に相当するライン型のインクジェットヘッドで構成される。各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、用紙Pの搬送経路に沿って一定の間隔で配置され、それぞれ用紙Pの搬送方向に対して直交して配置される。
なお、本実施の形態のインクジェット記録装置10では、用紙Pが描画ドラム52によって回転搬送されるため、各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、描画ドラム52の周囲に傾斜して配置される。このため、各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの先端に備えられるノズル面は、水平面に対して傾斜して配置される。
インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの構成については、後に更に詳述する。
スキャナ58は、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kによって記録された画像(たとえば、テストチャートなど)を読み取る。このスキャナ58は、たとえば、ラインスキャナで構成され、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの後段に配置される。すなわち、スキャナ58は、描画ドラム52による用紙Pの搬送方向に対してインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの下流側に配置される。
送風手段の一例としての除湿ファン60は、描画ドラム52の鉛直上方の位置に配置され、描画ドラム52に向けて鉛直下向きに乾燥風を送風する。インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、描画時には、この除湿ファン60と描画ドラム52との間に配置される。この除湿ファン60から乾燥風を送風することにより、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの配置空間(すなわち、描画時にインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kが配置される空間)が換気され、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの配置空間が除湿される。
描画部18は、以上のように構成される。用紙Pは、描画ドラム52によって搬送される過程で各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kからインク滴が打滴されて、表面に画像が描画される。
スキャナ58は、必要に応じて用紙Pに記録された画像(たとえば、テストチャートなど)を読み取る。このスキャナ58によって読み取られた画像に基づいて、不吐出や吐出方向不良などの吐出不良が検出される。
〈後処理部〉
後処理部20は、画像が描画された用紙Pの後処理を行う。すなわち、後処理部20は、す、用紙Pの乾燥及び用紙Pへの紫外線照射を行う。この後処理部20は、乾燥処理を行うインク乾燥処理部20Aと、乾燥処理された用紙Pに紫外線(UV)を照射して画像を定着させる紫外線照射部20Bと、用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、を備えて構成される。
チェーングリッパ64は、描画部18から用紙Pを受け取り、所定の搬送経路に沿って用紙Pを搬送する。チェーングリッパ64は、走行する無端状のチェーン64Aに備えられたグリッパ64Bによって用紙Pの先端を把持して、用紙Pを搬送する。
用紙Pは、チェーングリッパ64に搬送されて、平坦な第1区間と、一定の登り勾配を有する第2区間と、平坦な第3区間と、を通って、排紙部22に搬送される。
第1区間及び第2区間には、用紙Pの搬送をガイドするガイドプレート72が配設される。ガイドプレート72は、用紙Pの摺動面に多数の吸着穴(図示せず)を有し、この吸着穴から用紙Pを吸引する。これにより、チェーングリッパ64によってガイドプレート72上を搬送される用紙Pに張力(すなわち、バックテンション)が付与される。
インク乾燥処理部20Aは、描画後の用紙Pを加熱して乾燥させ、用紙Pの表面に残存する液体成分を除去する。インク乾燥処理部20Aは、熱風を送風するドライヤ68を備える。ドライヤ68は、チェーングリッパ64の内部に設置され、第1区間を搬送される用紙Pに向けて熱風を送風する。
紫外線照射部20Bは、画像表面に紫外線(UV)を照射してインクを硬化させる。紫外線照射部20Bは、紫外線を照射する紫外線照射装置74を備える。紫外線照射装置74は、チェーングリッパ64の内部に設置され、第2区間を搬送される用紙Pに紫外線を照射する。
後処理部20は、以上のように構成される。チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pは、まず、インク乾燥処理部20Aを通過し、その通過時に画像表面に熱風が吹き当てられて乾燥処理される。その後、用紙Pは、紫外線照射部20Bを通過し、その通過時に画像表面に紫外線が照射される。これにより、画像が用紙Pに定着する。
〈排紙部〉
排紙部22は、画像が描画された用紙Pを回収する。排紙部22は、用紙Pを積み重ねて回収する排紙台76を備える。チェーングリッパ64は、排紙台76の上で用紙Pを開放し、排紙台76の上に用紙Pをスタックさせる。排紙台76には、チェーングリッパ64から開放された用紙Pが整然と積み重ねられるように、用紙当て(たとえば、前用紙当て、後用紙当て、横用紙当て等)が備えられる(図示せず)。また、排紙台76には、図示しない排紙台昇降装置が備えられ、最上位に位置する用紙Pが常に一定の高さに位置するように高さ調整される。
〈メンテナンス部〉
メンテナンス部24は、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kのメンテナンスを行う。メンテナンス部24は、描画部18に隣接して配置される(図6参照)。インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、このメンテナンス部24に移動して、各種メンテナンスを受ける。メンテナンス部24の構成については、後に詳述する。
《制御系》
図2は、図1に示すインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
同図に示すように、インクジェット記録装置10は、システムコントローラ100、通信部102、画像メモリ104、搬送制御部110、給紙制御部112、処理液塗布制御部114、処理液乾燥制御部116、描画制御部118、インク乾燥制御部120A、紫外線照射制御部120B、排紙制御部122、メンテナンス制御部124、操作部130、表示部132等が備えられる。
システムコントローラ100は、インクジェット記録装置10の各部を統括制御する制御手段として機能するとともに、各種演算処理を行う演算手段として機能する。このシステムコントローラ100は、CPU、ROM、RAM等を備えており、所定の制御プログラムに従って動作する。ROMには、このシステムコントローラ100が、実行する制御プログラム、及び、制御に必要な各種データが格納される。
通信部102は、所要の通信インターフェースを備え、その通信インターフェースと接続されたホストコンピュータとの間でデータの送受信を行う。
画像メモリ104は、画像データを含む各種データの一時記憶手段として機能し、システムコントローラ100を通じてデータの読み書きが行われる。通信部102を介してホストコンピュータから取り込まれた画像データは、この画像メモリ104に格納される。
搬送制御部110は、システムコントローラ100からの指令に応じて用紙Pの搬送系(すなわち、給紙部12のフィーダボード36、前当て38、及び、給紙ドラム40、処理液塗布部14の処理液塗布ドラム42、処理液乾燥処理部16の処理液乾燥処理ドラム46、描画部18の描画ドラム52、及び、後処理部20のチェーングリッパ64)を制御する。具体的には、給紙部12から給紙される用紙Pが、排紙部22まで滞りなく搬送されるように、各部の用紙搬送手段を制御する。
給紙制御部112は、システムコントローラ100からの指令に応じて給紙部12を制御する。具体的には、給紙台30に積載された用紙Pが1枚ずつ順に給紙されるように、サッカー装置32、給紙台昇降装置の駆動を制御する。
処理液塗布制御部114は、システムコントローラ100からの指令に応じて処理液塗布部14を制御する。具体的には、処理液塗布ドラム42によって搬送される用紙Pに処理液が塗布されるように、処理液塗布装置44の駆動を制御する。
処理液乾燥制御部116は、システムコントローラ100からの指令に応じて処理液乾燥処理部16を制御する。具体的には、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pが乾燥処理されるように、処理液乾燥処理ユニット50の駆動を制御する。
描画制御部118は、システムコントローラ100からの指令に応じて描画部18を制御する。具体的には、描画ドラム52によって搬送される用紙Pに所定の画像が記録されるように、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの駆動を制御する。また、記録された画像が読み取られるように、スキャナ58の動作を制御する。更に、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの配置空間が除湿されるように、除湿ファン60の駆動を制御する。
インク乾燥制御部120Aは、システムコントローラ100からの指令に応じてインク乾燥処理部20Aを制御する。具体的には、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pに熱風が送風されるようにドライヤ68の駆動を制御する。
紫外線照射制御部120Bは、システムコントローラ100からの指令に応じて紫外線照射部20Bを制御する。具体的には、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pに紫外線が照射されるように紫外線照射装置74の駆動を制御する。
排紙制御部122は、システムコントローラ100からの指令に応じて排紙部22を制御する。具体的には、排紙台76に用紙Pがスタックされるように、排紙台昇降装置等の駆動を制御する。
メンテナンス制御部124は、システムコントローラ100からの指令に応じてメンテナンス部24を制御する。
操作部130は、所要の操作手段(たとえば、操作ボタンやキーボード、タッチパネル等)を備え、その操作手段から入力された操作情報をシステムコントローラ100に出力する。システムコントローラ100は、この操作部130から入力された操作情報に応じて各種処理を実行する。
表示部132は、所要の表示装置(たとえば、LCDパネル等)を備え、システムコントローラ100からの指令に応じて所要の情報を表示装置に表示させる。
上記のように、用紙に記録する画像データは、ホストコンピュータから通信部102を介してインクジェット記録装置10に取り込まれる。取り込まれた画像データは、画像メモリ104に格納される。
システムコントローラ100は、この画像メモリ104に格納された画像データに所要の信号処理を施してドットデータを生成する。そして、生成したドットデータに従って描画部18の各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの駆動を制御し、その画像データが表す画像を用紙に記録する。
ドットデータは、一般に画像データに対して色変換処理、ハーフトーン処理を行って生成される。色変換処理は、sRGBなどで表現された画像データ(たとえば、RGB8ビットの画像データ)をインクジェット記録装置10で使用するインクの各色のインク量データに変換する処理である(本例では、C、M、Y、Kの各色のインク量データに変換する。)。ハーフトーン処理は、色変換処理により生成された各色のインク量データに対して誤差拡散等の処理で各色のドットデータに変換する処理である。
システムコントローラ100は、画像データに対して色変換処理、ハーフトーン処理を行って各色のドットデータを生成する。そして、生成した各色のドットデータに従って、対応するインクジェットヘッドの駆動を制御することにより、画像データが表す画像を用紙に記録する。
《インクジェット記録装置による記録動作》
次に、以上のように構成される本実施の形態のインクジェット記録装置10による画像記録動作について説明する。
操作部130を介してシステムコントローラ100に印刷ジョブの実行が指示されると、サイクルアップの処理が行われる。すなわち、安定した動作を行うことができるように、各部で準備動作が行われる。
サイクルアップが完了すると、印刷処理が開始される。すなわち、給紙部12から用紙Pが順次給紙される。
給紙部12から給紙された用紙Pは、まず、処理液塗布部14において、表面(すなわち、印刷面)に処理液が塗布される。
処理液が塗布された用紙Pは、次に、処理液乾燥処理部16において、表面に熱風が吹き当てられて乾燥処理される。
乾燥処理された用紙Pは、次に、描画部18において、表面にC、M、Y、Kのインク滴が打滴されて画像が描画される。
画像が描画された用紙Pは、次に、後処理部20において、インクの乾燥処理と紫外線の照射処理とが行われる。
以上一連の処理で1枚の用紙Pに対する印刷処理が完了する。紫外線の照射処理を終えた用紙は排紙部22に搬送されて、排紙台76の上にスタックされる。
《インクジェットヘッド》
次に、インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yについて説明する。
なお、本実施の形態のインクジェット記録装置10には4本のインクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yが備えられているが、各インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yの構成は同じなので、ここでは、共通の符号56を用いて、その構成の説明を行う。
図3は、インクジェットヘッドの概略構成を示す斜視図である。
同図に示すように、インクジェットヘッド56は、全体として矩形の板形状を有し、先端部分に吐出部56aを備える。吐出部56aは、全体として長尺の角柱形状を有し、先端にノズル部56bを備える。ノズル部56bは、全体として矩形の平板形状を有し、先端にノズル面57を有する。
図4は、ノズル面の平面図である。
ノズル面57は、矩形状を有し、中央部分(すなわち、長手方向と直交する方向の中央部分)に帯状のノズル配置領域57Aを有する。ノズルは、このノズル配置領域57Aに備えられる。
図5は、ノズル面の一部を拡大した平面図である。
図5において、X軸の方向が、インクジェットヘッド56の長手方向である。すなわち、Y軸の方向は、描画時における用紙Pの搬送方向に沿う方向である。
図5に示すように、本実施の形態のインクジェットヘッド56では、ノズルNがマトリクス状に配列される。より詳しくは、X軸に対して所定角度(γ)傾斜する直線Vに沿ってノズルNが一定のピッチで配列され、かつ、Y軸に対して所定角度(α)傾斜した直線Wに沿ってノズルNが一定のピッチで配列される。このようにノズルNを配列することにより、長手方向(すなわち、主走査方向(X方向))に投影される実質的なノズルNの間隔を狭めることができ、ノズルNを高密度に配置できる。なお、この場合におけるノズルNの実質的な配列方向はX軸の方向となる。すなわち、ノズルNは実質的にインクジェットヘッド56の長手方向に沿って配置されることになる。
ノズル配置領域57Aには、撥液処理が施される。これにより、ノズルNの周辺に汚れが付着するのを防止できる。なお、撥液処理は、ノズル面57の全面に施すこともできる。
インクジェットヘッド56には、吐出部56aの両端に鍔状のヘッド取付部56cが備えられる。インクジェットヘッド56は、このヘッド取付部56cを用いてインクジェット記録装置に装着される。
また、インクジェットヘッド56には、吐出部56aの一端に遮蔽部材70が備えられる。遮蔽部材70は、インクジェットヘッド56が待機位置に位置した際、キャップの出入口部202を塞ぐ機能を有する。この点については、後に詳述する。
《メンテナンス部》
図6は、メンテナンス部及び描画部の平面図である。
図6に示すように、メンテナンス部24は、描画部18に隣接して配置される。インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yのメンテナンスを行う場合は、インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yをメンテナンス部24に移動させて行う。このため、インクジェット記録装置10には、インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yを移動させるための移動手段として、ヘッド移動装置138が備えられる。まず、このヘッド移動装置138の構成について説明する。
〔ヘッド移動装置〕
ヘッド移動装置138は、インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yを搭載するためのヘッド搭載フレーム140と、ヘッド搭載フレーム140を水平に移動させるためのヘッド搭載フレーム移動装置142と、を備えて構成される。
ヘッド搭載フレーム140は、ヘッド搭載フレーム本体140aを有する。ヘッド搭載フレーム本体140aは、各インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yを装着するためのヘッド装着部140bを有する。ヘッド装着部140bは、一対のヘッド支持部140cを有し、このヘッド支持部140cでインクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yの両端部に備えられたヘッド取付部56cを支持して、ヘッド装着部140bに装着されたインクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yを支持する。
各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、ヘッド搭載フレーム140に搭載されると、そのノズル列の方向(すなわち、長手方向)が描画ドラム52による用紙Pの搬送方向と直交して配置される。換言すれば、各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kが、描画ドラム52の回転軸と平行に配置される。また、各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、描画ドラム52によって搬送される用紙Pに対して、垂直にインク滴を吐出するように傾斜して配置される。この結果、各インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yのノズル面は水平面に対して傾斜して配置される。
ヘッド装着部140bには、ヘッド装着部140bに装着されたインクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yを昇降させるための図示しないヘッド昇降手段が備えられる。ヘッド昇降手段は、ヘッド装着部140bに装着されたインクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yを描画ドラム52の径方向に沿って昇降させる。すなわち、ヘッド昇降手段は、ヘッド装着部140bに装着されたインクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yを、インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yのノズル面に対して垂直な方向に昇降させる。
ヘッド搭載フレーム移動装置142は、ヘッド搭載フレーム140をインクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yの長手方向に沿って水平に移動させる。ヘッド搭載フレーム移動装置142は、一対のガイドレール146と、送り装置148と、を備えて構成される。
一対のガイドレール146は、描画ドラム52の回転軸に沿って水平に配設される。すなわち、一対のガイドレール146は、描画ドラム52による用紙Pの搬送方向と直交して配設される。ヘッド搭載フレーム140は、このガイドレール146にスライダ147を介してスライド自在に支持される。
送り装置148は、ネジ棒148Aと、ネジ棒148Aに螺合されるナット部材148Bと、ネジ棒148Aを回転させるモータ148Cと、を備えて構成される。ネジ棒148Aは、ガイドレール146に沿って配設される。ナット部材148Bは、ネジ棒148Aに螺合され、かつ、ヘッド搭載フレーム140に連結される。これにより、ネジ棒148Aを回転させると、ヘッド搭載フレーム140が、ガイドレール146に沿って移動する。モータ148Cは、ネジ棒148Aを正逆回転可能に駆動する。
モータ148Cを正回転させると、ヘッド搭載フレーム140が、ガイドレール146に沿って、描画部18からメンテナンス部に向かって移動する。また、モータ148Cを逆回転させると、ヘッド搭載フレーム140が、ガイドレール146に沿って、メンテナンス部から描画部18に向かって移動する。
ヘッド移動装置138は、以上のように構成される。インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yは、モータ148Cを駆動すると、長手方向に沿って水平に移動する。インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yは、長手方向に沿って水平に移動することにより、描画位置と待機位置との間を水平に移動する。
なお、描画位置とは、描画時におけるインクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yの設置位置である。したがって、描画位置は、描画ドラム52による用紙Pの搬送経路上に設定される。インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、描画位置に位置することにより、描画ドラム52上に配置される。これにより、描画ドラム52によって搬送される用紙Pに対してインク滴を吐出して画像を描画することが可能になる。
また、インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yは、描画位置に位置することにより、除湿ファン60の下に配置される。すなわち、インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yは、描画位置に位置することにより、描画ドラム52と除湿ファン60との間に配置される。これにより、描画時におけるインクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yの配置空間を除湿することができる。
待機位置とは、待機時、電源オフ時、及び、メンテナンス時におけるインクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yの設置位置である。描画位置は、描画ドラム52による用紙Pの搬送経路外に設定される。インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yは、待機位置に位置することにより、描画ドラム52の上から退避する。
〔メンテナンス部〕
メンテナンス部24は、インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yのノズル面をクリーニングするクリーニングユニット160と、インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yのノズル面をキャッピング(ノズル面をキャップで覆うこと)するキャップユニット162と、廃液トレイ154と、を備えて構成される。
〈クリーニングユニット〉
クリーニングユニット160は、描画位置と待機位置との間を移動するインクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yの移動経路上に配置される。クリーニングユニット160は、各インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yのノズル面をクリーニングするクリーニング装置160M、160K、160C、160Yを備え、このクリーニング装置160M、160K、160C、160Yによって、各インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yのノズル面を個別にクリーニングする。
各クリーニング装置160M、160K、160C、160Yは、ノズル面を払拭する払拭部材を有する。各クリーニング装置160M、160K、160C、160Yは、描画位置と待機位置との間を移動するインクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yのノズル面に払拭部材を当接させることにより、ノズル面を払拭部材で払拭してクリーニングする。本実施の形態のクリーニング装置160M、160K、160C、160Yでは、払拭部材としてウェブを使用する。各クリーニング装置160M、160K、160C、160Yは、描画位置と待機位置との間を移動するインクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yのノズル面にウェブを押し当てて、ノズル面をウェブで払拭しクリーニングする。払拭は、この他、ブレードで行うこともできる。
〈キャップユニット〉
図7は、キャップユニットの構成を示す斜視図である。
キャップユニット162は、各インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yのノズル面をキャッピングするキャップ200M、200K、200C、200Yを備え、このキャップ200M、200K、200C、200Yを一体化して構成される。各キャップ200M、200K、200C、200Yは、キャップ搭載フレーム164に搭載されて一体化される。
キャップユニット162は、インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yが待機位置に位置したときに、各キャップ200M、200K、200C、200Yによって、各インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yのノズル面をキャップできる位置に設置される。
各キャップ200M、200K、200C、200Yは、上部が開口した有底の箱形状を有し、インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yの先端部分を収容してノズル面をキャッピングする。本実施の形態のインクジェット記録装置10では、インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yが傾斜して設置されているため、キャップ
200M、200K、200C、200Yが傾斜して配置される。インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yは、待機位置に移動することにより、先端部分がキャップ200M、200K、200C、200Yに収容されて、ノズル面がキャップされる。
キャップ200M、200K、200C、200Yの構成については、後に更に詳述する。
〈廃液トレイ〉
廃液トレイ154は、クリーニング装置160M、160K、160C、160Y、及び、キャップ200M、200K、200C、200Yの下方位置に配置される。廃液トレイ154には、図示しない廃液回収配管を介して廃液タンクが接続される。キャップ200M、200K、200C、200Yにパージされたインク等は、廃液トレイ154に廃液され、廃液タンクに回収される。
《キャップの詳細》
上記のように、キャップ200M、200K、200C、200Yは、インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yの先端部分(本実施の形態のインクジェットヘッド56では吐出部56aの部分)を収容してノズル面をキャッピングする。
なお、各キャップ200M、200K、200C、200Yの構造は同じなので、以下においては、キャップ200として、その説明を行う。
図8は、キャップの構成を示す断面斜視図である。また、図9は、キャップの出入口部側の端部の構成を示す斜視図である。
なお、キャップ200の出入口部側の端部とは、描画ドラム52側の端部のことである。インクジェットヘッド56は、描画ドラム52側の端部からキャップ200に出し入れされるので、描画ドラム52側の端部がキャップ200の出入口部側の端部となる。
キャップ200は、上部が開口した有底の箱形状を有する。特に、本実施の形態のキャップ200は、ライン型のインクジェットヘッド56の先端部分の形状(すなわち、長尺の角柱形状)に対応して、長尺の箱形状を有する。
キャップ200は、描画ドラム側の側面(すなわち、インクジェットヘッド56の移動方向に対して描画位置側の側面)にインクジェットヘッド56の出入口となる出入口部202を有する。インクジェットヘッド56は、この出入口部202を通って先端部分がキャップ200に収容され、かつ、キャップ200から取り出される。出入口部202は、キャップ200の側面を一部を切り欠いて形成される。
キャップ200の内部には、保湿液を貯留するための保湿液貯留部206と、保湿液貯留部206に保湿液を供給する保湿液供給部208と、ドレーン部210と、が備えられる。
保湿液貯留部206は、溝形状を有し、キャップ200の長手方向に沿って、キャップ200の底部の中央部分に配置される。保湿液貯留部206は、ノズル配置領域57Aと同じ幅を有し、内部に仕切板206Aを有する。仕切板206Aは、保湿液貯留部206を長手方向と直交する方向に二分割する。インクジェットヘッド56の先端部分が、キャップ200に収容されると、ノズル面57に備えられたノズル配置領域57Aが保湿液貯留部206に対向して配置される。
保湿液供給部208は、保湿液貯留部206の上縁部とほぼ同じ高さを有する面で構成され、保湿液貯留部206に並列して配置される。保湿液供給部208は、保湿液貯留部206に保湿液を供給するための保湿液供給口214を有する。保湿液供給口214には保湿液供給管216が接続される。保湿液供給管216は、図示しない保湿液供給装置に接続される。保湿液供給装置から保湿液を供給すると、保湿液供給口214からキャップ200内に保湿液が供給される。供給された保湿液は、保湿液供給部208を流れて保湿液貯留部206に貯留される。
ドレーン部210は、溝形状を有し、保湿液貯留部206に並列して配置される。ドレーン部210は、ドレーン穴218を有する。ドレーン穴218は、キャップ200の出入口部202が配置される端部と逆方向の端部に配置される。すなわち、ドレーン穴218は、インクジェットヘッド56の移動方向に対して待機位置側の端部に配置される。保湿液貯留部206から溢れ出た保湿液やインクジェットヘッド56からパージされたインクは、ドレーン部210で回収されて、ドレーン穴218から廃液される。ドレーン穴218から廃液されたインク等は廃液トレイ154で回収される。
キャップ200は、開口した上部の内周部にシール部材222を有する。シール部材222は、インクジェットヘッド56の先端部分の外周(吐出部56aの外周)に密着して、キャップ200とインクジェットヘッド56の外周部分との間に形成される隙間を封止する。シール部材222は、たとえば、ゴムやブラシ、フェルトなどの弾性部材で構成することができる。特に、中空のシリコンゴムをフッ素コーティングしたものが好適に用いられる。
キャップ200は、以上のように構成される。キャップ200は、インクジェットヘッド56に合わせて傾斜して配置される。この際、ドレーン部210が傾斜方向の下側に位置するように配置される。
《キャップの作用》
〔キャップへの装着〕
ここでは、印刷ジョブ間の待機中にインクジェットヘッド56をキャッピングする場合を例に説明する。
一つの印刷ジョブが終了すると、インクジェットヘッド56は待機位置に移動して、ノズル面57がキャップされる。なお、この間も除湿ファン60は駆動され、描画部18には乾燥風が送風され続ける。
印刷ジョブが終了すると、まず、インクジェットヘッド56は、あらかじめ設定された基準高さの位置(すなわち、原点位置)まで上昇する。すなわち、インクジェットヘッド56は、ノズル面と直交する方向に上昇する。これにより、ノズル面が描画ドラム52の周面から退避する。この動作は、ヘッド昇降手段(不図示)によって行われる。
次に、インクジェットヘッド56は、待機位置に向かって水平に移動する。この動作は、ヘッド移動装置138によって行われる。インクジェットヘッド56は、キャップ200の側面に形成された出入口部202を通って、先端部分がキャップ200内に収容される。
インクジェットヘッド56は、待機位置まで移動すると、移動を停止する。これにより、インクジェットヘッド56の先端部分がキャップ200に収容される。特に、先端のノズル部56bがキャップ200内に完全に収容される。
この後、インクジェットヘッド56は、あらかじめ設定された下降量で下降する。すなわち、インクジェットヘッド56は、ノズル面と直交する方向に下降する。これにより、キャップ200への装着が完了する。
〔保湿〕
図10は、キャッピング時におけるキャップの断面図である。
同図に示すように、キャップ200に装着されると、インクジェットヘッド56は、その先端部分がキャップ200に収容される。この状態において、インクジェットヘッド56は、ノズル面57に備えられたノズル配置領域57Aが保湿液貯留部206に近接して配置される。また、先端部分の外周にシール部材222が当接し、キャップ200の上部の開口部分との間の隙間が封止される。
〔パージ〕
図11は、パージ時におけるキャップの断面図である。
パージする場合は、インクジェットヘッド56がパージ位置に移動する。すなわち、インクジェットヘッド56が、キャップ200から離れる方向に上昇し、ノズル面57が保湿液貯留部206から離間する。これにより、パージしたインクが、保湿液貯留部206に接触するのを防止することができる。パージしたインクは、ドレーン部210で回収され、ドレーン穴218から回収される。
〔キャップの取り外し〕
キャップ200を取り外す場合は、装着時と逆の動作が行われる。すなわち、インクジェットヘッド56がキャップ200から離れる方向に上昇し、その後、水平に移動して、描画位置に移動する。この際、必要に応じてノズル面のクリーニングが行われる。
《キャップへの乾燥風の流入を防止するための構造》
図12は、キャッピング時におけるキャップの出入口部側の側面図である。なお、同図(A)は、遮蔽部材を備えていないインクジェットヘッドをキャッピングしたときのキャップの出入口部側の側面図であり、同図(B)は、遮蔽部材を備えたインクジェットヘッドをキャッピングしたときのキャップの出入口部側の側面図である。
上記のように、本実施の形態のキャップ200は、側面に出入口部202を備え、この出入口部202を介してインクジェットヘッド56の出し入れが行われる。
しかしながら、このような出入口部202がキャップ200の側面に備えられていると、図12(A)に示すように、出入口部202とインクジェットヘッド56との間に隙間δが生じ、その隙間δから除湿ファン60の風(乾燥風)がキャップ200内に流れ込む。すなわち、待機中も除湿ファン60が駆動されるため、除湿ファン60の風がキャップ200内に流れ込む。この結果、ノズル面が乾燥風に晒されて、インクジェットヘッドのノズル内及びノズル近傍のインクが乾燥する。
そこで、本実施の形態のインクジェット記録装置10は、この乾燥風の流入を防止するため、図12(B)に示すように、インクジェットヘッド56にキャップ200の出入口部202を塞ぐ遮蔽部材70が備えられる。
遮蔽部材70は、インクジェットヘッド56の移動方向に対して、描画位置側の端部に設けられる。遮蔽部材70は、U字形状を有する薄板状の部材で構成され、インクジェットヘッド56の長手方向と直交して配置されて、インクジェットヘッド56の先端部分の外周(すなわち、長手方向と直交する方向の外周)から鍔状に張り出して設けられる。
遮蔽部材70は、インクジェットヘッド56が待機位置に位置すると、キャップ200の側面に重ねて配置され、キャップ200の出入口部202を塞ぐ。より具体的には、キャップ200の出入口部202とインクジェットヘッド56の外周との間に生じる隙間δを塞ぐ。
これにより、キャップ200の出入口部202から乾燥風が流入するのを防止でき、待機中にノズル面が乾燥するのを防止できる。
なお、遮蔽部材70でキャップ200の出入口部202を塞ぐ際、必ずしも遮蔽部材70をキャップ200の側面に接触させる必要はない。遮蔽部材70をキャップ200の側面に接触させれば、隙間を完全に密閉できるが、ある程度の隙間であれば風の侵入は十分に防ぐことができる。すなわち、遮蔽部材70をキャップ200の側面に重ねて配置することにより、隙間がラビリンス構造となるので、風の侵入を十分に防ぐことができる。また、このように隙間をもって遮蔽部材70を配置することにより、接触による衝撃を防ぐことができる。
《変形例》
〈着脱式の遮蔽部材〉
上記実施の形態では、遮蔽部材70がインクジェットヘッド56に一体的に設けられる場合を例に説明したが、遮蔽部材70は着脱できる構成としてもよい。
図13は、着脱式の遮蔽部材の構成を示す斜視図である。また、図14は、遮蔽部材を取り付けたときのインクジェットヘッドの要部斜視図である。
同図に示すように、本例の遮蔽部材70は、遮蔽部材70をインクジェットヘッド56に取り付けるための取付部70Aを有する。取付部70Aは、インクジェットヘッド56の吐出部56aの端部を覆うカバー状の部材として構成される。また、取付部70Aは、インクジェットヘッド56の吐出部56aにビス71で固定するための穴70aを有する。
遮蔽部材70は、取付部70Aをインクジェットヘッド56の吐出部56aの端部に被せることにより、インクジェットヘッド56に装着される。インクジェットヘッド56に装着された遮蔽部材70は、ビス71でネジ留めされて、インクジェットヘッド56に固定される。
なお、このように遮蔽部材70は、ビス71でネジ留めされるため、取付部70Aを取り付けたときに、取付部70Aに備えられたビス用の穴70aに対応する位置にネジ穴が備えられる。
このように、遮蔽部材70は、インクジェットヘッド56に対して着脱自在な構成とすることもできる。これにより、遮蔽部材70のメンテナンスを容易にできる。また、これにより、遮蔽部材70を取り付ける位置の調整も行うことができる。
なお、遮蔽部材70を取り付ける位置の調整は、取付部70Aに対して遮蔽部材70を設ける位置を調整して行うこともできるし、また、インクジェットヘッド56に対して遮蔽部材70を取り付ける位置を調整して行うことができる。
インクジェットヘッド56に対して遮蔽部材70を取り付ける位置を調整する場合は、たとえば、ビス用の穴70aの形状を長穴とし、遮蔽部材70を取り付ける位置をインクジェットヘッド56の長手方向に沿って微調整できる構成とする。
〈出入口部の開口量の調整〉
遮蔽部材70は、インクジェットヘッド56が描画位置に位置したときにキャップ200の出入口部202を塞ぐことができればよく、その形状等については特に限定されない。
しかしながら、遮蔽部材70は、インクジェットヘッド56に備えられるものであるため、可能な限り小型であることが好ましい。特に、上記実施の形態のインクジェット記録装置のように、インクジェットヘッド56の移動経路上にクリーニング装置を有する場合、大型の遮蔽部材70を取り付けると、遮蔽部材70がクリーニング装置に干渉するおそれがある。
このような場合は、出入口部の開口量を調整して、遮蔽部材70の小型化を図ることが好ましい。
出入口部の開口量は、たとえば、キャップに出入口部の開口量を調整する部材(開口量調整部材)を取り付けて調整する。
図15は、キャップの出入口部側の側面図である。なお、同図(A)は、開口量調整部材を取り付けていないキャップの出入口部側の側面図であり、同図(B)は、開口量調整部材を取り付けたキャップの出入口部側の側面図である。また、図16は、図15に示すキャップのキャッピング時の出入口部側の側面図である。なお、同図(A)は、遮蔽部材を備えていないインクジェットヘッドをキャッピングしたときのキャップの出入口部側の側面図であり、同図(B)は、遮蔽部材を備えたインクジェットヘッドをキャッピングしたときのキャップの出入口部側の側面図である。
図15(A)に示すように、キャップ200に備えられた出入口部202が大きい場合、キャップ200の出入口部202とインクジェットヘッド56との間には大きな隙間が形成される。この場合、図16(A)に示すように、隙間を塞ぐ遮蔽部材70も必然的にサイズが大きくなる。
このように、キャップ200に備えられた出入口部202が大きい場合、キャップ200の出入口部202とインクジェットヘッド56との間には大きな隙間が形成される場合は、図15(B)に示すように、キャップ200に開口量調整部材220を取り付け、出入口部202のサイズ(開口量)をインクジェットヘッド56の先端部分のサイズに合わせ小さくする(絞る)。すなわち、インクジェットヘッド56の先端部分が通過できる範囲で可能な限り小さくする。
これにより、図16(B)に示すように、インクジェットヘッド56に設ける遮蔽部材70のサイズを小さくできる。
なお、遮蔽部材70は、ノズル面からは突出しないように設けることが好ましい。これにより、クリーニング装置との干渉を回避することができる。
開口量調整部材220は、キャップ200の出入口部202の開口量を調整(制限)できればよく、その具体的な形状等は特に限定されない。図15(B)に示す例の開口量調整部材220は、切欠きを備えたプレートをビスでキャップ200の側面に取り付けて、出入口部202の開口量を制限する構成としている。この場合、開口量調整部材220に備えられた切欠きの部分が、インクジェットヘッド56の新たな出入口部となる。
また、開口量調整部材220は、キャップ200の出入口部202の位置を調整する部材として構成することもできる。たとえば、キャップ200の側面から描画ドラム側に突出するように開口量調整部材を取り付け、実質的な出入口部を描画ドラム側にシフトさせることもできる。これにより、遮蔽部材の設置位置を調整することができる。
《その他の実施の形態》
上記実施の形態では、除湿ファン60を描画ドラム52の上方に設置し、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの上方から乾燥風を供給して、描画時におけるインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの配置空間を除湿する構成としているが、乾燥風の供給構造は、これに限定されるものではない。たとえば、インクジェットヘッドの側方から乾燥風を送風する構造とすることもできる。また、本実施の形態では、ファン(除湿ファン)で乾燥風を送風する構造としているが、たとえば、送風機から送風される乾燥風をダクトで描画部に導いて、インクジェットヘッドの配置空間に吹き出す構成とすることもできる。
また、上記実施の形態では、用紙Pの搬送手段として、回転するドラムを使用しているが、用紙Pの搬送手段は、これに限定されるものではない。たとえば、回転走行する無端状のベルトに用紙を吸着保持させて搬送する構造(いわゆるベルト搬送機構)とすることもできる。
上記実施形態では、本発明をライン型のインクジェットヘッドを用いたシングルパス方式のインクジェット記録装置に適用した例で説明したが、本発明の適用範囲は、これに限定されるものではない。たとえば、シリアル型(シャトルスキャン型)のインクジェットヘッドを用いて、複数回のインクジェットヘッドの走査により画像の記録を行うインクジェット記録装置についても同様に適用できる。
また、インクジェットヘッドのノズル面が水平に配置されたインクジェット記録装置にも適用することができる。
また、上記実施形態では、カラー画像印刷用のインクジェット記録装置への適用を例に説明したが、本発明の適用範囲は、この例に限定されない。たとえば、電子回路の配線パターンを描画する配線描画装置、各種デバイスの製造装置、吐出用の機能性液体として樹脂液を用いるレジスト印刷装置、カラーフィルター製造装置、マテリアルデポジション用の材料を用いて微細構造物を形成する微細構造物形成装置など、液状機能性材料を用いて様々な形状やパターンを得る液滴吐出装置(インクジェット記録装置、インクジェットシステムを含む)に広く適用できる。
以上説明した本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものでは無く、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有するものにより、多くの変形が可能である。
10…インクジェット記録装置、12…給紙部、14…処理液塗布部、16…処理液乾燥処理部、18…描画部、20…後処理部、20A…インク乾燥処理部、20B…紫外線照射部、22…排紙部、24…メンテナンス部、30…給紙台、32…サッカー装置、34…給紙ローラ対、36…フィーダボード、38…前当て、40…給紙ドラム、40A…給紙ドラムのグリッパ、42…処理液塗布ドラム、42…処理液塗布ドラムのグリッパ、44…処理液塗布装置、46…処理液乾燥処理ドラム、46A…処理液乾燥処理ドラムのグリッパ、48…用紙ガイド、50…処理液乾燥処理ユニット、52…描画ドラム、52A…描画ドラムのグリッパ、54…用紙押さえローラ、56…インクジェットヘッド、56C…シアンのインクジェットヘッド、56M…マゼンタのインクジェットヘッド、56Y…イエロのインクジェットヘッド、56K…クロのインクジェットヘッド、56a…吐出部、56b…ノズル部、56c…ヘッド取付部、57…ノズル面、57A…ノズル配置領域、58…スキャナ、60…除湿ファン、64…チェーングリッパ、64A…チェーングリッパのチェーン、64B…チェーングリッパのグリッパ、68…ドライヤ、70…遮蔽部材、70A…遮蔽部材の取付部、70a…遮蔽部材の取付部の穴、71…ビス、72…ガイドプレート、74…紫外線照射装置、76…排紙台、100…システムコントローラ、102…通信部、104…画像メモリ、110…搬送制御部、112…給紙制御部、114…処理液塗布制御部、116…処理液乾燥制御部、118…描画制御部、120A…インク乾燥制御部、120B…紫外線照射制御部、122…排紙制御部、124…メンテナンス制御部、130…操作部、132…表示部、138…ヘッド移動装置、140…ヘッド搭載フレーム、140a…ヘッド搭載フレーム本体、140b…ヘッド搭載フレームのヘッド装着部、140c…ヘッド支持部、142…ヘッド搭載フレーム移動装置、146…ガイドレール、147…スライダ、148…送り装置、148A…ネジ棒、148B…ナット部材、148C…モータ、154…廃液トレイ、160…クリーニングユニット、160M、160K、160C、160Y…クリーニング装置、162…キャップユニット、164…キャップ搭載フレーム、200…キャップ、200M、200K、200C、200Y…キャップ、202…キャップの出入口部、206…保湿液貯留部、206A…保湿液貯留部の仕切板、208…保湿液供給部、210…ドレーン部、214…保湿液供給口、216…保湿液供給管、218…ドレーン穴、220…開口量調整部材、222…シール部材、δ…キャップの出入口部とインクジェットヘッドとの間の隙間、N…ノズル、P…用紙

Claims (10)

  1. メディアを搬送する搬送手段と、
    先端にノズル面を備え、前記ノズル面に備えられたノズルからインク滴を吐出するインクジェットヘッドと、
    前記メディアの搬送経路上に設定される描画位置と、前記メディアの搬送経路外に設定される待機位置との間で前記インクジェットヘッドを水平に移動させる移動手段と、
    前記待機位置に位置した前記インクジェットヘッドの先端部分を収容して前記ノズル面を覆うキャップであって、側面に前記インクジェットヘッドの出入口となる出入口部を有するキャップと、
    描画時に前記インクジェットヘッドが配置される空間に、乾燥風を送風する送風手段と、
    前記インクジェットヘッドに備えられ、前記インクジェットヘッドの先端部分を収容した前記キャップの前記出入口部を塞ぐ遮蔽部材と、
    を備えるインクジェット記録装置。
  2. 前記遮蔽部材は、前記キャップの前記側面に重ねて配置されて、前記インクジェットヘッドの先端部分を収容した前記キャップの前記出入口部を塞ぐ、
    請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記遮蔽部材は、前記インクジェットヘッドの先端部分に鍔状に張り出して設けられる、
    請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記キャップに取り付けられて、前記出入口部の開口量を調整する開口量調整部材を更に有する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記遮蔽部材は、取付部を有し、前記取付部を介して前記インクジェットヘッドに着脱自在に取り付けられる、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記搬送手段は、回転するドラム又は回転走行する無端状のベルトであり、周面に前記メディアを巻き付けて搬送し、
    前記送風手段は、前記搬送手段に向けて前記乾燥風を送風し、
    前記描画位置に位置した前記インクジェットヘッドは、前記搬送手段と前記送風手段との間に配置される、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インクジェットヘッドは、ライン型のインクジェットヘッドであり、
    前記移動手段は、前記描画位置と前記待機位置との間で前記インクジェットヘッドを長手方向に沿って水平に移動させる、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記インクジェットヘッドは、前記ノズル面が水平面に対して傾斜して配置され、
    前記ノズル面は、中央部分に帯状のノズル配置領域を有し、前記ノズル配置領域に前記ノズルが配置され、
    前記キャップは、
    前記ノズル配置領域と対向して配置され、保湿液が貯留される保湿液貯留部と、
    前記保湿液貯留部に並列して配置されるドレーン部と、
    を有する、
    請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記キャップの下方位置に廃液トレイを備え、
    前記ドレーン部は、前記出入口部と逆方向の端部にドレーン穴を有する、
    請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記キャップは、内周部にシール部材を有する、
    請求項9に記載のインクジェット記録装置。
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