JP2015056321A - 金属層付き導電性フィルム、その製造方法及びそれを含有するタッチパネル - Google Patents

金属層付き導電性フィルム、その製造方法及びそれを含有するタッチパネル Download PDF

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竹部 義之
Yoshiyuki Takebe
義之 竹部
剛 加々田
Takeshi Kagata
剛 加々田
中谷 康弘
Yasuhiro Nakatani
康弘 中谷
林 秀樹
Hideki Hayashi
秀樹 林
洸造 上田
Kozo Ueda
洸造 上田
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Abstract

【課題】金属層付き導電性フィルムにおいて、金属層及び光透過性導電層の密着性を向上させる。【解決手段】(A)光透過性支持層;(B)光透過性導電層;(C)Ni、Cr、Cu、Ti及びAl並びにそれの合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属を含有する密着層;及び(D)金属又は金属酸化物を含有する金属層を含有する金属層付き導電性フィルムであって、前記光透過性導電層(B)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、少なくとも一方の前記光透過性導電層(B)の前記光透過性支持層(A)とは反対側の面に、前記前記密着層(C)及び前記金属層(D)が、この順で互いに隣接して直接配置されており、前記密着層(C)が、EDS線分析において、(i)前記光透過性支持層(A)からの距離が大きくなるにしたがって金属元素の割合が高くなるような傾斜組成を示すことを特徴とする、金属層付き導電性フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、金属層付き導電性フィルム、その製造方法及びそれを含有するタッチパネルに関する。
タッチパネルに搭載される金属層付き導電性フィルムとして、PET等からなる光透過性支持層(基材とも呼ばれる)に、直接又は他の層を介して酸化インジウムスズ(ITO)等からなる光透過性導電層を積層し、さらに制御回路を接続するための引出し配線(引き出し電極とも呼ばれる)として利用される金属層をその光透過性導電層の上に積層したフィルムが数多く使用されている。通常、これらの金属層付きフィルムは、エッチング処理を経てタッチパネルとして使用される。具体的には、エッチング処理により入力領域の金属層が剥離される。また、エッチング処理により額縁領域といわれる周辺領域において引き出し配線が形成される。そのような金属層としては、純銅(Cu)若しくは純銀(Ag)又はそれの合金を含有するものが用いられている。
これらの金属層を光透過性導電層の上に積層する方法としては、様々な方法が提案されている。具体的には、光透過性導電層の上に、これらの金属層をスパッタリングやメッキ法を用いてコーティングする方法が提案されている。また、光透過性導電層の上に、これらの金属を含有するペーストを塗布することにより金属層を積層する方法も提案されている。
しかしながら、これらの金属層は、光透過性導電層との間の密着性が低く、実際に使用される間に引出し配線が損傷してしまうという問題があった。そこで、かかる密着性を改善するために種々の方法が開発されてきた。まず、例えば銀粉、有機樹脂及び溶剤からなる導電性ペーストを用いて金属層を光透過性導電層の上に積層する方法等が検討されてきた(特許文献1〜3)。また、金属層との密着性を改善する目的で、光透過性導電層との間に金属酸化物からなる層を設けることも提案されている(特許文献4)。しかしながら、これらの方法で得られた導電性フィルムは、密着性の点においてさらに改良すべき点があった。
特開2003−309337号公報 特開2009−176608号公報 特開2000−231828号公報 特開2012−150944号公報
引出し配線として利用するため、金属又は金属酸化物を含有する金属層が光透過性導電層の上に形成されている金属層付き導電性フィルムにおいて、金属層及び光透過性導電層の密着性を向上させることを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ね、Ni、Cr、Cu、Ti及びAl並びにそれの合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属を含有し、特定の傾斜組成を有する下地層を、光透過性導電層と金属層の間に配置することによって、上記課題を解決できることを新たに見出した。本発明は、この新たな知見に基づいてさらに種々の検討を重ねることにより完成されたものであり、次に掲げるものである。
項1.
(A)光透過性支持層;
(B)光透過性導電層;
(C)Ni、Cr、Cu、Ti及びAl並びにそれの合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属を含有する密着層;及び
(D)金属又は金属酸化物を含有する金属層
を含有する金属層付き導電性フィルムであって、
前記光透過性導電層(B)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、
少なくとも一方の前記光透過性導電層(B)の前記光透過性支持層(A)とは反対側の面に、前記前記密着層(C)及び前記金属層(D)が、この順で互いに隣接して直接配置されており、
前記密着層(C)が、EDS線分析において、
(i)前記光透過性支持層(A)からの距離が大きくなるにしたがって金属元素の割合が高くなるような傾斜組成を示すことを特徴とする、金属層付き導電性フィルム。
項2.
前記光透過性導電層(B)が、金属酸化物を含有し、かつ
前記密着層(C)が、EDS線分析において、
(ii)前記光透過性支持層(A)からの距離が小さくなるにしたがって酸素元素の割合が高くなるような傾斜組成を示す、項1に記載の金属層付き導電性フィルム。
項3.
(A)光透過性支持層;
(B)光透過性導電層;
(C)Ni、Cr、Cu、Ti及びAl並びにそれの合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属を含有する密着層;及び
(D)Cu若しくはAg又はそれの合金を含有する金属層
を含有する金属層付き導電性フィルムであって、
前記光透過性導電層(B)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、
少なくとも一方の前記光透過性導電層(B)の前記光透過性支持層(A)とは反対側の面に、前記前記密着層(C)及び前記金属層(D)が、この順で互いに隣接して直接配置されており、
透過型電子顕微鏡により以下が観察されることを特徴とする、金属層付き導電性フィルム:
前記光透過性導電層(B)における、前記密着層(C)と接する界面から5nm入った厚さまでの領域における一次電子像から得られたみかけの結晶子(b);
前記密着層(C)における、光透過性導電層(B)および前記金属層(D)に接するそれぞれの界面から5nm入った厚さまでの領域における一次電子像から得られたみかけの結晶子(c)及び(c);及び
前記金属層(D)における、前記密着層(C)と接する界面から5nm入った厚さまでの領域における一次電子像から得られたみかけの結晶子(d)
について、前記結晶子(c)及び(c)の大きさがいずれも、前記結晶子(b)および結晶子(d)よりも小さく、かつ
前記光透過性導電層(B)における、前記密着層(C)と接する界面から5nm入った厚さまでの領域に前記結晶子(b)の隙間を埋める前記結晶子(c)が観察され、前記金属層(D)における、前記密着層(C)と接する界面から5nm入った厚さまでの領域に前記結晶子(d)の隙間を埋める前記結晶子(c)が観察される。
項4.
一次電子回折により、
光透過性導電層(B)において、隣り合う結晶子がほぼ同一方向に配向している回折像;及び
密着層(C)及び金属層(D)において、隣り合う結晶子が異なる方向に配向している回折像
がそれぞれ観察される、項3に記載の金属層付き導電性フィルム。
項5.
一次電子回折により、
密着層(C)において、ハローリングの強度が金属層(D)におけるよりも高い回折像が観察される、項4に記載の金属層付き導電性フィルム。
項6.
前記光透過性導電層(B)が、酸化インジウムスズを含有する、項1〜5のいずれかに記載の金属層付き導電性フィルム。
項7.
前記Ni合金が、NiCu及びNiCrからなる群より選択される少なくとも1種のNi合金である、項1〜6のいずれかに記載の金属層付き導電性フィルム。
項8.
項1〜7のいずれかに記載の金属層付き導電性フィルムを含有する、タッチパネル。
項9.
(A)光透過性支持層;
(B)光透過性導電層;
(C)Ni、Cr、Cu、Ti及びAl並びにそれの合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属を含有する密着層;及び
(D)Cu若しくはAg又はそれの合金を含有する、表面抵抗が10Ω以下の金属層
を含有する金属層付き導電性フィルムであって、
前記光透過性導電層(B)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、
少なくとも一方の前記光透過性導電層(B)の前記光透過性支持層(A)とは反対側の面に、前記前記密着層(C)及び前記金属層(D)が、この順で互いに隣接して直接配置されている金属層付き導電性フィルムを製造する方法であって、
EDS線分析において、
(i)前記光透過性支持層(A)からの距離が大きくなるにしたがって金属元素の割合が高くなるような傾斜組成
を示す前記密着層(C)の面に、金属層(D)を配置する工程
を含有する方法。
本発明によれば、金属層及び光透過性導電層の密着性を向上できる。より詳細には、光透過性導電層の上に配置された金属層の湿熱耐久性を向上できる。
光透過性支持層(A)の片面に光透過性導電層(B)、密着層(C)及び金属層(D)がこの順で互いに隣接して配置されている、本発明の金属層付き導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)の両面に光透過性導電層(B)、密着層(C)及び金属層(D)がこの順で互いに隣接して配置されている、本発明の金属層付き導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)の片面に光透過性導電層(B)、密着層(C)、金属層(D)及び保護層(E)がこの順で互いに隣接して配置されている、本発明の金属層付き導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)の両面に光透過性導電層(B)、密着層(C)、金属層(D)及び保護層(E)がこの順で互いに隣接して配置されている、本発明の金属層付き導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)の片面にハードコート層(F)、光透過性導電層(B)、密着層(C)、金属層(D)及び保護層(E)がこの順で互いに隣接して配置されている、本発明の金属層付き導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)の一方の面にハードコート層(F)、光透過性導電層(B)、密着層(C)、金属層(D)及び保護層(E)がこの順で互いに隣接して配置されており、かつ光透過性支持層(A)の他方の面にハードコート層(F)が配置されている、本発明の金属層付き導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)の両面にハードコート層(F)、光透過性導電層(B)、密着層(C)、金属層(D)及び保護層(E)がこの順で互いに隣接して配置されている、本発明の金属層付き導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)の片面にハードコート層(F)、アンダーコート層(G)、光透過性導電層(B)、密着層(C)、金属層(D)及び保護層(E)がこの順で互いに隣接して配置されている、本発明の金属層付き導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)の両面にハードコート層(F)、アンダーコート層(G)、光透過性導電層(B)、密着層(C)、金属層(D)及び保護層(E)がこの順で互いに隣接して配置されている、本発明の金属層付き導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)の一方の面にハードコート層(F)、アンダーコート層(G)、光透過性導電層(B)、密着層(C)、金属層(D)及び保護層(E)がこの順で互いに隣接して配置されており、かつ光透過性支持層(A)の他方の面にハードコート層(F)が配置されている、本発明の金属層付き導電性フィルムを示す断面図である。 実施例1で得られた金属層付き導電性フィルムのEDX測定の結果を示す図面である。
1. 金属層付き導電性フィルム
本発明の金属層付き導電性フィルムは、
(A)光透過性支持層;
(B)光透過性導電層;
(C)Ni、Cr、Cu、Ti及びAl並びにそれの合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属を含有する密着層;及び
(D)金属又は金属酸化物を含有する金属層
を含有する金属層付き導電性フィルムであって、
前記光透過性導電層(B)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、
少なくとも一方の前記光透過性導電層(B)の前記光透過性支持層(A)とは反対側の面に、前記前記密着層(C)及び前記金属層(D)が、この順で互いに隣接して直接配置されており、
前記密着層(C)が、EDS線分析において、
(i)前記光透過性支持層(A)からの距離が大きくなるにしたがって金属元素の割合が高くなるような傾斜組成を示すことを特徴とする、金属層付き導電性フィルムである。
本発明において「光透過性」とは、光を透過させる性質を有する(translucent)ことを意味する。「光透過性」には、透明(transparent)が含まれる。「光透過性」とは、例えば、全光線透過率が80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上である性質をいう。本発明において全光線透過率は、ヘーズメーター(日本電色社製、商品名:NDH−2000、またはその同等品)を用いてJIS−K−7105に基づいて測定する。
本発明において、各層の厚さは、市販の反射分光膜厚計(大塚電子、FE−3000(製品名)、又はその同等品)を用いて求める。又は、代替的に、市販の透過型電子顕微鏡を用いた観察により求めてもよい。具体的には、ミクロトーム又はフォーカスイオンビームなどを用いて光透過性導電性フィルムをフィルム面に対して垂直方向に薄く切断し、その断面を観察する。
本明細書において、光透過性支持層(A)の一方の面に配置される複数の層のうち二つの層の相対的な位置関係について言及する場合、光透過性支持層(A)を基準にして、光透過性支持層(A)からの距離が大きい一方の層を「上の」層等ということがある。
図1に、本発明の光透過性導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の一方の面に、光透過性導電層(B)が直接配置されており、密着層(C)及び金属層(D)が、この順で互いに隣接して光透過性導電層(B)の光透過性支持層(A)とは反対側の面に直接配置されている。
図2に、本発明の光透過性導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の両方の面に、光透過性導電層(B)が直接配置されており、密着層(C)及び金属層(D)が、この順で互いに隣接して光透過性導電層(B)の光透過性支持層(A)とは反対側の面に直接配置されている。
1.1 光透過性支持層(A)
本発明において光透過性支持層とは、光透過性導電層を含有する金属層付き導電性フィルムにおいて、光透過性導電層を含む層を支持する役割を果たすものをいう。光透過性支持層(A)としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用金属層付き導電性フィルムにおいて、光透過性支持層として通常用いられるものを用いることができる。
光透過性支持層(A)の素材は、特に限定されないが、例えば、各種の有機高分子等を挙げることができる。有機高分子としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂及びポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)等が挙げられる。ポリエーテル系樹脂としては、ポリエーテルスルホン系樹脂等が挙げられる。光透過性支持層(A)の素材は、ポリエステル系樹脂及びポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリエステル系樹脂としては、特にPETが好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、特にシクロオレフィンポリマー(COP)が好ましい。
光透過性支持層(A)は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。
光透過性支持層(A)の厚さは、特に限定されないが、好ましくは2〜300μm、より好ましくは20〜200μmである。光透過性支持層(A)の厚さをこれらの下限値以上とすることによって、金属層付き導電性フィルムに十分な機械的強度を付与できる。また、金属層付き導電性フィルムとしては通常、ある程度の厚さ以下であることが要求される。このように金属層付き導電性フィルムとして通常要求される厚さを達成するためには、光透過性支持層(A)の厚さを上記の上限値以下とすることが好ましい。
1.2 光透過性導電層(B)
光透過性導電層(B)は、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されている。
光透過性導電層(B)は導電性物質を含有する。導電性物質としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用金属層付き導電性フィルムにおいて通常用いられる導電性物質を用いることができる。
光透過性導電層(B)は、好ましくは、金属酸化物を含有する。
光透過性導電層(B)の素材は、特に限定されないが、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫及び酸化チタン等が挙げられる。光透過性導電層(B)としては、透明性と導電性を両立する点で酸化インジウムにドーパントをドープしたものを含む光透過性導電層が好ましい。光透過性導電層(B)は、酸化インジウムにドーパントをドープしたものからなる光透過性導電層であってもよい。ドーパントとしては、特に限定されないが、例えば、酸化スズ及び酸化亜鉛、並びにそれらの混合物等が挙げられる。
光透過性導電層(B)の素材として酸化インジウムに酸化スズをドープしたものを用いる場合は、酸化インジウム(III)(In)に酸化スズ(IV)(SnO)をドープしたもの(tin−doped indium oxide;ITO)が好ましい。この場合、SnOの添加量としては、特に限定されないが、例えば、1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%、より好ましくは3〜8重量%等が挙げられる。また、ドーパントの総量が左記の数値範囲を超えない範囲で、酸化インジウムスズにさらに他のドーパントが加えられたものを光透過性導電層(B)の素材として用いてもよい。左記において他のドーパントとしては、特に限定されないが、例えばセレン等が挙げられる。
光透過性導電層(B)は、上記の各種素材のうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。
光透過性導電層(B)は、特に限定されないが、結晶体若しくは非晶質体、又はそれらの混合体であってもよい。
光透過性導電層(B)の厚さは、特に限定されないが、通常は5〜50nmであり、好ましくは10〜40nm、より好ましくは12〜35nm、さらに好ましくは15〜30nmである。
光透過性導電層(B)を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、イオンプレーティング法、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、及びパルスレーザーデポジション法等が挙げられる。これらのうち、タッチパネル用途に低抵抗で大面積の均質な膜を安定に生産するという観点において、スパッタリング法が好ましい。
光透過性導電層(B)を形成する方法としては、導電性物質を焼成する工程を含有する方法が好ましい。焼成方法としては、特に限定されないが、例えばスパッタリング等を行う際のドラム加熱や、熱風式焼成炉、遠赤外線焼成炉などを例として挙げることができる。焼成温度は、特に限定されないが、通常は30〜250℃であり、好ましくは50〜200℃、より好ましくは80〜180℃、さらに好ましくは100〜160℃である。焼成時間は、好ましくは3分〜180分、より好ましくは5分〜120分、さらに好ましくは10分〜90分である。焼成を行う雰囲気としては、真空下、大気、窒素やアルゴンなどの不活性ガス、酸素、若しくは水素添加窒素等、又はこれらのうち二種以上の組合せが挙げられる。導電性物質を焼成することにより、導電性物質の結晶化が促進される。
1.3 密着層(C)
密着層(C)は、少なくとも一方の光透過性導電層(B)の光透過性支持層(A)とは反対側の面に直接配置されている。
密着層(C)は、Ni、Cr、Cu、Ti及びAl並びにそれの合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属を含有する。
密着層(C)は、好ましくは、Ni合金を含有する。
Ni合金としては、NiCu(「モネル」と呼ばれることもある)、NiCr及びNiCuTiが好ましく、さらにはそれらを酸化して成膜することが好ましい。酸化して成膜することにより得られる密着層(C)は、Ni合金の酸化物を含有する。
密着層(C)は、Ni合金としていずれか1種のNi合金を単独で含有していてもよいし、2種以上を含有していてもよい。2種以上を含有する場合、その混合比は適宜設定できる。
密着層(C)の厚さは、好ましくは1〜30nmであり、より好ましくは3〜20nm、さらに好ましくは5〜15nmである。
密着層(C)を形成する方法としては、特に限定されないが、好ましい方法として、例えばイオンプレーティング法、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、及びパルスレーザーデポジション法等が挙げられる。
密着層(C)は、EDS線分析において、
(i)前記光透過性支持層(A)からの距離が大きくなるにしたがって金属元素の割合が高くなるという傾斜組成を示す。このような傾斜組成を示すことにより、本発明の光透過性導電性フィルムにおいては、密着層(C)及び金属層(D)の界面における密着性が向上している。
密着層(C)及び金属層(D)の界面においては、密着層(C)が金属層(D)との距離が小さくなるほどに金属元素の割合が高くなる傾斜組成を有しており、このため、この界面において互いに接する材料同士の親和性が高くなることにより、両層間の密着性が向上すると考えられる。
また、同様に、光透過性導電層(B)が金属酸化物を含有する場合、
(ii)密着層(C)は、EDS線分析において、前記光透過性支持層(A)からの距離が小さくなるにしたがって、すなわち、光透過性導電層(B)との距離が小さくなるにしたがって、酸素元素の割合が高くなるという傾斜組成を示すものであると好ましい。このような傾斜組成を示すことにより、本発明の光透過性導電性フィルムにおいては、密着層(C)及び光透過性導電層(B)の界面における密着性が向上している。この界面において互いに接する材料同士の親和性が高くなることにより、両層間の密着性が向上すると考えられる。
本発明において、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)を用いたEDS線分析は具体的には次のようにして行う。各原子数の測定は、EDSを用いた公知の分析手段を用いて求めることができ、例えば、高分解能透過型電子顕微鏡とエネルギー分散型X線分析装置(EDS)「Voager」(ThermoNORAN製)又はその同等品を用いて測定することができる。具体的には、金属層付き導電性フィルムを、常温硬化性のエポキシ樹脂中に包埋させた後、40℃の雰囲気温の中で2日間硬化させ、得られた硬化物をダイヤモンドナイフを備えたウルトラミクロトームを用いて表面を平滑化させる。次いで、マイクログリッドを貼ったグリッドメッシュ上にウルトラミクロトームで切り出した切片を載せ、観察用試料を作製する。その後、200kV電界放出型TEM「JEM−2010F」(日本電子株式会社製)又はその同等品及びエネルギー分散型X線分析装置(EDS)「Voager」又はその同等品で構造と各原子分布を測定する。条件は以下のように設定する。
加速電圧 :200kV
TEM像観察倍率 :50000〜500000倍
測定エネルギー範囲 :0〜2000eV
上記要件(i)のみを、又は要件(i)及び要件(ii)をいずれも満たす密着層(C)は、酸化しながら成膜(酸化成膜)することにより得ることができるが、その製法は特に限定されない。
上記の酸化成膜方法は、特に限定されないが、例えばスパッタガスとして酸素以外のガスの中に酸素を混合したものを用いてスパッタリングする方法等が挙げられる。左記において、酸素以外のガスとしては、特に限定されないが、窒素及びアルゴン並びにそれらの混合ガス等が挙げられる。
また、本発明の光透過性導電性フィルムは、要件(i)及び(ii)の代わりに、以下の要件(iii)を満たすものであってもよい。
(iii)透過型電子顕微鏡により以下が観察される:
前記光透過性導電層(B)における、前記密着層(C)と接する界面から5nm入った厚さまでの領域における一次電子像から得られたみかけの結晶子(b);
前記密着層(C)における、光透過性導電層(B)および前記金属層(D)に接するそれぞれの界面から5nm入った厚さまでの領域における一次電子像から得られたみかけの結晶子(c)及び(c);及び
前記金属層(D)における、前記密着層(C)と接する界面から5nm入った厚さまでの領域における一次電子像から得られたみかけの結晶子(d)
について、前記結晶子(c)及び(c)の大きさがいずれも、前記結晶子(b)および結晶子(d)よりも小さく、かつ
前記光透過性導電層(B)における、前記密着層(C)と接する界面から5nm入った厚さまでの領域に前記結晶子(b)の隙間を埋める前記結晶子(c)が観察され、前記金属層(D)における、前記密着層(C)と接する界面から5nm入った厚さまでの領域に前記結晶子(d)の隙間を埋める前記結晶子(c)が観察される。
結晶子の関係が、上記のようになっていることによって、各層間の密着性が向上すると考えられる。
本発明において結晶子サイズは、X線回折測定を行い、酸化インジウム(In)の(222)ピークを用い、Scherrer法により求める。
また、本発明の光透過性導電性フィルムは、さらに要件(iii)に加えて、以下の要件(iv)を満たすものであれば密着性がより向上するため好ましい。
(iv)一次電子回折により、
光透過性導電層(B)において、隣り合う結晶子がほぼ同一方向に配向している回折像;及び
密着層(C)及び金属層(D)において、隣り合う結晶子が異なる方向に配向している回折像
がそれぞれ観察される。
光透過性導電層(B)が、一次電子回折により隣り合う結晶子がほぼ同一方向に配向している回折像を示す場合、この光透過性導電層(B)は結晶化が促進しているといえる。
密着層(C)及び金属層(D)が、隣り合う結晶子が異なる方向に配向している回折像を示す場合、両者において結晶子の配向状態が類似しているといえ、このため両層間が親和性を示し、両層間の密着性が向上すると考えられる。
さらに、本発明の光透過性導電性フィルムは、さらに要件(iii)及び(iv)に加えて、要件(v)を満たすものであれば、密着層(C)が応力の緩和効果を発揮することとなるため好ましい。
(v)一次電子回折により、
密着層(C)において、ハローリングの強度が金属層(D)におけるよりも高い回折像が観察される。
密着層(C)において、ハローリングの強度が金属層(D)におけるよりも高い回折像が観察される場合、密着層(C)のほうが光透過性導電層(B)及び金属層(D)のいずれよりもより結晶子がランダムに配向している状態であるといえる。このように、中間により結晶子がランダムに配向された層が介在していることにより、応力の緩和効果が発揮されると考えられる。
1.4 金属層(D)
金属層(D)は、密着層(C)に隣接している。言い換えれば、光透過性導電層(B)、密着層(C)及び金属層(D)がこの順で互いに隣接して配置されている。このように三層が配置されていることにより、光透過性導電層(B)及び密着層(C)の間、並びに密着層(C)及び金属層(D)の間の密着性がそれぞれ向上し、結果的にこれら三層が互いに強固に密着する。
金属層(D)は、引き出し配線として使用可能であればよく特に限定されないが、例えば、Cu、Ag、Al、Pd、Mo、Ti、Ta、W及びCr等、並びにそれの合金等が挙げられる。金属又は合金として、いずれか1種の金属又は合金を単独で使用してもよい。金属又は合金として、2種以上の金属又は2種以上の合金を使用してもよい。金属又は合金として、1種又は2種以上の金属を1種又は2種以上の合金とさらに組み合わせてもよい。
金属層(D)としては、Cu及びAg並びにそれらの合金を含有するものが好ましい。
Cu及びAg並びにそれらの合金のうち、いずれか1種を単独で含有していてもよいし、2種以上を含有していてもよい。合金としては、特に限定されないが、例えばCu合金として、Caが添加された合金(CuCa)、Mgが添加された合金(CuMg)及びMoが添加された合金(CuMo)等を挙げることができる。またAg合金として、Pd及びCuが添加された合金(AgPdCu)及びMoが添加された合金(AgMo)等を挙げることができる。
金属層(D)がCu及びその他の金属を含有するCu合金の場合、両者の混合比(重量比)としては、例えばCu:その他の金属=20:80〜99.9:0.1等が挙げられる。金属層(D)がAg及びその他の金属を含有するAg合金の場合、両者の混合比としては、例えばAg:その他の金属=50:50〜99.9:0.1等が挙げられる。
金属層(D)は、表面抵抗が、好ましくは10Ω以下であり、9Ω以下であればより好ましい。
金属層(D)の厚さは、特に限定されないが、好ましくは10〜500nm、より好ましくは50〜350nm、さらに好ましくは80〜250nmである。
金属層(D)を形成する方法としては、特に限定されないが、好ましい方法として、例えばイオンプレーティング法、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、及びパルスレーザーデポジション法等が挙げられる。これらのうち特に、生産性という観点において、Ni合金含有密着層(C)を形成する方法と同じ方法で形成されることが好ましい。
1.5 保護層(E)
本発明の金属層付き導電性フィルムは、金属層(D)としてCu又はCu合金を含有する層を含有する場合、さらに金属層(D)を保護する目的で少なくとも1種の保護層(E)が、金属層(D)の光透過性支持層(A)とは反対側の面に配置されていてもよい。
図3に、本発明の光透過性導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の一方の面に、光透過性導電層(B)が直接配置されており、密着層(C)、金属層(D)及び保護層(E)が、この順で互いに隣接して光透過性導電層(B)の光透過性支持層(A)とは反対側の面に直接配置されている。
図4に、本発明の光透過性導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の両方の面に、光透過性導電層(B)が直接配置されており、密着層(C)、金属層(D)及び保護層(E)が、この順で互いに隣接して光透過性導電層(B)の光透過性支持層(A)とは反対側の面に直接配置されている。
保護層(E)としては、特に限定されないが、例えばMo又はMo合金や、Ni又はNi合金を含有する層が挙げられる。
保護層(E)を構成するMo合金としては、MoにNbが添加された合金(MoNb)やTaが添加された合金(MoTa)等を例示することが出来る。また保護金属層を構成するNi合金としては、Ni合金含有密着層(C)と同様のNiCuやNiCrやNiCuTiを挙げることができる。保護層(E)としては、NiCu若しくはNiCr若しくはNiCuTiを含有する層が好ましい。
保護層(E)の厚さは、特に限定されないが、例えば1〜50nm等が挙げられる。
1.6 ハードコート層(F)
本発明の金属層付き導電性フィルムは、さらに、ハードコート層(F)を含有し、かつ少なくとも一方の光透過性導電層(B)が、少なくともハードコート層(F)を介して光透過性支持層(A)の面に配置されていてもよい。言い換えれば、少なくとも一方の光透過性導電層(B)が、ハードコート層(F)のみを介して光透過性支持層(A)の面に配置されていてもよいし、あるいは、ハードコート層(F)及びその他の少なくとも1種の層を介して光透過性支持層(A)の面に配置されていてもよい。後者の場合においては、当該光透過性導電層(B)が、当該ハードコート層(F)と隣接して配置されていてもよいし、さらにその他の少なくとも1種の層を介して当該ハードコート層(F)の面に配置されていてもよい。
ハードコート層(F)は、光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又はその他の少なくとも1種の層を介して配置されている。
ハードコート層(F)は、好ましくは光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に隣接して配置されている。
ハードコート層(F)は、一層が配置されていてもよい。あるいは二層以上が互いに隣接して、または他の層を介して互いに離間して配置されていてもよい。
図5に、本発明の金属層付き導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の一方の面に直接、ハードコート層(F)が配置されており、光透過性導電層(B)がハードコート層(F)を介して光透過性支持層(A)の面に配置されており、密着層(C)、金属層(D)及び保護層(E)が、この順で互いに隣接して光透過性導電層(B)の光透過性支持層(A)とは反対側の面に直接配置されている。
図6に、本発明の金属層付き導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の両方の面に直接、ハードコート層(F)が配置されており、光透過性導電層(B)がハードコート層(F)を介して光透過性支持層(A)の面に配置されており、密着層(C)、金属層(D)及び保護層(E)が、この順で互いに隣接して光透過性導電層(B)の光透過性支持層(A)とは反対側の面に直接配置されている。
図7に、本発明の金属層付き導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の一方の面に直接、ハードコート層(F)が配置されており、光透過性導電層(B)がハードコート層(F)を介して光透過性支持層(A)の面に配置されており、密着層(C)、金属層(D)及び保護層(E)が、この順で互いに隣接して光透過性導電層(B)の光透過性支持層(A)とは反対側の面に直接配置されており、光透過性支持層(A)の他方の面に直接、別のハードコート層(F)が配置されている。
本発明においてハードコート層とは、プラスチック表面の傷つきを防止する役割を果たすものをいう。ハードコート層(F)としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用金属層付き導電性フィルムにおいてハードコート層として通常用いられるものを用いることができる。
ハードコート層(F)の素材は、特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂及びアルキド系樹脂等が挙げられる。ハードコート層(F)の素材としては、さらに、シリカ、ジルコニア、チタニア及びアルミナ等のコロイド粒子等を上記樹脂中に分散させたものも挙げられる。ハードコート層(F)は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。ハードコート層(F)としては、ジルコニア粒子を分散したアクリル樹脂が好ましい。
ハードコート層(F)の一層あたりの厚さは、特に限定されないが、例えば0.1〜10μm、1〜7μm、及び2〜6μm等が挙げられる。二層以上が互いに隣接して配置されている場合は互いに隣接している全てのハードコート層(F)の合計厚さが上記範囲内であればよい。左記の例示列挙においては後出のものが前出のものよりも好ましい。
ハードコート層(F)を配置する方法としては、特に限定されないが、例えば、フィルムに塗布して、熱で硬化する方法、紫外線や電子線などの活性エネルギー線で硬化する方法等が挙げられる。生産性の点で、紫外線により硬化する方法が好ましい。
1.7 アンダーコート層(G)
本発明の金属層付き導電性フィルムは、さらに、アンダーコート層(G)を含有し、かつ少なくとも一方の光透過性導電層(B)が、少なくともアンダーコート層(G)を直接介して光透過性支持層(A)の面に配置されていてもよい。言い換えれば、少なくとも一方の光透過性導電層(B)が、アンダーコート層(G)のみを直接介して光透過性支持層(A)の面に配置されていてもよいし、あるいは、アンダーコート層(G)及びその他の少なくとも1種の層を介して光透過性支持層(A)の面に配置されていてもよい。後者の場合においては、当該光透過性導電層(B)が、当該アンダーコート層(G)と隣接して配置されており、さらにその他の少なくとも1種の層を介して当該ハードコート層(F)の面に配置されている。
図8に、本発明の金属層付き導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の一方の面に直接、ハードコート層(F)が配置されており、さらにアンダーコート層(G)がハードコート層(F)の光透過性支持層(A)とは反対側の面に直接配置されており、光透過性導電層(B)がハードコート層(F)及びアンダーコート層(G)を介して光透過性支持層(A)の面に配置されており、密着層(C)、金属層(D)及び保護層(E)が、この順で互いに隣接して光透過性導電層(B)の光透過性支持層(A)とは反対側の面に直接配置されている。
図9に、本発明の金属層付き導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の両方の面に直接、ハードコート層(F)が配置されており、さらにアンダーコート層(G)がハードコート層(F)の光透過性支持層(A)とは反対側の面に直接配置されており、光透過性導電層(B)がハードコート層(F)及びアンダーコート層(G)を介して光透過性支持層(A)の面に配置されており、密着層(C)、金属層(D)及び保護層(E)が、この順で互いに隣接して光透過性導電層(B)の光透過性支持層(A)とは反対側の面に直接配置されている。
図10に、本発明の金属層付き導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の一方の面に直接、ハードコート層(F)が配置されており、さらにアンダーコート層(G)がハードコート層(F)の光透過性支持層(A)とは反対側の面に直接配置されており、光透過性導電層(B)がハードコート層(F)及びアンダーコート層(G)を介して光透過性支持層(A)の面に配置されており、密着層(C)、金属層(D)及び保護層(E)が、この順で互いに隣接して光透過性導電層(B)の光透過性支持層(A)とは反対側の面に直接配置されており、光透過性支持層(A)の他方の面に直接、別のハードコート層(F)が配置されている。
なお、図8〜10において示されているハードコート層(F)は、必須ではない。
アンダーコート層(G)の素材は、特に限定されないが、例えば、誘電性を有するものであってもよい。アンダーコート層(G)の素材としては、特に限定されないが、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、シリコンアルコキシド、アルキルシロキサンの及びその縮合物、ポリシロキサン、シルセスキオキサン、ポリシラザン等が挙げられる。アンダーコート層(G)は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。酸化ケイ素を含むアンダーコート層(G)が好ましく、酸化ケイ素からなるアンダーコート層(G)がより好ましい。 アンダーコート層(G)は、一層が配置されていてもよい。あるいは二層以上が互いに隣接して、または他の層を介して互いに離間して配置されていてもよい。例えば二層が互いに隣接して配置されている場合、光透過性支持層(A)側にSiOからなる光透過性下地層(F−1)、光透過性導電層(B)側にSiO(x=1.0〜2.0)からなる光透過性下地層(F−2)を配置させる態様が挙げられる。
アンダーコート層(G)の一層あたりの厚さは、15〜25nm等が挙げられる。二層以上が互いに隣接して配置されている場合は互いに隣接している全てのアンダーコート層(G)の合計厚さが上記範囲内であればよい。左記の例示列挙においては後出のものが前出のものよりも好ましい。
アンダーコート層(G)の屈折率は、本発明の金属層付き導電性フィルムが金属層付き導電性フィルムとして使用できる限り特に限定されないが、例えば、1.4〜1.5が好ましい。
アンダーコート層(G)を配置するための方法としては、湿式及び乾式のいずれでもよく、特に限定されないが、湿式としては例えば、ゾル−ゲル法、微粒子分散液、コロイド溶液を塗布する方法等が挙げられる。
アンダーコート層(G)を配置する方法として、乾式としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、パルスレーザーデポジション法により隣接する層上に積層する方法等が挙げられる。
1.8 その他の層
本発明の金属層付き導電性フィルムは、光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、光透過性導電層(B)、Ni合金含有層(C)、金属層(D)及び保護層(E)に加えて、ハードコート層(F)、アンダーコート層(G)及びそれらと異なる少なくとも1種のその他の層(H)からなる群より選択される少なくとも1種の層がさらに配置されていてもよい。
その他の層(H)としては、特に限定されないが、例えば、高屈折率層及び接着層等が挙げられる。
接着層とは、二層の間に当該二層と互いに隣接して配置され、当該二層間を互いに接着するために配置される層である。接着層としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用金属層付き導電性フィルムにおいて接着層として通常用いられるものを用いることができる。接着層は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。
1.9 本発明の金属層付き導電性フィルムの用途
本発明の金属層付き導電性フィルムは、引出し配線として利用し得る金属層と光透過性導電層との間の密着性が高いため、特に限定されないが、例えばタッチパネルの製造のため等に好ましく用いられる。タッチパネルについて詳細は、2で説明する通りである。
2.本発明のタッチパネル
本発明の静電容量型タッチパネルは、本発明の光透過性導電性フィルムを含み、さらに必要に応じてその他の部材を含んでなる。
本発明の静電容量型タッチパネルの具体的な構成例としては、次のような構成が挙げられる。なお、保護層(1)側が操作画面側を、ガラス(5)側が操作画面とは反対側を向くようにして使用される。
(1)保護層
(2)本発明の光透過性導電性フィルム(Y軸方向)
(3)絶縁層
(4)本発明の光透過性導電性フィルム(X軸方向)
(5)ガラス
本発明の静電容量型タッチパネルは、特に限定されないが、例えば、上記(1)〜(5)、並びに必要に応じてその他の部材を通常の方法に従って組み合わせることにより製造することができる。
3.本発明の金属層付き導電性フィルムの製造方法
本発明の金属層付き導電性フィルムの製造方法は、
(A)光透過性支持層;
(B)光透過性導電層;
(C)Ni、Cr、Cu、Ti及びAl並びにそれの合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属を含有する密着層;及び
(D)Cu若しくはAg又はそれの合金を含有する、表面抵抗が10Ω以下の金属層
を含有する金属層付き導電性フィルムであって、
前記光透過性導電層(B)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、
少なくとも一方の前記光透過性導電層(B)の前記光透過性支持層(A)とは反対側の面に、前記前記密着層(C)及び前記金属層(D)が、この順で互いに隣接して直接配置されている金属層付き導電性フィルムを製造する方法であって、
EDS線分析において、
(i)前記光透過性支持層(A)からの距離が大きくなるにしたがって金属元素の割合が高くなるような傾斜組成
を示す前記密着層(C)の面に、金属層(D)を配置する工程
を含有する方法である。
本発明の金属層付き導電性フィルムの上記製造方法は、
EDS線分析において、
上記傾斜組成(i)に加えて、
(ii)前記光透過性支持層(A)からの距離が小さくなるにしたがって酸素元素の割合が高くなるという傾斜組成
を示す前記密着層(C)の面に、金属層(D)を配置する工程
を含有する方法であればより好ましい。
上記において、それぞれの層を配置する工程は、それぞれの層について説明した通りである。それぞれの層を配置する順番については、特に限定されない。例えば、光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に光透過性支持層(A)側から順次配置させてもよい。あるいは、例えば、最初に光透過性支持層(A)ではない層(例えば、光透過性導電層(B))の一方の面に他の層を配置させてもよい。あるいは、一方で2種以上の層を互いに隣接するように配置させることにより1種の複合層を得てから、又はそれと同時に、他方で同様に2種以上の層を互いに隣接するように配置させることにより1種の複合層を得て、これらの2種の複合層をさらに互いに隣接するように配置させてもよい。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
以下の製法により、それぞれ金属層付き導電性フィルムを得た。
1. 実施例1及び比較例1
以下の組成及び層厚を有する層(A)、(F)、(H)、(G)、(B)、(C)、(D)及び(E)をこの記載順で光透過性支持層(A)側から順に積層することにより、金属層付き導電性フィルムを作製した。
(A)光透過性支持層
組成:PET
層厚:125μm
(F)ハードコート層
PET基材(光透過性支持層(A))の上に、光重合剤含有ウレタンアクリレートオリゴマーと溶剤を混合してなる液状組成物をグラビアロールコーターで塗工し、その塗工膜をドライヤー焼成炉を用いて100℃×1分の条件で加熱乾燥した。次いで、乾燥後の塗工膜に対して紫外線を照射することにより(照射量:200mJ/cm)、光透過性支持層(A)上に厚さ約3μmのハードコート層(F)を設けた。光透過性支持層(A)の他方の面に対しても同一の作業を施すことにより、光透過性支持層(A)の両面に厚さ約3μmのハードコート層(F)が設けられてなるハードコートフィルムを得た。
(H)高屈折率層
得られたハードコートフィルムの一方の面に、平均粒子径が20〜40nmである酸化ジルコニウム、多官能ウレタンアクリレートオリゴマー、光重合開始剤、溶剤を混合して調製した液状組成物をロールコーターで塗工し、その塗工膜をドライヤー焼成炉を用いて100℃×1分の条件で加熱乾燥した。次いで、乾燥後の塗工膜に対して、窒素パージ下において紫外線を照射して(照射量:200mJ/cm)、塗工膜に含まれるウレタンアクリレートオリゴマーを架橋することにより、光透過性支持層(A)のハードコート上に高屈折率層を設けた。なお、最終的に得られる高屈折率層(H)の光学膜厚が1.5μmとなるように、高屈折率層材料からなる塗工膜の厚さを調整した。
(G)アンダーコート層
この高屈折率層の上に、DCスパッタリング法により光透過性下地層としてSiOx層を積層した。SiOx層の厚みは10nmであった。
(B)光透過性導電層(ITO層)
アンダーコート層(G)の上に、連続してDCスパッタを用いて酸化インジウム及び酸化スズの混合物(ITO)を積層化した。具体的には次のように行った。SnO27重量%のITO焼結体ターゲットをカソードに設置し、アルゴンガス95%、酸素ガス5%の混合ガスを導入し真空度3×10−4PaでITO薄膜を積層した。その後、後アニールの場合は、そのまま(C)、(D)、(E)の積層に移行した。一方先アニールの場合は、光透過性導電層(B)積層後のフィルムを熱風焼成炉中(大気雰囲気下)、150℃で1時間熱処理した(実施例1)。このようにして得られた先アニール後の光透過性導電層(B):ITOの膜厚は約18nm、表面抵抗は135Ω/sq、全光線透過率は89%であった。
(C)密着層
組成:NiCu(ただし、比較例1は密着層を設けなかった。)
実施例1の層厚:10nm
(D)金属層
組成:Cu
層厚:125nm
(E)保護層
組成:NiCu
層厚:5nm
保護層(E)まで積層したフィルムを、遠赤外線焼成炉中(大気雰囲気下)、170℃で12分間熱処理した。
層(C)〜(E)の積層は次のようにしてDCスパッタリング法により行った。
光透過性導電層(B)の表面に、銅を35重量%の割合で含有するニッケル(NiCu)をターゲット材料として用い、DCマグネトロンスパッタリング法により密着層(C)を形成した。なお、実施例1におけるスパッタガスとしてはArガス75%、酸素ガス25%の混合ガスを使用し、チャンバー内の圧力は0.2〜0.4Paとした。このとき、Arガスの流量は30sccm、酸素ガスの流量は30sccmであった。なお、比較例1ではArガスを使用し酸素ガスを使用しなかった。
引き続いて、チャンバー内を大気開放することなく、銅(Cu)をターゲット材料として用いて、DCマグネトロンスパッタリング法により、引出し電極形成用の金属層(D)を設けた。具体的には、チャンバー内を8×10−4Pa以下となるまで真空排気した後に、Arガス(濃度:99.9%。以下、同じ。)を導入し、チャンバー内の圧力を0.2〜0.4Paとした。
さらに引き続いて、チャンバー内を大気開放することなく、銅の酸化防止層として、銅を35重量%の割合で含有するニッケル(NiCu)をターゲット材料として用い、DCマグネトロンスパッタリング法により保護層(E)を形成した。なお、スパッタガスとしてはArガスを使用し、チャンバー内の圧力は0.2〜0.4Paとした。
(金属層の密着力評価)
それぞれの金属層付き導電性フィルムについて、JIS K−5400−1990の8.5.3付着性碁盤目テープ法に則って試験を行った。3M社製の粘着テープ(商品番号:610)を各フィルムに貼り付け、その後、当該粘着テープを当該フィルムから引き剥がす。これにより層(D)又は層(E)の一部が剥離する程度を指標に評価を行った。具体的には、テープ側に付着した剥離片の外観を観察し、上記JISテープ法に定められる基準に基づいて剥離ランク0〜5のいずれかに該当するかを決定した。「剥離ランク0」は「カットされた縁は完全にスムーズで格子の四角部分は一つも剥がれたりはしていない」状態に該当する。「剥離ランク1」は、「カットの交わったところに小さなフレーク状の剥れが見られる。クロスカットエリアの5%以下が影響を受けている」状態に該当する。「剥離ランク2」は、「縁又はカットが交わる点に沿ってコーティングのフレーク状の剥れが見られる。クロスカットエリアで影響を受けているのは5%以上ではあるが、15%を超えることはない」状態に該当する。「剥離ランク3」は、「カットの縁に沿って部分的又は全体的にリボン状にフレークオフしているか、或いは四角の異なった部分が一部又は全部剥れている。クロスカットエリアの15%以上、35%以下が影響を受けている」状態に該当する。「剥離ランク4」は、「カットの縁に沿ってコーティングが部分的又は全体がリボン状にフレークオフしている。四角部分の一部又は全部が剥がれている。クロスカットエリアの35%以上、65%以上が影響を受けている」状態に該当する。さらに、「剥離ランク5」は、「剥離ランク4にも当てはまらない、それ以上の剥がれが生じている」状態に該当する。
(金属層のエッチング性評価)
エッチング処理は、下記の条件で行った。
室温下、容器中で、攪拌した状態のエッチング液(CuSO;10重量部、NHCl;20重量部、HCl;5重量部を混合した水溶液からなる)に、金属層付き導電性フィルムを浸漬し、光透過性導電層(B)上に積層された密着層(C)、金属層(D)及び保護層(E)を剥離した。
エッチング後の導電性フィルムの表面に対して表面抵抗値の測定を、下記の方法により行った。
MITSUBISHI CHEMICAL ANALYTECH社製の表面抵抗計(商品名:Loresta−EP)を用いて、4探針法により測定した。
Figure 2015056321
図11に示したとおり、EDX測定により、実施例1の(C)下地層では銅および酸素元素について、光透過性支持層(A)からの距離が大きくなるにしたがって銅および酸素元素の割合が高くなるような傾斜組成となっていることが観察された。
また、実施例1、比較例1で得られた金属層付き導電性フィルムについて、使用したそれぞれの材料について、作製途中でサンプルを抜き出し、一次電子回折により回折像を観察した。
実施例1では、前記光透過性導電層(B)における前記密着層(C)と接する界面から5nm入った厚さまでの領域に20nm超のサイズの結晶子(b)の隙間を埋める約3nmのサイズの結晶子(cB)が観察され、前記金属層(D)における、前記密着層(C)と接する界面から5nm入った厚さまでの領域に20nm超のサイズの結晶子(d)の隙間を埋める約3nmのサイズの前記結晶子(c)が観察された。光透過性導電層(B)において、隣り合う結晶子がほぼ同一方向に配向している回折像が得られ、密着層(C)及び金属層(D)において、隣り合う結晶子が異なる方向に配向している回折像がそれぞれ観察された。また、実施例1では、密着層(C)におけるハローリングの強度が金属層(D)におけるよりも高い回折像が観察された。
1 金属層付き導電性フィルム
11 光透過性支持層(A)
12 光透過性導電層(B)
13 密着層(C)
14 金属層(D)
15 保護層(E)
16 ハードコート層(F)
17 アンダーコート層(G)

Claims (9)

  1. (A)光透過性支持層;
    (B)光透過性導電層;
    (C)Ni、Cr、Cu、Ti及びAl並びにそれの合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属を含有する密着層;及び
    (D)金属又は金属酸化物を含有する金属層
    を含有する金属層付き導電性フィルムであって、
    前記光透過性導電層(B)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、
    少なくとも一方の前記光透過性導電層(B)の前記光透過性支持層(A)とは反対側の面に、前記前記密着層(C)及び前記金属層(D)が、この順で互いに隣接して直接配置されており、
    前記密着層(C)が、EDS線分析において、
    (i)前記光透過性支持層(A)からの距離が大きくなるにしたがって金属元素の割合が高くなるような傾斜組成を示すことを特徴とする、金属層付き導電性フィルム。
  2. 前記光透過性導電層(B)が、金属酸化物を含有し、かつ
    前記密着層(C)が、EDS線分析において、
    (ii)前記光透過性支持層(A)からの距離が小さくなるにしたがって酸素元素の割合が高くなるような傾斜組成を示す、請求項1に記載の金属層付き導電性フィルム。
  3. (A)光透過性支持層;
    (B)光透過性導電層;
    (C)Ni、Cr、Cu、Ti及びAl並びにそれの合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属を含有する密着層;及び
    (D)Cu若しくはAg又はそれの合金を含有する金属層
    を含有する金属層付き導電性フィルムであって、
    前記光透過性導電層(B)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、
    少なくとも一方の前記光透過性導電層(B)の前記光透過性支持層(A)とは反対側の面に、前記前記密着層(C)及び前記金属層(D)が、この順で互いに隣接して直接配置されており、
    透過型電子顕微鏡により以下が観察されることを特徴とする、金属層付き導電性フィルム:
    前記光透過性導電層(B)における、前記密着層(C)と接する界面から5nm入った厚さまでの領域における一次電子像から得られたみかけの結晶子(b);
    前記密着層(C)における、光透過性導電層(B)および前記金属層(D)に接するそれぞれの界面から5nm入った厚さまでの領域における一次電子像から得られたみかけの結晶子(c)及び(c);及び
    前記金属層(D)における、前記密着層(C)と接する界面から5nm入った厚さまでの領域における一次電子像から得られたみかけの結晶子(d)
    について、前記結晶子(c)及び(c)の大きさがいずれも、前記結晶子(b)および結晶子(d)よりも小さく、かつ
    前記光透過性導電層(B)における、前記密着層(C)と接する界面から5nm入った厚さまでの領域に前記結晶子(b)の隙間を埋める前記結晶子(c)が観察され、前記金属層(D)における、前記密着層(C)と接する界面から5nm入った厚さまでの領域に前記結晶子(d)の隙間を埋める前記結晶子(c)が観察される。
  4. 一次電子回折により、
    光透過性導電層(B)において、隣り合う結晶子がほぼ同一方向に配向している回折像;及び
    密着層(C)及び金属層(D)において、隣り合う結晶子が異なる方向に配向している回折像
    がそれぞれ観察される、請求項3に記載の金属層付き導電性フィルム。
  5. 一次電子回折により、
    密着層(C)において、ハローリングの強度が金属層(D)におけるよりも高い回折像が観察される、請求項4に記載の金属層付き導電性フィルム。
  6. 前記光透過性導電層(B)が、酸化インジウムスズを含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の金属層付き導電性フィルム。
  7. 前記Ni合金が、NiCu及びNiCrからなる群より選択される少なくとも1種のNi合金である、請求項1〜6のいずれかに記載の金属層付き導電性フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の金属層付き導電性フィルムを含有する、タッチパネル。
  9. (A)光透過性支持層;
    (B)光透過性導電層;
    (C)Ni、Cr、Cu、Ti及びAl並びにそれの合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属を含有する密着層;及び
    (D)Cu若しくはAg又はそれの合金を含有する、表面抵抗が10Ω以下の金属層
    を含有する金属層付き導電性フィルムであって、
    前記光透過性導電層(B)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、
    少なくとも一方の前記光透過性導電層(B)の前記光透過性支持層(A)とは反対側の面に、前記前記密着層(C)及び前記金属層(D)が、この順で互いに隣接して直接配置されている金属層付き導電性フィルムを製造する方法であって、
    EDS線分析において、
    (i)前記光透過性支持層(A)からの距離が大きくなるにしたがって金属元素の割合が高くなるような傾斜組成
    を示す前記密着層(C)の面に、金属層(D)を配置する工程
    を含有する方法。
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