JP2015054538A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】破断強力や耐疲労性を低下させずゴム浸透性を改善する空気入りラジアルタイヤを提供する。【解決手段】1本のコアフィラメント11と周囲に撚り合わされたN本(N=5〜6)のフィラメント12からなる中間層12Aと、周囲に撚り合わされたM本(M=10〜12)のフィラメント13からなる最外層13Aを有するスチールコード10を用い、フィラメント11〜13の素線径d1〜d3がd1>d2>d3を満たし、コアフィラメント11の引張強度T1(MPa)がその素線径d1(mm)に対してT1≧4500−2000d1を満たし、中間層12Aのフィラメント12の引張強度T2(MPa)がその素線径d2(mm)に対して4200−2000d2≰T2≰4400−2000d2を満たし、最外層13Aのフィラメント13の引張強度T3(MPa)がその素線径d3(mm)に対してT3≰4100−2000d3を満たす。【選択図】図2

Description

本発明は、1本のコアフィラメントとN本(N=5〜6)のフィラメントからなる中間層とM本(M=10〜12)のフィラメントからなる最外層とを有するスチールコードをカーカス層に代表される補強層の補強コードとして用いた空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは、破断強力や耐疲労性を低下させることなくコード内部へのゴム浸透性を改善することを可能にした空気入りラジアルタイヤに関する。
トラック・バス用の空気入りラジアルタイヤにおいて、カーカス層の補強コードとして、複層撚り構造を有するスチールコードが広く使用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。より具体的には、例えば、1本のコアフィラメントと、該コアフィラメントの周囲に撚り合わされた6本のフィラメントからなる中間層と、該中間層の周囲に撚り合わされた12本のフィラメントからなる最外層とを有する1+6+12構造のスチールコードが挙げられる。
このような複層撚り構造を有するスチールコードは、トラック・バス用の空気入りラジアルタイヤのカーカス層の補強コードとして好ましく使用されるが、その撚り構造に起因してコード内部へのゴム浸透性が低いため、フレッティングによる破断が懸念されている。そこで、ゴム浸透性を改善するために、中間層や最外層のフィラメント本数を減らすことが考えられるが、この場合、中間層や最外層のフィラメント本数を過度に減少させるとコード全体としての破断強力が低下することになる。また、ゴム浸透性を改善するために、コアフィラメントを増径させて中間層や最外層を構成するフィラメントの相互間に隙間を形成することが考えられるが、この場合、スチールコードが曲げ変形を受けた際に太くしたコアフィラメントに生じる歪が相対的に大きくなるため、コアフィラメントが破断し易くなり、その耐疲労性が低下することになる。
特開2008−290502号公報 特開2007−15627号公報 特開2005−336664号公報
本発明の目的は、複層撚り構造を有するスチールコードを補強層の補強コードとして用いるにあたって、破断強力や耐疲労性を低下させることなくコード内部へのゴム浸透性を改善することを可能にした空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りラジアルタイヤは、複数本の補強コードを含む補強層を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、前記補強コードとして、1本のコアフィラメントと、該コアフィラメントの周囲に撚り合わされたN本(N=5〜6)のフィラメントからなる中間層と、該中間層の周囲に撚り合わされたM本(M=10〜12)のフィラメントからなる最外層とを有するスチールコードを用い、前記コアフィラメントの素線径d1と前記中間層のフィラメントの素線径d2と前記最外層のフィラメントの素線径d3がd1>d2>d3の関係を満たし、前記コアフィラメントの引張強度T1(MPa)がその素線径d1(mm)に対してT1≧4500−2000d1の関係を満たし、前記中間層のフィラメントの引張強度T2(MPa)がその素線径d2(mm)に対して4200−2000d2≦T2≦4400−2000d2の関係を満たし、前記最外層のフィラメントの引張強度T3(MPa)がその素線径d3(mm)に対してT3≦4100−2000d3の関係を満たすことを特徴とするものである。
本発明では、空気入りタイヤの補強層の補強コードとして、1本のコアフィラメントと、該コアフィラメントの周囲に撚り合わされたN本(N=5〜6)のフィラメントからなる中間層と、該中間層の周囲に撚り合わされたM本(M=10〜12)のフィラメントからなる最外層とを有するスチールコードを構成するにあたって、各層のフィラメントの素線径d1,d2,d3をスチールコードの中心側に向かって順次大きくすることにより、中間層や最外層を構成するフィラメントの相互間に適度な隙間を形成し、コード内部へのゴム浸透性を改善することができる。そのため、スチールコードのフレッティングによる破断や錆の拡散を防止することができる。
また、各層のフィラメントの素線径d1,d2,d3をスチールコードの中心側に向かって順次大きくすると同時に、各層のフィラメントの引張強度T1,T2,T3をスチールコードの中心側に向かって順次大きくすることにより、相対的に太くしたフィラメントにおける耐疲労性の低下を回避することができる。更に、中間層及び最外層のフィラメント本数を十分に確保しているので、コード全体としての破断強力の低下を回避することができる。これにより、空気入りラジアルタイヤの耐久性を向上することができる。
本発明において、コアフィラメントの素線径d1が0.23mm以下であり、コアフィラメントの素線径d1と中間層のフィラメントの素線径d2が1.0<d1/d2≦1.1の関係を満たし、中間層のフィラメントの素線径d2と最外層のフィラメントの素線径d3が1.0<d2/d3≦1.1の関係を満たすことが好ましい。これにより、安定した撚り構造の下で良好な耐疲労性を維持しながら、ゴム浸透性の改善効果を得ることができる。
また、コアフィラメントにはスパイラル状の型付けが施されており、該コアフィラメントの波高Hがその素線径d1に対してH≦1.1d1の関係を満たすことが好ましい。コアフィラメントに対してスパイラル状の型付けを施すことでゴム浸透性の改善効果を高めることができる。しかも、コアフィラメントの波高Hを上記の如く規定することにより、安定した撚り構造の下で良好な耐疲労性を維持しながら、ゴム浸透性の改善効果を得ることができる。
本発明において、上記スチールコードが使用される補強層は特に限定されるものではなく、例えば、カーカス層、ベルト層、サイド補強層を挙げることができる。しかしながら、上記スチールコードの特性を考慮すると、該スチールコードが使用される補強層はカーカス層であることが好ましい。この場合、カーカス層におけるコード内部へのゴム浸透性を改善し、かつ破断強力や耐疲労性を良好に維持することにより、空気入りラジアルタイヤの耐久性を効果的に改善することができる。
本発明はトラック・バス用の空気入りラジアルタイヤに適用することが好適であるが、上述のようなスチールコードがカーカス層の補強コードとして使用される限りにおいて、上記以外の用途の空気入りラジアルタイヤにも適用可能である。
本発明の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを示す子午線半断面図である。 本発明で使用される複層撚り構造を有するスチールコードの一例を示す断面図である。 本発明で使用される複層撚り構造を有するスチールコードの他の例を示す断面図である。 図3のスチールコードのコアフィラメントを抽出して示す側面図である。 従来の複層撚り構造を有するスチールコードを示す断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを示し、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右一対のビード部3,3間にはタイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含むカーカス層4が装架され、そのカーカス層4の端部がビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。
また、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層6が埋設されている。これらベルト層6はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層6において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば20°〜60°の範囲に設定されている。
上記空気入りラジアルタイヤにおいて、カーカス層4の補強コードとして、後述する複層撚り構造を有するスチールコードが使用されている。
図2は本発明で使用される複層撚り構造を有するスチールコードの一例を示すものである。図2に示すように、スチールコード10は、型付けが施されていない1本のコアフィラメント11と、該コアフィラメント11の周囲に撚り合わされたN本(N=5〜6)のフィラメント12からなる中間層12Aと、該中間層12Aの周囲に撚り合わされたM本(M=10〜12)のフィラメント13からなる最外層13Aとを有している。本実施形態において、スチールコード10は1本のコアフィラメント11と6本のフィラメント12からなる中間層12Aと12本のフィラメント13からなる最外層13Aとから構成されている。つまり、1+6+12構造である。
コアフィラメント11の素線径d1と中間層12Aのフィラメント12の素線径d2と最外層13Aのフィラメント13の素線径d3はd1>d2>d3の関係を満たしている。つまり、各層のフィラメント11〜13の素線径d1〜d3はスチールコード10の中心側に向かって順次大きくなっている。
また、コアフィラメント11の引張強度T1(MPa)はその素線径d1(mm)に対してT1≧4500−2000d1の関係を満たし、中間層12Aのフィラメント12の引張強度T2(MPa)はその素線径d2(mm)に対して4200−2000d2≦T2≦4400−2000d2の関係を満たし、最外層13Aのフィラメント13の引張強度T3(MPa)はその素線径d3(mm)に対してT3≦4100−2000d3の関係を満たしている。これらフィラメント11〜13の引張強度は、スチールの炭素含有量や伸線加工度に基づいて適宜調整することが可能である。
上述した空気入りラジアルタイヤでは、カーカス層4の補強コードとして、1本のコアフィラメント11と、該コアフィラメント11の周囲に撚り合わされたN本(N=5〜6)のフィラメント12からなる中間層12Aと、該中間層12Aの周囲に撚り合わされたM本(M=10〜12)のフィラメント13からなる最外層13Aとを有するスチールコード10を構成するにあたって、各層のフィラメント11〜13の素線径d1〜d3をスチールコード10の中心側に向かって順次大きくすることにより、従来のスチールコード20のように同一素線径を有するフィラメント21〜23が緊密状態で配置される場合(図5参照)とは異なって、中間層12Aや最外層13Aを構成するフィラメント12,13の相互間に適度な隙間を形成し、スチールコード10の内部へのゴム浸透性を改善することができる。そのため、スチールコード10のフィラメント同士の接触を回避してフレッティングによる破断を防止することができ、また、スチールコード10内に浸透した水分に起因する錆の拡散を防止することができる。
ここで、フィラメント11〜13の素線径d1〜d3についてd1>d2>d3の関係が満たされていないと、ゴム浸透性の改善効果を十分に得ることができない。特に、コアフィラメント11の素線径d1は0.23mm以下であり、コアフィラメント11の素線径d1と中間層12Aのフィラメント12の素線径d2とは1.0<d1/d2≦1.1の関係を満たし、中間層12Aのフィラメント12の素線径d2と最外層13Aのフィラメント13の素線径d3とは1.0<d2/d3≦1.1の関係を満たすことが望ましい。これにより、安定した撚り構造の下で良好な耐疲労性を維持しながら、ゴム浸透性の改善効果を得ることができる。コアフィラメント11の素線径d1が大き過ぎたり、隣接する層間での素線径d1〜d3の差が大き過ぎたりすると、フィラメント11〜13を所定の位置に配置し難くなり、安定した撚り構造を得ることが困難になる。スチールコード10の破断強力を確保するために、コアフィラメント11の素線径d1の下限値は0.15mmとすると良い。
また、上述した空気入りラジアルタイヤでは、フィラメント11〜13の素線径d1〜d3をスチールコード10の中心側に向かって順次大きくすると同時に、フィラメント11〜13の引張強度T1〜T3をスチールコード10の中心側に向かって順次大きくすることにより、相対的に太くしたフィラメント11,12における耐疲労性の低下を回避することができる。つまり、スチールコード10が曲げ変形を受けた際にフィラメント11〜13に生じる歪はその素線径d1〜d3が大きいほど大きくなるが、その素線径d1〜d3に対応させてフィラメント11〜13の引張強度T1〜T3を互いに異ならせることにより、スチールコード10の耐疲労性を改善することができる。
ここで、コアフィラメント11の引張強度T1(MPa)はその素線径d1(mm)に対してT1≧4500−2000d1の関係を満たすことが必要であるが、この引張強度T1が4500−2000d1(MPa)よりも小さいと、コアフィラメント11の耐疲労性が不十分になる。引張強度T1の上限値は、コード生産性とコード靱性を良好に維持するために、4400MPaとすると良い。中間層12Aのフィラメント12の引張強度T2(MPa)はその素線径d2(mm)に対して4200−2000d2≦T2≦4400−2000d2の関係を満たすことが必要であるが、この引張強度T2が4200−2000d2(MPa)よりも小さいと中間層12Aのフィラメント12の耐疲労性が不十分になり、逆に4400−2000d2(MPa)よりも大きいとコード生産性が低下し、また、コード靱性の低下により断線を生じ易くなる。最外層13Aのフィラメント13の引張強度T3(MPa)はその素線径d3(mm)に対してT3≦4100−2000d3の関係を満たすことが必要であるが、この引張強度T3が4100−2000d3(MPa)よりも大きいとコード生産性が低下し、また、コード靱性の低下により断線を生じ易くなる。引張強度T3の下限値は、スチールコード10の破断強力を確保するために、3100MPaとすると良い。
更に、上述した空気入りラジアルタイヤでは、中間層12Aを構成するフィラメント12の本数をN本(N=5〜6)とし、最外層13Aを構成するフィラメント13の本数をM本(M=10〜12)としているので、スチールコード10の破断強力の低下を回避しながらゴム浸透性を改善することができる。ここで、フィラメント12,13の本数が少な過ぎるとスチールコード10の破断強力が低下し、逆に多過ぎるとスチールコード10の内部へのゴム浸透性が低下する。
図3及び図4は本発明で使用される複層撚り構造を有するスチールコードの他の例を示すものである。図3及び図4に示すように、スチールコード10は、1本のコアフィラメント11と、該コアフィラメント11の周囲に撚り合わされたN本(N=5〜6)のフィラメント12からなる中間層12Aと、該中間層12Aの周囲に撚り合わされたM本(M=10〜12)のフィラメント13からなる最外層13Aとを有している。コアフィラメント11にはスパイラル状の型付けが施されており、該コアフィラメント11の波高Hがその素線径d1に対してH≦1.1d1の関係を満たしている。
このようにコアフィラメント11に対してスパイラル状の型付けを施すことでゴム浸透性の改善効果を高めることができる。しかも、コアフィラメント11の波高HをH≦1.1d1の関係とすることにより、安定した撚り構造の下で良好な耐疲労性を維持しながら、ゴム浸透性の改善効果を得ることができる。ここで、波高Hが1.1d1よりも大きいとフィラメント11〜13を所定の位置に配置し難くなり、安定した撚り構造を得ることが困難になる。
上述した実施形態では、所定の複層撚り構造を有するスチールコード10をカーカス層4に使用した場合について説明したが、本発明では、上記のようなスチールコード10を他の補強層に適用することが可能である。
タイヤサイズ295/80R22.5の空気入りラジアルタイヤにおいて、カーカス層の補強コードだけを異ならせた従来例、比較例1〜3及び実施例1〜5のタイヤを製作した。
即ち、従来例、比較例1〜3及び実施例1〜5において、カーカス層の補強コードとして、1本のコアフィラメントと、該コアフィラメントの周囲に撚り合わされた6本のフィラメントからなる中間層と、該中間層の周囲に撚り合わされた12本のフィラメントからなる最外層とを有するスチールコードを使用し、各フィラメントの引張強度T1,T2,T3、素線径d1,d2,d3、比d1/d2、比d2/d3、コアフィラメントの素線径d1に対する波高Hの比H/d1を表1のように設定した。
なお、タイヤ成形時におけるクラウン部でのカーカスコードの打ち込み密度を28本/50mmとし、加硫後におけるクラウン部でのカーカスコードの打ち込み密度を15.5本/50mmとした。つまり、タイヤクラウン部の周長増加率は約82%であった。
これら試験タイヤについて、下記の評価方法により、コード生産性、ゴム浸透率及びコード耐久性を評価し、その結果を表1に併せて示した。
コード生産性:
各試験タイヤに使用されるスチールコードを生産するにあたって、その生産性を評価した。評価結果は、安定した撚り構造が得られた場合を「○」で示し、撚り構造に若干の乱れが生じた場合、もしくは撚り工程中でフィラメント断線が若干生じた場合を「△」で示し、撚り構造が大幅に乱れてコード生産性が低下した場合、もしくは撚り工程中でフィラメント断線が著しく生じた場合を「×」で示した。
ゴム浸透率:
各試験タイヤからカーカス層のスチールコードを取り出し、カッターナイフでスチールコードの外側に付着したゴムを除去し、最外層から1本のフィラメントを除去し、コード内のゴム浸透率を目視にて測定した。次いで、最外層のフィラメントを全て除去し、中間層の外側に付着したゴムを除去し、中間層から1本のフィラメントを除去し、コード内のゴム浸透率を目視にて測定した。このような測定をタイヤ周上の8ケ所に配置されたスチールコードについて行い、これら8本のスチールコードの最外層内及び中間層内のゴム浸透率の平均値を求め、これをゴム浸透率とした。
コード耐久性:
各試験タイヤからカーカス層のスチールコードを全長にわたって取り出し、145℃×25分の加硫条件で、幅10mm、厚さ5mm、長さ500mmのゴムブロックの中心に上述のスチールコードを埋め込んだ試験片を作製した。その試験片をローラー径が35mmである3点ローラー式の回転曲げ疲労試験機に装着し、コード張力180Nの条件で試験片中のスチールコードが破断するまで疲労試験を実施した。各試験タイヤについて、25本のスチールコードについて疲労試験を行い、破断回数の中央値を求めた。評価結果は従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどコード耐久性が良好であることを意味する。
Figure 2015054538
表1から明らかなように、実施例1〜5では、従来例との対比において、ゴム浸透率が高く、コード耐久性が良好であった。これに対して、比較例1では、中間層及び最外層のフィラメントの素線径d2,d3が同じであるため、ゴム浸透率の改善効果が得られなかった。比較例2では、コアフィラメント及び中間層のフィラメントの素線径d1,d2が同じであるため、ゴム浸透率の改善効果が得られなかった。比較例3では、全てのフィラメントの引張強度T1,T2,T3を一様に高くしたため、コード生産性が悪く、しかもコード靱性の低下によりコード耐久性が低下していた。
また、実施例2では、比d1/d2及び比d2/d3を共に適正化したため、実施例1に比べてスチールコードの撚り構造が安定し、耐疲労性の向上によりコード耐久性が改善されていた。実施例3では、フィラメントの素線径d1〜d3を相対的に大きくしたため、実施例2に比べて耐疲労性の改善効果が低下していた。実施例4では、コアフィラメントに適度な型付けを施しているため、実施例2に比べてゴム浸透性や耐疲労性や耐フレッティング性が改善されていた。実施例5では、コアフィラメントの型付けが大きいため、実施例4に比べてゴム浸透性は更に改善されるものの、耐疲労性の改善効果が低下していた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ベルト層
10 スチールコード
11 コアフィラメント
12 中間層のフィラメント
12A 中間層
13 最外層のフィラメント
13A 最外層

Claims (4)

  1. 複数本の補強コードを含む補強層を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、前記補強コードとして、1本のコアフィラメントと、該コアフィラメントの周囲に撚り合わされたN本(N=5〜6)のフィラメントからなる中間層と、該中間層の周囲に撚り合わされたM本(M=10〜12)のフィラメントからなる最外層とを有するスチールコードを用い、前記コアフィラメントの素線径d1と前記中間層のフィラメントの素線径d2と前記最外層のフィラメントの素線径d3がd1>d2>d3の関係を満たし、前記コアフィラメントの引張強度T1(MPa)がその素線径d1(mm)に対してT1≧4500−2000d1の関係を満たし、前記中間層のフィラメントの引張強度T2(MPa)がその素線径d2(mm)に対して4200−2000d2≦T2≦4400−2000d2の関係を満たし、前記最外層のフィラメントの引張強度T3(MPa)がその素線径d3(mm)に対してT3≦4100−2000d3の関係を満たすことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記コアフィラメントの素線径d1が0.23mm以下であり、前記コアフィラメントの素線径d1と前記中間層のフィラメントの素線径d2が1.0<d1/d2≦1.1の関係を満たし、前記中間層のフィラメントの素線径d2と前記最外層のフィラメントの素線径d3が1.0<d2/d3≦1.1の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記コアフィラメントにスパイラル状の型付けが施されており、該コアフィラメントの波高Hがその素線径d1に対してH≦1.1d1の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記補強層がカーカス層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
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