JP2005336664A - スチールコード及び空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

スチールコード及び空気入りラジアルタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】 コアフィラメントの耐疲労性を改善することでコアの金属疲労破壊を防止した耐久性に優れたスチールコード、及びそのスチールコードを用いた空気入りラジアルタイヤの提供。
【解決手段】 コアフィラメント14とシースフィラメント15,16とが同一方向、同一ピッチで撚り合わされている1×19構造スチールコードであって、コアフィラメント14がシースフィラメント15,16よりも5%以上高い抗張力を有し、かつその結節強力保持率が60%以上であり、コアフィラメント径dcとシースフィラメント径dsとの比が、1≦dc/ds≦1.15の関係を満たす。
【選択図】 図2

Description

本発明は、スチールコード及び空気入りラジアルタイヤに関し、主としてラジアルタイヤのカーカスやベルトの補強材として用いられるコード生産性が良く、かつ耐疲労性に優れるスチールコード、及びそのスチールコードを用いた耐久性を向上した空気入りラジアルタイヤに関する。
トラック・バス用やライトトラック用などの大型空気入りラジアルタイヤのカーカスの補強材としては、従来より2層撚りや3層撚りなどの多層構造のスチールコードが広く使用され、中でも使用条件が過酷なタイヤには図4に示す3+9+15×0.175+1構造のようなフィラメント径が細く、フィラメント構成の多い3層構造のスチールコード50が使用されている。
一般に、3層構造のスチールコードは、コアと内外シース、ラッピングワイヤの撚り方向がS/S/Z/S方向に撚られてコードの回転バランスを良好にしている。しかし、このようなスチールコードでは、フィラメント同士及びラッピングワイヤとシースとの接触によるフレッチング摩耗によってフィラメント断面積が減少して除々にコード強力の低下を起こすとともに、めっきが削られて耐腐食疲労性を低下させ、フレッチング摩耗が進行するとタイヤ使用中の衝撃や圧縮歪みによりコード破断を生じるという問題がある。また、その撚り構造からコード製造時の撚り線工程が多くなり生産性が悪くコードコストを上昇させている。
このフレッチングによる耐疲労性の低下やコストの問題を改善するものとして、1本のスチールフィラメントからなるコアのまわりに2層以上の同軸層(シース)を配し、この同軸層を同一方向、同一ピッチで撚り合わせて各フィラメント間の線接触化を図るコンパクト撚り構造のスチールコード、例えば1×19構造のスチールコード、また、1本のコアと、コアのまわりに配列した6本のフィラメントからなる内層シースと、内層シースの外接円上に配置され得るだけの数より1本ないし2本少ないフィラメント数を外層シースに有し、内層シースと外層シースを同一方向、異ピッチで撚り合わせ、さらにラップフィラメントが略された3層構造のスチールコードが開示され、フレッチング摩耗の低減とコードの拘束性を維持し、さらにコアフィラメントを太くしてシースフィラメント間の接触圧を下げ耐疲労性を向上することが行われている(特許文献1,2)。
実公平3−29355号公報 特開平8−232179号公報
上記文献に記載の1×19、1+6+11構造などの従来のスチールコードは、コードの中心基本構造となるコアフィラメントとシースフィラメントとが略同等の抗張力を持つフィラメントからなり、かつ撚り線時にコアフィラメントに撚りが入らずストレートな状態でコードに形成されている。
このようなスチールコードをラジアルタイヤのカーカスに使用した場合、タイヤが長距離連続走行や重荷重条件下で使用される車両に装着し用いられると、タイヤにかかる繰り返し応力により、特にサイド部からショルダー部におけるカーカスに歪が集中し、ストレートなコアフィラメントが金属疲労により他のシースフィラメントに先行して破壊を生じやすくなり、破断したコアフィラメントがタイヤサイド部から突出し空気漏れを生じたり、コード内の他のフィラメントの疲労破壊を促進してコードの破断を発生しタイヤ故障の原因になるという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑み、1×19構造のようなストレートなコアフィラメントを有し、同一方向、同一ピッチで撚り合わされたシースからなる耐フレッチング性を改善したスチールコードにおいて、コアフィラメントの耐疲労性を改善することでコアの金属疲労による先行破壊を回避した耐久性に優れるスチールコード、及びそのスチールコードを用いた空気入りラジアルタイヤを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、1×19構造のようなストレートな1本のコアフィラメントを有するスチールコードにおいて、コアフィラメントの耐疲労性の向上に関して鋭意研究をしたところ、コアとシースの構成フィラメントの抗張力の関係と、コアフィラメントの抗張力とその結節強力保持率の関係に着目してその最適値を見出し本発明の完成に到った。
すなわち、本発明は、1本のスチールフィラメントからなるコアと、前記コアの周りに配列された複数本のスチールフィラメントからなる少なくとも1層のシースとを有し、前記シースを構成するスチールフィラメントが同一方向、同一ピッチで撚り合わされているスチールコードであって、前記コアフィラメントが、前記シースフィラメントよりも5%以上高い抗張力を有し、かつ結節強力保持率が60%以上であることを特徴とするスチールコードである。
本発明のスチールコードは、シースを構成するスチールフィラメントが同一方向、同一ピッチで撚り合わされていることでフィラメント相互間の線接触化によりフレッチング摩耗を均一化すると共に摩耗量を従来コードよりも大幅に軽減してコード強力を保持することができる。
そして、コアフィラメントの抗張力を他のシースフィラメントの抗張力よりも5%以上高くすることで、抗張力の増加と共に疲労限が向上しストレートなコアフィラメントの耐疲労性が改善され、さらに、コアフィラメントの結節強力保持率を60%以上に確保することで、抗張力の増加に伴う鋼の脆化に基づく靭性の低下を抑制し、疲労限の向上と耐疲労性低下の抑制とを両立させる最適値を得ることでコアフィラメントの金属疲労による先行破壊を防ぐことができる。
本発明のスチールコードにおいては、前記コアフィラメントの径(dc)と前記シースフィラメントの径(ds)との比が、1≦dc/ds≦1.15の関係を満たすことが好ましく、特にコアフィラメントをシースフィラメントよりやや太くすることにより、シースフィラメント間の接触圧を下げて耐疲労性をより向上することができる。しかし、コアとシースのフィラメント径差を大きくしすぎると、シースフィラメントが動きやすくなり耐フレッチング性や耐疲労性を低下させるので、dc/dsの上限は1.15程度とするのが好ましい。
そして、本発明の空気入りラジアルタイヤは、上記スチールコードを補強材として用いたことを特徴とし、特にカーカスに用いることでフレッチング摩耗とコアの耐疲労性を改善しカーカス耐久性に優れた長寿命化が図られる空気入りラジアルタイヤとすることができる。
本発明のスチールコードによれば、フィラメント相互間のフレッチング摩耗を軽減してコード強力を保持し、コアフィラメントの耐疲労性を改善することでコアフィラメントの金属疲労による先行破壊を防止してスチールコードの耐久性を向上することができ、このスチールコードを用いた空気入りラジアルタイヤの使用寿命を大幅に延ばすことが可能となる。
図1は本発明の一実施形態を示す1×19×0.20構造のスチールコード1の断面図である。スチールコード10は、コード10の中心基本構造であるコア1を構成する1本のコアフィラメント11と、コアフィラメント11の周りに配列されたインナーシース2を構成する6本のフィラメント12と、インナーシース2の周りに配列されたアウターシース3を構成する12本のフィラメント13とで構成され、全てのフィラメント11,12,13は0.20mmの同径である。
スチールコード1は、コアフィラメント11とその周囲に配されたインナー及びアウターシース2,3のフィラメント12,13とが全て同一方向、同一のピッチで撚り合わされ、図に示すようにコード断面輪郭が略六角形状をなして、コアフィラメント11はコード10の中心にストレートな状態で位置して形成されている。
このスチールコード10は、通常のチューブラー型撚り線機やバンチャー型撚り線機を使用して、19本のフィラメントを同時に撚り線機に供給し1回の撚り線加工によって製造できるので、コードの製造工程数減によるコードコストの低減が可能になる。
上記スチールコード1を構成するコアフィラメント径(dc)及びシースフィラメント径(ds)は、それぞれ0.15〜0.40mmの範囲であり、0.15mmより細いフィラメントは生産性が悪くタイヤ用スチールコードとしてコスト的に見合わず、0.40mmを越えると剛直になって撚り線加工性を低下させ、またタイヤ特性や耐疲労性にも悪影響する。カーカス用コードとして用いられる場合は、0.175〜0.23mmにあるものが耐疲労性や可撓性を確保する観点で好ましい。
このスチールフィラメント11,12,13は、炭素含有量が0.70〜0.92重量%程度にある高炭素鋼(例えば、JIS G3502規定のピアノ線材)からなり、2500〜3500N/mm程度の抗張力を有し、さらに軽量化の観点から抗張力は2700N/mm以上が好ましく、さらに2900N/mm以上にある高抗張力であることがより好ましい。しかし、抗張力が3500N/mm を越えると伸線加工性の悪化や脆性の低下により耐疲労性が低下していく。
また、フィラメント11,12,13は、ゴムとの接着を確保するために銅比率が62〜68%のブラスめっきで被覆されていることが好ましい。
本発明のスチールコード10においては、コアフィラメント11が、スチールコード10を構成する他のシースフィラメント12,13よりも5%以上高い抗張力を有するものである。
このコアフィラメント11の抗張力を高くすることで、抗張力の増加とともに疲労限が向上しストレートなコアフィラメント11の耐疲労性が改善され、特にカーカスに用いられた場合のタイヤにかかる繰り返し応力による、スチレートなコアフィラメント11の金属疲労強度を向上し、特にタイヤサイド部からショルダー部における歪の集中しやすい部位において撚りがかかった他のシースフィラメント12,13に先行して発生するコアフィラメント11の金属疲労破壊を防止することができる。
ここで、他のシース2,3のフィラメント12,13の抗張力も同時に高めてコード10全体の疲労限を向上させることが考えられるが、シースフィラメント12,13を同一方向、同一ピッチで撚り合わせることでコード断面形状が特有の多角形状に形成される結果、コード10に張力を加えた際にシース層内のフィラメント12,13相互間の接触圧は低くなるが、シース2,3にコード中心に向かう応力が発生してコアフィラメント11を締め付けることになり、この場合に抗張力の高いフィラメントでシース2,3を構成するとシースフィラメント12,13によりコアフィラメント11が一層強い圧力で拘束されてしまいコアフィラメント11の極微小な動きを許容する自由度を奪い、すなわちコアフィラメント11にかかる応力を緩和する逃げ道を断ってしまうことで、逆にコアフィラメント11の耐疲労性を低下させることが発明者らの実験結果から判明したもので、このことはコアとシースに略同等の抗張力のフィラメントを適用した場合にも当てはまる。
上記コアフィラメント11の抗張力は、鋼材の炭素含有量や加工歪を大きくするなどの公知の方法で抗張力を高めることができ、鋼中のパーライト組織が強固になり組織内の欠陥同士が繋がり難くなり疲労限が向上するが、加工歪を大きくしすぎると抗張力が増加しても鋼の脆化により延性を劣化させ疲労限の上昇は得られなくなり、逆に耐疲労性に悪影響を与える。
従って、コアフィラメント11の抗張力を増加していくとフィラメント11の耐疲労性を低下させ、またコード製造過程での断線を多発するなどの不具合を生じてくることになる。
ここで、本発明者らは、スチールフィラメントの抗張力の増加に伴って結節強力保持率が低下する傾向にあることに着目し、スチールフィラメントの結節強力保持率について研究し、その最適値を見出したものである。
すなわち、結節強力保持率60%がタイヤに使用可能であり、かつコード製造過程で断線等の問題を発生させないスチールフィラメントの靭性の限度であるという知見を得、結節強力保持率を60%以上に確保することで、抗張力の増加に伴うスチールフィラメントの耐疲労性低下や製造上の問題を解消し、疲労限の向上と耐疲労性低下の抑制とを両立させることができる。
前記結節強力保持率とは、スチールフィラメントの引張試験におけるフィラメントの引張強力に対する結節強力の保持率(%)であり、例えばJIS L1017の方法に準じてフィラメントに結節を設けて測定される。
この結節強力保持率を60%以上にするためには、フィラメントの加工歪(最終伸線での加工度)、鋼材中に含まれる酸化アルミニウムやシリカなどの非金属介在物の大きさや量を制限することで実施でき、加工歪は98%以下、非金属介在物の大きさは10μm以下に抑えるのが好ましい。
また、本発明のスチールコード10は、コアフィラメント11の径(dc)とシースフィラメント12,13の径(ds)との比が、1≦dc/ds≦1.15の関係を満している。
図1に示すスチールコード10は、コア1とシース2,3の全てのフィラメント11,12,13が同径である場合で、図に示すようにコード断面形状は6角形状を呈し、各フィラメントが最密充填条に配されてコード10の形態安定性を良好にすることができる。
また、図2に示す1×19構造のスチールコード20は、コア4のフィラメント14の径dcが0.20mm、インナーシース4及びアウターシース5のフィラメント15,16の径dsは同径の0.18mmであり、dc/ds=1.11である。
このように、コアフィラメント径dcをシースフィラメント径dsよりやや太くすることにより、シースフィラメント15,16間に僅かの間隙Sを設けてフィラメント相互間の接触圧を下げて疲労性を向上するとともに、この間隙S内にゴムを侵入させることでコードの形状安定性を向上し、かつ耐腐食疲労性を向上することができ、さらにストレートなコアフィラメントの拘束性を向上してコード端部がフリー状態のベルトやチェーハー等の補強材としてもコアの抜け出しを防止して使用できるようになる。
しかし、コア4とシース5,6のフィラメント径dc、dsの差を大きくしすぎると、間隙Sが大きくなりすぎシースフィラメント15,16を動きやすくしてフィラメントの偏りから耐フレッチング性や耐疲労性を低下させ、さらにコア4のdcを太くするとコア4自体の耐疲労性低下やコード全体の構成バランスを低下させ撚り不良を生じやすくするので、dc/dsは1.15程度を限度とするのが好ましい。
また、図3に示す1×19構造のスチールコード30のように、コア7とシース8,9のそれぞれに異なる径のフィラメントを組み合わせて用いることもできる。コード30の場合、コアフィラメント17の径は0.20mm、インナーシースフィラメント18は0.19mm、アウターシースフィラメント19は0.18mmで構成されている。さらに、図示しないが、同一シース内に異なる径のフィラメントを含んでいてもよい。
そして、本発明の空気入りラジアルタイヤは、上記スチールコードを補強材として用いたことを特徴とし、特にカーカスに用いることでフレッチング摩耗とコアの耐疲労性を改善しカーカス耐久性に優れた長寿命化が図られる空気入りラジアルタイヤとすることができる。
なお、上記の実施形態では、1×19構造のスチールコードにより本発明を説明したが、本発明は1×6〜8などの2層構造、1×19構造以外の1×16〜22などの3層構造や1×24〜30などの4層構造などの、ストレートなコアフィラメントを有するスチールコードにおいて実施することができる。
次に本発明を実施例によって具体的に説明する。
表1に記載の1×19構造の各スチールコードを通常のチューブラー型撚り線機を用いて製造した。これらのスチールコードに使用した各フィラメントは、JIS G3502に規定のピアノ線材SWRS82A材、径5.5mmに熱処理、伸線加工を繰り返して、表面にブラスめっき(銅比率64%、めっき付着量4.5g/Kg)を施した後、通常の湿式伸線機を用いて伸線加工してフィラメント径0.20mmと0.22mm及び0.18mmに仕上げた。各フィラメントの抗張力は、最終湿式伸線時における加工度を変更して調整した。なお、インナーとアウターシースのフィラメントは、同径、同抗張力のものを用いた。
各スチールコード及びスチールフィラメントの強力(切断荷重)をJIS G3510の方法に準じて測定し、各スチールフィラメントの抗張力を次式(1)により求め表に示した。 抗張力(N/mm)=フィラメントの強力(N)/フィラメントの原断面積(mm)……(1)
また、各スチールフィラメントの結節強力保持率を、JIS L1017に準じてフィラメントに結節を設け、JIS G3510の方法に準じて結節強力を測定し、次式(2)により結節強力保持率(%)を求め表に示した。 結節強力保持率(%)=(フィラメントの結節強力(N)/フィラメント強力(N))×100……(2)
次ぎに、各スチールコードを表に記載のエンド数でカーカスに1プライで適用した、タイヤサイズが11.00R20のタイヤをそれぞれ200本製造し、各タイヤを大型トラックの後輪に装着し一般市場において走行テストを行った。30万Km走行後の各タイヤから5本ずつを任意に抽出し、タイヤのサイドウォール部をX線写真撮影してカーカスコードのフィラメントの破断状況を観察し、コアフィラメントの破断数(箇所)を数え、タイヤ5本の合計破断数を表に示した。また、これらのタイヤからフィラメントに破断の発生のないコードを取り出してコード強力を測定し、その強力保持率を求め、さらに強力測定後のコードを分解してコア、シースのフレッチングの発生状態を観察した。耐フレッチング性を、フレッチング摩耗の程度から、フレッチングが少なく良好を「○」〜フレッチング摩耗の程度が大きく劣るを「×」で評価し、それぞれの結果を表に示した。
Figure 2005336664
表1に示す通り、実施例のタイヤでは、コアフィラメントの破断が観察されず、かつフレッチング摩耗が少なく耐フレッチング性が良好であり、カーカスコードの強力保持率が高いレベルを示し耐久性に優れることが分かる。これに対して、比較例の各タイヤの耐フレッチング性は従来の3+9+15+1構造のスチールコードに比べ実施例と同様に大幅に改善されるが、比較例1のタイヤは、コアフィラメント抗張力の上昇によりフィラメントの靭性が低下して結節強力保持率が60%未満となってコアフィラメントが金属疲労による破壊発生を生じ、また比較例2では、コアフィラメントの抗張力上昇による疲労限の向上が不十分で金属疲労に対する改善効果が得られていない。比較例3のタイヤでは、コア/シースのフィラメント径比を大きくしすぎたためにシースフィラメントの配列に偏りを生じ、走行中のコアへの応力集中が偏重して屈曲疲労を増大させ耐疲労性を大幅に低下させる結果となった。
以上説明したように、本発明によるスチールコードは、コアフィラメントをシースフィラメントよりも5%以上高い抗張力として、その結節強力保持率が60%以上にすることで、コアフィラメントの耐疲労性を向上するものとなり、空気入りラジアルタイヤのカーカス剤として好適なものとなり、カーカス以外にもベルトやチェーファーとして、また工業用ベルト、ゴムクローラ等のゴム製品の補強材として使用することができる。
実施形態のスチールコード断面図である。 他の実施形態のスチールコード断面図である。 さらに他の実施形態のスチールコード断面図である。 従来例のスチールコード断面図である。
符号の説明
10,20,30……スチールコード
1,4,7……コア
2,5,8……インナーシース
3,6,9……アウターシース
11,14,17……コアフィラメント
12,15,18……インナーシースフィラメント
13,16,19……アウターシースフィラメント
S……間隙

Claims (3)

  1. 1本のスチールフィラメントからなるコアと、前記コアの周りに配列された複数本のスチールフィラメントからなる少なくとも1層のシースとを有し、
    前記シースを構成するスチールフィラメントが同一方向、同一ピッチで撚り合わされているスチールコードであって、
    前記コアフィラメントが、前記シースフィラメントよりも5%以上高い抗張力を有し、かつ結節強力保持率が60%以上である
    ことを特徴とするスチールコード。
  2. 前記コアフィラメントの径(dc)と前記シースフィラメントの径(ds)との比が、1≦dc/ds≦1.15の関係を満たす
    ことを特徴とする請求項1に記載のスチールコード。
  3. 請求項1又は2に記載のスチールコードを補強材として用いた
    ことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
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