JP2008290657A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐疲労性に優れるとともに、従来構造よりも安価に供給することができるスチールコードを、大型タイヤのカーカス補強材に用いた耐久性能を向上した、特に大型車両用に好適な空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】直径が0.15mm〜0.23mmであるフィラメントからなる1+6+12構造のスチールコード1をカーカス補強材に用いた空気入りラジアルタイヤTであって、前記スチールコード1は、前記コアフィラメント2の直径d(mm)に対して曲げ応力σ(kgf/mm)が次式、σ=d・413の値となるように曲げたとき、該スチールコード1の断面内において前記コアフィラメント2の移動量Dが下式(1)の範囲にある。
D=(0.0714・d+0.0057)/0.01・σ〜(0.0714・d−0.0036)/0.01・σ ……(1)
【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくはカーカス補強材として耐疲労性に優れるとともに、従来構造よりも安価に供給することができるスチールコードを用いた空気入りラジアルタイヤに関するものである。
従来より、トラック・バス用など大型車両用の空気入りタイヤのカーカスには、タイヤ強度や剛性を確保し、重荷重、高速走行等の使用に耐える耐久性能と、耐摩耗性や操縦安定性、転がり抵抗(燃費性)等を得るために、補強材としてスチールコードが使用されている。
例えば、カーカス用コードとしては、図6に示される3+9+15×0.175mm+1又は3+9+15×0.22mm+1等のラッピングワイヤWを持った3層構造コード50、3+9又は3+8×0.22mm+1等の2層構造のスチールコードが従来より一般的に使用されてきた。
上記のスチールコードは、コード強度と、剛性あるいは可撓性とを併せ持ちタイヤ強度を確保して耐摩耗性や操縦安定性、転がり抵抗等のタイヤ性能を確保しているが、タイヤ走行中にコードにかかる引張や圧縮歪みにより、フィラメント同士及びラッピングワイヤと外層シースフィラメントとの摩擦によるフレッチング摩耗によってフィラメント断面積が減少して除々にコード強力の低下を進行させる問題や、コード軸方向に連続する空隙を形成してコード内部へのゴム侵入性が劣ることからトレッド部の外傷、溝底クラックから侵入する水分により腐食し、接着力の低下や錆によるコード消失などに基づくセパレーション故障に至るという問題があった。また、スチールコードの撚線工程が複雑でありコードコストが高いという欠点を持っている。
そこで、耐フレッチング性やゴム侵入性、コストの問題を解消しようとした、1本のコアフィラメントの周囲に2層のシースを配置し、このシース層を同一方向、同一ピッチで撚り合わせてフィラメント相互間のラインコンタクト化を図るコンパクト撚りの1+18構造(図5参照)のスチールコード30や、シースフィラメントの細径化やその本数を間引いてゴムの浸透性を改善し、さらにラッピングワイヤを除去した1+6+(10〜11)構造のスチールコード(特許文献1〜3)が開示され、フレッチング摩耗の低減と撚線工数を減じた低コストのスチールコードが提案されている。
上記文献1〜3に開示のスチールコードは、フィラメントのラインコンタクト化やゴム侵入化によりフレッチング摩耗が低減し耐疲労性の向上とコードコストの点で有利となるが、反面で構成フィラメントがコード内部に充填配置されるためコード断面輪郭が非円形の多角形状になるという特徴を持ち、やはりゴムの侵入性は不十分であるため前記耐腐食疲労性に劣り、コードにかかる衝撃やせん断歪みによりコードがばらけたり、一部のフィラメントが先行破断することがあり、また異径フィラメントを組み合わせるものはコストメリットが減少し、上記問題を十分に解消するには至っていない。
特に、カーカスに使用された場合、例えばパンクなどによる低内圧走行では、スチールコードに外部から大きな曲げ入力が繰り返し入力され、1本のフィラメントからなるストレートなコアに応力歪みが集中しやすくなる結果、コアフィラメントが先行破断しコード破断に至るという問題が見られている。
実公平3−29355号公報 特開2004−9879号公報 特開平8−232179号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、耐疲労性に優れるとともに、従来構造よりも安価に供給することができるスチールコードを、大型タイヤのカーカス補強材に用いた耐久性能を向上した、特に大型車両用に好適な空気入りラジアルタイヤを提供するものである。
本発明者は、スチールコードの耐疲労性に関して、コードに曲げ入力が入った際のフィラメントの動きと耐疲労性との関係について鋭意研究した結果、曲げ入力時のコアフィラメントの移動量を適正化することで、過酷条件下においてもフィラメント切れを抑制できることを見出したものである。
すなわち、本発明は、直径が0.15mm〜0.23mmであるフィラメントからなり、1本のコアフィラメントの周囲にm本のフィラメントが巻き付けられたインナーシースと、該インナーシースの周囲にn本のフィラメントが前記インナーシースと同一方向に巻き付けられたアウターシースとからなる1+m+n構造のスチールコードをカーカス補強材に用いた空気入りラジアルタイヤであって、前記スチールコードは、前記コアフィラメントの直径d(mm)に対して曲げ応力σ(kgf/mm)が次式、σ=d・413の値となるように曲げたとき、該スチールコードの断面内において前記コアフィラメントの移動量Dが下式(1)の範囲にあることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
D=(0.0714・d+0.0057)/0.01・σ〜(0.0714・d−0.0036)/0.01・σ ……(1)
前記スチールコードは、前記インナーシースフィラメントの本数mが5又は6本、前記アウターシースフィラメントの本数nが10〜12本であることが好ましい。
また、前記スチールコードは、前記コアフィラメントの直径dと、インナーシース及びアウターシースのフィラメントの直径dsとが、d≧dsの関係とすることができる。
本発明によれば、カーカス補強材のスチールコードに曲げ入力が入力された際に、1本のフィラメントからなるコアが曲げ入力に対してコード断面内で所定量に動きを示すことで歪みを回避し耐疲労性を向上することができるので、空気入りラジアルタイヤのカーカスに用いた場合の低圧走行など過酷条件下での異常な曲げ入力時のコアフィラメントの破断現象を防止してタイヤ耐久性を向上することができる。また、コアを1本のフィラメントで構成すること、ラッピングワイヤを省略できることでコストメリットも得られる。
以下に、本発明の実施形態にかかるスチールコード及び空気入りラジアルタイヤについて図面を参照し説明する。
図1は、本発明の1実施形態であるトラック・バス用の大型車両用空気入りラジアルタイヤの1例を示すタイヤTの半断面図であり、符号23はトレッド部、25はサイドウォール部、24はビード部である。
タイヤTは、トレッド部23と、該トレッド部23の両端部で連なる一対のサイドウォール部25と該サイドウォール部25に続くビード部24とを備え、ラジアル配列されたスチールコードの端部を左右一対のビードコア26で折り返して係止した1層のカーカス22と、スチールコードをタイヤ周方向に対して傾斜し配列した4層のベルト層からなるベルト21をカーカス22のタイヤ径方向外側のトレッド部23に有している。
タイヤTのカーカス22を構成するスチールコード1は、図2のコード断面図に示すように、1本のコアフィラメント2の周囲にm本のフィラメント3が巻き付けられたインナーシース4と、該インナーシース4の周囲にn本のフィラメント5が前記インナーシース4と同一方向に巻き付けられたアウターシース6とからなる1+m+n構造のスチールコードであり、図2に示すものはm=6本、n=12本からなる1+6+12構造のスチールコードが示されている。
撚り構造を1+m+n構造に限定したのは、コード強力と耐疲労性とが要求されるラジアルタイヤ、例えばトラックやバス用の重荷重用タイヤのカーカス材としてコード強度、剛性、可撓性などの特性を併せ持つからである。
スチールコードを構成するフィラメントの直径を0.15mm〜0.23mmの範囲に限定したのは、0.15mm未満ではフィラメントの疲労強度は向上するものの、フィラメントの伸線やコードの撚線に工数がかかり製造コストの上昇し、更に製造エネルギーが増大して資源の浪費となるという問題があり、一方、0.23mmを超えると耐疲労性が低下し、重荷重用タイヤのカーカス材としては好ましくないためである。
コアを構成するフィラメントの本数を1本に限定したのは、2本にするとスチールコードの断面形状が扁平状になり、コードを曲げたときの曲げ入力が偏り易くなって耐疲労性に問題があり、また、3本以上にするとコアの中心部に空隙が発生し、タイヤに外傷などを受け水分がタイヤ内に浸入した際、この空隙を介して水分がコード内を伝播してフィラメントの腐食から接着破壊などをもたらすからである。
インナーシース4とアウターシース6の撚り方向を同一方向としたのは、インナーシースフィラメント3とアウターシースフィラメント5とを線接触化させることで、シース4、6間のフレッチング摩耗を低減しコード強力を保持させるためである。
また、前記スチールコード1は、インナーシース4のフィラメント本数mが5又は6本、アウターシース6のフィラメント本数nが10〜12本であることが好ましい。これにより、インナーシースフィラメント3、3間に隙間S1を形成し、かつアウターシースフィラメント5、5間に隙間S2を形成し、コード1内部までゴムを侵入させることで耐腐食性を向上することができる。
この発明においては、スチールコード1を構成するフィラメント2、3、5の直径は全て同一径でも、またシース間で異なっていてもよいが、好ましくはコアフィラメント2の直径dとシースフィラメント3、5の直径dsとがd≧dsの関係を満足することが好ましく、さらに好ましくは、フィラメント径の比d/dsにおいて1.02〜1.15程度が好ましく、1.02未満ではd≧dsとするメリットが得られず、1.15を超えるとコアフィラメント2とシースフィラメント3、5との疲労特性の差が大きくなる結果コード1自体の耐疲労性に悪影響するようになる。また、コアフィラメント2の直径dとインナーシースフィラメント3の直径disとアウターシースフィラメント5の直径dosとの関係が次式、d≧dis≧dosの関係を満足するものでもよい。
これにより、上記隙間S1、S2の大きさを上記フィラメント本数m、n本との組み合わせでコントロールすることができ、隙間S1、S2を適度にすることでゴム侵入性とフィラメント3、5の偏りを防止してコード断面を安定にすることができる。
本発明において、コアフィラメントの移動量を測定する際のスチールコードにかかる曲げ応力σ(kgf/mm)が次式、σ=d・413の値となるように設定するのは、スチールコード1が空気入りラジアルタイヤのカーカス材として用いられる時の最も苛酷な条件、例えば低内圧走行(空気圧≒0Pa)でスチールコード、特にコアフィラメントが破断するかしないかの評価条件、すなわち超扁平タイヤで低内圧走行する場合のスチールコードの耐久性の評価条件によるものであり、かかる値は外部からの曲げ入力の大きさと、それによるスチールコードの曲げ変形がストレートな状態でコード中心に位置するコアフィラメントの直径に依存することが大きいことに基づき定められたものである。
かかる応力σ下におけるコアフィラメントの移動量Dを、スチールコード断面内において、D=(0.0714・d+0.0057)/0.01・σ〜(0.0714・d−0.0036)/0.01・σの範囲となるように設定するのは、以下の理由による。
すなわち、上記のような過酷な曲げ変形に対してスチールコードの耐疲労性を改善する検討を行った結果、曲げ変形を与えたときのコアフィラメントの移動量が耐疲労性に関係していることが判明し、コアフィラメントのその直径に対する移動量を測定し、一方、これらのスチールコードの疲労試験を行い、満足できる耐疲労性領域を求めたところ、上記移動量Dで表される範囲内であれば過酷な使用条件下でもスチールコード、特にコアフィラメントの耐疲労性に問題が生起し難く、フィラメント破断を抑制し得ることを見出したものである。
すなわち、この値を超えるとコードに曲げ入力が入力した時にコアフィラメントの動きが大きくなり繰り返し屈曲による疲労破断を生じやすくし、また上記範囲を下まわると曲げ入力が入力した時にコアフィラメントの動きが小さくなって曲げ変形からの応力歪みを回避できなくなり、疲労寿命を低下させる。
なお、コアフィラメント2の移動量を上記範囲内とするためには、シースフィラメント3、5の型付け率をコントロールする他に、シースフィラメント間の隙間S1、S2やフィラメント撚り角度(撚りピッチ)を的確にコントロールすることによる。
上記フィラメント3、5の型付け率は90%以上とし、この値が大きい程コアフィラメント2の移動量に対して良好な傾向を示すが、型付け率を大きくし過ぎるとフィラメント2移動量が大きくなりすぎ挫屈による破断を起こしやすくすると共にコードの撚り性状に不良を来しタイヤ製造工程に支障を生ずるので好ましくない。型付け率の上限は特に限定されないが、110%程度、好ましくは105%程度がスチールコードの製造の点でも好ましい。
また、スチールコード1内部へのゴムの侵入は80%以上、好ましくは90%以上であることが望ましい。そのためにはアウターシース6及びインナーシース4の隣接フィラメントの間にはゴムが侵入するための隙間S1、S2を持たせるようにする。このフィラメント相互間の隙間は0.01mm以上、好ましくは0.02mm以上であるが、隙間を大きくしすぎると、例えば0.05mm以上にするとシースフィラメント3、5の配置が偏って、逆にゴム侵入性の低下を招くことになる。なお、ゴムがコアフィラメント2の周囲まで侵入していても、ゴム弾性により上記Dの微少範囲でのコアフィラメント2の動きは確保される。
このフィラメントの型付け率とゴムの侵入性、すなわちシースフィラメント間の隙間形成を組み合わせることによりコアフィラメントの移動量を適正にコントロールすることができる。
さらに、撚り方向は、インナーシースとアウターシースとで同一方向とすることで耐フレッチング性を向上することができる。
また、スチールコード1の撚りピッチは、特に限定されるものではないが、好適には最外層のピッチは7mm〜20mmにすることが実用的である。何故なら最外層のピッチが7mm未満ではコード生産性が悪く、一方20mmを超えると曲げ入力時にコードの膨らみを抑制することが困難となり耐疲労性が急激に低下するからである。
スチールコード1を構成するフィラメントの材質としては、JIS G 3502に規定のピアノ線材のうち炭素含有量が0.70〜0.85%であり、非金属介在物の少ないものが強度および耐疲労性の点で好ましい。具体的には、SWRS72A〜SWRS82Aが挙げられるが、これよりも炭素含有量の高い鋼材SWRS92Aなどを使用することもできる。
また、ゴムとの接着性を向上するために、例えば、銅の比率が65±3%、めっき付着量が3〜7g/Kg程度のブラスめっきが施されていることが好ましい。また、フィラメントの耐食性を高めるためにニッケル、コバルトなどの第3金属を少量含むめっき組成であってもよい。
また、上記1+m+n構造スチールコードは、コアを1本のフィラメントで構成すること、ラッピングワイヤを省略できることで、フィラメントの加工工数、コードの撚線工数が低減できるので、コードコストメリットが得られ、空気入りラジアルタイヤの材料コストに反映させることができる。
直径5.5mmのSWRS82A相当のスチールコード用線材を、熱処理、乾式伸線、めっき処理および湿式伸線により所定の直径を有するフィラメントとした後、チューブラー式撚線機によって表1に示す所定の1+m+n構造のスチールコードを各種製造した。なお、フィラメントの型付けは、フィラメントを撚り合わせる前に複数の型付けピンを備えたピン型型付け装置によって下記の表1に示す型付け率の値となるように行った。
ここで、型付け率とは、図3に示す如く、インナーシースの場合、コアフィラメントの周囲に密着させてシースフィラメントを巻き付けた際のシースフィラメントの外接円直径をHとし、一方、撚りを解してシースフィラメントのフリー状態での螺旋型付けの外径をhとし、これらの測定値から次式に従い求めた。型付け率(%)=(h/H)×100。アウターシースの型付け率も同様に求められる。
次いで、得られたスチールコードをゴムに埋設し加硫したスチールコードを試料とし、直線状態にある試料と、コアフィラメント径に応じて規定された曲げ応力σになるような曲率半径で曲げた試料とをそれぞれ金属組織測定用の樹脂に埋め込んだ。その後、樹脂を硬化させスチールコードの断面を鏡面研磨し観察してコアフィラメントの移動量を以下のようにして求めた。
コアフィラメントの移動量の実際の求め方を、図3に基づき説明する。図3の(a)には、例として1+6+12構造のスチールコードの断面を、一方、(b)には該コードの曲げたときの断面をそれぞれ示す。ここで、まず、コアフィラメントの中心Oをコード軸芯として、そこからインナーシースの各フィラメントの中心までの距離(LA〜LF)を測定し、それらの平均値Lとして求めた(L=(LA+LB+LC+LD+LE+LF)/6)。次いで、コアフィラメント径dで規定される上記式に基づく曲率半径で曲げたときの、同じくコアフィラメントの中心Oからインナーシースの各フィラメントの中心までの距離(La〜Lf)を測定し、その中で最も長い長さLaから上記の平均値Lを引いた値を移動量D(D=La−L)とした。
表2に示すスチールコードのコード内部へのゴム侵入性および耐疲労性は下記のようにして評価した。次に、タイヤサイズ265/60R22.5のカーカスに表1に記載のスチールコードを適用したラジアルタイヤを試作し、下記方法によりタイヤ耐久性(ドラム試験)の評価を行った。結果を表2に示す。
[ゴム侵入性]
下記耐疲労性試験の試験片中央部から長さ25cmのスチールコードを取り出し、コードをシース毎にフィラメントに丁寧に解し、フィラメントに付着しているゴム量をコード5本について顕微鏡で観察し、平均した。付着ゴム量がゼロの場合を0%、ゴムが完全に浸透している場合を100%として、コード内部のゴム侵入性を総合的に評価し、%表示にて表した。
[耐疲労性]
スチールコードを打ち込み本数17本/25mmにて平行配列したものをゴムシートに埋設し、幅25mmの短冊状の試験片を作製した。試験法はJIS−L−1017に準拠し、ファイアストン型ベルト疲労試験による。試料への負荷荷重1kg/コード、プーリー径25.4mm、温度30℃、相対湿度65%で試験片が破断するまでの屈曲回数を測定した。比較例1の破断屈曲回数を100として、それぞれ指数表示によって示しており、数値が大きいほど耐疲労性に優れている。
[タイヤ耐久性]
コード打ち込み本数を17本/25mmとして、各スチールコードをタイヤ生産用カレンダー装置を用いてゴム引き加工したトッピング反をカーカスプライに適用した、サイズ265/60R22.5のラジアルタイヤを試作し、下記条件のドラム試験にて評価した。なお、カーカス以外の各部位には全て共通の部材を使用した。
ドラム試験条件:表面が平滑な鋼製の直径1707mmの回転ドラムを有するドラム試験機により、周辺温度38±3℃、タイヤ内圧900kPa、速度56km/hで一定として、JATMA規定の最大荷重の66%で4時間、次ぎに最大荷重の84%で16時間、最大荷重の101%で24時間、さらに最大荷重の110%で24時間走行させた後、異常がなければ12時間毎に最大荷重の10%ずつ荷重を増加し故障が発生するまで走行させた。故障発生までの走行距離を、比較例1を100とする指数で示した。指数が大きいほど耐久性に優れることを示す。
Figure 2008290657
Figure 2008290657
表2に示すように、各実施例のスチールコードはゴム侵入性、耐疲労性共に良好で、タイヤ耐久性も向上している。これに対して、比較例1は同方向、同ピッチ撚り(コンパクト撚り)のため、ゴム侵入性が劣り、タイヤ耐久性は向上するが実施例には及ばない。比較例2はインナーシースの型付け率が小さく、コアフィラメントの移動量が確保できず、比較例1と同程度の結果となり、比較例3はインナーシースの型付け率が大きすぎるため、カレンダー工程でコード乱れが発生しタイヤ製造ができなかった。比較例4はコアフィラメント径が0.23mmを超えるためコアのフィラメント破断が先行して発生し、耐疲労性、タイヤ耐久性が劣り、比較例5はシースフィラメント径が太く、シースフィラメント間に隙間が確保できずゴム侵入性に劣り、タイヤ耐久性の向上も少ない結果となった。
以上説明したように、本発明の空気入りラジアルタイヤは、トラックやバス、ライトトラック、建設用車両などの大型車両用に好適である。
トラック・バス用空気入りラジアルタイヤの半断面図である。 実施形態の1+6+12構造スチールコードの断面図である。 コアフィラメントの移動量を説明するコードの断面図である。 フィラメント型付け率の説明図である。 比較例の1+18構造スチールコードの断面図である。 従来例の3+9+15+W構造スチールコードの断面図である。
符号の説明
T……大型車両用空気入りラジアルタイヤ
1……スチールコード
2……コアフィラメント
d……コアフィラメント径
D……コアフィラメントの移動量

Claims (3)

  1. 直径が0.15mm〜0.23mmであるフィラメントからなり、1本のコアフィラメントの周囲にm本のフィラメントが巻き付けられたインナーシースと、該インナーシースの周囲にn本のフィラメントが前記インナーシースと同一方向に巻き付けられたアウターシースとからなる1+m+n構造のスチールコードをカーカス補強材に用いた空気入りラジアルタイヤであって、
    前記スチールコードは、前記コアフィラメントの直径d(mm)に対して曲げ応力σ(kgf/mm)が次式、σ=d・413の値となるように曲げたとき、該スチールコードの断面内において前記コアフィラメントの移動量Dが下式(1)の範囲にある
    ことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
    D=(0.0714・d+0.0057)/0.01・σ〜(0.0714・d−0.0036)/0.01・σ ……(1)
  2. 前記スチールコードの前記インナーシースフィラメントの本数mが5又は6本、前記アウターシースフィラメントの本数nが10〜12本である
    ことを特徴とする請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記スチールコードの前記コアフィラメントの直径dと、インナーシース及びアウターシースのフィラメントの直径dsとが、d≧dsの関係にある
    ことを特徴とする請求項2記載の空気入りラジアルタイヤ。
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