JP2015054456A - 画像記録装置、画像記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】減速機を介して駆動源の出力を回動軸に伝えて大きなトルクで回動軸を回動可能としつつも、作業者による手作業の負担を軽減することを可能とする。【解決手段】記録媒体を支持する回動軸と、回動軸を回動可能な駆動源と、駆動源の出力を減速して回動軸に与える減速機と、減速機から回動軸への出力の伝達経路を繋ぐ第1動作および減速機から回動軸への出力の伝達経路を遮断する第2動作を選択的に実行する出力伝達切換部とを備える。【選択図】図3
Description
この発明は、記録媒体を支持する回動軸を駆動源によって回動させて記録媒体を搬送する技術に関する。
特許文献1に記載のプリンターは、ロール紙の両端を支持する2本の回動軸を備え、各回動軸を回動させることでロール紙を搬送する。この際、回動軸の回動は、モーターによって回動軸を駆動することで実行される。
ところで、上記のプリンターのような画像形成装置では、モーター等の駆動源の出力が小さいと、記録媒体の安定した搬送に必要となるトルクを回動軸に与えることができない場合があった。そこで、駆動源と回動軸との間に減速機を設けて、回動軸へ与えるトルクを増大させることが考えられる。
しかしながら、例えば回動軸に支持される記録媒体を取り換える等といった作業を作業者が行う際には、作業者が手作業で回動軸を回動させる必要が生じ得る。この際、回動軸に減速機が接続されていると、作業者は、減速機を伴って回動軸を回動させるために、大きなトルクを回動軸に与える必要があり、作業者の負担が大きくなるといった問題が生じるおそれがあった。
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、減速機を介して駆動源の出力を回動軸に伝えて大きなトルクで回動軸を回動可能としつつも、作業者による手作業の負担を軽減することを可能とする技術の提供を目的とする。
この発明にかかる画像記録装置は、上記目的を達成するために、記録媒体を支持する回動軸と、回動軸を回動可能な駆動源と、駆動源の出力を減速して回動軸に与える減速機と、減速機から回動軸への出力の伝達経路を繋ぐ第1動作および減速機から回動軸への出力の伝達経路を遮断する第2動作を選択的に実行する出力伝達切換部とを備える。
この発明にかかる画像記録方法は、上記目的を達成するために、駆動源の出力を減速する減速機から回動軸への出力の伝達経路を繋ぐ第1動作と、減速機から回動軸への出力の伝達経路を遮断する第2動作とを選択的に実行し、第1動作を実行して駆動源を動作させることで回動軸に支持された記録媒体を搬送しつつ、記録媒体に画像を記録する。
このように構成された発明(画像記録装置、画像記録方法)では、駆動源の出力は、減速機により減速されてから回動軸に与えられており、回動軸に与えるトルクの増大が図られている。しかも、減速機から回動軸への出力の伝達経路を繋ぐ第1動作と、減速機から回動軸への出力の伝達経路を遮断する第2動作とを、選択的に実行できるように構成されている。したがって、第1動作を実行して、減速機から回動軸への出力の伝達経路を繋ぐことで、大きなトルクで回動軸を回動させることができる。また、第2動作を実行して、減速機から回動軸への出力の伝達経路を遮断することで、作業者は減速機を伴うことなく小さなトルクで回動軸を回動させることができ、作業者による手作業の負担を軽減することができる。こうして、本発明では、減速機を介して駆動源の出力を回動軸に伝えて大きなトルクで回動軸を回動可能としつつも、作業者による手作業の負担を軽減することが可能となっている。
回動軸は、減速機からの出力を受けて回動することで記録媒体を巻き取るように、画像記録装置を構成しても良い。このような回動軸に対しては記録媒体を巻き取るのに必要な大きなトルクを与える必要がある一方、回動軸に巻き取られた記録媒体の交換作業等を少ない負担で作業者が実行できることが求められる。そこで、本発明を適用することが極めて好適となる。
また、出力伝達切換部の動作を第1動作と第2動作の間で切り換える制御部を備えるように、画像記録装置を構成しても良い。
この際、制御部は、記録媒体への画像記録の実行を指示する指令を受けると、画像記録の開始前に第1動作を実行するように、画像記録装置を構成しても良い。このような構成では、減速機から回動軸への伝達経路を画像記録の開始前に確実に繋いでおいて、大きなトルクで回動軸を回動させて記録媒体を安定的に搬送しつつ、記録媒体への画像記録を適切に実行することができる。
あるいは、制御部は、記録媒体への画像記録が終了すると、第2動作を実行するように、画像記録装置を構成しても良い。このような構成では、画像記録が終了すると、減速機から回動軸への伝達経路が遮断される。そのため、画像記録の終了の後に作業者により実行される作業へ備えておくことができる。
また、作業者からの操作を受けて、出力伝達切換部の動作を第1動作と第2動作の間で切り換える操作部を備えるように、画像記録装置を構成しても良い。このような構成では、作業者は、操作部を操作することにより、所望のタイミングで出力伝達切換部の動作を適宜切り換えることができる。
図1は、本発明を適用可能なプリンター1が備える装置構成の一例を模式的に示す正面図である。図1に示すように、プリンター1では、その両端が繰出軸20および巻取軸40にロール状に巻き付けられた1枚のシートS(ウェブ)が搬送経路Pcに沿って張架されており、シートSは、繰出軸20から巻取軸40へ向かう搬送方向Dsへ搬送されつつ、画像記録を受ける。シートSの種類は、紙系とフィルム系に大別される。具体例を挙げると、紙系には上質紙、キャスト紙、アート紙、コート紙等があり、フィルム系には合成紙、PET(Polyethylene terephthalate)、PP(polypropylene)等がある。概略的には、プリンター1は、繰出軸20からシートSを繰り出す繰出部2(繰出領域)と、繰出部2から繰り出されたシートSに画像を記録するプロセス部3(プロセス領域)と、プロセス部3で画像の記録されたシートSを巻取軸40に巻き取る巻取部4(巻取領域)を備える。なお、以下の説明では、シートSの両面のうち、画像が記録される面を表面と称する一方、その逆側の面を裏面と称する。
繰出部2は、シートSの端を巻き付けた繰出軸20と、繰出軸20から引き出されたシートSを巻き掛ける従動ローラー21とを有する。繰出軸20は、シートSの表面を外側に向けた状態で、シートSの端を巻き付けて支持する。そして、繰出軸20が図1の時計回りに回転することで、繰出軸20に巻き付けられたシートSが従動ローラー21を経由してプロセス部3へと繰り出される。ちなみに、シートSは、繰出軸20に着脱可能な芯管22を介して繰出軸20に巻き付けられている。したがって、繰出軸20のシートSが使い切られた際には、ロール状のシートSが巻き付けられた新たな芯管22を繰出軸20に装着して、繰出軸20のシートSを取り換えることが可能となっている。
プロセス部3は、繰出部2から繰り出されたシートSを回動ドラム30で支持しつつ、回動ドラム30の外周面に沿って配置された各機能部51、52、61、62、63により処理を適宜行って、シートSに画像を記録するものである。このプロセス部3では、回動ドラム30の両側に前駆動ローラー31と後駆動ローラー32とが設けられており、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSが回動ドラム30に支持されて、画像記録を受ける。
前駆動ローラー31は、溶射によって形成された複数の微小突起を外周面に有しており、繰出部2から繰り出されたシートSを裏面側から巻き掛ける。そして、前駆動ローラー31は図1の時計回りに回転することで、繰出部2から繰り出されたシートSを搬送経路の下流側へと搬送する。なお、前駆動ローラー31に対してはニップローラー31nが設けられている。このニップローラー31nは、前駆動ローラー31側へ付勢された状態でシートSの表面に当接しており、前駆動ローラー31との間でシートSを挟み込む。これによって、前駆動ローラー31とシートSの間の摩擦力が確保され、前駆動ローラー31によるシートSの搬送を確実に行なうことができる。
回動ドラム30は図示を省略する支持機構により回動可能に支持された、例えば400[mm]の直径を有する円筒形状のドラムであり、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSを裏面側から巻き掛ける。この回動ドラム30は、シートSとの間の摩擦力を受けてシートSの搬送方向Dsに従動回動しつつ、シートSを裏面側から支持するものである。ちなみに、プロセス部3では、回動ドラム30への巻き掛け部の両側でシートSを折り返す従動ローラー33、34が設けられている。これらのうち従動ローラー33は、前駆動ローラー31と回動ドラム30の間でシートSの表面を巻き掛けて、シートSを折り返す。一方、従動ローラー34は、回動ドラム30と後駆動ローラー32の間でシートSの表面を巻き掛けて、シートSを折り返す。このように、回動ドラム30に対して搬送方向Dsの上・下流側それぞれでシートSを折り返すことで、回動ドラム30へのシートSの巻き掛け部を長く確保することができる。
後駆動ローラー32は、溶射によって形成された複数の微小突起を外周面に有しており、回動ドラム30から従動ローラー34を経由して搬送されてきたシートSを裏面側から巻き掛ける。そして、後駆動ローラー32は図1の時計回りに回転することで、シートSを巻取部4へと搬送する。なお、後駆動ローラー32に対してはニップローラー32nが設けられている。このニップローラー32nは、後駆動ローラー32側へ付勢された状態でシートSの表面に当接しており、後駆動ローラー32との間にシートSを挟み込む。これによって、後駆動ローラー32とシートSの間の摩擦力が確保され、後駆動ローラー32によるシートSの搬送を確実に行なうことができる。
このように、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSは、回動ドラム30の外周面に支持される。そして、プロセス部3では、回動ドラム30に支持されるシートSの表面に対してカラー画像を記録するために、互いに異なる色に対応した複数の記録ヘッド51が設けられている。具体的には、イエロー、シアン、マゼンタおよびブラックに対応する4個の記録ヘッド51が、この色順で搬送方向Dsに並ぶ。各記録ヘッド51は、回動ドラム30に巻き掛けられたシートSの表面に対して若干のクリアランスを空けて対向しており、対応する色のインク(有色インク)をノズルからインクジェット方式で吐出する。そして、搬送方向Dsへ搬送されるシートSに対して各記録ヘッド51がインクを吐出することで、シートSの表面にカラー画像が形成される。
ちなみに、インクとしては、紫外線(光)を照射することで硬化するUV(ultraviolet)インク(光硬化性インク)が用いられる。そこで、プロセス部3では、インクを硬化させてシートSに定着させるために、UV照射器61、62(光照射部)が設けられている。なお、このインク硬化は、仮硬化と本硬化の二段階に分けて実行される。複数の記録ヘッド51の各間には、仮硬化用のUV照射器61が配置されている。つまり、UV照射器61は弱い紫外線強度の紫外線を照射することで、インクの濡れ広がり方が紫外線を照射しない場合に比べて十分に遅くなる程度にインクを硬化(仮硬化)させるものであり、インクを本硬化させるものではない。一方、複数の記録ヘッド51に対して搬送方向Dsの下流側には、本硬化用のUV照射器62が設けられている。つまり、UV照射器62は、UV照射器61より強い紫外線強度の紫外線を照射することで、インクの濡れ広がりが停止する程度にインクを本硬化させるものである。
このように、複数の記録ヘッド51の各間に配置されたUV照射器61が、搬送方向Dsの上流側の記録ヘッド51からシートSに吐出された有色インクを仮硬化させる。したがって、一の記録ヘッド51がシートSに吐出したインクは、搬送方向Dsの下流側で一の記録ヘッド51に隣り合う記録ヘッド51に到るまでに仮硬化される。これによって、異なる色の有色インクが混ざり合うといった混色の発生が抑制される。こうして混色が抑制された状態で、複数の記録ヘッド51は互いに異なる色の有色インクを吐出して、シートSにカラー画像を形成する。さらに、複数の記録ヘッド51より搬送方向Dsの下流側では、本硬化用のUV照射器62が設けられている。そのため、複数の記録ヘッド51により形成されたカラー画像は、UV照射器62により本硬化されてシートSに定着する。
さらに、UV照射器62に対して搬送方向Dsの下流側には、記録ヘッド52が設けられている。この記録ヘッド52は、回動ドラム30に巻き掛けられたシートSの表面に対して若干のクリアランスを空けて対向しており、透明のUVインクをノズルからインクジェット方式でシートSの表面に吐出する。つまり、4色分の記録ヘッド51によって形成されたカラー画像に対して、透明インクがさらに吐出される。この透明インクは、カラー画像の全面に吐出されて、光沢感あるいはマット感といった質感をカラー画像に与える。また、記録ヘッド52に対して搬送方向Dsの下流側には、UV照射器63が設けられている。このUV照射器63は強い紫外線を照射することで、記録ヘッド52が吐出した透明インクを完全に硬化(本硬化)させるものである。これによって、透明インクをシートS表面に定着させることができる。
このように、プロセス部3では、回動ドラム30の外周部に巻き掛けられるシートSに対して、インクの吐出および硬化が適宜実行されて、透明インクでコーティングされたカラー画像が形成される。そして、このカラー画像の形成されたシートSが、後駆動ローラー32によって巻取部4へと搬送される。
巻取部4は、シートSの端を巻き付けた巻取軸40の他に、巻取軸40と後駆動ローラー32の間でシートSを裏面側から巻き掛ける従動ローラー41を有する。巻取軸40は、シートSの表面を外側に向けた状態で、シートSの端を巻き取って支持する。つまり、巻取軸40が図1の時計回りに回転すると、後駆動ローラー32から搬送されてきたシートSが従動ローラー41を経由して巻取軸40に巻き取られる。ちなみに、シートSは、巻取軸40に着脱可能な芯管42を介して巻取軸40に巻き取られる。したがって、巻取軸40に巻き取られたシートSが満杯になった際には、芯管42ごとシートSを取り外すことが可能となっている。
また、巻取部4は、巻取軸40を支持しつつ巻取駆動機構7により駆動する構成をリア側(図1の紙面裏側に相当)に具備する。図2は、プリンター1が備える巻取部のリア側の構成を部分的に例示した斜視図である。また、図3は、巻取部のリア側に設けられた巻取駆動機構7の構成を模式的に例示した図である。
巻取軸40に支持されるロール状のシートSのリア側では、支持フレーム11がプリンター1の基台10から上方へ立設されており、この支持フレーム11によって、巻取軸40が支持されている。具体的には、支持フレーム11には、横方向に突出する一対の平板12が巻取軸40の軸方向に並んで取り付けられている。各平板12には略円形の貫通孔が形成されており、巻取軸40は、各平板12の貫通孔に嵌合することで、回動可能に支持されている。
巻取駆動機構7は、巻取モーターM40の出力を減速機71で減速した後にクラッチ72を介して巻取軸40に与えるものであり、支持フレーム11に支持されている。駆動モーターM40はいわゆるサーボモーターであり、減速機71は駆動モーターM40の出力軸に取り付けられて、駆動モーターM40の出力を所定の減速比で減速する。これによって、減速機71の出力軸からは、減速比に応じて増大されたトルクが出力される。
また、巻取駆動機構7は、減速機71の出力軸に取り付けられたプーリー73と、巻取軸40に回動可能に嵌合するプーリー74と、プーリー73とプーリー74に架け渡された無端状のタイミングベルト75とを有する。そして、クラッチ72を構成する2枚のクラッチ板721、722のうちの一方のクラッチ板721がプーリー74に固定されて、他方のクラッチ板722が巻取軸40に固定される。そして、これらクラッチ板721、722が相互に接離可能に構成されている。
したがって、図3の下段の「クラッチ閉」の欄に示すように、2枚のクラッチ721、722を接触させてクラッチ72を閉じることで、減速機71から巻取軸40への出力の伝達経路を繋ぐことができる(接続動作)。一方、図3の上段の「クラッチ開」の欄に示すように、2枚のクラッチ721、722を離間させてクラッチ72を開くことで、減速機71から巻取軸40への出力の伝達経路を遮断することができる(遮断動作)。
以上がプリンター1の装置構成の概要である。続いて、プリンター1を制御する電気的構成について説明を行なう。図4は、図1〜3に示すプリンター1を制御する電気的構成を模式的に示すブロック図である。上述したプリンター1の動作は、図4に示すホストコンピューター10によって制御される。ホストコンピューター10では、制御動作を統括するホスト制御部100がCPU(Central Processing Unit)やメモリーにより構成されている。また、ホストコンピューター10にはドライバー120が設けられており、このドライバー120がメディア122からプログラム124を読み出す。なお、メディア122としては、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリー等の種々のものを用いることができる。そして、ホスト制御部100は、メディア122から読み出したプログラム124に基づいて、ホストコンピューター10の各部の制御やプリンター1の動作の制御を行なう。
さらに、ホストコンピューター10には作業者とのインターフェースとして、液晶ディスプレー等で構成されるモニター130と、キーボードやマウス等で構成される操作部140とが設けられている。モニター130には、印刷対象の画像の他にメニュー画面が表示される。したがって、作業者は、モニター130を確認しつつ操作部140を操作することで、メニュー画面から印刷設定画面を開いて、印刷媒体の種類、印刷媒体のサイズ、印刷品質等の各種の印刷条件を設定することができる。なお、作業者とのインターフェースの具体的構成は種々の変形が可能であり、例えばタッチパネル式のディスプレーをモニター130として用い、このモニター130のタッチパネルで操作部140を構成しても良い。
一方、プリンター1では、ホストコンピューター10からの指令に応じてプリンター1の各部を制御するプリンター制御部200が設けられている。そして、記録ヘッド、UV照射器およびシート搬送系の装置各部はプリンター制御部200によって制御される。これら装置各部に対するプリンター制御部200の制御の詳細は次のとおりである。
プリンター制御部200は、カラー画像を形成する各記録ヘッド51のインク吐出タイミングを、シートSの搬送に応じて制御する。具体的には、このインク吐出タイミングの制御は、回動ドラム30の回動軸に取り付けられて、回動ドラム30の回動位置を検出するドラムエンコーダーE30の出力(検出値)に基づいて実行される。つまり、回動ドラム30はシートSの搬送に伴って従動回動するため、回動ドラム30の回動位置を検出するドラムエンコーダーE30の出力を参照すれば、シートSの搬送位置を把握することができる。そこで、プリンター制御部200は、ドラムエンコーダーE30の出力からpts(print timing signal)信号を生成し、このpts信号に基づいて各記録ヘッド51のインク吐出タイミングを制御することで、各記録ヘッド51が吐出したインクを搬送されるシートSの目標位置に着弾させて、カラー画像を形成する。
また、記録ヘッド52が透明インクを吐出するタイミングも、同様にドラムエンコーダーE30の出力に基づいてプリンター制御部200により制御される。これによって、複数の記録ヘッド51によって形成されたカラー画像に対して、透明インクを的確に吐出することができる。さらに、UV照射器61、62、63の点灯・消灯のタイミングや照射光量もプリンター制御部200によって制御される。
また、プリンター制御部200は、図1を用いて詳述したシートSの搬送を制御する機能を司る。つまり、シート搬送系を構成する部材のうち、繰出軸20、前駆動ローラー31、後駆動ローラー32および巻取軸40それぞれにはモーターが接続されている。そして、プリンター制御部200はこれらのモーターを回動させつつ、各モーターの速度やトルクを制御して、シートSの搬送を制御する。このシートSの搬送制御の詳細は次のとおりである。
プリンター制御部200は、繰出軸20を駆動する繰出モーターM20を回動させて、繰出軸20から前駆動ローラー31にシートSを供給する。この際、プリンター制御部200は、繰出モーターM20のトルクを制御して、繰出軸20から前駆動ローラー31までのシートSのテンション(繰出テンションTa)を調整する。つまり、繰出軸20と前駆動ローラー31の間に配置された従動ローラー21には、繰出テンションTaを検出するテンションセンサーS21が取り付けられている。このテンションセンサーS21は、例えばシートSから受ける力を検出するロードセルによって構成することができる。そして、プリンター制御部200は、テンションセンサーS21の検出結果に基づいて、繰出モーターM20のトルクをフィードバック制御して、シートSの繰出テンションTaを調整する。
また、プリンター制御部200は、前駆動ローラー31を駆動する前駆動モーターM31と、後駆動ローラー32を駆動する後駆動モーターM32とを回動させる。これによって、繰出部2から繰り出されたシートSがプロセス部3を通過する。この際、前駆動モーターM31に対しては速度制御が実行される一方、後駆動モーターM32に対してはトルク制御が実行される。つまり、プリンター制御部200は、前駆動モーターM31のエンコーダー出力に基づいて、前駆動モーターM31の回動速度を一定に調整する。これによって、シートSは、前駆動ローラー31によって一定速度で搬送される。
一方、プリンター制御部200は、後駆動モーターM32のトルクを制御して、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32までのシートSのテンション(プロセステンションTb)を調整する。つまり、回動ドラム30と後駆動ローラー32の間に配置された従動ローラー34には、プロセステンションTbを検出するテンションセンサーS34が取り付けられている。このテンションセンサーS34は、例えばシートSから受ける力を検出するロードセルによって構成することができる。そして、プリンター制御部200は、テンションセンサーS34の検出結果に基づいて、後駆動モーターM32のトルクをフィードバック制御して、シートSのプロセステンションTbを調整する。
また、プリンター制御部200は、巻取軸40を駆動する巻取モーターM40を回動させて、後駆動ローラー32が搬送するシートSを巻取軸40に巻き取る。この際、プリンター制御部200は、巻取モーターM40のトルクを制御して、後駆動ローラー32から巻取軸40までのシートSのテンション(巻取テンションTc)を調整する。つまり、後駆動ローラー32と巻取軸40の間に配置された従動ローラー41には、巻取テンションTcを検出するテンションセンサーS41が取り付けられている。このテンションセンサーS41は、例えばシートSから受ける力を検出するロードセルによって構成することができる。そして、プリンター制御部200は、テンションセンサーS41の検出結果に基づいて、巻取モーターM40のトルクをフィードバック制御して、シートSの巻取テンションTcを調整する。
さらに、プリンター制御部200は、クラッチ72が実行する動作を接続動作と遮断動作との間で切り換えて、クラッチ72の開閉を制御する機能も司る。この際、プリンター制御部200は、作業者からの開閉指令に応じてクラッチ72を開閉させる手動開閉モードと、自らがプリンター1の状況を判断した結果に基づいてクラッチ72を開閉させる自動開閉モードとを実行できる。
まず、前者の手動開閉モードについて説明する。作業者が操作部140を操作してクラッチ72の開閉指令を入力すると、この開閉指令がホスト制御部100を介してプリンター制御部200に送られる。そして、プリンター制御部200は、作業者からの開閉指令を受信すると手動開閉モードを実行し、開閉指令の内容に応じて上述の接続動作あるいは遮断動作をクラッチ72に実行させる。つまり、開閉指令がクラッチ72を閉じることを示す場合には、接続動作をクラッチ72に実行させ、開閉指令がクラッチ72を開くことを示す場合には、遮断動作をクラッチ72に実行させる。
続いて、後者の自動開閉モードについて、図5を用いて説明する。ここで、図5は、自動開閉モードにおけるクラッチの開閉動作を例示するタイミングチャートである。例えば、作業者が操作部140を操作して画像記録指令を入力すると、この画像記録指令がホスト制御部100を介してプリンター制御部200に送られる。そして、プリンター制御部200は、画像記録指令を受信すると、画像記録指令が示す内容の画像記録を開始するとともに、自動開閉モードを開始する。
図5の具体例を用いて説明すると、プリンター制御部200は、時刻t1に画像記録指令を受信すると、時刻t2(t2>t1)に接続動作をクラッチ72に実行させて、クラッチ72を閉じる。これによって、巻取モーターM40の出力が減速機71を介して回動軸40に与えられ、回動軸40を駆動することが可能な状態となる。そして、プリンター制御部200は、時刻t2から所定時間を経過した時刻t3(t3>t2)に、シートSの搬送を開始しつつ画像記録を開始し、画像記録指令が示す画像をシートSに記録する。時刻t4(t4>t3)に、画像記録指令の示す画像記録が終了すると、プリンター制御部200は、時刻t4から所定時間経過した時刻t5(t5>t4)に遮断動作をクラッチ72実行させて、クラッチ72を開く。これによって、減速機71から回動軸40まで出力を伝達する経路が遮断され、作業者は、容易に巻取軸40を回動させることが可能となる。
以上に説明したように、このように構成された実施形態では、巻取モーターM40の出力は、減速機71により減速されてから巻取軸40に与えられており、巻取軸40に与えるトルクの増大が図られている。しかも、減速機71から巻取軸40への出力の伝達経路を繋ぐ接続動作と、減速機71から巻取軸40への出力の伝達経路を遮断する遮断動作とを、選択的に実行できるように構成されている。したがって、接続動作を実行して、減速機71から巻取軸40への出力の伝達経路を繋ぐことで、大きなトルクで巻取軸40を回動させることができる。また、遮断動作を実行して、減速機71から巻取軸40への出力の伝達経路を遮断することで、作業者は減速機71を伴うことなく小さなトルクで巻取軸40を回動させることができ、作業者による手作業の負担を軽減することができる。こうして、本実施形態では、減速機71を介して巻取モーターM40の出力を巻取軸40に伝えて大きなトルクで巻取軸40を回動可能としつつも、作業者による手作業の負担を軽減することが可能となっている。
また、本実施形態では、減速機71からの出力を受けて回動することでシートSを巻き取る巻取軸40に対して本発明が適用されている。このような巻取軸40に対してはシートSを巻き取るのに必要な大きなトルクを与える必要がある一方、巻取軸40に巻き取られたシートSの交換作業等を少ない負担で作業者が実行できることが求められる。そこで、本発明を適用することが極めて好適となる。
また、本実施形態では、プリンター制御部200は、シートSへの画像記録の実行を指示する画像記録指令を受けると、画像記録の開始前に接続動作を実行する。このような構成では、減速機71から巻取軸40への伝達経路を画像記録の開始前に確実に繋いでおいて、大きなトルクで巻取軸40を回動させてシートSを安定的に搬送しつつ、シートSへの画像記録を適切に実行することができる。
さらに、本実施形態では、プリンター制御部200は、シートSへの画像記録が終了すると、遮断動作を実行する。このような構成では、画像記録が終了すると、減速機71から巻取軸40への伝達経路が遮断される。そのため、画像記録の終了の後に作業者により実行される作業へ備えておくことができる。
また、本実施形態では、作業者からの操作を受けて、クラッチ72の動作を接続動作と遮断動作の間で切り換える操作部140が設けられている。このような構成では、作業者は、操作部140を操作することにより、所望のタイミングでクラッチ72の動作を適宜切り換えることができる。
以上のように、上記実施形態では、プリンター1が本発明の「画像記録装置」の一例に相当し、巻取軸40が本発明の「回動軸」の一例に相当し、巻取モーターM40が本発明の「駆動源」の一例に相当し、減速機71が本発明の「減速機」の一例に相当し、クラッチ72が本発明の「出力伝達切換部」の一例に相当し、プリンター制御部200が本発明の「制御部」の一例に相当し、操作部140が本発明の「操作部」の一例に相当し、接続動作が本発明の「第1動作」の一例に相当し、遮断動作が本発明の「第2動作」の一例に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。つまり、例えば減速機71から巻取軸40までの出力の伝達経路の具体的構成態様は、上記実施形態で示した例に限られず、種々の態様の構成を用いることができる。したがって、減速機71からクラッチ72へ出力を伝達する具体的構成、クラッチ72を配置する具体的位置、あるいはクラッチ72と巻取軸40を接続する具体的構成等を適宜変更することができる。
また、上記実施形態では、2枚のクラッチ板を接離することで開閉を行うクラッチ72を用いた例が示されていた。しかしながら、使用可能なクラッチの種類はこれに限られず、種々の方式のクラッチを使用することができる。
また、上記実施形態では、巻取軸40に対して本発明を適用した場合を例示したが、繰出軸20に対して本発明を適用しても構わない。この場合、繰出軸20が本発明の「回動軸」の一例に相当することとなる。
また、上記実施形態では、操作部140を操作することで、作業者がクラッチ72の開閉指示を入力できるように構成されていた。しかしながら、作業者によるクラッチ72の開閉を可能とする具体的構成についても種々の変更が可能であり、例えば、作業者が機械式のボタン等を操作することで、クラッチ72を開閉できるように構成しても良い。
また、上記実施形態では、単一の巻取モーターM40により本発明の「駆動源」を構成していた。しかしながら、駆動源を構成するモーターの個数は1個に限られず、複数個であっても良い。
また、上記実施形態では、円筒形のプラテン(回動ドラム30)でシートSを支持するプリンター1に本発明を適用した場合を例示した。しかしながら、シートSを支持する具体的構成はこれに限られない。したがって、平板形状を有するプラテンが有する平面でシートSを支持するように構成しても構わない。
また、印刷ヘッド36a〜36eの個数、配置、吐出する色等についても適宜変更が可能である。UVランプ37a、37b、38の個数、配置、紫外線強度等についても適宜変更が可能である。
また、上記実施形態では、UVインクを吐出する印刷ヘッド36a〜36eを備えたプリンター1に本発明を適用していた。しかしながら、UVインク以外のインク、例えばレジンインク等の水性インクを吐出する印刷ヘッドを備えたプリンターに対して本発明を適用しても構わない。あるいは、インク以外のものを用いて印刷を行うプリンターに対して本発明を適用しても構わない。
1…プリンター、40…巻取軸、M40…巻取モーター、7…巻取駆動機構、71…減速機、72…クラッチ、721…クラッチ板、722…クラッチ板、73…プーリー、74…プーリー、75…タイミングベルト、140…操作部、S…シート
Claims (7)
- 記録媒体を支持する回動軸と、
前記回動軸を回動可能な駆動源と、
前記駆動源の出力を減速して前記回動軸に与える減速機と、
前記減速機から前記回動軸への出力の伝達経路を繋ぐ第1動作および前記減速機から前記回動軸への出力の伝達経路を遮断する第2動作を選択的に実行する出力伝達切換部と
を備える画像記録装置。 - 前記回動軸は、前記減速機からの出力を受けて回動することで前記記録媒体を巻き取る請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記出力伝達切換部の動作を前記第1動作と前記第2動作の間で切り換える制御部を備える請求項1または2に記載の画像記録装置。
- 前記制御部は、前記記録媒体への画像記録の実行を指示する指令を受けると、画像記録の開始前に前記第1動作を実行する請求項3に記載の画像記録装置。
- 前記制御部は、前記記録媒体への画像記録が終了すると、前記第2動作を実行する請求項3または4に記載の画像記録装置。
- 作業者からの操作を受けて、前記出力伝達切換部の動作を前記第1動作と前記第2動作の間で切り換える操作部を備える請求項1ないし5のいずれか一項に記載の画像記録装置。
- 駆動源の出力を減速する減速機から回動軸への出力の伝達経路を繋ぐ第1動作と、
前記減速機から前記回動軸への出力の伝達経路を遮断する第2動作と
を選択的に実行し、
前記第1動作を実行して前記駆動源を動作させることで前記回動軸に支持された記録媒体を搬送しつつ、前記記録媒体に画像を記録する画像記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013189109A JP2015054456A (ja) | 2013-09-12 | 2013-09-12 | 画像記録装置、画像記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JP2015054456A true JP2015054456A (ja) | 2015-03-23 |
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ID=52819192
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109397877A (zh) * | 2017-08-15 | 2019-03-01 | 安波福技术有限公司 | 转印系统 |
CN110759144A (zh) * | 2019-10-28 | 2020-02-07 | 重庆知翔科技有限公司 | 导纸回收设备 |
WO2020155918A1 (zh) * | 2019-02-01 | 2020-08-06 | 王安俭 | 一种喷水织机用成品干燥收卷装置 |
-
2013
- 2013-09-12 JP JP2013189109A patent/JP2015054456A/ja active Pending
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