JP2015053751A - 非接触電力伝送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】非接触にて電力を伝送する際に生じる漏洩電磁界を低減しつつ、給電コイルと受電コイルの位置ずれが生じた場合においても高い電力伝送効率を維持できる非接触電力伝送装置を提供すること。【解決手段】非接触電力伝送装置100は、給電側コイル部L1及び受電側コイル部L2において、隣接するコイルの巻線同士が少なくとも一部において重なり合うように配置されており、コイル切り替え部11は、給電側から受電側に伝送される電力の伝送効率が最も高くなるようにコイルを選択する。【選択図】図1

Description

本発明は、非接触電力伝送装置に関する。
電源コードを用いずに電力を供給する非接触電力伝送技術が注目されつつある。現在の非接触電力伝送技術は、主に電磁誘導を利用するタイプであり、さまざまな分野での応用が期待されている。
こうした背景から、例えば電気自動車の車両下部に受電コイル(受電側)を具備して、地上側の給電コイル(給電側)から非接触で大電力(例えば数(kW)〜数10(kW))を伝送するという案も検討されており、この非接触電力伝送技術を用いれば、給電側と受電側を機械的に結合させることなく電力伝送を行うことができる。
ところで、非接触にて電力を伝送する場合、受電コイルには給電コイルから発生する交流磁界が印加される。そして、この交流磁界により、受電コイルには電磁誘導作用により起電力が生じ、この起電力に基づいた電力が受電側の負荷に供給される。このような非接触電力伝送では、給電コイルから発生した交流磁界の一部が漏洩電磁界となり、この漏洩電磁界が他の電気機器、例えばラジオ等の雑音の原因になり得る。
このような問題を解決するため、例えば特許文献1には、給電側または受電側に組み込まれるコイルユニットを、直列に接続された複数のコイルで構成したものが提案されている。このコイルユニットでは、隣り合って配置された2つのコイルに発生する磁界(磁束)の向きが、互い逆方向になるようにコイルユニットが構成されている。そして、この2つのコイルに発生する磁界(磁束)の向きを互い逆方向にすることにより、漏洩磁界を低減させている。
特開2011−234496号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、給電側のコイルユニットと受電側コイルユニットとの位置ずれによる電力伝送効率の低下に関する検討が行われていない。つまり、給電側のコイルユニットと受電側のコイルユニットとの位置ずれにより、給電側のコイルユニットを構成する1つのコイルにより形成された磁界とそのコイルと隣り合う他のコイルにより形成された磁界が、受電側のコイルユニットを構成する1つのコイルに鎖交した場合、それら双方の磁界が互いに打ち消し合い、電力伝送効率が著しく低下するが、この電力伝送効率の低下に関する検討が行われていない。
そこで、本発明は、非接触にて電力を伝送する際に生じる漏洩電磁界を低減しつつ、給電コイルと受電コイルの位置ずれが生じた場合においても高い電力伝送効率を維持できる非接触電力伝送装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る非接触電力伝送装置は、給電側から受電側へ非接触で電力が伝送される非接触電力伝送装置であって、少なくとも3つのコイルで構成された給電側コイル部と、直列に接続された一対または複数対のコイルで構成され、対になるコイルはそれぞれに逆方向の磁界が与えられたときに起電力の方向が同じになるように接続されている受電側コイル部と、給電側コイル部を構成するコイルから直列に接続される一対または複数対のコイルを選択し、対になるコイルが発生する磁界の方向が互いに逆方向になるように当該対になるコイルの接続を切り替えるコイル切り替え部と、コイル切り替え部により選択された一対または複数対のコイルに電力を供給する駆動部と、を備え、給電側コイル部及び受電側コイル部において、隣接するコイルの巻線同士が少なくとも一部において重なり合うように配置されており、コイル切り替え部は、給電側から受電側に伝送される電力の伝送効率が最も高くなるようにコイルを選択することを特徴とする。
本発明によれば、給電側コイル部及び受電側コイル部において、隣接するコイル同士のコイル面が部分的に重なり合って相互の距離が接近するため、コイル同士の結合状態が高まっている。この状態において、給電側コイル部を構成するコイルから給電側から受電側に伝送される電力の伝送効率が最も高くなる直列に接続される一対または複数対のコイルが選択され、選択された対になるコイルが発生する磁界の方向が互いに逆方向になるように当該対になるコイルの接続を切り替え、選択された一対または複数対のコイルに電力を供給し駆動させる。一方、受電側コイル部を構成する直列に接続された一対または複数対のコイルのうちの対になるコイルは、それぞれに逆方向の磁界が与えられたときに起電力の方向が同じになるように接続されている。このような構成により、位置ずれが生じない場合、または位置ずれが生じた場合のいずれの場合であっても、給電側コイル部を構成するコイルから選択された対になるコイルと受電側コイル部を構成するコイルのうちの対になるコイルとの間に生じる磁界は閉ループを描き、漏洩電磁界を減少させることができるとともに、給電側コイル部を構成するコイルから選択された対になるコイルから受電側コイル部を構成するコイルのうちの対になるコイルに貫通する磁界が相殺されずに受電側コイル部を構成するコイルのうちの対になるコイルに有効に起電力が発生するため、高い電力伝送効率を維持することができる。したがって、非接触にて電力を伝送する際に生じる漏洩電磁界を減少させることができるとともに、位置ずれが生じた場合においても、高い電力伝送効率を維持することができる。
給電側コイル部及び受電側コイル部において、隣接するコイル同士が巻線幅の0.5倍から、巻線幅の1.5倍の範囲で重なり合うように配置されていることが好ましい。
この場合、コイルの巻線幅をWとすると、コイル同士を0.5×W以上に重ね合わせることにより、隣接するコイル同士の距離が接近するため、コイル同士の結合状態が高まるとともに、対向する給電側コイル部を構成するコイルと受電側コイル部を構成するコイルとの間の結合状態も高まる。その結果、高い電力伝送効率を維持することが可能となる。また、コイル同士を1.5×W以下に重ね合わせることにより、隣接するコイル同士の間における磁界の相殺が抑制されるため、高い電力伝送効率を維持することが可能となる。
より好ましくは、駆動部の駆動周波数を制御する周波数制御回路をさらに備え、周波数制御回路は、給電側コイル部に印加する電圧の位相と給電側コイル部に流れる電流の位相とを合わせるように駆動周波数を制御するとよい。
この場合、位置ずれが生じた場合に、給電側コイル部及び受電側コイル部の互いの相互インダクタンスの変化に応じて電力伝送効率が最大となるように駆動周波数を制御することが可能となる。その結果、位置ずれが生じた場合においても高い電力伝送効率を確実に維持することができる。
より好ましくは、給電側コイル部に供給される電力値を測定する入力電力測定装置と、受電側コイル部から出力される電力値を測定する出力電力測定装置と、電力伝送効率計算装置と、をさらに備え、電力伝送効率計算装置は、入力電力測定装置が測定した電力値と出力電力測定装置が測定した電力値から給電側から受電側に伝送される電力伝送効率を算出し、コイル切り替え部は、電力伝送効率計算装置が算出した電力伝送効率に基づいて、給電側から受電側に伝送される電力の伝送効率が最も高くなるようにコイルを選択すると良い。
この場合、コイル切り替え部によって、給電側から受電側に伝送される実際の電力伝送効率に基づいて、給電側から受電側に伝送される電力の伝送効率が最も高くなるようにコイルが選択される。そのため、位置ずれが生じた場合においても高い電力伝送効率を精度良く維持することができる。
本発明によれば、非接触にて電力を伝送する際に生じる漏洩電磁界を低減しつつ、給電コイルと受電コイルの位置ずれが生じた場合においても高い電力伝送効率を維持できる非接触電力伝送装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る非接触電力伝送装置を示す構成図である。 給電側コイル部が8つの給電コイルから構成された例を示す模式図である。 コイル切り替え部の動作を説明するための非接触電力伝送装置の一部詳細図である。 コイル切り替え部の動作を説明するための非接触電力伝送装置の一部詳細図である。 コイル切り替え部の動作を説明するための非接触電力伝送装置の一部詳細図である。 コイル切り替え部の動作を説明するための非接触電力伝送装置の一部詳細図である。 コイル切り替え部の動作を説明するための非接触電力伝送装置の一部詳細図である。 給電動作を説明するための給電コイルと受電コイルの対向状態(相対的な位置関係)を示した断面図(コイル面に垂直な断面を示した断面図)である。 給電動作を説明するための給電コイルと受電コイルの対向状態(相対的な位置関係)を示した断面図(コイル面に垂直な断面を示した断面図)である。 給電動作を説明するための給電コイルと受電コイルの対向状態(相対的な位置関係)を示した断面図(コイル面に垂直な断面を示した断面図)である。 給電動作を説明するための給電コイルと受電コイルの対向状態(相対的な位置関係)を示した断面図(コイル面に垂直な断面を示した断面図)である。 給電動作を説明するための給電コイルと受電コイルの対向状態(相対的な位置関係)を示した断面図(コイル面に垂直な断面を示した断面図)である。 本発明の第1実施形態に係る非接触電力伝送装置を電気自動車に適用した例を説明するための模式図である。 本発明の第2実施形態に係る非接触電力伝送装置を示す構成図である。 本発明の第3実施形態に係る非接触電力伝送装置の給電コイルと受電コイルの部分を詳細に示した図である。 本発明の第4実施形態に係る非接触電力伝送装置を示す構成図である。 実施例における給電側コイル部及び受電側コイル部の隣接するコイル同士の重なり合う範囲を説明するための非接触電力伝送装置の一部詳細図である。 実施例における給電側コイル部及び受電側コイル部の隣接するコイル同士の重なり合う範囲を説明するための非接触電力伝送装置の一部詳細図である。 実施例における給電側コイル部及び受電側コイル部の隣接するコイル同士の重なり合う範囲を説明するための非接触電力伝送装置の一部詳細図である。 実施例における給電側コイル部及び受電側コイル部の隣接するコイル同士の重なり合う範囲を説明するための非接触電力伝送装置の一部詳細図である。 比較例における給電側コイル部及び受電側コイル部の隣接するコイル同士の重なり合う範囲を説明するための非接触電力伝送装置の一部詳細図である。 駆動部の駆動周波数を固定させた場合の給電側コイル部と受電側コイル部の位置に応じた駆動部の駆動周波数を示すグラフである。 駆動部の駆動周波数を変動させた場合の給電側コイル部と受電側コイル部の位置に応じた駆動部の駆動周波数を示すグラフである。 実施例1における位置ずれが生じた場合の電力伝送効率の測定結果を示すグラフである。 実施例2における位置ずれが生じた場合の電力伝送効率の測定結果を示すグラフである。 実施例3における位置ずれが生じた場合の電力伝送効率の測定結果を示すグラフである。 実施例4における位置ずれが生じた場合の電力伝送効率の測定結果を示すグラフである。 実施例5における位置ずれが生じた場合の電力伝送効率の測定結果を示すグラフである。 比較例1における位置ずれが生じた場合の電力伝送効率の測定結果を示すグラフである。
本発明を実施するための形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、説明において、同一要素または同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る非接触電力伝送装置100の全体構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る非接触電力伝送装置を示す構成図である。
非接触電力伝送装置100は、図1に示されるように、直流電源8、駆動部9、給電部12、受電部13、整流器15、負荷装置16、入力電力測定装置18、出力電力測定装置17、電力伝送効率計算装置19を有する。
直流電源8は、駆動部9に直流電力を供給する。直流電源8としては、例えば、商用交流電源を整流・平滑した直流電力を出力する直流電源、二次電池、太陽電池等を用いることができる。
駆動部9は、入力された直流電力を交流電力に変換する機能を有している。本実施形態では、直流電源8から供給される直流電力を交流電力に変換して後述する給電部12に出力する。駆動部9の交流周波数は、例えば20(kHz)〜200(kHz)程度である。
給電部12は、給電側コイル部L1、給電側共振キャパシタ10、コイル切り替え部11を有する。
給電側コイル部L1は、4つの給電コイルL11〜L14から構成されており、給電コイルL11と給電コイルL12が隣接し、給電コイルL12と給電コイルL13が隣接し、給電コイルL13とL14が隣接するように列を成して配置されている。給電コイルL11〜L14は、それぞれ略長方形を呈しており、銅やアルミニウムなどの金属線を数回巻きから10回巻き程度巻き回されて構成されており、平面状に形成されたスパイラル構造のコイルである。以下、このスパイラル構造のコイルの最内周の巻線から最外周の巻線までの幅を巻線幅Wという。なお、給電コイルL11〜L14の各巻線幅W同士は同一であると好ましい。また、平面状に形成されたスパイラル構造のコイルは、厳密な平面である必要はなく、多少湾曲していても良い。またさらには、給電コイルL11〜L14は、それぞれ巻線が層状に巻回されたコイルであっても良く、外形形状は長方形の他に正方形、円、楕円を呈していても良い。
4つの給電コイルL11〜L14は、隣接するコイル同士のコイル面が部分的に重なり合うように配置されており、コイルの外縁が重なり合う範囲としては、0.5×W(巻線幅の0.5倍)から1.5×W(巻線幅の1.5倍)の範囲であることが好ましい。つまり、隣接するコイルの巻線同士は、巻線幅の半分以上が重なり合っていることが好ましい。この場合、隣接するコイルの外縁同士が重なり合う範囲を0.5×W以上(巻線幅の0.5倍以上)とすることで、隣接するコイル同士の結合状態が高められるため、発生する磁束量を増大させることができる。しかし、隣接するコイル同士が重なり合う範囲が増加し過ぎると隣接するコイル同士で相殺される磁束量が増大してしまうため、隣接するコイルの外縁同士が重なり合う範囲は1.5×W以下(巻線幅の1.5倍以下)であることが好ましい。
ここで、本実施形態では、4つの給電コイルL11〜L14が1列を成して構成されているが、図2に示されるように、4つの給電コイルL11〜L14に加えて、4つの給電コイルL15〜L18をさらに備え、それぞれが列を成して構成されていてもよい。図2は、給電側コイル部が8つの給電コイルから構成された例を示す模式図である。本例においては、図2に示されるように、給電コイルL15と給電コイルL16が隣接し、給電コイルL16と給電コイルL17が隣接し、給電コイルL17とL18が隣接するように列を成して配置されている。このとき、給電コイルL11と給電コイルL15も隣接し、給電コイルL12と給電コイルL16も隣接し、給電コイルL13と給電コイルL17も隣接し、給電コイルL14と給電コイルL18も隣接するように配置されている。すなわち、8つの給電コイルL11〜L18が2列を成して構成されている。このように構成することにより、後述する2つの受電コイルL21,L22が図示X軸方向に位置ずれが生じた場合だけでなく、図示Y軸方向に位置ずれが生じた場合であっても漏洩電磁界を減少させることができるとともに、高い電力伝送効率を維持することができる。
給電側共振キャパシタ10は、給電コイルL11〜L14の後述するコイル切り替え部11によって選択された給電コイルL11〜L14と共振回路を形成する。本実施形態では、給電側共振キャパシタ10は、後述するコイル切り替え部11によって選択された給電コイルL11〜L14と直列接続するように構成されているが、これに限られるものではなく、並列接続するように構成してもよい。
本実施形態では、コイル切り替え部11は、4つの給電コイルL11〜L14のうち、2つの給電コイルを選択する機能を有する。図1に示されている例では、給電コイルL11と給電コイルL13が選択されている。この選択された2つの給電コイルL11,L13は、それぞれに発生する磁界の向きが互いに逆方向になるように駆動される。つまり、選択された2つの給電コイルL11,L13に発生する磁界の向きが互いに逆方向になるように2つの給電コイルL11,L13の接続が切り替えられる。この接続切り替えは、コイル切り替え部11によって行われる。例えば、2つの給電コイルL11,L13の巻き方向が逆向きの場合は、給電コイルL11の巻線終端と給電コイルL13の巻線始端を接続すればよい。また、2つの給電コイルL11,L13の巻き方向が同じ向きの場合は、給電コイルL11の巻線始端と給電コイルL13の巻線始端を接続すればよい。このように接続された2つの給電コイルが駆動部9により駆動されると、一方の給電コイルが給電コイルから受電コイルに向かう方向の磁界を発生させたときに、他方の給電コイルが受電コイルから給電コイルに向かう方向の磁界を発生させる。
受電部13は、受電側コイル部L2と、受電側共振キャパシタ14を有する。
受電側コイル部L2は、2つの受電コイルL21,L22から構成されている。すなわち、給電側コイル部L1を構成するコイルの数量は、受電側コイル部L2を構成するコイルの数量よりも多くなっている。また、複数の給電コイルL11〜L14と複数の受電コイルL21,L22が対向して配置されることによって非接触にて電力が伝送される。なお、2つの受電コイルL21,L22は、給電コイルL11〜L14と同様に、それぞれ略長方形を呈しており、銅やアルミニウムなどの金属線を数回巻きから10回巻き程度巻き回されて構成されており、平面状に形成されたスパイラル構造のコイルであり、給電コイルL11〜L14と同じ巻線幅Wを有している。なお、受電コイルL21,L22の各巻線幅W同士は同一であると好ましい。また、平面状に形成されたスパイラル構造のコイルは、厳密な平面である必要はなく、多少湾曲していても良い。またさらには、受電コイルL21,L22は、それぞれ巻線が層状に巻回されたコイルであっても良く、外形形状は、長方形の他に正方形、円、楕円を呈していても良い。但し、受電コイルL21,L22は、給電コイルL11〜L14と同一の外形形状であって、巻線幅W及び外形寸法が同一となっている。本実施形態では、受電側コイル部L2は、2つの受電コイルL21,L22、すなわち1対の受電コイルから構成されているがこれに限られることなく、複数対の受電コイルから構成されていてもよい。この場合においても、受電コイルを構成するコイルの数量は、給電側コイル部L1を構成するコイルの数量よりも少ない数で構成される必要がある。
2つの受電コイルL21,L22は、隣接するコイル同士のコイル面が部分的に重なり合うように配置されており、コイルの外縁が重なり合う範囲としては、0.5×W(巻線幅の0.5倍)から1.5×W(巻線幅の1.5倍)の範囲であることが好ましい。つまり、隣接するコイルの巻線同士は、巻線幅の半分以上が重なり合っていることが好ましい。この場合、隣接するコイル同士の重なり合う範囲を0.5×W以上(巻線幅の0.5倍以上)とすることで、隣接するコイル同士の結合状態が高められるため、鎖交する磁束量を増大させることができる。しかし、隣接するコイル同士が重なり合う範囲が増加し過ぎると、鎖交する磁束量が減少してしまうため、隣接するコイルの外縁同士が重なり合う範囲は1.5×W以下(巻線幅の1.5倍以下)であることが好ましい。
また、2つの受電コイルL21,L22は、互いに逆方向の磁界が鎖交したときに、それぞれに発生する起電力の方向が一致するように接続されている。例えば、2つの受電コイルL21,L22の巻き方向が逆向きの場合は、受電コイルL21の巻線終端と受電コイルL22の巻線始端を接続すればよい。また、2つの受電コイルL21,L22の巻き方向が同じ向きの場合は、受電コイルL21の巻線始端と受電コイルL22の巻線始端を接続すればよい。このように接続された2つの受電コイルのうちの一方の受電コイルに給電コイルから受電コイルに向かう方向の磁界が鎖交し、他方の受電コイルに受電コイルから給電コイルに向かう方向の磁界が鎖交した場合、一方の受電コイルにと他方の受電コイルに発生する起電力の方向が一致する。
整流器15は、交流電力を直流電力に変換する機能を有している。本実施形態では、受電部13から出力された交流電力(交流電圧)を直流電力(直流電圧)に変換し、後述する負荷装置16に出力している。整流器15は、例えば図示しないブリッジダイオードと平滑用コンデンサで構成される。ブリッジダイオードにより、受電部13から出力された交流電圧は全波整流され、さらに、平滑用コンデンサにより、全波整流された電圧が平滑化される。
負荷装置16は、整流器15から出力された直流電力を消費する。例えば、非接触電力伝送装置100を電気自動車に適用した場合、負荷装置16としては、充電器や再充電可能な二次電池などが挙げられる。
入力電力測定装置18は、直流電源8から駆動部9に入力する直流電圧と直流電流を電圧計と電流計により測定することにより入力電力値を算出する。この入力電力値は、例えば、直流電圧信号18Aに変換されて入力電力測定装置18から出力され、電力伝送効率計算装置19に入力される。
出力電力測定装置17は、整流器15が負荷装置16に出力する直流電圧と直流電流を電圧計と電流計により測定することにより出力電力値を算出する。この出力電力値は、例えば、直流電圧信号17Aに変換されて出力電力測定装置17から出力され、電力伝送効率計算装置19に入力される。
電力伝送効率計算装置19は、出力電力測定装置17が出力した直流電圧信号17Aと入力電力測定装置18が出力した直流電圧信号18Aを用いて電力伝送効率を算出する。この電力伝送効率は、例えば、直流電圧信号19Aに変換されて電力伝送効率計算装置19から出力され、コイル切り替え部11に入力される。
本実施形態では、電力伝送効率計算装置19が出力する直流電圧信号19Aが最大となるように、つまり、電力伝送効率計算装置19により算出される電力伝送効率が最大になるように、コイル切り替え部11が4つの給電コイルL11〜L14の内から2つの給電コイルを選択し、その2つの給電コイルが直列に接続されるように切り替える。例えば、図1に示されるような受電コイルL21と給電コイルL11,L12とが対向し、また受電コイルL22と給電コイルL12,L13とが対向して配置された状態においては、給電コイルL11と給電コイルL13の組み合わせが選択される。仮に、この状態において給電コイルL11と給電コイルL12の組み合わせまたは給電コイルL12と給電コイルL13の組み合わせが選択されると、給電コイルL12に発生する磁界が受電コイルL21,L22の双方に鎖交するため、受電コイルL21,L22に発生する起電力は、給電コイルL11と給電コイルL13の組み合わせが選択された場合よりも小さくなる。その結果、電力伝送効率も給電コイルL11と給電コイルL13の組み合わせが選択された場合よりも小さくなる。これに対し、図1に示されるように、給電コイルL11と給電コイルL13の組み合わせが選択されると、閉ループ7に沿って形成される磁界が増加するため、給電コイルL11,L13により形成された磁界が受電コイルL21,L22に効果的に鎖交し、高い電力伝送効率が維持される。したがって、図1に示されるコイル同士の対向状態においては、給電コイルL11と給電コイルL13の組み合わせが選択されて駆動される。
ここで、図3を参照して、コイル切り替え部11の構成及び動作について詳細に説明する。図3a〜図3eは、コイル切り替え部の動作を説明するための非接触電力伝送装置の一部詳細図である。
まず、コイル切り替え部11の動作について説明する前に、図3aを参照して、コイル切り替え部11の構成について詳細に説明する。コイル切り替え部11は、図3aに示されるように、複数のスイッチSW1〜SW11から構成されている。スイッチSW1〜SW11としては、例えば半導体スイッチやメカニカルなリレー等が挙げられる。本実施形態では、スイッチSW1〜SW11は、2端子からなるメカニカルなリレーで構成されている。
スイッチSW1は、一方の端子が給電側共振キャパシタ10に接続され、他方の端子が給電コイルL11の巻線始端に接続されている。スイッチSW2は、一方の端子が給電コイルL11の巻線終端に接続され、他方の端子が給電コイルL12の巻線始端に接続されている。スイッチSW3は、一方の端子が給電コイルL12の巻線始端に接続され、他方の端子が駆動部9に接続されている。スイッチSW4は、一方の端子が給電コイルL11の巻線終端に接続され、他方の端子が給電コイルL13の巻線終端に接続されている。スイッチSW5は、一方の端子が給電コイルL13の巻線始端に接続され、他方の端子が駆動部9に接続されている。スイッチSW6は、一方の端子が給電コイルL12の巻線始端に接続され、他方の端子が給電側共振キャパシタ10に接続されている。スイッチSW7は、一方の端子が給電コイルL12の巻線終端に接続され、他方の端子が給電コイルL13の巻線終端に接続されている。スイッチSW8は、一方の端子が給電コイルL12の巻線終端に接続され、他方の端子が給電コイルL14の巻線終端に接続されている。スイッチSW9は、一方の端子が給電コイルL14の巻線始端に接続され、他方の端子が駆動部9に接続されている。スイッチSW10は、一方の端子が給電コイルL13の巻線始端に接続され、他方の端子が給電側共振キャパシタ10に接続されている。スイッチSW11は、一方の端子が給電コイルL13の巻線始端に接続され、他方の端子が給電コイルL14の巻線終端に接続されている。
コイル切り替え部11は、スイッチSW1〜SW11の導通・非導通状態を制御することにより、4つの給電コイルL11〜L14から駆動させる2つの給電コイルを選択している。
続いて、図3a〜図3eを参照して、コイル切り替え部11の動作について詳細を説明する。
図3aに示されるように、給電コイルL11と受電コイルL21が対向し、給電コイルL12と受電コイルL22が対向して配置された場合は、コイル切り替え部11によって、給電コイルL11と給電コイルL12の組み合わせが選択され、これらが駆動部9によって駆動される。具体的には、コイル切り替え部11のスイッチSW1,SW2,SW3が導通状態に制御され、他の全てのスイッチが非導通状態に制御される。すなわち、給電コイルL11の巻線始端がスイッチSW1を介して給電側共振キャパシタ10に接続され、給電コイルL11の巻線終端がスイッチSW2を介して給電コイルL12の巻線終端に接続され、給電コイルL12の巻線始端がスイッチSW3を介して駆動部9に接続される。したがって、駆動部9の出力端子に給電コイルL11、給電コイルL12及び給電側共振キャパシタ10が直列接続されることとなる。その結果、駆動部9から給電コイルL11と給電コイルL12に交流電力が供給される。
図3bに示されるように、給電コイルL11と受電コイルL21が対向し、給電コイルL12と受電コイルL21及び受電コイルL22が対向し、給電コイルL13と受電コイルL22が対向して配置された場合は、コイル切り替え部11によって、給電コイルL11と給電コイルL13の組み合わせが選択され、これらが駆動部9によって駆動される。具体的には、コイル切り替え部11のスイッチSW1,SW4,SW5が導通状態に制御され、他の全てのスイッチが非導通状態に制御される。すなわち、給電コイルL11の巻線始端がスイッチSW1を介して給電側共振キャパシタ10に接続され、給電コイルL11の巻線終端がスイッチSW4を介して給電コイルL13の巻線終端に接続され、給電コイルL13の巻線始端がスイッチSW5を介して駆動部9に接続される。したがって、駆動部9の出力端子に給電コイルL11、給電コイルL13及び給電側共振キャパシタ10が直列接続されることとなる。その結果、駆動部9から給電コイルL11と給電コイルL13に交流電力が供給される。
図3cに示されるように、給電コイルL12と受電コイルL21が対向し、給電コイルL13と受電コイルL22が対向して配置された場合は、コイル切り替え部11によって、給電コイルL12と給電コイルL13の組み合わせが選択され、これらが駆動部9によって駆動される。具体的には、コイル切り替え部11のスイッチSW5,SW6,SW7が導通状態に制御され、他の全てのスイッチが非導通状態に制御される。すなわち、給電コイルL12の巻線始端がスイッチSW6を介して給電側共振キャパシタ10に接続され、給電コイルL12の巻線終端がスイッチSW7を介して給電コイルL13の巻線終端に接続され、給電コイルL13の巻線始端がスイッチSW5を介して駆動部9に接続される。したがって、駆動部9の出力端子に給電コイルL12、給電コイルL13及び給電側共振キャパシタ10が直列接続されることとなる。その結果、駆動部9から給電コイルL12と給電コイルL13に交流電力が供給される。
図3dに示されるように、給電コイルL12と受電コイルL21が対向し、給電コイルL13と受電コイルL21及び受電コイルL22が対向し、給電コイルL14と受電コイルL22が対向して配置された場合は、コイル切り替え部11によって、給電コイルL12と給電コイルL14の組み合わせが選択され、これらが駆動部9によって駆動される。具体的には、コイル切り替え部11のスイッチSW6,SW8,SW9が導通状態に制御され、他の全てのスイッチが非導通状態に制御される。すなわち、給電コイルL12の巻線始端がスイッチSW6を介して給電側共振キャパシタ10に接続され、給電コイルL12の巻線終始端がスイッチSW8を介して給電コイルL14の巻線終端に接続され、給電コイルL14の他方の端子がスイッチSW9を介して駆動部9に接続される。したがって、駆動部9の出力端子に給電コイルL12、給電コイルL14及び給電側共振キャパシタ10が直列接続されることとなる。その結果、駆動部9から給電コイルL12と給電コイルL14に交流電力が供給される。
図3eに示されるように、給電コイルL13と受電コイルL21が対向し、給電コイルL14と受電コイルL22が対向して配置された場合は、コイル切り替え部11によって、給電コイルL13と給電コイルL14の組み合わせが選択され、これらが駆動部9によって駆動される。具体的には、コイル切り替え部11のスイッチSW9,SW10,SW11が導通状態に制御され、他の全てのスイッチが非導通状態に制御される。すなわち、給電コイルL13の巻線始端がスイッチSW10を介して給電側共振キャパシタ10に接続され、給電コイルL13の巻線終端がスイッチSW11を介して給電コイルL14の巻線終端に接続され、給電コイルL14の巻線始端がスイッチSW9を介して駆動部9に接続される。したがって、駆動部9の出力端子に給電コイルL13、給電コイルL14及び給電側共振キャパシタ10が直列接続されることとなる。その結果、駆動部9から給電コイルL13と給電コイルL14に交流電力が供給される。
このように、コイル切り替え部11は、受電コイルL21,L22と給電コイルL11〜L14との対向状態(相対的な位置関係)に基づいて、電力伝送効率の最も高くなる2つの給電コイルをスイッチSW1〜SW11の導通・非導通状態を制御することにより選択している。以下に、図3a〜図3eに示した給電コイルL11〜L14と受電コイルL21,L22との対向状態によるスイッチSW1〜SW11の導通・非導通状態を表1に示す。なお、表1において、「ON」はSW1〜SW11が導通状態であることを意味し、「OFF」はSW1〜SW11が非導通状態であることを意味する。
Figure 2015053751
続いて、図4を参照して、給電コイルL11〜L14と受電コイルL21,L22の対向状態(相対的な位置関係)に応じた給電動作について説明する。図4a〜図4eは、給電動作を説明するための給電コイルと受電コイルの対向状態(相対的な位置関係)を示した断面図(コイル面に垂直な断面を示した断面図)である。なお、図4a〜図4eにおいて、給電コイルL12のコイル面と給電コイルL13のコイル面が重なり合っている部分の中心位置を基準位置X=0(mm)としている。
図4aは、受電コイルL21のコイル面と受電コイルL22のコイル面の重なり合う部分の中心位置が、基準位置X=0(mm)よりも図示左方向に−Xa(mm)ずれた状態を示している。つまり、給電コイルL11と受電コイルL21が対向し、給電コイルL12と受電コイルL22が対向する状態となる。このとき、コイル切り替え部11によって、電力伝送効率が最も高くなるように給電コイルL11とL12が選択されて駆動される。その結果、給電コイルL11,L12により閉ループ7に沿った磁界が形成される。このような磁界が形成されることにより、漏洩電磁界が低減されるとともに、受電コイルL21,L22に有効に起電力が発生し、高い電力伝送効率が維持される。
図4bは、受電コイルL21のコイル面と受電コイルL22のコイル面の重なり合う部分の中心位置が、基準位置X=0(mm)よりも図示左方向に−Xb(mm)ずれた状態を示している。つまり、給電コイルL11と受電コイルL21が対向し、給電コイルL12と受電コイルL21及び受電コイルL22が対向し、給電コイルL13と受電コイルL22が対向する状態となる。このとき、コイル切り替え部11によって、電力伝送効率が最も高くなるように給電コイルL11とL13が選択されて駆動される。その結果、給電コイルL11,L13により閉ループ7に沿った磁界が形成される。このような磁界が形成されることにより、漏洩電磁界が低減されるとともに、受電コイルL21,L22に有効に起電力が発生し、高い電力伝送効率が維持される。仮に、給電コイルL13の代わりに給電コイルL12が選択されると、給電コイルL12により形成された磁界が受電コイルL21,L22の双方に影響を及ぼすため、受電コイルL21,L22に発生する起電力が弱まり、電力伝送効率が低下してしまう。
図4cは、受電コイルL21のコイル面と受電コイルL22のコイル面の重なり合う部分の中心位置が、基準位置X=0(mm)(Xc=0(mm))と一致した状態を示している。つまり、給電コイルL12と受電コイルL21が対向し、給電コイルL13と受電コイルL22が対向する状態となる。このとき、コイル切り替え部11によって、電力伝送効率が最も高くなるように給電コイルL12とL13が選択されて駆動される。その結果、給電コイルL12,L13により閉ループ7に沿った磁界が形成される。このような磁界が形成されることにより、漏洩電磁界が低減されるとともに、受電コイルL21,L22に有効に起電力が発生し、高い電力伝送効率が維持される。
図4dは、受電コイルL21のコイル面と受電コイルL22のコイル面の重なり合う部分の中心位置が、基準位置X=0(mm)よりも図示右方向に+Xd(mm)ずれた状態を示している。つまり、給電コイルL12と受電コイルL21が対向し、給電コイルL13と受電コイルL21及び受電コイルL22が対向し、給電コイルL14と受電コイルL22が対向する状態となる。このとき、コイル切り替え部11によって、電力伝送効率が最も高くなるように給電コイルL12とL14が選択されて駆動される。その結果、給電コイルL12,L14により閉ループ7に沿った磁界が形成される。このような磁界が形成されることにより、漏洩電磁界が低減されるとともに、受電コイルL21,L22に有効に起電力が発生し、高い電力伝送効率が維持される。仮に、給電コイルL13の代わりに給電コイルL13が選択されると、給電コイルL13により形成された磁界が受電コイルL21,L22の双方に影響を及ぼすため、受電コイルL21,L22に発生する起電力が弱まり、電力伝送効率が低下してしまう。
図4eは、受電コイルL21のコイル面と受電コイルL22のコイル面の重なり合う部分の中心位置が、基準位置X=0(mm)よりも図示右方向に+Xe(mm)ずれた状態を示している。つまり、給電コイルL13と受電コイルL21が対向し、給電コイルL14と受電コイルL22が対向する状態となる。このとき、コイル切り替え部11によって、電力伝送効率が最も高くなるように給電コイルL13とL14が選択されて駆動される。その結果、給電コイルL13,L14により閉ループ7に沿った磁界が形成される。このような磁界が形成されることにより、漏洩電磁界が低減されるとともに、受電コイルL21,L22に有効に起電力が発生し、高い電力伝送効率が維持される。
以上のように、本実施形態に係る非接触電力伝送装置100では、給電側コイル部L1及び受電側コイル部L2において、隣接するコイル同士のコイル面が部分的に重なり合って相互の距離が接近するため、コイル同士の結合状態が高まっている。この状態において、給電側コイル部L1を構成するコイルから給電側から受電側に伝送される電力の伝送効率が最も高くなる直列に接続される一対または複数対のコイルが選択され、選択された対になるコイルが発生する磁界の方向が互いに逆方向になるように当該対になるコイルの接続を切り替え、選択された一対または複数対のコイルに電力を供給し駆動させる。一方、受電側コイル部L2を構成する直列に接続された一対または複数対のコイルのうちの対になるコイルは、それぞれに逆方向の磁界が与えられたときに起電力の方向が同じになるように接続されている。このような構成により、位置ずれが生じない場合、または位置ずれが生じた場合のいずれの場合であっても、給電側コイル部L1を構成するコイルから選択された対になるコイルと受電側コイル部L2を構成するコイルのうちの対になるコイルとの間に生じる磁界は閉ループを描き、漏洩電磁界を減少させることができるとともに、給電側コイル部L1を構成するコイルから選択された対になるコイルから受電側コイル部L2を構成するコイルのうちの対になるコイルに貫通する磁界が相殺されずに受電側コイル部L2を構成するコイルのうちの対になるコイルに有効に起電力が発生するため、高い電力伝送効率を維持することができる。したがって、非接触にて電力を伝送する際に生じる漏洩電磁界を減少させることができるとともに、位置ずれが生じた場合においても、高い電力伝送効率を維持することができる。
ここで、図5を参照して、本発明の第1実施形態に係る非接触電力伝送装置100を電気自動車50に適用した例について詳細に説明する。図5は、本発明の第1実施形態に係る非接触電力伝送装置を電気自動車に適用した例を説明するための模式図である。
図5に示す例においては、駐車スペース500内において電気自動車50に給電動作を行う例を示している。本例においては、図5に示されるように、電気自動車50の車体底部に2つの受電コイルL21,L22が搭載され、駐車スペース500内の地面に4つの給電コイルL11〜L14と車止め52が配置されている。より具体的には、2つの受電コイルL21,L22は、電気自動車50の車体底部に、コイル面が地面に対向するように1列に配置されている。また、4つの給電コイルL11〜L14は、車止め52の前方(図示上方)に、車止め52の延在方向に沿って1列に配置されている。また、4つの給電コイルL11〜L14のコイル面は、地面に平行になっている。
この状態において、電気自動車50が図示矢印の方向に移動し、電気自動車50の車輪と車止め52が接触するように駐車されると、地上に配置された4つの給電コイルL11〜L14と2つの受電コイルL21,L22が対向することとなる。このとき、4つの給電コイルL11〜L14と2つの受電コイルL21,L22の対向状態に応じて4つの給電コイルL11〜L14から電力伝送効率の最も高くなる2つの給電コイルが選択されて駆動され、2つの受電コイルL21,L22に非接触にて電力が伝送される。そして、2つの受電コイルL21,L22が受電した電力は、例えば電気自動車50のバッテリー(図示しない)の充電などに使用される。
(第2実施形態)
続いて、図6を参照して、本発明の第2実施形態に係る非接触電力伝送装置200の構成について説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係る非接触電力伝送装置の構成を示す構成図である。
非接触電力伝送装置200は、図6に示されるように、直流電源8、駆動部9、給電部112、受電部113、整流器15、負荷装置16、位置検出装置62を有する。直流電源8、駆動部9、整流器15、負荷装置16の構成は、第1実施形態に係る非接触電力伝送装置100と同様である。本実施形態では、第1実施形態に係る非接触電力伝送装置100の入力電力測定装置18、出力電力測定装置17、電力伝送効率計算装置19に代えて、位置検出装置62を備えるとともに、送信機60と受信装置61が、受電部113と給電部112にそれぞれ設けられている。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
送信機60は、受電コイルL21のコイル面と受電コイルL22のコイル面との重なり部分の中心部に、給電側コイル部L1と対向するように配置される。この送信機60は、電波60Aを後述する受信装置61に向かって照射する。本実施形態では、送信機60として、電波を照射するアンテナコイル送信機を用いているがこれに限られることなく、例えば赤外線を照射する赤外線送信機や20(kHz)以上の超音波を照射する超音波送信機を用いてもよい。
受信装置61は、受電側コイル部L2と対向するように、給電コイルL11〜L14のコイル面全体に亘って配置されている。本実施形態では、受信装置61は、送信機から照射された電波60Aに応じて0(V)〜5(V)の直流電圧を生成し、その直流電圧を位置検出信号61Aに変換して出力する。そして、後述する位置検出装置62にはこの位置検出信号61Aが入力される。受信装置61としては、シート状のセンサーなどが挙げられる。
位置検出装置62は、位置検出信号61Aに応じて電力伝送効率が最も高くなる給電コイルの組み合わせを給電コイルL11〜L14から選択する。なお、位置検出信号61Aと選択される給電コイルの組み合わせとの関係は、予め位置検出装置62に記憶されている。この位置検出装置62は、入力された位置検出信号61Aに応じて給電コイルL11〜L14から給電コイルを選択し、選択した給電コイルを示す制御信号62Aを出力する。そして、この制御信号62Aは、コイル切り替え部11に入力される。
コイル切り替え部11は、位置検出装置62が出力する制御信号62Aに基づいて、4つの給電コイルL11〜L14の内から、電力伝送効率が最も高くなる2つの給電コイルを選択し、それらが駆動部9により駆動されるように、スイッチSW1〜SW12の導通・非導通状態を切り替える。例えば、図6に示されるように、受電コイルL21と給電コイルL11,L12とが対向し、また受電コイルL22と給電コイルL12,L13とが対向して配置されている場合は、給電コイルL11と給電コイルL13の組み合わせが選択され、それらが駆動部9により駆動される。このように、本実施形態においても、位置検出装置62が出力する制御信号62Aに基づいて、4つの給電コイルL11〜L14の内から、電力伝送効率が最も高くなる2つの給電コイルが選択されるため、高い電力伝送効率を維持することができる。
(第3実施形態)
続いて、図7を参照して、本発明の第3実施形態に係る非接触電力伝送装置の構成を説明する。図7は、本発明の第3実施形態に係る非接触電力伝送装置の給電コイルと受電コイルの部分を詳細に示した図である。
本実施形態に係る非接触電力伝送装置において、図7に示されていない部分については第1実施形態に係る非接触電力伝送装置100と同様である。本実施形態では、給電部212が給電側磁性体70を、受電部213が受電側磁性体71を備えている。この点以外は、第1実施形態に係る非接触電力伝送装置100と同様の構成になっている。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
給電側磁性体70は、図7に示されるように、給電側コイル部L1の受電側コイル部L2と対向する面とは反対側の面に沿って配置されている。より具体的には、給電側コイル部L1と受電側コイル部L2の対向方向と直交する平面に沿って、複数の給電コイルL11〜L14のコイル面全体が給電側磁性体70により覆われている。なお、複数の給電コイルL11〜L14と給電側磁性体70は、接触して配置される必要はなく、その間に空隙を設けてもよい。
受電側磁性体71は、図7に示されるように、受電側コイル部L2の給電側コイル部L1と対向する面とは反対側の面に沿って配置されている。より具体的には、給電側コイル部L1受電側コイル部L2の対向方向と直交する平面に沿って、複数の受電コイルL21,L22のコイル面全体が受電側磁性体71により覆われている。なお、複数の受電コイルL21,L22と受電側磁性体71は、接触して配置される必要はなく、その間に空隙を設けてもよい。
給電側磁性体70及び受電側磁性体71としては、透磁率及び電気抵抗の高い材料であれば特に限定されないが、例えば透磁率が2,000〜3,000程度のフェライトが好ましい。
本実施形態では、給電側コイル部L1で形成された磁界は、給電側磁性体70及び受電側磁性体71を通過する。例えば、図7に示されるように、給電コイルL12,13が選択された場合、給電側磁性体70及び受電側磁性体71を通過する閉ループ7Aに沿った磁界が形成されることとなる。このように、給電側コイル部L1で形成された磁界が給電側磁性体70及び受電側磁性体71の内部を通過するため、漏洩電磁界が一層低減される。
(第4実施形態)
次に、図8を参照して、本発明の第4実施形態に係る非接触電力伝送装置300の構成について説明する。図8は、本発明の第4実施形態に係る非接触電力伝送装置を示す構成図である。この非接触電力伝送装置300は、周波数制御回路98を備えている点が、第1実施形態に係る非接触電力伝送装置100と相違する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
周波数制御回路98は、図8に示されるように、電流検出器95、位相制御器96、周波数制御器97により構成されている。この周波数制御回路98は、駆動部9から出力される交流電圧と給電コイルL11〜L14を流れる交流電流の位相を一致させるように駆動部9に与えられる駆動信号を制御する。
電流検出器95は、駆動部9から給電コイルL11〜L14に供給される交流電流を検出する。ここで、駆動部9から給電コイルL11〜L14に流れる交流電流は、給電コイルL11〜L14と給電側共振キャパシタ10とによる共振電流になるため、その波形はほぼ正弦波になる。電流検出器95は、駆動部9から出力される交流電流の検出し、この交流電流の位相変化を示す電流位相信号95Aを出力する。そして、この電流位相信号95Aは位相制御器96に入力される。電流検出器95としては、例えばホール素子を用いた電流センサーや磁性体コアに巻線を施した交流電流測定専用のカレントトランス等が挙げられる。
周波数制御器97は、駆動部9の駆動周波数を制御する機能を有している。具体的には、周波数制御器97は、直流電源8から入力した直流電力(直流電圧)を駆動部9が交流電力(交流電圧)に変換するときの交流電力(交流電圧)の駆動周波数を決定する。周波数制御器97は、位相制御器96から与えられる位相制御信号96Aに基づいて、駆動部9の駆動信号の周波数を決定し、その駆動信号に対応する電圧位相信号97A(駆動信号の電圧位相(電圧波形))を示す電圧位相信号97A,97Bを出力する。電圧位相信号97Aは駆動部9に入力され、電圧位相信号97Bは位相制御器96に入力される。電圧位相信号97A,97Bは、例えばデューティー比が50(%)の矩形波である。
位相制御器96は、入力される電流検出器95からの電流位相信号95Aと周波数制御器97からの電圧位相信号97Bに基づいて、電流位相信号95Aと電圧位相信号97Bの位相差を示す位相制御信号96Aを出力する。位相制御信号96Aは周波数制御器97に入力され、周波数制御器97は電流位相信号95Aと電圧位相信号97Bの位相差が小さくなるように、つまり、駆動部9から出力される交流電圧と給電コイルL11〜L14を流れる交流電流の位相差が小さくなるように駆動部9に与える駆動信号(電圧位相信号97A)を制御する。
このように本実施形態では、周波数制御器97が電流位相信号95Aと電圧位相信号97Bの位相差を示す位相制御信号96Aに基づいて、駆動部9の駆動周波数を制御している。その結果、電流位相信号95Aと電圧位相信号97Bの位相差が縮小して、給電コイルL11〜L14と給電側共振キャパシタ10で形成される共振回路の共振周波数の近傍の駆動周波数にて駆動部9が駆動されることとなる。
以上のように、本実施形態に係る非接触電力伝送装置300は、周波数制御回路98が給電側コイル部L1に印加する電圧の位相と給電側コイル部L1に流れる電流の位相とを合わせるように駆動周波数を制御している。そのため、位置ずれが生じた場合に、給電側コイル部L1及び受電側コイル部L2の互いの相互インダクタンスの変化に応じて電力伝送効率が最大となるように駆動周波数を制御することが可能となる。その結果、位置ずれが生じた場合においても高い電力伝送効率を確実に維持することができる。
以下、本実施形態によって位置ずれが生じた場合においても高い電力伝送効率を維持できることを実施例1〜5と比較例1とによって具体的に示す。但し、本発明はこれらに限定されない。
実施例1では、上述した第1実施形態に係る非接触電力伝送装置を用いた。実施例2〜5では、上述した第4実施形態に係る非接触電力伝送装置を用いた。但し、実施例1〜5の給電側コイル部L1の隣接するコイル同士の重なり合う範囲及び受電側コイル部L2の隣接するコイル同士の重なり合う範囲を変化させた。図9a〜図9dは、実施例における給電側コイル部及び受電側コイル部の隣接するコイル同士の重なり合う範囲を説明するための非接触電力伝送装置の一部詳細図である。
実施例1の非接触電力伝送装置100は、図9aに示されるように、給電側コイル部L1の隣接するコイル同士の重なり合う範囲及び受電側コイル部L2の隣接するコイル同士の重なり合う範囲を1.0×Wに設定した。実施例2の非接触電力伝送装置300は、図9bに示されるように、給電側コイル部L1の隣接するコイル同士の重なり合う範囲及び受電側コイル部L2の隣接するコイル同士の重なり合う範囲を2.0×Wに設定した。実施例3の非接触電力伝送装置300は、図9cに示されるように、給電側コイル部L1の隣接するコイル同士の重なり合う範囲及び受電側コイル部L2の隣接するコイル同士の重なり合う範囲を0.5×Wに設定した。実施例4の非接触電力伝送装置300は、図9dに示されるように、給電側コイル部L1の隣接するコイル同士の重なり合う範囲及び受電側コイル部L2の隣接するコイル同士の重なり合う範囲を1.5×Wに設定した。実施例5の非接触電力伝送装置300は、図9aに示されるように、給電側コイル部L1の隣接するコイル同士の重なり合う範囲及び受電側コイル部L2の隣接するコイル同士の重なり合う範囲を1.0×Wに設定した。
また、実施例1では駆動部9の駆動周波数を固定し、実施例2〜5では駆動部9の駆動周波数を変化させた。図10は、駆動部の駆動周波数を固定させた場合の給電側コイル部と受電側コイル部の位置に応じた駆動部の駆動周波数を示すグラフである。図11は、駆動部の駆動周波数を変動させた場合の給電側コイル部と受電側コイル部の位置に応じた駆動部の駆動周波数を示すグラフである。実施例1の非接触電力伝送装置100は、図10に示されるように、選択される給電コイルL11〜L14が変わっても駆動部9の駆動周波数は常に一定に固定されている。実施例2〜5の非接触電力伝送装置300は、図11に示されるように、選択される給電コイルL11〜L14に応じて駆動部9の駆動周波数を変化させている。
比較例1では、給電側コイル部の隣接するコイル同士及び受電側コイル部の隣接するコイル同士を重ね合わせない非接触電力伝送装置400を用いた。図9eは、比較例1における給電側コイル部及び受電側コイル部の隣接するコイル同士の重なり合う範囲を説明するための非接触電力伝送装置の一部詳細図である。具体的には、比較例1の非接触電力伝送装置400は、図9eに示されるように、給電コイルL111〜L114の隣接するコイル同士及び受電コイルL121,L122の隣接するコイル同士が重なり合わないように設定した。
なお、実施例1〜5及び比較例1において、給電側コイル部と受電側コイル部との対向距離はZ(mm)とした。
続いて、実施例1〜5と比較例1において、位置ずれが生じた場合の電力伝送効率を測定した。実施例1の測定結果を図12に示す。実施例2の測定結果を図13に示す。実施例3の測定結果を図14に示す。実施例4の測定結果を図15に示す。実施例5の測定結果を図16に示す。比較例1の測定結果を図17に示す。ここで、図12〜17中、横軸は給電側コイル部の中心位置と受電側コイル部の中心位置のずれX(mm)を表示し、縦軸は電力伝送効率η(%)を表示している。
図12に示す実施例1においては、給電側コイル部L1の中心位置から受電側コイル部L2の中心位置を変化させた場合に、給電コイルL11と給電コイルL12の組み合わせ、給電コイルL11と給電コイルL13の組み合わせ、給電コイルL12と給電コイルL13の組み合わせ、給電コイルL12と給電コイルL14の組み合わせ、給電コイルL13と給電コイルL14の組み合わせが選択されて駆動した場合の電力伝送効率を測定した。測定結果から、給電側コイル部L1の中心位置と受電側コイル部L2の中心位置のずれXが−240〜240(mm)の範囲においては、電力伝送効率が84〜90(%)程度に維持されていることから、位置ずれが生じた場合においても高い電力伝送効率を維持できることが確認できた。
図13に示す実施例2においては、給電側コイル部L1の中心位置から受電側コイル部L2の中心位置を変化させた場合に、給電コイルL11と給電コイルL12の組み合わせ、給電コイルL11と給電コイルL13の組み合わせ、給電コイルL12と給電コイルL13の組み合わせ、給電コイルL12と給電コイルL14の組み合わせ、給電コイルL13と給電コイルL14の組み合わせが選択されて駆動した場合の電力伝送効率を測定した。測定結果から、給電側コイル部L1の中心位置と受電側コイル部L2の中心位置のずれXが−200〜200(mm)の範囲においては、電力伝送効率が84〜90(%)程度に維持されていることから、位置ずれが生じた場合においても高い電力伝送効率を維持できることが確認できた。また、本実施例では、選択される複数の給電コイルL11〜L14に応じて駆動部9の駆動周波数を変化させているため、実施例1に比して、給電コイルL11と給電コイルL13の組み合わせが選択されて駆動する範囲(X=−20〜−140(mm)の範囲)及び給電コイルL12と給電コイルL14の組み合わせが選択されて駆動する範囲(X=20〜140(mm)の範囲)において、電力伝送効率が86(%)以上というより一層高い電力伝送効率を維持できることが確認できた。
図14に示す実施例3においては、給電側コイル部L1の中心位置から受電側コイル部L2の中心位置を変化させた場合に、給電コイルL11と給電コイルL12の組み合わせ、給電コイルL11と給電コイルL13の組み合わせ、給電コイルL12と給電コイルL13の組み合わせ、給電コイルL12と給電コイルL14の組み合わせ、給電コイルL13と給電コイルL14の組み合わせが選択されて駆動した場合の電力伝送効率を測定した。測定結果から、給電側コイル部L1の中心位置と受電側コイル部L2の中心位置のずれXが−240〜240(mm)の範囲においては、電力伝送効率が86〜90(%)程度に維持されていることから、位置ずれが生じた場合においても高い電力伝送効率を維持できることが確認できた。また、本実施例では、給電側コイル部L1の隣接するコイル同士の重なり合う範囲及び受電側コイル部L2の隣接するコイル同士の重なり合う範囲が0.5×Wとなっていることから、実施例2に比して、給電側コイル部L1の中心位置と受電側コイル部L2の中心位置のずれXが−240〜240(mm)の範囲という広範囲において、電力伝送効率が86(%)以上の高い電力伝送効率を維持できることが確認できた。
図15に示す実施例4においては、給電側コイル部L1の中心位置から受電側コイル部L2の中心位置を変化させた場合に、給電コイルL11と給電コイルL12の組み合わせ、給電コイルL11と給電コイルL13の組み合わせ、給電コイルL12と給電コイルL13の組み合わせ、給電コイルL12と給電コイルL14の組み合わせ、給電コイルL13と給電コイルL14の組み合わせが選択されて駆動した場合の電力伝送効率を測定した。測定結果から、給電側コイル部L1の中心位置と受電側コイル部L2の中心位置のずれXが−220〜220(mm)の範囲においては、電力伝送効率が86〜89(%)程度に維持されていることから、位置ずれが生じた場合においても高い電力伝送効率を維持できることが確認できた。また、本実施例では、給電側コイル部L1の隣接するコイル同士の重なり合う範囲及び受電側コイル部L2の隣接するコイル同士の重なり合う範囲が1.5×Wとなっていることから、実施例2に比して、給電側コイル部L1の中心位置と受電側コイル部L2の中心位置のずれXが−220〜220(mm)の範囲という広範囲において、電力伝送効率が86(%)以上の高い電力伝送効率を維持できることが確認できた。
図16に示す実施例5においては、給電側コイル部L1の中心位置から受電側コイル部L2の中心位置を変化させた場合に、給電コイルL11と給電コイルL12の組み合わせ、給電コイルL11と給電コイルL13の組み合わせ、給電コイルL12と給電コイルL13の組み合わせ、給電コイルL12と給電コイルL14の組み合わせ、給電コイルL13と給電コイルL14の組み合わせが選択されて駆動した場合の電力伝送効率を測定した。測定結果から、給電側コイル部L1の中心位置と受電側コイル部L2の中心位置のずれXが−240〜240(mm)の範囲においては、電力伝送効率が89〜91(%)程度に維持されていることから、位置ずれが生じた場合においても高い電力伝送効率を維持できることが確認できた。また、本実施例では、選択される給電コイルL11〜L14に応じて駆動部9の駆動周波数を変化させているため、実施例1に比して、給電コイルL11と給電コイルL13の組み合わせが選択されて駆動する範囲(X=−40〜−140(mm)の範囲)及び給電コイルL12と給電コイルL14の組み合わせが選択されて駆動する範囲(X=40〜140(mm)の範囲)において、電力伝送効率が90(%)以上というより一層高い電力伝送効率を維持できることが確認できた。さらに、本実施例では、給電側コイル部L1の隣接するコイル同士の重なり合う範囲及び受電側コイル部L2の隣接するコイル同士の重なり合う範囲が1.0×Wとなっていることから、実施例2に比して、給電側コイル部L1の中心位置と受電側コイル部L2の中心位置のずれXが−240〜240(mm)の範囲という広範囲において、電力伝送効率が89(%)以上の高い電力伝送効率を維持できることが確認できた。
図17に示す比較例1においては、給電側コイル部の中心位置から受電側コイル部の中心位置を変化させた場合に、給電コイルL111と給電コイルL112の組み合わせ、給電コイルL111と給電コイルL113の組み合わせ、給電コイルL112と給電コイルL113の組み合わせ、給電コイルL112と給電コイルL114の組み合わせ、給電コイルL113と給電コイルL114の組み合わせが選択されて駆動した場合の電力伝送効率を測定した。測定結果から、給電側コイル部の中心位置と受電側コイル部の中心位置のずれXが−240〜240(mm)の範囲においては、電力伝送効率が76〜90(%)程度となっており、一部の範囲において電力伝送効率が著しく低下している。特に、給電コイルL111と給電コイルL113の組み合わせが選択されて駆動する範囲(X=−100〜−160(mm)の範囲)及び給電コイルL112と給電コイルL114の組み合わせが選択されて駆動する範囲(X=100〜160(mm)の範囲)において、電力伝送効率が76〜77(%)程度と著しく低下している。これは、給電側コイル部の隣接するコイル同士及び受電側コイル部の隣接するコイル同士が重なり合っておらず、給電コイルL111〜L114と受電コイルL121,L122の結合状態が低下したためと考えられる。
地上側から駐車中の電気自動車に非接触で電力伝送を行い、2次電池を充電する電気自動車用非接触給電装置。
100,200,300,400…非接触電力伝送装置、L1…給電側コイル部、L2…受電側コイル部、L11〜L18,L111〜L114…給電コイル、L21,L22,L121,L122…受電コイル、7,7A…閉ループ、8…直流電源、9…駆動部、10…給電側共振キャパシタ、11…コイル切り替え部、12,112,212…給電部、13,113,213…受電部、14…受電側共振キャパシタ、15…整流器、16…負荷装置、17…出力電力測定装置、17A,18A,19A…直流電圧信号、18…入力電力測定装置、19…電力伝送効率計算装置、50…電気自動車、51…車輪、52…車止め、500…駐車スペース、60…送信機、60A…電波、61…受信装置、61A…位置検出信号、62…位置検出装置、62A…制御信号、70…給電側磁性体、71…受電側磁性体、95…電流検出器、95A…電流位相信号、96…位相制御器、96A…位相制御信号、97…周波数制御器、97A,97B…電圧位相信号、98…周波数制御回路。

Claims (4)

  1. 給電側から受電側へ非接触で電力が伝送される非接触電力伝送装置であって、
    少なくとも3つのコイルで構成された給電側コイル部と、
    直列に接続された一対または複数対のコイルで構成され、対になるコイルはそれぞれに逆方向の磁界が与えられたときに起電力の方向が同じになるように接続されている受電側コイル部と、
    前記給電側コイル部を構成するコイルから直列に接続される一対または複数対のコイルを選択し、対になるコイルが発生する磁界の方向が互いに逆方向になるように当該対になるコイルの接続を切り替えるコイル切り替え部と、
    前記コイル切り替え部により選択された一対または複数対のコイルに電力を供給する駆動部と、
    を備え、
    前記給電側コイル部及び前記受電側コイル部において、隣接するコイルの巻線同士が少なくとも一部において重なり合うように配置されており、
    前記コイル切り替え部は、給電側から受電側に伝送される電力の伝送効率が最も高くなるようにコイルを選択することを特徴とする非接触電力伝送装置。
  2. 前記給電側コイル部及び前記受電側コイル部において、隣接するコイル同士が巻線幅の0.5倍から、巻線幅の1.5倍の範囲で重なり合うように配置されていることを特徴とする請求項1の記載の非接触電力伝送装置。
  3. 前記駆動部の駆動周波数を制御する周波数制御回路をさらに備え、
    前記周波数制御回路は、前記給電側コイル部に印加する電圧の位相と前記給電側コイル部に流れる電流の位相とを合わせるように前記駆動周波数を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の非接触電力伝送装置。
  4. 前記給電側コイル部に供給される電力値を測定する入力電力測定装置と、
    前記受電側コイル部から出力される電力値を測定する出力電力測定装置と、
    電力伝送効率計算装置と、をさらに備え、
    前記電力伝送効率計算装置は、前記入力電力測定装置が測定した電力値と前記出力電力測定装置が測定した電力値から給電側から受電側に伝送される電力伝送効率を算出し、
    前記コイル切り替え部は、前記電力伝送効率計算装置が算出した電力伝送効率に基づいて、給電側から受電側に伝送される電力の伝送効率が最も高くなるようにコイルを選択することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の非接触電力伝送装置。
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