JP2017147823A - ワイヤレス受電装置およびワイヤレス電力伝送システム - Google Patents
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Abstract
【課題】走行中充電において、充電部の充電動作のレスポンスを向上させ、効率的な充電動作が可能なワイヤレス受電装置およびワイヤレス電力伝送システムを提供すること。
【解決手段】ワイヤレス受電装置200は、移動体に搭載されるワイヤレス受電装置200であって、磁界を介して電力を受電する受電コイル211および補助受電コイル221と、受電コイル211および補助受電コイル221が受電した電力を整流する整流部240と、整流部240に接続され、移動体500に搭載される蓄電部320を充電する充電部250と、を備え、補助受電コイル221は、受電コイル211よりも移動体500の進行方向前側に位置し、補助受電コイル221の単位時間当たりに受電する電力量は、受電コイル211の単位時間当たりに受電する電力量よりも小さく、充電部250は、補助受電コイル221が受電した電力によって起動を開始する。
【選択図】図1
【解決手段】ワイヤレス受電装置200は、移動体に搭載されるワイヤレス受電装置200であって、磁界を介して電力を受電する受電コイル211および補助受電コイル221と、受電コイル211および補助受電コイル221が受電した電力を整流する整流部240と、整流部240に接続され、移動体500に搭載される蓄電部320を充電する充電部250と、を備え、補助受電コイル221は、受電コイル211よりも移動体500の進行方向前側に位置し、補助受電コイル221の単位時間当たりに受電する電力量は、受電コイル211の単位時間当たりに受電する電力量よりも小さく、充電部250は、補助受電コイル221が受電した電力によって起動を開始する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ワイヤレス受電装置およびワイヤレス電力伝送システムに関するものである。
近年、電気自動車や携帯機器において、電源ケーブルを用いることなく外部から電力をワイヤレスで供給するワイヤレス電力伝送技術が注目されている。
このようなワイヤレス電力伝送技術において、例えば、特許文献1では、走行中の車両(電気自動車)に電力を供給し、車両に搭載された蓄電池を充電する走行中充電に関する給電装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、受電した電力は充電部を介して蓄電装置に充電するように構成されており、この充電動作には充電部を起動させるための時間が必要となるため、受電を開始しても、即座に充電動作が開始できないという問題がある。そのため、走行中充電のように電気自動車が高速で給電エリアに進入した場合、受電を開始しても、充電部が起動するまでの間、蓄電装置への充電が行われない区間が存在し、効率的な充電動作が行われないという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、走行中充電において、充電部の充電動作のレスポンスを向上させ、効率的な充電動作が可能なワイヤレス受電装置およびワイヤレス電力伝送システムを提供することを目的とする。
本発明に係るワイヤレス受電装置は、移動体に搭載されるワイヤレス受電装置であって、磁界を介して電力を受電する受電コイルおよび補助受電コイルと、受電コイルおよび補助受電コイルが受電した電力を整流する整流部と、整流部に接続され、移動体に搭載される蓄電部を充電する充電部と、を備え、補助受電コイルは、受電コイルよりも移動体の進行方向前側に位置し、補助受電コイルの単位時間当たりに受電する電力量は、受電コイルの単位時間当たりに受電する電力量よりも小さく、充電部は、補助受電コイルが受電した電力によって起動を開始することを特徴とする。
本発明によれば、補助受電コイルは、受電コイルよりも移動体の進行方向前側に位置し、充電部は、補助受電コイルが受電した電力によって起動を開始している。そのため、補助受電コイルにより受電した電力が先行して充電部に供給され、充電部の起動が開始することから、充電部をスタンバイ状態とすることができる。つまり、受電コイルにより電力を受電するときには充電部は即座に充電動作が可能となっている。したがって、走行中充電において、充電部の充電動作のレスポンスを向上させ、効率的な充電動作が可能となる。
また、本発明に係るワイヤレス受電装置においては、補助受電コイルの単位時間当たりに受電する電力量は、受電コイルの単位時間当たりに受電する電力量よりも小さくなっている。ここで、充電部が起動のために消費する電力は、充電部が蓄電部の充電動作のために出力する電力に比べて電力量は小さく、充電部の起動のために消費される電力を上回った余剰電力は熱損失として消費されることとなる。一方、本発明では、補助受電コイルの単位時間当たりに受電する電力量は、受電コイルの単位時間当たりに受電する電力量よりも小さいことから、熱損失として消費される電力を少なくすることができる。したがって、熱損失による電力消費を抑制しつつ、充電部の起動を即座に実行することができる。
好ましくは、補助受電コイルと整流部との間の接続状態を切換える切換部と、受電コイルに発生する電圧または受電コイルを流れる電流を検知する検知部と、をさらに備え、切換部は、検知部により電圧または電流を検知したとき、補助受電コイルと整流部との間を遮断するとよい。この場合、受電コイルでの受電が可能になったときには、補助受電コイルと整流部との間が遮断される。したがって、受電コイルで電力を受電中に補助受電コイルが動作しないため、コイル間の干渉を防ぐことができる。
好ましくは、受電コイルを移動体の進行方向と交差する方向に移動させる動作部を、さらに備え、補助受電コイルは、複数のコイルを含み、動作部は、複数のコイルのうち、電力を受電したコイルに発生する電圧に基づいて、受電コイルを移動させるとよい。この場合、受電コイルでの受電が開始される前に、受電コイルの位置を受電に適した位置に移動させることが可能となる。したがって、電力伝送効率を向上させることができる。
本発明に係るワイヤレス電力伝送システムは、ワイヤレス給電装置と、上記ワイヤレス受電装置と、を備えることを特徴とする。本発明によれば、走行中充電において、充電部の充電動作のレスポンスを向上させ、効率的な充電動作が可能なワイヤレス電力伝送システムを得ることができる。
本発明によれば、走行中充電において、充電部の充電動作のレスポンスを向上させ、効率的な充電動作が可能なワイヤレス受電装置およびワイヤレス電力伝送システムを提供できる。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図6を参照して、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10の構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムを示す模式図である。図2は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの給電コイル部と給電側共振コンデンサを拡大して示す模式構成図である。図3は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムのワイヤレス受電装置を示す模式図である。図4は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムのワイヤレス受電装置における受電コイルと補助受電コイルの配置関係を説明するための図である。図5は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの受電コイル部と受電側共振コンデンサを拡大して示す模式構成図である。図6は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの補助受電コイル部と補助受電側共振コンデンサを拡大して示す模式構成図である。なお、図4においては、説明の便宜上、筐体等の図示を省略した受電コイル、補助受電コイルを図示している。
まず、図1〜図6を参照して、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10の構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムを示す模式図である。図2は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの給電コイル部と給電側共振コンデンサを拡大して示す模式構成図である。図3は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムのワイヤレス受電装置を示す模式図である。図4は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムのワイヤレス受電装置における受電コイルと補助受電コイルの配置関係を説明するための図である。図5は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの受電コイル部と受電側共振コンデンサを拡大して示す模式構成図である。図6は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの補助受電コイル部と補助受電側共振コンデンサを拡大して示す模式構成図である。なお、図4においては、説明の便宜上、筐体等の図示を省略した受電コイル、補助受電コイルを図示している。
ワイヤレス電力伝送システム10は、図1に示されるように、ワイヤレス給電装置100と、ワイヤレス受電装置200と、を有する。ワイヤレス給電装置100は、地上に配設される給電設備に搭載され、ワイヤレス受電装置200は、移動体500に搭載されている。ここで、ワイヤレス受電装置200が搭載される移動体500は、内蔵のバッテリーに蓄えられた電力を利用して推進力を発生させるものであれば特に制限されず、電気自動車(EV:Electric Vehicle)やハイブリッド自動車(HV:Hybrid Vehicle)などの車両が挙げられる。また、ワイヤレス受電装置200が搭載される移動体500は、電気自動車やハイブリッド自動車だけではなく、工場内で物品等を搬送する走行車や移動ロボットなども挙げられる。さらに、ワイヤレス受電装置200が搭載される移動体500としては、車輪を持たず、外部の駆動手段によって移動するエレベータにおけるエレベータかごなども挙げられる。なお、本実施形態では、ワイヤレス受電装置200を電気自動車に搭載した例を用いて説明する。
ワイヤレス給電装置100は、電源110と、インバータ120と、給電コイル部130と、給電側共振コンデンサ133と、有する。
電源110は、直流電力を後述するインバータ120に供給する。電源110としては、直流電力を出力するものであれば特に制限されず、商用交流電源を整流・平滑した直流電源、二次電池、太陽光発電した直流電源、あるいはスイッチングコンバータなどのスイッチング電源装置などが挙げられる。
インバータ120は、電源110から供給される直流電力を交流電力に変換する機能を有している。本実施形態では、インバータ120は、電源110から供給される直流電力を交流電力に変換し、後述する給電コイル部130に供給する。インバータ120としては、図示しない複数のスイッチング素子がブリッジ接続されたスイッチング回路から構成される。このスイッチング回路を構成するスイッチング素子としては、例えばMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor−Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などが挙げられる。
給電コイル部130は、インバータ120から供給された交流電力を後述する受電コイル部210に給電する機能を有する。この給電コイル部130は、地中あるいは地面近傍に配置される。本実施形態では、給電コイル部130は、図2に示されるように、給電コイル131と、磁性体132と、を有し、絶縁性を有する筺体134によってパッケージングされている。なお、給電コイル部130は、給電コイル131のみから構成されていてもよい。
給電コイル131は、電源110からの電力を受けて磁界を発生させる。具体的には、給電コイル131は、インバータ120から所定の駆動周波数の交流電圧が供給されると、交流電流が流れて交流磁界を発生させる。この給電コイル131は、銅やアルミニウムなどの導線を複数撚り合わせたリッツ線を巻回して形成され、形状としては、例えば平面コイルやソレノイドコイルが挙げられる。なお、給電コイル131の巻数は、所望の電力伝送効率に基づいて適宜設定される。
磁性体132は、磁路の磁気抵抗を減らし、コイル間の磁気的な結合を高める作用を有する。つまり、磁性体132は、給電コイル131が効率良く磁界を発生するための機能を果たす。なお、給電コイル131を平面コイルで構成する場合、磁性体132は、給電コイル131の後述する受電コイル211と対向する面とは反対側である給電コイル131の背面側に設置され、板状または棒状の磁性材料から構成される。このとき、磁性体132と給電コイル131の間には、絶縁性のシートが設置されていてもよい。一方、給電コイル131をソレノイドコイルで構成する場合、磁性体132は、ソレノイドコイルのコイル軸を貫通するように設置され、コアとして機能することとなる。このとき、中空状の絶縁性ボビンに磁性体132を挿入し、この絶縁性ボビンの外表面に給電コイル131の導線を巻回するようにしてもよい。本実施形態では、図2に示されるように、平面コイルから構成される給電コイル131と、この給電コイル131の背面側であって、給電コイル131のコイル軸方向と直交する方向に沿って伸びる板状の磁性体132から構成されている。この磁性体132としては、比較的透磁率の高いフェライトなどが挙げられる。
給電側共振コンデンサ133は、給電コイル131と接続されており、給電コイル131とともに給電側LC共振回路を形成している。給電側共振コンデンサ133は、給電側LC共振回路の共振周波数を調整する機能を有する。この給電側共振コンデンサ133は、給電コイル131に直列接続されていてもよく、並列接続されていてもよく、あるいは直並列接続されていてもよい。そして、給電側LC共振回路の共振周波数を後述する受電側LC共振回路の共振周波数とほぼ等しく構成することで、高効率な磁界共鳴方式のワイヤレス電力伝送を実現することが可能となる。なお、図2では、給電側共振コンデンサ133は、給電コイル部130の筐体134から離間して配置されているがこれに限られることなく、給電コイル部130の筐体134の外表面に設置されていてもよく、給電コイル部130の筐体134の内部に収納されていても構わない。
ワイヤレス受電装置200は、受電コイル部210と、受電側共振コンデンサ213と、補助受電コイル部220と、補助受電側共振コンデンサ223と、整流部240と、充電部250と、を有する。
受電コイル部210は、ワイヤレス給電装置100から給電された交流電力を受電する機能を有する。本実施形態では、受電コイル部210は、移動体500の下部に搭載されることとなる。この受電コイル部210は、図5に示されるように、受電コイル211と、磁性体212と、を有し、絶縁性を有する筐体214によってパッケージングされている。なお、受電部210は、受電コイル211のみから構成されていてもよい。
受電コイル211は、給電コイル131が発生させる磁界を介して、給電コイル131から電力を受電する。具体的には、受電コイル211は、給電コイル131が発生する磁界により、電磁誘導作用による起電力が生じ、この起電力に基づく交流電流が流れる。そして、受電コイル211に発生した交流電流は、後述する整流部240に供給される。この受電コイル211は、銅やアルミニウムなどの導線を複数撚り合わせたリッツ線を巻き回して形成され、形状としては、例えば平面コイルやソレノイドコイルが挙げられる。なお、受電コイル211の巻数は、所望の電力伝送効率に基づいて適宜設定される。
磁性体212は、磁路の磁気抵抗を減らし、コイル間の磁気的な結合を高める作用を有する。つまり、磁性体212は、給電コイル131が発生する交流磁界を効率良く受電コイル211に集中させる機能を果たす。なお、受電コイル211を平面コイルで構成する場合、磁性体212は、受電コイル211の給電コイル131と対向する面とは反対側である背面側に設置され、板状または棒状の磁性材料から構成される。このとき、磁性体212と受電コイル211の間には、絶縁性のシートが設置されていてもよい。一方、受電コイル211をソレノイドコイルで構成する場合、磁性体212は、ソレノイドコイルのコイル軸を貫通するように設置され、コアとして機能することとなる。このとき、中空状の絶縁性ボビンに磁性体212を挿入し、この絶縁性ボビンの外表面に受電コイル211の導線を巻回するようにしてもよい。本実施形態では、図5に示されるように、平面コイルから構成される受電コイル211と、この受電コイル211の背面側であって、受電コイル211のコイル軸方向と直交する方向に沿って伸びる板状の磁性体212から構成されている。この磁性体212としては、比較的透磁率の高いフェライトなどが挙げられる。
受電側共振コンデンサ213は、受電コイル211と接続されており、受電コイル211とともに受電側LC共振回路を形成している。受電側共振コンデンサ213は、受電側LC共振回路の共振周波数を調整する機能を有する。この受電側共振コンデンサ213は、受電コイル211に直列接続されていてもよく、並列接続されていてもよく、あるいは直並列接続されていてもよい。そして、受電側LC共振回路の共振周波数を給電側LC共振回路の共振周波数とほぼ等しく構成することで、高効率な磁界共鳴方式のワイヤレス電力伝送を実現することが可能となる。なお、図5では、受電側共振コンデンサ213は、受電コイル部210の筐体214から離間して配置されているがこれに限られることなく、受電コイル部210の筐体214の外表面に設置されていてもよく、受電コイル部210の筐体214の内部に収納されていても構わない。
補助受電コイル部220は、ワイヤレス給電装置100から供給された交流電力を受電する機能を有する。この補助受電コイル部220は、図6に示されるように、補助受電コイル221と、磁性体222と、を有し、絶縁性を有する筐体224によってパッケージングされている。なお、補助受電コイル部220は、補助受電コイル221のみから構成されていてもよい。本実施形態では、補助受電コイル部220は、受電コイル部210と同様に、移動体500の下部に搭載されることとなる。
補助受電コイル221は、磁界を介して交流電力を受電する。具体的には、給電コイル131が発生する磁界により、電磁誘導作用による起電力が生じ、この起電力に基づく交流電流が流れる。そして、補助受電コイル221に発生した交流電流は、後述する整流部240に供給される。この補助受電コイル221は、銅やアルミニウムなどの導線を複数撚り合わせたリッツ線を巻回して形成され、形状としては、例えば平面コイルやソレノイドコイルが挙げられる。また、補助受電コイル221の単位時間当たりに受電する電力量は、受電コイル211の単位時間当たりに受電する電力量よりも小さくなっている。本実施形態では、補助受電コイル221の外形寸法が受電コイル211の外形寸法より小さくなっており、これにより受電する電力量を調整している。具体的には、本実施形態のように、補助受電コイル221および受電コイル211が平面コイルから構成される場合、補助受電コイル221を構成する導線の最外周部分により画定される外形面積が、受電コイル211を構成する導線の最外周部分により画定される外形面積より小さくなっている。なお、補助受電コイル221の巻数は、受電する電力量に基づいて適宜設定され、受電コイル211の巻数よりも少なくても構わない。
また、補助受電コイル221は、図4に示されるように、移動体500の進行方向において、受電コイル211よりも移動体500の前側下部に配置されている。つまり、補助受電コイル221は、受電コイル211よりも移動体500の進行方向前側に位置することとなる。ここで、移動体500の進行方向前側とは、移動体500の進行に合わせて変化する。具体的には、移動体500が前進してワイヤレス給電装置100が配設されている給電エリアに進入する場合は、移動体500の進行方向前側は移動体500の前方部となり、補助受電コイル221は、受電コイル211よりも移動体500の前方下部に配置されることとなる。一方、移動体500が後退してワイヤレス給電装置100が配設されている給電エリアに進入する場合は、移動体500の進行方向前側は移動体500の後方部となり、補助受電コイル221は、受電コイル211よりも移動体500の後方下部に配置されることとなる。なお、本実施形態では、移動体500として電気自動車の例を用いて説明しているが、移動体500がエレベータかごの場合についても同様である。すなわち、エレベータかごが上昇してワイヤレス給電装置100が配設されている給電エリアに進入する場合、エレベータかごの進行方向前側は上方部となり、エレベータかごが下降してワイヤレス給電装置100が配設されている給電エリアに進入する場合、エレベータかごの進行方向前側は下方部となる。さらに、本実施形態では、補助受電コイル221の中心は、受電コイル211の中心から移動体500の進行方向における前方側に伸ばした仮想線上に位置している。またさらには、補助受電コイル221は、平面視した場合、受電コイル211と重ならないように離れて配置されている。なお、補助受電コイル221と受電コイル211の離間距離は、後述する充電部250の起動時間や移動体500の走行速度に基づいて設定されることとなる。
磁性体222は、磁路の磁気抵抗を減らし、コイル間の磁気的な結合を高める作用を有する。つまり、磁性体222は、給電コイル131が発生する磁界を効率良く補助受電コイル221に集中させる機能を果たす。なお、補助受電コイル221を平面コイルで構成する場合、磁性体222は、補助受電コイル221の給電側のコイルと対向する面とは反対側である背面側に設置され、板状または棒状の磁性材料から構成される。このとき、磁性体222と補助受電コイル221の間には、絶縁性のシートが設置されていてもよい。一方、補助受電コイル221をソレノイドコイルで構成する場合、磁性体222は、ソレノイドコイルのコイル軸を貫通するように設置され、コアとして機能することとなる。このとき、中空状の絶縁性ボビンに磁性体222を挿入し、この絶縁性ボビンの外表面に補助受電コイル221の導線を巻回するようにしてもよい。本実施形態では、図6に示されるように、平面コイルから構成される補助受電コイル221と、この補助受電コイル221の背面側であって、補助受電コイル221のコイル軸方向と直交する方向に沿って伸びる板状の磁性体222から構成されている。この磁性体222としては、比較的透磁率の高いフェライトなどが挙げられる。
補助受電側共振コンデンサ223は、補助受電コイル221と接続されており、補助受電コイル221とともに補助受電側LC共振回路を形成している。補助受電側共振コンデンサ223は、補助受電側LC共振回路の共振周波数を、給電側LC共振回路の共振周波数とほぼ等しくなるように調整する機能を有する。この補助受電側共振コンデンサ223は、補助受電コイル221に直列接続されていてもよく、並列接続されていてもよく、あるいは直並列接続されていてもよい。図6では、補助受電側共振コンデンサ223は、補助受電コイル部220の筐体224から離間して配置されているがこれに限られることなく、補助受電コイル部220の筐体224の外表面に設置されていてもよく、補助受電コイル部220の筐体224の内部に収納されていても構わない。なお、補助受電側LC共振回路を形成しなくても、補助受電コイル221のみで受電した電力で、後述する充電部250を起動する電力が確保できるのであれば、補助受電側LC共振回路を形成する必要はなく、補助受電側共振コンデンサ223は不要となる。
整流部240は、受電コイル211および補助受電コイル221が受電した交流電力を直流電力に整流して、後述する充電部250に出力する。整流部240を構成する素子としては、トランジスタやダイオード等の半導体素子が挙げられる。例えば、複数のダイオードがブリッジ接続されたブリッジ型回路と、このブリッジ型回路に並列に接続され、整流された電圧を平滑して直流電圧を生成する平滑コンデンサから構成される。
充電部250は、整流部240により整流された直流電力の電圧を、移動体500に搭載される蓄電部320を充電するための電圧に変換する機能を有する。具体的には、充電部250は、整流部240に接続されており、起動回路251と、電力変換回路252から構成される。これにより、整流部240から直流電力が供給されると、この直流電力を受けて充電部250内部の起動回路251が起動し、供給された直流電力が、起動回路251により充電部250内部の電力変換回路252の起動用の電力に変換されて電力変換回路252に供給される。電力変換回路252は、起動用の電力を受けて起動状態となり、整流部240から供給される直流電圧を蓄電部320への充電電圧に変換して蓄電部320に出力する。すなわち、充電部250は、整流部240から供給される直流電力により、起動回路251、電力変換回路252の順に起動したのち、電力変換回路252による充電動作が開始されることとなる。ここで、起動回路251が消費する電力は、電力変換回路252が蓄電部320の充電動作のために出力する電力に比べて極めて小さいものの、起動回路251に電力が供給されてから起動するまでに時間を要することから、電力変換回路252による充電動作が開始するまでに時間を要し、即座に充電動作が開始できない。本実施形態では、補助受電コイル221は、受電コイル211よりも移動体500の進行方向前側に位置していることから、充電部250は、補助受電コイル221が受電した電力によって起動を開始することとなり、充電部250が受電コイル211で受電した電力によって充電動作を開始する際には、充電部250は既にスタンバイ状態となっている。このように構成される充電部250としては、整流部240から出力される直流電圧および蓄電部320の定格電圧に応じて、昇圧型コンバータ、昇降圧型コンバータ、降圧型コンバータ等の非絶縁型が用いられる。また、充電部250は、トランスを用いる絶縁型であってもよく、複数の素子を用いるインターリーブ型であっても構わない。
蓄電部320は、移動体500に搭載されており、繰り返し充電可能な電池であれば特に制限されず、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池などが挙げられる。また、蓄電部320は、蓄電量の高い電気二重層キャパシタ(EDLC:Electric Double−Layer Capacitor)であってもよく、電力を一時的に蓄え、蓄えられた電力を負荷部に供給することが可能な電力バッファとして機能するものであっても構わない。
このような構成を備えることにより、ワイヤレス給電装置100からワイヤレス受電装置200にワイヤレスにて電力伝送するワイヤレス電力伝送システム10が実現される。
続いて、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10の給電動作について説明する。
まず、ワイヤレス受電装置200を備えた移動体500が、ワイヤレス給電装置100が配設されている給電エリアに進入する。移動体500が給電エリアに進入すると、先行して補助受電コイル221が給電コイル131と重なる。このとき、給電コイル131が発生する磁界を介して補助受電コイル221に電力が伝送される。補助受電コイル221で受電した電力は、整流部240によって整流され、整流部240から出力された直流電力は、充電部250に供給される。充電部250に整流部240から直流電力が供給されると、この電力を受けて充電部250内部の起動回路251が起動し、供給された直流電力が、起動回路251により充電部250内部の電力変換回路252の起動用の電力に変換されて電力変換回路252に供給され、電力変換回路252が起動用の電力を受けて起動状態となる。つまり、充電部250は、補助受電コイル221が受電した電力により起動を開始し、スタンバイ状態に移行する。一方、充電動作が準備されている間も移動体500は進行し続けるため、続いて受電コイル211が、給電コイル131と重なる。このとき、給電コイル131が発生する磁界を介して受電コイル211に電力が伝送される。受電コイル211が受電した電力は、整流部240によって整流され、整流部240から出力された直流電力は、充電部250に供給される。ここで、充電部250は、即座に充電動作が可能なスタンバイ状態に移行しているため、充電部250に供給された直流電圧は、充電部250内部の電力変換回路252によって蓄電部320への充電電圧に変換され、蓄電部320に充電される。このように、給電コイル131からの電力を受電コイル211で受電するときには、補助受電コイル221による受電電力で充電部250の起動が開始し、スタンバイ状態になっている。そのため、受電コイル211が電力を受電した直後から蓄電部320への充電が開始されることとなる。つまり、受電コイル211が電力を受電してから蓄電部320への充電動作が開始するまでの充電部250の充電動作のレスポンスが向上する。
以上のように、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10は、ワイヤレス給電装置100と、ワイヤレス受電装置200とを有し、磁界を介して電力を受電する受電コイル211および補助受電コイル221と、受電コイル211および補助受電コイル221が受電した電力を整流する整流部240と、整流部240に接続され、移動体500に搭載される蓄電部320を充電する充電部250と、を備え、補助受電コイル221は、受電コイル211よりも移動体500の進行方向前側に位置し、補助受電コイル221の単位時間当たりに受電する電力量は、受電コイル211の単位時間当たりに受電する電力量よりも小さく、充電部250は、補助受電コイル221が受電した電力によって起動を開始している。そのため、移動体500が給電エリアに進入したときに、補助受電コイル221により受電した電力が先行して充電部250に供給され、充電部250の起動が開始することから、充電部250をスタンバイ状態とすることができる。つまり、受電コイル211により電力を受電するときには充電部250は即座に充電動作が可能となっている。したがって、走行中充電において、充電部250の充電動作のレスポンスを向上させ、効率的な充電動作が可能となる。
また、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10においては、補助受電コイル221の単位時間当たりに受電する電力量は、受電コイル211の単位時間当たりに受電する電力量よりも小さくなっている。ここで、充電部250が起動のために消費する電力は、充電部250が蓄電部320の充電動作のために出力する電力に比べて電力量は小さく、充電部250の起動のために消費される電力を上回った余剰電力は熱損失として消費されることとなる。一方、本実施形態では、補助受電コイル221の単位時間当たりに受電する電力量は、受電コイル211の単位時間当たりに受電する電力量よりも小さいことから、熱損失として消費される電力を少なくすることができる。したがって、熱損失による電力消費を抑制しつつ、充電部250の起動を即座に実行することができる。
(第2実施形態)
次に、図7〜図9を参照して、本発明の第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム20の構成について説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの模式図である。図8は、本発明の第2実施形態に係るワイヤレス受電装置における受電コイルと補助受電コイルの配置関係を説明するための図である。図9は、図6に示した本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの補助受電コイル部と補助受電側共振コンデンサとは別の本発明の第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの補助受電コイル部と補助受電側共振コンデンサを拡大して示す模式構成図である。なお、図8においては、説明の便宜上、筐体等の図示を省略した受電コイル、補助受電コイルを図示している。
次に、図7〜図9を参照して、本発明の第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム20の構成について説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの模式図である。図8は、本発明の第2実施形態に係るワイヤレス受電装置における受電コイルと補助受電コイルの配置関係を説明するための図である。図9は、図6に示した本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの補助受電コイル部と補助受電側共振コンデンサとは別の本発明の第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの補助受電コイル部と補助受電側共振コンデンサを拡大して示す模式構成図である。なお、図8においては、説明の便宜上、筐体等の図示を省略した受電コイル、補助受電コイルを図示している。
ワイヤレス電力伝送システム20は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10と同様に、ワイヤレス給電装置100と、ワイヤレス受電装置200と、を有する。ワイヤレス給電装置100は、電源110と、インバータ120と、給電コイル部130と、給電側共振コンデンサ133と、を有し、ワイヤレス受電装置200は、受電コイル部210と、受電側共振コンデンサ213と、補助受電コイル部220と、補助受電コイル部225と、補助受電側共振コンデンサ223と、補助受電側共振コンデンサ226と、整流部240と、充電部250と、を有する。電源110、インバータ120、給電コイル部130、給電側共振コンデンサ133、受電コイル部210、受電側共振コンデンサ213、補助受電コイル部220、補助受電側共振コンデンサ223、整流部240と充電部250の構成は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10と同様である。すなわち、第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム20は、補助受電コイル部225と補助受電側共振コンデンサ226を備えている点において、第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態では、移動体500が前進あるいは後退してワイヤレス給電装置100が配設されている給電エリアに進入する例を用いて説明したが、本実施形態では、移動体500が前進および後退してワイヤレス給電装置100が配設されている給電エリアに進入する例について説明する。
補助受電コイル部225は、ワイヤレス給電装置100から供給された交流電力を受電する機能を有する。補助受電コイル部225の構成は、図9に示されるように、補助受電コイル221と、磁性体222と、を有し、絶縁性を有する筐体224によってパッケージングされている。本実施形態では、補助受電コイル部225は、受電コイル部210および補助受電コイル部220と同様に、移動体500の下部に搭載されることとなる。
補助受電コイル部225の補助受電コイル221は、図8に示されるように、受電コイル211を基準に、補助受電コイル220の補助受電コイル221とは反対側に配置されている。したがって、移動体500が前進してワイヤレス給電装置100が配設されている給電エリアに進入する際は、移動体500の進行方向前側は移動体500の前方部となり、補助受電コイル部220の補助受電コイル221が受電コイル211よりも移動体500の進行方向前側に位置することとなり、移動体500が後退してワイヤレス給電装置100が配設されている給電エリアに進入する際は、移動体500の進行方向前側は移動体500の後方部となり、補助受電コイル部225の補助受電コイル221が受電コイル211よりも移動体500の進行方向前側に位置することとなる。つまり、本実施形態では、移動体500が前進してワイヤレス給電装置100が配設されている給電エリアに進入した場合、および、移動体500が後退してワイヤレス給電装置100が配設されている給電エリアに進入した場合のいずれにおいても、受電コイル211よりも移動体500の進行方向前側に補助受電コイル部220の補助受電コイル221あるいは補助受電コイル部225の補助受電コイル221が位置することとなる。また、補助受電コイル部225の補助受電コイル221の中心は、受電コイル211の中心から移動体500の進行方向に沿って伸ばした仮想線上に位置している。さらに、補助受電コイル部225の補助受電コイル221は、平面視した場合、受電コイル211および補助受電コイル部220の補助受電コイル221と重ならないように離れて配置されている。つまり、受電コイル211、補助受電コイル部220の補助受電コイル221、補助受電コイル部225の補助受電コイル221は、移動体500の進行方向に直線状に並置されている。なお、補助受電コイル部225の補助受電コイル221と受電コイル211の離間距離は、充電部250の起動時間や移動体500の走行速度に基づいて設定されることとなる。
補助受電側共振コンデンサ226は、補助受電コイル221と接続されており、補助受電コイル221とともに補助受電側LC共振回路を形成している。補助受電側共振コンデンサ226は、補助受電側LC共振回路の共振周波数を、給電側LC共振回路の共振周波数とほぼ等しくなるように調整する機能を有する。この補助受電側共振コンデンサ226は、補助受電コイル221に直列接続されていてもよく、並列接続されていてもよく、あるいは直並列接続されていてもよい。図9では、補助受電側共振コンデンサ226は、補助受電コイル部225の筐体224から離間して配置されているがこれに限られることなく、補助受電コイル部225の筐体224の外表面に設置されていてもよく、補助受電コイル部225の筐体224の内部に収納されていても構わない。なお、補助受電側LC共振回路を形成しなくても、補助受電コイル部225の補助受電コイル221のみで受電した電力で、充電部250を起動する電力が確保できるのであれば、補助受電側LC共振回路を形成する必要はなく、補助受電側共振コンデンサ226は不要となる。
続いて、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム20の給電動作について説明する。
まず、ワイヤレス受電装置200を備えた移動体500が、ワイヤレス給電装置100が配設されている給電エリアに前進して進入する。移動体500が給電エリアに進入すると、先行して補助受電コイル部220の補助受電コイル221が給電コイル131と重なる。このとき、給電コイル131が発生する磁界を介して補助受電コイル部220の補助受電コイル221に電力が伝送される。補助受電コイル部220の補助受電コイル221で受電した電力は、整流部240によって整流され、整流部240から出力された直流電力は、充電部250に供給される。充電部250に整流部240から直流電力が供給されると、この電力を受けて充電部250内部の起動回路251が起動し、供給された直流電力が、起動回路251により充電部250内部の電力変換回路252の起動用の電力に変換されて電力変換回路252に供給され、電力変換回路252が起動用の電力を受けて起動状態となる。つまり、充電部250は、補助受電コイル部220の補助受電コイル221が受電した電力により起動を開始し、スタンバイ状態に移行する。一方、充電動作が準備されている間も移動体500は進行し続けるため、続いて受電コイル211が、給電コイル131と重なる。このとき、給電コイル131が発生する磁界を介して受電コイル211に電力が伝送される。受電コイル211が受電した電力は、整流部240によって整流され、整流部240から出力された直流電力は、充電部250に供給される。ここで、充電部250は、即座に充電動作が可能なスタンバイ状態に移行しているため、充電部250に供給された直流電圧は、充電部250内部の電力変換回路252によって蓄電部320への充電電圧に変換され、蓄電部320に充電される。このように、給電コイル131からの電力を受電コイル211で受電するときには、補助受電コイル部220の補助受電コイル221による受電電力で充電部250の起動が開始し、スタンバイ状態になっている。そのため、受電コイル211が電力を受電した直後から蓄電部320への充電が開始されることとなる。つまり、受電コイル211が電力を受電してから蓄電部320への充電動作が開始するまでの充電部250の充電動作のレスポンスが向上する。
続いて、移動体500が、ワイヤレス給電装置100が配設されている給電エリアに後退して進入すると、先行して補助受電コイル部225の補助受電コイル221が給電コイル131と重なる。このとき、給電コイル131が発生する磁界を介して補助受電コイル部225の補助受電コイル221に電力が伝送される。補助受電コイル部225の補助受電コイル221で受電した電力は、整流部240によって整流され、整流部240から出力された直流電力は、充電部250に供給される。充電部250に整流部240から直流電力が供給されると、この電力を受けて充電部250内部の起動回路251が起動し、供給された直流電力が、起動回路251により充電部250内部の電力変換回路252の起動用の電力に変換されて電力変換回路252に供給され、電力変換回路252が起動用の電力を受けて起動状態となる。つまり、充電部250は、補助受電コイル部225の補助受電コイル221が受電した電力により起動を開始し、スタンバイ状態に移行する。一方、充電動作が準備されている間も移動体500は進行し続けるため、続いて受電コイル211が、給電コイル131と重なる。このとき、給電コイル131が発生する磁界を介して受電コイル211に電力が伝送される。受電コイル211が受電した電力は、整流部240によって整流され、整流部240から出力された直流電力は、充電部250に供給される。ここで、充電部250は、即座に充電動作が可能なスタンバイ状態に移行しているため、充電部250に供給された直流電圧は、充電部250内部の電力変換回路252によって蓄電部320への充電電圧に変換され、蓄電部320に充電される。このように、給電コイル131からの電力を受電コイル211で受電するときには、補助受電コイル部225の補助受電コイル221による受電電力で充電部250の起動が開始し、スタンバイ状態になっている。そのため、受電コイル211が電力を受電した直後から蓄電部320への充電が開始されることとなる。つまり、移動体500が前進および後退のいずれによってワイヤレス給電装置100が配設されている給電エリアに進入したとしても、受電コイル211が電力を受電してから蓄電部320への充電動作が開始するまでの充電部250の充電動作のレスポンスが向上する。
以上のように、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム20は、ワイヤレス給電装置100と、ワイヤレス受電装置200とを有し、磁界を介して電力を受電する受電コイル211および補助受電コイル221と、受電コイル211および補助受電コイル221が受電した電力を整流する整流部240と、整流部240に接続され、移動体500に搭載される蓄電部320を充電する充電部250と、を備え、補助受電コイル221は、受電コイル211よりも移動体500の進行方向前側に位置し、補助受電コイル221の単位時間当たりに受電する電力量は、受電コイル211の単位時間当たりに受電する電力量よりも小さく、充電部250は、補助受電コイル221が受電した電力によって起動を開始している。そのため、移動体500が給電エリアに進入したときに、補助受電コイル221により受電した電力が先行して充電部250に供給され、充電部250の起動が開始することから、充電部250をスタンバイ状態とすることができる。つまり、受電コイル211により電力を受電するときには充電部250は即座に充電動作が可能となっている。したがって、走行中充電において、充電部250の充電動作のレスポンスを向上させ、効率的な充電動作が可能となる。
また、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム20においては、補助受電コイル221の単位時間当たりに受電する電力量は、受電コイル211の単位時間当たりに受電する電力量よりも小さくなっている。ここで、充電部250が起動のために消費する電力は、充電部250が蓄電部320の充電動作のために出力する電力に比べて電力量は小さく、充電部250の起動のために消費される電力を上回った余剰電力は熱損失として消費されることとなる。一方、本実施形態では、補助受電コイル221の単位時間当たりに受電する電力量は、受電コイル211の単位時間当たりに受電する電力量よりも小さいことから、熱損失として消費される電力を少なくすることができる。したがって、熱損失による電力消費を抑制しつつ、充電部250の起動を即座に実行することができる。
(第3実施形態)
次に、図10を参照して、本発明の第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム30の構成について説明する。図10は、本発明の第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの模式図である。
次に、図10を参照して、本発明の第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム30の構成について説明する。図10は、本発明の第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの模式図である。
ワイヤレス電力伝送システム30は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10と同様に、ワイヤレス給電装置100と、ワイヤレス受電装置200と、を有する。ワイヤレス給電装置100は、電源110と、インバータ120と、給電コイル部130と、給電側共振コンデンサ133と、を有し、ワイヤレス受電装置200は、受電コイル部210と、受電側共振コンデンサ213と、補助受電コイル部220と、補助受電側共振コンデンサ223と、第1整流部241と、第2整流部242と、充電部250と、を有する。電源110、インバータ120、給電コイル部130、給電側共振コンデンサ133、受電コイル部210、受電側共振コンデンサ213、補助受電コイル部220、補助受電側共振コンデンサ223と充電部250の構成は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10と同様である。すなわち、第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム30は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10の整流部240に代えて、第1整流部241と、第2整流部242を備えている点において、第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
第1整流部241は、受電コイル211と接続され、受電コイル211が受電した交流電力を直流電力に整流して充電部250に供給する。第1整流部241により整流された直流電力は、蓄電部320に充電される電力であり、整流する電力は大電力となる。したがって、第1整流部241を構成する素子としては、大電力用のトランジスタやダイオード等の半導体素子が挙げられる。例えば、第1整流部241は、複数のダイオードがブリッジ接続されたフルブリッジ型回路と、このフルブリッジ型回路に並列に接続され、整流された電圧を平滑して直流電圧を生成する平滑コンデンサから構成される。
第2整流部242は、補助受電コイル221と接続され、補助受電コイル221が受電した交流電力を直流電力に整流して充電部250に供給する。第2整流部242により整流された直流電力は、充電部250内部の起動回路251を起動させ電力変換回路252を起動状態とすることにより、充電部250をスタンバイ状態にするための電力であり、第1整流部241によって整流され、充電部250内部の電力変換回路252により蓄電部320の充電動作として出力される電力より極めて小さい電力である。したがって、第2整流部242を構成する素子は、第1整流部と同様に、トランジスタやダイオード等の半導体素子が挙げられるが、大電力用の素子ではなく小電力用の素子であっても構わない。例えば、第2整流部242は、複数のダイオードがブリッジ接続されたフルブリッジ型回路あるいはハーフブリッジ型回路と、このフルブリッジ型回路あるいはハーフブリッジ型回路に並列に接続され、整流された電圧を平滑して直流電圧を生成する平滑コンデンサから構成される。
続いて、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム30の給電動作について説明する。
まず、ワイヤレス受電装置200を備えた移動体500が、ワイヤレス給電装置100が配設されている給電エリアに進入する。移動体500が給電エリアに進入すると、先行して補助受電コイル221が給電コイル131と重なる。このとき、給電コイル131が発生する磁界を介して補助受電コイル221に電力が伝送される。補助受電コイル221で受電した電力は、第2整流部242によって整流され、第2整流部242から出力された直流電力は、充電部250に供給される。充電部250に、第2整流部242から直流電力が供給されると、この直流電力を受けて充電部250内部の起動回路251が起動し、供給された直流電力が、起動回路251により充電部250内部の電力変換回路252の起動用の電力に変換されて電力変換回路252に供給され、電力変換回路252が起動用の電力を受けて起動状態となる。つまり、充電部250は、補助受電コイル221が受電した電力により起動を開始し、スタンバイ状態に移行する。一方、充電動作が準備されている間も移動体500は進行し続けるため、続いて受電コイル211が、給電コイル131と重なる。このとき、給電コイル131が発生する磁界を介して受電コイル211に電力が伝送される。受電コイル211が受電した電力は、第1整流部241によって整流され、第1整流部241から出力された直流電力は、充電部250に供給される。ここで、充電部250は、即座に充電動作が可能なスタンバイ状態に移行しているため、充電部250に供給された直流電力は、電力変換回路252によって、即座に蓄電部320への充電電圧に変換され、蓄電部320に充電される。このように、給電コイル131からの電力を受電コイル211で受電するときには、補助受電コイル221による受電電力で充電部250の起動が開始し、スタンバイ状態になっている。そのため、受電コイル211が電力を受電した直後から蓄電部320への充電が開始されることとなる。つまり、受電コイル211が電力を受電してから蓄電部320への充電動作が開始するまでの充電部250の充電動作のレスポンスが向上する。
以上のように、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム30は、ワイヤレス給電装置100と、ワイヤレス受電装置200とを有し、磁界を介して電力を受電する受電コイル211および補助受電コイル221と、受電コイル211が受電した電力を整流する第1整流部241と、補助受電コイル221が受電した電力を整流する第2整流部242と、第1整流部241と第2整流部242に接続され、移動体500に搭載される蓄電部320を充電する充電部250と、を備え、補助受電コイル221は、受電コイル211よりも移動体500の進行方向前側に位置し、補助受電コイル221の単位時間当たりに受電する電力量は、受電コイル211の単位時間当たりに受電する電力量よりも小さく、充電部250は、補助受電コイル221が受電した電力によって起動を開始している。そのため、移動体500が給電エリアに進入したときに、補助受電コイル221により受電した電力が先行して充電部250に供給され、充電部250の起動が開始することから、スタンバイ状態とすることができる。つまり、受電コイル211により電力を受電するときには充電部250は即座に充電動作が可能となっている。したがって、走行中充電において、充電部250の充電動作のレスポンスを向上させ、効率的な充電動作が可能となる。
(第4実施形態)
次に、図11を参照して、本発明の第4実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム40の構成について説明する。図11は、本発明の第4実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの模式図である。
次に、図11を参照して、本発明の第4実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム40の構成について説明する。図11は、本発明の第4実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの模式図である。
ワイヤレス電力伝送システム40は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10と同様に、ワイヤレス給電装置100と、ワイヤレス受電装置200と、を有する。ワイヤレス給電装置100は、電源110と、インバータ120と、給電コイル部130と、給電側共振コンデンサ133と、を有し、ワイヤレス受電装置200は、受電コイル部210と、受電側共振コンデンサ213、補助受電コイル部220と、補助受電側共振コンデンサ223と、整流部240と、充電部250と、検知部260と、切換部270と、を有する。電源110、インバータ120、給電コイル部130、給電側共振コンデンサ133、受電コイル部210、受電側共振コンデンサ213、補助受電コイル部220、補助受電側共振コンデンサ223、整流部240、充電部250の構成は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10と同様である。すなわち、第4実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム40は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10に加えて、検知部260と切換部270を備えている点において、第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
検知部260は、受電コイル211と整流部240との間に設けられ、受電コイル211に発生する電圧または受電コイル211を流れる電流を検知する。すなわち、受電コイル211により電力を受電したことを、受電コイル211に発生する電圧または受電コイル211に流れる電流を検知して認識するものである。この検知部260は、電圧または電流を検知したとき、出力信号を後述する切換部270に出力する。なお、検知部260が電圧を検知する場合、検知部260は分圧回路や電圧検出カレントトランスから構成され、検知部260が電流を検知する場合、検知部260は電流センサやカレントトランスから構成される。
切換部270は、補助受電コイル221と整流部240の間に設けられ、補助受電コイル221と整流部240との間の接続状態を切換える。具体的には、切換部270は、受電コイル211により電力を受電していない状態では、検知部260からの出力信号が入力されないため、補助受電コイル221と整流部240との接続状態を維持し、受電コイル211により電力を受電している状態では、検知部260からの出力信号が入力され、補助受電コイル221と整流部240との接続を遮断する。すなわち、切換部270は、検知部260により電圧または電流を検知したとき、補助受電コイル221と整流部240との間の接続を遮断することとなる。ここで、補助受電コイル221と整流部240との間の接続とは、電気的な接続のことを意味する。切換部270としては、半導体スイッチやリレーが用いられる。
続いて、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム40の給電動作について説明する。
まず、ワイヤレス受電装置200を備えた移動体500が、ワイヤレス給電装置100が配設されている給電エリアに進入する。移動体500が給電エリアに進入すると、先行して補助受電コイル221が給電コイル131と重なる。このとき、給電コイル131が発生する磁界を介して補助受電コイル221に電力が伝送される。補助受電コイル221で受電した電力は、整流部240によって整流され、整流部240から出力された直流電力は、充電部250に供給される。充電部250に整流部240から直流電力が供給されると、この電力を受けて充電部250内部の起動回路251が起動し、供給された直流電力が、起動回路251により充電部250内部の電力変換回路252の起動用の電力に変換されて電力変換回路252に供給され、電力変換回路252が起動用の電力を受けて起動状態となる。つまり、充電部250は、補助受電コイル221が受電した電力により起動を開始し、スタンバイ状態に移行する。一方、充電動作が準備されている間も移動体500は進行し続けるため、続いて受電コイル211が給電コイル131と重なる。このとき、給電コイル131が発生する磁界を介して受電コイル211に電力が伝送される。受電コイル211が受電した電力は、整流部240によって整流され、整流部240から出力された直流電力は、充電部250に供給される。ここで、充電部250は、即座に充電動作が可能なスタンバイ状態に移行しているため、充電部250に供給された直流電圧は、充電部250内部の電力変換回路によって蓄電部320への充電電圧に変換され、蓄電部320に充電される。本実施形態では、受電コイル211で電力を受電すると、受電コイル211に電圧が発生するとともに受電コイル211に電流が流れるため、検知部260により受電コイル211に発生する電圧または受電コイル211を流れる電流が検知される。そして、検知部260により電圧または電流を検知したとき、検知部260から出力信号が切換部270に出力される。切換部270は、検知部260からの出力信号が入力されると、補助受電コイル221と整流部240との間の接続を遮断する。したがって、受電コイル211が給電コイル131と重なっている間は、補助受電コイル221は動作しない。つまり、受電コイル211により電力を受電中に補助受電コイル221が動作しないことから、補助受電コイル221が発生する磁界による受電コイル211が発生する磁界への影響を防止することができる。したがって、コイル間の干渉を防ぐことができる。
以上のように、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム40は、補助受電コイル221と整流部240との間の接続状態を切換える切換部270と、受電コイル211に発生する電圧または受電コイル211を流れる電流を検知する検知部260と、を備え、切換部270は、検知部260により電圧または電流を検知したとき、補助受電コイル221と整流部240との間を遮断している。そのため、受電コイル211での受電が可能になったときには、補助受電コイル221と整流部240との間が遮断される。したがって、受電コイル211で電力を受電中に補助受電コイル221が動作しないため、コイル間の干渉を防ぐことができる。
(第5実施形態)
次に、図12〜図16を参照して、本発明の第5実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム50の構成について説明する。図12は、本発明の第5実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの模式図である。図13は、本発明の第5実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの補助受電コイル部と補助受電側共振コンデンサを拡大して示す模式構成図である。図14は、本発明の第5実施形態に係るコイル位置合わせ構成を示す模式図である。図15は、本発明の第5実施形態に係る動作部の構成図で、移動体の幅方向で断面にしたときの図である。図16aは、本発明の第5実施形態に係る受電コイルの位置合わせ動作説明図で、移動体が給電エリアに進入前の状態を示す図である。図16bは、本発明の第5実施形態に係る受電コイルの位置合わせ動作説明図で、移動体が給電エリアに進入した状態を示す図である。図16cは、本発明の第5実施形態に係る受電コイルの位置合わせ動作説明図で、移動体が給電エリアにさらに進入した状態を示す図である。図16dは、本発明の第5実施形態に係る受電コイルの位置合わせ動作説明図で、コイルが適正位置に移動した状態を示す図である。図16eは、本発明の第5実施形態に係る受電コイルの位置合わせ動作説明図で、受電コイルが適正位置に移動したのち、給電エリアに進入した状態を示す図である。なお、図14においては、説明の便宜上、筐体等の図示を省略した受電コイル、補助受電コイルを図示している。また、図16a〜図16eにおいては、説明の便宜上、筐体等の図示を省略した給電コイル、受電コイル、補助受電コイルを図示している。
次に、図12〜図16を参照して、本発明の第5実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム50の構成について説明する。図12は、本発明の第5実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの模式図である。図13は、本発明の第5実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの補助受電コイル部と補助受電側共振コンデンサを拡大して示す模式構成図である。図14は、本発明の第5実施形態に係るコイル位置合わせ構成を示す模式図である。図15は、本発明の第5実施形態に係る動作部の構成図で、移動体の幅方向で断面にしたときの図である。図16aは、本発明の第5実施形態に係る受電コイルの位置合わせ動作説明図で、移動体が給電エリアに進入前の状態を示す図である。図16bは、本発明の第5実施形態に係る受電コイルの位置合わせ動作説明図で、移動体が給電エリアに進入した状態を示す図である。図16cは、本発明の第5実施形態に係る受電コイルの位置合わせ動作説明図で、移動体が給電エリアにさらに進入した状態を示す図である。図16dは、本発明の第5実施形態に係る受電コイルの位置合わせ動作説明図で、コイルが適正位置に移動した状態を示す図である。図16eは、本発明の第5実施形態に係る受電コイルの位置合わせ動作説明図で、受電コイルが適正位置に移動したのち、給電エリアに進入した状態を示す図である。なお、図14においては、説明の便宜上、筐体等の図示を省略した受電コイル、補助受電コイルを図示している。また、図16a〜図16eにおいては、説明の便宜上、筐体等の図示を省略した給電コイル、受電コイル、補助受電コイルを図示している。
ワイヤレス電力伝送システム50は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10と同様に、ワイヤレス給電装置100と、ワイヤレス受電装置200と、を有する。ワイヤレス給電装置100は、電源110と、インバータ120と、給電コイル部130と、給電側共振コンデンサ133と、を有し、ワイヤレス受電装置200は、受電コイル部210と、受電側共振コンデンサ213と、補助受電コイル部290と、補助受電側共振コンデンサ293と、整流部240と、充電部250と、動作部280と、を有する。電源110、インバータ120、給電コイル部130、給電側共振コンデンサ133、受電コイル部210、受電側共振コンデンサ213、整流部240と充電部250の構成は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10と同様である。すなわち、第5実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム50は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10の補助受電コイル部220と補助受電側共振コンデンサ223に代えて、補助受電コイル部290と補助受電側共振コンデンサ293を備え、またさらに、動作部280を備えている点において、第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
補助受電コイル部290は、ワイヤレス給電装置100から供給された交流電力を受電する機能を有する。補助受電コイル部290は、図13に示されるように、補助受電コイル291と、磁性体292と、を有し、絶縁性を有する筐体294によってパッケージングされている。なお、補助受電コイル部290は、補助受電コイル291のみから構成されていてもよい。
補助受電コイル291は、図14に示されるように、移動体500の進行方向において、受電コイル211よりも移動体500の前側下部に配置されている。つまり、補助受電コイル291は、受電コイル211よりも移動体500の進行方向前側に位置することとなる。補助受電コイル291は、複数のコイルから構成され、本実施形態では、第1補助受電コイル291a、第2補助受電コイル291b、第3補助受電コイル291c、第4補助受電コイル291d、第5補助受電コイル291eの5つのコイルから構成されている。第1〜第5補助受電コイル291a〜291eは、移動体500の下部において、互いに重なり合わないように位置している。具体的には、第3補助受電コイル291cは、移動体500の幅方向中心線上に位置し、第1および第5補助受電コイル291a,291eは、移動体500の幅方向中心線に対して線対称になるように位置し、第2および第4補助受電コイル291b,291dは、移動体500の幅方向中心線に対して線対称となるように位置している。さらに、第2補助受電コイル291bは、移動体500の幅方向において、第1および第3補助受電コイル291a,291cの間に位置し、第4補助受電コイル291dは、移動体500の幅方向において、第3および第5補助受電コイル291c,291eの間に位置している。またさらには、第2および第4補助受電コイル291b,291dは、移動体500の進行方向において、第1、第3および第5補助受電コイル291a,291c,291eよりも移動体500の進行方向前側に位置している。つまり、第1〜第5補助受電コイル291a〜291eは千鳥状に位置していることとなる。ここで、本実施形態では、第1〜第5補助受電コイル291a〜291eは、それぞれ補助受電側共振コンデンサ293に接続され補助受電側LC共振回路を形成している。なお、図13では、5つの補助受電側共振コンデンサ293は、それぞれ補助受電コイル部290の筐体294から離間して配置されているがこれに限られることなく、補助受電コイル部290の筐体294の外表面に設置されていてもよく、補助受電コイル部290の筐体294の内部に収納されていても構わない。また、第1〜第5補助受電コイル291a〜291eは、磁性体292とともに1つの筐体294にパッケージングされているがこれに限られることなく、第1〜第5補助受電コイル291a〜291eが別々の筐体にそれぞれのコイルに対応する磁性体とともにパッケージングされていてもよい。このように構成される第1〜第5補助受電コイル291a〜291eの単位時間当たりに受電する電力量は、それぞれ受電コイル211の単位時間当たりに受電する電力量よりも小さくなっており、第1〜第5補助受電コイル291a〜291eが受電した電力は、後述する動作部280を介して整流部240に出力される。なお、第1〜第5補助受電コイル291a〜291eの単位時間当たりに受電する電力量の調整手法は第1実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
動作部280は、受電コイル211を移動体500の進行方向と交差する方向に移動させる機能を有する。動作部280は、補助受電コイル291を構成する複数のコイル(本実施形態では、第1補助受電コイル291a、第2補助受電コイル291b、第3補助受電コイル291c、第4補助受電コイル291d、第5補助受電コイル291e)のうち、電力を受電したコイルに発生する電圧に基づいて、受電コイル211を移動させる。この動作部280は、図15に示されるように、支持部281と、動作制御部282と、を有する。支持部281は、受電コイル部210を移動体500下部につりさげるように支持し、動作制御部282からの移動指示の通知に基づいて、受電コイル部210を介して受電コイル211を移動させることができる。ここで、支持部281によって受電コイル211を移動させる範囲は、移動体500を鉛直上方から見て、受電コイル部210の外縁が移動体500の側縁を超えない範囲であればよい。このように構成することで、移動体500の周囲への漏洩電磁ノイズの発生を抑制することができる。動作制御部282は、複数の補助受電コイル291の受電した電力を受け、複数の補助受電コイル291のうち、電力を受電した補助受電コイル291に発生する電圧に基づいて、受電コイル211を移動させるべき位置を特定し、支持部281に移動指示を通知する。具体的には、動作制御部282は、第1〜第5補助受電コイル291a〜291eが受電した電力を受けて、それぞれのコイルに発生する電圧を検知し、各コイルに発生する電圧の最大値同士の比較結果に基づいて、受電コイル211を移動させるべき位置を特定している。より具体的には、動作制御部282は、第1〜第5補助受電コイル291a〜291eのうち、最大受電電圧となるコイルが1つの場合、最大受電電圧となる補助受電コイル291の移動体500の幅方向における位置に受電コイル211を移動させるよう支持部281に移動指示を通知する。一方、動作制御部282は、最大受電電圧となるコイルが複数あった場合には、最大受電電圧となった複数のコイル同士の間の中心位置に受電コイル211を移動させるよう支持部281に移動指示を通知する。支持部281としては、単軸ロボット、直動アクチュエータ、あるいは、ボールねじとサーボモータで構成されるサーボステージなど、サーボ制御できるものであってもよい。動作制御部282の電圧検知手段としては、分圧回路や電圧検出カレントトランスなどが挙げられる。
続いて、図16を参照して、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム50の受電コイル部210の位置合わせ動作について説明する。
まず、図16aに示すとおり、ワイヤレス受電装置200を備えた移動体500が、ワイヤレス給電装置100が配設されている給電エリアに進入する。移動体500が給電エリアに進入すると、図16bに示すとおり、先行して、第2および第4補助受電コイル291b,291dが、給電コイル131と重なる。第2および第4補助受電コイル291b,291dのコイルに発生する電圧は、移動体500の給電エリアへの進入に伴い変化するが、それぞれのコイルに発生した電圧の最大値が、動作制御部282によって認識される。さらに移動体500が、給電エリアに進入すると、図16cに示すとおり、第3および第5補助受電コイル291c,291eが、給電コイル131と重なる。第3および第5補助受電コイル291c,291eのコイルに発生する電圧は、移動体500の給電エリアへの進入に伴い変化するが、それぞれのコイルに発生する電圧の最大値が、動作制御部282によって認識される。動作制御部282は、第1〜第5補助受電コイル291a〜291eのそれぞれのコイルに発生する電圧に基づき、受電コイル211を移動させるべき位置を特定し、支持部281に移動指示を通知する。支持部281は、動作制御部282からの移動指示の通知に基づき、受電コイル211を移動体500の進行方向と交差する方向の位置に移動する。本実施形態では、図16bおよび図16cに示すように、給電コイル131の中心上を第4補助受電コイル291dが通過しているため、第4補助受電コイル291dの受電電圧の最大値が他の補助受電コイル291に比べて最も大きくなる(最大受電電圧となる)。したがって、図16dに示すように、支持部281は、受電コイル211の移動体500の進行方向と交差する方向の位置を、第4補助受電コイル291dの中心位置に一致するように移動させる。次に、図16eに示すように、さらに移動体500が給電エリアに進入すると、受電コイル211が給電コイル131と重なる。このとき、受電コイル211の中心位置と給電コイル131の中心位置が略一致するように重なる。すなわち受電コイル211と給電コイル131が正対することから、受電コイル211により給電コイル131から受電する電力は最大となる。このように、本実施形態では、受電コイル211での受電が開始される前に、受電コイル211の位置を受電に適した位置に移動させている。したがって、電力伝送効率を向上させることができる。
以上のように、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム50は、受電コイル211を移動体500の進行方向と交差する方向に移動させる動作部280を、さらに備え、補助受電コイル291は、複数のコイルを含み、動作部280は、複数のコイルのうち、電力を受電したコイルに発生する電圧に基づいて、受電コイル211を移動させる。この場合、受電コイル211での受電が開始される前に、受電コイル211の位置を受電に適した位置に移動させることが可能となる。したがって、電力伝送効率を向上させることができる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明したが、本発明は上述の実施形態に限られることなく、様々な変形や変更が可能である。上述の実施形態では、第2〜第5実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム20〜50における特徴的構成ならびに機能を、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10に適用した例を用いて説明したがこれに限られることなく、他の実施形態に組み合わせても構わない。
10、20、30、40,50…ワイヤレス電力伝送システム、100…ワイヤレス給電装置、110…電源、120…インバータ、130…給電コイル部、131…給電コイル、132…磁性体、133…給電側共振コンデンサ、200…ワイヤレス受電装置、210…受電コイル部、211…受電コイル、212…磁性体、213…受電側共振コンデンサ、220、225、290…補助受電コイル部、221…補助受電コイル、222、292…磁性体、223、226、293…補助受電側共振コンデンサ、240…整流部、241…第1整流部、242…第2整流部、250…充電部、260…検知部、270…切換部、280…動作部、281…支持部、282…動作制御部、291a…第1補助受電コイル、291b…第2補助受電コイル、291c…第3補助受電コイル、291d…第4補助受電コイル、291e…第5補助受電コイル、320…蓄電部、500…移動体、134、214、224、294…筺体。
Claims (4)
- 移動体に搭載されるワイヤレス受電装置であって、
磁界を介して電力を受電する受電コイルおよび補助受電コイルと、
前記受電コイルおよび前記補助受電コイルが受電した電力を整流する整流部と、
前記整流部に接続され、前記移動体に搭載される蓄電部を充電する充電部と、を備え、
前記補助受電コイルは、前記受電コイルよりも前記移動体の進行方向前側に位置し、
前記補助受電コイルの単位時間当たりに受電する電力量は、前記受電コイルの単位時間当たりに受電する電力量よりも小さく、
前記充電部は、前記補助受電コイルが受電した電力によって起動を開始することを特徴とするワイヤレス受電装置。 - 前記補助受電コイルと前記整流部との間の接続状態を切換える切換部と、
前記受電コイルに発生する電圧または前記受電コイルを流れる電流を検知する検知部と、をさらに備え、
前記切換部は、前記検知部により電圧または電流を検知したとき、前記補助受電コイルと前記整流部との間を遮断することを特徴とする請求項1に記載のワイヤレス受電装置。 - 前記受電コイルを前記移動体の進行方向と交差する方向に移動させる動作部を、さらに備え、
前記補助受電コイルは、複数のコイルを含み、
前記動作部は、前記複数のコイルのうち、電力を受電したコイルに発生する電圧に基づいて、前記受電コイルを移動させることを特徴とする請求項1または2に記載のワイヤレス受電装置。 - ワイヤレス給電装置と、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のワイヤレス受電装置と、を備えるワイヤレス電力伝送システム。
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WO2021240402A1 (en) * | 2020-05-27 | 2021-12-02 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Systems and methods for wireless vehicle power transfer and misalignment estimation |
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2016
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