本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照して、本発明の好適な実施形態に係るコイルユニットが適用されるワイヤレス電力伝送装置S1の全体構成について説明する。図1は、本発明の好適な実施形態に係るコイルユニットが適用されるワイヤレス電力伝送装置を負荷とともに示す回路構成図である。なお、本発明の好適な実施形態に係るコイルユニットは、ワイヤレス電力伝送装置における給電コイルユニットおよび受電コイルユニットのいずれにも適用可能である。
ワイヤレス電力伝送装置S1は、図1に示されるように、ワイヤレス給電装置100と、ワイヤレス受電装置200と、を有する。
ワイヤレス給電装置100は、電源110と、電力変換回路120と、給電コイルユニット130と、を有する。電源110は、直流電力を電力変換回路120に供給する。電源110としては、直流電力を出力するものであれば特に制限されず、商用交流電源を整流・平滑した直流電源、二次電池、太陽光発電した直流電源、あるいはスイッチングコンバータ等のスイッチング電源装置などが挙げられる。
電力変換回路120は、電力変換部121と、スイッチ駆動部122を有する。この電力変換回路120は、電源110から供給される入力直流電力を交流電力に変換する機能を有している。より具体的には、電力変換部121としては、複数のスイッチング素子がブリッジ接続されたスイッチング回路から構成される。本実施形態では、4つのスイッチング素子SW1〜SW4を用いたフルブリッジ型回路となっている。スイッチング素子SW1〜SW4としては、例えば、MOS−FET(Metal Oxide Semiconductor−Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの素子が挙げられる。各スイッチング素子SW1〜SW4は、スイッチ駆動部122から供給されるSW制御信号SG1〜SG4に応じて各スイッチング素子SW1〜SW4をオン・オフ制御することにより、電源110から供給される入力直流電力を交流電力に変換する。
給電コイルユニット130は、電力変換回路120から供給された交流電力を後述する受電コイルユニット210に給電する機能を有する。なお、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1を電気自動車などの車両への給電設備に用いた場合、給電コイルユニット130は地中または地面近傍に配設されることとなる。
ワイヤレス受電装置200は、受電コイルユニット210と、整流部220と、を有する。
受電コイルユニット210は、給電コイルユニット130から給電された交流電力を受電する機能を有する。なお、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1を電気自動車などの車両への給電設備に適用した場合、受電コイルユニット210は、車両下部に搭載されることとなる。
整流部220は、受電コイルユニット210が受電した電力を整流して負荷RLに出力する。本実施形態においては、整流部220は、4つのダイオード(整流素子)D1〜D4がフルブリッジ接続されたブリッジ型回路と、このブリッジ型回路に並列に接続された平滑コンデンサC0から構成されている。すなわち、整流部220は、受電コイルユニット210から供給される交流電力を全波整流する機能を備えている。平滑コンデンサC0は、整流された電圧を平滑して直流電圧を生成する。
このような構成を備えることにより、ワイヤレス給電装置100の給電コイルユニット130とワイヤレス受電装置200の受電コイルユニット210が対向することで、磁気的に結合し、電力変換回路120から給電コイルユニット130に供給された交流電力が近接電磁界効果によって受電コイルユニット210に誘導起電力が励起される。すなわち、ワイヤレス給電装置100からワイヤレス受電装置200に非接触にて電力が伝送されるワイヤレス電力伝送装置S1が実現される。
続いて、上述した給電コイルユニット130あるいは受電コイルユニット210に適用される本発明の好適な実施形態に係るコイルユニットの構成について説明する。
(第1実施形態)
図2を参照して、本発明の第1実施形態に係るコイルユニットLu1の構成について詳細に説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係るコイルユニットの回路構成を模式的に示した図である。
コイルユニットLu1は、図2に示されるように、電力伝送用コイルL1と、金属部SDと、第1のリアクタンス回路X10と、第1の調整コンデンサC13、を有する。
電力伝送用コイルL1は、複数の細い導体素線を撚り合わせたリッツ線からなる巻線を巻回されて構成されている。なお、電力伝送用コイルL1をワイヤレス電力伝送装置S1における給電コイルユニット130に適用した場合、電力伝送用コイルL1は、給電部として機能し、電力伝送用コイルL1をワイヤレス電力伝送装置S1における受電コイルユニット210に適用した場合、電力伝送用コイルL1は、受電部として機能する。
金属部SDは、導電体から構成され、電磁波を吸収する作用を有する。つまり、金属部SDは、遮蔽部材としての役割を果たすこととなる。この金属部SDとしては、アルミニウム、銅、銀等が挙げられる。また、金属部SDは、非磁性でもよく、その導電率は高ければ高いほど好ましい。
ここで、図3を参照して、本実施形態に係るコイルユニットLu1における電力伝送用コイルL1と金属部SDの配置関係をさらに詳細に説明する。図3aは、本発明の第1実施形態に係るコイルユニットを平面視した図である。図3bは、図3aにおける切断線A−Aに沿うコイルユニットの断面図である。なお、説明の便宜上、図3bにおいて、第1のリアクタンス回路X10と、第1の調整コンデンサC13は省略している。
電力伝送用コイルL1は、図3aに示されるように、略円形状を呈した平面状のスパイラル構造のコイルである。電力伝送用コイルL1の巻数は、電力伝送の際に対向することとなるコイルとの間の離間距離や所望の電力伝送効率などに基づいて適宜設定される。
金属部SDは、図3bに示されるように、外形形状が略直方体形状を呈しており、電力伝送用コイルL1の背面側に配置される。具体的には、電力伝送用コイルL1を給電コイルユニット130に適用した場合、金属部SDは、給電コイルユニット130と受電コイルユニット210の対向方向において、電力伝送用コイルL1よりも受電コイルユニット210から遠い位置に配置されることとなる。一方、電力伝送用コイルL1を受電コイルユニット210に適用した場合、金属部SDは、給電コイルユニット130と受電コイルユニット210の対向方向において、電力伝送用コイルL1よりも給電コイルユニット130から遠い位置に配置されることとなる。言い換えれば、金属部SDは、電力伝送の際の電力伝送用コイルL1の電力伝送面とは反対側に配置されることとなる。すなわち、電力伝送用コイルL1のコイル軸は、金属部SDの主面に対して直交する。このように構成されることにより、図2に示されるように、電力伝送用コイルL1と金属部SDとの間に寄生容量C11,C12が形成される。なお、電力伝送用コイルL1は、巻線が同一平面上に巻回されているため、寄生容量C11と寄生容量C12はほぼ同値となる。本実施形態では、電力伝送用コイルL1と金属部SDとの間に絶縁部材ILを介在させている。この場合、電力伝送用コイルL1と金属部SDとの間の絶縁が確保され、電力伝送用コイルL1の両端が短絡することを防止することができる。なお、絶縁部材ILの代わりに、電力伝送用コイルL1と金属部SDとの間に隙間を設けてもよい。
第1のリアクタンス回路X10は、図2に示されるように、電力伝送用コイルL1の巻線の一方の端部に接続されている。つまり、第1のリアクタンス回路X10は、電力伝送用コイルL1に直列に接続されている。また、第1のリアクタンス回路X10は、電力伝送用コイルL1とともに、共振回路を形成している。この第1のリアクタンス回路X10は、第1の共振コンデンサC10から構成されている。なお、本実施形態では、第1のリアクタンス回路X10は、第1の共振コンデンサC10から構成されているが、これに限られることなく、第1の共振コンデンサC10に直列あるいは並列にインダクタが接続されていてもよい。
第1の調整コンデンサC13は、図2に示されるように、電力伝送用コイルL1の巻線の他方の端部と金属部SDとの間に接続されている。つまり、第1の調整コンデンサC13は、第1のリアクタンス回路X10が接続される電力伝送用コイルL1の巻線の端部とは反対の端部と金属部SDとの間に接続されることとなる。この第1の調整コンデンサC13は、金属部SDに誘起される電圧を抑制することを目的としている。ここで、電力伝送用コイルL1の巻線の一方の端部のみに第1のリアクタンス回路X10が接続されると、電力伝送用コイルL1の巻線の一方の端部と巻線の他方の端部に電位差が生じる。つまり、電力伝送用コイルL1の巻線の一方の端部に発生する共振電圧Vaが巻線の他方の端部に入力される入力電圧Vbに比べて大きくなるため、この共振電圧Vaと入力電圧Vbの差分の半分が金属部SDに誘起される。これに対して、本実施形態では、第1の調整コンデンサC13は、電力伝送用コイルL1の巻線の他方の端部と金属部SDとの間に接続されるため、電力伝送用コイルL1の巻線の他方の端部と金属部SDとの寄生容量C12と、第1の調整コンデンサC13が合成される。したがって、電力伝送用コイルL1の巻線の他方の端部と金属部SDとの間の合成容量を介した電圧値と、電力伝送用コイルL1の巻線の他方の端部に入力される入力電圧Vbの電圧値との差が小さくなる。一方、第1の調整コンデンサC13の影響により、電力伝送用コイルL1の巻線の一方の端部と金属部SDとの間に生じる寄生容量C11を介した電圧値と、第1のリアクタンス回路X10の両端に印加される電圧の電圧値との差が小さくなる。第1の調整コンデンサC13の容量値は、第1のリアクタンス回路X10の両端に印加される電圧の電圧値と入力電圧Vbの電圧値、および、寄生容量C11,C12の容量値から適宜に設定されることが好ましい。具体的には、第1のリアクタンス回路X10の両端に印加される電圧の電圧値と入力電圧Vbの電圧値の比率と、電力伝送用コイルL1の巻線の一方の端部と金属部SDとの間に生じる寄生容量C11を介した電圧値と電力伝送用コイルL1の巻線の他方の端部と金属部SDとの間に生じる寄生容量C12を介した電圧値の比率が等しくなるように第1の調整コンデンサC13の容量値が設定される。
以上のように、本実施形態に係るコイルユニットLu1は、電力伝送用コイルL1の巻線の一方の端部に接続されるとともに、電力伝送用コイルL1と共振回路を形成する第1のリアクタンス回路X10と、電力伝送用コイルL1の巻線の他方の端部と金属部SDとに接続される第1の調整コンデンサC13を備えている。そのため、第1の調整コンデンサC13は、電力伝送用コイルL1の巻線の他方の端部と金属部SDとの間に生じる寄生容量C12と合成されるため、電力伝送用コイルL1の巻線の他方の端部と金属部SDとの間の合成容量を介した電圧値と、電力伝送用コイルL1の巻線の他方の端部に入力される電圧値との差が小さくなる。一方、第1の調整コンデンサC13の影響により、電力伝送用コイルL1の巻線の一方の端部と金属部SDとの間に生じる寄生容量C11を介した電圧値と、第1のリアクタンス回路X10の両端に印加される電圧の電圧値との差が小さくなる。その結果、金属部SDに誘起される高電圧を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、図4および図5を参照して、本発明の第2実施形態に係るコイルユニットLu2の構成について詳細に説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係るコイルユニットの回路構成を模式的に示した図である。図5aは、本発明の第2実施形態に係るコイルユニットを平面視した図である。図5bは、図5aにおける切断線B−Bに沿うコイルユニットの断面図である。なお、説明の便宜上、図5bにおいて、第1のリアクタンス回路X10と、第1の調整コンデンサC13と、第2の調整コンデンサC14は省略している。
コイルユニットLu2は、図4に示されるように、金属部SDと、電力伝送用コイルL2と、第1のリアクタンス回路X10と、第1の調整コンデンサC13と、第2の調整コンデンサC14を有する。金属部SD、第1のリアクタンス回路X10、第1の調整コンデンサC13の構成は、第1実施形態に係るコイルユニットLu1と同様である。第2実施形態に係るコイルユニットLu2は、第2の調整コンデンサC14を備えている点、および、電力伝送用コイルL1に代えて電力伝送用コイルL2を備えている点において、第1実施形態に係るコイルユニットLu1と相違する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
電力伝送用コイルL2は、複数の細い導体素線を撚り合わせたリッツ線からなる巻線を巻回されて構成されている。なお、電力伝送用コイルL2をワイヤレス電力伝送装置S1における給電コイルユニット130に適用した場合、電力伝送用コイルL2は、給電部として機能し、電力伝送用コイルL2をワイヤレス電力伝送装置S1における受電コイルユニット210に適用した場合、電力伝送用コイルL2は、受電部として機能する。また、電力伝送用コイルL2は、図5aに示されるように、略円形状を呈した平面状のスパイラル構造のコイルである。電力伝送用コイルL2の巻数は、電力伝送の際に対向することとなるコイルとの間の離間距離や所望の電力伝送効率などに基づいて適宜設定される。本実施形態では、電力伝送用コイルL2は、図5bに示されるように、巻線が層状に連続して巻回されて構成されている。具体的には、電力伝送用コイルL2は、巻線が2層構造のコイルであって、金属部SD側から順に第1層目の巻線を巻回し、続いて第2層目の巻線を巻回して構成される。このとき、第1層目の巻線の終端と第2層目の巻線の始端が連結されることで、巻線が層状に連続して巻回された電力伝送用コイルL2が構成されることとなる。なお、本実施形態では、電力伝送用コイルL2の巻線を、金属部SD側から第1層目、第2層目の順に巻回して構成しているが、これに限られることなく、電力伝送用コイルL2の第2層目が第1層目よりも金属部SD側に位置するように巻回してもよい。
第2の調整コンデンサC14は、電力伝送用コイルL2の巻線の端部が金属部SDから最も離れた層に位置している端部に接続されている。本実施形態では、第2の調整コンデンサC14は、図4に示されるように、電力伝送用コイルL2の巻線の他方の端部に接続されている。ここで、電力伝送用コイルL2を多層コイルで構成すると、各層の巻線と金属部SDとの間に生じる寄生容量C11,C12にばらつきが生じる。これに対して、本実施形態では、第2の調整コンデンサC14は、寄生容量C11と寄生容量C12の容量ばらつきを抑制するように機能する。具体的には、第2の調整コンデンサC14の容量値は、寄生容量C11と寄生容量C12の差分に基づいて設定される。言い換えれば、第2の調整コンデンサC14の容量値は、巻線の一方の端部から中央部までにおける当該巻線と金属部との平均距離に対する巻線の他方の端部から中央部までにおける当該巻線と金属部との平均距離に基づいて適宜設定される。なお、本実施形態では、電力伝送用コイルL2の金属部SDと最も離れた層の巻線の端部を他方の端部として説明したが、電力伝送用コイルL2の一方の端部が金属部SDと最も離れた層の巻線の端部の場合は、第2の調整コンデンサC14は電力伝送用コイルL2の巻線の一方の端部と金属部SDとの間に接続されることとなる。
以上のように、本実施形態に係るコイルユニットLu2は、巻線が層状に連続して巻回されており、電力伝送用コイルL2の金属部SDと最も離れた層の巻線の端部に接続される第2の調整コンデンサC14をさらに備えている。そのため、電力伝送用コイルL2のインダクタンス値を向上することができる。ここで、電力伝送用コイルL2を多層コイルで構成すると、各層の巻線と金属部SDとの間に生じる寄生容量C11,C12にばらつきが生じる。本発明では、電力伝送用コイルL2の金属部SDと最も離れた層の巻線の端部に接続される第2の調整コンデンサC14が、この寄生容量C11,C12のばらつきを抑制するように機能する。その結果、金属部SDに誘起される高電圧を抑制しつつ、コイルのインダクタンス値を向上することができる。
(第3実施形態)
次に、図6および図7を参照して、本発明の第3実施形態に係るコイルユニットLu3の構成について説明する。図6は、本発明の第3実施形態に係るコイルユニットの回路構成を模式的に示した図である。図7aは、本発明の第3実施形態に係るコイルユニットを平面視した図である。図7bは、図7aにおける切断線C−Cに沿うコイルユニットの断面図である。なお、説明の便宜上、図7bにおいて、第1のリアクタンス回路X10と、第2のリアクタンス回路X11と、第1の調整コンデンサC13は省略している。
コイルユニットLu3は、図6に示されるように、金属部SDと、電力伝送用コイルL3と、第1のリアクタンス回路X10、第2のリアクタンス回路X11、第1の調整コンデンサC13を有する。金属部SD、第1のリアクタンス回路X10の構成は、第1実施形態に係るコイルユニットLu1と同様である。第3実施形態に係るコイルユニットLu3は、第2のリアクタンス回路X11を備えている点、電力伝送用コイルL1に代えて電力伝送用コイルL3を備えている点、および、第1の調整コンデンサC13の機能の点において、第1実施形態に係るコイルユニットLu1と相違する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
電力伝送用コイルL3は、複数の細い導体素線を撚り合わせたリッツ線からなる巻線を巻回されて構成されている。なお、電力伝送用コイルL3をワイヤレス電力伝送装置S1における給電コイルユニット130に適用した場合、電力伝送用コイルL3は、給電部として機能し、電力伝送用コイルL3をワイヤレス電力伝送装置S1における受電コイルユニット210に適用した場合、電力伝送用コイルL3は、受電部として機能する。また、電力伝送用コイルL3は、図7aに示されるように、略円形状を呈した平面状のスパイラル構造のコイルである。電力伝送用コイルL3の巻数は、電力伝送の際に対向することとなるコイルとの間の離間距離や所望の電力伝送効率などに基づいて適宜設定される。本実施形態では、電力伝送用コイルL3は、図7bに示されるように、巻線が層状に連続して巻回されて構成されている。具体的には、電力伝送用コイルL3は、巻線が2層構造のコイルであって、金属部SD側から順に第1層目の巻線を巻回し、続いて第2層目の巻線を巻回して構成される。このとき、第1層目の巻線の終端と第2層目の巻線の始端が連結されることで、巻線が層状に連続して巻回された電力伝送用コイルL3が構成されることとなる。なお、本実施形態では、電力伝送用コイルL3の巻線を、金属部SD側から第1層目、第2層目の順に巻回して構成しているが、これに限られることなく、電力伝送用コイルL2の第2層目が第1層目よりも金属部SD側に位置するように巻回してもよい。また、本実施形態では、電力伝送用コイルL3の巻線の一方の端部が金属部SDと最も近い層に位置し、巻線の他方の端部が金属部SDと最も離れた層に位置するように層状に連続して巻回されている。
第2のリアクタンス回路X11は、図6に示されるように、電力伝送用コイルL3の巻線の他方の端部に接続されている。つまり、第2のリアクタンス回路X11は、電力伝送用コイルL3に直列に接続されている。また、第2のリアクタンス回路X11は、電力伝送用コイルL3とともに、共振回路を形成している。この第2のリアクタンス回路X11は、第2の共振コンデンサC15から構成されている。なお、本実施形態では、第2のリアクタンス回路X11は、第2の共振コンデンサC15から構成されているが、これに限られることなく、第2の共振コンデンサC15に直列あるいは並列にインダクタが接続されていてもよい。また、第1のリアクタンス回路X10のリアクタンス値と第2のリアクタンス回路X11のリアクタンス値が同値であると好ましい。この場合、電力伝送用コイルL3の巻線の一方の端部に発生する共振電圧Vaと、巻線の他方の端部に発生する共振電圧Vb(入力電圧Vb)が等しくなる。
第1の調整コンデンサC13は、電力伝送用コイルL3の金属部SDと最も離れた層の巻線の端部(他方の端部)に接続されている。この第1の調整コンデンサC13は、電力伝送用コイルL3から寄生容量を介して金属部SDに誘起される電圧を抑制することを目的としている。ここで、上述したように、電力伝送用コイルL3の巻線の一方の端部には第1のリアクタンス回路X10が接続され、巻線の他方の端部には第2のリアクタンス回路X11が接続されているため、共振電圧Vaと共振電圧Vbが等しくなる。一方、電力伝送用コイルL3を多層コイルで構成すると、各層の巻線と金属部SDとの間に生じる寄生容量C11,C12にばらつきが生じる。これに対して、本実施形態では、第1の調整コンデンサC13は、電力伝送用コイルL3の巻線の他方の端部と金属部SDとの間に接続されるため、電力伝送用コイルL3の巻線の他方の端部と金属部SDとの寄生容量C12と、第1の調整コンデンサC13が合成される。したがって、電力伝送用コイルL3の巻線の他方の端部と金属部SDとの間の合成容量を介した電圧値と、第2のリアクタンス回路X11の両端に印加される電圧の電圧値との差が小さくなる。一方、第1の調整コンデンサC13の影響により、電力伝送用コイルL3の巻線の一方の端部と金属部SDとの間に生じる寄生容量C11を介した電圧値と、第1のリアクタンス回路X10の両端に印加される電圧の電圧値との差が小さくなる。第1の調整コンデンサC13の容量値は、第1のリアクタンス回路X10の両端に印加される電圧の電圧値と第2のリアクタンス回路X11の両端に印加される電圧の電圧値、および、寄生容量C11,C12の容量値から適宜に設定されることが好ましい。具体的には、第1のリアクタンス回路X10の両端に印加される電圧の電圧値と第2のリアクタンス回路X11の両端に印加される電圧の電圧値の比率と、電力伝送用コイルL3の巻線の一方の端部と金属部SDとの間に生じる寄生容量C11を介した電圧値と電力伝送用コイルL3の巻線の他方の端部と金属部SDとの間に生じる寄生容量C12を介した電圧値の比率が等しくなるように第1の調整コンデンサC13の容量値が設定される。
以上のように、本実施形態に係るコイルユニットLu3では、電力伝送用コイルL3は、巻線の他方の端部が金属部SDと最も離れた層に位置するように、層状に連続して巻回されており、電力伝送用コイルL3の巻線の他方の端部に接続されるとともに、電力伝送用コイルL3と共振回路を形成する第2のリアクタンス回路X11をさらに備えている。そのため、電力伝送用コイルL3のインダクタンス値を向上することができる。また、第1の調整コンデンサC13は、電力伝送用コイルL3の巻線の他方の端部と金属部SDとの間に生じる寄生容量C12と合成されるため、電力伝送用コイルL3の巻線の他方の端部と金属部SDとの間の合成容量を介した電圧値と、第2のリアクタンス回路X11の両端に印加される電圧の電圧値との差が小さくなる。一方、第1の調整コンデンサC13の影響により、電力伝送用コイルL3の巻線の一方の端部と金属部SDとの間に生じる寄生容量C11を介した電圧値と、第1のリアクタンス回路X10の両端に印加される電圧の電圧値との差が小さくなる。その結果、金属部SDに誘起される高電圧を抑制しつつ、コイルのインダクタンス値を向上することができる。
次に、図8を参照して、本発明の第4実施形態に係るコイルユニットLu4の構成について説明する。図8は、本発明の第4実施形態に係るコイルユニットの回路構成を模式的に示した図である。
コイルユニットLu4は、図8に示されるように、電力伝送用コイルL4と、金属部SD4と、第1の調整コンデンサC43と、第2の調整コンデンサC44を有する。
電力伝送用コイルL4は、複数の細い導体素線を撚り合わせたリッツ線からなる巻線を巻回されて構成されている。なお、電力伝送用コイルL4をワイヤレス電力伝送装置S1における給電コイルユニット130に適用した場合、電力伝送用コイルL4は、給電部として機能し、電力伝送用コイルL4をワイヤレス電力伝送装置S1における受電コイルユニット210に適用した場合、電力伝送用コイルL4は、受電部として機能する。
金属部SD4は、導電体から構成され、電磁波を吸収する作用を有する。つまり、金属部SD4は、遮蔽部材としての役割を果たすこととなる。この金属部SD4としては、アルミニウム、銅、銀等が挙げられる。また、金属部SD4は、非磁性でもよく、その導電率は高ければ高いほど好ましい。
ここで、図9を参照して、本実施形態に係るコイルユニットLu4における電力伝送用コイルL4と金属部SD4の配置関係をさらに詳細に説明する。図9aは、本発明の第4実施形態に係るコイルユニットを平面視した図である。図9bは、図9aにおける切断線D−Dに沿うコイルユニットの断面図である。なお、説明の便宜上、図9bにおいて、第1の調整コンデンサC43と、第2の調整コンデンサC44は省略している。
電力伝送用コイルL4は、図9aに示されるように、略円形状を呈した平面状のスパイラル構造のコイルである。電力伝送用コイルL4の巻数は、電力伝送の際に対向することとなるコイルとの間の離間距離や所望の電力伝送効率などに基づいて適宜設定される。
金属部SD4は、図9bに示されるように、外形形状が略直方体形状を呈しており、電力伝送用コイルL4の背面側に配置される。具体的には、電力伝送用コイルL4を給電コイルユニット130に適用した場合、金属部SD4は、給電コイルユニット130と受電コイルユニット210の対向方向において、電力伝送用コイルL4よりも受電コイルユニット210から遠い位置に配置されることとなる。一方、電力伝送用コイルL4を受電コイルユニット210に適用した場合、金属部SD4は、給電コイルユニット130と受電コイルユニット210の対向方向において、電力伝送用コイルL4よりも給電コイルユニット130から遠い位置に配置されることとなる。言い換えれば、金属部SD4は、電力伝送の際の電力伝送用コイルL4の電力伝送面とは反対側に配置されることとなる。すなわち、電力伝送用コイルL4のコイル軸は、金属部SD4の主面に対して直交する。このように構成されることにより、図8に示されるように、電力伝送用コイルL4と金属部SD4との間に寄生容量C41,C42が形成される。本実施形態では、電力伝送用コイルL4と金属部SD4との間に絶縁部材IL4を介在させている。この場合、電力伝送用コイルL4と金属部SD4との間の絶縁が確保され、電力伝送用コイルL4の両端が短絡することを防止することができる。なお、絶縁部材IL4の代わりに、電力伝送用コイルL4と金属部SD4との間に隙間を設けてもよい。
本実施形態では、電力伝送用コイルL4は、図9bに示されるように、巻線が層状に連続して巻回されて構成されている。具体的には、電力伝送用コイルL4は、巻線が2層構造のコイルであって、金属部SD4側から順に第1層目の巻線を巻回し、続いて第2層目の巻線を巻回して構成される。このとき、第1層目の巻線の終端と第2層目の巻線の始端が連結されることで、巻線が層状に連続して巻回された電力伝送用コイルL4が構成されることとなる。なお、本実施形態では、電力伝送用コイルL4の巻線を、金属部SD4側から第1層目、第2層目の順に巻回して構成しているが、これに限られることなく、電力伝送用コイルL4の第2層目が第1層目よりも金属部SD4側に位置するように巻回してもよい。
第1の調整コンデンサC43は、図8に示されるように、電力伝送用コイルL4の巻線の一方の端部と金属部SD4との間に接続されている。この第1の調整コンデンサC13は、金属部SDに誘起される電圧を抑制することを目的としている。
第2の調整コンデンサC44は、図8に示されるように、電力伝送用コイルL4の巻線の他方の端部と金属部SD4との間に接続されている。この第2の調整コンデンサC43は、金属部SDに誘起される電圧を抑制することを目的としている。
本実施形態では、電力伝送用コイルL4に印加される入力電圧V4aと入力電圧V4bが等しくなる。一方、電力伝送用コイルL4を多層コイルで構成すると、各層の巻線と金属部SD4との間に生じる寄生容量C41,C42にばらつきが生じる。これに対して、本実施形態では、第1の調整コンデンサC43は、電力伝送用コイルL4の巻線の一方の端部と金属部SD4との間に接続されるため、電力伝送用コイルL4の巻線の一方の端部と金属部SD4との寄生容量C41と、第1の調整コンデンサC43が合成される。したがって、電力伝送用コイルL4の巻線の一方の端部と金属部SD4との間の合成容量を介した電圧値と、入力電圧V4aの電圧値との差が小さくなる。一方、第2の調整コンデンサC44は、電力伝送用コイルL4の巻線の他方の端部と金属部SD4との間に接続されるため、電力伝送用コイルL4の巻線の他方の端部と金属部SD4との寄生容量C42と、第2の調整コンデンサC44が合成される。したがって、電力伝送用コイルL4の巻線の他方の端部と金属部SD4との間の合成容量を介した電圧値と、入力電圧V4bの電圧値との差が小さくなる。第1および第2の調整コンデンサC43,C44の容量値は、入力電圧V4aと入力電圧V4bの電圧値、および、寄生容量C41,C42の容量値から適宜に設定されることが好ましい。具体的には、入力電圧V4aの電圧値と入力電圧V4bの電圧値の比率と、電力伝送用コイルL4の巻線の一方の端部と金属部SDとの間に生じる寄生容量C41を介した電圧値と電力伝送用コイルL4の巻線の他方の端部と金属部SDとの間に生じる寄生容量C42を介した電圧値の比率が等しくなるように第1および第2の調整コンデンサC43,C44の容量値が設定される。なお、第1および第2の調整コンデンサC43,C44の容量値は、互いに同値であって、寄生容量C41,C42の最大値の10倍以上の容量値に設定されるとより好ましい。この場合、寄生容量C41,C42のばらつきが相対的に非常に小さく見えることから容量値のばらつきを無視することが可能となる。そのため、電力伝送用コイルL4の各層の巻線と金属部SD4との間に生じるばらつきの影響度10%以下に抑えられ、金属部SD4に誘起される高電圧を抑制することができる。
以上のように、本実施形態に係るコイルユニットLu4は、電力伝送用コイルL4の巻線の一方の端部に接続される第1の調整コンデンサC43と、電力伝送用コイルL4の巻線の他方の端部に接続される第2の調整コンデンサC44と、を備えている。そのため、第1の調整コンデンサC43は、電力伝送用コイルL4の巻線の一方の端部と金属部SD4との間に生じる寄生容量C41と合成されるため、電力伝送用コイルL4の巻線の一方の端部と金属部SD4との間の合成容量を介した電圧値と、入力電圧V4aの電圧値との差が小さくなる。また、第2の調整コンデンサC44は、電力伝送用コイルL4の巻線の他方の端部と金属部SD4との間に生じる寄生容量C42と合成されるため、電力伝送用コイルL4の巻線の他方の端部と金属部SD4との間の合成容量を介した電圧値と、入力電圧V4bの電圧値との差が小さくなる。その結果、金属部SD4に誘起される高電圧を抑制することができる。
(第5実施形態)
次に、図10を参照して、本発明の第5実施形態に係るコイルユニットLu5の構成について詳細に説明する。図10は、本発明の第5実施形態に係るコイルユニットの回路構成を模式的に示した図である。
コイルユニットLu5は、図10に示されるように、金属部SD4と、電力伝送用コイルL4と、第1の調整コンデンサC43と、第2の調整コンデンサC44を有する。金属部SD4、電力伝送用コイルL4の構成は、第1実施形態に係るコイルユニットLu4と同様である。第5実施形態に係るコイルユニットLu5は、第1の調整コンデンサC43と第2の調整コンデンサC44の接続位置が異なる点において、第4実施形態に係るコイルユニットLu4と相違する。以下、第4実施形態と異なる点を中心に説明する。
第1の調整コンデンサC43と第2の調整コンデンサC44は、互いに直列接続されている。具体的には、第1の調整コンデンサC43は、電力伝送用コイルL4の巻線の一方の端部と第2の調整コンデンサC44の間に接続され、第2の調整コンデンサC44は電力伝送用コイルL4の巻線の他方の端部と第1の調整コンデンサC43の間に接続される。また、第1の調整コンデンサC43と第2の調整コンデンサC44の中点は金属部SD4に接続されている。本実施形態では、第1の調整コンデンサC43と第2の調整コンデンサC44が互いに直列接続されることで、電力伝送用コイルL5と並列共振回路を形成する並列共振用のコンデンサとして機能する。つまり、第1の調整コンデンサC43と第2の調整コンデンサC44は、調整コンデンサの機能と共振コンデンサの機能を合わせ持っており、第1の調整コンデンサC43と第2の調整コンデンサC44の容量値は、電力伝送用コイルL4と共振する値に設定される。
以上のように、本実施形態に係るコイルユニットLu5は、第1の調整コンデンサと第2の調整コンデンサは、互いに直列接続され、第1の調整コンデンサと第2の調整コンデンサの接続中点を介して金属部に接続されている。この場合、第1の調整コンデンサと第2の調整コンデンサは、電力伝送用コイルとともに並列共振回路を形成する。そのため、電力伝送用コイルを共振させるためのリアクタンス回路が不要となる。その結果、金属部に誘起される高電圧を抑制しつつ、コイルユニットの簡素化ができる。
(第6実施形態)
次に、図11を参照して、本発明の第6実施形態に係るコイルユニットLu6の構成について詳細に説明する。図11は、本発明の第6実施形態に係るコイルユニットの回路構成を模式的に示した図である。
コイルユニットLu6は、図11に示されるように、金属部SD4と、電力伝送用コイルL4と、第1のリアクタンス回路X40と、第2のリアクタンス回路X41と、第1の調整コンデンサC43と、第2の調整コンデンサC44を有する。金属部SD、第1の調整コンデンサC43、第2の調整コンデンサC44の構成は、第4実施形態に係るコイルユニットLu4と同様である。第6実施形態に係るコイルユニットLu6は、第1のリアクタンス回路X40と、第2のリアクタンス回路X41と、を備えている点において、第4実施形態に係るコイルユニットLu4と相違する。以下、第4実施形態と異なる点を中心に説明する。
第1のリアクタンス回路X40は、図11に示されるように、電力伝送用コイルL4の巻線の一方の端部に接続されている。つまり、第1のリアクタンス回路X40は、電力伝送用コイルL4に直列に接続されている。また、第1のリアクタンス回路X40は、電力伝送用コイルL4とともに、共振回路を形成している。この第1のリアクタンス回路X40は、第1の共振コンデンサC40から構成されている。なお、本実施形態では、第1のリアクタンス回路X40は、第1の共振コンデンサC40から構成されているが、これに限られることなく、第1の共振コンデンサC40に直列あるいは並列にインダクタが接続されていてもよい。
第2のリアクタンス回路X41は、図11に示されるように、電力伝送用コイルL4の巻線の他方の端部に接続されている。つまり、第2のリアクタンス回路X41は、電力伝送用コイルL4に直列に接続されている。また、第2のリアクタンス回路X41は、電力伝送用コイルL4とともに、共振回路を形成している。この第2のリアクタンス回路X41は、第2の共振コンデンサC45から構成されている。なお、本実施形態では、第2のリアクタンス回路X41は、第2の共振コンデンサC45から構成されているが、これに限られることなく、第2の共振コンデンサC45に直列あるいは並列にインダクタが接続されていてもよい。また、第1のリアクタンス回路X40のリアクタンス値と第2のリアクタンス回路X41のリアクタンス値が同値であると好ましい。この場合、電力伝送用コイルL4の巻線の一方の端部に発生する共振電圧V4aと、巻線の他方の端部に発生する共振電圧V4bが等しくなる。
本実施形態では、電力伝送用コイルL4の巻線の一方の端部には第1のリアクタンス回路X40が接続され、巻線の他方の端部には第2のリアクタンス回路X41が接続されているため、共振電圧V4aと共振電圧V4bが等しくなる。一方、電力伝送用コイルL4を多層コイルで構成すると、各層の巻線と金属部SD4との間に生じる寄生容量C41,C42にばらつきが生じる。これに対して、本実施形態では、第1の調整コンデンサC43は、電力伝送用コイルL4の巻線の一方の端部と金属部SD4との間に接続されるため、電力伝送用コイルL4の巻線の一方の端部と金属部SD4との寄生容量C41と、第1の調整コンデンサC43が合成される。したがって、電力伝送用コイルL4の巻線の一方の端部と金属部SD4との間の合成容量を介した電圧値と、第1のリアクタンス回路X40の両端に印加される電圧の電圧値との差が小さくなる。一方、第2の調整コンデンサC44は、電力伝送用コイルL4の巻線の他方の端部と金属部SD4との間に接続されるため、電力伝送用コイルL4の巻線の他方の端部と金属部SD4との寄生容量C42と、第2の調整コンデンサC44が合成される。したがって、電力伝送用コイルL4の巻線の他方の端部と金属部SD4との間の合成容量を介した電圧値と、第2のリアクタンス回路X41の両端に印加される電圧の電圧値との差が小さくなる。第1および第2の調整コンデンサC43,C44の容量値は、第1のリアクタンス回路X40の両端に印加される電圧の電圧値と第2のリアクタンス回路X41の両端に印加される電圧の電圧値、および、寄生容量C41,C42の容量値から適宜に設定されることが好ましい。具体的には、第1のリアクタンス回路X40の両端に印加される電圧の電圧値と第2のリアクタンス回路X41の両端に印加される電圧の電圧値の比率と、電力伝送用コイルL4の巻線の一方の端部と金属部SDとの間に生じる寄生容量C41を介した電圧値と電力伝送用コイルL6の巻線の他方の端部と金属部SDとの間に生じる寄生容量C42を介した電圧値の比率が等しくなるように第1および第2の調整コンデンサC43,C44の容量値が設定される。なお、第1および第2の調整コンデンサC43,C44の容量値は、互いに同値であって、寄生容量C41,C42の最大値の10倍以上の容量値に設定されるとより好ましい。この場合、寄生容量C41,C42のばらつきが相対的に非常に小さく見えることから容量値のばらつきを無視することが可能となる。そのため、電力伝送用コイルL4の各層の巻線と金属部SD4との間に生じるばらつきの影響度10%以下に抑えられ、金属部SD4に誘起される高電圧を抑制することができる。
以上のように、本実施形態に係るコイルユニットLu6は、電力伝送用コイルの巻線の一方の端部に接続されるとともに、電力伝送用コイルと共振回路を形成する第1のリアクタンス回路X40と、電力伝送用コイルの巻線の他方の端部に接続されるとともに、電力伝送用コイルと共振回路を形成する第2のリアクタンス回路X41と、をさらに備えている。そのため、電力伝送用コイルは共振するため、より効率的に電力伝送を行うことができる。