JP2015052733A - エレクトロクロミック材料、エレクトロクロミック組成物及びエレクトロクロミック表示素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式(G)に示す構造を有することを特徴とするエレクトロクロミック材料。
(上式(G)中、Yは少なくともメチレン基を1つ含む構造であり、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基からなる。R1、R2は各々独立に官能基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、または、芳香族炭化水素基を示し、R1、R2のうち少なくとも一方の基が水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基を有する。
【選択図】図1
Description
電子ペーパーは、表示装置が紙のように用いられるところに特徴があるため、CRTや液晶ディスプレイといった従来の表示装置とは異なった特性が要求される。例えば反射型表示装置であり、かつ高い白反射率・高いコントラスト比を有すること、高精細な表示ができること、表示にメモリ効果があること、低電圧でも駆動できること、薄くて軽いこと、安価であること、などの特性が要求される。このうち特に表示の品質に関わる特性として、紙と同等な白反射率・コントラスト比、更にカラー表示についての要求度が高い。
一般に多色カラー表示を行うためにはカラーフィルタを設けるが、種々の問題がある。
エレクトロクロミック化合物としては、ビオロゲン系化合物が色彩、耐久性面で優れており、特に特許文献1〜4に記載の材料構造はフルカラー化に必要なイエロー、マゼンタ、シアンの3原色を発色するため、有用な化合物である。
しかし、特許文献1〜4に記載の材料構造では、発色に必要な電荷量がやや多く、低消費電力を求める電子ペーパーで用いるには発色に必要な電荷量を下げることが望まれている。
而して、上記目的は、以下の本発明の「エレクトロクロミック材料」、「エレクトロクロミック組成物」、および「表示素子」により達成される。
(1)「下記一般式(G)に示す構造を有することを特徴とするエレクトロクロミック材料。
(2)「前記Zの構造部分が下記一般式(2)乃至(6)のいずれかであることを特徴とする前記(1)に記載のエレクトロクロミック化合物。
(3)「前記水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基が、ホスホン酸基、リン酸基、シリル基又はシラノール基から選択される基であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のエレクトロクロミック材料。」
(4)「前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のエレクトロクロミック材料と導電性または半導体性ナノ構造体が結合または吸着されてなることを特徴とするエレクトロクロミック組成物。」
(5)「表示電極と、表示電極に対して間隔をおいて対向して設けた対向電極と、両電極間に配置された電解質とを備え、表示電極の対向電極側の表面に、少なくとも前記(1乃至(3)のいずれかに記載のエレクトロクロミック材料又は前記(4)に記載のエレクトロクロミック組成物を含む表示層を有することを特徴とする表示素子。)」
本発明のエレクトロクロミック材料(エレクトロクロミック化合物)は、電圧印加することで電荷を注入すると還元反応が起こり色変化する。このときの発色効率とは印加した電荷量に対してどれだけ色濃度が変化したのかで求められる。すなわち、発色効率を上げるには印加した電荷をエレクトロクロミック化合物に効率よく注入させる必要がある。
メチレン基を挟むことで共役構造がなくなり二量体になっても単体とほぼ同じ吸収帯であることが特徴である。すなわち単体構造で最適な色になるように分子設計すれば、本発明の構造として二量体にしてもそのままの色を発色/消色させることができ、なおかつ発色効率が上がる利点を得ることができる。
以下に示す一般式(9)の化合物構造はマゼンタを発色する。
なかでも、導電性または半導体性ナノ構造体への結合力が高いホスホン酸基又はシリル基(トリアルコキシシリル基、あるいはトリヒドキシシリル基)が特に好ましい。B−及びC−は、それぞれ独立に、1価のアニオンである。1価のアニオンとしては、特に限定されないが、CF3SO3 −、Br−、Cl−、ClO4 −、PF6 −、BF4 −等が挙げられる。
以下に、本発明のエレクトロクロミック化合物の具体的な構造式の例を(10−1)〜(10−3)に示す。ただし、本発明のエレクトロクロミック化合物はこれらに限定されるものではない。
なかでも、導電性または半導体性ナノ構造体への結合力が高いホスホン酸基又はシリル基(トリアルコキシシリル基、あるいはトリヒドキシシリル基)が特に好ましい。B−及びC−は、それぞれ独立に、1価のアニオンである。1価のアニオンとしては、特に限定されないが、CF3SO3 −、Br−、Cl−、ClO4 −、PF6 −、BF4 −等が挙げられる。
水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基としては、水酸基に対して水素結合、吸着あるいは化学反応により直接的あるいは間接的に結合可能な官能基であればよく、その構造は限定されるものではない。好ましい例としては、ホスホン酸基、リン酸基、トリクロロシリル基、トリアルコキシシリル基、モノクロロシリル基、モノアルコキシシリル基等のシリル基(又はシラノール基)やカルボキシル基が挙げられる。トリアルコキシシリル基としては、トリエトキシシリル基、トリメトキシシリル基等が好ましい。なかでも、導電性または半導体性ナノ構造体への結合力が高いホスホン酸基又はシリル基(トリアルコキシシリル基、あるいはトリヒドキシシリル基)が特に好ましい。B−及びC−は、それぞれ独立に、1価のアニオンである。1価のアニオンとしては、特に限定されないが、CF3SO3 −、Br−、Cl−、ClO4 −、PF6 −、BF4 −等が挙げられる。
X11 は置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基などが挙げられる。
Lは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表し、nは0から3の整数を表す。
R1、R2は少なくとも一方の基が水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基を有する。
水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基としては、水酸基に対して水素結合、吸着あるいは化学反応により直接的あるいは間接的に結合可能な官能基であればよく、その構造は限定されるものではない。好ましい例としては、ホスホン酸基、リン酸基、トリクロロシリル基、トリアルコキシシリル基、モノクロロシリル基、モノアルコキシシリル基等のシリル基(又はシラノール基)やカルボキシル基が挙げられる。トリアルコキシシリル基としては、トリエトキシシリル基、トリメトキシシリル基等が好ましい。なかでも、導電性または半導体性ナノ構造体への結合力が高いホスホン酸基又はシリル基(トリアルコキシシリル基、あるいはトリヒドキシシリル基)が特に好ましい。B−及びC−は、それぞれ独立に、1価のアニオンである。1価のアニオンとしては、特に限定されないが、CF3SO3 −、Br−、Cl−、ClO4 −、PF6 −、BF4 −等が挙げられる。
R1、R2は少なくとも一方の基が水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基を有する。
水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基としては、水酸基に対して水素結合、吸着あるいは化学反応により直接的あるいは間接的に結合可能な官能基であればよく、その構造は限定されるものではない。好ましい例としては、ホスホン酸基、リン酸基、トリクロロシリル基、トリアルコキシシリル基、モノクロロシリル基、モノアルコキシシリル基等のシリル基(又はシラノール基)やカルボキシル基が挙げられる。トリアルコキシシリル基としては、トリエトキシシリル基、トリメトキシシリル基等が好ましい。なかでも、導電性または半導体性ナノ構造体への結合力が高いホスホン酸基又はシリル基(トリアルコキシシリル基、あるいはトリヒドキシシリル基)が特に好ましい。B−及びC−は、それぞれ独立に、1価のアニオンである。1価のアニオンとしては、特に限定されないが、CF3SO3 −、Br−、Cl−、ClO4 −、PF6 −、BF4 −等が挙げられる。
本発明のエレクトロクロミック組成物は、エレクトロクロミック表示素子に用いたとき、各々イエロー、マゼンタ、シアン発色を呈しさらに画像のメモリ性すなわち発色画像保持特性に優れたものとなる。なお、導電性または半導体性ナノ構造体とは、ナノ粒子もしくはナノポーラス構造体等、ナノスケールの凹凸を有する構造体である。本発明のエレクトロクロミック化合物はR1、R2のうち少なくとも一方の基が水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基があるため、ナノ粒子とは物理的吸着、または化学結合する。
本発明の表示素子は、表示電極と、該表示電極に対して間隔をおいて対向して設けた対向電極と、両電極間に配置された電解質とを備え、該表示電極の対向電極側の表面に、前記構造式(1)で表されるエレクトロクロミック化合物を含む表示層を有することを特徴とするものである。
本発明の表示素子20は、表示電極1と、該表示電極1に対して間隔をおいて対向して設けた対向電極2と、両電極(表示電極1と対向電極2)間に配置された電解質3とを備え、該表示電極1の対向電極2側の表面に、少なくとも本発明のエレクトロクロミック組成物4aを含む表示層5を有する。また、対向電極2の表示電極1側に、白色粒子からなる白色反射層6を有する。
本発明のエレクトロクロミック組成物中のエレクトロクロミック化合物は、分子構造中に水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基(吸着基)、いわゆる、結合基を有しているものを用いることができるので、前記結合基が導電性または半導体性ナノ構造体に結合して、エレクトロクロミック組成物を構成することができる。そして、該エレクトロクロミック組成物が表示電極1上に層状に設けられて、表示層5が形成されている。
表示電極1を構成する材料としては、透明導電基板を用いることが望ましい。透明導電基板としてはガラス、あるいはプラスチックフィルムに透明導電薄膜をコーティングしたものが望ましい。
透明導電薄膜材料としては、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、光の透過性を確保する必要があるため、透明且つ導電性に優れた透明導電性材料が用いられる。これにより、発色させる色の視認性をより高めることができる。
透明導電性材料としては、スズをドープした酸化インジウム(略:ITO)、フッ素をドープした酸化スズ(略:FTO)、アンチモンをドープした酸化スズ(略:ATO)等の無機材料を用いることができるが、特に、インジウム酸化物(以下、In酸化物という)、スズ酸化物(以下、Sn酸化物という)、または亜鉛酸化物(以下、Zn酸化物という)の何れか1つを含む無機材料であることが好ましい。In酸化物、Sn酸化物およびZn酸化物は、スパッタ法により、容易に成膜が可能な材料であると共に、良好な透明性と電気伝導度が得られる材料である。また、特に好ましい材料は、InSnO、GaZnO、SnO、In2O3、ZnOである。
表示電極1を設ける表示基板(符号は不表示)を構成する材料としては、ガラスあるいはプラスチック等が挙げられる。表示基板として、プラスチックフィルムを用いれば軽量でフレキシブルな表示素子を作製することができる。
対向電極2としては、ITO、FTO、酸化亜鉛等の透明導電膜、あるいは亜鉛、白金等の導電性金属膜、さらにはカーボンなどが用いられる。対向電極2も一般的には対向基板(符号は不表示)上に形成する。対向電極基板もガラス、あるいはプラスチックフィルムが望ましい。対向電極2として、亜鉛等の金属板が用いられる場合、対向電極2が基板を兼ねる。
さらに、対向電極2を構成する材料が、表示層のエレクトロクロミック組成物が起こす酸化還元反応と逆の逆反応を起こす材料を含む場合、安定した発消色が可能である。すなわち、エレクトロクロミック組成物が酸化により発色する場合は還元反応を起こし、エレクトロクロミック組成物が還元により発色する場合は酸化反応を起こす材料を対向電極2として用いると、エレクトロクロミック組成物を含む表示層5における発消色の反応がより安定となる。
支持塩として、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の支持塩を用いることができる。具体的な例としては、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、CF3SO3Li、CF3COOLi、KCl、NaClO3、NaCl、NaBF4、NaSCN、KBF4、Mg(ClO4)2、Mg(BF4)2等を用いることができる。
また、溶媒として、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類、が用いられる。
その他、支持塩を溶媒に溶解させた液体状の電解質に特に限定されるものではないため、ゲル状の電解質や、ポリマー電解質等の固体電解質も用いられる。例えば、パーフルオロスルホン酸系高分子膜などの固体系などがある。溶液系はイオン伝導度が高いという利点があり、固体系は劣化がなく高耐久性の素子を作製することに適している。
白色顔料微粒子としては、一般的な金属酸化物からなる粒子が適用でき、具体的には酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化セシウム、酸化イットリウムなどが挙げられる。また、ポリマー電解質に白色顔料粒子を混合することによって、白色反射層を兼ねることもできる。
表示素子10、20の駆動方法としては、任意の電圧、電流を印加することができればどのような方法を用いても構わない。パッシブ駆動方法を用いれば安価な表示素子を作製することができる。また、アクティブ駆動方法を用いれば高精細、かつ高速な表示をおこなうことができる。対向基板上にアクティブ駆動素子を設けることで容易にアクティブ駆動ができる。
(a)中間体(7−1−1)の合成
収量1.39g、収率70%。
収量0.65g、収率93%。
収量0.58g、収率74%。
(表示電極及びEC表示層1の形成)
まず、40mm×40mmのガラス基板を準備し、その上面の16mm×23mmの領域に、ITO膜をスパッタ法により約100nmの厚さになるように成膜することで、表示電極を形成した。この表示電極の電極端部間のシート抵抗を測定したところ、約200Ωであった。
次に、表示電極が形成されたガラス基板上に、酸化チタンナノ粒子分散液(昭和タイタニウム社製 SP210)をスピンコート法により塗布し、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、酸化チタン粒子膜を形成した。次に実施例1で合成したエレクトロクロミック化合物(7−1)を2,2,3,3−テトラフロロプロパノールに1.5wt%溶解させた塗布液を調製した。酸化チタン粒子膜上にスピンコート法により塗布し、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、酸化チタン粒子表面にエレクトロクロミック化合物を吸着させた表示層1を形成した。
石英セルに実施例2で作製したエレクトロクロミック表示層1を形成した表示電極を各々入れ、対極として白金電極、参照電極としてAg/Ag+電極(ビー・エー・エス株式会社 RE−7)を用い、過塩素酸テトラブチルアンモニウムをジメチルスルホキシドに0.1mol%を溶解させた電解液でセル内を満たした。この石英セルに重水素タングステンハロゲン光(オーシャンオプティクス社 DH−2000)を照射し、透過した光をスペクトロメータ(オーシャンオプティクス社 USB4000)で検出し、吸収スペクトルを測定した。
消色状態では400nm−700nmの可視域全体で吸収がなく透明であった。ポテンショスタット(ビー・エー・エス株式会社 ALS−660C)を用いて表示電極に電荷を加えたところ、マゼンタ色に発色した。−5.5mC印加したときの極大吸収波長である520nmの吸光度は0.94であった。
(構造式(比7−1)のエレクトロクロミック材料の合成)
特許文献1より、以下の構造式(比7−1)で示される化合物を合成した。
構造式(7−1)のエレクトロクロミック材料の代わりに、構造式(比7−1)で示される化合物を用いた他は、実施例2と全く同じ方法で表示電極及びエレクトロクロミック表示層(比1)を作製し、実施例2と同様に電荷を印加した。
消色状態では実施例2と同じ400nm−700nmの可視域全体で吸収がなく透明であった。ポテンショスタットを用いて表示電極に電荷を加えたところ、実施例2と同じくマゼンタ色に発色した。−5.5mC印加したときの極大吸収波長である520nmの吸光度は0.68であり、実施例2のほうが同じ電荷量で大きな吸光度を得ることができた。
−5.5mC印加したときの吸収スペクトルを図3に示す。
(1)対向電極の形成
40mm×40mmのガラス基板を準備し、その上面の全面に、ITO膜をスパッタ法により約150nmの厚さになるように成膜することによって、対向電極を形成した。
実施例2で作製した表示基板と対向基板を75μmのスペーサを介して貼り合わせ、セルを作製した。次に過塩素酸テトラブチルアンモニウムをジメチルスルホキシドに0.2mol%を溶解させた溶液に、一次粒径300nmの酸化チタン粒子(石原産業株式会社製 CR50)を35wt%分散させ、電解質溶液を調製し、セル内に封入することでエレクトロクロミック表示素子2を作製した。
実施例3で作製したエレクトロクロミック表示素子2の表示素子の表示電極に負極のリード線を、対向電極に正極のリード線を繋ぎ、汎用電源を用いて3.0Vの電圧を1秒印加したところ、表示素子2は良好なマゼンタを発色した。
(a)中間体(8−1−1)の合成
収量1.09g、収率55%。
収量0.55g、収率85%。
収量0.48g、収率65%。
(表示電極及びEC表示層2の形成)
実施例4で合成したエレクトロクロミック化合物(8−1)を用いる以外は実施例2と同様にエレクトロクロミック表示層2を形成した。
実施例5で作製したエレクトロクロミック表示層2を用いて実施例3と同様に吸収スペクトルを測定した。ポテンショスタット(ビー・エー・エス株式会社 ALS−660C)を用いて表示電極に電荷を加えたところ、シアン色に発色した。−5.2mC印加したときの極大吸収波長である615nmの吸光度は1.89であった。
(構造式(比8−1)のエレクトロクロミック材料の合成)
特許文献2より以下の構造式(比8−1)で示される化合物を合成した。
実施例5と全く同じ方法で表示電極及びエレクトロクロミック表示層を作製し、実施例5の発消色比較試験4と同様に電荷を印加した。ポテンショスタットを用いて表示電極に電荷を加えたところ、実施例2と同じくシアン色に発色した。−5.2mC印加したときの極大吸収波長である615nmの吸光度は1.61であり、実施例5のほうが同じ電荷量で大きな吸光度を得ることができた。
−5.2mC印加したときの吸収スペクトルを図4に示す。
収量1.67g、収率84%。
収量0.74g、収率93%。
収量0.75g、収率96%。
(表示電極並びに及びエレクトロクロミック表示層3の形成)
実施例6で合成したエレクトロクロミック化合物(9−2)を用いる以外は実施例2と同様にして、エレクトロクロミック表示層3を形成した。
実施例7で作製したエレクトロクロミック表示層3を用いて実施例5の発消色比較試験4と同様に吸収スペクトルを測定した。ポテンショスタット(ビー・エー・エス株式会社 ALS−660C)を用いて表示電極に電荷を加えたところ、シアン色に発色した。−4.2mC印加したときの極大吸収波長である575nmの吸光度は1.86であった。
(構造式(比9−2)のエレクトロクロミック材料の合成)
特許文献3より以下の構造式(比9−2)で示される化合物を合成した。
実施例7と全く同じ方法で表示電極及びエレクトロクロミック表示層(比3)を作製し、実施例7と同様に電荷を印加した。ポテンショスタットを用いて表示電極に電荷を加えたところ、実施例2と同じくシアン色に発色した。−4.2mC印加したときの極大吸収波長である575nmの吸光度は1.37であり、実施例4−3のほうが同じ電荷量で大きな吸光度を得ることができた。
−4.2mC印加したときの吸収スペクトルを図5に示す。
収量1.49g、収率75%。
収量0.59g、収率73%。
収量0.66g、収率84%。
実施例8で合成したエレクトロクロミック化合物(10−1)を用いる以外は実施例2と同様にして、エレクトロクロミック表示層4を形成した。
実施例8で作製したエレクトロクロミック表示層4を用いて実施例2と同様に吸収スペクトルを測定した。ポテンショスタット(ビー・エー・エス株式会社 ALS−660C)を用いて表示電極に電荷を加えたところ、シアン色に発色した。−6.0mC印加したときの極大吸収波長である640nmの吸光度は1.37であった。
(構造式(比10−1)のエレクトロクロミック材料の合成)
実施例9と全く同じ方法で表示電極及びエレクトロクロミック表示層を作製し、実施例9と同様に電荷を印加した。ポテンショスタットを用いて表示電極に電荷を加えたところ、実施例2と同じくシアン色に発色した。−6.0mC印加したときの極大吸収波長である640nmの吸光度は1.20であり、実施例9のほうが同じ電荷量で大きな吸光度を得ることができた。
−6.0mC印加したときの吸収スペクトルを図6に示す。
収量1.35g、収率68%。
収量0.70g、収率87%。
収量0.64g、収率81%。
実施例10で合成したエレクトロクロミック化合物(11−1)を用いる以外は実施例2と同様にして、エレクトロクロミック表示層5を形成した。
実施例11で作製したエレクトロクロミック表示層5を用いて実施例2と同様に吸収スペクトルを測定した。ポテンショスタット(ビー・エー・エス株式会社 ALS−660C)を用いて表示電極に電荷を加えたところ、シアン色に発色した。−5.7mC印加したときの極大吸収波長である436nmの吸光度は0.85であった。
(構造式(比10−1)のエレクトロクロミック材料の合成)
実施例11と全く同じ方法で表示電極及びエレクトロクロミック表示層を作製し、実施例11と同様に電荷を印加した。ポテンショスタットを用いて表示電極に電荷を加えたところ、実施例2と同じくシアン色に発色した。−5.7mC印加したときの極大吸収波長である436nmの吸光度は0.52であり、実施例6−3のほうが同じ電荷量で大きな吸光度を得ることができた。
−5.7mC印加したときの吸収スペクトルを図7に示す。
収量1.65g、収率87%。
収量0.57g、収率74%。
収量0.75g、収率77%。
実施例で合成したエレクトロクロミック化合物(12−1)を用いる以外は実施例2と同様にエレクトロクロミック表示層6を形成した。
実施例で作製したエレクトロクロミック表示層6を用いて実施例3と同様に吸収スペクトルを測定した。ポテンショスタット(ビー・エー・エス株式会社 ALS−660C)を用いて表示電極に電荷を加えたところ、マゼンタ色に発色した。−3.5mC印加したときの極大吸収波長である545nmの吸光度は2.13であった。
特許文献5より以下の構造式(比12−1)で示される化合物を合成した。
実施例13と全く同じ方法で表示電極及びエレクトロクロミック表示層(比6)を作製し、実施例5の発消色比較試験4と同様に電荷を印加した。ポテンショスタットを用いて表示電極に電荷を加えたところ、実施例2と同じくマゼンタ色に発色した。−3.5mC印加したときの極大吸収波長である545nmの吸光度は1.20であり、実施例5のほうが同じ電荷量で大きな吸光度を得ることができた。
−3.5mC印加したときの吸収スペクトルを図8に示す。
上記乾燥剤およびシリカゲルを濾別した後、溶媒を減圧留去した。この粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/エタノール=20/1)により精製し、目的物を得た。
収量1.47g、収率74%。
収量0.4g、収率68%。
収量0.65g、収率81%。
実施例で合成したエレクトロクロミック化合物(13−1)を用いる以外は実施例2と同様にエレクトロクロミック表示層7を形成した。
実施例で作製したエレクトロクロミック表示層7を用いて実施例3と同様に吸収スペクトルを測定した。ポテンショスタット(ビー・エー・エス株式会社 ALS−660C)を用いて表示電極に電荷を加えたところ、イエロー色に発色した。−5.8mC印加したときの極大吸収波長である445nmの吸光度は1.14であった。
特許文献6より以下の構造式(比13−1)で示される化合物を合成した。
実施例13と全く同じ方法で表示電極及びエレクトロクロミック表示層(比7)を作製し、実施例5の発消色比較試験4と同様に電荷を印加した。ポテンショスタットを用いて表示電極に電荷を加えたところ、実施例2と同じくイエロー色に発色した。−5.8mC印加したときの極大吸収波長である445nmの吸光度は0.79であり、実施例5のほうが同じ電荷量で大きな吸光度を得ることができた。
−5.8mC印加したときの吸収スペクトルを図9に示す。
Claims (5)
- 下記一般式(G)に示す構造を有することを特徴とするエレクトロクロミック材料。
- 前記Zの構造部分が下記一般式(2)乃至(6)のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック材料。
- 前記水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基が、ホスホン酸基、リン酸基、シリル基又はシラノール基から選択される基であることを特徴とする請求項1または2に記載のエレクトロクロミック材料。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のエレクトロクロミック材料と導電性または半導体性ナノ構造体が結合または吸着されてなることを特徴とするエレクトロクロミック組成物。
- 表示電極と、表示電極に対して間隔をおいて対向して設けた対向電極と、両電極間に配置された電解質とを備え、表示電極の対向電極側の表面に、少なくとも請求項1乃至3のいずれかに記載のエレクトロクロミック材料又は請求項4に記載のエレクトロクロミック組成物を含む表示層を有することを特徴とする表示素子。
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