JP2015052733A - エレクトロクロミック材料、エレクトロクロミック組成物及びエレクトロクロミック表示素子 - Google Patents

エレクトロクロミック材料、エレクトロクロミック組成物及びエレクトロクロミック表示素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2015052733A
JP2015052733A JP2013186267A JP2013186267A JP2015052733A JP 2015052733 A JP2015052733 A JP 2015052733A JP 2013186267 A JP2013186267 A JP 2013186267A JP 2013186267 A JP2013186267 A JP 2013186267A JP 2015052733 A JP2015052733 A JP 2015052733A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituted
unsubstituted
electrochromic
substituent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013186267A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6213080B2 (ja
Inventor
平野 成伸
Shigenobu Hirano
成伸 平野
岡田 崇
Takashi Okada
崇 岡田
匂坂 俊也
Toshiya Kosaka
俊也 匂坂
満美子 井上
Mamiko Inoue
満美子 井上
藤村 浩
Hiroshi Fujimura
浩 藤村
高橋 裕幸
Hiroyuki Takahashi
裕幸 高橋
禎久 内城
Sadahisa Uchijo
禎久 内城
吉智 岡田
Yoshitomo Okada
吉智 岡田
和明 ▲辻▼
和明 ▲辻▼
Kazuaki Tsuji
碩燦 金
Seok-Chan Kim
碩燦 金
圭一郎 油谷
Keiichiro Yutani
圭一郎 油谷
八代 徹
Toru Yashiro
徹 八代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2013186267A priority Critical patent/JP6213080B2/ja
Publication of JP2015052733A publication Critical patent/JP2015052733A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6213080B2 publication Critical patent/JP6213080B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

【課題】イエロー、マゼンタ、シアンの基本原色を高効率で発色できるエレクトロクロミック材料、およびそのエレクトロクロミック材料(化合物)を用いたエレクトロクロミック組成物、表示素子を提供する。
【解決手段】下記一般式(G)に示す構造を有することを特徴とするエレクトロクロミック材料。
Figure 2015052733

(上式(G)中、Yは少なくともメチレン基を1つ含む構造であり、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基からなる。R1、R2は各々独立に官能基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、または、芳香族炭化水素基を示し、R1、R2のうち少なくとも一方の基が水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エレクトロクロミック材料、エレクトロクロミック組成物、および該エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を用いた表示素子に関するものである。
近年、紙に替わる電子媒体として、電子ペーパーの開発が盛んに行われている。
電子ペーパーは、表示装置が紙のように用いられるところに特徴があるため、CRTや液晶ディスプレイといった従来の表示装置とは異なった特性が要求される。例えば反射型表示装置であり、かつ高い白反射率・高いコントラスト比を有すること、高精細な表示ができること、表示にメモリ効果があること、低電圧でも駆動できること、薄くて軽いこと、安価であること、などの特性が要求される。このうち特に表示の品質に関わる特性として、紙と同等な白反射率・コントラスト比、更にカラー表示についての要求度が高い。
これまで、電子ペーパー用途の表示装置として、反射型液晶を用いる方式、電気泳動を用いる方式、トナー泳動を用いる方式、などが提案されている。しかしながら、いずれの方式も白反射率・コントラスト比を確保しながら多色表示を行うことは大変困難である。
一般に多色カラー表示を行うためにはカラーフィルタを設けるが、種々の問題がある。
そこで、カラーフィルタを設けず、反射型の表示装置を実現するための有望な技術として、エレクトロクロミック現象を用いる方式がある。電圧を印加すると、その極性に応じて可逆的に酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化する現象をエレクトロクロミズムという。この現象を引き起こすエレクトロクロミック化合物の発色/消色(以下、発消色)を利用した表示装置が、エレクトロクロミック表示装置である。この表示装置は、反射型の表示装置であること、メモリ効果があること、低電圧で駆動できることから、電子ペーパー用途の表示装置技術の有力な候補として、材料開発からデバイス設計に至るまで幅広く研究開発が行われている。
またエレクトロクロミック表示装置は、表示材料に用いるエレクトロクロミック化合物の構造によって様々な色を発色できるため、多色カラー表示装置として期待されている。
エレクトロクロミック化合物としては、ビオロゲン系化合物が色彩、耐久性面で優れており、特に特許文献1〜4に記載の材料構造はフルカラー化に必要なイエロー、マゼンタ、シアンの3原色を発色するため、有用な化合物である。
しかし、特許文献1〜4に記載の材料構造では、発色に必要な電荷量がやや多く、低消費電力を求める電子ペーパーで用いるには発色に必要な電荷量を下げることが望まれている。
本発明は、イエロー、マゼンタ、シアンの基本原色を高効率で発色できるエレクトロクロミック材料、およびそのエレクトロクロミック材料(化合物)を用いたエレクトロクロミック組成物、表示素子を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、イエロー、マゼンタ、シアンの基本原色を発色できるエレクトロクロミック化合物を、メチレン基を1つ以上含んだ連結基で2つ繋げた二量体構造にすることで、消色状態の色および発色状態の色はそのまま変わらずに発色効率を上げることを見出し本発明に至った。
而して、上記目的は、以下の本発明の「エレクトロクロミック材料」、「エレクトロクロミック組成物」、および「表示素子」により達成される。
(1)「下記一般式(G)に示す構造を有することを特徴とするエレクトロクロミック材料。
Figure 2015052733
(上式(G)中、Yは少なくともメチレン基を1つ含む構造であり、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基からなる。R1、R2は各々独立に官能基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、または、芳香族炭化水素基を示し、R1、R2のうち少なくとも一方の基が水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基を有する。B、Cはそれぞれ1価のアニオンを表す。Zは、次の構造式(1)で表される構造を表わす。)
Figure 2015052733
(上式(1)中、X1〜X8は水素原子または1価の置換基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Aは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、多環芳香族炭化水素複素環式化合物基のいずれかを少なくとも含む構造からなる。)」
(2)「前記Zの構造部分が下記一般式(2)乃至(6)のいずれかであることを特徴とする前記(1)に記載のエレクトロクロミック化合物。
Figure 2015052733
(上式(2)中、X1〜X12は水素原子または1価の置換基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。B、Cはそれぞれ1価のアニオンを表す。)
Figure 2015052733
(上式(3)中、X1〜X16は水素原子または1価の置換基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。B、Cはそれぞれ1価のアニオンを表す。)
Figure 2015052733
(上式(4)中、X1〜X10は水素原子または1価の置換基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。EはO、S、Se、N−Rのいずれかを表し、Rは水素原子、置換されていてもよい脂肪族炭化水素基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基のいずれかを表す。B、Cはそれぞれ1価のアニオンを表す。)
Figure 2015052733
(上式(5)中、X1〜X14は水素原子または1価の置換基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。B、Cはそれぞれ1価のアニオンを表す。)
Figure 2015052733
(上式(6)中、X1〜X13は水素原子または1価の置換基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。B、Cはそれぞれ1価のアニオンを表す。)
Figure 2015052733
(上式(7)中、X1、X2、X3、X4、X6、X7、X8、X9、X10、X11は各々独立に水素原子または1価の置換基を示し、X5は置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基を示す。Lは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表し、nは0から3の整数を表し、A、Bはそれぞれ1価のアニオンを表す。)
Figure 2015052733
(上式(8)中、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7及びX8は、それぞれ独立に、水素原子または1価の置換基を示す。Aは、N、O、S又はSeを1個以上含み、Lと結合するCを含む置換又は無置換の5員環の複素環基であり、Lは置換又は無置換のアリーレン基であり、nは、1、2又は3である。B及びCは、それぞれ独立に、1価のアニオンを表す。)」
(3)「前記水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基が、ホスホン酸基、リン酸基、シリル基又はシラノール基から選択される基であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のエレクトロクロミック材料。」
(4)「前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のエレクトロクロミック材料と導電性または半導体性ナノ構造体が結合または吸着されてなることを特徴とするエレクトロクロミック組成物。」
(5)「表示電極と、表示電極に対して間隔をおいて対向して設けた対向電極と、両電極間に配置された電解質とを備え、表示電極の対向電極側の表面に、少なくとも前記(1乃至(3)のいずれかに記載のエレクトロクロミック材料又は前記(4)に記載のエレクトロクロミック組成物を含む表示層を有することを特徴とする表示素子。)」
本発明によれば、イエロー、マゼンタ、シアンの基本原色を少ない電荷量で発色できるエレクトロクロミック材料(エレクトロクロミック化合物)あるいはエレクトロクロミック組成物を得ることができる。また、本発明のエレクトロクロミック材料またはエレクトロクロミック組成物を用いることで、低消費電力で駆動できるフルカラー表示素子を提供することができる。
本発明のエレクトロクロミック材料を用いた表示素子の構成例である。 本発明のエレクトロクロミック材料を用いた別の表示素子の構成例である。 本発明のエレクトロクロミック材料を用いた実施例2のエレクトロクロミック表示層1に電圧印加したときの、比較例1の表示層(比1)との対比を示す吸収スペクトルである。 本発明のエレクトロクロミック材料を用いた実施例5のエレクトロクロミック表示層2に電圧印加したときの、比較例2の表示層(比2)との対比を示す吸収スペクトルである。 本発明のエレクトロクロミック材料を用いた実施例7のエレクトロクロミック表示層3に電圧印加したときの、比較例3の表示層(比3)との対比を示す吸収スペクトルである。 本発明のエレクトロクロミック材料を用いた実施例9のエレクトロクロミック表示層4に電圧印加したときの、比較例4の表示層(比4)との対比を示す吸収スペクトルである。 本発明のエレクトロクロミック材料を用いた実施例11のエレクトロクロミック表示層5に電圧印加したときの、比較例5の表示層(比5)との対比を示す吸収スペクトルである。 本発明のエレクトロクロミック材料を用いた実施例13のエレクトロクロミック表示層6に電圧印加したときの、比較例6の表示層(比6)との対比を示す吸収スペクトルである。 本発明のエレクトロクロミック材料を用いた実施例15のエレクトロクロミック表示層7に電圧印加したときの、比較例7の表示層(比7)との対比を示す吸収スペクトルである。
前述のように本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、ビオロゲン系エレクトロクロミック化合物を、メチレン基を1つ以上含んだ連結基で2つ繋げた二量体構造にすることで、消色状態の色および発色状態の色はそのまま変わらずに発色効率が上がることが分かった。
本発明のエレクトロクロミック材料(エレクトロクロミック化合物)は、電圧印加することで電荷を注入すると還元反応が起こり色変化する。このときの発色効率とは印加した電荷量に対してどれだけ色濃度が変化したのかで求められる。すなわち、発色効率を上げるには印加した電荷をエレクトロクロミック化合物に効率よく注入させる必要がある。
本発明者らの実験結果によるとエレクトロクロミック化合物を二量体構造にすると、印加した電荷がエレクトロクロミック化合物に効率よく注入される効果があることが分かった。電荷の注入効率は電荷の発生源である電極の近傍付近にあるエレクトロクロミック化合物の量に大きく影響する。本発明の化合物は2つの分子が一体で存在する二量体構造であり、また電極に吸着することができる吸着基を有しているため、電極付近での存在確率が非常に高い。従って効率的に電荷を注入させることができる。
ここで、2つの分子を繋げる連結構造はメチレン基を1つ以上含むことを特徴とする。
メチレン基を挟むことで共役構造がなくなり二量体になっても単体とほぼ同じ吸収帯であることが特徴である。すなわち単体構造で最適な色になるように分子設計すれば、本発明の構造として二量体にしてもそのままの色を発色/消色させることができ、なおかつ発色効率が上がる利点を得ることができる。
以下に示す一般式(9)の化合物構造はマゼンタを発色する。
Figure 2015052733
上式(9)中、X1〜X12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、アミノカルボニル基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のモノアリールアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のジアリールアミノカルボニル基、スルホン酸基、置換若しくは無置換のアルコキシスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、アミノスルホニル基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のモノアリールアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のジアリールアミノスルホニル基、アミノ基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルキルチオ基、置換若しくは無置換のアリールチオ基又は置換若しくは無置換の複素環基である。Yは少なくともメチレン基を1つ含む構造であり、置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基または2価の芳香族炭化水素基からなる。例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチル基、キシレン基、ジエチルフェニル基などが挙げられる。R1、R2は少なくとも一方の基が水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基を有する。
水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基としては、水酸基に対して水素結合、吸着あるいは化学反応により直接的あるいは間接的に結合可能な官能基であればよく、その構造は限定されるものではない。好ましい例としては、ホスホン酸基、リン酸基、トリクロロシリル基、トリアルコキシシリル基、モノクロロシリル基、モノアルコキシシリル基等のシリル基(又はシラノール基)やカルボキシル基が挙げられる。トリアルコキシシリル基としては、トリエトキシシリル基、トリメトキシシリル基等が好ましい。なかでも、導電性または半導体性ナノ構造体への結合力が高いホスホン酸基又はシリル基(トリアルコキシシリル基、あるいはトリヒドキシシリル基)が特に好ましい。B及びCは、それぞれ独立に、1価のアニオンである。1価のアニオンとしては、特に限定されないが、CFSO 、Br、Cl、ClO 、PF 、BF 等が挙げられる。
以下に、本発明のエレクトロクロミック化合物の具体的な構造式の例を構造式(9−1)〜(9−4)に示す。ただし、本発明のエレクトロクロミック化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2015052733
Figure 2015052733
Figure 2015052733
Figure 2015052733
構造式(9−3)のように連結基を長いアルキル鎖にすると化合物の溶解性が上がり多くの溶媒に溶かすことができるようになる。さらに構造式(9−4)のように連結基に芳香環を含み、かつ、芳香環に長いアルキル基が付いた構造を用いると芳香環構造により化合物の吸湿性が抑えられ、アルキル基により溶媒への溶解性が上がる。従って、本化合物を用いてデバイス化する場合に秤量したり塗布したりする際に非常に扱いやすい材料になる。
以下に示す一般式(10)の化合物構造はシアンを発色する。
Figure 2015052733
上式(10)中、X1〜X16は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、アミノカルボニル基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のモノアリールアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のジアリールアミノカルボニル基、スルホン酸基、置換若しくは無置換のアルコキシスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、アミノスルホニル基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のモノアリールアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のジアリールアミノスルホニル基、アミノ基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルキルチオ基、置換若しくは無置換のアリールチオ基又は置換若しくは無置換の複素環基である。Yは少なくともメチレン基を1つ含む構造であり、置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基または2価の芳香族炭化水素基からなる。例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチル基、キシレン基、ジエチルフェニル基などが挙げられる。R1、R2は少なくとも一方の基が水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基を有する。水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基としては、水酸基に対して水素結合、吸着あるいは化学反応により直接的あるいは間接的に結合可能な官能基であればよく、その構造は限定されるものではない。好ましい例としては、ホスホン酸基、リン酸基、トリクロロシリル基、トリアルコキシシリル基、モノクロロシリル基、モノアルコキシシリル基等のシリル基(又はシラノール基)やカルボキシル基が挙げられる。トリアルコキシシリル基としては、トリエトキシシリル基、トリメトキシシリル基等が好ましい。
なかでも、導電性または半導体性ナノ構造体への結合力が高いホスホン酸基又はシリル基(トリアルコキシシリル基、あるいはトリヒドキシシリル基)が特に好ましい。B及びCは、それぞれ独立に、1価のアニオンである。1価のアニオンとしては、特に限定されないが、CFSO 、Br、Cl、ClO 、PF 、BF 等が挙げられる。
以下に、本発明のエレクトロクロミック化合物の具体的な構造式の例を(10−1)〜(10−3)に示す。ただし、本発明のエレクトロクロミック化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2015052733
Figure 2015052733
Figure 2015052733
以下に示す一般式(11)の化合物構造はシアンを発色する。
Figure 2015052733
上式(11)中、X1〜X10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、アミノカルボニル基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のモノアリールアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のジアリールアミノカルボニル基、スルホン酸基、置換若しくは無置換のアルコキシスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、アミノスルホニル基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のモノアリールアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のジアリールアミノスルホニル基、アミノ基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルキルチオ基、置換若しくは無置換のアリールチオ基又は置換若しくは無置換の複素環基である。EはO、S、Se、N−Rのいずれかを表し、Rは水素原子、置換されていてもよい脂肪族炭化水素基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基のいずれかを表す。Yは少なくともメチレン基を1つ含む構造であり、置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基または2価の芳香族炭化水素基からなる。例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチル基、キシレン基、ジエチルフェニル基などが挙げられる。R1、R2は少なくとも一方の基が水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基を有する。水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基としては、水酸基に対して水素結合、吸着あるいは化学反応により直接的あるいは間接的に結合可能な官能基であればよく、その構造は限定されるものではないが、好ましい例としては、ホスホン酸基、リン酸基、トリクロロシリル基、トリアルコキシシリル基、モノクロロシリル基、モノアルコキシシリル基等のシリル基(又はシラノール基)やカルボキシル基が挙げられる。トリアルコキシシリル基としては、トリエトキシシリル基、トリメトキシシリル基等が好ましい。なかでも、導電性または半導体性ナノ構造体への結合力が高いホスホン酸基又はシリル基(トリアルコキシシリル基、あるいはトリヒドキシシリル基)が特に好ましい。B及びCは、それぞれ独立に、1価のアニオンである。1価のアニオンとしては、特に限定されないが、CFSO 、Br、Cl、ClO 、PF 、BF 等が挙げられる。
以下に、本発明のエレクトロクロミック化合物の具体的な構造式の例を(11−1)〜(11−6)に示す。ただし、本発明のエレクトロクロミック化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2015052733
Figure 2015052733
Figure 2015052733
Figure 2015052733
Figure 2015052733
Figure 2015052733
以下に示す一般式(12)の化合物構造はシアンを発色する。
Figure 2015052733
上式(12)中、X1〜X14は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、アミノカルボニル基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のモノアリールアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のジアリールアミノカルボニル基、スルホン酸基、置換若しくは無置換のアルコキシスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、アミノスルホニル基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のモノアリールアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のジアリールアミノスルホニル基、アミノ基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルキルチオ基、置換若しくは無置換のアリールチオ基又は置換若しくは無置換の複素環基である。Yは少なくともメチレン基を1つ含む構造であり、置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基または2価の芳香族炭化水素基からなる。例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチル基、キシレン基、ジエチルフェニル基などが挙げられる。R1、R2は少なくとも一方の基が水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基を有する。水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基としては、水酸基に対して水素結合、吸着あるいは化学反応により直接的あるいは間接的に結合可能な官能基であればよく、その構造は限定されるものではない。好ましい例としては、ホスホン酸基、リン酸基、トリクロロシリル基、トリアルコキシシリル基、モノクロロシリル基、モノアルコキシシリル基等のシリル基(又はシラノール基)やカルボキシル基が挙げられる。トリアルコキシシリル基としては、トリエトキシシリル基、トリメトキシシリル基等が好ましい。
なかでも、導電性または半導体性ナノ構造体への結合力が高いホスホン酸基又はシリル基(トリアルコキシシリル基、あるいはトリヒドキシシリル基)が特に好ましい。B及びCは、それぞれ独立に、1価のアニオンである。1価のアニオンとしては、特に限定されないが、CFSO 、Br、Cl、ClO 、PF 、BF 等が挙げられる。
以下に、本発明のエレクトロクロミック化合物の具体的な構造式の例を(12−1)〜(12−4)に示す。ただし、本発明のエレクトロクロミック化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2015052733
Figure 2015052733
Figure 2015052733
Figure 2015052733
以下に示す一般式(13)の化合物構造はイエローを発色する。
Figure 2015052733
上式(13)中、X1〜X13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、アミノカルボニル基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のモノアリールアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のジアリールアミノカルボニル基、スルホン酸基、置換若しくは無置換のアルコキシスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、アミノスルホニル基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のモノアリールアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のジアリールアミノスルホニル基、アミノ基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルキルチオ基、置換若しくは無置換のアリールチオ基又は置換若しくは無置換の複素環基である。Yは少なくともメチレン基を1つ含む構造であり、置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基または2価の芳香族炭化水素基からなる。例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチル基、キシレン基、ジエチルフェニル基などが挙げられる。R1、R2は少なくとも一方の基が水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基を有する。
水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基としては、水酸基に対して水素結合、吸着あるいは化学反応により直接的あるいは間接的に結合可能な官能基であればよく、その構造は限定されるものではない。好ましい例としては、ホスホン酸基、リン酸基、トリクロロシリル基、トリアルコキシシリル基、モノクロロシリル基、モノアルコキシシリル基等のシリル基(又はシラノール基)やカルボキシル基が挙げられる。トリアルコキシシリル基としては、トリエトキシシリル基、トリメトキシシリル基等が好ましい。なかでも、導電性または半導体性ナノ構造体への結合力が高いホスホン酸基又はシリル基(トリアルコキシシリル基、あるいはトリヒドキシシリル基)が特に好ましい。B及びCは、それぞれ独立に、1価のアニオンである。1価のアニオンとしては、特に限定されないが、CFSO 、Br、Cl、ClO 、PF 、BF 等が挙げられる。
以下に、本発明のエレクトロクロミック化合物の具体的な構造式の例を(13−1)〜(13−3)に示す。ただし、本発明のエレクトロクロミック化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2015052733
Figure 2015052733
Figure 2015052733
以下に示す一般式(14)の化合物構造はマゼンタを発色する。
Figure 2015052733
上式(14)中、X1〜X10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、アミノカルボニル基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のモノアリールアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のジアリールアミノカルボニル基、スルホン酸基、置換若しくは無置換のアルコキシスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、アミノスルホニル基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のモノアリールアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のジアリールアミノスルホニル基、アミノ基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルキルチオ基、置換若しくは無置換のアリールチオ基又は置換若しくは無置換の複素環基である。Yは少なくともメチレン基を1つ含む構造であり、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基からなる。例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチル基、キシレン基、ジエチルフェニル基などが挙げられる。
X11 は置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基などが挙げられる。
Lは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表し、nは0から3の整数を表す。
R1、R2は少なくとも一方の基が水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基を有する。
水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基としては、水酸基に対して水素結合、吸着あるいは化学反応により直接的あるいは間接的に結合可能な官能基であればよく、その構造は限定されるものではない。好ましい例としては、ホスホン酸基、リン酸基、トリクロロシリル基、トリアルコキシシリル基、モノクロロシリル基、モノアルコキシシリル基等のシリル基(又はシラノール基)やカルボキシル基が挙げられる。トリアルコキシシリル基としては、トリエトキシシリル基、トリメトキシシリル基等が好ましい。なかでも、導電性または半導体性ナノ構造体への結合力が高いホスホン酸基又はシリル基(トリアルコキシシリル基、あるいはトリヒドキシシリル基)が特に好ましい。B及びCは、それぞれ独立に、1価のアニオンである。1価のアニオンとしては、特に限定されないが、CFSO 、Br、Cl、ClO 、PF 、BF 等が挙げられる。
以下に、本発明のエレクトロクロミック化合物の具体的な構造式の例を構造式(14−1)〜(14−4)に示す。ただし、本発明のエレクトロクロミック化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2015052733
Figure 2015052733
Figure 2015052733
Figure 2015052733
以下に示す一般式(15)の化合物構造はイエローを発色する。
Figure 2015052733
上式(15)中、X1〜X18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、アミノカルボニル基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のモノアリールアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のジアリールアミノカルボニル基、スルホン酸基、置換若しくは無置換のアルコキシスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、アミノスルホニル基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のモノアリールアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のジアリールアミノスルホニル基、アミノ基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルキルチオ基、置換若しくは無置換のアリールチオ基又は置換若しくは無置換の複素環基であり、Aは、N、O、S又はSeを1個以上含み、Lと結合するCを含む置換又は無置換の5員環の複素環基である。Lは、置換又は無置換のアリーレン基であり、nは、1、2又は3である。
R1、R2は少なくとも一方の基が水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基を有する。
水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基としては、水酸基に対して水素結合、吸着あるいは化学反応により直接的あるいは間接的に結合可能な官能基であればよく、その構造は限定されるものではない。好ましい例としては、ホスホン酸基、リン酸基、トリクロロシリル基、トリアルコキシシリル基、モノクロロシリル基、モノアルコキシシリル基等のシリル基(又はシラノール基)やカルボキシル基が挙げられる。トリアルコキシシリル基としては、トリエトキシシリル基、トリメトキシシリル基等が好ましい。なかでも、導電性または半導体性ナノ構造体への結合力が高いホスホン酸基又はシリル基(トリアルコキシシリル基、あるいはトリヒドキシシリル基)が特に好ましい。B及びCは、それぞれ独立に、1価のアニオンである。1価のアニオンとしては、特に限定されないが、CFSO 、Br、Cl、ClO 、PF 、BF 等が挙げられる。
以下に、本発明のエレクトロクロミック化合物の具体的な構造式の例を構造式(15−1)〜(15−3)に示す。ただし、本発明のエレクトロクロミック化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2015052733
Figure 2015052733
Figure 2015052733
本発明に係るエレクトロクロミック組成物は、本発明のエレクトロクロミック材料(エレクトロクロミック化合物)に導電性または半導体性ナノ構造体が結合されてなることを特徴とするものである。
本発明のエレクトロクロミック組成物は、エレクトロクロミック表示素子に用いたとき、各々イエロー、マゼンタ、シアン発色を呈しさらに画像のメモリ性すなわち発色画像保持特性に優れたものとなる。なお、導電性または半導体性ナノ構造体とは、ナノ粒子もしくはナノポーラス構造体等、ナノスケールの凹凸を有する構造体である。本発明のエレクトロクロミック化合物はR、Rのうち少なくとも一方の基が水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基があるため、ナノ粒子とは物理的吸着、または化学結合する。
前記導電性または半導体性ナノ構造体を構成する材質としては、透明性や導電性の面から金属酸化物が好ましい。このような金属酸化物の例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム(略、アルミナ)、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ケイ素(略、シリカ)、酸化イットリウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化カルシウム、フェライト、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、アルミノケイ酸、リン酸カルシウム、アルミノシリケート等を主成分とする金属酸化物が用いられる。また、これらの金属酸化物は、単独で用いられてもよく、2種以上が混合され用いられてもよい。
電気伝導性等の電気的特性や光学的性質等の物理的特性を鑑みるに、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化タングステン等の金属酸化物から選ばれる一種、もしくはそれらの混合物が用いられたとき、発消色の応答速度に優れた多色表示が可能である。とりわけ、酸化チタンが用いられたとき、より発消色の応答速度に優れた表示が可能である。
前記金属酸化物の形状としては、平均一次粒子径が30nm以下の金属酸化物微粒子であることが好ましい。粒子径が小さいほど金属酸化物に対する光の透過率が向上し、単位体積当たりの表面積(以下、「比表面積」という。)が大きい形状が用いられる。大きな比表面積を有することで、より効率的にエレクトロクロミック化合物が担持され、発消色の表示コントラスト比に優れた多色カラー表示が可能である。ナノ構造の比表面積は、特に限定されるものではないが、例えば、100m/g以上とすることができる。
次に、本発明に係る表示素子について説明する。
本発明の表示素子は、表示電極と、該表示電極に対して間隔をおいて対向して設けた対向電極と、両電極間に配置された電解質とを備え、該表示電極の対向電極側の表面に、前記構造式(1)で表されるエレクトロクロミック化合物を含む表示層を有することを特徴とするものである。
図1に、本発明のエレクトロクロミック化合物を用いた表示素子の構成例を示す。図1に示すように、本発明の表示素子10は、表示電極1と、該表示電極1に対して間隔をおいて対向して設けられた対向電極2と、両電極(表示電極1と対向電極2)間に配置し、少なくとも本発明の記載のエレクトロクロミック化合物(有機エレクトロクロミック化合物)4を溶解させた電解質3とを備える。本表示素子ではエレクトロクロミック化合物は電極表面でのみ酸化還元反応により発消色する。
図2に本発明のエレクトロクロミック化合物を用いたもう1つの表示素子の構成例を示す。
本発明の表示素子20は、表示電極1と、該表示電極1に対して間隔をおいて対向して設けた対向電極2と、両電極(表示電極1と対向電極2)間に配置された電解質3とを備え、該表示電極1の対向電極2側の表面に、少なくとも本発明のエレクトロクロミック組成物4aを含む表示層5を有する。また、対向電極2の表示電極1側に、白色粒子からなる白色反射層6を有する。
本発明のエレクトロクロミック組成物中のエレクトロクロミック化合物は、分子構造中に水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基(吸着基)、いわゆる、結合基を有しているものを用いることができるので、前記結合基が導電性または半導体性ナノ構造体に結合して、エレクトロクロミック組成物を構成することができる。そして、該エレクトロクロミック組成物が表示電極1上に層状に設けられて、表示層5が形成されている。
以下、本発明の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示素子10、20に用いられる構成材料について説明する。
表示電極1を構成する材料としては、透明導電基板を用いることが望ましい。透明導電基板としてはガラス、あるいはプラスチックフィルムに透明導電薄膜をコーティングしたものが望ましい。
透明導電薄膜材料としては、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、光の透過性を確保する必要があるため、透明且つ導電性に優れた透明導電性材料が用いられる。これにより、発色させる色の視認性をより高めることができる。
透明導電性材料としては、スズをドープした酸化インジウム(略:ITO)、フッ素をドープした酸化スズ(略:FTO)、アンチモンをドープした酸化スズ(略:ATO)等の無機材料を用いることができるが、特に、インジウム酸化物(以下、In酸化物という)、スズ酸化物(以下、Sn酸化物という)、または亜鉛酸化物(以下、Zn酸化物という)の何れか1つを含む無機材料であることが好ましい。In酸化物、Sn酸化物およびZn酸化物は、スパッタ法により、容易に成膜が可能な材料であると共に、良好な透明性と電気伝導度が得られる材料である。また、特に好ましい材料は、InSnO、GaZnO、SnO、In、ZnOである。
表示電極1を設ける表示基板(符号は不表示)を構成する材料としては、ガラスあるいはプラスチック等が挙げられる。表示基板として、プラスチックフィルムを用いれば軽量でフレキシブルな表示素子を作製することができる。
対向電極2としては、ITO、FTO、酸化亜鉛等の透明導電膜、あるいは亜鉛、白金等の導電性金属膜、さらにはカーボンなどが用いられる。対向電極2も一般的には対向基板(符号は不表示)上に形成する。対向電極基板もガラス、あるいはプラスチックフィルムが望ましい。対向電極2として、亜鉛等の金属板が用いられる場合、対向電極2が基板を兼ねる。
さらに、対向電極2を構成する材料が、表示層のエレクトロクロミック組成物が起こす酸化還元反応と逆の逆反応を起こす材料を含む場合、安定した発消色が可能である。すなわち、エレクトロクロミック組成物が酸化により発色する場合は還元反応を起こし、エレクトロクロミック組成物が還元により発色する場合は酸化反応を起こす材料を対向電極2として用いると、エレクトロクロミック組成物を含む表示層5における発消色の反応がより安定となる。
電解質3を構成する材料としては、一般的に、支持塩を溶媒に溶解させたものが用いられる。
支持塩として、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の支持塩を用いることができる。具体的な例としては、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、CFSOLi、CFCOOLi、KCl、NaClO、NaCl、NaBF、NaSCN、KBF、Mg(ClO、Mg(BF等を用いることができる。
また、溶媒として、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類、が用いられる。
その他、支持塩を溶媒に溶解させた液体状の電解質に特に限定されるものではないため、ゲル状の電解質や、ポリマー電解質等の固体電解質も用いられる。例えば、パーフルオロスルホン酸系高分子膜などの固体系などがある。溶液系はイオン伝導度が高いという利点があり、固体系は劣化がなく高耐久性の素子を作製することに適している。
また、本発明の表示素子を反射型表示素子として用いる場合、図2に示すように、表示電極1と対向電極2の間に白色反射層6を設けることが望ましい。白色反射層6としては、白色顔料粒子を樹脂に分散させ対向電極2上に塗布することが最も簡便な作製方法である。
白色顔料微粒子としては、一般的な金属酸化物からなる粒子が適用でき、具体的には酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化セシウム、酸化イットリウムなどが挙げられる。また、ポリマー電解質に白色顔料粒子を混合することによって、白色反射層を兼ねることもできる。
表示素子10、20の駆動方法としては、任意の電圧、電流を印加することができればどのような方法を用いても構わない。パッシブ駆動方法を用いれば安価な表示素子を作製することができる。また、アクティブ駆動方法を用いれば高精細、かつ高速な表示をおこなうことができる。対向基板上にアクティブ駆動素子を設けることで容易にアクティブ駆動ができる。
以下、実施例にて本発明のエレクトロクロミック化合物およびエレクトロクロミック組成物、またそれらを用いた表示素子について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1;エレクトロクロミック材料(エレクトロクロミック化合物)(構造式(7−1))の合成]
(a)中間体(7−1−1)の合成
Figure 2015052733
100ml三つ口フラスコに、1,4−ジブロモ−ベンゼン 2.00g(8.58mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン 7.04g(34.3mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 1.00g(0.86mmol)、相間移動触媒として、Aliquat336(アルドリッチ社製)0.15gを加え、アルゴンガス置換した後、アルゴンガスにて脱気した1,4−ジオキサン40mlおよび1M−炭酸カリウム水溶液30mlを順次加え、105℃で11時間還流した後、反応溶液を室温に戻してから、クロロホルムおよびを飽和食塩水加えた。この溶液を分液ろうとに移し、有機層を飽和食塩水洗浄した後、この有機層に乾燥剤として硫酸マグネシウムを加え室温にて1時間撹拌して脱水したのち、次いで、パラジウムスカベンジャーシリカゲル(アルドリッチ社製)を2g加え室温にて1時間撹拌し、有機層中の残留パラジウムを除去した。上記乾燥剤およびシリカゲルを濾別した後、溶媒を減圧留去した。この粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/アセトン=1/2)により精製し、目的物を得た。
収量1.39g、収率70%。
(b)中間体(7−1−2)の合成
Figure 2015052733
50ml三つ口フラスコに、中間体(7−1−1) 0.50g(2.16mmol)、1,2−ジブロモエタン 0.20g(1.08mmol)、ジメチルホルムアミド 5mlを加え、90℃で3時間反応させた。室温に戻した後、この溶液を減圧濃縮し、2−プロパノールを加えた。析出した固形分をろ過回収し、60℃で3時間減圧乾燥して目的物を得た。
収量0.65g、収率93%。
(c)エレクトロクロミック材料(7−1)の合成
Figure 2015052733
50ml三つ口フラスコに、中間体(7−1−2) 0.50g(0.77mmol)、2−ブロモエチルホスホン酸 0.35g(1.84mmol)、ジメチルホルムアミド 10mlを加え、90℃で10時間反応させた。室温に戻した後、この溶液を減圧濃縮し、2−プロパノールを加えた。析出した固形分をろ過回収し、60℃で10時間減圧乾燥して目的物を得た。
収量0.58g、収率74%。
[実施例2;表示電極及びエレクトロクロミック表示層(以下、EC表示層と略記することもある)1の形成、及び発消色比較試験1]
(表示電極及びEC表示層1の形成)
まず、40mm×40mmのガラス基板を準備し、その上面の16mm×23mmの領域に、ITO膜をスパッタ法により約100nmの厚さになるように成膜することで、表示電極を形成した。この表示電極の電極端部間のシート抵抗を測定したところ、約200Ωであった。
次に、表示電極が形成されたガラス基板上に、酸化チタンナノ粒子分散液(昭和タイタニウム社製 SP210)をスピンコート法により塗布し、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、酸化チタン粒子膜を形成した。次に実施例1で合成したエレクトロクロミック化合物(7−1)を2,2,3,3−テトラフロロプロパノールに1.5wt%溶解させた塗布液を調製した。酸化チタン粒子膜上にスピンコート法により塗布し、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、酸化チタン粒子表面にエレクトロクロミック化合物を吸着させた表示層1を形成した。
(発消色比較試験1;表示電極及びEC表示層1の発消色比較試験1)
石英セルに実施例2で作製したエレクトロクロミック表示層1を形成した表示電極を各々入れ、対極として白金電極、参照電極としてAg/Ag+電極(ビー・エー・エス株式会社 RE−7)を用い、過塩素酸テトラブチルアンモニウムをジメチルスルホキシドに0.1mol%を溶解させた電解液でセル内を満たした。この石英セルに重水素タングステンハロゲン光(オーシャンオプティクス社 DH−2000)を照射し、透過した光をスペクトロメータ(オーシャンオプティクス社 USB4000)で検出し、吸収スペクトルを測定した。
消色状態では400nm−700nmの可視域全体で吸収がなく透明であった。ポテンショスタット(ビー・エー・エス株式会社 ALS−660C)を用いて表示電極に電荷を加えたところ、マゼンタ色に発色した。−5.5mC印加したときの極大吸収波長である520nmの吸光度は0.94であった。
[比較例1;比較例1の表示電極並びに比較例1のEC表示層(比1)の形成、及び発消色比較試験2]
(構造式(比7−1)のエレクトロクロミック材料の合成)
特許文献1より、以下の構造式(比7−1)で示される化合物を合成した。
Figure 2015052733
(比較例1の表示電極及び比較例1のEC表示層(比1)の作成、及び消色比較試験2)
構造式(7−1)のエレクトロクロミック材料の代わりに、構造式(比7−1)で示される化合物を用いた他は、実施例2と全く同じ方法で表示電極及びエレクトロクロミック表示層(比1)を作製し、実施例2と同様に電荷を印加した。
消色状態では実施例2と同じ400nm−700nmの可視域全体で吸収がなく透明であった。ポテンショスタットを用いて表示電極に電荷を加えたところ、実施例2と同じくマゼンタ色に発色した。−5.5mC印加したときの極大吸収波長である520nmの吸光度は0.68であり、実施例2のほうが同じ電荷量で大きな吸光度を得ることができた。
−5.5mC印加したときの吸収スペクトルを図3に示す。
[実施例3;表示電極及びEC表示素子2の作製、及び発消色比較試験3]
(1)対向電極の形成
40mm×40mmのガラス基板を準備し、その上面の全面に、ITO膜をスパッタ法により約150nmの厚さになるように成膜することによって、対向電極を形成した。
(2)EC表示素子2(エレクトロクロミック表示装置2)の作製
実施例2で作製した表示基板と対向基板を75μmのスペーサを介して貼り合わせ、セルを作製した。次に過塩素酸テトラブチルアンモニウムをジメチルスルホキシドに0.2mol%を溶解させた溶液に、一次粒径300nmの酸化チタン粒子(石原産業株式会社製 CR50)を35wt%分散させ、電解質溶液を調製し、セル内に封入することでエレクトロクロミック表示素子2を作製した。
(発消色比較試験3;表示電極及びEC表示素子2の発消色比較試験3)
実施例3で作製したエレクトロクロミック表示素子2の表示素子の表示電極に負極のリード線を、対向電極に正極のリード線を繋ぎ、汎用電源を用いて3.0Vの電圧を1秒印加したところ、表示素子2は良好なマゼンタを発色した。
[実施例4;エレクトロクロミック材料(化合物)(構造式(8−1))の合成]
(a)中間体(8−1−1)の合成
Figure 2015052733
100ml三つ口フラスコに、4,4−ジブロモビフェニル 2.00g(6.45mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン 5.29g(25.8mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 0.75g(0.65mmol)、相間移動触媒として、Aliquat336(アルドリッチ社製)0.15gを加え、アルゴンガス置換した後、アルゴンガスにて脱気した1,4−ジオキサン40mlおよび1M−炭酸カリウム水溶液30mlを順次加え、105℃で17時間還流した後、反応溶液を室温に戻してから、クロロホルムおよびを飽和食塩水加えた。この溶液を分液ろうとに移し、有機層を飽和食塩水洗浄した後、この有機層に乾燥剤として硫酸マグネシウムを加え室温にて1時間撹拌して脱水したのち、次いで、パラジウムスカベンジャーシリカゲル(アルドリッチ社製)を2g加え室温にて1時間撹拌し、有機層中の残留パラジウムを除去した。上記乾燥剤およびシリカゲルを濾別した後、溶媒を減圧留去した。この粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/アセトン=1/2)により精製し、目的物を得た。
収量1.09g、収率55%。
(b)中間体(8−1−2)の合成
Figure 2015052733
50ml三つ口フラスコに、中間体(8−1−1) 0.50g(1.62mmol)、1,2−ジブロモエタン 0.15g(0.81mmol)、ジメチルホルムアミド 5mlを加え、90℃で3時間反応させた。室温に戻した後、この溶液を減圧濃縮し、2−プロパノールを加えた。析出した固形分をろ過回収し、60℃で3時間減圧乾燥して目的物を得た。
収量0.55g、収率85%。
(c)エレクトロクロミック材料(8−1)の合成
Figure 2015052733
50ml三つ口フラスコに、中間体(8−1−2) 0.50g(0.62mmol)、2−ブロモエチルホスホン酸 0.28g(1.50mmol)、ジメチルホルムアミド 10mlを加え、90℃で20時間反応させた。室温に戻した後、この溶液を減圧濃縮し、2−プロパノールを加えた。析出した固形分をろ過回収し、60℃で10時間減圧乾燥して目的物を得た。
収量0.48g、収率65%。
[実施例5;表示電極並びにEC表示層2の形成、及び発消色比較試験4]
(表示電極及びEC表示層2の形成)
実施例4で合成したエレクトロクロミック化合物(8−1)を用いる以外は実施例2と同様にエレクトロクロミック表示層2を形成した。
(発消色比較試験4)
実施例5で作製したエレクトロクロミック表示層2を用いて実施例3と同様に吸収スペクトルを測定した。ポテンショスタット(ビー・エー・エス株式会社 ALS−660C)を用いて表示電極に電荷を加えたところ、シアン色に発色した。−5.2mC印加したときの極大吸収波長である615nmの吸光度は1.89であった。
[比較例2:表示電極及び比較例2のEC表示層(比2)の形成、及び発消色比較試験5]
(構造式(比8−1)のエレクトロクロミック材料の合成)
特許文献2より以下の構造式(比8−1)で示される化合物を合成した。
Figure 2015052733
(発消色比較試験5)
実施例5と全く同じ方法で表示電極及びエレクトロクロミック表示層を作製し、実施例5の発消色比較試験4と同様に電荷を印加した。ポテンショスタットを用いて表示電極に電荷を加えたところ、実施例2と同じくシアン色に発色した。−5.2mC印加したときの極大吸収波長である615nmの吸光度は1.61であり、実施例5のほうが同じ電荷量で大きな吸光度を得ることができた。
−5.2mC印加したときの吸収スペクトルを図4に示す。
[実施例6;エレクトロクロミック化合物(構造式(9−2)の合成]
(a)中間体(9−2−1)の合成
Figure 2015052733
100ml三つ口フラスコに、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール 2.00g(6.85mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン 5.62g(27.4mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 0.79g(0.68mmol)、相間移動触媒として、Aliquat336(アルドリッチ社製)0.15gを加え、アルゴンガス置換した後、アルゴンガスにて脱気した1,4−ジオキサン40mlおよび1M−炭酸カリウム水溶液30mlを順次加え、105℃で11時間還流した後、反応溶液を室温に戻してから、クロロホルムおよびを飽和食塩水加えた。この溶液を分液ろうとに移し、有機層を飽和食塩水洗浄した後、この有機層に乾燥剤として硫酸マグネシウムを加え室温にて1時間撹拌して脱水したのち、次いで、パラジウムスカベンジャーシリカゲル(アルドリッチ社製)を2g加え室温にて1時間撹拌し、有機層中の残留パラジウムを除去した。上記乾燥剤およびシリカゲルを濾別した後、溶媒を減圧留去した。この粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/アセトン=1/2)により精製し、目的物を得た。
収量1.67g、収率84%。
(b)中間体(9−2−2)の合成
Figure 2015052733
50ml三つ口フラスコに、中間体(9−2−1) 0.50g(1.72mmol)、1,4−ビス(クロロメチル)−2,5−ジヘキシルベンゼン 0.29g(0.86mmol)、ジメチルホルムアミド 5mlを加え、90℃で2時間反応させた。室温に戻した後、この溶液を減圧濃縮し,2−プロパノールを加えた。析出した固形分をろ過回収し、60℃で3時間減圧乾燥して目的物を得た。
収量0.74g、収率93%。
(c)エレクトロクロミック材料(9−2)の合成
Figure 2015052733
50ml三つ口フラスコに、中間体(9−2−2) 0.50g(0.54mmol)、4−ブロモメチルベンジルホスホン酸 0.34g(1.30mmol)、ジメチルホルムアミド 10mlを加え、90℃で8時間反応させた。室温に戻した後、この溶液を減圧濃縮し、2−プロパノールを加えた。析出した固形分をろ過回収し、60℃で8時間減圧乾燥して目的物を得た。
収量0.75g、収率96%。
[実施例7:表示電極並びに及びエレクトロクロミック表示層3の形成、及び発消色比較試験6]
(表示電極並びに及びエレクトロクロミック表示層3の形成)
実施例6で合成したエレクトロクロミック化合物(9−2)を用いる以外は実施例2と同様にして、エレクトロクロミック表示層3を形成した。
(発消色比較試験6)
実施例7で作製したエレクトロクロミック表示層3を用いて実施例5の発消色比較試験4と同様に吸収スペクトルを測定した。ポテンショスタット(ビー・エー・エス株式会社 ALS−660C)を用いて表示電極に電荷を加えたところ、シアン色に発色した。−4.2mC印加したときの極大吸収波長である575nmの吸光度は1.86であった。
[比較例3;表示電極及び比較例3のEC表示層(比3)の形成、及び発消色比較試験7]
(構造式(比9−2)のエレクトロクロミック材料の合成)
特許文献3より以下の構造式(比9−2)で示される化合物を合成した。
Figure 2015052733
(発消色比較試験7)
実施例7と全く同じ方法で表示電極及びエレクトロクロミック表示層(比3)を作製し、実施例7と同様に電荷を印加した。ポテンショスタットを用いて表示電極に電荷を加えたところ、実施例2と同じくシアン色に発色した。−4.2mC印加したときの極大吸収波長である575nmの吸光度は1.37であり、実施例4−3のほうが同じ電荷量で大きな吸光度を得ることができた。
−4.2mC印加したときの吸収スペクトルを図5に示す。
[実施例8:エレクトロクロミック化合物(構造式(10−1))の合成]
(a)中間体(10−1−1)の合成
Figure 2015052733
100ml三つ口フラスコに、2,6−ジブロモナフタレン 2.00g(7.07mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン 5.80g(28.3mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 0.82g(0.71mmol)、相間移動触媒として、Aliquat336(アルドリッチ社製) 0.15gを加え、アルゴンガス置換した後、アルゴンガスにて脱気した1,4−ジオキサン40mlおよび1M−炭酸カリウム水溶液30mlを順次加え、105℃で20時間還流した後、反応溶液を室温に戻してから、クロロホルムおよびを飽和食塩水加えた。この溶液を分液ろうとに移し、有機層を飽和食塩水洗浄した後、この有機層に乾燥剤として硫酸マグネシウムを加え室温にて1時間撹拌して脱水したのち、次いで、パラジウムスカベンジャーシリカゲル(アルドリッチ社製)を2g加え室温にて1時間撹拌し、有機層中の残留パラジウムを除去した。上記乾燥剤およびシリカゲルを濾別した後、溶媒を減圧留去した。この粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/アセトン=1/2)により精製し、目的物を得た。
収量1.49g、収率75%。
(b)中間体(10−1−2)の合成
Figure 2015052733
50ml三つ口フラスコに、中間体(10−1−1) 0.50g(1.77mmol)、1,4−ビス(クロロメチル)−2,5−ジヘキシルベンゼン 0.30g(0.89mmol)、ジメチルホルムアミド 5mlを加え、90℃で3時間反応させた。室温に戻した後、この溶液を減圧濃縮し,2−プロパノールを加えた。析出した固形分をろ過回収し、60℃で3時間減圧乾燥して目的物を得た。
収量0.59g、収率73%。
(c)エレクトロクロミック材料(10−1)の合成
Figure 2015052733
50ml三つ口フラスコに、中間体(10−1−2) 0.50g(0.55mmol)、4−ブロモメチルベンジルホスホン酸 0.35g(1.32mmol)、ジメチルホルムアミド 10mlを加え、90℃で10時間反応させた。室温に戻した後、この溶液を減圧濃縮し、2−プロパノールを加えた。析出した固形分をろ過回収し、60℃で10時間減圧乾燥して目的物を得た。
収量0.66g、収率84%。
[実施例9:表示電極並びにエレクトロクロミック表示層4の形成、及び発消色比較試験8]
実施例8で合成したエレクトロクロミック化合物(10−1)を用いる以外は実施例2と同様にして、エレクトロクロミック表示層4を形成した。
(発消色比較試験8)
実施例8で作製したエレクトロクロミック表示層4を用いて実施例2と同様に吸収スペクトルを測定した。ポテンショスタット(ビー・エー・エス株式会社 ALS−660C)を用いて表示電極に電荷を加えたところ、シアン色に発色した。−6.0mC印加したときの極大吸収波長である640nmの吸光度は1.37であった。
[比較例4;表示電極及び比較例4のEC表示層(比4)の形成、及び発消色比較試験9]
(構造式(比10−1)のエレクトロクロミック材料の合成)
特許文献4より以下の構造式(比10−1)で示される化合物を合成した。
Figure 2015052733
(発消色比較試験9)
実施例9と全く同じ方法で表示電極及びエレクトロクロミック表示層を作製し、実施例9と同様に電荷を印加した。ポテンショスタットを用いて表示電極に電荷を加えたところ、実施例2と同じくシアン色に発色した。−6.0mC印加したときの極大吸収波長である640nmの吸光度は1.20であり、実施例9のほうが同じ電荷量で大きな吸光度を得ることができた。
−6.0mC印加したときの吸収スペクトルを図6に示す。
[実施例10:エレクトロクロミック化合物(構造式(11−1)の合成]
(a)中間体(11−1−1)の合成
Figure 2015052733
100ml三つ口フラスコに、4,8−ジブロモキノリン 2.00g(7.02mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン 5.75g(28.1mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 0.81g(0.70mmol)、相間移動触媒として、Aliquat336(アルドリッチ社製) 0.15gを加え、アルゴンガス置換した後、アルゴンガスにて脱気した1,4−ジオキサン40mlおよび1M−炭酸カリウム水溶液30mlを順次加え、105℃で16時間還流した後、反応溶液を室温に戻してから、クロロホルムおよびを飽和食塩水加えた。この溶液を分液ろうとに移し、有機層を飽和食塩水洗浄した後、この有機層に乾燥剤として硫酸マグネシウムを加え室温にて1時間撹拌して脱水したのち、次いで、パラジウムスカベンジャーシリカゲル(アルドリッチ社製)を2g加え室温にて1時間撹拌し、有機層中の残留パラジウムを除去した。上記乾燥剤およびシリカゲルを濾別した後、溶媒を減圧留去した。この粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/アセトン=1/2)により精製し、目的物を得た。
収量1.35g、収率68%。
(b)中間体(11−1−2)の合成
Figure 2015052733
50ml三つ口フラスコに、中間体(11−1−1) 0.50g(1.77mmol)、1,4−ビス(クロロメチル)−2,5−ジヘキシルベンゼン 0.30g(0.88mmol)、ジメチルホルムアミド 5mlを加え、90℃で3時間反応させた。室温に戻した後、この溶液を減圧濃縮し,2−プロパノールを加えた。析出した固形分をろ過回収し、60℃で3時間減圧乾燥して目的物を得た。
収量0.70g、収率87%。
(c)エレクトロクロミック材料(11−1)の合成
Figure 2015052733
50ml三つ口フラスコに、中間体(11−1−2) 0.50g(0.55mmol)、4−ブロモメチルベンジルホスホン酸 0.35g(1.84mmol)、ジメチルホルムアミド 10mlを加え、90℃で23時間反応させた。室温に戻した後、この溶液を減圧濃縮し、2−プロパノールを加えた。析出した固形分をろ過回収し、60℃で10時間減圧乾燥して目的物を得た。
収量0.64g、収率81%。
[実施例11:表示電極並びにエレクトロクロミック表示層5の形成、及び発消色比較試験10]
実施例10で合成したエレクトロクロミック化合物(11−1)を用いる以外は実施例2と同様にして、エレクトロクロミック表示層5を形成した。
(発消色比較試験10)
実施例11で作製したエレクトロクロミック表示層5を用いて実施例2と同様に吸収スペクトルを測定した。ポテンショスタット(ビー・エー・エス株式会社 ALS−660C)を用いて表示電極に電荷を加えたところ、シアン色に発色した。−5.7mC印加したときの極大吸収波長である436nmの吸光度は0.85であった。
[比較例5;表示電極及び比較例5のEC表示層(比5)の形成、及び発消色比較試験11]
(構造式(比10−1)のエレクトロクロミック材料の合成)
特許文献5より以下の構造式(比11−1)で示される化合物を合成した。
Figure 2015052733
(発消色比較試験11)
実施例11と全く同じ方法で表示電極及びエレクトロクロミック表示層を作製し、実施例11と同様に電荷を印加した。ポテンショスタットを用いて表示電極に電荷を加えたところ、実施例2と同じくシアン色に発色した。−5.7mC印加したときの極大吸収波長である436nmの吸光度は0.52であり、実施例6−3のほうが同じ電荷量で大きな吸光度を得ることができた。
−5.7mC印加したときの吸収スペクトルを図7に示す。
[実施例12;エレクトロクロミック材料(化合物)(構造式(12−1))の合成]
(a)中間体(12−1−1)の合成
Figure 2015052733
100ml三つ口フラスコに、1−フェニル−2,5−ジブロモピロール 2.00g(6.69mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン 5.45g(26.8mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 0.78g(0.67mmol)、相間移動触媒として、Aliquat336(アルドリッチ社製)0.15gを加え、アルゴンガス置換した後、アルゴンガスにて脱気した1,4−ジオキサン40mlおよび1M−炭酸カリウム水溶液30mlを順次加え、105℃で7時間還流した後、反応溶液を室温に戻してから、クロロホルムおよびを飽和食塩水加えた。この溶液を分液ろうとに移し、有機層を飽和食塩水洗浄した後、この有機層に乾燥剤として硫酸マグネシウムを加え室温にて1時間撹拌して脱水したのち、次いで、パラジウムスカベンジャーシリカゲル(アルドリッチ社製)を2g加え室温にて1時間撹拌し、有機層中の残留パラジウムを除去した。上記乾燥剤およびシリカゲルを濾別した後、溶媒を減圧留去した。この粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/エタノール=20/1)により精製し、目的物を得た。
収量1.65g、収率87%。
(b)中間体(12−1−2)の合成
Figure 2015052733
50ml三つ口フラスコに、中間体(12−1−1) 0.50g(1.68mmol)、1,2−ジブロモエタン 0.29g(0.84mmol)、ジメチルホルムアミド 5mlを加え、90℃で3時間反応させた。室温に戻した後、この溶液を減圧濃縮し、2−プロパノールを加えた。析出した固形分をろ過回収し、60℃で3時間減圧乾燥して目的物を得た。
収量0.57g、収率74%。
(c)エレクトロクロミック材料(12−1)の合成
Figure 2015052733
50ml三つ口フラスコに、中間体(12−1−2) 0.50g(0.68mmol)、2−ブロモエチルホスホン酸 0.43g(1.63mmol)、ジメチルホルムアミド 10mlを加え、90℃で20時間反応させた。室温に戻した後、この溶液を減圧濃縮し、2−プロパノールを加えた。析出した固形分をろ過回収し、60℃で14時間減圧乾燥して目的物を得た。
収量0.75g、収率77%。
[実施例13;表示電極並びにEC表示層6の形成、及び発消色比較試験12]
(表示電極及びEC表示層6の形成)
実施例で合成したエレクトロクロミック化合物(12−1)を用いる以外は実施例2と同様にエレクトロクロミック表示層6を形成した。
(発消色比較試験12)
実施例で作製したエレクトロクロミック表示層6を用いて実施例3と同様に吸収スペクトルを測定した。ポテンショスタット(ビー・エー・エス株式会社 ALS−660C)を用いて表示電極に電荷を加えたところ、マゼンタ色に発色した。−3.5mC印加したときの極大吸収波長である545nmの吸光度は2.13であった。
[比較例6:表示電極及び比較例6のEC表示層(比6)の形成、及び発消色比較試験6]
(構造式(比12−1)のエレクトロクロミック材料の合成)
特許文献5より以下の構造式(比12−1)で示される化合物を合成した。
Figure 2015052733
(発消色比較試験12)
実施例13と全く同じ方法で表示電極及びエレクトロクロミック表示層(比6)を作製し、実施例5の発消色比較試験4と同様に電荷を印加した。ポテンショスタットを用いて表示電極に電荷を加えたところ、実施例2と同じくマゼンタ色に発色した。−3.5mC印加したときの極大吸収波長である545nmの吸光度は1.20であり、実施例5のほうが同じ電荷量で大きな吸光度を得ることができた。
−3.5mC印加したときの吸収スペクトルを図8に示す。
[実施例14;エレクトロクロミック材料(化合物)(構造式(13−1))の合成]
(a)中間体(13−1−1)の合成
Figure 2015052733
100ml三つ口フラスコに、2,5−ビス(4−ブロモフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール 2.00g(5.29mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン 4.34g(25.8mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 0.75g(0.65mmol)、相間移動触媒として、Aliquat336(アルドリッチ社製)0.15gを加え、アルゴンガス置換した後、アルゴンガスにて脱気した1,4−ジオキサン40mlおよび1M−炭酸カリウム水溶液30mlを順次加え、105℃で19時間還流した後、反応溶液を室温に戻してから、クロロホルムおよびを飽和食塩水加えた。この溶液を分液ろうとに移し、有機層を飽和食塩水洗浄した後、この有機層に乾燥剤として硫酸マグネシウムを加え室温にて1時間撹拌して脱水したのち、次いで、パラジウムスカベンジャーシリカゲル(アルドリッチ社製)を2g加え室温にて1時間撹拌し、有機層中の残留パラジウムを除去した。
上記乾燥剤およびシリカゲルを濾別した後、溶媒を減圧留去した。この粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/エタノール=20/1)により精製し、目的物を得た。
収量1.47g、収率74%。
(b)中間体(13−1−2)の合成
Figure 2015052733
50ml三つ口フラスコに、中間体(13−1−1) 0.50g(1.62mmol)、1,2−ジブロモエタン 0.23g(0.66mmol)、ジメチルホルムアミド 5mlを加え、90℃で3時間反応させた。室温に戻した後、この溶液を減圧濃縮し、2−プロパノールを加えた。析出した固形分をろ過回収し、60℃で3時間減圧乾燥して目的物を得た。
収量0.4g、収率68%。
(c)エレクトロクロミック材料(13−1)の合成
Figure 2015052733
50ml三つ口フラスコに、中間体(13−1−2) 0.50g(0.56mmol)、2−ブロモエチルホスホン酸 0.35g(1.34mmol)、ジメチルホルムアミド 10mlを加え、90℃で23時間反応させた。室温に戻した後、この溶液を減圧濃縮し、2−プロパノールを加えた。析出した固形分をろ過回収し、60℃で10時間減圧乾燥して目的物を得た。
収量0.65g、収率81%。
[実施例15;表示電極並びにEC表示層7の形成、及び発消色比較試験13]
(表示電極及びEC表示層7の形成)
実施例で合成したエレクトロクロミック化合物(13−1)を用いる以外は実施例2と同様にエレクトロクロミック表示層7を形成した。
(発消色比較試験13)
実施例で作製したエレクトロクロミック表示層7を用いて実施例3と同様に吸収スペクトルを測定した。ポテンショスタット(ビー・エー・エス株式会社 ALS−660C)を用いて表示電極に電荷を加えたところ、イエロー色に発色した。−5.8mC印加したときの極大吸収波長である445nmの吸光度は1.14であった。
[比較例7:表示電極及び比較例7のEC表示層(比7)の形成、及び発消色比較試験14]
(構造式(比13−1)のエレクトロクロミック材料の合成)
特許文献6より以下の構造式(比13−1)で示される化合物を合成した。
Figure 2015052733
(発消色比較試験13)
実施例13と全く同じ方法で表示電極及びエレクトロクロミック表示層(比7)を作製し、実施例5の発消色比較試験4と同様に電荷を印加した。ポテンショスタットを用いて表示電極に電荷を加えたところ、実施例2と同じくイエロー色に発色した。−5.8mC印加したときの極大吸収波長である445nmの吸光度は0.79であり、実施例5のほうが同じ電荷量で大きな吸光度を得ることができた。
−5.8mC印加したときの吸収スペクトルを図9に示す。
特開2007−121418号公報 特開2010−145814号公報 特願2012−184228号公報 特願2013−030324号公報 特開2011−085773号公報 特開2011−102382号公報

Claims (5)

  1. 下記一般式(G)に示す構造を有することを特徴とするエレクトロクロミック材料。
    Figure 2015052733
    (上式(G)中、Yは少なくともメチレン基を1つ含む構造であり、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基からなる。R1、R2は各々独立に官能基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、または、芳香族炭化水素基を示し、R1、R2のうち少なくとも一方の基が水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基を有する。B、Cはそれぞれ1価のアニオンを表す。Zは、次の構造式(1)で表される構造を表わす。)
    Figure 2015052733
    (上式(1)中、X1〜X8は水素原子または1価の置換基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Aは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、多環芳香族炭化水素複素環式化合物基のいずれかを少なくとも含む構造からなる。)
  2. 前記Zの構造部分が下記一般式(2)乃至(6)のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック材料。
    Figure 2015052733
    (上式(2)中、X1〜X12は水素原子または1価の置換基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。B、Cはそれぞれ1価のアニオンを表す。)
    Figure 2015052733
    (上式(3)中、X1〜X16は水素原子または1価の置換基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。B、Cはそれぞれ1価のアニオンを表す。)
    Figure 2015052733
    (上式(4)中、X1〜X10は水素原子または1価の置換基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。EはO、S、Se、N−Rのいずれかを表し、Rは水素原子、置換されていてもよい脂肪族炭化水素基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基のいずれかを表す。B、Cはそれぞれ1価のアニオンを表す。)
    Figure 2015052733
    (上式(5)中、X1〜X14は水素原子または1価の置換基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。B、Cはそれぞれ1価のアニオンを表す。)
    Figure 2015052733
    (上式(6)中、X1〜X13は水素原子または1価の置換基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。B、Cはそれぞれ1価のアニオンを表す。)
    Figure 2015052733
    (上式(7)中、X1、X2、X3、X4、X6、X7、X8、X9、X10、X11は各々独立に水素原子または1価の置換基を示し、X5は置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基を示す。Lは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表し、nは0から3の整数を表し、A、Bはそれぞれ1価のアニオンを表す。)
    Figure 2015052733
    (上式(8)中、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7及びX8は、それぞれ独立に、水素原子または1価の置換基を示す。Aは、N、O、S又はSeを1個以上含み、Lと結合するCを含む置換又は無置換の5員環の複素環基であり、Lは置換又は無置換のアリーレン基であり、nは、1、2又は3である。B及びCは、それぞれ独立に、1価のアニオンを表す。)
  3. 前記水酸基に対して直接的または間接的に結合可能な官能基が、ホスホン酸基、リン酸基、シリル基又はシラノール基から選択される基であることを特徴とする請求項1または2に記載のエレクトロクロミック材料。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のエレクトロクロミック材料と導電性または半導体性ナノ構造体が結合または吸着されてなることを特徴とするエレクトロクロミック組成物。
  5. 表示電極と、表示電極に対して間隔をおいて対向して設けた対向電極と、両電極間に配置された電解質とを備え、表示電極の対向電極側の表面に、少なくとも請求項1乃至3のいずれかに記載のエレクトロクロミック材料又は請求項4に記載のエレクトロクロミック組成物を含む表示層を有することを特徴とする表示素子。
JP2013186267A 2013-09-09 2013-09-09 エレクトロクロミック材料、エレクトロクロミック組成物及びエレクトロクロミック表示素子 Active JP6213080B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013186267A JP6213080B2 (ja) 2013-09-09 2013-09-09 エレクトロクロミック材料、エレクトロクロミック組成物及びエレクトロクロミック表示素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013186267A JP6213080B2 (ja) 2013-09-09 2013-09-09 エレクトロクロミック材料、エレクトロクロミック組成物及びエレクトロクロミック表示素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015052733A true JP2015052733A (ja) 2015-03-19
JP6213080B2 JP6213080B2 (ja) 2017-10-18

Family

ID=52701781

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013186267A Active JP6213080B2 (ja) 2013-09-09 2013-09-09 エレクトロクロミック材料、エレクトロクロミック組成物及びエレクトロクロミック表示素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6213080B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018529754A (ja) * 2015-07-08 2018-10-11 エシロール・アンテルナシオナル エレクトロクロミック化合物及びそれらを含有する光学物品
CN108997427A (zh) * 2018-08-01 2018-12-14 南方科技大学 电致变色化合物、用途以及其制备的电致变色器件和用途
CN112877057A (zh) * 2021-01-14 2021-06-01 宁夏大学 一种晶态材料的合成方法及其应用

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109375444B (zh) * 2018-12-03 2021-11-23 苏州市悠越电子有限公司 变色玻璃

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007072473A (ja) * 1996-03-15 2007-03-22 Ecole Polytechnique Federale De Lausanne エレクトロクロミックまたはフォトエレクトロクロミック装置
JP2010085570A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Konica Minolta Holdings Inc 電気化学デバイス及び高分子材料
WO2011096298A1 (ja) * 2010-02-08 2011-08-11 コニカミノルタホールディングス株式会社 表示素子
US20120038967A1 (en) * 2009-02-24 2012-02-16 Ntera Limited Advanced electrode structures and electrochromic devices

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007072473A (ja) * 1996-03-15 2007-03-22 Ecole Polytechnique Federale De Lausanne エレクトロクロミックまたはフォトエレクトロクロミック装置
JP2010085570A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Konica Minolta Holdings Inc 電気化学デバイス及び高分子材料
US20120038967A1 (en) * 2009-02-24 2012-02-16 Ntera Limited Advanced electrode structures and electrochromic devices
WO2011096298A1 (ja) * 2010-02-08 2011-08-11 コニカミノルタホールディングス株式会社 表示素子

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018529754A (ja) * 2015-07-08 2018-10-11 エシロール・アンテルナシオナル エレクトロクロミック化合物及びそれらを含有する光学物品
CN108997427A (zh) * 2018-08-01 2018-12-14 南方科技大学 电致变色化合物、用途以及其制备的电致变色器件和用途
CN108997427B (zh) * 2018-08-01 2021-06-15 南方科技大学 电致变色化合物、用途以及其制备的电致变色器件和用途
CN112877057A (zh) * 2021-01-14 2021-06-01 宁夏大学 一种晶态材料的合成方法及其应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP6213080B2 (ja) 2017-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11053267B2 (en) Electrochromic compound, electrochromic composition, and display element
JP6085914B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物及び表示素子
JP5550094B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物、及び表示素子
JP2014159385A (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物、表示素子
JP5648994B2 (ja) エレクトロクロミック化合物
JP6213080B2 (ja) エレクトロクロミック材料、エレクトロクロミック組成物及びエレクトロクロミック表示素子
JP6399535B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物、およびこれを用いた表示素子並びに調光素子
JP5900813B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物、及び表示素子
JP2012224548A (ja) エレクトロクロミック化合物
JP5617597B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物及び表示素子
JP5949012B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物及び表示素子
JP5811808B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物及び表示素子
JP5725397B2 (ja) エレクトロクロミック化合物
JP5939034B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物、及び表示素子
JP5962208B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物、及び表示素子
JP5880809B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック構造物、及び表示素子
JP6387673B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物及び表示素子及び調光素子
JP2013250522A (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物、及び表示素子
JP5875036B2 (ja) エレクトロクロミック化合物
JP2013250520A (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物、及び表示素子
JP2016060699A (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物及び表示素子及び調光素子

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20150624

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150703

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160830

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170822

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170904

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6213080

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151