JP2015051670A - 運搬車両のサスペンション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、簡単な構造で、トレーリングアームの筒形の支持部と同支持部内を挿通するトルクチューブとの間に形成される摺動部のうち、最も面圧が高まる支持部の車幅方向中央側に位置する一端部の上部の摺動部分、支持部の車幅方向側方に位置する他端部の下部の摺動部分といった特定の狭い領域に十分に給脂可能にした運搬車両のサスペンション装置を提供する。
【解決手段】本発明は、トレーリングアームの支持部16のうち、車幅方向中央側に位置する一方の端部をなす周壁で、車幅方向側方から見たとき上部に位置する周壁部分に第1給脂口30を設け、反対側の支持部16の車幅方向側方に位置する他方の端部をなす周壁で、車幅方向側方から見たとき下部に位置する周壁部分に第2給脂口31を設け、最も面圧が高まる特定の狭い領域α、βだけへ集中して潤滑剤を供給する。
【選択図】図4

Description

本発明は、運搬車両のサスペンション装置に係り、詳しくは車幅方向に延びるトルクチューブにトレーリングアームを回動可能に支持して、車輪を上下方向に変位可能に懸架するサスペンション装置に関する。
高積載能力の運搬車両、例えば鉱山から採掘した砕石物を運搬する鉱山用のダンプトラックには、高荷重に耐えられるサスペンション装置が用いられている。操舵輪となる前輪のサスペンション装置には、構造が簡単、前輪の接地性が優れるなどの利点から、トレーリングアーム式を採用したものがある。
乗用車では、単純にトレーリングアームを車体に揺動可能に支持する構造が採用されるが、ダンプトラックは、高荷重が繰り返し加わるため、同構造のままでは対応できない。そのため、ダンプトラックの前輪の懸架には、高荷重に耐えられるよう、高剛性部材であるトルクチューブが用いられ、このトルクチューブを車体フレームの車幅方向に渡り配置して固定することが行われている。すなわち、トルクチューブの車幅方向両側に、一対のトレーリングアームを揺動可能に支持させて、前輪を懸架することが行われている。
多くのトレーリングアームは、一端部にトルクチューブの中央を挟んで片側部分と摺動自在に嵌る筒形の支持部を有し、他端部にこの支持部から車体前後方向に延びる延長部を有したアーム部材が用いられて構成されている。そして、このアーム部材の延長部に前輪が取り付けられ、同延長部と車体フレームとの間にサスペンションシリンダ(緩衝機構部)が取り付けられて、トレーリングアームはトルクチューブを支点に前輪を上下方向に変位可能に懸架している。
こうしたサスペンション装置では、潤滑剤供給装置(潤滑剤供給部)から供給される潤滑剤で、トレーリングアームとトルクチューブとの摺動部となる、支持部の内周面とトルクチューブの外周面との間を潤滑させる。潤滑剤の供給に関しては、多くの場合、多数の給脂口を摺動部の周りに点在させた構造が用いられる(例えば特許文献1)。具体的には、摺動部の周りに点在した多数の給脂口を潤滑剤供給装置に並列に接続して、潤滑剤を各給脂口から摺動部へ給脂する構造が用いられる。
特開2001−213128号公報
上記ダンプトラックに採用したトレーリングアーム式のサスペンション装置では、ダンプトラックの静止時、走行時に関わらず、トレーニングアームの支持部には、前輪から加わる上方向の力とサスペンションシリンダから加わる下方向の力とにより、トルクチューブの車幅方向中央を下側へ突き出させるような曲げモーメントが常に発生している。
このため、摺動部、すなわち支持部の内周面とこれと対向するトルクチューブの外周面間のうち、支持部の車幅方向中央側に位置する一端部の上部分における内周面とこれと対向するトルクチューブの中央部の上部における外周面との間や、支持部の車幅方向側方に位置する他端部の下部分における内周面とこれと対向するトルクチューブの端側の下部における外周面との間では、常に両者を押し付ける方向の大きな荷重が発生する。しかも、トレーリングアームのサスペンションシリンダは、トレーリングアームの回動支点から離れた位置でトレーリングアームと連結されるため、トレーリングアームの回転方向の変位量は小さく、上記支持部の一端部(車幅方向中央側)の上部分、支持部の他端部(車幅方向側方)の下部分といった特定の狭い領域には、常に大きな集中荷重が負荷されやすい。鉱山用のダンプトラックは、自重および積載荷重が巨大なため、この特定の狭い領域に負荷される荷重は非常に大きい。
このような場合、上述のように単に多くの給脂口から潤滑剤を吐出させる構造では、摺動部のうちの最も大きな集中荷重が負荷される領域には、潤滑剤が行き渡り難い。
すなわち、多くの給脂口から潤滑剤を供給する構造は、荷重の負荷が小さい摺動部分へ供給されてしまうため、給脂ロスが多く、上記のような大きな荷重が負荷される支持部端における上・下部の摺動部分といった、最も面圧の高まる特定の狭い領域へ潤滑剤を進入させることが難しい。
このため、トレーリングアームとトルクチューブとの間でこじりが生じたり、双方の摩耗が増加したりしやすい。特に鉱山用のダンプトラックは、空荷と積荷とで荷重変動が非常に大きいので、潤滑剤は行き渡り難く、この問題はトレーリングアーム、トルクチューブの疲労強度の確保が難しい要因ともなっている。
そこで、本発明は、簡単な構造で、トレーリングアームの筒形の支持部と同支持部内を挿通するトルクチューブとの間に形成される摺動部のうち、最も面圧が高まる支持部の車幅方向中央側に位置する一端部の上部の摺動部分、支持部の車幅方向側方に位置する他端部の下部の摺動部分といった特定の狭い領域に十分に給脂可能にした運搬車両のサスペンション装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、トレーリングアームの支持部のうち、車幅方向中央側に位置する一方の端部をなす周壁で、該周壁を車幅方向側方から見たとき上部に位置する周壁部分に、該支持部の上部に位置する周壁部分の内周面部分とこれと対向するトルクチューブの外周面部分との間へ潤滑剤供給部から供給される潤滑剤を給脂する第1給脂口を設け、反対側の支持部の車幅方向側方に位置する他方の端部をなす周壁で、該周壁を車幅方向側方から見たとき下部に位置する周壁部分に、該支持部の下部に位置する周壁部分の内周面部分とこれと対向するトルクチューブの外周面部分との間へ潤滑剤供給部から供給される潤滑剤を給脂する第2給脂口を設けることとした。
請求項2の発明は、トレーリングアームの支持部内に配置されるトルクチューブのうち、支持部の車幅方向中央側に位置する一方の端部の内側に位置する周壁で、該周壁を車幅方向側方から見たとき上部に位置する周壁部分に、該周壁部分の外周面部分とこれと対向する支持部の上部に位置する内周面部分との間へ潤滑剤供給部から供給される潤滑剤を給脂する第3給脂口を設け、トルクチューブのうち、支持部の車幅方向側方に位置する他方の端部の内側に位置する周壁で、該周壁を車幅方向側方から見たとき下部に位置する周壁部分に、該周壁部分の外周面部分とこれと対向する支持部の下部の内周面部分との間へ潤滑剤供給部から供給される潤滑剤を給脂する第4給脂口を設けることとした。
請求項3の発明は、第1及び第2給脂口が、入口側の通路面積よりも出口側の通路面積が小さく形成されることとした。
請求項4の発明は、第3及び第4給脂口が、入口側の通路面積よりも出口側の通路面積が小さく形成されることとした。
請求項1,2の発明によれば、トレーリングアームの支持部とトルクチューブ間の摺動部のうち、支持部の車幅方向中央側の端部の上部の摺動部分、支持部の車幅方向側方に位置する端部の下部の摺動部分といった最も面圧が高まる特定の狭い領域の給脂は、最短経路となる当該領域から最も近くの位置に有る給脂口からの潤滑剤にて行われる。この特定の狭い領域だけに集中して行われる給脂により、従来の多数の給脂口から摺動部の各部に供給させたときのような給脂ロスは改善され、潤滑剤は、潤滑剤供給部からの高い給脂圧が保たれたまま、最も面圧の高まる特定の狭い領域へ供給される。
それ故、潤滑剤は、最も面圧が高まる特定の狭い領域の摺動部分に進入し、同部分に行き渡る。もちろん、潤滑剤は、同領域から他の摺動部分へも行き渡る。
この結果、最も面圧が高まる特定の狭い領域に十分に給脂することができ、同部分におけるこじりや摩耗の増加を抑えることができる。しかも、支持部の各端部の上・下部や同各端部が挿入するトルクチューブの上・下部といった特定の部位だけに給脂口を設けるだけなので、簡単な構造ですみ、コスト的な負担も軽くてすむ。
特にトルクチューブに給脂口を設ける場合(請求項2)、トルクチューブは、可動する部分ではないので、給脂口から給脂供給部へ向かう配管は簡単な構造ですむ。しかも、同配管の周囲をトルクチューブの周壁をそのまま活用して保護できる利点がある。
請求項3、4の発明によれば、最も面圧が高まる特定の狭い領域へ向かう潤滑剤の流速や圧力は、給脂口の通路面積の違いを利用して更に高められるので、より一層、上記特定の狭い領域に効果的に給脂できる。
本発明の第1の実施形態に係る運搬車両の一例であるところのダンプトラックの側面図。 図1中の矢視Aから見た前輪のサスペンション装置の各部を示す正面図。 同サスペンション装置の全体を示す斜視図。 図3中のB−B線に沿うトレーリングアームの支持部、同支持部内を挿通するトルクチューブ、給脂口および同給脂口につながる配管を示す断面図。 図4中の給脂口および給脂プラグの構造を示す一部分解した断面図。 図3中の矢視Cから見たトレーリングアームの側面図。 本発明の第2の実施形態の要部となるトレーリングアームの支持部、同支持部内を挿通するトルクチューブ、給脂口および同給脂口につながる配管を示す断面図。 図7中の給脂口および給脂プラグの構造を示す一部分解した断面図。
以下、本発明を図1から図6に示す第1の実施形態に基づいて説明する。
図1には、本発明を適用した運搬車両、例えば鉱山用の大型ダンプトラックの外観が示されている。ちなみに図1中の矢印Fは、同ダンプトラックの前側を示し、矢印Rは同ダンプトラックの後側を示している。
同ダンプトラックの主な構造を説明すると、図中符号1は、同ダンプトラックの車体を構成する車両前後方向に延びる梯子形のフレーム(本願の車体フレームに相当)、符号2は同フレーム1の前部両側に設けられた前輪(本願の車輪に相当)、符号3はフレーム1の後部両側に設けられた後輪をそれぞれ示している。
さらに図中符号5は、フレーム1の中央〜後上部に設けたベッセル(例えば砕石物を積載)、符号6はフレーム1の前上部に設けられたフロントデッキ、符号7はフロントデッキ6の車幅方向片側に設けられたキャビン、符号8はキャビン7と隣接してフロントデッキ6に設けられたキャビネットをそれぞれ示している。
フロントデッキ6の直下には、図示はしないが発電用エンジン、オルタネータが設けられる。フレーム1の後部には、図示はしないがオルタネータを電力源として後輪3を駆動する電動ユニットが設けられる。
前輪2は、トレーリングアーム式のサスペンション装置10でフレーム1に懸架されている。このサスペンション装置10の各部の構造が図2〜図6に示されている。
図2〜図5を参照してサスペンション装置10の各部を説明する。
符号11はフレーム1の最前部を示し(図1〜図3)、符号11aは同最前部11を形成する車体前後方向に延びる一対の平行なサイドフレーム部、符号11bは同サイドフレーム部11aの前端間を連結するクロスフレーム部、符号11cはサイドフレーム部11aから上方へ突き出る門形の支持ベース部を示している(フロントデッキ6を支えるもの)。
サスペンション装置10は、トルクチューブ13、左右一対のトレーリングアーム15およびサスペンションシリンダ25(例えば伸縮可能なバネとショック・アブソーバとを組み合わせたシリンダ装置;本願の緩衝機構部に相当)を組み合わせて構成されている。
このうちトルクチューブ13は、図1〜図3に示されるように上記サイドフレーム部11aの前部に設けられている。トルクチューブ13は、車幅方向に沿って延びた部材、例えば円筒形の高剛性部材から形成されている。このトルクチューブ13は、サイドフレーム部11a間に渡り配置される。詳しくは、トルクチューブ13の各端部が、左右一対のブラケット部12を介して、各サイドフレーム部11aの下部に固定されており、これによりトルクチューブ13はサイドフレーム部11a間に組み付けてられている。ここでは、トルクチューブ13は、車両進行方向(車両前後方向)と直角の向き(車幅方向)に組み付けられている。
一対のトレーリングアーム15は、図2および図3に示されるようにトルクチューブ13の車幅方向両側に、それぞれ揺動可能に支持される。
すなわちトレーリングアーム15は、いずれも一端部に筒形の支持部16を有し、他端部に支持部16から軸心と交差する方向に沿って延びるプレート状の延長部17を有したアーム部材から構成される。また支持部16の各端部内には、それぞれ円筒形のブッシュ18が圧入され(図4,図5)、支持部16の摺動面は各ブッシュ18の内周面から形成されている。
支持部16は、図1〜図4に示されるようにトルクチューブ13の軸心方向中央を挟んだそれぞれ片側のチューブ部分の外周面に摺動自在に嵌挿される。延長部17は車体前後方向後方へ延びる。同構造により、各トレーリングアーム15の支持部16は、隣接しながらトルクチューブ13の左右両側に回動自在に嵌挿される。つまり、各トレーリングアーム15は、トルクチューブ13の両側でそれぞれ揺動可能に支持される。
各トレーリングアーム15の延長部17には、図2および図3に示されるように左右の各前輪2が組み付く。具体的には各延長部17には、車幅方向側方へ斜めに突き出るアーム部19が形成されている。各アーム部19の端部には、キングピン20を介して、スピンドル21が回動可能に組み付けられ、各スピンドル21にそれぞれ前輪2が取り付けられる。
そして、各アーム部19と、サイドフレーム部11aから上方へ起立した支持ベース部11cの各脚部分11dとの間に、それぞれサスペンションシリンダ25が架け渡され、それぞれ左右の各前輪2をトルクチューブ13を支点に上下方向に変位可能に懸架している。
またサスペンション装置10の各トレーリングアーム15には、図2〜図6に示されるように支持部16の内周面とこれを受けるトルクチューブ13の外周面とがなす摺動部へ給脂を行うための給脂構造27が設けられている。給脂構造27には、いずれも支持部16とトルクチューブ13との摺動部のうち、最も面圧が高くなる摺動部分を優先して給脂する構造が用いられる。給脂構造27には、左右のトレーリングアーム15共、同じ構造が用いられているため、ここでは片側のトレーリングアーム15の構造について説明する。
すなわち、給脂構造27は、支持部16の摺動部のうち、図2に示されるように前輪2から加わる上方向の力Xとサスペンションシリンダ25から加わる下方向Yの力がもたらす曲げモーメントZを要因に、常に大きな垂直荷重が発生している特定の狭い領域α,βへ集中して給脂する構造で構成されている。ここで、特定の狭い領域αは、「発明の概要」でも述べたように支持部16の車幅方向中央側に位置する一方の端部16a(図2〜図5)の内周面のうち上部に位置する内周面部分(ブッシュ18の内周面)と、これと対向するトルクチューブ13の外周面部分間における狭い領域をいう。特定の狭い領域βは、同じく支持部16の車幅方向側方に位置する他方の端部16b(図2〜図5)の内周面のうちの下部に位置する内周面部分(ブッシュ18の内周面)と、これと対向するトルクチューブ13の外周面部分間における狭い領域をいう。
そのため、給脂構造27は、図4に示されるように上記特定の狭い領域α、βと対応する部位、具体的には支持部16の端部16a(車幅方向中央側)をなす、同端部16aの周壁およびブッシュ18の円形な周壁のうち、これら周壁を車幅方向側方から見たとき上部に位置する周壁部分だけに、給脂口30(本願の第1給脂口に相当;図5(a))を設け、反対側の支持部16の端部16b(車幅方向側方)をなす、同端部16bの周壁およびブッシュ18の円形な周壁のうち、これら周壁を車幅方向側方から見たとき下部に位置する周壁部分だけに、給脂口31(本願の第2給脂口に相当;図5(b))を設けて構成されている。給脂口30,31は、いずれも端部16a,16bの周壁、ブッシュ18の周壁の厚み方向を貫通する直線状の通孔で形成される(図5)。
各給脂口30,31の入口には、それぞれ潤滑剤注入用の給脂プラグ33が装着される。そして、各給脂プラグ33は、それぞれ給脂配管部材35を介して、車両に搭載してある潤滑剤供給装置36(本願の潤滑剤供給部に相当)に接続される。つまり、潤滑剤供給装置36から供給されるグリースなどの潤滑剤が、各給脂口30,31から、最も面圧の高い特定の狭い領域α、βの摺動部分へ集中して給脂されるよう構成されている。
特に図5に示されるように給脂口30,31をなす出口側の通路部分34bの一部の通路面積は、いずれも孔加工により、入口側の通孔部分34aの通路面積よりも小さく形成されていて、最も面圧の高い特定の狭い領域α、βの摺動部分へ潤滑剤を進入しやすくしている。
残る片側のトレーリングアーム15の支持部16にも、こうした給脂構造27の各構造が採用され、これにより、左右一対のトレーリングアーム15の支持部16のうち、最も高い垂直荷重が負荷される特定の狭い領域α、βの摺動部分だけへ集中して給脂しつつ、他の摺動部分の給脂も行うことが可能である。残る支持部16の給脂構造27については、同じ構造が用いられているので、同一符号を付してその説明を省略した。
こうした給脂構造27により、難しいとされる最も面圧の高い特定の狭い領域α、βの潤滑を行うことができる。
ダンプトラックのトレーリングアーム15には、図2にも示されるように静止時、走行時に関わらず、前輪2からの上方向の力Xとサスペンションシリンダ25からの下方向の力Yとにより、常にトルクチューブ13の車幅方向中央を下側へ突き出させるような曲げモーメントZが発生するため、支持部16の内周面とトルクチューブ13の外周面とが摺動する摺動部のうち、支持部16の車幅方向中央側の端部16aの上部分と、同支持部16の車幅方向側方の端部16bの下部分には、非常に大きな垂直荷重が負荷される(密着)。
この摺動部分は、最も面圧の高い特定の狭い領域α、βとなるため、従来の多数の給脂口から給脂を行う構造では、給脂圧が確保しきれず、同部分の潤滑は十分に行えない。
そこで、本実施形態は、最も面圧の高い特定の狭い領域α、βの位置に対応した部位にだけ、詳しくは支持部16の車幅方向中央側の端部16aの上部分と、同支持部16の車幅方向側方の端部16bの下部分の二個所だけに、給脂口30,31を設けている。
これにより、潤滑剤供給装置36から供給された潤滑剤は、給脂プラグ33から、最短経路で、最も面圧の高い特定の狭い領域α、βだけへ向け吐出される。この際、給脂口30,31の出口側の通路面積は、入口側よりも小さくしてあるので、潤滑剤の流速や圧力は、更に高められる。
このとき、従来の多数の給脂口から供給させたときに見られるような給脂ロスは生じないから、潤滑剤は、潤滑剤供給装置36からの高い給脂圧が保たれたまま、最も面圧の高い特定の狭い領域α、βへ供給される。
これにより、潤滑剤は、最も面圧の高い特定の狭い領域α、βの摺動部分、すなわち支持部16の一端部16aの上部の内周面部分(ブッシュ18)とこれに対向するトルクチューブ13の外周面部分間、他端部16bの下部の内周面部分(ブッシュ18)とこれに対向するトルクチューブ13の外周面部分間へ進入して、同領域α、β全体の摺動部分に行き渡る。むろん、潤滑剤は、最も面圧の高い特定の狭い領域α、βを優先して潤滑した後、摺動部分の間隙を通じて、他の支持部16の摺動部(他のブッシュ18の内周面とトルクチューブ13の外周面間)に行き渡り、他の摺動部分を潤滑する。
したがって、給脂口30,31を、最も面圧の高まる特定の狭い領域α、βなる位置だけに設けたことにより、難しいとされる最も面圧の高まる特定の狭い領域α、βを十分に給脂できる。このため、同領域α、βにおけるこじりや摩耗を十分に抑えることができる。しかも、給脂口30.31は、特定の位置に設けるだけなので、簡単な構造ですむうえ、コスト的な負担も軽くてすむ。
そのうえ、給脂口30,31は、通路面積の違いを利用して、給脂口30,31から吐出される潤滑剤の流速や圧力を更に高めて、潤滑剤を最も面圧の高まる特定の狭い領域α、βへ進入しやすくしているので、より一層、効果的に、最も面圧の高まる特定の狭い領域α、βの給脂を行うことができる。
図7および図8は、本発明の第2の実施形態を示す。
本実施形態は、第1の実施形態のような支持部16a,16b側から潤滑剤を、最も面圧の高まる特定の狭い領域α,βへ供給するのではなく、トルクチューブ13側から潤滑剤を、最も面圧の高まる特定の狭い領域α,βへ供給するようにしたものである。
具体的には、本実施形態における給脂構造27’は、図7および図8に示されるようにトレーリングアーム15の支持部16内に配置されるトルクチューブ13のうち、支持部16の車幅方向中央側に位置する一方の端部16aの内側に位置する周壁で、当該周壁を車幅方向側方から見たとき上部に位置する周壁部分に給脂口40(本願の第3給脂口に相当;図8(a))を設け、反対側の支持部16の車幅方向側方に位置する他方の端部16bの内側に位置する周壁で、当該周壁を車幅方向側方から見たとき下部に位置する周壁部分に給脂口41(本願の第4給脂口に相当;図8(b))を設けて構成されている。そして、これら各給脂口40,41にそれぞれ潤滑剤注入用の給脂プラグ43を装着し、各給脂プラグ43を、それぞれ給脂配管部材45を介して、車両に搭載してある潤滑剤供給装置36(図4)に接続している。これにより、給脂構造27’では、潤滑剤供給装置36から供給される潤滑剤が、各給脂口40,41から、最も面圧の高い特定の狭い領域α、βの摺動部分へ集中して給脂されるようにしている。
本実施形態でも、第1の実施形態と同様、図8に示されるように給脂口40,41をなす出口側の通路部分44bの一部の通路面積は、入口側の通孔部分44aの通路面積よりも小さく設定してあり、通路形状を利用して、給脂口40,41から吐出される潤滑剤の流速、圧力を高めている。
このようなトルクチューブ13側から潤滑剤を供給する構造でも、第1の実施形態と同様の効果を奏する。特にトルクチューブ13は、不動部分なので、給脂口40,41から潤滑剤供給装置36へ向かう配管は、可動を許容する部分は必要なく、簡単な構造ですむ。しかも、給脂プラグ43、給脂配管部材45は、トルクチューブ13内に配置されるので、トルクチューブ13の周壁にて周囲から保護されるという利点もある。
但し、図7および図8において第1の実施形態と同じ部分には、同一符号を付してその説明を省略した。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々可変して実施しても構わない。例えば上述した実施形態では、支持部16をブッシュ18を介してトルクチューブ13に摺動可能に支持させるトレーリングアーム15に本発明を適用したが、これに限らず、他の構造で支持されるトレーリングアーム15に本発明を適用してもよい。
1 フレーム(車体フレーム)
2 前輪(車輪)
13 トルクチューブ
15 トレーリングアーム
16 支持部
16a 支持部の一方の端部(車幅方向中央側の端部)
16b 支持部の他方の端部(車幅方向側方の端部)
17 延長部
25 サスペンションシリンダ(緩衝機構部)
30,31,40,41 給脂口(第1〜第4給脂口)
33,43 給脂プラグ
35,45 給脂配管部材
36 潤滑剤供給装置(潤滑剤供給部)
α、β 最も面圧の高い特定の狭い領域

Claims (4)

  1. 車体フレームに車幅方向の向きで固定されたトルクチューブと、
    一端部に前記トルクチューブの外周面に摺動自在に嵌挿される筒形の支持部を有し、他端部に前記支持部から車体前後方向へ延びる延出部を有し、前記延出部に車輪が取り付けられ、前記トルクチューブを支点に前記車輪を上下方向に変位可能に支持するトレーリングアームと、
    前記延出部と前記車体フレームとの間に介在された緩衝機構部と
    を有して構成される運搬車両のサスペンション装置であって、
    前記トレーリングアームの支持部のうち、車幅方向中央側に位置する一方の端部をなす周壁で、該周壁を車幅方向側方から見たとき上部に位置する周壁部分に、該支持部の上部に位置する周壁部分の内周面部分とこれと対向する前記トルクチューブの外周面部分との間へ潤滑剤供給部から供給される潤滑剤を給脂する第1給脂口が設けられ、
    反対側の前記支持部の車幅方向側方に位置する他方の端部をなす周壁で、該周壁を車幅方向側方から見たとき下部に位置する周壁部分に、該支持部の下部に位置する周壁部分の内周面部分とこれと対向する前記トルクチューブの外周面部分との間へ前記潤滑剤供給部から供給される潤滑剤を給脂する第2給脂口が設けられる
    ことを特徴とする運搬車両のサスペンション装置。
  2. 車体フレームに車幅方向の向きで固定されたトルクチューブと、
    一端部に前記トルクチューブの外周面に摺動自在に嵌挿される筒形の支持部を有し、他端部に前記支持部から車体前後方向へ延びる延出部を有し、前記延出部に車輪が取り付けられ、前記トルクチューブを支点に前記車輪を上下方向に変位可能に支持するトレーリングアームと、
    前記延出部と前記車体フレームとの間に介在された緩衝機構部と
    を有して構成される運搬車両のサスペンション装置であって、
    前記トレーリングアームの支持部内に配置される前記トルクチューブのうち、前記支持部の車幅方向中央側に位置する一方の端部の内側に位置する周壁で、該周壁を車幅方向側方から見たとき上部に位置する周壁部分に、該周壁部分の外周面部分とこれと対向する前記支持部の上部に位置する内周面部分との間へ潤滑剤供給部から供給される潤滑剤を給脂する第3給脂口が設けられ、
    前記トルクチューブのうち、前記支持部の車幅方向側方に位置する他方の端部の内側に位置する周壁で、該周壁を車幅方向側方から見たとき下部に位置する周壁部分に、該周壁部分の外周面部分とこれと対向する前記支持部の下部の内周面部分との間へ前記潤滑剤供給部から供給される潤滑剤を給脂する第4給脂口が設けられる
    ことを特徴とする運搬車両のサスペンション装置。
  3. 前記第1及び第2給脂口は、入口側の通路面積よりも出口側の通路面積が小さく形成されることを特徴とする請求項1に記載の運搬車両のサスペンション装置。
  4. 前記第3及び第4給脂口は、入口側の通路面積よりも出口側の通路面積が小さく形成されることを特徴とする請求項2に記載の運搬車両のサスペンション装置。
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