JP2015048658A - 自動車用ドアチェッカ - Google Patents
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Abstract
【課題】ドアチェッカのケースに浸入してその底部に溜まる雨水が弾発部材の穴部に浸入することを,より確実に防止する。【解決手段】ケース1と,このケース1を水平方向移動可能に貫通するチェックプレート6と,このチェックプレート6のディテント面10と協働するディテント部材16と,ケース1内の収容室18に縮設されてディテント部材16及びディテント面10間にディテント力を発生させる弾性材製の弾発部材17とからなり,弾発部材17を,これが収容室18を実質的に埋めるように形成すると共に,この弾発部材17に,その弾性変形を許容する穴部を設けた,自動車用ドアチェッカにおいて,穴部を,弾発部材17の上下端面より離間して該弾発部材17を水平方向に貫通する貫通孔20となし,この貫通孔20の両開口端を,ケース1の内側面で密閉した。【選択図】 図4
Description
本発明は,自動車のボディ及びそれに回動可能に軸支されるドアの一方に固着されるケースと,このケースを水平方向移動可能に貫通して前記ボディ及びドアの他方に連結されるチェックプレートと,このチェックプレートのディテント面と協働してドアを所定の開き位置に保持すべく前記ケースに上下方向摺動可能に嵌合保持されるディテント部材と,このディテント部材の,前記チェックプレートと反対側の外端面,並びにそれに対向する前記ケースの内端面との間に画成される収容室に縮設されて前記ディテント部材及びディテント面間にディテント力を発生させる弾性材製の弾発部材とからなり,前記弾発部材を,これが前記収容室を実質的に埋めるように形成すると共に,この弾発部材に,その弾性変形を許容する穴部を設けた,自動車用ドアチェッカの改良に関する。
かゝる自動車用ドアチェッカは,特許文献1に開示されるように,既に知られている。
特許文献1に開示される自動車用ドアチェッカでは,前記穴部を弾発部材の上下端面に開口し,その開口端に,ケースの内面に密接するシールリップを形成して,ケース内に浸入した雨水が穴部に入り込まないようにしている。これによれば,穴部内での雨水の凍結を未然に防止して,弾発部材の弾性変形特性を安定させることができる。
本発明は,ケースに浸入してその底部に溜まる雨水が弾発部材の穴部に浸入することを,より確実に防止して,弾発部材の弾性変形特性の一層の安定性を確保し,ドアの開閉フィーリングを良好にし得る前記自動車用ドアチェッカを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明は,自動車のボディ及びそれに回動可能に軸支されるドアの一方に固着されるケースと,このケースを水平方向移動可能に貫通して前記ボディ及びドアの他方に連結されるチェックプレートと,このチェックプレートのディテント面と協働してドアを所定の開き位置に保持すべく前記ケースに上下方向摺動可能に嵌合保持されるディテント部材と,このディテント部材の,前記チェックプレートと反対側の外端面,並びにそれに対向する前記ケースの内端面との間に画成される収容室に縮設されて前記ディテント部材及びディテント面間にディテント力を発生させる弾性材製の弾発部材とからなり,前記弾発部材を,これが前記収容室を実質的に埋めるように形成すると共に,この弾発部材に,その弾性変形を許容する穴部を設けた,自動車用ドアチェッカにおいて,前記穴部を,前記弾発部材の上下端面より離間して該弾発部材を水平方向に貫通する貫通孔となし,この貫通孔の両開口端を,前記ケースの内側面で密閉したことを第1の特徴とする。
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記弾発部材に前記貫通孔を平行する複数設けたことを第2の特徴とする。
さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加えて,前記弾発部材に,前記貫通孔の開口端を囲繞して前記ケースの前後内側面に密接するシールリップを一体に形成したことを第3の特徴とする。
さらにまた本発明は,第2の特徴に加えて,前記弾発部材に,前記複数の貫通孔の開口端を囲繞してケースの内側面に密接するシールリップと,これらシールリップ間を連結するランド部とを一体に形成したことを第4の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば,弾発部材は,これが収容室を実質的に埋めるように形成されるので,収容室への雨水の浸入を極力防ぐことができる。また万一,雨水が収容室に浸入して,その底部に僅かに溜まった場合でも,下方の弾発部材では,貫通孔がその弾発部材の上下両端面より離間しているので,収容室の底部に僅かに溜まった雨水の水面は,上記貫通孔には到達せず,これにより雨水の貫通孔への浸入することを防ぐことができる。また万一,収容室の底部に溜まった雨水の水面が貫通孔に達することがあっても,貫通孔の両開口端は,ケースの内側面で密閉されているので,貫通孔への雨水の浸入を防ぐことができる。したがって,収容室の底部に溜まった雨水が凍結した場合でも,貫通孔が弾発部材の弾性変形を通常通り許容するので,弾発部材の弾性変形の特性は変化せず,ドアの開閉操作フィーリングを常に良好に保つことができる。
本発明の第2の特徴によれば,弾発部材に貫通孔を平行する複数設けたので,一部の貫通孔に万一雨水が浸入しても残る他の貫通孔は,雨水の浸入を免れることになり,信頼性を高めることができる。
本発明の第3の特徴によれば,万一,収容室の底部に溜まった雨水の水面が貫通孔に達することがあっても,弾発部材の前後両端面には,貫通孔の開口端を囲繞してケースの内側面にそれぞれ密接するシールリップが形成されていて,貫通孔を確実に密閉状態にしているから,貫通孔への雨水の浸入を確実に防ぐことができ,より信頼性を高めることができる。しかもシールリップとケースの内側面との密接圧力は,弾発部材の上下方向の膨張・収縮時でも略一定に保たれるので,シールリップの耐久性を確保することができる。
本発明の第4の特徴によれば,複数の貫通孔のシールリップはランド部を介して互いに一体に連結されるので,ランド部がケースの内側面から受ける圧力を負担する分,シールリップの面圧が減少し,シールリップの耐久性をより高めることができる。
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。
先ず,図1において,自動車のボディBに,その乗降口を開閉すべくドアDがヒンジHを介して回動可能に取付けられており,これらボディB及びドアD間に,ドアDに本発明のドアチェッカCが取付けられる。
図1〜図4に示すように,上記ドアチェッカCは,ドアDの端壁内面に固着されるケース1を有する。このケース1は,一端を開放した箱形のケース本体1aと,その開放端を覆いながらケース本体1aにかしめ部11,11(図4参照)により結合されるカバー1bとからなっており,これらケース本体1a及びカバー1bはドアDの端壁に,該端壁の内面にカバー1bを当接させて上下一対のボルト2,2により締結される。このカバー1b及びケース本体1aには,ドアDの端壁に開口する透孔3と同軸に並ぶ透孔4,5が穿設されており,これら三つの透孔3,4,5を貫通するチェックプレート6の基端がブラケット7に枢軸8を介して相互に回動可能に連結され,このブラケット7は,枢軸8を前記ヒンジHのピボット軸と平行に配置して,ボディBにボルト9により固着される。チェックプレート6は,水平に配置され,その上下両面がディテント面10,10になっている。
チェックプレート6は,ブラケット7と直接連結されて略水平に配置される鋼板製のプレート本体6aと,このプレート本体6aの両端部を除いてその周面にモールド結合される合成樹脂製の被覆体6bとから構成される。この被覆体6bは,チェックプレート6の上下のディテント面10,10の間隔が,該プレート6の基端側(ブラケット7側)から遊端側に向って漸増するように形成され,そしてディテント面10,10には,その長手方向中間部に半開ディテントノッチ10aが,また遊端部近傍に全開ディテントノッチ10bが形成され,その全開ディテントノッチ10bに隣接する全開ストッパ12がプレート本体6aに付設される。この全開ストッパ12は,プレート本体6aにピン13で固着される鋼板製のストッパプレート14と,このストッパプレート14に装着されて全開ディテントノッチ10bに臨むストッパゴム15とからなっており,そのストッパゴム15の全開ディテントノッチ10bに臨む端面に多数のクッション突起15aが隆起している。チェックプレート6の横幅はその両端部を除き略一定である。
図2〜図5において,前記ケース1には,チェックプレート6の一対のディテント面10,10と協働してドアDを所定の開き位置に保持する上下一対の合成樹脂製のディテント部材16,16がチェックプレート6の板厚方向に沿って摺動可能に嵌合保持される。これらディテント部材16,16は,前記半開ディテントノッチ10a及び全開ディテントノッチ10bに係合し得る半円筒状の係合部16aを備える。また両ディテント部材16,16は,互いに協働してチェックプレート6の前後両側面を摺動可能に支承する案内壁16b,16bを備える。
またケース1内には,上記ディテント部材16,16の,チェックプレート6と反対側の各外端面18aと,それに対向するケース1の上下の内端面18bとの間に収容室18,18が画成され,これら収容室18,18には,ディテント部材16,16をそれぞれチェックプレート6のディテント面10,10に対して弾発付勢する上下一対の弾発部材17,17が圧縮状態で装着される。
各弾発部材17は,エラストマ等の弾性材からなるもので,収容室18を実質的に埋めるように,且つ弾発部材17の,ディテント部材16の外端面18a側の一半部と,ケース1の内端面18b側の他半部とが対称形となるように形成される。図示例の場合,各ディテント部材16の外端面18aの両端部には,ケース1の両内側面に対するディテント部材16の摺動スパンを長くする一対の延長壁16c,16cが突設されており,これら延長壁16c,16cを受容すべく一段下がった一対の段部17a,17aが弾発部材17の両端部に形成される。そこで,前述のような対称形を得るために,弾発部材17の,ケース1内端面18b側の端面にも一対の段部17a,17aが設けられる。
さらに各弾発部材17には,その上下両端面より離間して弾発部材17を水平方向に貫通し,且つ互いに平行する複数,図示例では一対の貫通孔20,20が設けられる。これら貫通孔20,20が開口する弾発部材17の前後両端面には,貫通孔20,20をそれぞれ囲繞するシールリップ22,22と,これらシールリップ22,22を互いに連結するランド部23とが一体に突設され,これらシールリップ22,22及びランド部23にケース本体1a及びカバー1bの前後対向壁が密接することにより,前記貫通孔20,20は密閉される。
各弾発部材17は,上下及び左右とも対称形であり,また上下の弾発部材17,17も互いに対称形であり,これにより上下の収容室18,18への弾発部材17,17の誤装着を防ぐようになっている。
次に,この実施例の作用について説明する。
ドアDを閉鎖状態から開放していくと,それに応じてディテント部材16,16の係合部16a,16aがチェックプレート6のディテント面10,10を上るように滑っていき,それに伴い弾発部材17,17は圧縮されるので,その反発力の増加によりディテント部材16,16のディテント面10,10に対する圧接力を増大させていき,これによってドアDの開放トルクが適度に増大していく。
そして,ドアDを所定の半開位置まで開くと,ディテント部材16,16の係合部16a,16aが弾発部材17,17の弾発力をもってチェックプレート6の半開ディテントノッチ10a,10aに落ち込むことによりドアDの開放トルクが急増して,ドアDを所定の半開位置に保持することができる。
またドアDに更なる開放力を加えて,ディテント部材16,16の係合部16a,16aを半開ディテントノッチ10a,10aから脱出させ,ドアDが所定の全開位置まで開くと,今度は係合部16a,16aが全開ディテントノッチ10b,10bに落ち込み,同時にストッパゴム15にケース1が弾力的に受止められることにより,ドアDを全開位置に保持することができる。
またドアDを全開位置から閉じる過程でも,上記と同様にディテント部材16,16の係合部16a,16aと半開ディテントノッチ10a,10aとの係合により,ドアDを所定の半開位置に保持することができ,また更に閉じるときは,ディテント部材16,16の係合部16a,16aがチェックプレート6のディテント面10,10を下るように滑ることで,ドアDの閉鎖トルクが適度に減少し,その閉鎖を軽快に行うことができる。
この間,ディテント部材16,16は,ディテント面10,10を上り下りすることや,ディテントノッチ10a,10b;10a,10bに係脱することに応じてケース1内を上下に摺動し,それに応じて弾発部材17,17は,圧縮及び膨張の弾性変形を繰り返し,その弾性変形は,各弾発部材17の貫通孔20,20の体積変化により許容される。
ところで,上記弾発部材17は,これがケース1内の収容室18を実質的に埋めるように形成されるので,収容室18への雨水の浸入を極力防ぐことができる。
また万一,雨水が収容室18に浸入して,その底部に僅かに溜まった場合でも,下方の弾発部材17では,貫通孔20,20がその弾発部材17の上下両端面より離間しているので,収容室18の底部に僅かに溜まった雨水の水面は,上記貫通孔20,20には到達せず,これにより雨水の貫通孔20,20への浸入することを防ぐことができる。
また万一,収容室18の底部に溜まった雨水の水面が貫通孔20,20に達することがあっても,弾発部材17の前後両端面には,貫通孔20,20の開口端を囲繞してケース本体1a及びカバー1bの対向面にそれぞれ密接するシールリップ22,22が形成されていて,貫通孔20,20は密閉されているから,貫通孔20,20への雨水の浸入を確実に防ぐことができる。しかも貫通孔20,20は,複数存在しているので,一部の貫通孔20に万一雨水が浸入しても,残る他の貫通孔20は,雨水の浸入を免れることになる。
かくして,収容室18の底部に溜まった雨水が凍結した場合でも,貫通孔20,20が弾発部材17の弾性変形を通常通り許容するので,弾発部材17の弾性変形の特性は変化せず,ドアDの開閉操作フィーリングを常に良好に保つことができる。
また前記シールリップ22,22とケース本体1a及びカバー1bの対向面との密接圧力は,弾発部材17の上下方向の膨張・収縮時でも略一定に保たれるので,シールリップ22,22の耐久性を確保する上で有利であり,しかもシールリップ22,22はランド部23を介して互いに一体に連結されるので,ランド部23がケース本体1a及びカバー1bの対向面から受ける圧力を負担する分,シールリップ22,22の面圧が減少し,シールリップ22,22の耐久性をより高めることができる。
その点,前記特許文献1記載のものでは,弾発部材の穴部は,弾発部材の上下両端面に開口しており,その開口部を囲繞するようにシールップが形成されるので,それらシールリップは,弾発部材の上下方向の膨張・収縮時に圧縮荷重を繰り返し受けることになり,耐久上不利であった。
また弾発部材17は,貫通孔20,20の軸方向に沿って開閉される一対の金型により多数個が一挙に成形されるものであるが,図示例の場合,貫通孔20,20の軸方向に沿う投影面積が比較的小さいので,その分,弾発部材用キャビティを金型に多数形成することが可能となって弾発部材17の量産性が向上し,コストの低減に寄与し得る。
本発明は,上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,ディテント部材16が延長壁16c,16cを持たない場合には,弾発部材17を,段部17a,17aの無い単純な矩形断面形状に形成することができる。
B・・・・・ボディ
C・・・・・ドアチェッカ
D・・・・・ドア
1・・・・・ケース
6・・・・・チェックプレート
10・・・・ディテント面
16・・・・ディテント部材
17・・・・弾発部材
18・・・・収容室
18a・・・ディテント部材の外端面
18b・・・ケースの内端面
20・・・・貫通孔
22・・・・シールリップ
23・・・・ランド部
C・・・・・ドアチェッカ
D・・・・・ドア
1・・・・・ケース
6・・・・・チェックプレート
10・・・・ディテント面
16・・・・ディテント部材
17・・・・弾発部材
18・・・・収容室
18a・・・ディテント部材の外端面
18b・・・ケースの内端面
20・・・・貫通孔
22・・・・シールリップ
23・・・・ランド部
Claims (4)
- 自動車のボディ(B)及びそれに回動可能に軸支されるドア(D)の一方に固着されるケース(1)と,このケース(1)を水平方向移動可能に貫通して前記ボディ(B)及びドア(D)の他方に連結されるチェックプレート(6)と,このチェックプレート(6)のディテント面(10)と協働してドア(D)を所定の開き位置に保持すべく前記ケース(1)に上下方向摺動可能に嵌合保持されるディテント部材(16)と,このディテント部材(16)の,前記チェックプレート(6)と反対側の外端面(18a),並びにそれに対向する前記ケース(1)の内端面(18b)との間に画成される収容室(18)に縮設されて前記ディテント部材(16)及びディテント面(10)間にディテント力を発生させる弾性材製の弾発部材(17)とからなり,前記弾発部材(17)を,これが前記収容室(18)を実質的に埋めるように形成すると共に,この弾発部材(17)に,その弾性変形を許容する穴部を設けた,自動車用ドアチェッカにおいて,
前記穴部を,前記弾発部材(17)の上下端面より離間して該弾発部材(17)を水平方向に貫通する貫通孔(20)となし,この貫通孔(20)の両開口端を,前記ケース(1)の内側面で密閉したことを特徴とする,自動車用ドアチェッカ。 - 請求項1記載の自動車用ドアチェッカにおいて,
前記弾発部材(17)に前記貫通孔(20)を平行する複数設けたことを特徴とする,自動車用ドアチェッカ。 - 請求項1又は2記載の自動車用ドアチェッカにおいて,
前記弾発部材(17)に,前記貫通孔(20)の開口端を囲繞して前記ケース(1)の前後内側面に密接するシールリップ(22)を一体に形成したことを特徴とする,自動車用ドアチェッカ。 - 請求項2記載の自動車用ドアチェッカにおいて,
前記弾発部材(17)に,前記複数の貫通孔(20)の開口端を囲繞して前記ケース(1)の内側面に密接するシールリップ(22)と,これらシールリップ(22)間を連結するランド部(23)とを一体に形成したことを特徴とする,自動車用ドアチェッカ。
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JP2013181829A JP2015048658A (ja) | 2013-09-03 | 2013-09-03 | 自動車用ドアチェッカ |
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JP2013181829A Pending JP2015048658A (ja) | 2013-09-03 | 2013-09-03 | 自動車用ドアチェッカ |
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