JP6009264B2 - ガラスラン - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用のドアに取付けられるガラスランに関する。
ガラスランは、図1に示す自動車を例にとっていえば、フロントドア1とリヤドア2のドア周りのサッシュ又はフレームにドアガラス3の昇降を案内するために設けられ、通常、ゴム又は熱可塑性エラストマーの成形品で、押出成形部と、コーナ部に取付けられる型成形部よりなっている。図2は、図1のA−A線断面でのサッシュ4に装着されるガラスランの押出成形部5の断面構造を示すもので、底壁6と、該底壁6の両端に一体形成される車内側及び車外側の側壁7及び8と、各側壁7及び8の端部に一体形成されて底壁6に向かって延出し、ドアガラス9を閉じたとき、ドアガラス9に両側より弾接してシールすると共に、ドアガラスを支持する車内側及び車外側のシールリップ11及び12と、車内側側壁7より車内側に折り返され、車内側側壁7と断面略U形状をなして、サッシュ4に形成されるガラスラン嵌合部14の車内側側縁より内周側に向けて突出するフランジ15に差込まれ、該フランジ15を覆うカバーリップ16と、車外側側壁8端に一体形成され、車外側に突出してガラスラン嵌合部14の車外側側縁に弾接するカバーリップ17とよりなっている。図中18はサブリップで、走行時のガラスの振動により発生するラトル音(ガラス振動音)を抑えるために設けられている。
こうしたガラスランでは、押出成形時にシールリップ11、12が互いに接触することのないように、また型成形部では中子の抜き取りに支障を来たすことがないように、両側壁7、8を開口側が開いた展開状態で成形し、前記ガラスラン嵌合部14に装着して取付けるときには、両側壁7、8の開口側を窄めた状態で押し込み、拡開する復元力でガラスラン嵌合部14に密着して保持させるようにしている。なお、型成形部は、図示していないが、前述の押出成形部5と同様、底壁と、該底壁の両端に一体形成される車内側及び車外側の側壁と、各側壁の端部に一体形成されるシールリップを備えている。
前述する従来のガラスランでは、ドアのサッシュ又はフレームのコーナに取付けるに際し、型成形部を窄めると、型成形部が均一に変形せず、このためガラスラン全体がドアのサッシュ又はフレームに追従しなくなり、取付不良を起すことがある。この問題を解決するため、底壁部にV形の伸縮部を形成し、成形時には伸縮部を幅方向の車内外方向に伸ばしてシールリップが互いに接触することがないようにし、またサッシュ又はフレームへの取付時には両側壁部を内向きに平行移動させて伸縮部を縮めた状態でガラスラン嵌合部に装着するグラスランが提案されている(特許文献1)。
ガラスランのシールリップは、ドアガラスに弾接し、ドアガラスとの間をシールする機能を有するほか、ドアガラスを両側より挟持して支持する機能を有するが、ドアガラスが走行中に振動してラトル音と称される振動音を発生させることがある。この問題に対処するガラスランとして、ドアサッシュに装着されるガラスランを断面略コ字形の金属製チャンネル部と、ドアガラスの端部を差込んで挟持する断面略Ω形の保持部と、該保持部とチャンネル部の両側壁と底壁とを連結する腕部を備えたガラスランも提案されている(特許文献2)。
特許第4270002号 特開平11−227469号
本発明は、幅方向の車内外方向に拡縮可能な弾力性を有し、ドアガラスを閉じたときには、走行時のドアガラスの振動を防止するため、ドアガラスの端部を差込んで挟持することができる構造の簡単なガラスランを提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、自動車用ドアのサッシュ4又はフレームに形成のガラスラン嵌合部14に装着されるガラスラン21、31、36、41であって、一対の脚部22aを略山形に連結して断面略逆V形溝を構成し、溝底部分でドアガラス9の端部を差込んで挟持する保持部22と、該保持部22を構成する両脚部22aの脚部端よりそれぞれ保持部22の両外側に折り返されて外向きに拡開し、ガラスラン21、31、36、41をガラスラン嵌合部14に装着したとき、それぞれが前記ガラスラン嵌合部14の被係止部に係止する係止壁部22b、22cと、前記略山形状をなす保持部22の頂部近くより頂部を越え、湾曲して延びてガラスラン嵌合部14底に当り、前記保持部22をドアガラス9の閉じる方向に弾力的に支持する係止リップ22dを備え、全体が断面略W形のバネ体で、JISA90以上の硬度の硬質材料で構成されるガラスラン本体23を有することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、係止壁部にはガラスラン嵌合部の側縁部に被さるゴム又は熱可塑性エラストマー製のカバーリップが一体形成されることを特徴とし、
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、カバーリップにはドアガラスに両面より弾接するシールリップが一体形成されることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、前記シールリップのうち、車外側のシールリップは、前記略逆V形溝の溝底方向と逆方向に延出する外側シールリップを有することを特徴とする。
請求項1に係る発明のガラスランによると、保持部と係止部の基本構造で構成され、図2に示すガラスランに比べ、構造がきわめて簡単で、軽量化される。また係止壁部を両側より押込み或いは押込みを解除することで幅方向の車内外方向に拡縮可能であり、ガラスラン嵌合部に装着するときには、係止壁を両側より押し込んで車内外方向の幅方向に縮めることによりガラスラン嵌合部に容易に装着でき、装着後は保持部でドアガラスを閉じたときの該ドアガラス端部を差込んで挟持することで、シールと共にドアガラスの保持を行ってラトル音を防止することができる。
請求項2に係る発明のガラスランによると、カバーリップがガラスラン嵌合部の側縁部に被さることで該側縁部が覆い隠され、外観を向上させると共に、ガラスランの保持が助勢され、ガラスランの保持が安定化するようになる。
請求項3に係る発明のガラスランによると、ドアガラスとのシール性とドアガラスの保持力が向上する。
自動車用ドアでは走行時、フロントドアのリヤ側とリヤドアのリヤ側において特に、ドアガラスに沿い、センターピラーとリヤピラーに向う風がドアガラスとシールリップの間に巻き込まれることによる風切り音を発生し易いが、請求項4に係る発明のガラスのように、保持部の溝底方向と逆向きに延出する車外側のシールリップを有すると、走行時に風がシールリップとドアガラスとの間に巻き込まれにくくなり、風切り音を低減させることができる。
自動車の側面図。 図1のA−A線での断面図。 図1のA−A線での本発明に係るガラスランの断面図。 同ガラスランの別の実施形態の断面図。 同ガラスランの更に別の実施形態の断面図。 同ガラスランの他の実施形態の断面図。
以下、本発明の実施形態のガラスランについて図面により説明する。図中、図2に示す構造と同一構造部分には、同一符号を付してある。
図3に示すガラスラン21は、前述のガラスラン1と同様、サッシュ4に形成されるガラスラン嵌合部14に装着されるもので、一対の脚部22aを略山形に連結して断面略逆V形溝を構成する保持部22と、該保持部22を構成する両脚部22aの脚部端よりそれぞれ保持部22両外側に折り返される車内側の係止壁部22b及び車外側の係止壁部22cと、保持部22の頂部近くよりガラスラン嵌合部14に突出して横向きに折曲げられる係止リップ22dよりなり、両係止壁部22b及び22cにはそれぞれ先端側に両外側に突出し、ガラスラン嵌合部14の両側壁の被係止部に係着する係止部22e、22fを一体形成し、硬質樹脂のバネ体で構成され、全体が断面略W形をなすガラスラン本体23と、車内側の係止壁部22bより車内側に向けて一体に突出形成される略U形断面のカバーリップ24と、車外側の係止壁部22cより車外側に向けて一体に突出形成される断面略レ形のカバーリップ25よりなり、これらカバーリップ24及び25は、いずれもゴム様弾性体であるEPDM等のゴム又は熱可塑性エラストマーにより形成されている。
自動車用ドアのサッシュに形成されるガラスラン嵌合部14は凹溝状で、ガラスラン嵌合部14を構成する車内側及び車外側の側壁部はいずれも形状を多少異にするが、段27a、27bを備えた被係止部となっている。
ガラスラン21をサッシュのガラスラン嵌合部14に装着するときには、両係止壁部22b及び22cを内向きに両側より押込んでガラスラン本体23の車内外方向の幅を窄め、ガラスラン嵌合部14に押込む。この押込みは係止部22e、22fがガラスラン嵌合部14の車内側及び車外側の側壁部の段27a、27bに係止して抜け止めされるまで行われ、抜け止めされた状態で車内側の係止壁部22b及び車外側の係止壁部22cがガラスラン嵌合部14の両側壁部の被係止部に係着し、かつ係止リップ22dがガラスラン嵌合部14底に当り、保持部22を図3の上下方向に弾力的に支持する。
ガラスラン21の前述する押込みによってまた、カバーリップ24が前記フランジ15に差込まれると共に、カバーリップ25がガラスラン嵌合部14の車外側縁部に弾接し、嵌合部14の両側縁を覆って外観を向上させると共に、ガラスラン21の保持機能を果たし、ガラスラン21の保持を安定化させる。
ドアガラス9を閉じるときには、図示するようにドアガラス端部が保持部22の略逆V形溝内に押込まれ、保持部22がドアガラス端部を巻き込んで挟持し、ドアガラス9を保持する。
前記実施形態のガラスラン21はポリエチレン、ポリプロピレン、硬度90A以上の熱可塑性エラストマー等の硬質樹脂で形成されているが、鋼等の金属製であってもよく、また樹脂と金属の二層構造をなしていてもよい。いずれにしても略逆V形溝を構成する保持部内面のうち、少なくともドアガラスを閉じたとき、ドアガラス端部と接触する部分は、ドアガラス端部が当たっても衝突音を発生させず、またドアガラスの開閉がスムースに行えるように摺動抵抗の小さな材質で形成するか、或いは摺動抵抗の小さな樹脂をコーティングしておくのが望ましい。
前記実施形態のガラスラン21はまた、カバーリップ24及び25を有しているが、別の実施形態のガラスランではカバーリップ24及び25が省かれ、ガラスラン本体23のみで構成される。
図4に示すガラスラン31は、図3に示すグラスラン21において、カバーリップ24及び25の内側(ガラス側)の側面24Iと25Iより内向きに、保持部22内に向けて延出するシールリップ32及び33を一体形成し、該シールリップ32及び33がドアガラス9に両面より弾接してドアガラス9を支持すると共に、シールするようになっている。
図5に示すガラスラン36は、図2に示すグラスラン21において、車外側のシールリップ33を保持部22の頂部とは逆向きの図の下方に向けて延出した外側シールリップ37としたもので、ドアガラス9を閉じて走行するときに風がドアガラス9とシールリップ37との間に巻き込まれて生ずる風切音を図4に示すものよりも低減させることができるようにしている。
図6に示すガラスラン41は、図4に示すグラスラン31において、車外側のカバーリップ25にシールリップ33と共に、図5に示す外側シールリップ37を一体形成したもので、本実施形態のガラスラン41も図5に示すガラスラン36と同様の効果を生じ、風切音を低減させることができる。
前記実施形態では、図1のA−A線断面であるフロントドアのセンターピラー側のガラスランを示したが、ピラー側だけでなく、例えば図1においてBで示す箇所、つまりルーフ側に取付けられるガラスランを前記ガラスランと同様に構成してもよい。
4・・サッシュ
9・・ドアガラス
14・・ガラスラン嵌合部
15・・フランジ
21、31、36、41・・ガラスラン
22・・保持部
22b・・車内側の係止壁部
22c・・車外側の係止壁部
22d・・係止リップ
23・・ガラスラン本体
24、25・・カバーリップ
32、33、37・・シールリップ

Claims (4)

  1. 自動車用ドアのサッシュ4又はフレームに形成のガラスラン嵌合部14に装着されるガラスラン21、31、36、41であって、一対の脚部22aを略山形に連結して断面略逆V形溝を構成し、溝底部分でドアガラス9の端部を差込んで挟持する保持部22と、該保持部22を構成する両脚部22aの脚部端よりそれぞれ保持部22の両外側に折り返されて外向きに拡開し、ガラスラン21、31、36、41をガラスラン嵌合部14に装着したとき、それぞれが前記ガラスラン嵌合部14の被係止部に係止する係止壁部22b、22cと、前記略山形状をなす保持部22の頂部近くより頂部を越え、湾曲して延びてガラスラン嵌合部14底に当り、前記保持部22をドアガラス9の閉じる方向に弾力的に支持する係止リップ22dを備え、全体が断面略W形のバネ体で、JISA90以上の硬度の硬質材料で構成されるガラスラン本体23を有することを特徴とするガラスラン。
  2. 前記係止壁部22b、22cにはガラスラン嵌合部14の側縁部に被さるゴム又は熱可塑性エラストマー製のカバーリップ24、25が一体形成されることを特徴とする請求項1記載のガラスラン。
  3. 前記カバーリップ24、25にはドアガラス9に両面より弾接するシールリップ32、33が一体形成されることを特徴とする請求項2記載のガラスラン。
  4. 前記シールリップのうち、車外側のシールリップは前記略逆V形溝の溝底方向と逆方向に延出する外側シールリップ37を有することを特徴とする請求項3記載のガラスラン。
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