JP2015048464A - タルクマスターバッチ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タルクをポリエステル樹脂でマスターバッチ化したタルクマスターバッチであって、タルクの高濃度配合が可能であり、かつマスターバッチ化に用いたポリエステル樹脂の劣化の問題がなく、マスターバッチ自体の熱安定性、滞留熱安定性にも優れたタルクマスターバッチを提供する。【解決手段】ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)とを二軸押出機を用いて溶融混練してなり、ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)との合計100質量部におけるタルク(B)の含有割合が5〜60質量部であり、タルク(B)として、平均粒子径0.1〜10μmのタルク粒子を、嵩密度0.4〜1.5g/mlに造粒した顆粒状タルクを用いたことを特徴とするタルクマスターバッチ。【選択図】なし

Description

本発明は、タルクをポリエステル樹脂でマスターバッチ化したタルクマスターバッチ及びその製造方法に係り、特にタルクの高濃度配合が可能であり、かつマスターバッチ化に用いたポリエステル樹脂の劣化の問題がなく、マスターバッチ自体の熱安定性、滞留熱安定性にも優れたタルクマスターバッチと、このタルクマスターバッチを製造する方法に関する。
ポリカーボネート樹脂、特に、芳香族ポリカーボネート樹脂は、汎用エンジニアリングプラスチックとして透明性、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性などに優れ、その優れた特性から、電気・電子・OA機器部品、機械部品、車輌用部品等の幅広い分野で使用されている。また、芳香族ポリカーボネート樹脂の剛性、寸法安定性を向上させる方法としては、ガラス繊維やタルクなどの無機強化材を含有させることが行われている。
このうち、タルクは、無機強化材として一般的に用いられるガラス繊維と比較して、1)良外観が得られる、2)剛性と衝撃のバランスが良い、3)成形機スクリューや金型の摩耗が少ない、といった利点がある。
しかし、タルクはそれ自体強アルカリ性の性質を持つため、ポリカーボネート樹脂に配合した場合、樹脂の分解に伴う熱安定性及び機械的物性の低下や、シルバーストリーク等の外観上の問題があった。
従来、タルクによる上記の問題を解決するために、次のような検討がなされているが、いずれも熱安定性、特に滞留熱安定性の改善効果は不十分であった。
(1)特定のリン系安定剤の添加(特許文献1、2)
(2)タルクの表面処理(特許文献3)
(3)タルクの圧縮化(特許文献4、5)
なお、本発明でマスターバッチ化する顆粒状タルクを芳香族ポリカーボネート樹脂に配合した樹脂組成物については、特許文献6〜8に提案がなされているが、特許文献6〜8には顆粒状タルクをマスターバッチ化するという技術思想はない。
また、特許文献9〜12には、ポリプロピレン系樹脂に配合されるタルクマスターバッチについての提案がなされているが、タルクを造粒して顆粒状タルクとしたものをマスターバッチ化するという技術思想はなく、また、特許文献9〜12において、タルクのマスターバッチ化に用いられる樹脂はオレフィン系エラストマー或いはオレフィン系樹脂であり、タルクをポリエステル樹脂でマスターバッチ化したものは提案されていない。
特開平5−222283号公報 特開平6−49343号公報 特開平8−127711号公報 特開平8−176339号公報 特開平10−101914号公報 特開2007−238684号公報 特開2007−238685号公報 特開2007−314766号公報 特開2000−273190号公報 特開2002−69204号公報 特開2003−165847号公報 特開2004−168876号公報
本発明は、タルクをポリエステル樹脂でマスターバッチ化したタルクマスターバッチであって、タルクの高濃度配合が可能であり、かつマスターバッチ化に用いたポリエステル樹脂の劣化の問題がなく、マスターバッチ自体の熱安定性、滞留熱安定性にも優れたタルクマスターバッチと、このタルクマスターバッチを製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者は、タルクをポリカーボネート樹脂等の樹脂に配合した場合の樹脂の分解の問題を解決すべく、タルクをマスターバッチ化する技術について検討する過程において、マスターバッチ化のための樹脂として、ポリエステル樹脂を用いることを試みた。タルクは、ポリエステル樹脂のような結晶性樹脂に対して均一に分散し易く、タルクのマスターバッチ化の樹脂としてポリエステル樹脂は好適である。また、ポリエステル樹脂は、耐薬品性の改善のためにポリカーボネート樹脂に配合される樹脂でもあり、各種の樹脂への配合に好適である。しかし、通常のタルクではポリエステル樹脂によるマスターバッチ化が困難であり、また、タルクとポリエステル樹脂との溶融混練工程においても工夫が必要であることを知見し、更に検討を重ねた結果、タルクとして特定の顆粒状タルクを用い、これを二軸押出機を用いて強い剪断力を付与しながら溶融混練することにより、ポリエステル樹脂によるマスターバッチ化が可能となり、マスターバッチ化に用いたポリエステル樹脂の劣化の問題もなく、タルクを高濃度で含むタルクマスターバッチを製造することができることを見出した。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)とを二軸押出機を用いて溶融混練してなり、ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)との合計100質量部におけるタルク(B)の含有割合が5〜60質量部であり、タルク(B)として、平均粒子径0.1〜10μmのタルク粒子を、嵩密度0.4〜1.5g/mlに造粒した顆粒状タルクを用いたことを特徴とするタルクマスターバッチ。
[2] [1]において、更に下記一般式(1)で表される有機リン酸エステル化合物(C)を含み、ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)と有機リン酸エステル化合物(C)との合計100質量部におけるタルク(B)の含有割合が5〜60質量部で、有機リン酸エステル化合物(C)の含有割合が0.02〜3質量部であることを特徴とするタルクマスターバッチ。
(RO)P(O)(OH)3−n …(1)
(式中、Rは総炭素数が2〜25の、置換基を有していてもよいアルキル基を表し、nは1又は2を表す。但しnが2の場合に2つのRは同一であってもよく、相互に異なっていてもよい。)
[3] [1]又は[2]において、ポリエステル樹脂(A)が、重縮合触媒の失活処理がなされたポリエチレンテレフタレートであることを特徴とするタルクマスターバッチ。
[4] [2]において、ポリエステル樹脂(A)がポリブチレンテレフタレートであることを特徴とするタルクマスターバッチ。
[5] [1]ないし[4]のいずれかにおいて、前記顆粒状タルクが、バインダーを用いて造粒されたものであり、顆粒状タルク中のバインダーの含有量が、0.01〜5質量%であることを特徴とするタルクマスターバッチ。
[6] [1]ないし[5]のいずれかにおいて、前記顆粒状タルクの粒度において、目開き500μm篩上の割合が55質量%以上であることを特徴とするタルクマスターバッチ。
[7] ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)とを、二軸押出機を用いて溶融混練することにより、ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)とを含むマスターバッチを製造する方法であって、ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)との合計100質量部におけるタルク(B)の配合割合を5〜60質量部とし、タルク(B)として、平均粒子径0.1〜10μmのタルク粒子を、嵩密度0.4〜1.5g/mlに造粒した顆粒状タルクを用いることを特徴とするタルクマスターバッチの製造方法。
[8] [7]において、更に下記一般式(1)で表される有機リン酸エステル化合物(C)を、ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)と有機リン酸エステル化合物(C)との合計100質量部におけるタルク(B)の含有割合が5〜60質量部で、有機リン酸エステル化合物(C)の含有割合が0.02〜3質量部となるように溶融混練することを特徴とするタルクマスターバッチの製造方法。
(RO)P(O)(OH)3−n …(1)
(式中、Rは総炭素数が2〜25の、置換基を有していてもよいアルキル基を表し、nは1又は2を表す。但しnが2の場合に2つのRは同一であってもよく、相互に異なっていてもよい。)
[9] [7]又は[8]において、ポリエステル樹脂(A)が、重縮合触媒の失活処理がなされたポリエチレンテレフタレートであることを特徴とするタルクマスターバッチの製造方法。
[10] [8]において、ポリエステル樹脂(A)がポリブチレンテレフタレートであることを特徴とするタルクマスターバッチの製造方法。
[11] [7]ないし[10]のいずれかにおいて、前記顆粒状タルクが、バインダーを用いて造粒されたものであり、顆粒状タルク中のバインダーの含有量が、0.01〜5質量%であることを特徴とするタルクマスターバッチの製造方法。
[12] [7]ないし[11]のいずれかにおいて、前記顆粒状タルクの粒度において、目開き500μm篩上の割合が55質量%以上であることを特徴とするタルクマスターバッチの製造方法。
本発明によれば、タルクをポリエステル樹脂でマスターバッチ化したタルクマスターバッチであって、タルクの高濃度配合が可能であり、かつマスターバッチ化に用いたポリエステル樹脂の劣化の問題がなく、マスターバッチ自体の熱安定性、滞留熱安定性にも優れたタルクマスターバッチが提供される。
本発明のタルクマスターバッチは、芳香族ポリカーボネート樹脂等のポリカーボネート樹脂をはじめとして各種の樹脂の無機強化材として用いることができ、タルクによる樹脂の分解に起因する熱安定性及び機械的物性の低下や、シルバーストリーク等の外観上の問題を改善することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
[ポリエステル樹脂(A)]
本発明においては、タルク(B)のマスターバッチ化に、ポリエステル樹脂(A)を用いる。
これは、ポリエステル樹脂は、一般的に結晶性の樹脂であり、溶融時の粘度が低いため、高濃度のマスターバッチを製造する際の加工性が良く、ポリスチレンやABS等の他の樹脂に比べて、耐熱性の点において、好ましいことによる。
本発明において、タルク(B)のマスターバッチ化に用いるポリエステル樹脂(A)としては、従来公知の任意のポリエステル樹脂を使用できるが、中でも芳香族ポリエステル樹脂が好ましい。ここで芳香族ポリエステル樹脂とは、芳香環を重合体の連鎖単位に有するポリエステル樹脂を示し、例えば、芳香族ジカルボン酸成分と、ジオール(及び/又はそのエステルやハロゲン化物)成分とを主成分とし、これらを重縮合して得られる重合体又は共重合体である。
芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル−2,2'−ジカルボン酸、ビフェニル−3,3'−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4'−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4'−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4'−ジカルボン酸、ジフェニルイソプロピリデン−4,4'−ジカルボン酸、アントラセン−2,5−ジカルボン酸、アントラセン−2,6−ジカルボン酸、p−ターフェニレン−4,4'−ジカルボン酸、ピリジン−2,5−ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ダイマー酸等が挙げられる。
これら芳香族ジカルボン酸成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の割合で併用してもよい。これら芳香族ジカルボン酸の中では、テレフタル酸が好ましい。尚、本発明の効果を損なわない範囲で、これら芳香族ジカルボン酸と共に、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、セバシン酸、ダイマー酸等の脂環式ジカルボン酸を併用してもよい。
ジオール成分としては、脂肪族グリコール類、ポリオキシアルキレングリコール類、脂環式ジオール類、芳香族ジオール類等が挙げられる。脂肪族グリコール類としては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール等の炭素数2〜20のものが挙げられ、中でも炭素数2〜12、特に炭素数2〜10の脂肪族グリコール類が好ましい。
ポリオキシアルキレングリコール類としては、アルキレン基の炭素数が2〜4で、複数のオキシアルキレン単位を有するグリコール類、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジテトラメチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、トリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
脂環式ジオール類としては、例えば1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメチロール、水素化ビスフェノールA等が挙げられる。また芳香族ジオール類としては、2,2−ビス−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパン、キシリレングリコール等が挙げられる。
その他のジオール成分としては上述したジオール類のエステルや、ハロゲン化物、例えばテトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなど)付加物などのハロゲン化ジオール類が挙げられる。これらのジオール成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の割合で併用してもよい。また少量であれば、分子量400〜6000の長鎖ジオール類、例えば、ポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を用いてもよい。
本発明に用いる芳香族ポリエステル樹脂としては、ポリアルキレンテレフタレートが好ましい。ここで、ポリアルキレンテレフタレートとは、アルキレンテレフタレート構成単位を含む樹脂をいい、アルキレンテレフタレート構成単位と他の構成単位との共重合体であってもよい。
本発明に用いるポリアルキレンテレフタレートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリ(シクロヘキサン−1,4−ジメチレン−テレフタレート)、ポリトリメチレンテレフタレート等が挙げられる。
また、本発明に用いるポリアルキレンテレフタレートとして、上記の他、アルキレンテレフタレート構成単位を主構成単位とするアルキレンテレフタレート共重合体や、ポリアルキレンテレフタレートを主成分とするポリアルキレンテレフタレート混合物が挙げられる。さらに、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)等のエラストマー成分を含有又は共重合したものも用いることができる。
アルキレンテレフタレートコポリエステルとしては、2種以上のジオール成分とテレフタル酸からなるコポリエステルや、ジオール成分とテレフタル酸、及びテレフタル酸以外のジカルボン酸からなるコポリエステルが挙げられる。ジオール成分を2種以上用いる場合には、上述したジオール成分から適宜選択して決定すればよいが、主構成単位であるアルキレンテレフタレートに共重合されるモノマー単位を、25質量%以下とすることで、耐熱性が良好となるので好ましい。
例えば、エチレングリコール/イソフタル酸/テレフタル酸共重合体(イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート)や、1,4−ブタンジオール/イソフタル酸/テレフタル酸共重合体(イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート)等の、アルキレンテレフタレート構成単位を主構成単位とする、アルキレンテレフタレートコポリエステルの他に、1,4−ブタンジオール/イソフタル酸/デカンジカルボン酸共重合体等が挙げられ、中でもアルキレンテレフタレートコポリエステルが好ましい。
本発明に用いるポリエステル樹脂(A)としては、アルキレンテレフタレートのコポリエステルを用いる場合には、上述のイソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレートや、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートなどが好ましく、特にこれらの内、耐熱性の観点から、イソフタル酸成分が25質量%以下のものが好ましい。
<ポリエチレンテレフタレート>
ポリエステル樹脂(A)としては、特にポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。ここで、ポリエチレンテレフタレートとは、全構成繰り返し単位に対するテレフタル酸及びエチレングリコールからなるオキシエチレンオキシテレフタロイル単位(以下「ET単位」と称す場合がある。)の比率(以下「ET比率」と称す場合がある。)が好ましくは90当量%以上であるポリエチレンテレフタレート樹脂であり、本発明におけるポリエチレンテレフタレートはET単位以外の構成繰り返し単位を10当量%未満の範囲で含んでいてもよい。本発明におけるポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸又はその低級アルキルエステルとエチレングリコールとを主たる原料として製造されるが、他の酸成分及び/又は他のグリコール成分を併せて原料として用いてもよい。
テレフタル酸以外の酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸及びこれらの構造異性体、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等のジカルボン酸及びその誘導体、p−ヒドロキシ安息香酸、グリコール酸等のオキシ酸又はその誘導体が挙げられる。
また、エチレングリコール以外のジオール成分としては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族ジヒドロキシ化合物誘導体等が挙げられる。
上記の様なテレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールとを含む原料は、エステル化触媒又はエステル交換触媒の存在下におけるエステル化反応又はエステル交換反応により、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及び/又はそのオリゴマーを形成させ、その後、重縮合触媒及び安定剤の存在下で高温減圧下に溶融重縮合を行ってポリマーとされる。
エステル化触媒は、テレフタル酸がエステル化反応の自己触媒となるため特に使用する必要はない。また、エステル化反応は、エステル化触媒と後述する重縮合触媒の共存下に実施することも可能であり、また、少量の無機酸等の存在下に実施することができる。エステル交換触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、亜鉛、マンガン等の金属化合物が好ましく使用されるが、中でも得られるポリエチレンテレフタレートの外観上、マンガン化合物が特に好ましい。
重縮合触媒としては、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、コバルト化合物、錫化合物等の反応系に可溶な化合物が単独又は組み合わせて使用される。重縮合触媒としては、色調及び透明性等の観点から二酸化ゲルマニウムが特に好ましい。これらの重縮合触媒には重合中の分解反応を抑制するために安定剤を併用してもよく、安定剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類、トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイト等の亜リン酸エステル類、メチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート酸性リン酸エステル、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸等のリン化合物の1種又は2種以上が好ましい。
上記の触媒の使用割合は、全重合原料中、触媒中の金属の重量として、通常1〜2000ppm、好ましくは3〜500ppmの範囲とされ、安定剤の使用割合は、全重合原料中、安定剤中のリン原子の重量として、通常10〜1000ppm、好ましくは20〜200ppmの範囲とされる。触媒及び安定剤の供給は、原料スラリー調製時の他、エステル化反応又はエステル交換反応の任意の段階において行うことができる。更に、重縮合反応工程の初期に供給することもできる。
エステル化反応又はエステル交換反応時の反応温度は、通常240〜280℃であり、反応圧力は通常、大気に対する相対圧力として0.2〜3kg/cmG(20〜300kPa)である。また、重縮合時の反応温度は、通常250〜300℃であり、反応圧力は通常、絶対圧力として500〜0.1mmHg(67〜0.013kPa)である。この様なエステル化又はエステル交換反応及び重縮合反応は、一段で行っても、複数段階に分けて行ってもよい。この様にして得られるポリエチレンテレフタレートは、極限粘度が通常0.45〜0.70dl/gであり、常法によりチップ化される。このチップの平均粒径は、通常2.0〜5.5mm、好ましくは2.2〜4.0mmの範囲とされる。
次に、上記の様に溶融重縮合により得られたポリマーは、通常固相重合に供される。固相重合に供されるポリマーチップは、予め固相重合を行う温度より低い温度に加熱して予備結晶化を行った後、固相重合に供されてもよい。この様な予備結晶化は、(a)乾燥状態のポリマーチップを、通常120〜200℃、好ましくは130〜180℃の温度で1分間〜4時間加熱する方法、(b)乾燥状態のポリマーチップを、水蒸気又は水蒸気含有不活性ガス雰囲気下で、通常120〜200℃の温度で1分間以上加熱する方法、(c)水、水蒸気又は水蒸気含有不活性ガス雰囲気下で吸湿させ調湿したポリマーチップを、通常120〜200℃の温度で1分間以上加熱する方法等によって行うことができる。ポリマーチップの調湿は、その含水分が通常100〜10000ppm、好ましくは1000〜5000ppmの範囲となる様に実施される。調湿したポリマーチップを結晶化や固相重合に供することにより、PETに含まれるアセトアルデヒドや微量に含まれる不純物の量を一層低減化することが可能である。
固相重合工程は、少なくとも一段からなり、通常190〜230℃、好ましくは195〜225℃の重合温度、通常1kg/cmG〜10mmHg(絶対圧力として200〜1.3kPa)、好ましくは0.5kg/cmG〜100mmHg(絶対圧力として150〜13kPa)の重合圧力の条件下、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガス流通下で実施される。固相重合時間は、温度が高いほど短時間でよいが、通常1〜50時間、好ましくは5〜30時間、更に好ましくは10〜25時間である。固相重合により得られたポリマーの極限粘度は、通常0.70〜0.90dl/gの範囲である。
本発明に用いるポリエチレンテレフタレートの固有粘度は、適宜選択して決定すればよいが、通常0.5〜2dl/g、中でも0.6〜1.5dl/g、特には0.7〜1.0dl/gであることが好ましい。固有粘度を0.5dl/g以上、特には0.7dl/g以上とすることで、本発明のタルクマスターバッチにおける機械的特性や、滞留熱安定性、耐薬品性、耐湿熱性が向上する傾向にあり好ましい。逆に固有粘度を2dl/g以下、特には1.0dl/g以下とすることでタルクマスターバッチ製造時の樹脂の加工性が向上する傾向にあり好ましい。
本発明において、ポリエチレンテレフタレートの固有粘度は、フェノール/テトラクロルエタン(重量比1/1)の混合溶媒を使用し、30℃で測定した値である。
本発明に用いるポリエチレンテレフタレートの末端カルボキシル基の濃度は、通常1〜60μeq/gであり、中でも3〜50μeq/g、更には5〜40μeq/gであることが好ましい。末端カルボキシル基濃度を60μeq/g以下とすることで、タルクマスターバッチの耐熱性、滞留熱安定性や色相が向上する傾向にあり、逆に末端カルボキシル基濃度を1μeq/g以上とすることで、タルクマスターバッチ製造時の加工性が向上する傾向にあり、好ましい。
なお、ポリエチレンテレフタレートの末端カルボキシル基濃度は、ベンジルアルコール25mLにポリエチレンテレフタレート0.5gを溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/Lベンジルアルコール溶液を使用して滴定することにより求めることができる。
ところで、ポリカーボネート樹脂にポリエステル樹脂を複合化して得られる樹脂組成物は熱安定性が悪く、成形工程においてシリンダー内で高温に保持されることにより、ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂とでエステル交換反応を起こし、反応による分解ガスの発生で泡、シルバーと称される成形品の外観不良の原因となる;ポリカーボネート樹脂の分子量低下によりポリカーボネート樹脂本来の耐衝撃性、耐熱変形性等が損なわれる;更には、高温下での滞留によりポリカーボネート樹脂組成物の粘度変化が生じることにより射出成形時の成形安定性が損なわれ、成形品のショートショットやバリが発生する;といった問題が起こる。
この滞留熱劣化の問題は、ポリエチレンテレフタレートの製造工程で使用され、製品として提供されるポリエチレンテレフタレート中に含有される重縮合触媒に起因するものである。
この重縮合触媒に起因する問題が比較的少ない点において、本発明で用いるポリエチレンテレフタレートは、重縮合触媒としてゲルマニウム化合物を用いて製造されたポリエチレンテレフタレートであって、ポリエチレンテレフタレート中のゲルマニウム化合物含有量がゲルマニウム原子として1〜50ppm、特に1〜30ppm程度であるものが好ましい。即ち、例えば、本発明のタルクマスターバッチをポリカーボネート樹脂に配合した場合、ゲルマニウム化合物は、ポリカーボネート樹脂に対する悪影響が少なく、ポリカーボネート樹脂を劣化させ難い点において好ましい。また、重縮合触媒としてゲルマニウム化合物を用いたポリエチレンテレフタレートでは、マスターバッチ化の溶融混練工程において、マスターバッチの色相が良好である点においても好ましい。
同様の理由から、本発明で用いるポリエチレンテレフタレートは、重縮合触媒としてアンチモン化合物を用いて製造されたポリエチレンテレフタレートであって、ポリエチレンテレフタレート中のアンチモン化合物含有量がアンチモン原子として100〜300ppm、特に150〜250ppm程度であるものが好ましい。
また、本発明で用いるポリエチレンテレフタレートは、重縮合触媒の失活処理を施したものであることが、重縮合触媒に起因するポリカーボネート樹脂の滞留熱劣化をより一層確実に抑制し得る点において好ましい。
また、重縮合触媒の失活処理を施したポリエチレンテレフタレートは、タルク(B)とポリエチレンテレフタレートとを二軸押出機を用いて溶融混練する過程において、加工時の耐熱性に優れ、色相が良好である点においても好ましい。
ポリエチレンテレフタレート樹脂の重縮合触媒の失活処理方法としては、特に制限はなく、用いた重縮合触媒に応じて従来公知の失活処理を施すことができる。この失活処理方法としては、例えば、以下のような方法が挙げられる。
重縮合触媒の失活処理方法1:ゲルマニウム触媒の熱水(蒸気)処理
ポリエチレンテレフタレートを熱水(蒸気)処理してポリエチレンテレフタレート中のゲルマニウム触媒を失活させる方法。
具体的には、ポリエチレンテレフタレートを容器に充填し、70〜150℃、例えば約100℃の水蒸気をポリエチレンテレフタレートに対して毎時1〜100質量%の量で5〜6000分間通蒸して、蒸気処理を行った後乾燥する。
ポリエチレンテレフタレートを容器内でポリエチレンテレフタレートの0.3〜10質量倍の蒸留水に浸漬させ、次に、ポリエチレンテレフタレート及び蒸留水が入った容器を外部より加熱し、内温を70〜110℃にコントロールし、3〜3000分間保持して熱水処理を行なった後、脱水し、乾燥する。
上記乾燥は、通常、窒素等の不活性ガス中、120〜180℃で3〜8時間行われる。
重縮合触媒の失活処理方法2:チタニウム触媒へのリン化合物添加
ポリエチレンテレフタレートにリン化合物を添加して、ポリエチレンテレフタレート中のチタニウム触媒を失活させる。この場合、リン原子の添加量は、ポリエチレンテレフタレートの質量を基準として7〜145ppmの範囲であることが好ましい。リン化合物の添加量が7ppm以上であると、触媒の失活を十分に行って、目的とする効果を得ることができ、リン原子の添加量が145ppm以下であると、リン化合物自体が粗大凝集粒子となって、外観不良や耐衝撃性の低下といった問題が生じることが防止される。
なお、添加するリン化合物としては、従来公知のリン酸エステル化合物類や亜リン酸エステル化合物類、ホスホネート化合物類等が挙げられる。中でも下記一般式(2)で表されるホスホネート化合物が好適である。
OC(O)XP(O)(OR …(2)
(式中、R及びRは炭素数1〜4のアルキル基、Xは−CH−又は−CH(Y)−(Yはフェニル基を示す。)であり、R及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
上記式(2)で表されるホスホネート化合物の中でも、アルキルホスホネート化合物が好ましく例示され、これらの中でも特にトリエチルホスホノ酢酸が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエチレンテレフタレートの重縮合触媒の失活処理方法は、本発明で採用し得る失活処理の一例であって、本発明に係る失活処理は何ら上記の方法に限定されるものではない。
以下において、重縮合触媒の失活処理を施したポリエチレンテレフタレートを「失活PET」と称し、未処理のポリエチレンテレフタレートを「未処理PET」と称す。
本発明で用いる失活PETは、上述のようなポリエチレンテレフタレート中の重縮合触媒の失活処理がなされることによって、下記式(3)で算出される固相重合速度Ksが0.006(dl/g・hr)以下、特に0.005(dl/g・hr)以下、とりわけ0.001〜0.004(dl/g・hr)程度となったものが好ましい。
固相重合速度Ks=([η]s−[η]m)/T …(3)
ここで、[η]sは、当該ポリエチレンテレフタレートを窒素気流下210℃で3時間保持した後の該ポリエチレンテレフタレートの固有粘度(dl/g)であり、[η]mは、当該ポリエチレンテレフタレートを窒素気流下210℃で2時間保持した後の該ポリエチレンテレフタレートの固有粘度(dl/g)である。Tは1(時間)である。即ち、本発明では、窒素気流下210℃にて3時間保持した後の固有粘度を[η]s、そして同条件下で2時間保持した後の固有粘度を[η]mとし、これらの値を用いて、上述した(3)式により算出した固相重合速度Ksを、固相重合速度Ksとした。そしてTは1時間となる。
失活PETの固相重合速度Ksが0.006(dl/g・hr)以下であると、重縮合触媒の失活処理が十分であり、滞留熱劣化の抑制効果を十分に得ることができる。ただし、固相重合速度Ksを過度に小さくすることは困難であり、通常0.001(dl/g・hr)以上である。
<ポリブチレンテレフタレート>
ポリエステル樹脂(A)としては、ポリブチレンテレフタレートを用いてもよい。ここで、ポリブチレンテレフタレートとは、テレフタル酸単位及び1,4−ブタンジオール単位がエステル結合した構造を有する樹脂をいう。本発明では、ジカルボン酸単位の50モル%以上がテレフタル酸単位であり、ジオール成分の50モル%以上が1,4−ブタンジオール単位であるポリブチレンテレフタレートを用いるのが好ましい。全ジカルボン酸単位中のテレフタル酸単位の割合は、好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上、特に好ましくは95モル%以上、最適には98モル%以上である。全ジオール単位中の1,4−ブタンジオール単位の割合は、好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上、特に好ましくは95モル%以上、最適には98モル%以上である。テレフタル酸単位又は1,4−ブタンジオール単位が上記範囲であると、結晶化速度が適切な範囲であるので、成形性が良好となる。
上記した通り、ポリブチレンテレフタレートは、テレフタル酸以外のジカルボン酸単位を含んでいてもよい。テレフタル酸以外のジカルボン酸については特に制限はなく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4'−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4'−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸;などを挙げることができる。これらのジカルボン酸単位は、ジカルボン酸、又は、ジカルボン酸エステル、ジカルボン酸ハライド等のジカルボン酸誘導体を原料として用いることで、ポリマー骨格に導入できる。
上記した通り、ポリブチレンテレフタレートは、1,4−ブタンジオール以外のジオール単位を含んでいてもよい。1,4−ブタンジオール以外のジオールについては特に制限はなく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ジブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等の脂肪族ジオール;1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール等の脂環式ジオール;キシリレングリコール、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等の芳香族ジオール;等を挙げることができる。
ポリブチレンテレフタレートは、更に、乳酸、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸;アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸などの単官能化合物;トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の三官能以上の多官能化合物;などから誘導される単位を含んでいてもよい。
本発明に用いるポリブチレンテレフタレートの固有粘度については特に制限はないが、機械的性質の観点から下限値が、成形加工性の観点から上限値が決定されてもよい。ポリブチレンテレフタレートの固有粘度は、0.70〜3.0dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.80〜1.5dl/g、特に好ましくは0.80〜1.2dl/gである。固有粘度が、前記範囲であると、良好な機械的性質を発揮できるとともに、良好な成形加工性が得られる。なお、上記固有粘度の値は、1,1,2,2−テトラクロロエタン/フェノール=1/1(重量比)の混合溶媒を用いて、温度30℃で測定した値である。
本発明では、固有粘度の異なる2種以上のポリブチレンテレフタレートを併用してもよい。
本発明に用いるポリブチレンテレフタレートの末端カルボキシル基濃度は、120μeq/g以下であることが好ましく、更に好ましくは2〜80μeq/g、特に好ましくは5〜60μeq/gである。末端カルボキシル基濃度が120μeq/g以下であると、耐加水分解性及び流動性が良好になり、また2μeq/g以上であるのが、生産性の観点から好ましい。末端カルボキシル基濃度は、ポリブチレンテレフタレートをベンジルアルコールに溶解し、0.1N(mol/L)の水酸化ナトリウムの水溶液にて滴定して求めることができ、上記値は、1g当たりのカルボキシル基当量である。
[タルク(B)]
本発明のタルク(B)は、平均粒子径が0.1〜10μmのタルク粒子(以下「原料タルク」と称す場合がある。)を、嵩密度が0.4〜1.5g/mlとなるように造粒した顆粒状タルクである。タルク(B)として、このような顆粒状タルクを用いることにより、マスターバッチ製造時の加工性が向上し、高濃度タルク含有マスターバッチを製造することができ、また、マスターバッチ化して用いたポリエステル樹脂(A)の劣化を防止し良好なタルクマスターバッチを得ることができる。
タルクは、層状構造を持つ含水ケイ酸マグネシウムであって、化学式は4SiO・3MgO・HOで表され、通常SiOを58〜66質量%、MgOを28〜35質量%、HOを約5質量%含んでいる。その他少量成分として、Fe:0.03〜1.2質量%、Al:0.05〜1.5質量%、CaO:0.05〜1.2質量%、KO:0.2質量%以下、NaO:0.2質量%以下等を含有しており、比重は約2.7である。
造粒に用いる原料タルクの平均粒子径は0.1〜10μmであり、この原料タルクの平均粒子径は、中でも0.3〜8μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.7〜5μmである。この平均粒子径を0.1μm以上とすることでタルクマスターバッチ及びこのタルクマスターバッチを配合した樹脂組成物の熱安定性がより向上する傾向にあり、一方、平均粒子径を10μm以下とすることでタルクマスターバッチの加工性及びこのタルクマスターバッチを配合した樹脂組成物の成形品外観や剛性がより向上する傾向にある。ここで平均粒子径とは、X線透過による液相沈降方式で測定されたD50をいう。このような測定ができる装置としては、Sedigraph粒子径分析器(MicromeriticsInstruments社製「モデル5100」)が挙げられる。
タルク(B)として用いる顆粒状タルクは、ポリエステル樹脂(A)、及び本発明のタルクマスターバッチを配合する樹脂との親和性を高めるために、表面処理が施されていることが好ましい。表面処理剤としては、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のアルコール類、トリエチルアミン等のアルカノールアミン、オルガノポリシロキサン等の有機シリコーン系化合物、ステアリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩、ポリエチレンワックス、流動パラフィン等の炭化水素系滑剤、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸、ポリグリセリン及びそれらの誘導体、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等のカップリング剤から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
タルク(B)として用いる顆粒状タルクの嵩密度は、0.4〜1.5g/mlであり、好ましくは0.5〜1.3g/ml、特に好ましくは0.6〜1.1g/mlである。嵩密度を0.4g/ml以上とすることでタルクマスターバッチ及びこのタルクマスターバッチを配合した樹脂組成物の熱安定性や耐衝撃性がより向上する傾向にあり、一方、嵩密度を1.5g/ml以下とすることでタルクマスターバッチの加工性及びこのタルクマスターバッチを配合した樹脂組成物の成形品外観や耐衝撃性がより向上する傾向にある。
ここで嵩密度とは、以下の方法により求めた値である。
(1)顆粒状タルクを目開きが1.4mmの篩上に載せ、ハケで均等に軽く掃きながら篩を通す。
(2)篩に通した顆粒状タルクをJISK5101に規定された嵩密度測定装置に付属する受器に山盛りになるまで投入する。
(3)受器の投入口から上部の山盛りになった顆粒状タルクをヘラで削り取り、受器内の顆粒状タルクの重量を測定し、下式にて嵩密度を算出する。
嵩密度(g/ml)=受器内の顆粒状タルクの重量(g)/受器の容量(ml)
また、タルク(B)として用いる顆粒状タルクの粒度は、目開き500μm篩上の割合として好ましくは55質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。顆粒状タルクの粒度において、目開き500μm篩上の割合が55質量%以上であることで、本発明のタルクマスターバッチ及びこのタルクマスターバッチを配合した樹脂組成物の熱安定性がより向上する傾向にある。
ここで顆粒状タルクの粒度は、JISZ8801に準拠して、以下の方法により求めた値である。
(1)顆粒状タルクを目開きが2mmの篩上に載せ、ハケで均等に軽く掃きながら篩を通す。
(2)篩に通した上記顆粒状タルクを200mlのビーカー一杯に入れ、吉田製作所製試料縮分器「13056号」(溝幅6mm)を用いて、30ml程度になるまで縮分を行う。
(3)目開き500μmの篩を用いて、縮分した上記顆粒状タルクの篩分けを行い、500μmの篩を通過しないもの(篩上)の重量を求め、全体量に対する割合を求める。なお、篩分けは、筒井理化学器機製「電磁式振動篩い器M−100形」を用い、振動数120回/秒で10分間行う。
顆粒状タルクの製造方法(造粒方法)は任意であり、従来公知の任意の造粒方法を使用できるが、原料タルクをバインダーを用いて造粒したものが、タルクマスターバッチ及びこのタルクマスターバッチを配合した樹脂組成物の熱安定性、耐衝撃性、剛性の点から好ましい。
顆粒状タルクを製造する際に用いるバインダーとしては、原料タルクの造粒性が高く、無色又は白色に近く、不活性で安定な物質であり、タルクマスターバッチ及びこのタルクマスターバッチを配合して得られる樹脂組成物の物性を低下させないものが望ましい。具体的には、ベントナイトなど湿潤状態下で高い粘結性を示す粘土鉱物、コロイダルシリカ、石膏、水溶性高分子、ワックス、高級脂肪酸、樹脂粉末などが挙げられる。これらの中で、タルクマスターバッチ及び樹脂組成物の熱安定性、耐衝撃性、剛性の点から粘土鉱物、水溶性高分子が好ましく、より好ましくは水溶性高分子である。
水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、多糖類(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロプルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース系誘導体や澱粉等)、タンパク質(ゼラチン、膠等)、ジカルボン酸類またはその反応性誘導体からなるジカルボン酸成分と、ジオ−ル類またはそのエステル誘導体からなるジオ−ル成分と、水溶性付与成分とを原料主成分とし、これらを縮合反応させることにより得られる水溶性ポリエステル共重合体等が挙げられる。
これらのなかでも樹脂への親和性が高く、タルクとの吸着性の高い水溶性ポリエステル共重合体がより好ましく、その好適な具体的例として、テレフタル酸、エチレングリコール、及び5−ナトリウムスルホイソフタル酸からなる共重合体が挙げられ、互応化学工業社製「プラスコートZ−221」「プラスコートZ−561」「プラスコートZ−446」等が挙げられる。
タルク(B)として用いる顆粒状タルクのバインダー含有量は、顆粒状タルク100質量%中、好ましくは0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.05〜3.5質量%、特に好ましくは0.1〜2質量%である。バインダー含有量を0.01質量%以上とすることで、顆粒状タルクが崩れ難くなり、タルクマスターバッチ及びこのタルクマスターバッチを配合した樹脂組成物の熱安定性や耐衝撃性がより向上する傾向にあり、一方、バインダー含有量を5質量%以下とすることで顆粒状タルクのマスターバッチ化に用いるポリエステル樹脂(A)、及びタルクマスターバッチを配合した樹脂組成物中への分散がより良好になり、タルクマスターバッチ及び樹脂組成物の成形品外観や耐衝撃性がより向上する傾向にある。
原料タルクの造粒方法は任意であり、特に制限はないが、原料タルクとバインダーとの混練性を高めるとともに、顆粒製造時における混練物に可塑性を与え、造粒を容易にし、かつ、造粒機の摩耗を低減し、さらに顆粒状物の硬さを調整するために湿潤剤を加えることが好ましい。通常、原料タルク及びバインダーに潤滑剤を加え、また、必要に応じて分散剤やその他の添加剤を加えて、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混合機で撹拌しながら混合物とする。
この混合物を一軸や二軸等のスクリュー式押出機等で混練後、ストランド状に押出し、カッティングして造粒し、流動式乾燥機やバンドヒーター等を用いて乾燥して、顆粒状タルクを製造する。乾燥後は必要に応じて分級を行う。
顆粒状タルクの形状は、棒状、円柱状、針状、球状、粒状、フレーク状、不定形等、特に制限はなく、顆粒状タルクの大きさや形状は、タルクマスターバッチを配合する樹脂組成物の用途に応じて成形条件や整粒条件により種々のものを製造できる。例えば、棒状又は円柱の顆粒状タルクを製造する場合、スクリーン式押出成形機のスクリーン目開きの大きさを変えることで軸径を適宜設定でき、成形後整粒して所望の軸長に裁断することができる。上記の嵩密度及び粒度の範囲内であれば、顆粒状タルクの大きさには特に制限はないが、タルクマスターバッチを配合する際に溶融混練や成形に用いる樹脂ペレットより小さい方が溶融混練機や成形機で分散する際に有利である。例えば、棒状や円柱状の顆粒状タルクでは、平均軸径が0.2〜6mm、平均軸長が2〜6mmにするのが好ましく、平均軸径:平均軸長の比が1:0.5〜2の範囲内のものがさらに好ましい。
潤滑剤としては、水や有機溶媒等があるが、価格や作業性の点から水が好ましく、水にアルコール類を混合してもよい。湿潤剤である水に、予めバインダーを溶解させたり、懸濁させることも可能で、他にも顆粒状物に必要とする添加剤等、例えば分散剤、界面活性剤、各種合成樹脂用添加剤、染顔料等を溶解又は懸濁させて用いることにより、より均一性を高めることができる。また、潤滑剤として水を用いた場合、造粒後は、流動式乾燥機等を用いて含まれた水分を乾燥し、含水率を1%以下にするのが好ましく、さらに好ましくは0.3%以下である。乾燥温度は、80〜150℃が適切であり、好ましくは80〜110℃である。
潤滑剤の配合率は、原料タルクとバインダーの合計100質量部に対し、10〜150質量部、好ましくは15〜100質量部、特に好ましくは20〜60質量部である。潤滑剤の配合率が10質量部未満では効果が小さく、150質量部を超えると潤滑剤の除去に時間とエネルギーがかかり過ぎるので好ましくない。
本発明では、顆粒状タルクに分散剤を0.05〜2.0質量%、好ましくは0.1〜0.5質量%配合すれば、顆粒状タルクのポリエステル樹脂(A)及びタルクマスターバッチを配合する樹脂組成物中での分散性が向上するので好ましい場合もある。用いる分散剤は一般に知られるもので良く、例えば前述のようなアルコール類、アルカノールアミン、有機シリコーン系化合物、高級脂肪酸、脂肪酸金属塩、炭化水素系滑剤、塩基性アミノ酸、ポリグリセリン及びそれらの誘導体が挙げられる。本発明においては、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができ、前述の表面処理を行った原料タルクを用い、さらに分散剤を加えて造粒してもよい。
さらに、本発明で用いる顆粒状タルクには、必要に応じて本発明の特徴を損なわない範囲で、分散剤の他に種々の添加剤を配合してもよい。そのような添加剤として具体的には、ヒンダードフェノール系等の各種酸化防止剤、ホスファイト系等の各種熱安定剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等の各種紫外線吸収剤、リン酸エステル系、シリコーン系、金属塩系等の各種難燃剤、オレフィンワックス系、脂肪酸エステル系等の各種離型剤、フェノール系等の抗菌・抗カビ剤、アニオン系、カチオン系、非イオン系等の帯電防止剤、着色剤、タルク以外の充填剤、光安定剤、可塑剤、発泡剤等が挙げられる。これらの添加剤は複数種配合することも可能である。
[有機リン酸エステル化合物(C)]
本発明のタルクマスターバッチには、更に下記一般式(1)で表される有機リン酸エステル化合物(C)が含まれていてもよく、有機リン酸エステル化合物(C)を含有することにより、タルクマスターバッチにあっては、ポリエステル樹脂(A)の重縮合触媒による前述の問題を抑制することができ、また、タルクマスターバッチを配合した樹脂組成物においても樹脂の溶融熱安定性、滞留熱安定性等の熱安定性をより一層高めることができる。有機リン酸エステル化合物(C)は、ポリエステル樹脂(A)として重縮合触媒の失活処理がなされていないポリエステル樹脂(A)を用いる場合には、特にタルクマスターバッチ中に含有させることが好ましい。
(RO)P(O)(OH)3−n …(1)
(式中、Rは総炭素数が2〜25の、置換基を有していてもよいアルキル基を表し、nは1又は2を表す。但しnが2の場合に2つのRは同一であってもよく、相互に異なっていてもよい。)
Rが表す非置換のアルキル基としては、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基およびステアリル基などが挙げられる。置換基を有するアルキル基としては、ブチル基やアリル基、メタリル基などの鎖状炭化水素基がエーテル結合やエステル結合によりアルキル基に結合したものが挙げられる。Rとしてはこれらの置換基を有するアルキル基を用いることが好ましい。また置換基の炭素も含めたRにおける総炭素数は5以上であることが好ましい。
有機リン酸エステル化合物(C)は一般式(1)におけるRやnが異なる化合物の混合物であってもよい。
[その他の成分]
本発明のタルクマスターバッチは、ポリエステル樹脂(A)及びタルク(B)、或いはポリエステル樹脂(A)、タルク(B)及び有機リン酸エステル化合物(C)を二軸押出機で溶融混練して製造されるが、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、ポリエステル樹脂(A)、タルク(B)及び有機リン酸エステル化合物(C)以外のその他の成分を更に配合して溶融混練してもよい。
その他の成分としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料、染料等が挙げられる。
[各成分の含有割合]
本発明のタルクマスターバッチが、ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)とを溶融混練してなる場合、ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)との合計100質量部におけるタルク(B)の含有割合は、5〜60質量部であり、好ましくは15〜60質量部、より好ましくは30〜60質量部である。
また、本発明のタルクマスターバッチが、ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)と有機リン酸エステル化合物(C)とを溶融混練してなる場合、ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)と有機リン酸エステル化合物(C)との合計100質量部におけるタルク(B)の含有割合は、5〜60質量部であり、好ましくは15〜60質量部、より好ましくは30〜60質量部である。
即ち、本発明によれば、タルク(B)として前述の顆粒状タルクを用いると共に、二軸押出機による溶融混練を行うことにより、タルク(B)の高配合が可能となり、5〜60質量%、好ましくは15〜60質量%、より好ましくは30〜60質量%というような高濃度タルクマスターバッチを製造することができる。
本発明のタルクマスターバッチが、ポリエステル樹脂(A)、タルク(B)、及び有機リン酸エステル化合物(C)以外のその他の成分を含有する場合においても、ポリエステル樹脂(A)、タルク(B)、有機リン酸エステル化合物(C)及びその他の成分の合計との合計100質量部におけるタルク(B)の含有割合は、5〜60質量部であり、好ましくは15〜60質量部、より好ましくは30〜60質量部である。
タルクマスターバッチ中のタルク(B)の含有割合が上記下限よりも少ないと、タルクマスターバッチとしてのタルクの配合効率が悪い。タルクマスターバッチ中のタルク(B)の含有割合が上記上限を超えると、相対的にバインダーとなるポリエステル樹脂(A)量が少なくなってマスターバッチ化が困難となる。
本発明のタルクマスターバッチが、有機リン酸エステル化合物(C)を用いて製造されたものである場合、ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)と有機リン酸エステル化合物(C)との合計100質量部における有機リン酸エステル化合物(C)の含有量は0.02〜3質量部であることが好ましく、この割合はより好ましくは0.05〜2質量部、特に好ましくは0.1〜1質量部である。タルクマスターバッチ中の有機リン酸エステル化合物(C)の含有割合が上記下限よりも少ないと、有機リン酸エステル化合物(C)を配合することによる熱安定性の改善効果を十分に得ることができず、上記上限よりも多くても熱安定性の改善効果は頭打ちとなり経済性の面で好ましくない。
タルクマスターバッチがポリエステル樹脂(A)、タルク(B)及び有機リン酸エステル化合物(C)以外のその他の成分を含有する場合も含めて、本発明のタルクマスターバッチは、タルク(B)のバインダーとなるポリエステル樹脂(A)を40質量%以上、特に40〜70質量%程度含有することが好ましい。
[溶融混練]
本発明のタルクマスターバッチは、ポリエステル樹脂(A)及びタルク(B)、或いはポリエステル樹脂(A)、タルク(B)及び有機リン酸エステル化合物(C)、必要に応じて更にその他の成分を二軸押出機を用いて溶融混練する工程を経て製造される。ここで、単軸(一軸)押出機ではなく、二軸押出機を用いることは重要な要件であり、単軸押出機では、フィード性が悪く、また安定したストランドを押し出すことができず、マスターバッチ化が困難である。これに対して、二軸押出機を用いて強い剪断力を加えて溶融混練することにより、高タルク配合のタルクマスターバッチであっても安定に製造することが可能となる。
二軸押出機による溶融混練条件としては、シリンダー温度250〜290℃、スクリュー回転数100〜300rpm程度の条件を採用することができる。
二軸押出機から押し出されたストランドは常法に従って水槽等で冷却した後ペレタイザーを用いてペレット化することにより本発明のタルクマスターバッチを得ることができる。
このようにして製造される本発明のタルクマスターバッチの形状、大きさには特に制限はないが、通常、長径が平均値で2.5〜3.5mm、短径が平均値で1.5〜2.5mm程度の、柱状、粒状、盤状である。なお、ここで、長径とはタルクマスターバッチを2枚の平行な板で挟んだときに、板同士の間隔が最も長くなる部位の長さであり、短径とは、その間隔が最も短くなる部位の長さである。例えばタルクマスターバッチが柱状の場合、短径は軸径であり、長径は軸長である。
[用途]
本発明のタルクマスターバッチは、無機強化材として各種の熱可塑性樹脂に配合して用いることができ、特に、ポリカーボネート樹脂組成物、ポリカーボネート/ポリエステル樹脂組成物、ポリカーボネート/ABS樹脂組成物に好適に用いることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例において用いた原料成分は次のとおりである。
[ポリエステル樹脂]
<ポリエステル樹脂−A>
三菱化学(株)製品「ノバペックス(登録商標)GG501H」
以下のポリエステル樹脂−C(未処理PET)に対して、以下の重縮合触媒の失活処理を施したもの。
固有粘度[η]:0.75dl/g
末端カルボキシル基濃度AV:30μeq/g
ET比率:97.8当量%
固相重合速度Ks:0.0031dl/g・hr
(物性値はいずれも後述の測定方法による。)
<失活処理方法>
ポリエステル樹脂−C(未処理PET)50kgを100℃の蒸留水50kg中で1時間煮沸処理した後、脱水し、窒素雰囲気中、120℃で6時間乾燥した。
<ポリエステル樹脂−B(未処理PET)>
三菱化学(株)製品「ノバペックス(登録商標)GS385」
重縮合触媒として三酸化アンチモンを用いたポリエチレンテレフタレート
アンチモン原子含有量230ppm
固有粘度[η]:0.85dl/g
末端カルボキシル基濃度AV:27μeq/g
(物性値はいずれも後述の測定方法による。)
<ポリエステル樹脂−C(未処理PET)>
三菱化学(株)製「ノバペックス(登録商標)GG500D」
重縮合触媒として二酸化ゲルマニウム触媒を用いたポリエチレンテレフタレート
ゲルマニウム原子含有量:28ppm
固有粘度[η]:0.76dl/g
末端カルボキシル基濃度AV:28μeq/g
ET比率:97.8当量%
固相重合速度Ks:0.0085dl/g・hr
(物性値はいずれも後述の測定方法による。)
<ポリエステル樹脂−D(PBT)>
三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ノバデュラン(登録商標)5020」
ポリブチレンテレフタレート
固有粘度:1.20dl/g
末端カルボキシル基濃度:20μeq/g
PETの物性ないし特性の評価方法は次の通りである。
<PETの末端カルボキシル基濃度>
樹脂チップ0.5gを精秤し、195℃のベンジルアルコール25ml中に溶解し、氷水中で数十秒間冷却した後エチルアルコール2mlを加え、自動滴定装置(東亜電波製「AUT−301」)を用いて、0.01N−NaOHベンジルアルコール溶液で中和滴定した。測定滴定量A(ml)、ブランク滴定量B(ml)、NaOHベンジルアルコールの力価F、及び、試料の秤量値W(g)より、下記式により、末端カルボキシル基量AV(μeq/g)を求めた。
AV=(A−B)×0.01×F×1000/W
<PETの固有粘度>
凍結粉砕したPET試料0.50gを、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合液を溶媒として、濃度(c)を1.0g/dlの溶液を調製した。ここで試料溶解条件は120℃で30分間で溶解させた。この溶液を30℃にてウベローデ型粘度計を用いて、溶媒のみ(c=0)に対する相対粘度(ηrel)を測定し、この相対粘度(ηrel)−1を比粘度(ηsp)とし濃度(c)との比(ηsp/c)を求めた。同様にして濃度(c)を0.5g/dl、0.2g/dl、0.1g/dlとして、それぞれの比(ηsp/c)を求め、これらの値より、濃度(c)を0に外挿したときの比(ηsp/c)を固有粘度[η](dl/g)として求めた。
<PETの組成分析>
樹脂試料を重水素化トリフルオロ酢酸に常温で溶解させた3質量%溶液を用いて、核磁気共鳴装置(日本電子社製「JNM−EX270型」)にてH−NMRを測定し、各ピークを帰属し、その積分比からテレフタル酸、及びテレフタル酸以外のジカルボン酸成分、並びに、エチレングリコール、及びそれ以外のジオール成分の割合を求め、オキシエチレンオキシテレフタロイル単位の含有率(ET比率)を算出した。
<PETの固相重合速度>
1粒当りの平均粒重が24mgとなるようにカットされたPETチップ10gを直径30mmφ、高さ30mmのステンレス製メッシュで作成した容器に入れ、イナートオーブン(ESPEC社製「IPHH−201型」)中で、40リットル/分の窒素気流下160℃で4時間乾燥させた。その後、窒素流通を保持した状態で160℃から210℃まで1時間かけて昇温し、210℃で保持後3時間後の固有粘度[η]s、2時間後の固有粘度[η]mから、以下の(3)式により算出した。
固相重合速度Ks=([η]s−[η]m)/1 …(3)
[タルク]
<顆粒状タルク−A>
松村産業社製 顆粒状タルク「R−10(商品名)」
原料タルク 平均粒子径=1.8μm
顆粒状タルク 形状=円柱状
平均軸径=1.2mm
平均軸長=1.5mm
嵩密度=0.76g/ml
粒度(目開き500μm篩上の割合)=98質量%
バインダー種=水溶性ポリエステル(互応化学工業社製「プラス
コートZ−221」)
顆粒状タルクのバインダー含有量=1質量%
<顆粒状タルク−B>
松村産業社製 顆粒状タルクのバインダー含有量「C−12(商品名)」
原料タルク 平均粒子径=1.8μm
顆粒状タルク 形状=円柱状
平均軸径=1.2mm
平均軸長=1.5mm
嵩密度=0.74g/ml
粒度(目開き500μm篩上の割合)=98質量%
バインダー種=CMC(第一工業製薬社製「セロゲン7A」)
顆粒状タルクのバインダー含有量=0.3質量%
<比較用タルク−A>
松村産業社製 タルク「ハイフィラー5000PJ」
平均粒子径1.8μmのタルク粒子
<比較用タルク−B>
林化成社製 圧縮タルク「HS−T0.8」
平均粒子径2.0μmのタルク粒子をバインダーを用いずに圧縮
したもの
嵩密度=0.80g/ml
粒度(目開き500μm篩上の割合)=32質量%
[有機リン酸エステル化合物]
<有機リン酸エステル化合物−1>
旭電化工業社製「アデカスタブAX−71」
モノ、ジステアリルアシッドフォスフェート:(C1837O)P(O)(OH)3−n(n=1及び2の混合物)
<有機リン酸エステル化合物−2>
城北化学工業社製「JP−506H」
ブトキシエチルアシッドフォスフェート:(COCO)P(O)(OH)3−n(n=1及び2の混合物)
[実施例1〜8及び比較例1〜5]
表1〜2に示す各成分を同表に示す割合にて、タンブラ−ミキサ−で均一に混合した後、二軸押出機:日本製鋼所製「TEX30XCT」を使用して、シリンダー温度270℃、スクリュー回転数300rpmにて溶融混練することにより樹脂組成物をストランド状に押出し、これを水槽にて冷却し、ペレタイザーを用いて、平均軸径2.0mm、平均軸長3,0mmの柱状にペレット化することでタルクマスターバッチを得た。
[比較例6,7]
表2に示す各成分を同表に示す割合にて、タンブラ−ミキサ−で均一に混合した後、単軸押出機:田辺製作所製「VS−40」を使用して、シリンダー温度270℃、スクリュー回転数100rpmにて溶融混練することにより樹脂組成物をストランド状に押出したこと以外は、実施例1と同様にタルクマスターバッチを得た。
[タルクマスターバッチの評価]
実施例1〜8及び比較例1〜7で得られたタルクマスターバッチについて以下の評価を行って結果を表1〜2に示した。
(1)マスターバッチ製造時の加工性
マスターバッチ製造時の加工性を、下記に示す4段階で評価した。
◎:何ら問題なく製造可能
○:ストランド切れは時々あるが、製造可能
△:フィード性、及びストランド安定性に劣り、製造困難
×:フィード性、及びストランド安定性に著しく劣り、製造不可
(2)色相
タルクマスターバッチの色相を、日本電色製の色差計(SE−2000)を用いて測定した。
(3)MVR及び滞留MVR
タルクマスターバッチについて、ISO1133に準拠し、通常のMVR(メルトボリュームレート)を測定した(通常MVR)。測定温度は280℃、荷重は2.16kgとした。また、測定機のシリンダー内に12分間滞留保持した場合についても、同様にMVRを測定した(滞留MVR)。ΔMVRを下記式によって求めた。
ΔMVR=滞留MVR−通常MVR
Figure 2015048464
Figure 2015048464
表1〜2より次のことが明らかである。
顆粒状タルクではなく、造粒していないタルク粒子を用いた比較例1,2のうち、20質量部程度の少量のタルク配合とした比較例1では、マスターバッチ化が困難であり、50質量部配合した比較例2ではマスターバッチ化ができない。
圧縮タルクを用いた比較例3,4でも同様の結果となる。これは、圧縮タルクは、単にタルクを圧縮しただけのものであり、押出機での溶融混練過程で早期に崩壊して通常のタルク粒子と同様の挙動をとることによるものと考えられる。
また、二軸押出機ではなく単軸押出機を用いた比較例6,7では、顆粒状タルクを用いてもマスターバッチ化が困難であり、特に顆粒状タルクを高配合とするとマスターバッチ化ができなくなる。
これに対して、顆粒状タルクを用い、二軸押出機で溶融混練した実施例1〜8ではいずれも良好な加工性のもとにマスターバッチ化することができ、また、得られたタルクマスターバッチの色相も良好であり、更に通常MVRもΔMVRも低く、ポリエステル樹脂の劣化の問題がないことが分かる。
特に、失活PETを用いた実施例2〜4,7や有機リン酸エステル化合物を配合した実施例5,6では、滞留熱安定性に優れる。

Claims (12)

  1. ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)とを二軸押出機を用いて溶融混練してなり、
    ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)との合計100質量部におけるタルク(B)の含有割合が5〜60質量部であり、
    タルク(B)として、平均粒子径0.1〜10μmのタルク粒子を、嵩密度0.4〜1.5g/mlに造粒した顆粒状タルクを用いたことを特徴とするタルクマスターバッチ。
  2. 請求項1において、更に下記一般式(1)で表される有機リン酸エステル化合物(C)を含み、ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)と有機リン酸エステル化合物(C)との合計100質量部におけるタルク(B)の含有割合が5〜60質量部で、有機リン酸エステル化合物(C)の含有割合が0.02〜3質量部であることを特徴とするタルクマスターバッチ。
    (RO)P(O)(OH)3−n …(1)
    (式中、Rは総炭素数が2〜25の、置換基を有していてもよいアルキル基を表し、nは1又は2を表す。但しnが2の場合に2つのRは同一であってもよく、相互に異なっていてもよい。)
  3. 請求項1又は2において、ポリエステル樹脂(A)が、重縮合触媒の失活処理がなされたポリエチレンテレフタレートであることを特徴とするタルクマスターバッチ。
  4. 請求項2において、ポリエステル樹脂(A)がポリブチレンテレフタレートであることを特徴とするタルクマスターバッチ。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記顆粒状タルクが、バインダーを用いて造粒されたものであり、顆粒状タルク中のバインダーの含有量が、0.01〜5質量%であることを特徴とするタルクマスターバッチ。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記顆粒状タルクの粒度において、目開き500μm篩上の割合が55質量%以上であることを特徴とするタルクマスターバッチ。
  7. ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)とを、二軸押出機を用いて溶融混練することにより、ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)とを含むマスターバッチを製造する方法であって、
    ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)との合計100質量部におけるタルク(B)の配合割合を5〜60質量部とし、
    タルク(B)として、平均粒子径0.1〜10μmのタルク粒子を、嵩密度0.4〜1.5g/mlに造粒した顆粒状タルクを用いることを特徴とするタルクマスターバッチの製造方法。
  8. 請求項7において、更に下記一般式(1)で表される有機リン酸エステル化合物(C)を、ポリエステル樹脂(A)とタルク(B)と有機リン酸エステル化合物(C)との合計100質量部におけるタルク(B)の含有割合が5〜60質量部で、有機リン酸エステル化合物(C)の含有割合が0.02〜3質量部となるように溶融混練することを特徴とするタルクマスターバッチの製造方法。
    (RO)P(O)(OH)3−n …(1)
    (式中、Rは総炭素数が2〜25の、置換基を有していてもよいアルキル基を表し、nは1又は2を表す。但しnが2の場合に2つのRは同一であってもよく、相互に異なっていてもよい。)
  9. 請求項7又は8において、ポリエステル樹脂(A)が、重縮合触媒の失活処理がなされたポリエチレンテレフタレートであることを特徴とするタルクマスターバッチの製造方法。
  10. 請求項8において、ポリエステル樹脂(A)がポリブチレンテレフタレートであることを特徴とするタルクマスターバッチの製造方法。
  11. 請求項7ないし10のいずれか1項において、前記顆粒状タルクが、バインダーを用いて造粒されたものであり、顆粒状タルク中のバインダーの含有量が、0.01〜5質量%であることを特徴とするタルクマスターバッチの製造方法。
  12. 請求項7ないし11のいずれか1項において、前記顆粒状タルクの粒度において、目開き500μm篩上の割合が55質量%以上であることを特徴とするタルクマスターバッチの製造方法。
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