JP2015048455A - 光半導体部品用樹脂組成物、光半導体部品用封止材又はシール材ならびに硬化物 - Google Patents
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Abstract
Description
一般的にエポキシ樹脂組成物は、硬化物の硬度が高いため、ハンドリング性に優れており、例えば低出力の白色LED用封止用途では、必要な耐久性が得られることから、低出力用途において多く用いられている。
しかし、近年LEDがますます高輝度化、高出力化するのに伴い、従来の透明エポキシ樹脂組成物の硬化物では、波長の短い青色光や紫外線による連続使用で変色し、十分な寿命を得ることが難しかった。また、点灯及び消灯に伴う急激な温度変化の繰り返し等で硬化物にクラックが発生する問題が生じている。
最近では、これらの問題を解決するためにエポキシ樹脂に替わって、耐候性に優れるシリコーン樹脂をベースにした樹脂組成物で硬化されたLEDが使用されるようになってきている。たとえば、ヒドロシリル基とオレフィンの付加反応による光デバイス又は半導体デバイスの保護封止用付加硬化型シリコーン組成物の報告(特許文献1)がなされている。
一方、前記付加硬化型シリコーン樹脂と同じヒドロシリル基とオレフィンの付加反応を利用した硬化性有機ケイ素化合物を含む組成物も多数報告されるようになってきた(特許文猷10〜14)。オレフィン骨格を有する化合物を有機化合物とすることで、前記付加硬化型シリコーン樹脂と比べ安価となり、脂環骨格や複素環骨格を導入することで、比較的高い耐熱性、耐紫外線性を付与できることが知られている。しかし、上記硬化性有機ケイ素化合物は従来のシリコーン樹脂と比べ、有機骨格部位(硬化性有機ケイ素化合物中のシロキサン部位以外の部位)の占める割合が多いため、有機骨格特有のガスバリア性や接着性は向上するものの、耐熱性、耐紫外線性は劣るものとなっていた。更に、長期間使用による劣化に対しても、従来の付加硬化型シリコーン樹脂と比べて劣るため、配合できる触媒量も少な<、従来の付加硬化型シリコーン樹脂と同様に硬化時間が長かった。このように、従来の付加硬化型シリコーン樹脂のような耐熱性、耐候性を有し、かつガスバリア性、接着性に優れ、かつエポキシ樹脂並みに硬化時間が短い封止材、シール材が求められている。
すなわち、本発明は、下記の光半導体部品用樹脂組成物、光半導体部品用封止材又はシール材ならびに硬化物を提供する。
(1)(A)熱硬化性有機ケイ素化合物、(B)ヒドロシリル化触媒、及び(C)フェノール化合物を含有する樹脂組成物であり、前記(A)熱硬化性有機ケイ素化合物が、1分子中に1個以上の不飽和結合基と1個以上のヒドロシリル基を有し、かつ下記式(1)
(2)前記(A)熱硬化性有機ケイ素化合物が、(a1)1分子中に2個以上の不飽和結合基及び前記式(1)で表される複素環を有する有機化合物と、(a2)1分子中に2個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを前記(B)ヒドロシリル化触媒の存在下、60〜120℃において反応させてなる化合物である上記(1)に記載の光半導体部品用樹脂組成物、
(3)前記(A)熱硬化性有機ケイ素化合物の25℃における粘度が2,000〜50,000mPa・sの液状である上記(1)又は(2)に記載の光半導体部品用樹脂組成物、
(4)前記(C)フェノール化合物がヒンダードフェノール化合物である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の光半導体部品用樹脂組成物、
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の光半導体部品用樹脂組成物からなる光半導体部品用封止材又はシール材および
(6)上記(5)に記載の光半導体部品用封止材又はシール材を加熱硬化してなることを特徴とする硬化物を提供する。
[(A)熱硬化性有機ケイ素化合物]
本発明の光半導体部品用樹脂組成物の主成分である(A)熱硬化性有機ケイ素化合物は、1分子中に1個以上の不飽和結合基及び1個以上のヒドロシリル基を有し、かつ下記式(1)
式(1)において、3個のN原子のそれぞれから環外に出ている結合手の途中に記載されている「〜」および結合手3個のうち1個または2個または3個が後で述べるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの骨格であり、3個のうち0個または1個または2個が不飽和結合基である。
25℃における粘度は、さらに好ましくは、2000〜30000mPa・sである。粘度が2,000〜50,000mPa・sであることにより、取り扱い易く、かつ、得られる硬化物の光学特性が好ましいものとなる。
上記粘度は、例えば、25℃においてJISK5600−2−3に準じ、コーンプレート型粘度計を使用して測定することができる。
上記成分(al)の有機化合物は、ヒドロシリル化反応可能な不飽和結合基を1分子中に2個以上有する複素環含有化合物であり、例えば、下記化学式(1−1)
上記式(1−1)中、R1は水素原子、不飽和炭化水素基、炭素数1〜5の飽和炭化水素基、又は環状エーテル基を示し、またR2はそれぞれ独立に不飽和炭化水素基を示し、それぞれ同一であっても異なってもよい。
R1及びR2の不飽和炭化水素基は、炭素数2〜6であることが好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基及びブテニル基等が挙げられる。R1における環状エーテル基としては、例えば、エポキシ基、オキセタン残基、テトラヒドロフラン残基、テトラヒドロピラン残基が挙げられる。炭素数1〜5の飽和炭化水素基はメチル基〜ペンチル基である。
上記成分(a2)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に2個以上のケイ素原子に結合する水素原子(即ち、ヒドロシリル基)を含有するものであり、好ましくは3個以上のケイ素原子に結合する水素原子を含有するものである。また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、直鎖状、分岐状、又は三次元網状構造の樹脂状のいずれでもよい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、下記式(2)〜(6)
炭素数1〜10の鎖状の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基及びn−ブチル基等の鎖状アルキル基が挙げられ、炭素数3〜10の環状の脂肪族炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
成分(a2)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、公知の方法で得ることができ、例えばR4SiHCl2及びR4SiHCl(式中、R4は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない、非置換又は置換の1価の炭化水素基である)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを組み合わせて共加水分解して得ることができる。また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、このように共加水分解して得られたポリシロキサンを平衡化したものでもよい。
(B)ヒドロシリル化触媒は、前述したように成分(al)の1分子中に2個以上の不飽和結合基及び複素環を有する有機化合物と、成分(a2)の1分子中に2個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとをヒドロシリル化反応する際に用いられ、通常、成分(A)の熱硬化性有機ケイ素化合物とともに本発明の光半導体部品用樹脂組成物にそのまま持ち込まれる。必要に応じてさらに追加しても良い。
(B)ヒドロシリル化触媒は、水素原子が結合したケイ素原子(ヒドロシリル基)と不飽和結合を有する炭化水素とのヒドロシリル化反応を促進するために通常用いられる触媒を使用することができ、一般にシロキサンのヒドロシリル化反応に用いられる公知の触媒であれば特に制限されない。
上記(B)ヒドロシリル化触媒としては、例えば、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、及びイリジウム等を含む遷移金属触媒を使用することができ、中でも白金及び白金化合物を使用することが好ましい。
(B)ヒドロシリル化触媒の使用量は、通常、白金族金属として成分(al)及び(a2)の合計質量に対し、0.01〜100質量ppmの範囲の量であることが好ましく、0.1〜30質量ppmであることがより好ましい。
0.01質量ppm以上であれば良好に反応を進行させることができ、100質量ppm以下であれば反応時にゲル化や着色することを防止することができる。
(B)ヒドロシリル化触媒存在下、成分(al)の有機化合物と成分(a2)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとのヒドロシリル化反応は、公知の方法が採用できる。
ヒドロシリル化反応は、無溶媒で行うこともできるが、反応制御の観点から、反応に影響を与えない希釈溶媒中で行うことが好ましい。希釈溶媒としては、不飽和結合基を持たない他、ヒドロシリル化反応に関与しないこと以外は特に制限されない。
上記希釈溶媒として、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール及びブタノール等のアルコール類;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン及びエチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びシクロペンタノン等の脂訪族ケトン類;ベンゼン、トルエン、オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレン、クロロベンゼン及びジクロロベンゼン等の芳香族類;N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等の脂肪族アミド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル及びトリエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。これらは単独又は2種類以上混合して使用することができる。
また、ヒドロシリル化反応の反応温度については、好ましくは60〜120℃、より好ましくは80〜110℃である。60℃以上とすることにより反応が良好に進行し著しく遅<なることがない。また、120℃以下とすることにより反応の制御を容易に行うことができ、ゲル化や着色することを防止することができる。
本発明に使用するフェノール化合物は、反応促進剤としての効果があり、さらに硬化物の表面の皺防止剤としてしても作用することを特徴としている。
前記のように、熱硬化性有機ケイ素化合物は有機骨格部位の占める割合が多いため、シリコーン樹脂に比較して合成反応時や熱及びUV光暴露により着色や劣化が起こりやすい。
着色回避策として上記(B)ヒドロシリル化触媒を減らす方法が挙げられるが、触媒量を減らすことによる反応性の低下、耐熱性の低下が起こってしまう。また、ヒドロシリル化反応は大気中および樹脂組成物に含まれる不純物中に存在する、例えば、硫黄化合物のような触媒毒となる物質の影響を受けやすいため、触媒量が少ないことにより更に影響を受けやすくなる。更に、酸素の影響による表面と内部の硬化反応差が生じ、表面に皺が発生する問題も見られる。一方、これらの問題点を解決すべく触媒量を増やすと、反応性の向上、耐熱性の向上が見られ、触媒毒の影響も受けにくくなる。更に、外観の皺は低減もしくは発生しなくなるが、着色による透明性の低下、保存安定性の低下が見られ、いずれもトレードオフの関係にあった。
本発明に使用するフェノール化合物としては、特に酸化防止剤、重合禁止剤として使用されるヒンダードフェノール化合物が好ましい。また、ヒドロシリル化反応の触媒毒となり得る硫黄原子などを含まないヒンダードフェノール化合物がより好ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6-ヘキサンジオール-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル・テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレイト、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレイト、3,9-ビス[2- 〔3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニロキシ〕 -1,1-ジメチルエチル]-2, 4, 8, 10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、2,2'-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)等が挙げられ、市販品としては、BASFジャパン(株)製のIRGANOX 245、IRGANOX 259、IRGANOX 1010、IRGANOX 3114、IRGANOX 1076、IRGANOX 1330、IRGANOX 3114、ADEKA(株)製のAO-60、AO-20、AO-50、AO-330、住友化学(株)製のSUMILIZER GA-80、SUMILIZER MDP-Sなどが挙げられる。これらは単独又は2種類以上混合して使用することができる。
(C)フェノール化合物の使用量は、(A)熱硬化性有機ケイ素化合物の量に対し、1〜1,000質量ppmの範囲の量であることが好ましく、50〜500質量ppmであることがより好ましい。1質量ppm以上であれば良好に反応を促進させることができ, かつ硬化物の表面の皺を防止することができる。1,000質量ppm以下であれば反応時や長期の熱や紫外線暴露においても着色することを防止することができる。
本発明は、熱硬化性有機ケイ素化合物を含む光半導体部品用封止材又はシール材を提供するものである。上記光半導体部品用封止材又はシール材を使用することのできる光半導体部品の具体例としては、LED、フォトセンサ、フォトIC、フォトトランジスタ、位置検出素子、イメージセンサ、赤外線検出素子、カラーセンサ等が上げられる。
中でも、本発明の光半導体部品用封止材またはシール材はLEDに対して使用することが好ましい。
LEDは、例えば、発光効率が高く、波長の短い最近のLEDのみならず、化合物半導体GaP、化合物半導体GaAs及び化合物半導体GaNで作製された赤色LED、緑色LED及び黄色LEDを挙げることができる。
また、上述の組成物は、既存のLED封止用にも使用することができるとともに、最近開発されている青色、又は紫外線領域の波長で発光効率100lm/W以上の高効率LEDに最適である。
[硬化物]
例えば、光半導体部品の代表例であるLEDを金型中で上記の光半導体部品用封止材又はシール材を用いて封止又はシールした後、加熱硬化することにより本発明の硬化物を得ることができる。加熱硬化する際の条件は80〜200℃で0.5〜10時間、好ましくは、100〜180℃で1〜6時間である。
(A)熱硬化性有機ケイ素化合物(樹脂A)の合成
温度計、冷却管、窒素導入管、撹枠翼のついた500mlの4つロセパラブルフラスコに、成分(a1)としてトリアリルイソシアヌレート〔商品名:タイク、日本化成工業社製〕を38.0質量部、トルエンを50質量部投入し、常温で撹伴した。そこへ、本発明の光半導体部品用樹脂組成物中で(B)成分となるヒドロシリル化触媒として白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液〔商品名:SIP6831.2、Gelest Inc.製〕を0.15質量部添加し、マントルヒーターを用いて80℃に加温した。そこヘトルエン100質量部に溶解させた成分(a2)としてオルガノハイドロジェンポリシロキサン〔商品名:HMS-301、Gelest Inc.製、分子量1,900−2,000、官能基当量245(カタログ値)〕112.0質量部を1時間かけて反応溶液中に滴下した。反応溶液の温度を100℃に上昇させ、そのまま5時間攪拌した。得られた反応混合物中のトルエンやキシレン等の溶剤を減圧下で留去することにより、熱硬化性有機ケイ素化合物(樹脂A)を得た。得られた樹脂は、無色透明の液状であり、25℃の粘度が6,500mPa・sであった。
(B)熱硬化性有機ケイ素化合物(樹脂B)の合成
温度計、冷却管、窒素導入管、撹枠翼のついた500mlの4つロセパラブルフラスコに、成分(a1)としてトリアリルイソシアヌレート〔商品名:タイク、日本化成工業社製〕を19.7質量部、トルエンを50質量部投入し、常温で撹伴した。そこへ、本発明の光半導体部品用樹脂組成物中で(B)成分となるヒドロシリル化触媒として白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液〔商品名:SIP6831.2、Gelest Inc.製〕を0.15質量部添加し、マントルヒーターを用いて80℃に加温した。そこヘトルエン100質量部に溶解させた成分(a2)としてオルガノハイドロジェンポリシロキサン〔商品名:DMS−H11、Gelest Inc.製、分子量1,000−1,100、官能基当量550(カタログ値)〕130.3質量部を1時間かけて反応溶液中に滴下した。反応溶液の温度を100℃に上昇させ、そのまま5時間攪拌した。得られた反応混合物中のトルエンやキシレン等の溶剤を減圧下で留去することにより、熱硬化性有機ケイ素化合物(樹脂B)を得た。得られた樹脂は、無色透明の液状であり、25℃の粘度が10,500mPa・sであった。
表1に示した配合比で、各成分を混合し光半導体部品用樹脂組成物および比較用の樹脂組成物とした。
(1)硬化物特性
2枚のガラス板に厚さ1mmのシリコーンゴムシートをスペーサーとして挟み
込んで作製したセルに、上記樹脂組成物を流し込み、150℃で2時間、180℃で2時間の加熱を行い硬化して、厚さ1mmの板状硬化物を作製した。
作製した板状硬化物特性を次の方法により評価し、その結果を表1に示す。
(1−1) 外観
板状硬化物を目視で観察し、色及び透明性を評価した。
(1−2) 光透過率(初期値)
日本分光株式会社製の紫外可視分光光度計(V−570)を用いて硬化直後の板状硬化物の400nmの光透過率を測定した。
(1−3) 紫外線照射後の光透過率
紫外線照射装置で300nm以下の波長の光をカットするカットフィルターを用いて板状硬化物を100時間紫外線照射した後、400nmの光透過率を測定した。
(1−4) 加熱後の光透過率
板状硬化物を150℃のオーブンに200時間入れて加熱した後、400nmの光透過率を測定した。
(1−5) 硬度
2枚のガラス板に厚さ5mmのシリコーンゴムシートをスペーサーとして挟み込んで作製したセルに、上記樹脂組成物を流し込み、以下2つの条件で硬化させて、厚さ5mmの板状硬化物を作製した。
作製した板状硬化物の表面硬度をショアA型硬度計を用いて測定した。
条件1:150℃で2時間加熱
条件2:150℃で2時間、180℃で2時間加熱
(1−6) 表面の皺
直径4cm、厚さ1cmの大きさの型に上記樹脂組成物を流し込み、型の上面に蓋をしない状態で、150℃で2時間加熱し、硬化物を作製した。硬化物の表面の皺の有無を観察した。
(2-1) 初期粘度および粘度変化率
上記樹脂組成物の初期および25℃で120時間保管した後の25℃における粘度をJISK5600−2−3に準じ、コーンプレート型粘度計を使用して測定した。また、以下の式を用いて粘度変化率を算出した。
粘度変化率(%)
=〔(120時間保管後の粘度)−(初期粘度)〕×100/〔初期粘度〕
(2-2) ゲルタイム―触媒毒の影響
触媒毒となる物質として硫黄化合物を含有させた樹脂組成物を作製し、初期および25℃で120時間保管した後の150℃におけるゲルタイムを測定した。ゲルタイムの測定方法はJIS C 2161の7.5.1に規定されるゲル化時間A法に準じて行った。また、以下の式を用いてゲルタイム変化率を算出した。
ゲルタイム変化率(%)
=〔(120時間保管後のゲルタイム)−(初期ゲルタイム)〕×100/〔初期ゲルタイム〕
上記各測定項目および実施例1〜5および比較例1〜5で得られた各測定値を表1にまとめて示した。
Claims (6)
- 前記(A)熱硬化性有機ケイ素化合物が、(a1)1分子中に2個以上の不飽和結合基及び前記式(1)で表される複素環を有する有機化合物と、(a2)1分子中に2個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを前記(B)ヒドロシリル化触媒の存在下、60〜120℃において反応させてなる化合物である請求項1に記載の光半導体部品用樹脂組成物。
- 前記(A)熱硬化性有機ケイ素化合物の25℃における粘度が2,000〜50,000mPa・sの液状である請求項1又は2に記載の光半導体部品用樹脂組成物。
- 前記(C)フェノール化合物がヒンダードフェノール化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の光半導体部品用樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の光半導体部品用樹脂組成物からなる光半導体部品用封止材又はシール材。
- 請求項5に記載の光半導体部品用封止材又はシール材を加熱硬化してなることを特徴とする硬化物。
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