JP2015047923A - 車両用制動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】合理的な構成で、制動トルクを確保しつつ車両のエネルギ効率を高める。【解決手段】車両用制御装置は、ブレーキペダル21の踏み込み操作に応じた摩擦制動トルクを発生する摩擦ブレーキ機構20と、回生制御を受けることにより回生制動トルクを発生するモータ18と、モータ18の回生電力を蓄電する高圧バッテリ33と、回生電力や高圧バッテリ33の電力を冷却水ヒータ37等に配電するエンジン14と、高圧バッテリ33のSOCを求め、ブレーキペダル21の操作量に応じた目標制動トルクTtとSOCとに基づき、モータ18及びインバータ32を制御するECU40とを備える。ECU40は、目標回生トルクTbtを求め、この目標回生トルクTbtに対応する回生電力を求める。そして、この回生電力のうち、高圧バッテリ33に蓄電できない余剰回生電力を冷却水ヒータ37等に配電すべくインバータ32を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンと走行用のモータを併用して走行するハイブリッド車両などの車両用制動装置に関する。
エンジンとモータを併用して走行するハイブリッド車両では、減速時、機械式(摩擦)ブレーキの他に、モータを回生制御する回生ブレーキが併用される。回生ブレーキは、車両の運動エネルギを電気エネルギに変換して回収でき、車両のエネルギ効率を高めることができる。しかし、変換された電気エネルギ(回生電力)が蓄電されるキャパシタ等の蓄電装置が満充電状態になっている場合には、過充電による蓄電装置の劣化を回避する必要があり、回生ブレーキの使用が制限される。
なお、近年では、ブレーキペダルの踏み込み量に基づき決まる目標制動トルクのうち、回生ブレーキが負担する制動トルクの割合を蓄電装置の充電状態に応じて変更する、いわゆる回生協調制御を行うことで、必要な制動トルクを確保しつつ、車両のエネルギ効率を高めるようにした車両用制動装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平7−163008号公報
特許文献1に開示される、従来の車両用制動装置は、蓄電装置が満充電状態のときには、ほぼ機械式ブレーキのみで、要求される全制動トルクを発生させ、逆に、蓄電装置の充電状態が低レベルのときには、ほぼ回生ブレーキのみで、要求される全制動トルクを発生させるものである。つまり、機械式ブレーキおよび回生ブレーキの何れもが一方のブレーキのみで、想定される最大制動トルクを発生させる能力を有することが前提である。しかし、このような構成は、車両一台が有するブレーキシステムとしては過剰スペックと考えられ、この点に改善の余地がある。
本発明は、より合理的な構成で、十分な制動トルクを確保しつつ車両のエネルギ効率を高めることができる技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、出願人は、ブレーキペダルの踏み込み操作により定められる目標制動力よりも常に低い制動力を発生するように機械式ブレーキ(機械式制動手段)を構成した上で、不足する制動力を回生ブレーキ(モータ)で補うことを考えた。この構成によれば、必要な制動力(目標制動力)を確保しながら、機械式制動手段やモータに求められる制動能力を低く抑えることが可能となる。しかし、この構成の場合には、従来のように回生ブレーキによる制動力を機械式ブレーキで代替えすることが不可能であり、例えば蓄電装置が満充電状態となって、回生ブレーキを使用できない場合には制動力が不足するという不都合が発生する。しかし、このような不都合は、次のような構成により解決される。すなわち、本発明の一の局面にかかる車両用制動装置は、走行用動力源として、エンジンと回生可能なモータとを備えた車両の制動装置であって、ブレーキペダルを備え、当該ブレーキペダルの踏み込み操作に応じて制動力を発生する機械式制動手段と、モータが発生する回生電力を蓄電する蓄電手段と、蓄電手段の蓄電率を検出する蓄電率検出手段と、モータおよび蓄電手段に接続され、モータが発生する回生電力をその他の電装品に配電可能な配電手段と、前記ブレーキペダルの操作量に応じた車両の目標制動力を設定し、この目標制動力と蓄電手段の蓄電率とに基づき前記モータの回生制御および前記配電手段の配電制御を行う制御手段と、を備え、前記機械式制動手段は、ブレーキペダルの踏み込み操作により発生する制動力が常に前記目標制動力よりも低くなる出力特性を有しており、前記制御手段は、前記機械式制動手段の制動力を含む機械制動力と前記モータの回生制動力とで前記目標制動力が達成されるように、機械式制動手段の前記出力特性と前記目標制動力とに基づきモータの目標回生制動力を定めて当該モータを回生制御するとともに、当該回生制御により前記モータが発生する回生電力のうち、前記蓄電手段に蓄電できない余剰回生電力が発生する場合には、当該余剰電力を前記電装品に配電すべく前記配電手段を制御するものである。
この構成によれば、モータが目標回生制動力を発生することで生成される回生電力のうち、蓄電手段に蓄電することができない余剰回生電力を電装品で消費することができる。すなわち、蓄電手段が満充電状態であってもモータの回生制動力を十分に得ることができ、上記のように制動力が不足する、といった事態を回避することが可能となる。従って、合理的な構成で、十分な制動力(トルク)を確保しつつ車両のエネルギ効率を高めることが可能となる。
なお、上記の車両用制動装置においては、前記機械式制動手段を第1機械式制動手段と定義したときに、これとは別に、前記エンジンのポンピングロスを増大させることで制動力を発生させる第2機械式制動手段を備え、前記制御手段は、前記余剰回生電力の一部又は全部を前記電装品に配電できない場合には、当該余剰回生電力の一部又は全部に相当する回生制動力分だけ前記目標回生制動力を低く定め、これに伴う制動力の不足分を前記第2機械式制動手段の制動力で代替すべく当該第2機械式制動手段を制御するものであるのが好適である。
この構成によれば、余剰回生電力の一部又は全部を電装品で消費できないような場合には、その分だけモータの目標回生制動力が低く定められ、これに伴い不足する制動力が第2機械式制動手段の制動力で代替される。そのため、蓄電手段の充電状態や電装品の使用状況によって車両の制動力が不足するといった不都合が生じることを高度に抑制することが可能となる。
この場合、前記第2機械式制動手段は、エンジンの吸排気弁の開閉時期および弁開度の少なくとも一方を変更することで前記エンジンのポンピングロスを増大させるもの、およびスロットル弁および排気シャッタ弁の少なくとも一方の弁開度を変更することにより前記エンジンのポンピングロスを増大させるもののうち、少なくとも一方であるのが好適である。
この構成によれば、モータの目標回生制動力が低く定められることにより不足する制動力を、エンジンに搭載される既存の設備を用いて良好に確保することが可能となる。
この場合、前記第2機械式制動手段は、前記エンジンの吸気弁の開閉時期を変更するものである場合には、前記制御手段は、吸気弁の閉時期を進角させるべく当該第2機械式制動手段を制御する。
この構成によれば、エンジンのポンピングロスを効果的に増大させることができ、要求される制動力を効率良く得ることが可能となる。
また、上記の車両用制動装置においては、前記エンジンの回転駆動力を受けて作動し、当該作動に伴いエンジンの負荷を増大させることにより制動力を発生させる第3機械式制動手段を備え、前記制御手段は、前記余剰回生電力の一部又は全部を前記電装品に配電できない場合には、当該余剰回生電力の一部又は全部に相当する回生制動力分だけ前記目標回生制動力を低く定め、これに伴う制動力の不足分を前記第3機械式制動手段の制動力で代替すべく当該第3機械式制動手段を制御するものであってもよい。
この構成によれば、余剰回生電力の一部又は全部を電装品で消費できないような場合には、その分だけモータの目標回生制動力が低く定められ、これに伴い不足する制動力が第3機械式制動手段の制動力で代替される。そのため、第2機械式制動手段を備える場合と同様に、蓄電手段の充電状態や電装品の使用状況によって車両の制動力が不足するといった不都合が生じることを高度に抑制することが可能となる。
この場合、前記第3制動手段は、車両で用いられる流体を循環させるためのポンプであるのが好適である。
これの構成によれば、モータの目標回生制動力が低く定められることにより不足する制動力を、エンジンに搭載される既存の設備を用いて良好に確保することが可能となる。
なお、上記の車両用制動装置においては、前記エンジンの動力を車輪駆動軸に伝達するトランスミッションを含み、前記モータは、前記トランスミッションを介することなく前記車輪駆動軸に連結されているのが好適である。
この構成によれば、モータがトランスミッションを介すことなく車輪駆動軸に連結されているため、回生制動時の運動エネルギをトランスミッションでロスすることなくモータに入力することができる。すなわち、車輪の運動エネルギを効果的に回生電力として回収することが可能となる。
また、上記一の局面にかかる車両用制動装置においては、前記モータの異常を検知する異常検知手段と、前記エンジンのポンピングロスを増大させることにより制動力を発生させる手段、および、前記エンジンの回転駆動力を受けて作動し、当該作動に伴いエンジンの負荷を増大させることにより制動力を発生させる手段のうち、少なくとも一方である第4機械式制動手段と、を含み、前記制御手段は、前記異常検知手段により前記モータの異常が検知されたときに、前記目標回生制動力の一部又は全部を前記第4機械式制動手段の制動力により代替えすべく当該第4機械式制動手段を制御するものであるのが好適である。
この構成によれば、モータの異常によってモータの回生制動を使用できない場合に、本来モータが負担すべき制動力を、エンジンのポンピングロスやエンジンの負荷を増大させることにより機械的制動力で代替することができる。そのため、モータの異常により制動力が不足することを抑制することが可能となる。
以上説明したように、本発明の車両用制動装置によれば、合理的で安価な構成で、十分な制動力を確保しつつ車両のエネルギ効率を高めることができる。
本発明の車両用制動装置が搭載されたハイブリッド車両を示す構成図である。 車両用制動装置の制御系を示すブロック図である。 ECUによるブレーキ制御の一例を示すフローチャートである。 ECUによるブレーキ制御の一例を示すフローチャートである。 ブレーキペダルの操作量(踏力)と目標制動トルクとの関係を示すグラフ(マップ)である。 回生制動が制限される場合の目標制動トルクと目標回生制動トルクとの関係を説明するグラフである。 ポンピングロスを増大させるための排気弁吸気弁の制御を説明する図であり、(a)は吸気タイミングを変更(進角)した場合の吸気弁排気弁の制御例、(b)は吸気弁の開度(リフト量)を変更(減少)させた場合の吸気弁排気弁の制御例を各々します。 モータが故障した場合のブレーキペダルの操作量(踏力)と制動トルクとの関係を示すグラフである。 EGR弁の開度とポンピングロス(制動トルク)との関係を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
図1は、本発明にかかる車両用制動装置が搭載されたハイブリッド車両1(以下、単に車両1という)の概略構成を示している。この車両1は、いわゆるパラレル式のバイブリッド車両である。車両1は、同図に示すように、車輪10と、車軸12(本発明の車輪駆動軸に相当する)と、エンジン14と、オートマチック(AT)トランスミッション16と、デフ17と、モータ18と、摩擦ブレーキ機構20(本発明の第1機械式制動手段に相当する)とを備えており、エンジン14の駆動力とモータ18の駆動力とを併用して走行することが可能となっている。
前記エンジン14は、直列四気筒の4サイクル火花点火式ガソリンエンジンであり、ATトランスミッション16を介して車軸12に連結されている。
エンジン14の詳細図は省略するが、当該エンジン14は、吸気弁および排気弁を駆動する動弁機構として、吸気弁の開弁タイミングおよび吸気弁のリフト量(開度)を変更可能なVVL機構(Variable Valve Timing mechanism)を備えた動弁機構14aを備えている。なお、VVL機構は、例えば特開2007−092690号公報等に開示されるものであり、電磁切換弁26(図2に示す)の切り替え制御により、クランシャフトに対するカムシャフトの位相をずらすことで吸気弁の開弁開始時期と閉弁時期とを同時に切り替えるとともに、切換モータ27(図2に示す)の制御により吸気弁のリフト量を無段階に切り替えることが可能に構成されている。なお、当例では、動弁機構14aおよび後述するスロットル弁29が本発明の第2機械式制動手段、及び第4機械式制動手段に相当する。
エンジン14は、さらにEGR装置14bを備えている。EGR装置14bは、排気通路から吸気通路に排気の一部を還流するEGR通路と、このEGR通路を通じて還流される排気の量を制御するEGR弁28(図2に示す)とを含む。
エンジン14には、さらに補機類(本発明の第3機械式制動手段、及び第4機械式制動手段に相当する)として、当該エンジン14をクランキングするベルトスタータ15a、エンジン14により駆動されて当該エンジン14の冷却水を循環させる冷却ポンプ15b、空調装置(エアコン)の冷媒を循環させるA/Cポンプ15b、およびATトランスミッション16の潤滑油を循環させるATオイルポンプ15d等が付設されている。
前記モータ18は、車軸12に連結されており、これによりATトランスミッション16を介すことなく、直接車軸12に駆動トルクを付与することが可能となっている。
モータ18は、車軸12に駆動トルクを付加することでエンジン出力をアシストする機能と、車軸12から動力を得て発電(回生)する機能とを有する。具体的には、モータ18は、車軸12と連動して回転するロータと、ロータの周囲に配置されるステータとを有しており、前記ロータにフィールドコイルが、前記ステータにステータコイルが各々巻装されている。そして、モータ18の発電時には、前記フィールドコイルに電圧が印加され、それによって生成される磁界中をロータが回転することにより誘導電流が発生する。つまり、電力が生成される。他方、エンジン出力のアシスト時には、前記フィールドコイル及びステータコイルに電圧が印加され、これにより当該電圧に応じた回転力が前記ロータに生じる。つまり、アシストトルクが生成される。なお、モータ18の発電時には、ステータとロータとの間に回転抵抗が発生し、これにより車軸12に制動トルク(回生制動力)が付与される。
前記摩擦ブレーキ機構20は、ブレーキペダル21、倍力装置22、マスタシリンダ23、ブレーキシリンダ24、ブレーキパッド(図示省略)およびブレーキロータ(図示省略)等を含む。つまり、摩擦ブレーキ機構20は、ドライバのブレーキペダル21の踏み込み操作に応じて、その踏力を倍力装置22で増幅し、この増幅された踏力をマスタシリンダ23で油圧に変換してブレーキシリンダ24に伝達する。これにより、車輪10と一体的に回転する前記ブレーキロータに対してブレーキパッドを押圧し、摩擦制動力を発生させる。なお、図1では省略しているが、ブレーキシリンダ24、ブレーキパッドおよびブレーキロータは車輪10毎に設けられている。これにより、摩擦ブレーキ機構20は、マスタシリンダ23から各ブレーキシリンダ24に同時に踏力を伝達し、4つの車輪10に対して同時に制動力を付与する。
前記車両1は、さらに、モータ18が生成する電力(回生電力)を蓄電する高圧バッテリ33を備えている。高圧バッテリ33は、最大25Vまで充電可能な大容量の二次電池であり、比較的急速な充放電が可能な、例えばリチウムイオン電池などが適用されている。
高圧バッテリ33と前記モータ18との間には、インバータ32が設けられており、このインバータ32を介して、モータ18の回生電力が高圧バッテリ33に蓄電される一方、高圧バッテリ33に蓄電された電力がモータ18に供給される。当例では、高圧バッテリ33が本発明の蓄電手段に相当し、インバータ32が本発明の配電手段に相当する。
インバータ32には、エンジン冷却水を予熱するための冷却水ヒータ37、PTCヒータ38、リアウインドウ等の曇りを取るための曇り止めヒータ(ガラスヒータ)39等のヒータ類が接続されるとともに、DC/DCコンバータ34を介して低圧バッテリ35およびその他の電装品(オーディオ、ナビゲーション装置等)36等が接続されている。
これにより、高圧バッテリ33に蓄電された電力がヒータ類37〜39に供給されるとともに、DC/DCコンバータ34を介して低圧バッテリ35及びその他の電装品36に供給される。なお、低圧バッテリ35は、低電圧(最大12V)の二次電池であり、当例では、車両用バッテリとして一般的な鉛電池が適用されている。この低圧バッテリ35は、急速な充放電には不向きであるが、比較的大量の電力を蓄えることができる。DC/DCコンバータ34は、インバータ32から出力される電力を12Vまで降圧して、電装品36に供給するとともに、必要に応じて低圧バッテリ35に供給する。なお、当例では、前記ヒータ類37〜39及び電装品36(オーディオ、ナビゲーション装置等)が本発明の電装品に相当する。
図2に示すように、車両1には、エンジン14およびモータ18等を統括的に制御するECU(Electronic Control Unit)40が搭載されている。ECU40は、周知のとおり、CPU、ROM、RAM等から構成されるマイクロプロセッサからなり、本発明の制御手段に相当するものである。
ECU40には、各種センサからの情報が逐次入力される。具体的に、車両1には、走行速度を検出する車速センサ50、エンジン14の冷却水温を検出する水温センサ51、図外のアクセルペダルの開度(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ52、摩擦ブレーキ機構20のブレーキペダル21の操作量(踏力)を検出するブレーキセンサ53、高圧バッテリ33とインバータ32との間の通電電流値及び高圧バッテリ33の電圧値を検出する電流/電圧センサ54等が設けられており、ECU40は、これら各センサ50〜54と電気的に接続されている。
ECU40は、これらセンサ50〜54からの入力信号に基づいて、車速、水温、アクセル開度、ブレーキペダル踏力、高圧バッテリ33の電流/電圧値といった種々の情報を取得する。また、図外のセンサにより、ECU40は、燃料噴射弁や点火コイル、又は動弁機構14aのアクチュエータ(電磁切換弁26、切換モータ27等)の電流/電圧値や、モータ18への供給電力(電流/電圧値)、モータ18の回転数および出力トルク等の情報を取得する。そして、ECU40は、車両1の制動時、つまり、ドライバによるブレーキペダル21の操作時には、必要な制動力を確保する一方で、高圧バッテリ33が過充電となることを回避するように、エンジン14、その補機類(ベルトスタータ15a、冷却ポンプ15b、A/Cポンプ15b、ATオイルポンプ15d等)、モータ18およびインバータ32等を制御する。
次に、ECU40による車両制動に関するエンジン14、補機類、モータ18およびインバータ32の具体的な制御について、図3及び図4のフローチャートに基づき説明する。
同図に示す処理がスタートすると、まず、ECU40は、各種センサ値を読み込む処理を実行する(ステップS1)。すなわち、ECU40は、車速センサ50、水温センサ51、アクセル開度センサ52、ブレーキセンサ53、及び電流/電圧センサ54からそれぞれの検出信号を読み込み、これらの信号に基づいて、車速、水温、アクセル開度、ブレーキ踏力、及び高圧バッテリ33の電流/電圧値等の各種情報を取得する。
次に、ECU40は、ステップS1で読み込んだ情報に基づいて、ドライバがブレーキ操作を行ったか否かを判定する(ステップS3)。具体的には、アクセル開度およびブレーキ踏力の値に基づき、アクセルがオフ、かつブレーキがオンか否かを判定する。
ステップS3でYESと判定した場合、ECU40は、ブレーキ踏力の値と、ECU40に予め記憶されているマップとに基づき、目標制動トルク(目標制動力)を求める(ステップS5)。
図5はマップの一例である。このマップでは、ブレーキ踏力Fsと目標制動トルクTtとの関係が定められるとともに、この目標制動トルクTtを得るために要求される機械制動トルクTaと回生制動トルクTbとの割合が定められている。ここで、機械制動トルクTaは、ブレーキペダル21の踏み込みにより摩擦ブレーキ機構20が発生する摩擦制動トルクに、その他の制動トルク、例えばATトランスミッション16等の機械的抵抗により生じる未必の制動トルクを加えたトルクである。また、回生制動トルクTbとは、モータ18が回生制御される(すなわち発電機として駆動される)ことにより当該モータ18が発生する制動トルクである。この車両1では、このように、常に、機械制動トルクTaと回生制動トルクTbとが併用されることで目標制動トルクが達成される。つまり、摩擦ブレーキ機構20は、そのブレーキペダル21の踏み込み操作に伴い発生する制動力が、当該踏み込み操作に応じて定められる上記目標制動トルクTtよりも常に低くなるようにその出力特性が設定されている。具体的には、倍力装置22による踏力の増幅率等が設定されている。車両1は、このように摩擦ブレーキ機構20だけでは不足する車両1の制動力を、モータ18の回生制動で補う構成となっている。
このマップにおいて、目標制動トルクTtは、ブレーキ踏力Fsの増加に伴い直線的に増加するように設定されている。但し、目標制動トルクTtに占める機械制動トルクTaの割合は、ブレーキ踏力Fsが低い領域および比較的高い領域ではほぼ直線的に増加し、これらの中間領域ではほぼ一定となっている。これは摩擦ブレーキ機構20の機械的な特性に依存するものであり、従って、目標制動トルクTtに占める機械制動トルクTaと回生制動トルクTbとの割合は、ブレーキ踏力Fsに応じて異なっている。
ステップS5において、ECU40は、ブレーキ踏力Fsと上記マップとに基づき目標制動トルクTtを求め、さらに回生制動トルクTbを特定する。
次に、ECU40は、ステップS1で読み込んだ情報に基づいて、エンジン系統又はモータ系統に異常(故障)が発生しているか否かを判定する(ステップS7)。例えば、ECU40は、燃料噴射弁や点火コイル、又は動弁機構14aのアクチュエータの電流/電圧値に基づき、エンジン系統に短絡や断線等の異常が発生しているか否かを判定する。また、ECU40は、モータ18への供給電力(電流/電圧値)に対するモータ回転数やモータ出力トルクを検出し、その結果に基づきモータ系統に異常が発生しているか否かを判定する。
ステップS7でNOと判定した場合には、ECU40は、ステップS5で求められた回生制動トルクTbをモータ18に発生させる場合に、これに伴い得られる回生電力を高圧バッテリ33に全て蓄電できるか否かを、当該高圧バッテリ33の蓄電率(SOC(State of Charge))に基づき判定する(ステップS9)。
ここで、高圧バッテリ33のSOCは、ECU40により算出される。詳しくは、初期(出荷時)のSOCの値と、高圧バッテリ33に入力及び高圧バッテリ33から出力された電流の時間積分を高圧バッテリ33の電池容量で割った値との和で算出される。初期のSOCは、出荷時に計測された各電池のOCV(Open Circuit Voltage)の値から導かれ、各電池2,3に対して入出力される電流の値は、前記電流/電圧センサ54により計測された値が用いられる。ECU40は、高圧バッテリ33のSOCを時々刻々算出しており、従って、当例ではECU40及び電流/電圧センサ54が本発明の蓄電率検出手段として機能している。
ステップS9でYESと判定した場合には、ECU40は、処理をステップS19に移行する。ここで、ECU40は、ステップS5で求められた回生制動トルクTbを目標回生トルクTbtに設定し、この目標回生トルクTbtに基づきモータ18を回生制御する。具体的には、前記フィールドコイルに印加する電圧値を制御するとともに、モータ18が発生する回生電力が高圧バッテリ33に蓄電されるようにインバータ32を制御する(ステップS21)。
これに対して、ステップS9でNOと判定した場合、すなわち、回生電力の一部を高圧バッテリ33に蓄電できないと判定した場合には、その余剰回生電力をヒータ類37〜39及び電装品36で消費する(ヒータ類37〜39及び電装品36に配電する)ことにより、目標回生トルクTbtを確保できるか否かを判定する(ステップS11)。
ステップS11でYESと判定した場合には、ECU40は、処理をステップS19に移行する。ここで、ECU40は、ステップS5で求められた回生制動トルクTbを目標回生トルクTbtに設定し、この目標回生トルクTbtに基づきモータ18を回生制御する。また、これに伴いモータ18で生成される回生電力が高圧バッテリ33に蓄電されるとともに、上記余剰回生電力がヒータ類37〜39及び電装品36で消費される(ヒータ類37〜39及び電装品36に配電される)ようにインバータ32を制御するとともに、必要に応じてDC/DCコンバータ34を制御する。
これに対して、ステップS11でNOと判定した場合には、ECU40は、エンジン14のポンピングロス増大により得られる制動トルクを演算し(ステップS13)、この制動トルク分を加算することで、目標制動トルクTtを確保できるか否かを判定する(ステップS15)。すなわち、回生電力の一部を蓄電することができず、かつその余剰回生電力をヒータ類37〜39等で消費(配電)できない場合には(ステップS9、S11でNO)、図6に示すように、その余剰回生電力分(例えば同図中の符号Tc)だけモータ18の回生制動を抑制する必要がある。この場合には、目標制動トルクTtに対して制動トルクが不足するため、ECU40は、この不足分をエンジン14のポンピングロスを増大させることにより補完することが可能か否かを判定する。具体的には、ECU40は、図7(a)の破線に示すように、吸気弁の開閉時期を通常運転時(同図中の実線)よりも進角制御することにより得られる制動トルクと、図外の吸気通路に配置されるスロットル弁29(図2に示す)を通常よりも絞り制御することにより得られる制動トルクとをマップ等から求め、これらの制御の一方、又は双方を行うことにより制動トルクの不足分(図6中の符号Tcで示す制動トルク分)を補完することが可能(つまり、目標制動トルクTtを確保可能)か否かを判定する。この場合、例えば吸気弁の開閉時期の進角制御、又はスロットル弁29の絞り制御の何れか一方の制御だけで制動トルクの不足分を補完できるか否かを判定し、補完できない場合に、さらに双方の制御で当該不足分を補完できないかを判定する。
ステップS15でYESと判定した場合には、ECU40は、処理をステップS19に移行する。ここで、ECU40は、上記余剰回生電力分だけモータ18の回生制動を抑制した場合の回生制動トルクTb(図6中に示す回生制動トルクTb)を目標回生トルクTbtに設定し、この目標回生トルクTbtに基づきモータ18を回生制御するとともに、動弁機構14aの電磁切換弁26及び/又はスロットル弁29を制御することにより、不足する制動力(図6中の符号Tc分)を補完するのに必要十分な範囲でエンジン14のポンピングロスを増大させる。
これに対して、ステップS15でNOと判定した場合、すなわち、吸気弁の開閉時期の進角制御、及びスロットル弁29の絞り制御の双方を実施したとしても、不足分の制動力を完全には補完できない場合には、ECU40は、エンジン14に付設される補機のうち、不足分の制動トルクを発生させる、換言すれば当該不足分の制動トルクに相当する負荷をエンジン14に与えることが可能な補機を選定する(ステップS17)。エンジン14には、上記の通り、補機として、ベルトスタータ15a、冷却水ポンプ15b、A/Cポンプ15c、及びATオイルポンプ15d等が付設されている。ECU40は、これら補機のうち、現在停止中の補機であって、かつ上記不足分の制動トルクを発生させることが可能な一乃至複数の補機を選定する。なお、ECU40には、予め補機と制動トルク(負荷)との関係を定めたマップが記憶されており、ECU40による上記選定は、当該マップに基づいて行われる。
補機が選定されると、ECU40は、処理をステップS19に移行し、上記余剰回生電力分だけモータ18の回生制動を抑制した場合の回生制動トルクTb(図6中に示す回生制動トルクTb)を目標回生トルクTbtに設定し、この目標回生トルクTbtに基づきモータ18を回生制御する。また、動弁機構14aの電磁切換弁26及びスロットル弁29を制御することによりエンジン14のポンピングロスを増大させるとともに、ステップS17で選定された補機を作動させることによりエンジン14の負荷を増大させる。これにより、不足する制動力を補完する。
なお、ベルトスタータ15aは、いわゆるモータジェネレータであり、ベルトを介してエンジン14にトルクを付加することで当該エンジン14を始動する機能を有する一方、エンジン駆動中に電圧が印加されることで発電機として機能する。つまり、この発電に伴いステータとロータとの間に回転抵抗が発生することでエンジン14の負荷を増大させる。ステップS19bの処理において、ベルトスタータ15aを作動させるとは、このようにエンジン駆動中に電圧を印加してベルトスタータ15aを発電機として作動させることである。この場合、ベルトスタータ15aで発生する電力は前記モータ18よりも低電圧であり、当該電力は、インバータ32及びDC/DCコンバータ34を介して低圧バッテリ35に充電される。
一方、ステップS7の判定でYES(エンジン系統又はモータ系統に故障有り)と判定した場合には、ECU40は、故障がモータ系統であるか否かを判定する(ステップS23)。
ステップS23でYESと判定した場合には、ECU40は、モータ18を用いることなく車両1を制動する。具体的には、ステップS25〜ステップS31の処理を実行する。これらの処理は、上述したステップS13〜S19の処理にほぼ準ずるものである。
すなわち、この車両1では、上述の通り、ブレーキペダル21の踏み込み操作で得られる制動力が、当該踏み込み操作により定まる目標制動トルクTtよりも常に小さくなるように摩擦ブレーキ機構20の出力特性が設定されているため、摩擦ブレーキ機構20のみで目標制動トルクTtを確保することができない。そのため、モータ系統の異常によりモータ18を使用できない場合には、図8中に破線で示すように、回生制動トルクTb分だけ制動トルクが不足する。そこで、ECU40は、エンジン14のポンピングロス増大により得られる制動トルクを演算し(ステップS25)、この制動トルク分を加算することで、ステップS5で求められた回生制動トルクTbを補完できるか(つまり、目標制動トルクTtを確保できるか)否かを判定する(ステップS27)。具体的には、ステップS13、S15と同様に、吸気弁の開閉時期を進角制御することにより得られる制動トルクと、スロットル弁29(図2に示す)を絞り制御することにより得られる制動トルクとをマップ等から求め、これらの制御の一方、又は双方を行うことにより制動トルクの不足分(図6中の回生制動トルクTb分)を補完できるか否かを判定する。
ステップS27でYESと判定した場合には、ECU40は、ステップS31に移行し、動弁機構14aの電磁切換弁26及び/又はスロットル弁29を制御することにより、不足する制動力を補完するのに必要十分な範囲でエンジン14のポンピングロスを増大させる。これにより、機械制動のみ、具体的には、摩擦ブレーキ機構20による制動トルク、エンジン14のポンピングロス増大による制動トルク、及びその他の機械的抵抗による制動トルクのみで目標制動トルクTtを達成する。
これに対して、ステップS27でNOと判定した場合、すなわち、吸気弁の開閉時期の進角制御、及びスロットル弁29の絞り制御の双方を実施したとしても、制動トルクの不足分(回生制動トルクTb分)を完全には補完できない場合には、ECU40は、ステップS17の処理と同様に、エンジン14に付設される補機(上記ベルトスタータ15a、冷却水ポンプ15b、A/Cポンプ15c、及びATオイルポンプ15d等)のうち、不足分の制動トルクを発生させることが可能な補機を選定する(ステップS17)。
補機が選定されると、ECU40は、処理をステップS31に移行し、動弁機構14aの電磁切換弁26及びスロットル弁29を制御することにより、ポンピングロスを増大させるとともに、ステップS29で選定された補機を作動させることによりエンジン14の負荷を増大させる。これにより、摩擦ブレーキ機構20による制動トルク、エンジン14のポンピングロス増大による制動トルク、補機の制動トルク、及びその他の機械的抵抗による制動トルクにより目標制動トルクTtを達成する。
一方、ステップS23でNO(エンジン系統に故障有り)と判定した場合には、ECU40は、エンジン14のポンピングロス増大に伴う制動トルクや、ベルトスタータ15a等の補機による制動トルクを用いることなく車両1を制動する。具体的には、ECU40は、ステップS9の処理と同様に、ステップS5で求められた回生制動トルクTbをモータ18に発生させる場合に、これに伴い得られる回生電力を高圧バッテリ33に全て蓄電できるか否かを、当該高圧バッテリ33のSOCに基づき判定する(ステップS33)。
ステップS33でYESと判定した場合には、ECU40は、ステップS5で求められた回生制動トルクTbを目標回生トルクTbtに設定し、この目標回生トルクTbtに基づきモータ18を回生制御するとともに、これによりモータ18が発生する回生電力が高圧バッテリ33に蓄電されるようにインバータ32を制御する(ステップS39)。
これに対して、ステップS33でNOと判定した場合、すなわち、回生電力の一部を高圧バッテリ33に蓄電できないと判定した場合には、ECU40、ステップS11の処理と同様に、余剰回生電力をヒータ類37〜39及び電装品36で消費する(ヒータ類37〜39及び電装品36に配電する)ことで、目標回生トルクTbtを確保できるか否かを判定する(ステップS35)。
ステップS35でYESと判定した場合には、ECU40は、処理をステップS37に移行し、ステップS5で求められた回生制動トルクTbを目標回生トルクTbtに設定し、この目標回生トルクTbtに基づきモータ18を回生制御する。また、これに伴いモータ18で生成される回生電力が高圧バッテリ33に蓄電されるとともに、上記余剰回生電力がヒータ類37〜39及び電装品36で消費される(ヒータ類37〜39及び電装品36に配電される)ようにインバータ32を制御するとともに、必要に応じてDC/DCコンバータ34を制御する。
一方、ステップS35でNOと判定した場合には、ECU40は、ステップS5で求められた回生制動トルクTbを目標回生トルクTbtに設定してモータ18を回生制御する。また、これに伴いモータ18で生成される回生電力が高圧バッテリ33に蓄電されるとともに、上記余剰回生電力が図外の放電回路に供給されるようにインバータ32を制御する(ステップS41)。
以上のような、車両1によれば、次のような利点がある。
まず、この車両1では、摩擦ブレーキ機構20のブレーキペダル21の踏み込み操作で得られる制動トルクが、当該踏み込み操作により応じて定まる目標制動トルクTtよりも常に小さくなるようにその出力特性が設定された上で、これにより不足する制動トルクをモータ18の回生制動で補う。つまり、車両1の要求制動トルク(目標制動トルクTt)は、常に、摩擦ブレーキ機構20とモータ18とで分担され、従来のように、摩擦ブレーキ機構(機械式制動手段)及びモータの何れか一方だけで車両全体の要求制動トルクを賄うことが無い。そのため、車両1の要求制動トルク(目標制動トルクTt)を確保しながらも、摩擦ブレーキ機構20やモータ18に求められる制動能力を低く抑えることができ、よって、従来に比べてブレーキシステムの低廉化を図ることができる。
しかも、この車両1は、高圧バッテリ33のSOCが高く、モータ18の回生制動により得られる回生電力の全てを高圧バッテリ33に蓄電できない場合には、この余剰回生電力をヒータ類37〜39やその他の電装品36で消費させて回生制動トルクTbを確保する。そのため、高圧バッテリ33のSOCが高い場合でも良好に回生制動を行うことができる。従って、高圧バッテリ33のSOCの状態によってモータ18の回生制動が制限され、その結果、車両1の制動トルクが不足するといった不都合が生じることを効果的に抑制することができる。よって、この車両1によれば、摩擦ブレーキ機構20やモータ18に求められる制動能力を低く抑えた合理的かつ安価な構成で、車両1の要求制動トルクを良好に確保しつつ、車両1のエネルギ効率を高めることが可能となる。
さらに、この車両1では、仮に上記余剰回生電力をヒータ類37〜39やその他の電装品36で消費させることができない場合には、エンジン14のポンピングロスや負荷を増大させ、これにより上記余剰回生電力分に相当する回生制動トルクを機械制動トルクで代替するように構成されているので、高圧バッテリ33のSOCの状況によって、車両1の制動トルクが不足することを高度に抑制することができる。
また、この車両1によれば、上記のように余剰回生電力が生じる場合のみならず、モータ系統の故障等によってモータ18の制動力を使用できない場合にも、エンジン14のポンピングロスや負荷を増大させることで、本来モータ18が負担すべき回生制動トルクTbを機械制動トルクで代替するように構成されている。従って、この車両1によれば、モータ18の故障等により車両1の制動トルクが不足することを効果的に抑制することができるという利点もある。
また、この車両1によれば、モータ18がATトランスミッション16を介すことなく、デフ17と車輪10との間の位置で直接車軸12に連結されているため、モータ18による車輪10の駆動や回生電力の回収を効率良く行うことができるという利点もある。すなわち、モータ18の駆動時には、その駆動力をATトランスミッション16等でロスすることなく車軸12に直接伝達することができ、他方、モータ18の回生時には、制動時の運動エネルギをATトランスミッション16等でロスすることなく車軸12からモータ18に入力することができる。
ところで、以上説明した車両1は、本発明にかかる車両用制動装置が適用された車両1の好ましい実施形態の例示であって、車両用制動装置や車両1の具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
上記の車両1では、機械制動力を発生させるために、エンジン14の吸気弁の開閉時期の進角制御する、及び/又はスロットル弁29を絞り制御することによりエンジン14のポンピングロスを増大させているが、ポンピングロスを増大させる手法はこれに限定されない。例えば、動弁機構14aの切換モータ27を制御し、図7(b)の破線に示すように、エンジン14の吸気弁のリフト量(開度)を通常運転時(実線)よりも減少させることでポンピングロスを増大させてもよい。この場合、動弁機構14aは、上記の通り、切換モータ27の制御により吸気弁のリフト量を無段階に切り替え可能なため、不足する制動力に基づき前記リフト量(切換モータ27)を制御することで、目標制動トルクTを過不足無く確保することが可能となる。また、EGR装置14bのEGR弁28を制御することでポンピングロスを増大させるようにしてもよい。具体的には、図9に示すように、EGR量の増大に伴いポンピングロスは減少する。従って、制動力が不足する場合には、EGR量が減少するようにEGR弁28を制御することでポンピングロスを増大させるようにすればよい。また、エンジン14の排気通路に排気シャッタ弁が備えられる場合には、この排気シャッタ弁を絞り制御することでポンピングロスを増大させるようにしてもよい。
また、上記車両1では、エンジン14の吸気弁の開閉時期の進角制御、又はスロットル弁29の絞り制御の何れか一方の制御だけで制動トルクの不足分を補完できるか否かを判定し、補完できない場合に、双方の制御を行うようが、勿論、予め定められた何れか一方の制御のみを行うようにしてもよい。
また、上記車両1では、モータ18は、ATトランスミッション16を介することなく車軸12に連結されているが、モータ18は、エンジン14とATトランスミッション16との間に配置され、当該ATトランスミッション16を介して車軸12に連結されるものであってもよい。但し、車輪10の駆動や回生電力の回収を効率良く行う観点からは、上記実施形態の構成を採用するのが好適である。
1 車両
14 エンジン
16 トランスミッション
18 モータ
20 摩擦ブレーキ機構
32 インバータ
33 高圧バッテリ
37 冷却水ヒータ
38 PTCヒータ
39 曇り止めヒータ
40 ECU

Claims (8)

  1. 走行用動力源として、エンジンと回生可能なモータとを備えた車両の制動装置であって、
    ブレーキペダルを備え、当該ブレーキペダルの踏み込み操作に応じて制動力を発生する機械式制動手段と、
    モータが発生する回生電力を蓄電する蓄電手段と、
    蓄電手段の蓄電率を検出する蓄電率検出手段と、
    モータおよび蓄電手段に接続され、モータが発生する回生電力をその他の電装品に配電可能な配電手段と、
    前記ブレーキペダルの操作量に応じた車両の目標制動力を設定し、この目標制動力と蓄電手段の蓄電率とに基づき前記モータの回生制御および前記配電手段の配電制御を行う制御手段と、を備え、
    前記機械式制動手段は、ブレーキペダルの踏み込み操作により発生する制動力が常に前記目標制動力よりも低くなる出力特性を有しており、
    前記制御手段は、前記機械式制動手段の制動力を含む機械制動力と前記モータの回生制動力とで前記目標制動力が達成されるように、機械式制動手段の前記出力特性と前記目標制動力とに基づきモータの目標回生制動力を定めて当該モータを回生制御するとともに、当該回生制御により前記モータが発生する回生電力のうち、前記蓄電手段に蓄電できない余剰回生電力が発生する場合には、当該余剰電力を前記電装品に配電すべく前記配電手段を制御する、ことを特徴とする車両用制動装置。
  2. 請求項1に記載の車両用制動装置において、
    前記機械式制動手段を第1機械式制動手段と定義したときに、これとは別に、前記エンジンのポンピングロスを増大させることで制動力を発生させる第2機械式制動手段を備え、
    前記制御手段は、前記余剰回生電力の一部又は全部を前記電装品に配電できない場合には、当該余剰回生電力の一部又は全部に相当する回生制動力分だけ前記目標回生制動力を低く定め、これに伴う制動力の不足分を前記第2機械式制動手段の制動力で代替すべく当該第2機械式制動手段を制御する、ことを特徴とする車両用制動装置。
  3. 請求項2に記載の車両用制動装置において、
    前記第2機械式制動手段は、エンジンの吸排気弁の開閉時期および弁開度の少なくとも一方を変更することで前記エンジンのポンピングロスを増大させるもの、およびスロットル弁および排気シャッタ弁の少なくとも一方の弁開度を変更することにより前記エンジンのポンピングロスを増大させるもののうち、少なくとも一方である、ことを特徴とする車両用制動装置。
  4. 請求項3に記載の車両用制動装置において、
    前記第2機械式制動手段は、前記エンジンの吸気弁の開閉時期を変更するものであり、
    前記制御手段は、吸気弁の閉時期を進角させるべく当該第2機械式制動手段を制御する、ことを特徴とする車両用制動装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の車両用制動装置において、
    前記エンジンの回転駆動力を受けて作動し、当該作動に伴いエンジンの負荷を増大させることにより制動力を発生させる第3機械式制動手段を備え、
    前記制御手段は、前記余剰回生電力の一部又は全部を前記電装品に配電できない場合には、当該余剰回生電力の一部又は全部に相当する回生制動力分だけ前記目標回生制動力を低く定め、これに伴う制動力の不足分を前記第3機械式制動手段の制動力で代替すべく当該第3機械式制動手段を制御する、ことを特徴とする車両用制動装置。
  6. 請求項5に記載の車両用制動装置において、
    前記第3制動手段は、車両で用いられる流体を循環させるためのポンプであることを特徴とする車両用制動装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の車両用制動装置において、
    前記エンジンの動力を車輪駆動軸に伝達するトランスミッションを含み、
    前記モータは、前記トランスミッションを介することなく前記車輪駆動軸に連結されている、ことを特徴とする車両用制動装置。
  8. 請求項1に記載の車両用制動装置において、
    前記モータの異常を検知する異常検知手段と、
    前記エンジンのポンピングロスを増大させることにより制動力を発生させる手段、および、前記エンジンの回転駆動力を受けて作動し、当該作動に伴いエンジンの負荷を増大させることにより制動力を発生させる手段のうち、少なくとも一方である第4機械式制動手段と、を含み、
    前記制御手段は、前記異常検知手段により前記モータの異常が検知されたときに、前記目標回生制動力の一部又は全部を前記第4機械式制動手段の制動力により代替えすべく当該第4機械式制動手段を制御する、ことを特徴とする車両用制動装置。
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