JPH1073161A - ハイブリッド車両の駆動制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車両の駆動制御装置

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JPH1073161A
JPH1073161A JP24620596A JP24620596A JPH1073161A JP H1073161 A JPH1073161 A JP H1073161A JP 24620596 A JP24620596 A JP 24620596A JP 24620596 A JP24620596 A JP 24620596A JP H1073161 A JPH1073161 A JP H1073161A
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vehicle
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motor generator
braking force
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淳 田端
Yutaka Taga
豊 多賀
Takatsugu Ibaraki
隆次 茨木
Yushi Hata
祐志 畑
Tsuyoshi Mikami
強 三上
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンおよびモータジェネレータを車両走
行時の動力源として備えており、前記動力源と駆動輪と
の間に自動変速機が配設されているハイブリッド車両に
おいて、モータジェネレータによる回生制動時に車両の
制動力が急変したり所望の制動力が得られなかったりし
て乗員に違和感を生じさせることを防止する。 【解決手段】 回生制動時変速禁止手段(ステップSA
4)により、回生制動時に自動変速機の変速制御を禁止
し、エンジンの回転抵抗により車両に作用させられるエ
ンジンブレーキ力が自動変速機の変速に伴って変動する
ことを防止するとともに、回生制動手段(ステップSA
7)でモータジェネレータの回生制動トルクを滑らかに
制御する。また、モータ故障時には、制動補助変速制御
手段(ステップSA10)により自動変速機を変速制御
し、エンジンブレーキで所望の制動力が得られるように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハイブリッド車両の
駆動制御装置に係り、特に、モータジェネレータによっ
て車両に制動力を作用させる制動技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】燃料の燃焼によって作動するエンジンと
モータジェネレータとを車両走行時の動力源として備え
ているとともに、その動力源と駆動輪との間に変速比を
変更可能な自動変速機が配設されているハイブリッド車
両が、例えば特開平7−67208号公報等に記載され
ている。このようなハイブリッド車両においては、車両
の運動エネルギーでモータジェネレータが回転駆動され
ることにより、発電力に応じた所定の回生制動力を車両
に作用させることが可能で、発電力すなわち回生制動ト
ルクを制御することにより制動力を滑らかに変化させる
ことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなハイブリッド車両においては、モータジェネレータ
による回生制動時に例えば有段の自動変速機の変速段が
変更されると、その自動変速機に連結されているエンジ
ンの回転抵抗によるエンジンブレーキ力が大きく変化
し、車両全体の制動力が変化して違和感を生じさせるこ
とがある。モータジェネレータが自動変速機に連結され
ている場合は、そのモータジェネレータによる回生制動
力自体も変速段の変化に伴って変化する。
【0004】また、モータジェネレータによる回生制動
だけでは十分な制動力が得られない場合があるととも
に、電気系統の故障などでモータジェネレータによる制
動が不可能となる場合があるが、何れも所望する制動力
が得られなくて違和感を生じさせることがある。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、エンジンおよびモー
タジェネレータを車両走行時の動力源として備えている
とともに、少なくともエンジンと駆動輪との間に自動変
速機が配設されているハイブリッド車両において、モー
タジェネレータによる回生制動時に車両の制動力が変化
したり所望する制動力が得られなかったりして違和感を
生じさせることを防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、第1発明は、(a) 燃料の燃焼によって作動するエ
ンジンとモータジェネレータとを車両走行時の動力源と
して備えている一方、(b) 前記動力源のうち少なくとも
エンジンと駆動輪との間に配設され、予め定められた変
速条件に従って変速比を段階的に変化させる自動変速機
と、(c) 車両の運動エネルギーで前記モータジェネレー
タが回転駆動されることにより、発電力に応じた所定の
回生制動力を該車両に作用させる回生制動手段とを有す
るハイブリッド車両の駆動制御装置において、(d) 前記
回生制動手段による制動時に前記自動変速機の変速比の
変更を禁止し、前記エンジンの回転抵抗により車両に作
用させられるエンジンブレーキ力が自動変速機の変速に
伴って変動することを防止する回生制動時変速禁止手段
を設けたことを特徴とする。
【0007】第2発明は、(a) 燃料の燃焼によって作動
するエンジンとモータジェネレータとを車両走行時の動
力源として備えている一方、(b) 前記動力源のうち少な
くともエンジンと駆動輪との間に配設された変速比を変
更可能な自動変速機と、(c)車両の運動エネルギーで前
記モータジェネレータが回転駆動されることにより、発
電力に応じた所定の回生制動力を車両に作用させる回生
制動手段とを有するハイブリッド車両の駆動制御装置に
おいて、(d) 前記回生制動手段による制動が不可または
限界に達した場合に、前記自動変速機の変速比を大きく
して前記エンジンの回転抵抗により車両に作用させられ
るエンジンブレーキ力を増大させる制動補助変速制御手
段を設けたことを特徴とする。
【0008】第3発明は、(a) 燃料の燃焼によって作動
するエンジンとモータジェネレータとを車両走行時の動
力源として備えている一方、(b) 前記動力源のうち少な
くともエンジンと駆動輪との間に配設された変速比を変
更可能な自動変速機と、(c)車両の運動エネルギーで前
記モータジェネレータが回転駆動されることにより、発
電力に応じた所定の回生制動力を車両に作用させる回生
制動手段とを有するハイブリッド車両の駆動制御装置に
おいて、(d) 前記回生制動手段による制動に先立って、
前記エンジンの回転抵抗により車両に所定のエンジンブ
レーキ力が作用させられるように前記自動変速機の変速
比を制御する回生制動時変速制御手段を設けたことを特
徴とする。
【0009】第4発明は、(a) 燃料の燃焼によって作動
するエンジンとモータジェネレータとを車両走行時の動
力源として備えている一方、(b) 前記動力源のうち少な
くともエンジンと駆動輪との間に配設された変速比を変
更可能な自動変速機と、(c)自動変速機と前記エンジン
との間に配設されて動力伝達を接続、遮断するクラッチ
手段と、(d) 車両の運動エネルギーで前記モータジェネ
レータが回転駆動されることにより、発電力に応じた所
定の回生制動力を車両に作用させる回生制動手段とを有
するハイブリッド車両の駆動制御装置において、(e) 前
記回生制動手段による制動時に前記クラッチ手段を接続
する回生制動時クラッチ係合手段を設けたことを特徴と
する。
【0010】
【発明の効果】第1発明の駆動制御装置においては、回
生制動手段による制動時には回生制動時変速禁止手段に
よって自動変速機の変速比の変更が禁止されるため、そ
の自動変速機に連結されているエンジンによるエンジン
ブレーキ力が一定に保持され、自動変速機の変速に起因
する制動力の急激な変化が防止される。これにより、制
動力の変化に起因して違和感を生じさせることが防止さ
れる。なお、モータジェネレータが自動変速機に連結さ
れている場合は、変速に伴う回生制動力の変化も防止さ
れる。
【0011】第2発明では、回生制動手段による制動が
不可または限界に達した場合に、制動補助変速制御手段
によって自動変速機の変速比が大きくされ、それに伴う
エンジン回転数の増大および自動変速機のトルク増幅作
用によりエンジンブレーキ力が増大させられる。これに
より、モータジェネレータによる回生制動だけでは十分
な制動力が得られない場合や、電気系統の故障などでモ
ータジェネレータによる制動が不可能となった場合で
も、エンジンブレーキによって十分な車両制動力が得ら
れるようになり、違和感が軽減され或いは解消する。な
お、モータジェネレータによる回生制動力が限界に達し
ている場合で、モータジェネレータが自動変速機に連結
されている場合は、変速に伴って回生制動力自体も増大
させられる。
【0012】第3発明では、回生制動手段による制動に
先立って、回生制動時変速制御手段により所定のエンジ
ンブレーキ力が作用させられるように自動変速機の変速
比が制御されるため、モータジェネレータによる回生制
動だけでは十分な制動力が得られない場合でもエンジン
ブレーキによって所定の制動力が得られるようになり、
違和感が軽減され或いは解消する。
【0013】第4発明では、回生制動手段による制動時
に回生制動時クラッチ係合手段によりエンジンと自動変
速機との間のクラッチ手段が接続されるため、例えば回
生制動手段による制動中に電気系統の故障などでモータ
ジェネレータによる制動が不可能となった場合には、自
動変速機の変速制御などで速やかに所望の制動力をエン
ジンブレーキによって得ることが可能で、制動力の一時
的な低下などで違和感が軽減され或いは解消する。
【0014】
【発明の実施の形態】ここで、本発明は、例えばクラッ
チにより動力伝達を接続、遮断することによって動力源
を切り換える切換タイプや、遊星歯車装置などの合成分
配機構によってエンジンおよびモータジェネレータの出
力を合成したり分配したりするミックスタイプ、モータ
ジェネレータ(電動モータ)およびエンジンの一方を補
助的に使うアシストタイプなど、種々のタイプのハイブ
リッド車両に適用され得る。
【0015】自動変速機としては、油圧式摩擦係合手段
や噛合式クラッチなどの係合手段によって変速比が異な
る複数の変速段で変速制御される遊星歯車式、平行2軸
式などの有段の自動変速機が好適に用いられるが、変速
比を連続的に変化させるベルト駆動式、トロイダル型な
どの無段変速機を用いることも可能である。第1発明
は、有段の自動変速機を有する場合に特に効果的である
が、無段変速機であっても変速比が段階的に変化するよ
うに変速制御される場合には、同様の効果が得られる。
【0016】上記自動変速機は、少なくともエンジンと
駆動輪との間に配設されれば良いが、エンジンおよびモ
ータジェネレータと駆動輪との間の共通の動力伝達経路
に配設されることが望ましい。
【0017】第2発明の回生制動手段による制動が不可
の場合とは、モータジェネレータ自体の故障、モータジ
ェネレータに接続されている電気系統の故障、モータジ
ェネレータに接続されている蓄電装置が許容される最大
蓄電量に達した場合などであり、制動が限界に達した場
合とは、モータジェネレータの回生制動トルクが許容さ
れる最大トルクに達した場合である。この第2発明は、
それ自体単独で実施できることは勿論であるが、基本的
に自動変速機の変速を禁止する第1発明と共に実施する
ことが望ましい。
【0018】また、動力源ブレーキレンジを選択できる
選択操作手段と、所望する制動力が得られるように調整
される調整操作手段とを設け、選択操作手段によって動
力源ブレーキレンジが選択された場合に前記回生制動手
段による制動を実施するとともに、調整操作手段の調整
量に応じて回生制動手段による制動力、具体的にはモー
タ自体の回生制動トルクなどを増減することが望まし
い。なお、アクセルOFF、ブレーキONなどの所定の
運転操作で自動的に回生制動手段による制動を開始した
り、アクセルOFF時の車速など所定車速となるように
制動力を自動調整したりするなど、回生制動手段による
制動の実施形態は適宜定められる。
【0019】なお、本明細書では、エンジンの回転抵抗
(引き擦り抵抗やポンプ作用)によって車両に作用する
制動力をエンジンブレーキといい、モータジェネレータ
の回生制動トルクによって車両に作用する制動力を回生
制動といい、その両方を含めて動力源ブレーキという。
【0020】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は、本発明の一実施例である駆動制
御装置を備えているハイブリッド駆動装置10の骨子図
である。
【0021】図1において、このハイブリッド駆動装置
10はFR(フロントエンジン・リヤドライブ)車両用
のもので、燃料の燃焼によって作動する内燃機関等のエ
ンジン12と、電動モータおよび発電機としての機能を
有するモータジェネレータ14と、シングルピニオン型
の遊星歯車装置16と、自動変速機18とを車両の前後
方向に沿って備えており、出力軸19から図示しないプ
ロペラシャフトや差動装置などを介して左右の駆動輪
(後輪)へ駆動力を伝達する。
【0022】遊星歯車装置16は機械的に力を合成分配
する合成分配機構で、モータジェネレータ14と共に電
気式トルコン24を構成しており、そのリングギヤ16
rは第1クラッチCE1 を介してエンジン12に連結さ
れ、サンギヤ16sはモータジェネレータ14のロータ
軸14rに連結され、キャリア16cは自動変速機18
の入力軸26に連結されている。また、サンギヤ16s
およびキャリア16cは第2クラッチCE2 によって連
結されるようになっている。
【0023】なお、エンジン12の出力は、回転変動や
トルク変動を抑制するためのフライホイール28および
スプリング、ゴム等の弾性部材によるダンパ装置30を
介して第1クラッチCE1 に伝達される。第1クラッチ
CE1 および第2クラッチCE2 は、何れも油圧アクチ
ュエータによって係合、解放される摩擦式の多板クラッ
チである。
【0024】自動変速機18は、前置式オーバードライ
ブプラネタリギヤユニットから成る副変速機20と、単
純連結3プラネタリギヤトレインから成る前進4段、後
進1段の主変速機22とを組み合わせたものである。
【0025】具体的には、副変速機20はシングルピニ
オン型の遊星歯車装置32と、油圧アクチュエータによ
って摩擦係合させられる油圧式のクラッチC0 、ブレー
キB 0 と、一方向クラッチF0 とを備えて構成されてい
る。また、主変速機22は、3組のシングルピニオン型
の遊星歯車装置34、36、38と、油圧アクチュエー
タによって摩擦係合させられる油圧式のクラッチC1 ,
2 、ブレーキB1 ,B2 ,B3 ,B4 と、一方向クラ
ッチF1 ,F2 とを備えて構成されている。
【0026】そして、図2に示されているソレノイドバ
ルブSL1〜SL4の励磁、非励磁により油圧回路40
が切り換えられたり、シフトレバー42に連結されたマ
ニュアルシフトバルブによって油圧回路40が機械的に
切り換えられたりすることにより、クラッチC0 ,C
1 ,C2 、ブレーキB0 ,B1 ,B2 ,B3 ,B4 がそ
れぞれ係合、解放制御され、図3に示されているように
ニュートラル(N)と前進5段(1st〜5th)、後
進1段(Rev)の各変速段が成立させられる。なお、
上記自動変速機18や前記電気式トルコン24は、中心
線に対して略対称的に構成されており、図1では中心線
の下半分が省略されている。
【0027】図3のクラッチ、ブレーキ、一方向クラッ
チの欄の「○」は係合、「●」はシフトレバー42がエ
ンジンブレーキレンジ、たとえば「3」、「2」、及び
「L」レンジ等の低速レンジへ操作された場合や、所定
のエンジンブレーキモード及び回生制動モードで係合、
そして、空欄は非係合を表している。
【0028】その場合に、ニュートラルN、後進変速段
Rev、及びエンジンブレーキレンジは、シフトレバー
42に機械的に連結されたマニュアルシフトバルブによ
って油圧回路40が機械的に切り換えられることによっ
て成立させられ、前進変速段の1st〜5thの相互間
の変速およびエンジンブレーキモード、回生制動モード
での係合制御はソレノイドバルブSL1〜SL4によっ
て電気的に行われる。
【0029】また、前進変速段の変速比は1stから5
thとなるに従って段階的に小さくなり、4thの変速
比i4 =1であり、5thの変速比i5 は、副変速機2
0の遊星歯車装置32のギヤ比をρ(=サンギヤの歯数
S /リングギヤの歯数ZR<1)とすると1/(1+
ρ)となる。後進変速段Revの変速比iR は、遊星歯
車装置36、38のギヤ比をそれぞれρ2 、ρ3 とする
と1−1/ρ2 ・ρ3である。図3は各変速段の変速比
の一例を示したものである。
【0030】図4は、図2に表されるシフトレバー42
の操作位置を示している。図において、車両の前後方向
の6つの操作位置と車両の左右方向の3つの操作位置と
の組み合わせにより、シフトレバー42を11通りの操
作位置へ操作可能に支持する図示しない支持装置によっ
てシフトレバー42が支持されている。尚、本実施例に
おいて、シフトレバー42が前記選択操作手段および調
整操作手段としての役割を担っており、シフトレバー4
2が動力源ブレーキレンジとしてのB(ブレーキ)レン
ジへ操作されると、第1クラッチCE1 と第2クラッチ
CE2 が共に係合(ON)されて、エンジンブレーキと
回生制動が同時に行われる動力源ブレーキモードが実行
される。動力源ブレーキモード実行中にシフトレバー4
2が「up」側、或いは「down」側に操作される
と、その操作時間に応じて車両の制動力、具体的にはモ
ータジェネレータ14のモータトルク(回生制動トル
ク)T M が増減される。
【0031】図3の作動表に示されているように、第2
変速段(2nd)と第3変速段(3rd)との間の変速
は、第2ブレーキB2 と第3ブレーキB3 との係合・解
放状態を共に変えるクラッチツウクラッチ変速になる。
この変速を円滑に行うために、上述した油圧回路40に
は図5に示す回路が組み込まれている。
【0032】図5において符号70は1−2シフトバル
ブを示し、また符号71は2−3シフトバルブを示し、
さらに符号72は3−4シフトバルブを示している。こ
れらのシフトバルブ70、71、72の各ポートの各変
速段での連通状態は、それぞれのシフトバルブ70、7
1、72の下側に示している通りである。なお、その数
字は各変速段を示す。
【0033】その2−3シフトバルブ71のポートのう
ち第1変速段および第2変速段で入力ポート73に連通
するブレーキポート74に、第3ブレーキB3 が油路7
5を介して接続されている。この油路にはオリフィス7
6が介装されており、そのオリフィス76と第3ブレー
キB3 との間にダンパーバルブ77が接続されている。
このダンパーバルブ77は、第3ブレーキB3 にライン
圧が急激に供給された場合に少量の油圧を吸入して緩衝
作用を行うものである。
【0034】また符号78はB−3コントロールバルブ
であって、第3ブレーキB3 の係合圧PB3をこのB−3
コントロールバルブ78によって直接制御するようにな
っている。すなわち、このB−3コントロールバルブ7
8は、スプール79とプランジャ80とこれらの間に介
装したスプリング81とを備えており、スプール79に
よって開閉される入力ポート82に油路75が接続さ
れ、またこの入力ポート82に選択的に連通させられる
出力ポート83が第3ブレーキB3 に接続されている。
さらにこの出力ポート83は、スプール79の先端側に
形成したフィードバックポート84に接続されている。
【0035】一方、前記スプリング81を配置した箇所
に開口するポート85には、2−3シフトバルブ71の
ポートのうち第3変速段以上の変速段でDレンジ圧を出
力するポート86が油路87を介して連通させられてい
る。また、プランジャ80の端部側に形成した制御ポー
ト88には、リニアソレノイドバルブSLUが接続され
ている。
【0036】したがって、B−3コントロールバルブ7
8は、スプリング81の弾性力とポート85に供給され
る油圧とによって調圧レベルが設定され、且つ制御ポー
ト88に供給される信号圧が高いほどスプリング81に
よる弾性力が大きくなるように構成されている。
【0037】さらに、図5における符号89は、2−3
タイミングバルブであって、この2−3タイミングバル
ブ89は、小径のランドと2つの大径のランドとを形成
したスプール90と第1のプランジャ91とこれらの間
に配置したスプリング92とスプール90を挟んで第1
のプランジャ91とは反対側に配置された第2のプラン
ジャ93とを有している。
【0038】この2−3タイミングバルブ89の中間部
のポート94に油路95が接続され、また、この油路9
5は2−3シフトバルブ71のポートのうち第3変速段
以上の変速段でブレーキポート74に連通させられるポ
ート96に接続されている。
【0039】さらに、この油路95は途中で分岐して、
前記小径ランドと大径ランドとの間に開口するポート9
7にオリフィスを介して接続されている。この中間部の
ポート94に選択的に連通させられるポート98は油路
99を介してソレノイドリレーバルブ100に接続され
ている。
【0040】そして、第1のプランジャ91の端部に開
口しているポートにリニアソレノイドバルブSLUが接
続され、また第2のプランジャ93の端部に開口するポ
ートに第2ブレーキB2 がオリフィスを介して接続され
ている。
【0041】前記油路87は第2ブレーキB2 に対して
油圧を供給・排出するためのものであって、その途中に
は小径オリフィス101とチェックボール付きオリフィ
ス102とが介装されている。また、この油路87から
分岐した油路103には、第2ブレーキB2 から排圧す
る場合に開くチェックボールを備えた大径オリフィス1
04が介装され、この油路103は以下に説明するオリ
フィスコントロールバルブ105に接続されている。
【0042】オリフィスコントロールバルブ105は第
2ブレーキB2 からの排圧速度を制御するためのバルブ
であって、そのスプール106によって開閉されるよう
に中間部に形成したポート107には第2ブレーキB2
が接続されており、このポート107より図での下側に
形成したポート108に前記油路103が接続されてい
る。
【0043】第2ブレーキB2 を接続してあるポート1
07より図での上側に形成したポート109は、ドレイ
ンポートに選択的に連通させられるポートであって、こ
のポート109には、油路110を介して前記B−3コ
ントロールバルブ78のポート111が接続されてい
る。尚、このポート111は、第3ブレーキB3 を接続
してある出力ポート83に選択的に連通させられるポー
トである。
【0044】オリフィスコントロールバルブ105のポ
ートのうちスプール106を押圧するスプリングとは反
対側の端部に形成した制御ポート112が油路113を
介して、3−4シフトバルブ72のポート114に接続
されている。このポート114は、第3変速段以下の変
速段で第3ソレノイドバルブSL3の信号圧を出力し、
また、第4変速段以上の変速段で第4ソレノイドバルブ
SL4の信号圧を出力するポートである。
【0045】さらに、このオリフィスコントロールバル
ブ105には、前記油路95から分岐した油路115が
接続されており、この油路115を選択的にドレインポ
ートに連通させるようになっている。
【0046】なお、前記2−3シフトバルブ71におい
て第2変速段以下の変速段でDレンジ圧を出力するポー
ト116が、前記2−3タイミングバルブ89のうちス
プリング92を配置した箇所に開口するポート117に
油路118を介して接続されている。また、3−4シフ
トバルブ72のうち第3変速段以下の変速段で前記油路
87に連通させられるポート119が油路120を介し
てソレノイドリレーバルブ100に接続されている。
【0047】そして、図5において、符号121は第2
ブレーキB2 用のアキュムレータを示し、その背圧室に
はリニアソレノイドバルブSLNが出力する油圧に応じ
て調圧されたアキュムレータコントロール圧が供給され
ている。このアキュムレータコントロール圧は、リニア
ソレノイドバルブSLNの出力圧が低いほど高い圧力に
なるように構成されている。したがって、第2ブレーキ
2 の係合・解放の過渡的な油圧PB2は、リニアソレノ
イドバルブSLNの信号圧が低いほど高い圧力で推移す
るようになっている。変速用の他のクラッチC1 、C2
やブレーキB0などにもアキュムレータが設けられ、上
記アキュムレータコントロール圧が作用させられること
により、変速時の過渡油圧が入力軸26のトルクTI
どに応じて制御されるようになっている。
【0048】また、符号122はC−0エキゾーストバ
ルブを示し、さらに符号123はクラッチC0 用のアキ
ュムレータを示している。C−0エキゾーストバルブ1
22は2速レンジでの第2変速段のみにおいてエンジン
ブレーキを効かせるためにクラッチC0 を係合させるよ
うに動作するものである。
【0049】したがって、上述した油圧回路40によれ
ば、B−3コントロールバルブ78のポート111がド
レインに連通していれば、第3ブレーキB3 の係合圧P
B3をB−3コントロ−ルバルブ78によって直接調圧す
ることができ、また、その調圧レベルをリニアソレノイ
ドバルブSLUによって変えることができる。
【0050】また、オリフィスコントロールバルブ10
5のスプール106が、図の左半分に示す位置にあれ
ば、第2ブレーキB2 はこのオリフィスコントロールバ
ルブ105を介して排圧が可能になり、したがって第2
ブレーキB2 からのドレイン速度を制御することができ
る。
【0051】さらに、第2変速段から第3変速段への変
速は、第3ブレーキB3 を緩やかに解放すると共に第2
ブレーキB2 を緩やかに係合する所謂クラッチツウクラ
ッチ変速が行われるわけであるが、入力軸26への入力
軸トルクTI に基づいてリニアソレノイドバルブSLU
により駆動される第3ブレーキB3 の解放過渡油圧P B3
を制御することにより変速ショックを好適に軽減するこ
とができる。入力軸トルクTI に基づく油圧PB3の制御
は、フィードバック制御などでリアルタイムに行うこと
もできるが、変速開始時の入力軸トルクTI のみを基準
にして行うものであっても良い。
【0052】ハイブリッド駆動装置10は、図2に示さ
れるようにハイブリッド制御用コントローラ50及び自
動変速制御用コントローラ52を備えている。これらの
コントローラ50、52は、CPUやRAM、ROM等
を有するマイクロコンピュータを備えて構成され、シフ
トポジションセンサ44からシフトレバー42の操作レ
ンジ、入力軸回転数センサ46から入力軸回転数NI
車速センサ48から車速V(出力軸回転数NO に対応)
を表す信号が供給される他、アクセル操作量θ AC、エン
ジントルクTE 、モータトルクTM 、エンジン回転数N
E 、モータ回転数NM 、蓄電装置58の蓄電量SOC、
ブレーキのON、OFF等の各種の情報を読み込むと共
に、予め設定されたプログラムに従って信号処理を行
う。
【0053】なお、エンジントルクTE はスロットル弁
開度や燃料噴射量などから求められ、モータトルクTM
はモータ電流などから求められ、蓄電量SOCはモータ
ジェネレータ14がジェネレータとして機能する充電時
のモータ電流や充電効率などから求められる。
【0054】前記エンジン12は、ハイブリッド制御用
コントローラ50によってスロットル弁開度や燃料噴射
量、点火時期などが制御されることにより、運転状態に
応じて出力が制御される。
【0055】前記モータジェネレータ14は、図6に示
すようにM/G制御器(インバータ)56を介してバッ
テリー等の蓄電装置58に接続されており、ハイブリッ
ド制御用コントローラ50により、その蓄電装置58か
ら電気エネルギーが供給されて所定のトルクで回転駆動
される回転駆動状態と、回生制動(モータジェネレータ
14自体の電気的な制動トルク)によりジェネレータと
して機能して蓄電装置58に電気エネルギーを充電する
充電状態と、ロータ軸14rが自由回転することを許容
する無負荷状態とに切り換えられる。
【0056】また、前記第1クラッチCE1 及び第2ク
ラッチCE2 は、ハイブリッド制御用コントローラ50
により電磁弁等を介して油圧回路40が切り換えられる
ことにより、係合或いは解放状態が切り換えられる。
【0057】前記自動変速機18は、自動変速制御用コ
ントローラ52によって前記ソレノイドバルブSL1〜
SL4、リニアソレノイドバルブSLU、SLT、SL
Nの励磁状態が制御され、油圧回路40が切り換えられ
たり油圧制御が行われることにより、予め定められた変
速条件に従って変速段が切り換えられる。変速条件は、
例えばアクセル操作量θACおよび車速Vなどの走行状態
をパラメータとする変速マップ等により設定される。
【0058】上記ハイブリッド制御用コントローラ50
は、例えば本願出願人が先に出願した特願平7−294
148号に記載されているように、図7に示すフローチ
ャートに従って図8に示す9つの運転モードの1つを選
択し、その選択したモードでエンジン12及び電気式ト
ルコン24を作動させる。
【0059】図7において、ステップS1ではエンジン
始動要求があったか否かを、例えばエンジン12を動力
源として走行したり、エンジン12によりモータジェネ
レータ14を回転駆動して蓄電装置58を充電したりす
るために、エンジン12を始動すべき旨の指令があった
か否かを判断する。
【0060】ここで、始動要求があればステップS2で
モード9を選択する。モード9は、図8から明らかなよ
うに第1クラッチCE1 を係合(ON)し、第2クラッ
チCE2 を係合(ON)し、モータジェネレータ14に
より遊星歯車装置16を介してエンジン12を回転駆動
すると共に、燃料噴射などのエンジン始動制御を行って
エンジン12を始動する。
【0061】このモード9は、車両停止時には前記自動
変速機18をニュートラルにして行われ、モード1のよ
うに第1クラッチCE1 を解放したモータジェネレータ
14のみを動力源とする走行時には、第1クラッチCE
1 を係合すると共に走行に必要な要求出力以上の出力で
モータジェネレータ14を作動させ、その要求出力以上
の余裕出力でエンジン12を回転駆動することによって
行われる。
【0062】また、車両走行時であっても、一時的に自
動変速機18をニュートラルにしてモード9を実行する
ことも可能である。このようにモータジェネレータ14
によってエンジン12が始動させられることにより、始
動専用のスタータ(電動モータなど)が不要となり、部
品点数が少なくなって装置が安価となる。
【0063】一方、ステップS1の判断が否定された場
合、すなわちエンジン始動要求がない場合には、ステッ
プS3を実行することにより、制動力の要求があるか否
かを、ブレーキがONか否かによって判断する。
【0064】この判断が肯定された場合にはステップS
4を実行する。ステップS4では、蓄電装置58の蓄電
量SOCが予め定められた最大蓄電量B以上か否かを判
断し、SOC≧BであればステップS5でモード8(エ
ンジンブレーキモード)を選択し、SOC<Bであれば
ステップS6でモード6(回生制動モード)を選択す
る。最大蓄電量Bは、蓄電装置58に電気エネルギーを
充電することが許容される最大の蓄電量で、蓄電装置5
8の充放電効率などに基づいて例えば80%程度の値が
設定される。尚、本実施例において、ステップS6が前
記回生制動手段に対応している。
【0065】上記ステップS5で選択されるモード8
は、図8に示されるように第1クラッチCE1 を係合
(ON)し、第2クラッチCE2 を係合(ON)し、モ
ータジェネレータ14を無負荷状態とし、エンジン12
を停止状態すなわちスロットル弁を閉じると共に燃料噴
射量を0とするものであり、これによりエンジン12の
引き擦り回転やポンプ作用による制動力、すなわちエン
ジンブレーキが車両に作用させられ、運転者によるブレ
ーキ操作が軽減されて運転操作が容易になる。また、モ
ータジェネレータ14は無負荷状態とされ、自由回転さ
せられるため、蓄電装置58の蓄電量SOCが過大とな
って充放電効率等の性能を損なうことが回避される。
【0066】ステップS6で選択されるモード6は、図
8から明らかなように第1クラッチCE1 を解放(OF
F)し、第2クラッチCE2 を係合(ON)し、エンジ
ン12を停止し、モータジェネレータ14を充電状態と
するもので、車両の運動エネルギーでモータジェネレー
タ14が回転駆動されることにより、蓄電装置58を充
電するとともにその車両にエンジンブレーキのような回
生制動力を作用させるため、運転者によるブレーキ操作
が軽減されて運転操作が容易になる。
【0067】また、第1クラッチCE1 が開放されてエ
ンジン12が遮断されているため、そのエンジン12の
引き擦りによるエネルギー損失がないとともに、蓄電量
SOCが最大蓄電量Bより少ない場合に実行されるた
め、蓄電装置58の蓄電量SOCが過大となって充放電
効率等の性能を損なうことがない。
【0068】一方、ステップS3の判断が否定された場
合、すなわち制動力の要求がない場合にはステップS7
を実行し、エンジン発進が要求されているか否かを、例
えばモード3などエンジン12を動力源とする走行中の
車両停止時か否か、すなわち車速V=0か否か等によっ
て判断する。
【0069】この判断が肯定された場合には、ステップ
S8を実行する。ステップS8ではアクセルがONか否
か、すなわちアクセル操作量θACが略零の所定値より大
きいか否かを判断し、アクセルONの場合にはステップ
S9でモード5を選択し、アクセルがONでなければス
テップS10でモード7を選択する。
【0070】上記ステップS9で選択されるモード5
は、図8から明らかなように第1クラッチCE1 を係合
(ON)し、第2クラッチCE2 を解放(OFF)し、
エンジン12を運転状態とし、モータジェネレータ14
の回生制動トルクを制御することにより車両を発進させ
るものである。
【0071】具体的に説明すると、遊星歯車装置16の
ギヤ比をρE とすると、エンジントルクTE :遊星歯車
装置16の出力トルク:モータトルクTM =1:(1+
ρE):ρE となるため、例えばギヤ比ρE を一般的な
値である0.5程度とすると、エンジントルクTE の半
分のトルクをモータジェネレータ14が分担することに
より、エンジントルクTE の約1.5倍のトルクがキャ
リア16cから出力される。
【0072】すなわち、モータジェネレータ14のトル
クの(1+ρE )/ρE 倍の高トルク発進を行うことが
できるのである。また、モータ電流を遮断してモータジ
ェネレータ14を無負荷状態とすれば、ロータ軸14r
が逆回転させられるだけでキャリア16cからの出力は
0となり、車両停止状態となる。
【0073】すなわち、この場合の遊星歯車装置16は
発進クラッチおよびトルク増幅装置として機能するので
あり、モータトルク(回生制動トルク)TM を0から徐
々に増大させて反力を大きくすることにより、エンジン
トルクTE の(1+ρE )倍の出力トルクで車両を滑ら
かに発進させることができるのである。
【0074】ここで、本実施例では、エンジン12の最
大トルクの略ρE 倍のトルク容量のモータジェネレー
タ、すなわち必要なトルクを確保しつつできるだけ小型
で小容量のモータジェネレータ14が用いられており、
装置が小型で且つ安価に構成される。
【0075】また、本実施例ではモータトルクTM の増
大に対応して、スロットル弁開度や燃料噴射量を増大さ
せてエンジン12の出力を大きくするようになってお
り、反力の増大に伴うエンジン回転数NE の低下に起因
するエンジンストール等を防止している。
【0076】ステップS10で選択されるモード7は、
図8から明らかなように第1クラッチCE1 を係合(O
N)し、第2クラッチCE2 を解放(OFF)し、エン
ジン12を運転状態とし、モータジェネレータ14を無
負荷状態として電気的にニュートラルとするもので、モ
ータジェネレータ14のロータ軸14rが逆方向へ自由
回転させられることにより、自動変速機18の入力軸2
6に対する出力が零となる。これにより、モード3など
エンジン12を動力源とする走行中の車両停止時に一々
エンジン12を停止させる必要がないとともに、前記モ
ード5のエンジン発進が実質的に可能となる。
【0077】一方、ステップS7の判断が否定された場
合、すなわちエンジン発進の要求がない場合にはステッ
プS11を実行し、要求出力Pdが予め設定された第1
判定値P1以下か否かを判断する。要求出力Pdは、走
行抵抗を含む車両の走行に必要な出力で、アクセル操作
量θACやその変化速度、車速V(出力軸回転数NO )、
自動変速機18の変速段などに基づいて、予め定められ
たデータマップや演算式などにより算出される。
【0078】また、第1判定値P1はエンジン12のみ
を動力源として走行する中負荷領域とモータジェネレー
タ14のみを動力源として走行する低負荷領域の境界値
であり、エンジン12による充電時を含めたエネルギー
効率を考慮して、排出ガス量や燃料消費量などができる
だけ少なくなるように実験等によって定められている。
【0079】ステップS11の判断が肯定された場合、
すなわち要求出力Pdが第1判定値P1以下の場合に
は、ステップS12で蓄電量SOCが予め設定された最
低蓄電量A以上か否かを判断し、SOC≧Aであればス
テップS13でモード1を選択する。一方、SOC<A
であればステップS14でモード3を選択する。
【0080】最低蓄電量Aはモータジェネレータ14を
動力源として走行する場合に蓄電装置58から電気エネ
ルギーを取り出すことが許容される最低の蓄電量であ
り、蓄電装置58の充放電効率などに基づいて例えば7
0%程度の値が設定される。
【0081】上記モード1は、前記図8から明らかなよ
うに第1クラッチCE1 を解放(OFF)し、第2クラ
ッチCE2 を係合(ON)し、エンジン12を停止し、
モータジェネレータ14を要求出力Pdで回転駆動させ
るもので、モータジェネレータ14のみを動力源として
車両を走行させる。
【0082】この場合も、第1クラッチCE1 が解放さ
れてエンジン12が遮断されるため、前記モード6と同
様に引き擦り損失が少なく、自動変速機18を適当に変
速制御することにより効率の良いモータ駆動制御が可能
である。
【0083】また、このモード1は、要求出力Pdが第
1判定値P1以下の低負荷領域で且つ蓄電装置58の蓄
電量SOCが最低蓄電量A以上の場合に実行されるた
め、エンジン12を動力源として走行する場合よりもエ
ネルギー効率が優れていて燃費や排出ガスを低減できる
とともに、蓄電装置58の蓄電量SOCが最低蓄電量A
より低下して充放電効率等の性能を損なうことがない。
【0084】ステップS14で選択されるモード3は、
図8から明らかなように第1クラッチCE1 および第2
クラッチCE2 を共に係合(ON)し、エンジン12を
運転状態とし、モータジェネレータ14を回生制動によ
り充電状態とするもので、エンジン12の出力で車両を
走行させながら、モータジェネレータ14によって発生
した電気エネルギーを蓄電装置58に充電する。エンジ
ン12は、要求出力Pd以上の出力で運転させられ、そ
の要求出力Pdより大きい余裕動力分だけモータジェネ
レータ14で消費されるように、そのモータジェネレー
タ14の電流制御が行われる。
【0085】一方、前記ステップS11の判断が否定さ
れた場合、すなわち要求出力Pdが第1判定値P1より
大きい場合には、ステップS15において、要求出力P
dが第1判定値P1より大きく第2判定値P2より小さ
いか否か、すなわちP1<Pd<P2か否かを判断す
る。
【0086】第2判定値P2は、エンジン12のみを動
力源として走行する中負荷領域とエンジン12およびモ
ータジェネレータ14の両方を動力源として走行する高
負荷領域の境界値であり、エンジン12による充電時を
含めたエネルギー効率を考慮して、排出ガス量や燃料消
費量などができるだけ少なくなるように実験等によって
予め定められている。
【0087】そして、P1<Pd<P2であればステッ
プS16でSOC≧Aか否かを判断し、SOC≧Aの場
合にはステップS17でモード2を選択し、SOC<A
の場合には前記ステップS14でモード3を選択する。
【0088】また、Pd≧P2であればステップS18
でSOC≧Aか否かを判断し、SOC≧Aの場合にはス
テップS19でモード4を選択し、SOC<Aの場合に
はステップS17でモード2を選択する。
【0089】上記モード2は、前記図8から明らかなよ
うに第1クラッチCE1 および第2クラッチCE2 を共
に係合(ON)し、エンジン12を要求出力Pdで運転
し、モータジェネレータ14を無負荷状態とするもの
で、エンジン12のみを動力源として車両を走行させ
る。
【0090】また、モード4は、第1クラッチCE1
よび第2クラッチCE2 を共に係合(ON)し、エンジ
ン12を運転状態とし、モータジェネレータ14を回転
駆動するもので、エンジン12およびモータジェネレー
タ14の両方を動力源として車両を高出力走行させる。
【0091】このモード4は、要求出力Pdが第2判定
値P2以上の高負荷領域で実行されるが、エンジン12
およびモータジェネレータ14を併用しているため、エ
ンジン12およびモータジェネレータ14の何れか一方
のみを動力源として走行する場合に比較してエネルギー
効率が著しく損なわれることがなく、燃費や排出ガスを
低減できる。また、蓄電量SOCが最低蓄電量A以上の
場合に実行されるため、蓄電装置58の蓄電量SOCが
最低蓄電量Aより低下して充放電効率等の性能を損なう
ことがない。
【0092】上記モード1〜4の運転条件についてまと
めると、蓄電量SOC≧Aであれば、Pd≦P1の低負
荷領域ではステップS13でモード1を選択してモータ
ジェネレータ14のみを動力源として走行し、P1<P
d<P2の中負荷領域ではステップS17でモード2を
選択してエンジン12のみを動力源として走行し、P2
≦Pdの高負荷領域ではステップS19でモード4を選
択してエンジン12およびモータジェネレータ14の両
方を動力源として走行する。
【0093】また、SOC<Aの場合には、要求出力P
dが第2判定値P2より小さい中低負荷領域でステップ
S14のモード3を実行することにより蓄電装置58を
充電するが、要求出力Pdが第2判定値P2以上の高負
荷領域ではステップS17でモード2が選択され、充電
を行うことなくエンジン12により高出力走行が行われ
る。
【0094】ステップS17のモード2は、P1<Pd
<P2の中負荷領域で且つSOC≧Aの場合、或いはP
d≧P2の高負荷領域で且つSOC<Aの場合に実行さ
れるが、中負荷領域では一般にモータジェネレータ14
よりもエンジン12の方がエネルギー効率が優れている
ため、モータジェネレータ14を動力源として走行する
場合に比較して燃費や排出ガスを低減できる。
【0095】また、高負荷領域では、モータジェネレー
タ14およびエンジン12を併用して走行するモード4
が望ましいが、蓄電装置58の蓄電量SOCが最低蓄電
量Aより小さい場合には、上記モード2によるエンジン
12のみを動力源とする運転が行われることにより、蓄
電装置58の蓄電量SOCが最低蓄電量Aよりも少なく
なって充放電効率等の性能を損なうことが回避される。
【0096】次に、第1、第2、第4発明が適用された
本実施例の特徴部分、即ち、モータジェネレータ14に
よる回生制動時に車両の制動力が急変したり所望する制
動力が得られなかったりして違和感が発生することを防
止するための制御作動について、図9のフローチャート
に基づいて説明する。尚、本実施例において、ステップ
SA2およびSA10が前記制動補助変速制御手段に相
当し、ステップSA4が前記回生制動時変速禁止手段に
対応し、それぞれ前記自動変速制御用コントローラ52
によって実行される。また、ステップSA7が前記回生
制動手段に対応し、ステップSA6が前記回生制動時ク
ラッチ係合手段に対応し、それぞれ前記ハイブリッド制
御用コントローラ50によって実行される。
【0097】図9において、ステップSA1では、シフ
トレバー42がDレンジからBレンジへ操作されたか否
かが、図2のシフトポジションセンサ44から供給され
る信号に基づいて判断される。
【0098】ステップSA1の判断が肯定された場合
は、ステップSA2において、モータジェネレータ14
や蓄電装置58などから成る回生制動制御システムが故
障しているか否かが判断される。この判断は、モータ回
転数NM の変化や蓄電装置58の充電性能、或いはダイ
アグノーシス機能等に基づいて判断される。なお、蓄電
量SOCが最大蓄電量B以上となってモータジェネレー
タ14をジェネレータとして使用できない場合も含む。
【0099】次に、ステップSA2の判断が否定された
場合は、ステップSA3において、Dレンジ走行時に選
択されていた変速段が、例えば、入力軸回転数センサ4
6から検出される入力軸回転数NI と車速センサ48か
ら検出される出力軸回転数N O との比から求められる。
ソレノイドバルブSL1〜SL4の励磁、非励磁状態か
ら検出することもできる。
【0100】次にステップSA4において、スロットル
弁開度θAC及び車速Vの変化に拘らず自動変速機18の
変速制御が禁止されて、ステップSA3で検出された変
速段、或いはそれよりも1段下の変速段に固定される。
【0101】次にステップSA5において、図3に
「●」で示されるコーストクラッチ或いはコーストブレ
ーキが係合されることにより、一方向クラッチが空回り
を起こさずに回生制動が行われる状態に設定される。
【0102】次にステップSA6において、前記第1ク
ラッチCE1 が係合(ON)させられ、回生制動と共に
エンジンブレーキが行われる状態に設定される。エンジ
ン走行時など、既に第1クラッチCE1 が係合している
場合は、係合状態を維持すれば良い。また、第2クラッ
チCE2 は通常は係合状態にある。次にステップSA7
において、Bレンジに操作されているシフトレバー42
が、図4の「up」側に操作された場合はその操作時間
に応じて回生制動トルクが滑らかに減少させられ、「d
own」側に操作された場合はその操作時間に応じて回
生制動トルクが滑らかに増大させられる。なお、「u
p」側、「down」側への操作回数に応じて回生制動
トルクを制御するようにすることも可能である。
【0103】一方、上記ステップSA2の判断が肯定さ
れた場合は、ステップSA8において、上記ステップS
A3と同様にDレンジ走行時に選択されていた変速段が
検出される。次にステップSA9において、前記第1ク
ラッチCE1 が係合(ON)させられ、エンジンブレー
キが行われる状態に設定される。
【0104】次にステップSA10において、Bレンジ
に操作されているシフトレバー42が、図4の「up」
側に操作された場合はその操作時間に応じた段数分のア
ップシフトが行われ、「down」側に操作された場合
はその操作時間に応じた段数分のダウンシフトが行われ
ることにより、エンジンブレーキ力が変化させられる。
尚、本実施例においては、有段の自動変速機が用いられ
ているため、エンジンブレーキ力はシフトレバー42の
操作時間に従って段階的に変化させられるが、スロット
ル弁開度θACをシフトレバー42の操作時間に従って緩
やかに変化させれば、エンジンブレーキ力はより滑らか
に変化させられ、変速ショックが一層軽減される。
【0105】次に、ステップSA11において、ステッ
プSA5と同様にコーストクラッチ或いはコーストブレ
ーキが係合させられる。そして、ステップSA12にお
いて、上記回生制動制御システムが故障していること
が、例えば運転席のダッシュボード内に設けられる故障
表示器などに視覚表示される。尚、このような視覚表示
は、回生制動制御システムを構成する各装置毎に行われ
てもよいし、視覚表示でなくブザーなどを用いて行われ
てもよい。
【0106】上述のように本実施例によれば、回生制動
時変速禁止手段に対応するステップSA4において、回
生制動時にはDレンジ走行時の変速段或いはその1段下
の変速段に固定されて、自動変速機18の変速制御が禁
止されるため、エンジン12の回転抵抗によるエンジン
ブレーキ力が一定に保持され、モータジェネレータ14
による回生制動によりシフトレバー42のup、dow
n操作に応じて制動力が滑らかに制御される。また、変
速に伴う回生制動力の変化も防止される。その結果、制
動力の変化に起因して違和感を生じさせることが防止さ
れる。
【0107】また、本実施例によれば、回生制動時クラ
ッチ係合手段に対応するステップSA6、SA9におい
て、エンジン12と自動変速機18とを直結させる前記
第1クラッチCE1 が係合(ON)されるため、電気系
統の故障などでモータジェネレータ14による制動が不
可能となった場合には、自動変速機18の変速制御など
で速やかに所望の制動力をエンジンブレーキによって得
ることが可能となり、制動力の一時的な低下などで違和
感が軽減され或いは解消する。また、このようにクラッ
チCE1 が係合されることから、その後のアクセルON
時に速やかにエンジン駆動走行(前記モード2または
4)へ移行できる。
【0108】また、本実施例によれば、回生制動が不可
の場合に、制動補助変速制御手段に対応するステップS
A10によって、シフトレバー42の「down」側操
作に応じて自動変速機18のダウンシフトが行われ、そ
れに伴うエンジン回転数の増大および自動変速機18の
トルク増幅作用によりエンジンブレーキ力が増大させら
れる。これにより、電気系統の故障などでモータジェネ
レータ14による制動が不可能となった場合でも、エン
ジンブレーキによって十分な車両制動力が得られるよう
になり、違和感が軽減され或いは解消する。
【0109】次に、第3発明が適用された本実施例の特
徴部分、即ち、モータジェネレータ14による回生制動
時に所望する制動力が得られなくて乗員に違和感を生じ
させることを防止するための制御作動について、図10
のフローチャートに基づいて説明する。尚、本実施例に
おいて、ステップSB8が回生制動手段に対応し、前記
ハイブリッド制御用コントローラ50によって実行され
る。ステップSB3〜SB5が前記回生制動時変速制御
手段に対応し、前記自動変速制御用コントローラ52に
よって実行される。
【0110】図10において、ステップSB1では、シ
フトレバー42がDレンジからBレンジへ操作されたか
否かが、図2のシフトポジションセンサ44から供給さ
れる信号に基づいて判断される。
【0111】このステップSB1の判断が肯定された場
合は、ステップSB2において、Dレンジ走行時に選択
されていた変速段が、例えば入力軸回転数センサ46か
ら検出される入力軸回転数NI と車速センサ48から検
出される出力軸回転数NO との比から求められる。
【0112】次に、ステップSB3において、エンジン
ブレーキが作用するか否かが判断される。この判断は、
例えば車速センサ48により検出される車速Vと現在選
択されている変速段とからエンジンブレーキが効く状態
にあるか否かを予め定められたマップ等に基づいて判断
することにより行われる。この判断が肯定された場合
は、ステップSB5において、現在の変速段が保持され
るが、この判断が否定された場合は、ステップSB4に
おいて、エンジンブレーキが効く変速段までダウンシフ
トが行われる。
【0113】次に、ステップSB6において、図3に
「●」で示されるコーストブレーキ或いはコーストクラ
ッチが係合されることにより、エンジンブレーキが作用
する状態に設定される。続いてステップSB7におい
て、前記第1クラッチCE1 が係合(ON)されること
により、回生制動と共にエンジンブレーキが作用する状
態に設定される。
【0114】次に、ステップSB8において、Bレンジ
に操作されているシフトレバー42が、図4の「up」
側に操作された場合はその操作時間に応じて回生制動ト
ルクが滑らかに減少させられ、「down」側に操作さ
れた場合はその操作時間に応じて回生制動トルクが滑ら
かに増大させられる。
【0115】上述のように本実施例によれば、回生制動
に先立って、回生制動時変速制御手段に対応するステッ
プSB3〜SB5により、エンジンブレーキが作用する
ように自動変速機18のダウンシフトが行われるため、
モータジェネレータ14による回生制動だけでは十分な
制動力が得られない場合でもエンジンブレーキによって
所定の制動力が速やかに得られるようになり、違和感が
軽減され或いは解消される。
【0116】次に、第2発明が適用された本実施例の特
徴部分、即ち、モータジェネレータ14による回生制動
時に所望の制動力が得られなくて乗員に違和感を生じさ
せることを防止するための制御作動について、図11の
フローチャートに基づいて説明する。尚、本実施例にお
いて、ステップSC6、SC9が前記回生制動手段に対
応し、前記ハイブリッド制御用コントローラ50によっ
て実行される。また、ステップSC7、SC8が前記制
動補助変速制御手段に対応し、前記自動変速制御用コン
トローラ52によって実行される。
【0117】図11において、ステップSC1では、シ
フトレバー42がDレンジからBレンジへ操作されたか
否かが、図2のシフトポジションセンサ44から供給さ
れる信号に基づいて判断される。
【0118】このステップSC1の判断が肯定された場
合は、ステップSC2において、Dレンジ走行時に選択
されていた変速段が、例えば入力軸回転数センサ46か
ら検出される入力軸回転数NI と車速センサ48から検
出される出力軸回転数NO との比から求められる。
【0119】次に、ステップSC3において、スロット
ル弁開度θACおよび車速Vの変化に拘らず自動変速機1
8の変速制御が禁止されて、Dレンジ走行時の変速段或
いはその1段下の変速段に固定される。続いてステップ
SC4では、図3に「●」で示されるコーストクラッチ
或いはコーストブレーキが係合(ON)されて、1方向
クラッチが空回りを起こすことなく回生制動が作用する
状態に設定される。
【0120】次に、ステップSC5において、前記第1
クラッチCE1 が係合(ON)されて、エンジン12と
自動変速機18とが直結されることにより、エンジンブ
レーキが作用する準備が整えられる。続いてステップS
C6では、Bレンジに操作されているシフトレバー42
が、図4の「up」側に操作された場合はその操作時間
に応じて回生制動トルクが滑らかに減少させられ、「d
own」側に操作された場合はその操作時間に応じて回
生制動トルクが滑らかに増大させられる。
【0121】次に、ステップSC7では、回生制動トル
クをシフトレバー42の操作時間に応じて増大させるだ
けでは運転者の制動要求が満たされない状態となってい
るか否かが判断される。この判断は、例えばモータジェ
ネレータ14の回生制動トルクが最大(限界)の状態で
シフトレバー42が「down」側に操作された状態が
一定時間継続したか否かを判断することにより行われ
る。
【0122】このステップSC7の判断が肯定された場
合は、ステップSC8において自動変速機18がダウン
シフトされることにより、要求に見合った車両の制動力
が得られるまで、エンジンブレーキ力が増大させられ
る。
【0123】一方、ステップSC7の判断が否定された
場合、或いはステップSC8が実行された場合には、続
くステップSC9において、ステップSC6と同様にし
てシフトレバー42の操作時間に応じて回生制動トルク
が増減させられる。
【0124】上述のように本実施例によれば、回生制動
が限界に達した場合に、制動補助変速制御手段に対応す
るステップSC7〜SC8によって自動変速機18のダ
ウンシフトが行われ、それに伴うエンジン回転数の増大
および自動変速機18のトルク増幅作用により動力源ブ
レーキ力が増大させられる。これにより、モータジェネ
レータ14による回生制動だけでは十分な制動力が得ら
れない場合でも、エンジンブレーキを含めて十分な車両
制動力が得られるようになり、違和感が軽減され或いは
解消する。なお、自動変速機18のダウンシフトに伴っ
て回生制動力自体も増大させられるため、一層制動力不
足が解決されている。
【0125】なお、この実施例は、シフトレバー42が
「down」側に所定時間以上はりついた場合にダウン
シフトするだけであるが、シフトレバー42が「up」
側に所定時間以上はりついた場合にはアップシフトする
ようにしても良い。
【0126】次に、第1、第2発明が適用された車間距
離制御が実行された時の制御作動を図14のフローチャ
ートに基づいて説明する。車間距離制御とは、図12に
その模式図が示されているように、前車(ターゲット
車)との距離をレーザレーダなどで計測するとともに、
クルーズコントロールと連動して車速に応じた車間距離
を保てるように速度制御を行うシステムのことをいう。
本実施例では、レーザレーダを用いて行うレーザクルー
ズの場合について説明する。なお、車間距離制御はミリ
波を用いても行うことができる。
【0127】本実施例において、ステップSD2は前記
回生制動時変速禁止手段に対応し、ステップSD7〜S
D8、SD11〜SD12は前記制動補助変速制御手段
に対応し、ステップSD10は回生制動手段に対応して
おり、それぞれ図13のレーザクルーズコントローラ5
4により実行される。図13に示すように、レーザクル
ーズコントローラ54にはレーザレーダ65、ステアリ
ングセンサ66、及びレーザクルーズスイッチ64から
それぞれ前車との車間距離、ステアリングの操舵角、レ
ーザクルーズ運転のON・OFFを表す信号が供給され
るようになっており、前記ハイブリッド制御用コントロ
ーラ50および自動変速制御用コントローラ52を介し
てエンジン12、モータジェネレータ14、自動変速機
18を制御する。
【0128】図14において、ステップSD1では、各
種の入力信号がレーザクルーズコントローラ54により
順次処理される。次にステップSD2では、レーザクル
ーズスイッチ64が運転者によりONされてレーザクル
ーズが実行されているか否かが判断される。尚、レーザ
クルーズスイッチ64がONされることにより、通常の
変速マップによる変速は禁止され、回生制動時に車両に
作用させられるエンジンブレーキ力が変速に伴って変動
することが防止される。この判断が肯定された場合は、
ステップSD3においてレーザレーダが前車(ターゲッ
ト車)を捉えたか否かが判断される。
【0129】このステップSD3の判断が肯定された場
合は、ステップSD4において、前車と自車との車間時
間が演算される。尚、ここでは車間時間の代わりに車間
距離が演算されても良い。次にステップSD5では、実
際の車間時間と予め設定された目標の車間時間とを比較
して目標減速度が演算される。尚、ステップSD4で車
間距離が演算された場合は、目標の車間距離は車速に応
じて異なった値が設定される。
【0130】次にステップSD6では、その目標減速度
に応じてエンジン12のスロットル弁が駆動され、増速
が必要な時はスロットル弁が開かれて減速が必要な時は
スロットル弁が閉じられる。また、特に大きな減速が必
要な時はスロットル弁は全閉とされる。尚、エンジンブ
レーキを作動させるために、前記第1クラッチCE1
び第2クラッチCE2 は共に係合(ON)される。
【0131】次にステップSD7では、蓄電装置58の
蓄電量SOCが所定値L以上であるか否かが判断され
る。所定値Lは、蓄電装置58の満充電を示す値であっ
て、蓄電装置58にこれ以上充電できないことを示して
いる。本ステップでは、他に蓄電装置58が故障してい
るか否かなどが判断される。
【0132】このステップSD7の判断が肯定された場
合は、蓄電装置58に充電できないことから回生制動は
行えないので、ステップSD8において、自動変速機1
8を現変速段に対して1段ダウンシフトさせるか、フッ
トブレーキ用の油圧アクチュエータを駆動してタイヤに
制動力をかけることによって目標減速度に見合った減速
が実行される。尚、エンジンブレーキを作動させるため
に、ダウンシフトされた変速段でも図3に●で示される
コーストブレーキやコーストクラッチは係合される。
【0133】一方、ステップSD7の判断が否定された
場合は、ステップSD9において、目標減速度を得るた
めには、スロットル弁を全閉にして得たエンジンブレー
キ力に加えて、回生制動力があとどれだけ必要かが演算
される。ここで、目標減速度が大きい時は回生制動力を
大きくし、小さい時は回生制動力も小さくする。更に、
回生制動力は現在の変速段、ロックアップクラッチのO
N・OFFやスリップ率、フューエルカットの有無など
も考慮して演算される。
【0134】次にステップSD10では、ステップSD
9で求められた回生制動力が得られるように回生制動が
実行される。続いてステップSD11では、回生制動力
を最大に設定しても実際の減速度が目標減速度に対して
不足する状態にあるか否かが判断される。この判断が肯
定された場合は、ステップSD12において、更に自動
変速機18が現変速段に対して1段ダウンシフトされる
ことにより目標減速度に見合った減速が実行される。
尚、図15に示されるように、ステップSD12の代わ
りにステップSD12’を実行することにより、ダウン
シフトの代わりにフットブレーキ用の油圧アクチュエー
タを駆動してタイヤに制動力をかけることによって目標
減速度に見合った減速を実行させるようにしても良い。
【0135】上述のように本実施例によれば、ステップ
SD11で回生制動力を最大に設定しても実際の減速度
が目標減速度に対して不足する状態にあると判断された
場合には、ステップSD12で自動変速機18がダウン
シフトされるか、ステップSD12’でタイヤに制動力
をかけることにより目標減速度に見合った減速が実行さ
れるため、制動力不足を補うためにフットブレーキを頻
繁にかける必要が無くなり違和感が軽減される。
【0136】また、本実施例によれば、ステップSD1
1で回生制動力が限界に達したと判断された場合にの
み、ステップSD12で自動変速機18がダウンシフト
されるか、ステップSD12’でタイヤに制動力がかけ
られて制動力不足が補われているため、制動時に回生制
動力が出来るかぎり有効に利用されており、燃費効率が
向上されている。
【0137】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適
用される。
【0138】例えば、図4に示されるフロア型のシフト
レバー42に代えて、図16に示されるコラム型のシフ
トレバー62を採用しても良い。BレンジとDレンジが
並列した位置に設けられているシフトレバー42と異な
り、シフトレバー62の場合はDレンジの1段下側にB
レンジが設けられているため、シフトレバー62のBレ
ンジへの操作に従って図示しないマニュアルシフトバル
ブを駆動し、動力源ブレーキモードを機械的な手段で達
成させることもできる。
【0139】また、前述の実施例においては、後進1段
および前進5段の変速段を有する自動変速機18が用い
られていたが、図17に示されるように、前記副変速機
20を省略して前記主変速機22のみから成る自動変速
機60を採用し、図18に示されるように前進4段およ
び後進1段で変速制御を行うようにすることも可能であ
る。
【0140】本発明は、その主旨を逸脱しない範囲にお
いて、その他種々の態様で適用され得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である駆動制御装置を備えて
いるハイブリッド車両のハイブリッド駆動装置の構成を
説明する骨子図である。
【図2】図1のハイブリッド駆動装置に備えられている
制御系統を説明する図である。
【図3】図1の自動変速機の各変速段を成立させる係合
要素の作動を説明する図である。
【図4】図2のシフトレバーの操作位置を説明する図で
ある。
【図5】図1の自動変速機の油圧回路の一部を示す図で
ある。
【図6】図2のハイブリッド制御用コントローラと電気
式トルコンとの接続関係を説明する図である。
【図7】図1のハイブリッド駆動装置の基本的な作動を
説明するフローチャートである。
【図8】図7のフローチャートにおける各モード1〜9
の作動状態を説明する図である。
【図9】第1、第2、第4発明の特徴となる制御作動の
要部を説明するフローチャートである。
【図10】第3発明の特徴となる制御作動の要部を説明
するフローチャートである。
【図11】第2発明の特徴となる制御作動の要部を説明
するフローチャートである。
【図12】レーザクルーズを説明するための模式図であ
る。
【図13】図12のレーザクルーズ制御を行うための制
御系統を説明する図である。
【図14】第1、第2発明が適用されたレーザクルーズ
実行時の制御作動を説明するフローチャートである。
【図15】図14のステップSD12の代わりに実行さ
れ得るステップSD12’を示す図である。
【図16】図2のシフトレバーと異なるコラム型のシフ
トレバーを説明する図である。
【図17】図1の実施例とは異なる自動変速機を備えた
ハイブリッド駆動装置の構成を説明する骨子図である。
【図18】図17の自動変速機の各変速段を成立させる
係合要素の作動を説明する図である。
【符号の説明】
12:エンジン 14:モータジェネレータ 18:自動変速機 50:ハイブリッド制御用コントローラ 52:自動変速制御用コントローラ 54:レーザクルーズコントローラ ステップS6、SA7、SB8、SC6、SC9、SD
10:回生制動手段 ステップSA4、SD2:回生制動時変速禁止手段 ステップSA6:回生制動時クラッチ係合手段 ステップSB3〜SB5:回生制動時変速制御手段 ステップSA2、SA10、SC7〜SC8、SD7〜
SD8、SD11〜SD12:制動補助変速制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B60L 7/24 F02D 29/02 D 11/14 F16D 25/14 640Z F02D 29/02 F16H 61/18 F16D 25/14 640 B60L 15/20 K F16H 61/18 B60K 9/00 Z // B60L 15/20 F16H 59:54 (72)発明者 畑 祐志 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 三上 強 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料の燃焼によって作動するエンジンと
    モータジェネレータとを車両走行時の動力源として備え
    ている一方、 前記動力源のうち少なくともエンジンと駆動輪との間に
    配設され、予め定められた変速条件に従って変速比を段
    階的に変化させる自動変速機と、 車両の運動エネルギーで前記モータジェネレータが回転
    駆動されることにより、発電力に応じた所定の回生制動
    力を該車両に作用させる回生制動手段とを有するハイブ
    リッド車両の駆動制御装置において、 前記回生制動手段による制動時に前記自動変速機の変速
    比の変更を禁止し、前記エンジンの回転抵抗により車両
    に作用させられるエンジンブレーキ力が該自動変速機の
    変速に伴って変動することを防止する回生制動時変速禁
    止手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車両の駆
    動制御装置。
  2. 【請求項2】 燃料の燃焼によって作動するエンジンと
    モータジェネレータとを車両走行時の動力源として備え
    ている一方、 前記動力源のうち少なくともエンジンと駆動輪との間に
    配設された変速比を変更可能な自動変速機と、 車両の運動エネルギーで前記モータジェネレータが回転
    駆動されることにより、発電力に応じた所定の回生制動
    力を該車両に作用させる回生制動手段とを有するハイブ
    リッド車両の駆動制御装置において、 前記回生制動手段による制動が不可または限界に達した
    場合に、前記自動変速機の変速比を大きくして前記エン
    ジンの回転抵抗により車両に作用させられるエンジンブ
    レーキ力を増大させる制動補助変速制御手段を設けたこ
    とを特徴とするハイブリッド車両の駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 燃料の燃焼によって作動するエンジンと
    モータジェネレータとを車両走行時の動力源として備え
    ている一方、 前記動力源のうち少なくともエンジンと駆動輪との間に
    配設された変速比を変更可能な自動変速機と、 車両の運動エネルギーで前記モータジェネレータが回転
    駆動されることにより、発電力に応じた所定の回生制動
    力を該車両に作用させる回生制動手段とを有するハイブ
    リッド車両の駆動制御装置において、 前記回生制動手段による制動に先立って、前記エンジン
    の回転抵抗により車両に所定のエンジンブレーキ力が作
    用させられるように前記自動変速機の変速比を制御する
    回生制動時変速制御手段を設けたことを特徴とするハイ
    ブリッド車両の駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 燃料の燃焼によって作動するエンジンと
    モータジェネレータとを車両走行時の動力源として備え
    ている一方、 前記動力源のうち少なくともエンジンと駆動輪との間に
    配設された変速比を変更可能な自動変速機と、 該自動変速機と前記エンジンとの間に配設されて動力伝
    達を接続、遮断するクラッチ手段と、 車両の運動エネルギーで前記モータジェネレータが回転
    駆動されることにより、発電力に応じた所定の回生制動
    力を該車両に作用させる回生制動手段とを有するハイブ
    リッド車両の駆動制御装置において、 前記回生制動手段による制動時に前記クラッチ手段を接
    続する回生制動時クラッチ係合手段を設けたことを特徴
    とするハイブリッド車両の駆動制御装置。
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