JP2015046466A - 冷却装置およびこれを搭載した電気自動車および電子機器 - Google Patents

冷却装置およびこれを搭載した電気自動車および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、電力半導体を搭載した電気自動車や電子計算機などの電子機器に使用される冷却装置において、冷却装置の冷却性能を向上を目的とするものである。【解決手段】発熱体4からの熱を吸収する受熱部8と、冷媒30の熱を放出する放熱部10と、受熱部8と放熱部10とを接続する放熱経路9と帰還経路11とを備え、冷媒30を受熱部8、放熱経路9、放熱部10、帰還経路11、および受熱部8へと循環させ、冷媒30の液相と気相との相変化によって冷却する冷却装置5において、受熱部8は、帰還経路11の側に位置する最上流受熱器7aと、その下流に接続経路31を介して直列に配置される少なくとも1つの下流受熱器7bとを有し、下流受熱器7bの導入管24に切欠部33を設けた構成とした。【選択図】図3

Description

本発明は、たとえば、電力半導体を搭載した電気自動車や電子計算機などの電子機器の冷却装置に関するものである。
従来、電力半導体を搭載した電気自動車の冷却装置は、電力変換回路に搭載されていた。電気自動車では、駆動動力源となる電動機が電力変換回路であるインバータ回路によりスイッチング駆動されている。インバータ回路には、パワートランジスタを代表とする電力半導体素子が複数個使われている。インバータ回路の動作時には、それぞれの電力半導体に大電流が流れ大きく発熱するため、これらの複数の電力半導体を同時に冷却することが必要となっている。
また、近年の電子計算機においても処理情報量の著しい増加に対応するため、電子機器内にCPUが多数使用されている。CPUは発熱体であり、CPUの同時冷却が重要な問題となっている。
例えば特許文献1に示す冷却装置では、2つの水循環を用いている。すなわち各電子機器からの熱をそれぞれの熱交換部へ移動させる第1ループと、複数点の熱交換部を直列接続した第2ループとを用いた冷却装置が提案されている。
特開2005−222443号公報
上記従来例における課題は、冷却装置の冷却効率が低下することであった。
すなわち、上記従来例の冷却装置において、第2ループの様な1つの水循環系の中に複数の受熱器を有する冷却装置では、各受熱器の温度は、それぞれの受熱器の受熱性能と発熱体から発生する熱量と流入する水温とから決定される。受熱器の温度は、その受熱器の受熱性能と発熱体から発生する熱量により決まる上昇温度と、前段の受熱器の排水温度とが加算された値となる。そのため複数点の受熱器において後段にいくほど受熱器に流入する水温度が上がり、後段にいくほど実質的な冷却性能が下がるため、結果として冷却装置全体の冷却性能が低下するという課題があった。
そこで本発明は、冷却装置の冷却性能を向上させることを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明は、発熱体からの熱を吸収し前記発熱体からの熱を冷媒に伝える受熱部と、前記冷媒の熱を放出する放熱部と、前記受熱部と前記放熱部とを接続する放熱経路と帰還経路とを備え、前記冷媒を前記受熱部、前記放熱経路、前記放熱部、前記帰還経路、および前記受熱部へと循環させ、前記冷媒の液相と気相との相変化によって冷却する冷却装置であって、前記受熱部は、前記帰還経路の側に位置する最上流受熱器と、その下流に接続経路を介して直列に配置される少なくとも1つの下流受熱器とを有し、前記最上流受熱器と前記下流受熱器とは、前記発熱体に接触させて熱を吸収する受熱板と、この受熱板の表面を覆うとともに表面に流れ込んだ冷媒を蒸発させる気化空間を形成する受熱板カバーと、この受熱板カバーの側方壁面に設けた前記冷媒の流入口と、この流入口に対向する側方壁面に設けた流出口と、前記流入口から前記受熱板の中心近傍まで延びるとともに前記受熱板に対向して開口する開口部を有する導入管と、前記導入管の開口部に対向し近接する位置に設けた前記受熱板の冷媒流入部と、前記受熱板の前記冷媒流入部の外周に設けた放射状の溝と、前記最上流受熱器の前記流入口の側に逆止弁を設け、前記下流受熱器の前記導入管に切欠部を設けたことを特徴とする冷却装置とするものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
以上のように本発明は、発熱体からの熱を吸収し前記発熱体からの熱を冷媒に伝える受熱部と、前記冷媒の熱を放出する放熱部と、前記受熱部と前記放熱部とを接続する放熱経路と帰還経路とを備え、前記冷媒を前記受熱部、前記放熱経路、前記放熱部、前記帰還経路、および前記受熱部へと循環させ、前記冷媒の液相と気相との相変化によって冷却する冷却装置であって、前記受熱部は、前記帰還経路の側に位置する最上流受熱器と、その下流に接続経路を介して直列に配置される少なくとも1つの下流受熱器とを有し、前記最上流受熱器と前記下流受熱器とは、前記発熱体に接触させて熱を吸収する受熱板と、この受熱板の表面を覆うとともに表面に流れ込んだ冷媒を蒸発させる気化空間を形成する受熱板カバーと、この受熱板カバーの側方壁面に設けた前記冷媒の流入口と、この流入口に対向する側方壁面に設けた流出口と、前記流入口から前記受熱板の中心近傍まで延びるとともに前記受熱板に対向して開口する開口部を有する導入管と、前記導入管の開口部に対向し近接する位置に設けた前記受熱板の冷媒流入部と、前記受熱板の前記冷媒流入部の外周に設けた放射状の溝と、前記最上流受熱器の前記流入口の側に逆止弁を設け、前記下流受熱器の前記導入管に切欠部を設けたことを特徴とするものであり、冷却装置の冷却性能を上げることができるものである。
すなわち、本発明によれば、帰還経路の側に位置する最上流受熱器の流入口の側に逆止弁が設けられているため、逆止弁下流側から放熱器まで、すなわち、最上流受熱器と下流受熱器と接続経路および放熱経路内は1つの連通した空間となるため、この最上流受熱器と下流受熱器と接続経路および放熱経路内において、飽和蒸気圧と飽和蒸気の温度は一定となる。そのため、最上流受熱器と下流受熱器の複数の受熱器のうち、前段、後段に拘らず、各受熱器は、一定の条件下で発熱体からの熱を冷媒に伝えることができるので、受熱器の前段、後段に拘らず、冷却性能を確保することができる。
さらに、下流受熱器の前記導入管に切欠部を設けたことにより、冷媒流入部に対向し近接して形成された導入管の開口部が、受熱器内に存在する液相の冷媒に水没しても、導入管に流入した気相と液相の混相流の冷媒が、冷媒の液面上に出た切欠部から気化空間内に流出し、流出口と接続経路を介してさらに下流の下流受熱器に流れ込み、冷媒の循環を確保することができる。結果として、冷却装置の冷却性能を向上することができるのである。
この切欠部がなければ、導入管の開口部が水没しているため導入管の開口部から混相流の冷媒が流出する際に液体冷媒による圧力損失が大きく、混相流の冷媒が導入管の開口部から流出することを阻害してしまう。結果として、このように冷却装置全体の冷媒の循環が阻害されると、単位時間当たりの冷媒循環量も減少し、冷却性能そのものを低下させることになる。
本発明の実施の形態1の電気自動車の概略図 (a)同冷却装置を示す平面図、(b)同冷却装置の受熱部を示す正面図 (a)同冷却装置の下流受熱器の平面図、(b)同冷却装置の下流受熱器のB−B断面を示す図、(c)同冷却装置の下流受熱器の切欠部を示す図 (a)同冷却装置の下流受熱器の切欠部の拡大図、(b)同冷却装置の下流受熱器の導入管のC−C断面を示す図 (a)比較例の冷却装置の下流受熱器の平面を示す図、(b)同冷却装置の下流受熱器のB−B断面を示す図 (a)冷却装置の受熱器の比較例を示す平面図、(b)同受熱器の比較例を示す正面図、(c)同受熱器表面の動作温度の比較例を示す状態を示すグラフ
本発明の冷却装置は、発熱体からの熱を吸収し前記発熱体からの熱を冷媒に伝える受熱部と、前記冷媒の熱を放出する放熱部と、前記受熱部と前記放熱部とを接続する放熱経路と帰還経路とを備え、前記冷媒を前記受熱部、前記放熱経路、前記放熱部、前記帰還経路、および前記受熱部へと循環させ、前記冷媒の液相と気相との相変化によって冷却する冷却装置であって、前記受熱部は、前記帰還経路の側に位置する最上流受熱器と、その下流に接続経路を介して直列に配置される少なくとも1つの下流受熱器とを有し、前記最上流受熱器と前記下流受熱器とは、前記発熱体に接触させて熱を吸収する受熱板と、この受熱板の表面を覆うとともに表面に流れ込んだ冷媒を蒸発させる気化空間を形成する受熱板カバーと、この受熱板カバーの側方壁面に設けた前記冷媒の流入口と、この流入口に対向する側方壁面に設けた流出口と、前記流入口から前記受熱板の中心近傍まで延びるとともに前記受熱板に対向して開口する開口部を有する導入管と、前記導入管の開口部に対向し近接する位置に設けた前記受熱板の冷媒流入部と、前記受熱板の前記冷媒流入部の外周に設けた放射状の溝と、前記最上流受熱器の前記流入口の側に逆止弁を設け、前記下流受熱器の前記導入管に切欠部を設けた構成とすることにより、冷却装置の冷却性能の低下を抑制することができるものである。
すなわち、本発明によれば、帰還経路の側に位置する最上流受熱器の流入口の側に逆止弁が設けられているため、逆止弁下流側から放熱器まで、すなわち、最上流受熱器と下流受熱器と接続経路および放熱経路内は1つの連通した空間となるため、この最上流受熱器と下流受熱器と接続経路および放熱経路内において、飽和蒸気圧と飽和蒸気の温度は一定となる。そのため、最上流受熱器と下流受熱器の複数の受熱器のうち、前段、後段に拘らず、各受熱器は、一定の条件下で発熱体からの熱を冷媒に伝えることができるので、受熱器の前段、後段に拘らず、冷却性能を確保することができる。結果として、冷却装置の冷却性能を低下を抑制することができるのである。
さらに、下流受熱器の前記導入管に切欠部を設けたことにより、冷媒流入部に対向し近接して形成された導入管の開口部が、受熱器内に存在する液相の冷媒に水没しても、導入管に流入した気相と液相の混相流の冷媒が、冷媒の液面上に出た切欠部から気化空間内に流出し、流出口と接続経路を介してさらに下流の下流受熱器に流れ込み、冷媒の循環を確保することができる。この切欠部がなければ、導入管の開口部が水没しているため導入管の開口部から混相流の冷媒が流出する際に液体冷媒による圧力損失が大きく、混相流の冷媒が導入管の開口部から流出することを阻害し、結果として、冷却装置全体の冷媒の循環を阻害してしまうのである。
また、前記切欠部は、前記導入管の開口部から上方向に縦長の形状であるという構成にしてもよい。これにより、縦長の切欠部の上部が冷媒の液面上に出やすく、導入管に流入した気相と液相の混相流の冷媒が、冷媒の液面上に出た切欠部から気化空間内に流出し、流出口、接続経路を介してさらに下流の受熱器に流れ込み、冷媒の循環を確保することができるという効果を奏する。
また、前記切欠部は、前記導入管の周縁に複数個設けた構成にしてもよい。これにより、冷媒の液面上に出た複数の切欠部から、導入管に流入した気相と液相の混相流の冷媒を気化空間内に流出することができるので、冷媒の循環をさらに円滑にすることができるという効果を奏する。
また、本発明の冷却装置を搭載した電気自動車という構成にしてもよい。これにより、冷却性能の高い冷却装置により電力変換装置の冷却を行なう電気自動車とすることができる効果を奏する。
また、本発明の冷却装置を搭載した電子機器という構成にしてもよい。これにより、冷却性能の高い冷却装置により発熱体の冷却を行なう電子機器とすることができるという効果を奏する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1の冷却装置を搭載した電気自動車の概略図である。
図1に示すように、電気自動車1の車軸2を駆動する電動機3は、電気自動車1の車内に配置した発熱体4を複数配置した電力変換装置6に接続されている。電力変換装置6は、電力を電動機3に供給している。
また電力変換装置6には、発熱体4を冷却する冷却装置5が設けられている。
図2(a)は、同冷却装置を示す平面図、図2(b)は、同冷却装置の受熱部を示す正面図である。
図2に示すように、冷却装置5は、受熱部8と、放熱部10と、放熱経路9と、帰還経路11とを備えている。そして冷媒30が、受熱部8、放熱経路9、放熱部10、帰還経路11、および受熱部8へ循環する。冷却装置5は、冷媒30の液相と気相との相変化によって発熱体4を冷却する。ここで受熱部8は、発熱体4からの熱を吸収し、発熱体4からの熱を冷媒30に伝える。放熱部10は、冷媒30の熱を放出する。放熱経路9および帰還経路11は、受熱部8と放熱部10とを接続する管路により構成されている。
受熱部8は、冷媒30の流入口12と流出口13とを備えた複数の受熱器7が直列に配置され、構成されている。そして複数の受熱器7のうち、最も帰還経路11の側に位置する最上流受熱器7aの流入口12の側に、逆止弁14が備えられている。
冷却装置5の冷媒循環経路は、受熱部8、放熱経路9、放熱部10、帰還経路11、および逆止弁14により構成された密閉系である。その内部雰囲気は、冷媒が例えば水の場合には大気圧より圧力の低い負圧にて使用することが多く、水の封入量は数百cc程度(循環経路の総容積にもよるが、総容積よりも十分に少ない量)である。
この様な構成の本実施の形態1の冷却装置5は、受熱器7内において封入された冷媒30が発熱体4からの熱により気化(相変化)する時、大量の潜熱を奪う。また気化時の急激な体積膨張によって気化面である受熱板15には常に高速の冷媒流が形成されるため、大容量の冷却に対応可能な、きわめて高い冷却性能が実現できる。
本発明の実施の形態1の冷却装置5は、最上流側の最上流受熱器7aに逆止弁14が配置されている。そのため冷媒30の循環方向が決まり、受熱器7の内部において発熱体4からの熱を受けた冷媒30が気化する際の体積膨張によって、冷媒30が放熱部10へ高速流動される。その結果、冷却装置5はポンプなどの電力を使用する冷媒駆動力が不要となる。このように冷媒30が、無動力により循環路内を高速にて移動するため、熱を輸送する単位時間当たりの冷媒30の量が増え、冷却装置5の冷却能力が高められる。
また上述のように冷媒駆動力は、気化時の体積膨張が担うため、水冷ポンプなどの特別な外部動力が不必要であり、省電力の観点から極めて大きな利点である。本発明の実施の形態1の冷却装置と、水冷ポンプを使用する冷却装置との比較のため、図6を用いて説明する。
図6(a)は、冷却装置の受熱器の比較例を示す平面図、図6(b)は、同受熱器の比較例を示す正面図、図6(c)は、同受熱器表面の動作温度の比較例を示す状態を示すグラフである。
図6(a)に示すように受熱部108は、水循環系の中に直列接続された複数の受熱器107を有する。放熱部110が、放熱経路109と帰還経路111とを介して受熱部108の両端に接続されている。また、帰還経路111の途中には、冷媒駆動を行う冷媒駆動ポンプ117が搭載されている。図6(b)に示す受熱部108は、説明の簡素化のため受熱器107と発熱体104との大きさ、および発熱量がすべて同じとしている。受熱器107は、流入口112および流出口113を備えている。
図6(c)は、発熱体104と受熱器107との接触点温度の変化を示したグラフである。図6(c)に示すようにそれぞれの発熱体104と受熱器107との接触点の温度は、上流側からの冷媒の流入温度と受熱器107の発熱体104からの受熱による温度上昇分とが加算される。そのため実線の総熱量が素子動作保証温度を超えない程度の場合には、冷却装置として有効に機能する。しかし、それぞれの発熱体104の発熱量が大きくなり、破線の下流側の受熱器107において素子動作保証温度を超えてしまう場合、冷却装置として有効に使用できなくなる。
したがって水冷冷却装置の場合、受熱器107が直列接続されると、各受熱器107に搭載できる発熱量は低く制限されることになる。これをある程度回避するには、受熱器107が並列接続されてもよい。しかし、配管本数の増加により冷却装置全体が複雑かつ大型なり、小型化に不利である。
また、本発明の実施の形態1の冷却装置と水冷冷却装置との根本的な違いは、後者が顕熱による水温変化を利用するのに対して前者は冷媒の相変化を用いた潜熱を利用する点である。例えば冷媒が水の場合、単位質量あたりの熱輸送量は、潜熱は顕熱の数10倍以上となるため、前者は後者に比べ、高い冷却性能が確保できる。
冷媒30が受熱板15の表面において気化する時、潜熱として受熱板15から熱が奪われることによって受熱器7が冷却される。この時の受熱器7の表面温度は、冷媒30の飽和蒸気圧力により一義的に定まる飽和蒸気温度によって決まる。
すなわち、受熱部8が複数の受熱器7から構成され、それぞれの受熱器7が異なる発熱量の発熱体4を搭載していても、複数の受熱器7のうち最も帰還経路11の側に位置する最上流受熱器7aの流入口12の側に逆止弁14が設けられているため、逆止弁14の下流側から放熱部10まで、すなわち、複数の受熱器7と接続経路31内は1つの連通した空間となるため、この複数の受熱器7と接続経路31内において、飽和蒸気圧と飽和蒸気の温度はほぼ一定となる。そのため、複数の受熱器7のうち、前段、後段に拘らず、各受熱器7は、一定の条件下で発熱体4からの熱を冷媒30に伝えることができるので、各受熱器7は、前段、後段に拘らず、ほぼ同一の冷却性能を確保することができる。
この点に関しては、受熱器7が直列接続あっても並列接続あっても同じである。ただ受熱器7が、直列接続されれば冷却装置が小型化される。
また、それぞれの受熱器7の飽和蒸気圧は、受熱器7に搭載される発熱体4の総発熱量により決まる。受熱器7の温度は、すなわち、発熱体4と受熱板15の接触点の温度は、受熱器7のこの飽和蒸気温度に発熱体4の発熱量と受熱板15自体の熱抵抗による上昇温度を加算した値を示す。従来の水冷方式において受熱器を直列接続した場合、上流側の流出水温が下流側の流入水温となるため、下流側の受熱器になるほど受熱器の表面温度が高くなる。しかし、冷媒30の相変化を用いた本発明の実施の形態1の冷却装置5では、受熱器7の温度が飽和蒸気圧により決まる。そのため、下流側の受熱器7の温度は、上流側からの冷媒30の温度に影響されない。
図3(a)は同冷却装置の下流受熱器の平面図、図3(b)は同冷却装置の下流受熱器のB−B断面を示す図、図3(c)は同冷却装置の下流受熱器の切欠部を示す図である。
図3(a)、図3(b)、図3(c)に示すように、下流受熱器7bについて説明する。
なお、最上流受熱器7aは、下流受熱器7bとほぼ同じ構成であるが、最上流受熱器7aは、流入口12側に逆止弁14が設けられている。また、最上流受熱器7aは、後述する導入管24の切欠部33が設けられていない。
下流受熱器7bの下には、発熱体4が設けられている。発熱体4からの熱を受熱板15が吸収し発熱体4からの熱を冷媒30に伝える。受熱板カバー16は、受熱板15の表面を覆い、流れ込んだ冷媒30を蒸発させる気化空間18を形成する。この受熱板カバー16の側方壁面に冷媒30の流入口12が設けられている。この流入口12に対向する側方壁面に流出口13が設けられている。導入管24が、流入口12から受熱板15の中心近傍まで延設されている。導入管24には、受熱板15に対向して開口する開口部24aを設ける。
受熱板15において、導入管24の開口部24aが対向している部位、すなわち、導入管24に流入した冷媒30が、導入管24の開口部24aから受熱板15に流入する部位が、受熱板15の冷媒流入部32である。
冷却装置5の初期動作時は、受熱器7内には、液相の冷媒30が存在し、受熱器7内の上部には空間が存在する。複数の発熱体4から発生する熱を受熱器7が受熱する。複数の発熱体4は、発熱量や発熱するタイミングが均一とは限らないため、最上流受熱器7aまたは下流受熱器7bのいずれかで、最初に冷媒30の沸騰が始まり、その受熱器7の内部で冷媒30が気化する。気化した冷媒30は、受熱器7の流出口13に流出する。
最初に沸騰した受熱器7が最上流受熱器7aである場合、最上流受熱器7aの流入口12に逆止弁14が設けられているため、気化した冷媒30は流入口12側へは流出しない。
最初に沸騰した受熱器7が下流受熱器7bである場合、流入口12には逆止弁14が設けられていないため、気化した冷媒30は流入口12側にも一旦は流出する。この気化した冷媒30は、接続経路31、上流の下流受熱器7bを介して、最上流受熱器7aに瞬時に到達し、最上流受熱器7aの流入口12に設けた逆止弁14により、流れがせき止められ、最初に沸騰した受熱器7から逆止弁14までの空間は気化した冷媒30により圧力が高まる。この高い圧力と、外気で冷やされ低圧力を維持した放熱部10との圧力差により、受熱器7と接続経路31内の気相と液相の冷媒30は、放熱部10に接続された放熱経路9へ高速で流出し、冷媒30の流動が開始される。
導入管24の開口部24aと、受熱板の冷媒流入部32は近接した位置に設ける。それは、導入管24の開口部24aから受熱板15の冷媒流入部32に流入した混相流の冷媒30のうち液相の冷媒30が、受熱器7内で発熱体4からの熱を受けた受熱板15の冷媒流入部32で熱せられて、すなわち、受熱板15から熱を奪って、気化する際、導入管24と、この導入管24の開口部24aに近接した受熱板15の冷媒流入部32で形成される狭い空間内で気化するため、冷媒30の体積膨張によってその狭い空間内で圧力が高まり、受熱板15上に存在するまだ気化していない未沸騰の液相の冷媒30を巻き込みながら、液相と気相の冷媒30が、受熱板15の冷媒流入部32の周囲から外方に設けた放射状の溝22に沿って放射状に受熱板15上に薄膜冷媒層となって高速で拡がり、受熱板15から熱を奪い液相の冷媒30が気化する。そして、さらに、気化した冷媒30は、未沸騰の液相の冷媒30を巻き込みながら、気相と液相の混相流となって、受熱器7の流出口13から高速で流出する。流出した混相流の冷媒30は、この受熱器7と直列に配置されたさらに下流の下流受熱器7bの流入口12に接続された接続経路31を介して、このさらに下流の下流受熱器7bに流入する。
さらに、この下流受熱器7bにおいても、導入管24から受熱板15の冷媒流入部32に流入した液相と気相の混相流の冷媒30のうち液相の冷媒30が、受熱器7内で発熱体4からの熱を受けた受熱板15の冷媒流入部32で熱せられて、同様のプロセスを最下流の下流受熱器7bまで繰り返した後、最下流の下流受熱器7bの流出口13に接続された放熱経路9を介して液相と気相の混相流の冷媒30は放熱部10に流入する。
最上流受熱器7aおよび下流受熱器7b内に封入された冷媒30の気化が継続している間、逆止弁14は閉鎖されている。最上流受熱器7aおよび下流受熱器7b内において冷媒30の気化が進み、冷媒30のほとんどが流出口13を経て放熱経路9へ流出すると最上流受熱器7aおよび下流受熱器7bの内圧が低くなり、最上流受熱器7aに設けた逆止弁14が開放される。そして、逆止弁14の上流の帰還経路11に存在する液相の冷媒30が最上流受熱器7a内の導入管24へ流入する。そして再度、導入管24と、導入管24の開口部24aに近接した受熱板15の冷媒流入部32で形成される狭い空間内で冷媒30が沸騰し、未沸騰の液相の冷媒30を伴う高速の混相流となって受熱板15上へ薄膜冷媒層として広がり、発熱体4からの熱によって気化する。この一連のプロセスが繰り返され、ポンプなどの電力を使用することなく、冷媒30を循環させ、発熱体4から発生する熱を、受熱部8で受熱し、放熱部10で放熱することにより発熱体4を冷却することができる。
ここで本願の特徴である導入管に設けた切欠部33について図3を用いて説明する。
下流受熱器7bは、導入管24に切欠部33が設けられている。
前述した通り、冷却装置5の初期動作時は、受熱器7内には、液相の冷媒30が存在し、受熱器7内の上部には空間が存在する。導入管24の開口部24aと、受熱板15の冷媒流入部32は近接しているので、受熱器7内に存在する液相の冷媒30に導入管24の開口部24aが水没している。最初に沸騰した受熱器7から流出した液相と気相の混相流の冷媒30が、次に配置された下流受熱器7bの流入口12に接続された接続経路31を介して、次に配置された下流受熱器7bに流入する際に、接続経路31に接続された導入管24の開口部24aが水没している。従って、図5に示すように、導入管24に切欠部33が設けられていない場合は、導入管24に流れてきた液相と気相の混相流の冷媒30が導入管24から流出する抵抗となり、圧力損失が大きく、冷媒30の循環を阻害しうる。
そこで、図3に示すように、導入管24に切欠部33を設けることにより、上流の受熱器7から流れてきた液相と気相の混相流の冷媒30を、受熱器7内に存在する液相の冷媒30の水面より上部の切欠部33から、受熱器7内の空間に流出させることができる。
図3(c)に示すように、切欠部33は、導入管24の開口部24aから上方向に縦長の形状とする。これにより、縦長の切欠部33の上部が冷媒30の液面上に出やすく、導入管24に流入した気相と液相の混相流の冷媒30が、液面上に出た切欠部33から受熱器7内の空間に流出させることができるので圧力損失による圧力上昇を防止し、さらにその冷媒30が、流出口13、接続経路31を介してさらに下流の下流受熱器7bに流れ込み、冷媒30の循環を確保することができる。切欠部33の上端は、流入口12の下端部より上に位置するように設ける。液相の冷媒30を冷却装置5に注入する際に、各受熱器7に冷媒30が存在する状態にするためには、少なくとも流入口12の下端部より上まで液相の冷媒30を注入する必要があるためである。
図4に示すように、本実施の形態では、切欠部33は、導入管24の周縁に、4箇所、等間隔で設けている。切欠部33を複数個所に設けることにより、冷媒30の液面上に出た複数の切欠部33から、導入管24に流入した気相と液相の混相流の冷媒30を気化空間18内に流出することができるので、冷媒30の循環をさらに円滑にすることができるためである。
以上のように本発明にかかる冷却装置は、下流受熱器の導入管に切欠部を設けたことを特徴とするものであり、冷却装置の冷却性能を向上を可能とするものであるので、電気自動車の駆動装置としての電力変換装置の冷却装置や、電子機器の高速演算処理装置部分などの冷却装置として有用である。
1 電気自動車
2 車軸
3 電動機
4 発熱体
5 冷却装置
6 電力変換装置
7 受熱器
7a 最上流受熱器
7b 下流受熱器
8 受熱部
9 放熱経路
10 放熱部
11 帰還経路
12 流入口
13 流出口
14 逆止弁
15 受熱板
16 受熱板カバー
18 気化空間
22 溝
24 導入管
24a 開口部
30 冷媒
31 接続経路
32 冷媒流入部
33 切欠部
104 発熱体
107 受熱器
108 受熱部
109 放熱経路
110 放熱部
111 帰還経路
112 流入口
113 流出口
117 冷媒駆動ポンプ

Claims (5)

  1. 発熱体からの熱を吸収し前記発熱体からの熱を冷媒に伝える受熱部と、
    前記冷媒の熱を放出する放熱部と、
    前記受熱部と前記放熱部とを接続する放熱経路と帰還経路とを備え、
    前記冷媒を前記受熱部、前記放熱経路、前記放熱部、前記帰還経路、および前記受熱部へと循環させ、前記冷媒の液相と気相との相変化によって冷却する冷却装置であって、
    前記受熱部は、
    前記帰還経路の側に位置する最上流受熱器と、その下流に接続経路を介して直列に配置される少なくとも1つの下流受熱器とを有し、
    前記最上流受熱器と前記下流受熱器とは、
    前記発熱体に接触させて熱を吸収する受熱板と、
    この受熱板の表面を覆うとともに表面に流れ込んだ冷媒を蒸発させる気化空間を形成する受熱板カバーと、
    この受熱板カバーの側方壁面に設けた前記冷媒の流入口と、
    この流入口に対向する側方壁面に設けた流出口と、
    前記流入口から前記受熱板の中心近傍まで延びるとともに前記受熱板に対向して開口する開口部を有する導入管と、
    前記導入管の開口部に対向し近接する位置に設けた前記受熱板の冷媒流入部と、
    前記受熱板の前記冷媒流入部の外周に設けた放射状の溝と、
    前記最上流受熱器の前記流入口の側に逆止弁を設け、
    前記下流受熱器の前記導入管に切欠部を設けたことを特徴とする冷却装置。
  2. 前記切欠部は、前記導入管の開口部から上方向に縦長の形状であることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記切欠部は、前記導入管の周縁に複数個設けたこと特徴とする請求項1または2に記載の冷却装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の冷却装置を搭載し、車軸を駆動する電動機を駆動する電力変換装置の冷却を行なう電気自動車。
  5. 請求項1から3のいずれか一つに記載の冷却装置を搭載し、発熱体の冷却を行なう電子機器。
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