JP2015046347A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、放電容量と高温サイクル特性が共に優れたリチウムイオン二次電池を提供することにある。
【解決手段】アルミニウム(Al)をマンガン(Mn)に対して0.5mol%以上50.0mol%未満含有するスピネル型マンガン酸リチウムを含む正極とリチウムイオン挿入脱離可能な材料を含む負極とAlを含有する無機粒子を含むセパレータと非水溶系電解液とを含有してなるリチウムイオン二次電池。
【選択図】なし
【解決手段】アルミニウム(Al)をマンガン(Mn)に対して0.5mol%以上50.0mol%未満含有するスピネル型マンガン酸リチウムを含む正極とリチウムイオン挿入脱離可能な材料を含む負極とAlを含有する無機粒子を含むセパレータと非水溶系電解液とを含有してなるリチウムイオン二次電池。
【選択図】なし
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
主に利用されてきたニッケル−カドミウム電池やニッケル水素電池と比較して、出力電圧が高く高エネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池は、電気自動車や定置用電源等の大型用途へ利用が拡大している。遷移金属としてコバルトやニッケルを使用した層状岩塩型リチウム遷移金属酸化物を使用した正極は、高エネルギー密度を有するが、熱暴走時に酸素欠損を生じて発火に至ることから、安全性の高いスピネル型マンガン酸リチウム正極が見直されている。一方で、スピネル型マンガン酸リチウム正極は、層状岩塩型化合物と比較して、特に高温サイクル時に劣化(容量低下)を生じるという問題があった。
現在ポータブル機器に使用されているリチウムイオン二次電池の寿命は数百サイクル程度であるが、電力貯蔵用途では少なくとも数千サイクルの寿命が要求される。電力貯蔵用途等では高温環境下での使用が考えられるため、特に高温サイクル特性は重要になってくる。
スピネル型マンガン酸リチウム(LiAMn2O4)は、リチウムイオンのインターカレーションによりJahn−TellerイオンであるMn3+が増加し、A=1においてJahn−Teller歪みを伴う相転移が生じ、立方晶から体積膨張を伴い、正方晶に変化する。また、Jahn−TellerイオンであるMn3+がスピネル構造に歪みを生じさせることにより、スピネル構造中の3価のMnが4価のMnと2価のMnに一部不均化することにより、電解液中にMnが溶解しやすい形になる(例えば、非特許文献1参照)。高温サイクル特性が劣化する主な原因は、電解液中にMnが溶出し、セパレータの細孔を目詰まりさせ抵抗を上げることや、また、負極上にMnが堆積してリチウムイオンの挿入脱離が抑制されることにある。
この問題点の解決のため、これまでスピネル型マンガン酸リチウム結晶中への他元素導入(例えば特許文献1参照)、LiCoO2等他リチウム遷移金属酸化物の添加(例えば特許文献2参照)、正極活物質表面へのAl化合物の導入(例えば特許文献3参照)等の方法によって、3価のMnの含有量を低減する提案や、他元素置換したマンガン酸リチウムに水素捕捉剤を添加するという提案(例えば特許文献4参照)がなされているが、十分な放電容量を得た上で十分なサイクル寿命を同時に満足させるには至っていない。
また、電池中に含まれる水と電解塩の反応で発生した酸に対し、酸中和剤として無機酸化物を使用して高温サイクル特性を改善するという提案がなされているが(例えば特許文献5参照)、高温サイクル劣化の主要因は結晶中のMn溶出が原因であるため、高温サイクル劣化の根本的な改善にはならない。
電気化学会電池技術委員会編、「電池ハンドブック」、P459−460(2010)
本発明の課題は、放電容量と高温サイクル特性が共に優れたリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、
(1)アルミニウム(Al)をマンガン(Mn)に対して0.5mol%以上50.0mol%未満含有するスピネル型マンガン酸リチウムを含む正極とリチウムイオン挿入脱離可能な材料を含む負極とAlを含有する無機粒子を含むセパレータと非水溶系電解液とを含有してなるリチウムイオン二次電池、
(2)セパレータが不織布を含む上記(1)記載のリチウムイオン二次電池、
を見出した。
(1)アルミニウム(Al)をマンガン(Mn)に対して0.5mol%以上50.0mol%未満含有するスピネル型マンガン酸リチウムを含む正極とリチウムイオン挿入脱離可能な材料を含む負極とAlを含有する無機粒子を含むセパレータと非水溶系電解液とを含有してなるリチウムイオン二次電池、
(2)セパレータが不織布を含む上記(1)記載のリチウムイオン二次電池、
を見出した。
本発明により、放電容量と高温サイクル特性が共に優れたリチウムイオン二次電池を提供できる。
以下、本発明のリチウムイオン二次電池について詳細な説明を行う。
本発明の特徴は、アルミニウム(Al)をマンガン(Mn)に対して0.5mol%以上50.0mol%未満含有するスピネル型マンガン酸リチウムを含む正極とリチウムイオン挿入脱離可能な材料を含む負極とAlを含有する無機粒子を含むセパレータと非水溶系電解液とを含有してなるリチウムイオン二次電池であることにある。
本発明において、正極は、AlをMnに対して0.5mol%以上50.0mol%未満含有するスピネル型マンガン酸リチウムを正極活物質として含む。このスピネル型マンガン酸リチウムは、高温サイクル時の容量劣化の原因であるMnの溶出を抑制するために、MnサイトをAlで置換している。また、AlがMnに対して0.5mol%未満では、Mnの溶出を抑制するに十分でなく、50.0mol%以上ではMn溶出は抑制されて高温サイクル特性は得られるが、放電容量を得ることができない。
また、アルミニウム(Al)をマンガン(Mn)に対して0.5mol%以上50.0mol%未満含有するスピネル型マンガン酸リチウムを含む正極とAlを含有する無機粒子を含むセパレータとを一緒に用いることで、Mnの溶出をさらに抑制し、より優れた高温サイクル特性を得ることができる。その機構に関しては明らかになっていないが、セパレータ中のAlを含有する無機粒子がMnの溶出を抑制していると推測される。また、高温サイクル特性が向上するだけでなく、該セパレータと併用することで、正極活物質のMnサイトへのAl置換量を減らしても、優れた高温特性が得られる。正極活物質のAl置換量を減らすことができると、結晶構造がより安定するため、高い放電容量も得ることができる。さらに、不織布を含むセパレータを用いた場合、充放電時電極の膨張収縮にセパレータが追随するため、活物質同士または活物質と導電助剤間の剥離を抑制することができ、抵抗増加を防止するため、さらにより優れた高温サイクル特性を得ることができる。
前述の正極活物質に導電助剤やポリフッ化ビニリデン(PVDF)やSBR(スチレン−ブタジエンゴム)などのバインダーを合わせた正極合剤を集電体上に塗工し、正極とする。導電助剤とは、電子伝導性を有する材料であり、例えばカーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、導電性金属酸化物等である。塗工媒体は、水系媒体や有機系媒体を使用することができる。集電体としては、例えば厚みが5μm〜30μmのアルミニウム等の金属箔、パンチングメタル、スパンドメタルを用いることができる。
本発明におけるAlを含有する無機粒子を含むセパレータは、織布、不織布、合成樹脂微多孔フィルム等の各種の多孔質膜を用いることができる。不織布としては、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリビニルケトン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、微細セルロース等の有機繊維やアルミナ繊維等の無機繊維を含有してなる不織布を使用することができ、これらの繊維は1種類を単独で用いることも、混合して含有させることも可能である。合成樹脂微多孔フィルムとしては、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂を含む微多孔フィルム等を使用することができ、これら樹脂は1種類を単独で用いることも、積層して使用することも可能である。また、不織布と微多孔フィルムを張り合わせて多孔質膜とすることも可能である。
リチウムイオン二次電池は、充電時は正極活物質中からLiイオンが脱離して負極活物質中に挿入され、放電時は負極活物質中からLiイオンが脱離して正極活物質中に挿入され、正極活物質と負極活物質双方の結晶中でLiイオンの挿入脱離が繰り返される。そのため、サイクル時には正負極活物質で体積膨張収縮が繰り返され、活物質同士間または活物質と導電助材間の距離が広がって剥離し、抵抗が増加するため、高温サイクル特性の劣化原因にもなっている。充放電時電極の体積膨張収縮に不織布を含むセパレータは追随できるため、活物質同士間や活物質と導電助材間の剥離や抵抗の増加を抑制することができ、優れた高温サイクル特性を得ることができる。そのため、本発明におけるセパレータとしては、特に不織布を含むセパレータを用いることが好ましい。
セパレータの厚みは、3μm以上80μm以下であることが好ましい。強度面から6μm以上がより好ましく、10μm以上がさらに好ましい。また、内部抵抗が下げるためには、50μm以下がより好ましく、35μm以下がさらに好ましい。
本発明におけるAlを含有する無機粒子とは、0.5ppm以上Alが含まれている無機粒子をいう。無機粒子中のAl含有量は、無機粒子:水:硝酸=1:50:5(質量比)を90℃で1時間加熱し、0.4μmフィルターでろ過したろ液を、ICP−AES(Inductively Coupled Plasma−Atomic Emission Spectromery)で測定することにより求められる。Alを含有する無機粒子として、例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)やベーマイト(AlOOH)等が挙げられる。
多孔質膜に無機粒子を付与する方法としては、無機粒子を単独で多孔質膜に付与することも可能であるが、セパレータ取り扱い面から、無機粒子とバインダーを含む無機粒子塗工液を多孔質膜に付与することが好ましい。
多孔質膜に無機粒子塗工液を付与する方法に特に制限はなく、例えば、エアドクターコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、含浸コーター、グラビアコーター、キスロールコーター、ダイコーター、リバースロールコーター、トランスファーロールコーター、スプレーコーター等が挙げられる。また、多孔質膜の片面のみに付与してもよいし、両面に付与してもよい。また、多孔質膜の空隙に無機粒子が充填されていてもよい。
無機粒子を付与する際に、バインダーを使用してもよい。バインダーとしては、特に限定させるものではないが、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)系樹脂やアクリル系樹脂、セルロース誘導体、フッ素系樹脂などが挙げられ、有機バインダーだけでなく無機バインダーも用いることができる。また、無機粒子塗工液用媒体は、特に限定されるものではないが、水や有機系媒体を使用することができる。有機系媒体としては、イソプロピルアルコールといった水酸基を有する溶媒やアセトン、メチルエチルケトンといったカルボニル基を有する媒体、N−メチル−2−ピロリドンやジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。
本発明において、多孔質膜に付与された無機粒子の付着量としては、固形分換算で、0.5〜30.0g/m2が好ましく、さらに4.0〜20.0g/m2がより好ましい。付着量が0.5g/m2未満であると、Mnイオン吸着量が低下し、サイクル劣化が生じる場合がある。一方、付着量が30.0g/m2を超えると、セパレータの薄膜化が困難となるため、電池のエネルギー密度が低下する場合がある。
本発明において、負極は、負極活物質としてリチウムイオン導入脱離可能な材料を含む。負極活物質としては、例えばグラファイト、ハードカーボン、低結晶性炭素、黒鉛に非晶質炭素をコートしたもの、カーボンナノチューブまたはこれらの混合物などを用いることができる。また、炭素系材料のみならず、チタン酸リチウムや硅素(Si)またはスズ(Sn)または窒素(N)を含有する負極材料についても用いることができる。
本発明に用いられる電解液は、非水溶系電解液であり、有機溶媒(非水溶媒)に電解塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)などの環状カーボネート類とジメチルカーボネート(DMC)やジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カーボネート類との混合溶媒が挙げられる。また、リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiN(SO2C2F5)2、LiN(SO2CF3)2、LiSO3CF3などを用いることができる。また、これらの電解液に安全性や充放電サイクル性、高温貯蔵性といった特性を向上させる目的で、ビニレンカーボネート類、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキサン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼンなどの添加剤を適宜加えることもできる。電解液に代えてポリマー電解質を用いてもよく、4級アンモニウム塩などを含むイオン性液体を用いても良い。
エネルギー密度を高めることが重要であるため、外装を含め軽量化することが好ましい。また、特に自動車用途等ハイレートで使用する電池においては、大電流放電時の電池温度上昇が大きく電池特性劣化に影響するため、放熱性の高い外装が好ましい。これらの点から、外装としてはラミネートフィルムを用いることが極めて有効である。正極、負極、セパレータから成る発電要素の構造は巻回構造、積層構造が一般的であるが、積層構造は巻回構造よりも表面積が高い構造のため放熱性に優れる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
<セパレータの作製>
アルミナ(Alを含有する無機粒子)を固形分換算で100質量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(1質量%水溶液のB型粘度200mPa・s)を固形分換算で0.4質量部とイオン交換水をホモジナイザーにて混合、撹拌し、次いでカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(1質量%水溶液のB型粘度7000mPa・s)を固形分換算で0.9質量部を混合、撹拌し、次にスチレン−ブタジエンラテックスを固形分換算で5質量部を混合、撹拌し、さらにイオン交換水を加えて、固形分濃度25質量%の無機粒子塗工液を作製した。ポリエチレンテレフタレート不織布(10.0g/m2)に、グラビアコーターにて、乾燥固形分10.0g/m2となるように、この無機粒子塗工液を均一に片面塗工して、厚み20μmのリチウムイオン二次電池セパレータを得た。
<セパレータの作製>
アルミナ(Alを含有する無機粒子)を固形分換算で100質量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(1質量%水溶液のB型粘度200mPa・s)を固形分換算で0.4質量部とイオン交換水をホモジナイザーにて混合、撹拌し、次いでカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(1質量%水溶液のB型粘度7000mPa・s)を固形分換算で0.9質量部を混合、撹拌し、次にスチレン−ブタジエンラテックスを固形分換算で5質量部を混合、撹拌し、さらにイオン交換水を加えて、固形分濃度25質量%の無機粒子塗工液を作製した。ポリエチレンテレフタレート不織布(10.0g/m2)に、グラビアコーターにて、乾燥固形分10.0g/m2となるように、この無機粒子塗工液を均一に片面塗工して、厚み20μmのリチウムイオン二次電池セパレータを得た。
<正極の作製>
正極活物質であるスピネル型マンガン酸リチウム(LiMn1.98Al0.02O4)89.5質量部、導電助剤であるアセチレンブラック5質量部及びバインダーであるPVDF6.5質量部を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶剤として均一になるように混合して、正極合剤含有ペーストを調製した。このペーストを、集電体となる厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に、片面固形分が0.02g/cm2となるように間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って、全厚が150μmになるように正極合剤層の厚みを調整した。さらに、この正極のアルミニウム箔の露出部に電流取り出しのため、超音波溶接機によりタブの溶接を行った。
正極活物質であるスピネル型マンガン酸リチウム(LiMn1.98Al0.02O4)89.5質量部、導電助剤であるアセチレンブラック5質量部及びバインダーであるPVDF6.5質量部を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶剤として均一になるように混合して、正極合剤含有ペーストを調製した。このペーストを、集電体となる厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に、片面固形分が0.02g/cm2となるように間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って、全厚が150μmになるように正極合剤層の厚みを調整した。さらに、この正極のアルミニウム箔の露出部に電流取り出しのため、超音波溶接機によりタブの溶接を行った。
<負極の作製>
負極活物質である黒鉛90質量部、バインダーであるPVDF5質量部を、NMPを溶剤として均一になるように混合して、2.1mAh/cm2となるように、負極合剤含有ペーストを調製した。このペーストを、集電体となる厚さ10μmの銅箔の両面に、間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って、全厚が140μmになるように負極合剤層の厚みを調整した。さらに、この負極の銅箔の露出部に電流取り出しのため、超音波溶接機によりタブの溶接を行った。
負極活物質である黒鉛90質量部、バインダーであるPVDF5質量部を、NMPを溶剤として均一になるように混合して、2.1mAh/cm2となるように、負極合剤含有ペーストを調製した。このペーストを、集電体となる厚さ10μmの銅箔の両面に、間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って、全厚が140μmになるように負極合剤層の厚みを調整した。さらに、この負極の銅箔の露出部に電流取り出しのため、超音波溶接機によりタブの溶接を行った。
<評価用電池の組み立て>
上記のようにして得られた3.0cm×5.0cmの正極と3.1cm×5.1cmの負極とを、上記のセパレータを介して積層体とし、ラミネートフィルム外装材内に装填し、1M LiPF6/EC:DEC:1,2−ジメトキシエタン(DME)(1:1:1、体積比)電解液を注入し、真空封止を行ってリチウムイオン二次電池を作製した。
上記のようにして得られた3.0cm×5.0cmの正極と3.1cm×5.1cmの負極とを、上記のセパレータを介して積層体とし、ラミネートフィルム外装材内に装填し、1M LiPF6/EC:DEC:1,2−ジメトキシエタン(DME)(1:1:1、体積比)電解液を注入し、真空封止を行ってリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例2)
アルミナ(Alを含有する無機粒子)を固形分換算で100質量部、ポリメタクリル酸メチルを固形分換算で5質量部、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル2質量部を固形分濃度20質量%になるようにメチルエチルケトン中に混合し、1時間ペイントコントローラーで分散を行い、無機粒子塗工液の作製を行った。ポリエチレン製微多孔フィルム(10.0g/m2)に、グラビアコーターにて、片面塗工量が乾燥固形分3.0g/m2となるように、この無機粒子塗工液を均一に両面塗工して得られた厚み16μmのリチウムイオン二次電池セパレータを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
アルミナ(Alを含有する無機粒子)を固形分換算で100質量部、ポリメタクリル酸メチルを固形分換算で5質量部、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル2質量部を固形分濃度20質量%になるようにメチルエチルケトン中に混合し、1時間ペイントコントローラーで分散を行い、無機粒子塗工液の作製を行った。ポリエチレン製微多孔フィルム(10.0g/m2)に、グラビアコーターにて、片面塗工量が乾燥固形分3.0g/m2となるように、この無機粒子塗工液を均一に両面塗工して得られた厚み16μmのリチウムイオン二次電池セパレータを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
(実施例3)
正極活物質をLiMn1.5Al0.5O4にした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
正極活物質をLiMn1.5Al0.5O4にした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
(実施例4)
正極活物質をLiMn1.99Al0.01O4とし、アルミナ(Alを含有する無機粒子)を固形分換算で100質量部、ポリメタクリル酸メチルを固形分換算で5質量部、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル2質量部を固形分濃度20質量%になるようにメチルエチルケトン中に混合し、1時間ペイントコントローラーで分散を行い、無機粒子塗工液の作製を行った。ポリエチレン製微多孔フィルム(10.0g/m2)に、グラビアコーターにて、片面塗工量が乾燥固形分3.0g/m2となるように、この無機粒子塗工液を均一に両面塗工して得られた厚み16μmのリチウムイオン二次電池セパレータを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
正極活物質をLiMn1.99Al0.01O4とし、アルミナ(Alを含有する無機粒子)を固形分換算で100質量部、ポリメタクリル酸メチルを固形分換算で5質量部、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル2質量部を固形分濃度20質量%になるようにメチルエチルケトン中に混合し、1時間ペイントコントローラーで分散を行い、無機粒子塗工液の作製を行った。ポリエチレン製微多孔フィルム(10.0g/m2)に、グラビアコーターにて、片面塗工量が乾燥固形分3.0g/m2となるように、この無機粒子塗工液を均一に両面塗工して得られた厚み16μmのリチウムイオン二次電池セパレータを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
(実施例5)
正極活物質をLiMn1.36Al0.64O4とした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
正極活物質をLiMn1.36Al0.64O4とした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
(比較例1)
正極活物質をLiMn2O4にした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
正極活物質をLiMn2O4にした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
(比較例2)
正極活物質をLiMn1.0Al1.0O4にした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
正極活物質をLiMn1.0Al1.0O4にした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
(比較例3)
無機粒子を有していないポリエチレン製微多孔フィルム(10.0g/m2)をセパレータとした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
無機粒子を有していないポリエチレン製微多孔フィルム(10.0g/m2)をセパレータとした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
(比較例4)
無機粒子を有していないポリプロピレン−ポリエチレン−ポリプロピレンの3層構造を有する微多孔フィルム(10.0g/m2)をセパレータとした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
無機粒子を有していないポリプロピレン−ポリエチレン−ポリプロピレンの3層構造を有する微多孔フィルム(10.0g/m2)をセパレータとした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
(比較例5)
水酸化マグネシウムを固形分換算で100質量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(1質量%水溶液のB型粘度200mPa・s)を固形分換算で0.4質量部とイオン交換水をホモジナイザーにて混合、撹拌し、次いでカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(1質量%水溶液のB型粘度7000mPa・s)を固形分換算で0.9質量部を混合、撹拌し、次にスチレン−ブタジエンラテックスを固形分換算で5質量部を混合、撹拌し、さらにイオン交換水を加えて、固形分濃度25質量%の無機粒子塗工液を作製した。ポリエチレンテレフタレート不織布(10.0g/m2)に、グラビアコーターにて、乾燥固形分10.0g/m2となるように、この無機粒子塗工液を均一に片面塗工して、得られた厚み20μmのリチウムイオン二次電池セパレータを用いた以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を得た。
水酸化マグネシウムを固形分換算で100質量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(1質量%水溶液のB型粘度200mPa・s)を固形分換算で0.4質量部とイオン交換水をホモジナイザーにて混合、撹拌し、次いでカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(1質量%水溶液のB型粘度7000mPa・s)を固形分換算で0.9質量部を混合、撹拌し、次にスチレン−ブタジエンラテックスを固形分換算で5質量部を混合、撹拌し、さらにイオン交換水を加えて、固形分濃度25質量%の無機粒子塗工液を作製した。ポリエチレンテレフタレート不織布(10.0g/m2)に、グラビアコーターにて、乾燥固形分10.0g/m2となるように、この無機粒子塗工液を均一に片面塗工して、得られた厚み20μmのリチウムイオン二次電池セパレータを用いた以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を得た。
(比較例6)
水酸化マグネシウムを固形分換算で100質量部、ポリメタクリル酸メチルを固形分換算で5質量部、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル2質量部を固形分濃度20質量%になるようにメチルエチルケトン中に混合し、1時間ペイントコントローラーで分散を行い、無機粒子塗工液の作製を行った。ポリエチレン製微多孔フィルム(10.0g/m2)に、グラビアコーターにて、片面塗工量が乾燥固形分3.0g/m2となるように、この無機粒子塗工液を均一に両面塗工して得られた厚み16μmのリチウムイオン二次電池セパレータを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
水酸化マグネシウムを固形分換算で100質量部、ポリメタクリル酸メチルを固形分換算で5質量部、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル2質量部を固形分濃度20質量%になるようにメチルエチルケトン中に混合し、1時間ペイントコントローラーで分散を行い、無機粒子塗工液の作製を行った。ポリエチレン製微多孔フィルム(10.0g/m2)に、グラビアコーターにて、片面塗工量が乾燥固形分3.0g/m2となるように、この無機粒子塗工液を均一に両面塗工して得られた厚み16μmのリチウムイオン二次電池セパレータを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られたリチウムイオン二次電池について、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得られたリチウムイオン二次電池について、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
[電池特性:高温サイクル特性]
評価用電池に対して、1Cで3サイクルエイジングを行った後、1C、4.2Vで定電流定電圧充電(1/10Cカット)した後、1Cで定電流放電試験(2.8Vカット)を60℃雰囲気下にて500サイクル実施した。(サイクル効率)=(500サイクル目放電容量)÷(1サイクル目放電容量)を算出した。サイクル効率が95%以上の電池を「◎」、90%以上95%未満を「○」、80%以上90%未満を「△」、80%未満を「×」とした。
評価用電池に対して、1Cで3サイクルエイジングを行った後、1C、4.2Vで定電流定電圧充電(1/10Cカット)した後、1Cで定電流放電試験(2.8Vカット)を60℃雰囲気下にて500サイクル実施した。(サイクル効率)=(500サイクル目放電容量)÷(1サイクル目放電容量)を算出した。サイクル効率が95%以上の電池を「◎」、90%以上95%未満を「○」、80%以上90%未満を「△」、80%未満を「×」とした。
[電池特性:放電容量]
評価用電池に対して、1Cで3サイクルエイジングを行った後、1C、4.2Vで定電流定電圧充電(1/10Cカット)した後、1Cで定電流放電試験(2.8Vカット)を23℃雰囲気下にて1サイクル実施した。1サイクル目の放電容量が28mAh以上を「◎」、26mAh以上28mAh未満を「○」、26mAh未満を「×」とした。
評価用電池に対して、1Cで3サイクルエイジングを行った後、1C、4.2Vで定電流定電圧充電(1/10Cカット)した後、1Cで定電流放電試験(2.8Vカット)を23℃雰囲気下にて1サイクル実施した。1サイクル目の放電容量が28mAh以上を「◎」、26mAh以上28mAh未満を「○」、26mAh未満を「×」とした。
実施例1〜5の結果から、AlをMnに対して0.5mol%以上50.0mol%未満含有するスピネル型マンガン酸リチウムを含む正極とAlを含有する無機粒子を含むセパレータを共に用いた実施例1〜5の場合、高温サイクル特性と放電容量の両方の電池評価において、良好な結果を得ることができた。
実施例1と実施例2の比較から、セパレータが不織布を含む実施例1では、セパレータがサイクル時の正負極の体積膨張に追随することができ、電極抵抗の増加を抑制することができたため、優れた高温サイクル特性を得ることができた。
比較例1に示すように、Alを含有する無機粒子を含むセパレータを使用しているが、Alを含有していないスピネル型マンガン酸リチウムを含む正極を用いた場合では、放電容量の評価結果は良かったものの、高温サイクル特性の評価では、サイクル効率が低かった。これは、高温サイクル特性の評価中に、正極活物質から3価のMnが溶出し、セパレータ細孔の目詰まりや負極表面上にMnが析出し、セパレータと負極の抵抗を増加した結果、高温サイクル特性が悪かったと考えられる。
比較例2に示すように、Alを含有する無機粒子を含むセパレータを使用しているが、AlをMnに対して50.0mol%を超える量で含有するスピネル型マンガン酸リチウムを含む正極を用いた場合では、Mn溶出は抑制できたため、高温サイクル特性の評価は良好であるものの、放電容量を得ることが難しかった。
比較例3及び比較例4に示すように、AlをMnに対して0.5mol%以上50.0mol%未満含有するスピネル型マンガン酸リチウムを含む正極を使用しているが、セパレータがAlを含有する無機粒子を含んでいないため、高温サイクル特性が悪かった。
実施例4は、実施例2よりも正極活物質中に存在するAl量が減っているが、Alを含有する無機粒子含むセパレータを用いているので、実施例2と同等の高温サイクル特性を得ることができた。また、実施例4では、正極活物質中に導入したAl量を減らした結果、実施例2よりも高い放電容量を得ることができ、高温サイクル特性と放電特性が共に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができた。
実施例1と比較例5、実施例2と比較例6の比較から、Mgを含有する無機粒子を含むセパレータを用いた比較例5及び6よりも、Alを含有する無機粒子を含むセパレータを用いた実施例1及び実施例2の方が、Mnの溶出抑制力が高く、高温サイクル特性の評価において、良好な結果を示した。
本発明はリチウムイオン二次電池として好適に使用できる。
Claims (2)
- アルミニウム(Al)をマンガン(Mn)に対して0.5mol%以上50.0mol%未満含有するスピネル型マンガン酸リチウムを含む正極とリチウムイオン挿入脱離可能な材料を含む負極とAlを含有する無機粒子を含むセパレータと非水溶系電解液とを含有してなるリチウムイオン二次電池。
- セパレータが不織布を含む請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013177891A JP2015046347A (ja) | 2013-08-29 | 2013-08-29 | リチウムイオン二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013177891A JP2015046347A (ja) | 2013-08-29 | 2013-08-29 | リチウムイオン二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015046347A true JP2015046347A (ja) | 2015-03-12 |
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ID=52671687
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JP2013177891A Pending JP2015046347A (ja) | 2013-08-29 | 2013-08-29 | リチウムイオン二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
2013
- 2013-08-29 JP JP2013177891A patent/JP2015046347A/ja active Pending
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