JP2015045375A - コントロールケーブル用アウターケーシング及びコントロールケーブル - Google Patents

コントロールケーブル用アウターケーシング及びコントロールケーブル Download PDF

Info

Publication number
JP2015045375A
JP2015045375A JP2013177002A JP2013177002A JP2015045375A JP 2015045375 A JP2015045375 A JP 2015045375A JP 2013177002 A JP2013177002 A JP 2013177002A JP 2013177002 A JP2013177002 A JP 2013177002A JP 2015045375 A JP2015045375 A JP 2015045375A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
tubular body
outer casing
control cable
metal wires
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013177002A
Other languages
English (en)
Inventor
明彦 北澤
Akihiko Kitazawa
明彦 北澤
亥六 鈴木
Iroku Suzuki
亥六 鈴木
草川 公一
Koichi Kusakawa
公一 草川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NHK Spring Co Ltd
Original Assignee
NHK Spring Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NHK Spring Co Ltd filed Critical NHK Spring Co Ltd
Priority to JP2013177002A priority Critical patent/JP2015045375A/ja
Priority to CN201480047122.4A priority patent/CN105492783A/zh
Priority to PCT/JP2014/071093 priority patent/WO2015029756A1/ja
Priority to US14/915,005 priority patent/US20160208846A1/en
Publication of JP2015045375A publication Critical patent/JP2015045375A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C1/00Flexible shafts; Mechanical means for transmitting movement in a flexible sheathing
    • F16C1/26Construction of guiding-sheathings or guiding-tubes
    • F16C1/267Details of the inner surface of the sheathing or tube, e.g. coatings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C1/00Flexible shafts; Mechanical means for transmitting movement in a flexible sheathing
    • F16C1/26Construction of guiding-sheathings or guiding-tubes
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C1/00Flexible shafts; Mechanical means for transmitting movement in a flexible sheathing
    • F16C1/10Means for transmitting linear movement in a flexible sheathing, e.g. "Bowden-mechanisms"
    • F16C1/22Adjusting; Compensating length
    • F16C1/223Adjusting; Compensating length by adjusting the effective length of the flexible member
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2202/00Solid materials defined by their properties
    • F16C2202/02Mechanical properties
    • F16C2202/08Resilience, elasticity, super-elasticity
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2208/00Plastics; Synthetic resins, e.g. rubbers
    • F16C2208/20Thermoplastic resins
    • F16C2208/66Acetals, e.g. polyoxymethylene [POM]
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2208/00Plastics; Synthetic resins, e.g. rubbers
    • F16C2208/20Thermoplastic resins
    • F16C2208/70Polyesters, e.g. polyethylene-terephthlate [PET], polybutylene-terephthlate [PBT]
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2208/00Plastics; Synthetic resins, e.g. rubbers
    • F16C2208/20Thermoplastic resins
    • F16C2208/76Polyolefins, e.g. polyproylene [PP]

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Flexible Shafts (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)

Abstract

【課題】軽量であり、配索し易いコントロールケーブル用アウターケーシング及びにコントロールケーブルを提供する。
【解決手段】管状の樹脂層を有する樹脂管状体14と、前記樹脂管状体の樹脂層内に前記樹脂管状体の軸方向に平行に且つ軸に対して対称となる位置に埋設された2本の金属線材18と、を含み、前記樹脂管状体の外径をD(mm)、前記2本の金属線材の間隔をA(mm)としたときに、下記式(1)及び(2)を満たすコントロールケーブル用アウターケーシング10。
(1)1.5≦D≦4
(2)0.5D≦A≦0.7D
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車用途等に用いられるコントロールケーブル用アウターケーシング及びコントロールケーブルに関する。
コントロールケーブルは、一般的に、可とう性のパイプ状のアウターケーシングに金属線からなるインナーケーブルが挿通されて構成されており、インナーケーブルの一端を押したり、引いたり、回転させたりして、他端にある受動機器をリモートコントロールする機能を有する。コントロールケーブルは、例えば、自動車用途として、サンルーフ開閉ケーブル、ウインドウ開閉ケーブル、パーキングブレーキケーブルなど、種々の用途がある。
コントロールケーブル用のアウターケーシングには長手方向の寸法安定性が厳しく求められる。インナーケーブルが金属線であるため、その金属と同程度の線膨張係数や圧縮特性が求められる。
もし、アウターケーシングの熱膨張が大きいとインナーケーブルを操作していなくても、あたかも牽引されたような動きとなり、例えば、給油口が閉じなくなるなどの誤動作を起こす可能性がある。また、アウターケーシングが軟らかいとインナーケーブルの作動により、アウターケーシングが圧縮され短くなるため、インナーケーブルを牽引しても作動しない事態が生じる可能性がある。
これらの事はアウターケーシングの樹脂の熱膨張率とストロークロス(インナーケーブルの遊び代で、大きすぎると不具合が生じる)の測定で確認することができる。ストロークロスの測定は具体的には、インナーケーブルにかける荷重に対するストローク値を、温度を変化させて測定するもので、この値が小さいほど好ましいことになる。
樹脂製のアウターケーシングは上記のような問題が生じ易いため、従来、樹脂製の内管(ライナー)の外周に平鋼線を螺旋状に密に巻いた管状物とし、さらにその外側に樹脂を被覆したものが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このような平鋼線を螺旋状に密に巻いたものは重量が大きく、電気自動車やハイブリッド化の流れの中で、軽量化の要求に対して満足するものではない。
一方、樹脂層に金属線を直線状に埋め込んだアウターケーシングが提案されている(例えば、特許文献2〜5参照)。
例えば、合成樹脂からなる管形のケーシング本体の肉厚内に、金属管を適宜間隔毎に圧扁して扁平部を形成した補強線材をケーシング本体の軸心に平行に埋入したコントロールケーブル用アウターケーシングが提案されている(特許文献3参照)。
また、金属線を押出し機に導入し、樹脂製の管状導管の肉厚部に金属線を埋設させるアウターケーシングの製造方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
また、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる円筒状の本体に、本体の軸と平行に、かつ、軸を中心に180度対向して本体に埋設された2本の金属線を備えたアウターケーシングを有する排水栓遠隔操作装置用コントロールケーブルが提案されている(特許文献5参照)。
特開2002−286017号公報 特開昭47−11410号公報 実開昭59−22322号公報 特開昭59−16726号公報 特開2011−99524号公報
円管状の樹脂層の肉厚内に2本の金属線材が長手方向に平行に埋設された構造を有するコントロールケーブル用アウターケーシングは、2本の金属線材を含む面に対して直角方向には曲易いが、2本の金属線材を含む面内方向へは極めて曲げにくく、配索性が乏しい。更に、無理に配索作業をすると金属線材の切断や樹脂層の破断を伴うこともあり、広く普及していない。
本発明は、軽量であり、配索し易いコントロールケーブル用アウターケーシング及びにコントロールケーブルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
<1> 管状の樹脂層を有する樹脂管状体と、前記樹脂管状体の前記樹脂層内に前記樹脂管状体の軸方向に平行に且つ軸に対して対称となる位置に埋設された2本の金属線材と、を含み、前記樹脂管状体の外径をD(mm)、前記2本の金属線材の間隔をA(mm)としたときに、下記式(1)及び(2)を満たすコントロールケーブル用アウターケーシング。
(1)1.5≦D≦4
(2)0.5D≦A≦0.7D
<2> 前記樹脂管状体の樹脂層が結晶性樹脂を含む<1>に記載のコントロールケーブル用アウターケーシング。
<3> 前記結晶性樹脂の貯蔵弾性率が、950〜3000MPaである<2>に記載のコントロールケーブル用アウターケーシング。
<4> 前記樹脂管状体が、前記2本の金属線材が埋設された外側管状体と、前記外側管状体の内側に積層され、結晶性樹脂を含む内側管状体とを有する<1>に記載のコントロールケーブル用アウターケーシング。
<5> 前記外側管状体が熱可塑性エラストマー又は軟質塩化ビニルを含む<4>に記載のコントロールケーブル用アウターケーシング。
<6> <1>〜<5>のいずれかに記載のコントロールケーブル用アウターケーシングと、前記コントロールケーブル用アウターケーシング内に挿入されているインナーケーブルと、を有するコントロールケーブル。
<1>に係る発明によれば、軽量で、配索し易いコントロールケーブル用アウターケーシングが提供される。
<2>に係る発明によれば、配策性と摺動性が両立したコントロールケーブル用アウターケーシングが提供される。
<3>に係る発明によれば、金属線材が樹脂層から突出することが抑制されるコントロールケーブル用アウターケーシングが提供される。
<4>に係る発明によれば、配策性と摺動性が両立し、更に製造し易いコントロールケーブル用アウターケーシングが提供される。
<5>に係る発明によれば、配索性がさらに向上するコントロールケーブル用アウターケーシングが提供される。
<6>に係る発明によれば、軽量で、配索し易いコントロールケーブルが提供される。
本発明のコントロールケーブル用アウターケーシングの構成の一例を示す概略図である。 図1に示すコントロールケーブル用アウターケーシングの軸方向に垂直な断面を示す概略図である。 本発明のコントロールケーブル用アウターケーシングの構成の他の例を示す概略図である。 本発明のコントロールケーブル用アウターケーシングを製造する際に内側管状体の外周に外側管状体を形成する工程を示す概略図である。 ストロークロスを測定する方法を説明する概略図である。 荷重効率を測定する方法を説明する概略図である。 実施例及び比較例のアウターケーシングの配索荷重を測定したときの荷重−たわみ量の関係を示す図である。 実施例及び比較例のアウターケーシングの配索荷重を測定する方法を示す概略図である。 実施例及び比較例のアウターケーシングの配索荷重を金属線間距離に対してプロットした図である。
以下、本発明に係るコントロールケーブル用アウターケーシング(単に「アウターケーシング」と記す場合がある)及びコントロールケーブルについて添付の図面を参照しながら具体的に説明する。
<コントロールケーブル用アウターケーシング>
本発明者らは、2本の金属線材を樹脂管状体の軸方向に平行に埋設したアウターケーシングについて、曲げ易さに方向性がある事を解消すべく研究を重ねたところ、樹脂管状体の外径Dが1.5〜4mmであり、樹脂層に埋設された2本の金属線材間の間隔(金属線材間距離)Aが0.75〜2.8mmであって、外径Dの50〜70%の範囲内となる構成とすれば、軽量であり、かつ、配索荷重が急激に低くなる事を見出した。
すなわち、本発明に係るコントロールケーブル用アウターケーシングは、管状の樹脂層を有する樹脂管状体と、前記樹脂管状体の樹脂層内に前記樹脂管状体の軸方向に平行に且つ軸に対して対称となる位置に埋設された2本の金属線材と、を含み、前記樹脂管状体の外径をD(mm)、前記2本の金属線材の間隔をA(mm)としたときに、下記式(1)及び(2)を満たしている。
(1)1.5≦D≦4
(2)0.5D≦A≦0.7D
−第1実施形態−
図1は本発明の実施形態に係るアウターケーシングの構成の一例(第1実施形態)を概略的に示し、図2は軸方向に対して垂直な断面を概略的に示している。
本実施形態に係るアウターケーシング10は、管状に形成された単層の樹脂層を有する樹脂管状体14と、樹脂管状体14の樹脂層に軸方向に平行に且つ軸に対して対称となる位置に埋設された2本の金属線材18と、を含んで構成され、樹脂管状体14の外径D(mm)及び2本の金属線材18の間隔A(mm)が、前記式(1)及び(2)を満たしている。
なお、本発明において「2本の金属線材の間隔A」とは、図2に示すように平行な2本の金属線材を軸方向に垂直な断面として見たときの金属線材間の最短距離を意味する。
以下、各構成部材について具体的に説明する。
(樹脂管状体)
図1に示すアウターケーシング10の樹脂管状体14は単層の樹脂層で構成されている。樹脂管状体14の外径D(mm)は1.5〜4mmである。樹脂管状体14の外径Dが1.5mm未満であると、アウターケーシング10としての強度が不十分であり、また、樹脂層内に2本の金属線材18を管状体14の軸に対して平行且つ対称位置に埋設することが困難である。また、樹脂管状体14の外径が4mmを超えると配策性が低下してしまう。かかる観点から、樹脂管状体14の外径は、1.5〜4mmであることが必須である。
なお、樹脂管状体14の内径d(mm)は、外径Dと内径dとの差TがD/2≦T≦5D/6を満たすことが好ましい。
本実施形態のように単層の樹脂層で構成された樹脂管状体14の内側にインナーワイヤを通してコントロールケーブルとする場合、樹脂層は直接インナーワイヤと接触するため、摺動性が良好である必要がある。そのため、本実施形態に係るアウターケーシング10では、樹脂管状体14を構成する樹脂として結晶性樹脂を用いることが好ましく、具体的には、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリオキシメチレン、6ナイロン、66ナイロン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などが例示される。これらの中でも、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、6ナイロン、及び66ナイロンが成形性と耐久性から好ましく、高密度ポリエチレン、ポリオキシメチレン、6ナイロン、及び66ナイロンは摺動性が良いために、摺動性向上のためのグリースを封入する必要がなく、最も好ましい。
樹脂管状体14を構成する結晶性樹脂が柔らかいほどケーブルの屈曲性が良いため配索しやすいが、柔らかすぎるとケーブルを屈曲させたときに金属線材18が端面から突出しやすくなる。そのため樹脂管状体14に含まれる結晶性樹脂の貯蔵弾性率は800〜3000MPaとやや高めが好ましく、950〜3000MPaがより好ましい。このような高い剛性の樹脂を用いても本発明のアウターケーシング10は細いため、屈曲性を有し、配索に問題ない。
貯蔵弾性率が上記範囲にある樹脂としては、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン類が例示できる。またシリコーン樹脂など摺動性改良材を添加したポリプロピレンも良好に使用し得る。6ナイロン、66ナイロンは金属との密着性も良好なので非常に好ましい。
また、樹脂管状体14を構成する樹脂として軟質ポリ塩化ビニルや熱可塑性エラストマーと呼ばれる軟質樹脂も適用できるが、この場合はアウターケーシング10を屈曲する事により金属線材18が樹脂から滑動し易く、金属線材18の端部が樹脂層から突き出してくることも考えられる。そのため金属線材18は予めプライマー処理をして樹脂との密着性を上げておくことが好ましい。
(金属線材)
樹脂管状体14の樹脂層内には、2本の金属線材18が樹脂管状体14の軸方向に平行に且つ軸に対して対称となる位置に埋設されている。
なお、金属線材18について「樹脂管状体の軸方向に平行」とは、アウターケーシング10を直線状にしたときに、金属線材同士の成す角度が0°である場合に限らず、間欠的に10°以内であればよい。また、「樹脂管状体の軸に対して対称となる位置」とは、図2に示すように軸に対して垂直な断面で見たときに、樹脂管状体14の軸と2本の金属線材18の軸とが全て一直線上に並ぶ場合に限らず、樹脂管状体14の軸と各金属線材18の軸をそれぞれ結んだときの角度が180±10°の範囲内であればよい。
樹脂管状体14の樹脂層内に埋設される金属線材18としては、硬鋼線、軟鋼腺、ステンレス線などが挙げられる。
金属線材18の線径は樹脂管状体14の外径にもよるが、屈曲性及び強度の観点から、0.1〜0.5mm程度のものが好ましい。
また、線径0.05〜0.2mmの金属線を1〜5本撚った撚り線を用いると、得られるアウターケーシング10の屈曲性が高まるので好ましい。
本実施形態において樹脂層内に埋設されている2本の金属線材18の間隔A(mm)は、樹脂管状体14の外径Dに対し、0.5D≦A≦0.7Dの関係を満たしている。2本の金属線材18の間隔Aが、樹脂管状体14の外径Dの50%〜70%の範囲内にあることで高い配索性が得られる。
2本の金属線材18の間隔A(mm)は、樹脂管状体14の外径D及び樹脂管状体14の外径と内径との差Tに対し、A=D−0.6Tの関係を満たす事が好ましく、かつ、0.75〜2.8mmの範囲にあることが必須である。
2本の金属線材18の間隔Aが0.75mm未満の場合、樹脂管状体14の内径dが小さく、樹脂肉厚も小さくなるため、金属線材18の埋設が困難である。また、インナーワイヤの線径も細くせざるを得ず、牽引する荷重に耐えられなくなるとともに耐久性も不十分となる。一方、2本の金属線材18の間隔Aが2.8mmより大きいと金属線材18を含む面内方向に急激に曲げにくくなり、配索性が悪化する。樹脂管状体14の外径D、内径d、金属線材18の線径などにもよるが、高い配策性と耐久信頼性を得る観点から、金属線材18の間隔Aは1.0〜2.8mmの範囲にあることが好ましい。
また、金属線材18は長さ方向に間欠的に凹凸を設けると、凹凸が樹脂層の樹脂に食い込んで金属線材18の滑動が抑制され、アウターケーシング10あるいはコントロールケーブルを屈曲させても金属線材18の突出を効果的に抑えることができる。
この様な凹凸は金属線材18を例えばロール等でプレスすることで形成する事ができる。
金属線材18と樹脂は一種の金属線補強樹脂となり、金属線材18が埋設されていない場合に比べ熱膨張率は半減し、特に高温での圧縮強度や引張り強度は大幅に向上する。
一方、樹脂層14の樹脂が軟質塩化ビニルや熱可塑性エラストマーのような軟質の樹脂の場合は、樹脂が金属線材18の凹凸に食い込む力が弱いため、屈曲により金属線材18が樹脂層の末端から突出しやすくなり、樹脂が金属線材18からずれると金属線材18による補強効果が低下し易い。
そこで、金属線材18に易接着処理を施すと、樹脂との密着性が高まり金属線材18の滑動を抑制することができる。この易接着処理は樹脂層として特に軟質樹脂を用いる場合に効果が顕著であるが、硬質樹脂を用いる場合も効果を発揮する。更に、金属線材18に前述の凹凸を設けることや、撚り線を用いるなど金属線材18の表面積を大きくすることで易接着処理の効果を一層高めることができる。
−第2実施形態−
図3は、本発明の実施形態に係るアウターケーシングの構成の他の例(第2実施形態)を概略的に示している。本実施形態に係るアウターケーシング20は、樹脂管状体17が2層の樹脂層12,16を有しており、2本の金属線材18が埋設された外側管状体(外側樹脂層)16と、前記外側管状体16の内側に積層され、結晶性樹脂を含む内側管状体(内側樹脂層)12とを有する構成となっている。
本実施形態のように樹脂管状体17の樹脂層が2層構造である場合も、前記式(1)及び(2)を満たすように構成されていればよい。
なお、「樹脂管状体の外径と内径との差」は、本実施形態の場合は樹脂管状体全体としての外径と内径との差、すなわち、「外側管状体16の外径と内側管状体12の内径との差」である。
以下、第2実施形態に係るアウターケーシングの構成について説明するが、金属線材の材質については第1実施形態と同様であり、説明を省略する。
(内側管状体)
内側管状体12(「樹脂ライナー」又は「ライナー」と記す場合がある)は結晶性樹脂を含んで構成されている。
ライナー12を構成する結晶性樹脂の融点は120℃以上であることが好ましい。この範囲に融点を有する結晶性樹脂を用いて構成されたライナー12は、インナーケーブル(不図示)に対する摺動性が高く、また、製造時にライナー12の外周面に外側管状体16を構成する樹脂を高温で押出して被覆してもライナー12が溶融したり変形したりすることを抑制することができる。
例えば、結晶性樹脂として融点が比較的低い高密度ポリエチレン(融点135℃)であっても外側管状体16の押出し成形時にライナー12が変形し難く、更に融点の高い結晶性樹脂を用いれば更に変形し難くなる。
ライナー12を構成する結晶性樹脂の融点の上限は265℃程度が好ましい。融点が265℃以下であれば高温押出しの必要がなく、成形が容易である。
なお、ライナー12を構成する樹脂が非晶性樹脂であると、例えば極めて硬い樹脂であるポリカーボネートのような樹脂を用いても、また、たとえライナーの内周面にグリースを注入してもインナーケーブルに対する摺動性が悪く、コントロールケーブルとしての機能が大きく低下する。
ライナー12を構成する結晶性樹脂を例示すると、66ナイロン(融点260度)、6ナイロン(同220度)、ポリブチレンテレフタレート(同220度)、ポリオキシメチレン(同165〜175度)、ポリメチルペンテン(同230度)、ポリプロピレン(165度)、高密度ポリエチレン(135度)が挙げられる。これらの樹脂は摩擦係数が低く、荷重効率が高くなり好ましい。特にポリブチレンフタレート、ポリオキシメチレン、高密度ポリエチレンを用いると、高い荷重効率が得られ易い。
ライナー12の肉厚は50〜1000μmが好ましく、外側管状体16をライナーの外周面に押出して被覆する時の熱によるダメージを受けにくくするため100〜500μmが特に好ましい。
(外側管状体)
金属線材18が埋設され、外側に位置する外側管状体16を構成する樹脂としては、第1実施形態に係る単層の樹脂管状体14として挙げたような結晶性樹脂を適用することができるが、コントロールケーブルとした場合のインナーケーブルは内側管状体12と接触し、外側管状体16とは接触しない。そのため、外側管状体16はインナーケーブルとの摺動性を考慮する必要はなく、結晶性樹脂を用いる必要はない。
一方、外側管状体16を構成する樹脂は、第1実施形態の樹脂管状体と同様、貯蔵弾性率が3000MPa以下であるとケーブルの屈曲による金属線材の突出しが抑えられるため好ましく、一方、2500MPa以下の曲げ易いもの、特に1500MPa以下の樹脂は更に曲げ易いので好ましい。
また、外側管状体16に含まれる樹脂は融点又はガラス転移点が210℃以下の樹脂であることが好ましく、180℃以下であることがより好ましい。融点又はガラス転移点(非晶性樹脂の場合)が210℃以下の樹脂を用いると、ライナー12の外周面に押出して被覆する時にライナー12にダメージを与え難い。
ライナー12を構成する結晶性樹脂の融点(T1)と外側管状体16を構成する樹脂の融点又はガラス転移点(T2)との差ΔT=(T1−T2)は、−50から+130℃の範囲であることが好ましく、この温度差ΔTがプラスに高いほど製造し易い。
外側管状体16の形成に適用できる樹脂の例としては、軟質塩化ビニル、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリオキシメチレン、熱可塑性エラストマーとしてスチレン系熱可塑性エラストマー、熱可塑性ウレタンエラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、ポリエチレン系熱可塑性エラストマー、EPDMやエチレン−プロピレン共重合体が分散されたオレフィン系熱可塑性エラストマーと呼ばれる樹脂も使用できる。
ポリエチレン系樹脂としては高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレン系熱可塑性エラストマーが挙げられ、最も好ましくは高密度ポリエチレンである。高密度ポリエチレンは密度が0.941〜0.970であり、ポリエチレンの中では結晶性の高い樹脂であるため耐熱性、耐薬品性が優れている。
ポリプロピレン系樹脂としてはホモポリプロピレン以外に、ブロック型及びランダム型の共重合ポリプロピレンも例示できる。
これらの樹脂の内、軟質塩化ビニルと熱可塑性エラストマーを用いると柔らかいため配索性が向上し好ましい。
外側管状体16として、例えば、結晶性樹脂であるポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、又はポリオキシメチレンを使う場合、外側管状体16の成形収縮率が大きいので内側管状体12に対して強く密接(密着)し、内側管状体12と外側管状体16が接着していなくても内側管状体12と外側管状体16との間で滑動することを抑制することができる。
なお、外側管状体16の材質に関わらず、内側管状体12の外周面に後述の易接着処理としてプラズマ照射やプライマー処理を施すことで内側管状体12と外側管状体16を互いに強く密着させることが可能である。
外側管状体16の肉厚は、コントロールケーブルの強度の観点、金属線材18の径との関係、ライナーへの熱的ダメージの観点から0.2〜2.0mmが好ましく、0.3〜1.5mmが特に好ましい。
<コントロールケーブル用アウターケーシングの製造方法>
本実施形態に係るアウターケーシング10を製造する方法は特に限定されない。
例えば、図3に示すように樹脂管状体が2層構造のアウターケーシングを製造する場合、2本の金属線材18が埋設された外側管状体16の内側に、結晶性樹脂で構成した内側管状体12を挿入してもよいが、内側管状体12を形成した後、内側管状体12の外周に外側管状体(外側樹脂層)16を押出し成形して複数の金属線材18が外側樹脂層16内に軸に平行にかつ軸に対して対称となる位置に埋設された外側管状体16で被覆する方法が好ましい。
図4は第2実施形態に係るコントロールケーブルを製造する工程の一部を概略的に示している。例えば、樹脂ライナー12を予め作製しておくか、押出し機を2台連ね、1台の押出し機で樹脂ライナー12を作製し、ライナー12とともに2本の金属線材18をもう1台の押出し機のダイス34の後方に位置するノズル30の挿入孔32より挿入する。このとき、2本の金属線材18はライナー12の軸方向に平行に且つ周方向に等間隔(軸に対して対称)となるように挿入する。そして、樹脂ライナー12及び金属線材18をダイス34内に導入し、ダイス34から送り出しながらライナー12の外周面に管状の樹脂管(外側樹脂層16)を押出して被覆する。これにより、2本の金属線材18が管状樹脂管16の肉厚内に長手方向に平行に且つ略対称位置に埋設される。
なお、樹脂ライナー12の外周面を、軸方向に平行且つ対称的な位置に2本の金属線材18が埋入された外側樹脂層16(アウター樹脂)で被覆した樹脂管状体は内外径寸法が良好なため、真空装置つきの外径調整器(フォーマー:押し出されたチューブ状物の外表面を真空で吸引して外径を制御する装置)を通過させる必要はない。
そして、上記のような工程によってアウターケーシングを製造する際、外側管状体の外径D(mm)及び2本の金属線材の間隔A(mm)が、前記式(1)及び(2)を満たすように調整すればよい。
また、本実施形態に係るアウターケーシング10を上記のように製造する際、内側管状体(ライナー)12と外側管状体16との接触面及び金属線材18と外側管状体16との接触面の少なくとも一方の接触面には易接着処理を施しておくことが好ましい。
本発明における易接着処理としては、コロナ放電又はプラズマ照射のような酸化的処理と、プライマー処理が挙げられる。
たとえば、高密度ポリエチレンやポリオキシメチレン製のライナーはポリプロピレン系エラストマーとの密着性が悪く、ライナーの外周面を軟質塩化ビニルで被覆する場合、ライナー12と外側樹脂層16は接着しない。ところがライナー12の外周面をコロナ放電又はプラズマ処理すると軟質塩化ビニルとの密着性が大幅に向上し、内側管状体12と外側管状体16とが一体となるため、圧縮に対しても高い密着性が保持される。
また、金属線材と樹脂との密着性は低いのが一般的である。例えば、外側樹脂層16にポリプロピレン系エラストマーを用いると、得られるアウターケーシングの屈曲性は非常に優れるが、屈曲を繰り返すことで金属線材18が外側樹脂層16内で滑動してきて金属線材18が外側樹脂層16から飛び出す可能性がある。
しかし、金属線材18の表面にプライマーを付着させると、樹脂と金属との密着性が大幅に向上し、屈曲させても金属線材18の飛び出しが効果的に防止される。
プライマーの種類はポリオレフィンの無水マレイン酸など極性基処理された樹脂溶液(MAO)、グリシジルアクリレートなどエポキシ基含有モノマーの共重合ポリマー(GMP)、塩素化ポリオレフィン(CPE)、塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体(CEVA)など、更にオレフィン系樹脂粒子の水又は溶剤ディスパーション(POエマルジョン)が例示できる。これらのプライマーは樹脂と金属、異種樹脂同士の密着性も向上でき、プラズマ照射、コロナ放電と併用すると更に効果的である。
<コントロールケーブル>
本発明のコントロールケーブルは、前述した本発明に係るアウターケーシングと、アウターケーシング(内側管状体)内に挿入されているインナーケーブルと、によって構成される。
本発明のアウターケーシングの外周に、耐油性や耐熱性、防振性、打音防止などの目的で筒状のプロテクターや発泡体をこれに被せることもある。
インナーケーブルとしては金属製のワイヤーを使用することができ、要求される強度等に応じて選択すればよい。
金属製のワイヤーは防錆のためナイロンなどの樹脂でコーティングされることもある。
また、アウターケーシング中に摺動性を向上するためグリースを注入することもある。
本発明のコントロールケーブルの用途は限定されず、例えば、自動車用途であれば、サンルーフ開閉ケーブル、シートケーブル、ウインドウ開閉ケーブル、パーキングブレーキケーブル、トランクオープンケーブル、燃料オープンケーブル、ボンネットケーブル、キーロックケーブル、ヒータ調整ケーブル、オートマ変則ケーブル、スロットルケーブル、アクセルケーブルなど種々の用途に用いることができる。
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
まず、実施例及び比較例で使用した材料及び処理の詳細を記す。
なお、使用樹脂に記載の貯蔵弾性率は動的粘弾性測定装置(ティエイインスツルーメント社製)を用い昇温速度2℃/分、周波数1hzにて引張りモードで測定した
(樹脂)
樹脂PE:ハイゼックス500H(高密度ポリエチレン、MFR:0.10、密度:0.958、貯蔵弾性率:1300MPa、融点:132℃、プライムポリマー社製)
樹脂POM:ユピタールF10(ポリオキシメチレン、密度:1.41、貯蔵弾性率:2800MPa、融点:160℃、三菱エンジニアプラスチックス社製)
樹脂PBT:ノバデュラン5010Trxa(ポリブチレンテレフタレート、密度:1.27、貯蔵弾性率:2400MPa、融点:220℃、三菱エンジニアプラスチックス社製)
樹脂PC:ユーピロンE2000(ポリカーボネート(非晶性樹脂)、密度:1.20、貯蔵弾性率:2300MPa、ガラス転移点:150℃、三菱エンジニアプラスチックス社製)
樹脂TPO:ミラストマーM4400B(ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー樹脂、MFR:1以下、密度:0.89、貯蔵弾性率:410MPa、融点:150℃、三井化学社製)
樹脂PP1:プライムポリプロE105GM(MFR:0.5、密度:0.89、貯蔵弾性率:960MPa、融点:162℃、プライムポリマー社製)
樹脂PP2:プライムポリプロE150GK(MFR:0.6、密度:0.90、貯蔵弾性率:900MPa、融点:158℃、プライムポリマー社製)
樹脂PVC1:ビニカCE85E(軟質塩化ビニル(非晶性樹脂)、A硬度:83、密度:1.44、貯蔵弾性率300MPa、ガラス転移点:22℃、三菱化学社製)
(金属線材)
硬鋼線:線径0.33mmの熱処理した金属線。
撚り線:線径0.15mmの硬鋼線3本をピッチ2mmで撚った金属線。
(易接着処理)
プラズマ照射:春日電機社製 リアルプラズマ装置APG500を用い、毎秒100mmのスピードで材料(樹脂ライナー)にプラズマ照射した。
プライマー:金属線材をユニストールR300(酸変性ポリプロピレンの有機溶剤溶液、三井化学社製)に0.5分間含浸させ、150℃で2分間乾燥して使用した。
<実施例1>
(金属線材入り単層アウターケーシングの製造)
押出機として30mmスクリュー径、長/径比(L/D)=30のクロスヘッドタイプの単軸押出機(日本製鋼所社製)に樹脂PP1ペレットを供給しスクリュー温度210℃で管状に押出しつつ、ダイス後方より2本の硬鋼線を導入し管状樹脂管の肉厚の中間部に、長手方向に平行且つ対称位置に埋設されるように押出し成形した。これにより、外径(D)4mm、内径(d)2mm、樹脂層厚(T/2)1mm、金属線材間距離(A)2.8mmの金属線材入り単層アウターケーシングを得た。
<実施例2〜5、7、8、10、比較例1〜3>
実施例1において下記表1、表2に示す材料及び寸法に変更したこと以外は実施例1と同様にしてアウターケーシングを作製した。
<実施例9>
(金属線材入り2層構造アウターケーシングの製造)
30mmスクリュー径、長/径比(L/D)=22の単軸押出機(創研社製)に、樹脂PEペレットを供給しスクリュー温度200℃で、内径1.3mm、外径1.9mmのチューブ状品を連続的に押出して樹脂ライナー(内側管状体)を得た。
30mmのスクリュー径、長/径比(L/D)=30のクロスヘッドタイプの単軸押出機(日本製鋼所社製)のダイス後方より予め作製した上記樹脂ライナーを挿入した。
一方、単軸押出機に樹脂PPペレットを供給し、スクリュー温度210℃で樹脂ライナーの外周を樹脂PPで被覆して外側樹脂層を形成する工程で、2本の硬鋼線をダイスに導入し、外側樹脂層の肉厚の中間部(金属線材の間隔は2.0mm)において、長手方向に平行且つ対称位置に埋設されるように押出し成形した。これにより、外径(D)3mm、内径(d)1.3mm、金属線材間距離(A)2mmの金属線材入り2層構造アウターケーシングを得た。
<実施例11〜14>
実施例1において下記表2に示す材料及び寸法に変更したこと以外は実施例9と同様にしてアウターケーシングを作製した。
[評価]
得られたアウターケーシング内に、インナーケーブル(ユニフレックス社製、SWRH62A、径:1.5mm)を挿入してコントロールケーブルを製造した。
アウターケーシング及びコントロールケーブについて下記の評価を行った。
(ストロークロス)
図5はストロークロスの測定方法を概略的に示す図である。長さ1.5mのコントロールケーブル40を図5に示すように直径200mmの逆S字状に配索し、アウターケーシングの両端部の固定金具24を固定し、インナーケーブル22の一端を固定部材50に固定した。この状態で、インナーケーブル22の他方の端部を引張り試験機60で保持し、矢印Aの方向に80℃にて98Nの力で引張り、インナーケーブルの「引張長さ」を変位計70により測定し、これをストロークロス値とした。
(荷重効率)
図6は荷重効率の測定方法を概略的に示す図である。長さ1.5mのコントロールケーブルを直径200mmのR(アール)に配策し、アウターケーシングの両端部の固定金具24を固定した。インナーケーブル22の末端に荷重計80を取り付け、もう一端より引張り試験機60により室温にて98Nの力で引張り、末端側に伝わる荷重を測り荷重効率を求めた。この割合が高いほど効率が高いと判断する。
(熱膨張)
長さ1000mmのアウターケーシングを80℃雰囲気下で3時間放置した後の寸法(L1)と室温での寸法(L0)との差L1−L0を測定した。
(配索荷重)
長さ300mmのアウターケーシングの末端を2本の金属線を含む面に平行方向に固定し、先端に荷重をかけて製品が垂直方向に約200mm撓んだ時の荷重(g)を測定した。
(金属線の突き出し)
長さ150mmのコントロールケーブルをR50に屈曲させた後、アウターケーシングの末端における金属線材の突き出し寸法を測定した。
(重量)
アウターケーシング1mあたりの重さを測定した。
(配索荷重とたわみ量の関係)
図7は、実施例1、3、4及び比較例2のアウターケーシングの配索荷重を図8の概略図に基き測定したときの荷重とたわみ量の関係を示す荷重-たわみ線図である。具体的には、図8に示すように、アウターケーシングの一端部から300mmの位置で水平に支持した。このとき、2本の金属線材を含む面が垂直となるようにアウターケーシングを支持し、一端部に荷重(W)をかけてアウターケーシングのたわみ量を測定した。
金属線間距離が本発明の範囲(1.1mm、2.0mm、2.8mm)のものは、荷重とともに直線的にたわみが大きくなるが、ある荷重を超えると急激にたわみが大きくなる点が存在する。一方、金属線間距離が本発明の範囲以上(3.2mm)のものは、荷重−たわみ線図がほぼ直線関係のままで、変曲点が存在しない事があきらかである。このことは、本発明のアウターケーシングが一種の金属線補強樹脂と考えると、金属線間距離が小さいほど断面2次モーメントが小さくなり、その距離がある値以下になると指数的に低下するためではないかと推測している。
図9は図7で求めた実施例及び比較例のアウターケーシングの配索荷重を金属線間距離に対してプロットしたものである。金属線間距離が2.8mmを境に変曲点が存在し、それ以上では配索荷重が大幅に高い値になっていることが明らかである。
10 コントロールケーブル用アウターケーシング
12 内側管状体(内側樹脂層、樹脂ライナー)
14 樹脂管状体
16 外側管状体(外側樹脂層)
17 樹脂管状体
18 金属線材
20 コントロールケーブル用アウターケーシング
22 インナーケーブル
24 固定金具
30 ノズル
32 挿入孔
34 ダイス
40 コントロールケーブル
50 固定部材
60 試験機
70 変位計
80 荷重計

Claims (6)

  1. 管状の樹脂層を有する樹脂管状体と、
    前記樹脂管状体の前記樹脂層内に前記樹脂管状体の軸方向に平行に且つ軸に対して対称となる位置に埋設された2本の金属線材と、を含み、
    前記樹脂管状体の外径をD(mm)、前記2本の金属線材の間隔をA(mm)としたときに、下記式(1)及び(2)を満たすコントロールケーブル用アウターケーシング。
    (1)1.5≦D≦4
    (2)0.5D≦A≦0.7D
  2. 前記樹脂管状体の樹脂層が結晶性樹脂を含む請求項1に記載のコントロールケーブル用アウターケーシング。
  3. 前記結晶性樹脂の貯蔵弾性率が、950〜3000MPaである請求項2に記載のコントロールケーブル用アウターケーシング。
  4. 前記樹脂管状体が、前記2本の金属線材が埋設された外側管状体と、前記外側管状体の内側に積層され、結晶性樹脂を含む内側管状体とを有する請求項1に記載のコントロールケーブル用アウターケーシング。
  5. 前記外側管状体が熱可塑性エラストマー又は軟質塩化ビニルを含む請求項4に記載のコントロールケーブル用アウターケーシング。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のコントロールケーブル用アウターケーシングと、
    前記コントロールケーブル用アウターケーシング内に挿入されているインナーケーブルと、
    を有するコントロールケーブル。
JP2013177002A 2013-08-28 2013-08-28 コントロールケーブル用アウターケーシング及びコントロールケーブル Pending JP2015045375A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013177002A JP2015045375A (ja) 2013-08-28 2013-08-28 コントロールケーブル用アウターケーシング及びコントロールケーブル
CN201480047122.4A CN105492783A (zh) 2013-08-28 2014-08-08 控制电缆用外壳和控制电缆
PCT/JP2014/071093 WO2015029756A1 (ja) 2013-08-28 2014-08-08 コントロールケーブル用アウターケーシング及びコントロールケーブル
US14/915,005 US20160208846A1 (en) 2013-08-28 2014-08-08 Outer casing for control cable, and control cable

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013177002A JP2015045375A (ja) 2013-08-28 2013-08-28 コントロールケーブル用アウターケーシング及びコントロールケーブル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015045375A true JP2015045375A (ja) 2015-03-12

Family

ID=52586325

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013177002A Pending JP2015045375A (ja) 2013-08-28 2013-08-28 コントロールケーブル用アウターケーシング及びコントロールケーブル

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20160208846A1 (ja)
JP (1) JP2015045375A (ja)
CN (1) CN105492783A (ja)
WO (1) WO2015029756A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI719441B (zh) * 2018-04-12 2021-02-21 溫芫鋐 車輛用導管
TWI671473B (zh) * 2018-04-12 2019-09-11 溫芫鋐 車輛用導管

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59121216A (ja) * 1982-12-27 1984-07-13 Nippon Cable Syst Inc コントロ−ルケ−ブルのアウタ−ケ−シング
JP2011099524A (ja) * 2009-11-06 2011-05-19 Hi-Lex Corporation 排水栓遠隔操作装置用コントロールケーブルおよびそれを用いた排水栓遠隔操作装置
JP2013116965A (ja) * 2011-12-02 2013-06-13 Nissin Kogyo Co Ltd 炭素繊維複合材料の製造方法及び炭素繊維複合材料

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2563435Y2 (ja) * 1989-08-30 1998-02-25 日本ケーブル・システム株式会社 コントロールケーブル
US5245887A (en) * 1989-08-30 1993-09-21 Nippon Cable System Inc. Control cable
DE4323121A1 (de) * 1993-07-10 1995-02-23 Hoechst Ag Abriebbeständige Fluorpolymer-Mischungen
JP6315366B2 (ja) * 2013-08-09 2018-04-25 日本発條株式会社 コントロールケーブル用アウターケーシング及びその製造方法並びにコントロールケーブル

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59121216A (ja) * 1982-12-27 1984-07-13 Nippon Cable Syst Inc コントロ−ルケ−ブルのアウタ−ケ−シング
JP2011099524A (ja) * 2009-11-06 2011-05-19 Hi-Lex Corporation 排水栓遠隔操作装置用コントロールケーブルおよびそれを用いた排水栓遠隔操作装置
JP2013116965A (ja) * 2011-12-02 2013-06-13 Nissin Kogyo Co Ltd 炭素繊維複合材料の製造方法及び炭素繊維複合材料

Also Published As

Publication number Publication date
CN105492783A (zh) 2016-04-13
US20160208846A1 (en) 2016-07-21
WO2015029756A1 (ja) 2015-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10175439B2 (en) Cable jackets having designed microstructures and methods for making cable jackets having designed microstructures
US8127800B2 (en) Fire protective hose assembly
US7849887B2 (en) Refrigerant transportation hose
JP6315366B2 (ja) コントロールケーブル用アウターケーシング及びその製造方法並びにコントロールケーブル
EP2053299A3 (en) Thermal insulation of flexible pipes
JP5091475B2 (ja) 防音有歯ケーブル
JP4922785B2 (ja) 燃料輸送ホース
US20220213989A1 (en) Resin material for hose and hose
US20160238166A1 (en) Corrugated tube and wireharness
WO2015029756A1 (ja) コントロールケーブル用アウターケーシング及びコントロールケーブル
JP5290200B2 (ja) 流体移送ダクト
US20080037940A1 (en) Tube for Air Blown Installation and Tube Cable Using the Same
JP3226893B2 (ja) 防音有歯ケーブル
JP6857445B2 (ja) ホース及びその製造方法
CA2791355A1 (en) Multi-tube spoolable assembly
EP3771935A1 (en) Cable skin layer with access sections integrated into a cable jacket
JP2011190877A (ja) 給水給湯ホース
JP6020789B2 (ja) コントロールケーブル用アウターケーシング及びコントロールケーブル
IT201800006714A1 (it) Tubo multistrato per il trasporto di fluidi in pressione.
KR20140094176A (ko) 보강층이 구비되어 내진력이 우수한 장기 내구성 파이프
JP2005292176A (ja) 光ファイバケーブルおよびその製造方法
JP6854203B2 (ja) 高柔軟電線及びインホイールモーター用ケーブル
DE102019204776A1 (de) Verfahren zum Herstellen einer Fluidleitung sowie entsprechende Fluidleitung
JP2016138633A (ja) ホース
US8815353B2 (en) Wireless hose article and related methods

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160408

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170912

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180608

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20180614

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20180706